JP2001314513A

JP2001314513A - 医療用ガイドワイヤ

Info

Publication number: JP2001314513A
Application number: JP2000136553A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Miyata; 昌彦宮田; Tomihisa Kato; 富久加藤
Original assignee: Asahi Intecc Co Ltd
Current assignee: Asahi Intecc Co Ltd
Priority date: 2000-05-10
Filing date: 2000-05-10
Publication date: 2001-11-13
Anticipated expiration: 2020-05-10
Also published as: JP4502294B2

Abstract

(57)【要約】【課題】可撓性細長線状体の主線材２の先端部分にコ
イルばね４を嵌装着した医療用ガイドワイヤにおいて、
ガイドワイヤとして必要な「垂直荷重性・捩り剛性・ス
テアリング性・屈曲性・屈曲状態からの復元性」等の諸
機械的性質のさらなる向上と、用途に整合した前記諸性
質が調整設定できる高品質の医療用ガイドワイヤを提供
する。【解決手段】主線材２が、超弾性合金材のＮｉ―Ｔｉ
線からなる芯線材６の外周に剛性合金材のＳＵＳ材から
なる金属溶射層7を一体に設けた金属２層構造、また
は、ＳＵＳ線からなる芯線材６の外周にＮｉ―Ｔｉ合金
材の金属溶射層７を設けた金属２層構造に構成され、そ
の異質２種金属の固有特性の補完・調整によって高品質
性能のもの、または多様仕様品質のものに構成可能にし
たガイドワイヤ１が特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、心臓血管系内にカ
テーテルを導入する際に用いる医療用ガイドワイヤに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】血管造影を目的として、極細可撓管体の
カテーテルを血管内に挿入したり、または、冠状動脈の
閉塞部位の治療に、バルーンカテーテルを血管内に挿入
するのに際し、そのカテーテルの挿入を安全確実にする
ために、可撓性線材からなる医療用ガイドワイヤが用い
られており、特公平４−２５０２４号公報・特公平４‐
２９２１７５号公報に示される公知例がある。

【０００３】そして、この医療用ガイドワイヤ１（以
下、単にガイドワイヤ１という）は、（図７参照）可撓
性極細線の主線材２からなる線状形態にして曲りくねっ
た複雑な径路の血管９・分岐血管９Ａに先端部３から挿
入するので、柔軟な可撓性と進行方向の荷重に対する垂
直荷重性（耐座屈性）が要求され、さらに、体外に位置
する後端部５を回転させながら血管内へ挿入し進行させ
るので、その回転に対する応分の捩り剛性と、後端部５
の操作によって血管内の先端部３の方向が操作できるス
テアリング性を併有する高度の機械的性質が必要であ
り、その先端部３は、血管内挿入の先導部として機能す
るに足る柔軟性と屈曲変形からの復元性が必要となるの
で、細径にした主線材２にコイルばね４を嵌装着した基
本構造を有している。

【０００４】即ち、例えば分岐血管９Ａに挿入する場合
は、先端部３の若干を指先等で「くの字状」に塑性変形
させたプリシエイプ部８を形成して血管内に挿入し、そ
のプリシエイプ部８が、挿入すべき分岐血管９Ａの分岐
点の近傍に達すると、ガイドワイヤ１を回転させてプリ
シエイプ部８を分岐血管９Ａに導入する操作が行われ、
その導入操作によって、ガイドワイヤ１を分岐血管９Ａ
に挿入進行させることになる。従って、ガイドワイヤ１
は先端部３が高可撓性にしてプリシエイプ部８が成形し
易く、かつ後端部５の方向へ剛性が向上する形態が望ま
れる。

【０００５】以上から、従来のガイドワイヤは、Ｎｉ
（ニッケル）−Ｔｉ（チタン）系の超弾性合金線または
剛性合金材のＳＵＳ（ステンレス）材からなる主線材２
のものが多く、その主線材２を露出形態にしたりテフロ
ン（登録商標）コーティング等の樹脂被覆をした形態に
して使用されている。そして、そのＮｉ−Ｔｉ合金材・
ＳＵＳ材の固有特性を応用して、ガイドワイヤ１の機械
的性質の向上を図る公知例として、特開表９−５０８５
３８号公報に示される「Ｎｉ−Ｔｉ合金線とＳＵＳ材線
を線体長手方向の中間ポイントで接続した２種金属線連
結の主線材２からなるガイドワイヤ」と、特開平８−０
００７３４号公報に示される「ＳＵＳ材の芯線を鞘体の
Ｎｉ―Ｔｉ合金筒状体に納めた形態」のものがある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ＳＵＳ材から
なる主線材２は「剛性に優れるものの、屈曲（キンク）
し易くして屈曲形状からの復元性が劣り（耐キンク性に
劣る）」Ｎｉ−Ｔｉ合金材からなる主線材２は「形状記
憶性に優れ、かつ曲げ変形からの復元性が良好であるも
のの、剛性（捩れ・曲げ剛性）が劣る」固有特性があ
り、これ等の単独材質からなるものは前記の必要機械的
性質の一部が希薄・不備になる。

【０００７】そして、樹脂被覆を施した公知例のもの
は、伸線加工した伸材の鏡面外周に樹脂被覆を施した構
造からなるので、その芯材と樹脂被覆との密着性が悪
く、使用中の捩り・曲げ応力によって樹脂被覆の剥離・
脱落を生ずることがあり、安全性に劣る。

【０００８】一方、前記Ｎｉ―Ｔｉ合金線とＳＵＳ材線
の併合構造のものは、その２種類の金属線を接続管部材
によって接続連結するので、その連結部位が段差状の膨
径形状となって血管内挿入性を損うと共に、連結部分の
機械的強度が不足し、その上、その接続加工が煩雑にし
て成形性に劣る。そして、前記の「Ｎｉ―Ｔｉ合金材鞘
体形態」のものは、Ｎｉ―Ｔｉ合金材とＳＵＳ材の複合
形態になるものの、芯材と鞘体との間には当然にクリヤ
ランスが存在することから、屈曲した細管へ挿入したと
きの曲げ抵抗によって鞘体が芯材へ圧接する変形を生ず
るので、細管への挿入抵抗が大にして挿入操作がしづら
く、実質的に挿入不能なるおそれがある。そして、概ね
外直径＝０．３粍・内直径＝０．２粍に制限される長尺
筒体のＮｉ―Ｔｉ筒状体の成形は極めて困難にして実用
性に欠ける。

【０００９】本発明は、以上の従来技術の難点を解消す
る高品質ガイドワイヤを提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明のガイドワイヤは「長尺可撓性の主線材からな
る医療用ガイドワイヤにおいて、該主線材は、金属質の
芯線材の外周に金属溶射層を設けた２層構造にして、前
記芯線材が超弾性合金材にして前記金属溶射層が剛性合
金材、または、前記芯線材が剛性合金材にして前記金属
溶射層が超弾性合金材、の組合せ２層構造を特徴とする
第一発明の医療用ガイドワイヤ」と、

【００１１】「長尺可撓性の主線材からなると共に、該
主線材の先端部分にコイルばねを嵌装着した医療用ガイ
ドワイヤにおいて、前記コイルばねのコイル線は、金属
質の芯線材の外周に金属溶射層を設けた２層構造にし
て、前記芯線材が超弾性合金材にして前記金属溶射層が
剛性合金材、または、前記芯線材が剛性合金材にして前
記金属溶射層が剛性合金材、の組合せ２層構造を特徴と
する第二発明の医療用ガイドワイヤ」になっている。

【００１２】即ち、前記の構成からなる本発明のガイド
ワイヤは、Ｎｉ（ニッケル）−Ｔｉ（チタン）合金に代
表される超弾性合金材と、ＳＵＳ（ステンレス鋼）材・
ピアノ線で代表される剛性合金材の異質２金属の組合せ
２層にすると共に、その２層構造の外層を金属溶射手段
によって生成できる金属溶射層によって構成し、その２
層を構成する異質２種の超弾性合金材と剛性合金材の機
械的特性の相互補完によってガイドワイヤとしての必要
な機械的性質のさらなる向上を図る思想からなるもので
ある。

【００１３】そして、その２層構造の主線材・コイル線
は、太径線材に公知手段による金属溶射層を設けた母線
を予め形成し、しかるのち、その母線を伸線加工して所
定径の２層構造線状体に成す伸線加工線が主として用い
られる。そして、前記の基本構成の態様として、前記第
一発明の主線材にテフロン等の樹脂被覆を設ける形態
や、前記の伸線加工の縮径伸線工程の中間において、金
属溶射層を再生成して伸線再加工する複層金属溶射層形
態にすることがある。

【００１４】

【作用】前記構成の第一発明のガイドワイヤは「剛性に
欠けるものの形状記憶性・耐キンク性に優れる超弾性合
金材」と「耐キンク性に劣るものの剛性・屈曲性に優れ
る剛性合金材」の２層構造の主線材で構成されるので、
その異質２種類の合金材を「芯材にするか溶射層にする
か」の組合せ「芯材と溶射層のサイズ調整」によって異
質２金属の固有特性を相互補完して前記必要機械的特性
のさらなる向上ができると共に、多様な血管事情・治療
事情に整合させて機械的特性を微細に調整設定した多様
品質ガイドワイヤの提供が可能になる。

【００１５】そして、その金属溶射層は、金属微粒子の
集合形態にして微粒子間にミクロ空隙を存在させる多孔
形態を呈するので、血管内挿入性を向上させるために主
線材の外周に施す親水性ポリマー及びこれと併用するヘ
パリン等の抗血栓剤の付着保持性が良く、血管内挿入性
のさらなる向上及び凝血防止効果が促進できる。さら
に、前記の伸線加工を施した２層構造主線材は、伸線加
工による残留応力によって線材としての剛性向上と、伸
線加工による圧縮力によって芯線材と金属溶射層の密着
性が向上して芯線材と金属溶射層が実質一体線になって
機能し、前記の補完作用が円滑に達成できる。

【００１６】一方、前記構成の第二発明のガイドワイヤ
は、先端部分に嵌装するコイルばねを、前記２層構造の
コイル線材によって構成するので、血管内挿入の先導部
と機能して屈曲形状の血管内への良好な挿入性・引き抜
き性を満足させるための機械的性質のさらなる向上がで
きると共に、コイル線外周に存在する金属溶射層によっ
て親水性ポリマーの付着保持性が向上して、前記の挿入
性・引き抜き性が一段と向上安定する。

【００１７】

【発明の実施の形態】まず、第一発明一実施例のガイド
ワイヤ１を図１を参照して説明する。即ち、可撓性極細
線体の主線材２からなり、その主線材２の先端部分の若
干長を細径にしてコイルばね４を嵌装着して高可撓性柔
軟形態にした先端部３を備えたガイドワイヤ１におい
て、その先端部３を除く主線材２は超弾性合金材のＮｉ
―Ｔｉ合金からなる芯線材６の外周に「剛性合金材のＳ
ＵＳ材の金属溶射層７」を設けた２層構造をなしてい
る。

【００１８】詳しくは、この２層構造の主線材２は（図
１（Ｃ）参照）太径のＮｉ―Ｔｉ合金の母線１２の外周
に「ガスフレームで溶融させて細粒化したＳＵＳ材溶滴
を高速溶射して付着させた」公知の金属溶射手段による
金属溶射層７（以下、溶射層７という）を成膜した主線
材母線２Ａを成形し、しかるのち、その主線材母線２Ａ
を公知の伸線加工によって縮径加工し、Ｎｉ―Ｔｉ合金
材からなる外直径Ｄ＝概ね０．２１７粍の芯線材６の外
周に、２０〜１５０ミクロン膜厚（本実施例は７０ミク
ロン）のＳＵＳ材の溶射層７を備えた２層構造になって
いる。

【００１９】なお、その主線材２の先端部３は、溶射層
７を含む外周を研磨除去した細径部に加工されてコイル
ばね４が嵌装着されると共に、血管内挿入状態で体外に
出す後端部５の端は、溶射層７が研磨除去されている。

【００２０】以上の図１実施例のガイドワイヤ１は、Ｎ
ｉ―Ｔｉ合金の芯線材６とＳＵＳ材溶射層７が一体とな
って、それぞれの機械的性質を補完するので、主線材２
は応分の可撓性・剛性を備えた基において、トルク伝達
力・回転伝達性に優れ、血管内への挿入性・ステアリン
グ性に優れる高品質になる。そして、この図１実施例の
先端部３はＮｉ―Ｔｉ合金材のみの主線材２にコイルば
ね４を嵌装した形態からなるので、屈曲した血管内へ挿
入するときの屈曲変形追従性と屈曲変形からの復元性が
良く、血管内への挿入先導部としての先端部３の挿入進
行機能に優れ、血管端末まで容易に挿入できると共に、
屈曲した血管によって先端部３が補足されて引き抜き困
難になるおそれがない。

【００２１】そして、外周を形成する溶射層７が多孔形
態であることから、ガイドワイヤ１の血管内挿入性向上
のために外周に施す親水性ポリマー・抗血栓剤の付着保
持性が良く、潤滑性が一段と向上すると共に凝血防止効
果が促進できる。そして、主線材２が伸線細径化加工さ
れているので、その伸線加工による残留応力によって剛
性等の機械的性質のさらなる補完・調整が可能になると
共に、芯線材６と溶射層７の密着性が向上して両者が実
質一体物として機能し、血管内挿入の屈曲変形応力によ
って溶射層７が剥離するおそれはなく安全性が確保でき
る。

【００２２】続いて、図２を参照して第一発明のガイド
ワイヤ１の他の実施例を説明する。即ち、金属製芯線材
６の外周に溶射層７を設けた２層構造の主線材２からな
るものにおいて、この図２の主線材２は「芯線材６がＳ
ＵＳ材にして、溶射層７がＮｉ―Ｔｉ合金材」からな
り、図１実施例のものと２層材質が逆組合せであり、か
つ、溶射層７がコイルばね４を嵌装した先端部３の後半
部分に存在している。なお、この図２実施例の主線材２
も、太径のＳＵＳ材母線にＮｉ―Ｔｉ合金材の金属溶射
層を設け、しかるのち伸縮加工されて縮径されている。

【００２３】この図２実施例のものは、プリシエイプ部
８を形成する部分がＳＵＳ材のみの主線材２からなるの
で、プリシエイプ部８の加工がし易くなる。そして、そ
のＳＵＳ材露出部分を除く主線材２はＮｉ―Ｔｉ合金材
とＳＵＳ材の複合構成となるので両金属の特性補完によ
って必要にして適度な機械的性質が良好に確保できる。

【００２４】次に、図３を参照して第一発明の他の実施
例を説明する。即ち、主線材２を包み込むテフロンコー
ティング・ポリアミド・ポリウレタン・ふっ素樹脂等の
樹脂被覆１０を設けたガイドワイヤ１において、この主
線材２も図２実施例のものと同様に「Ｎｉ―Ｔｉ合金材
の芯線材６の外周にＳＵＳ材の溶射層７を設けた２層構
造にして、先端部３のみが溶射層７を研磨除去した構造
になっている。そして、この主線材２の全周に樹脂被覆
１０が施されている。

【００２５】以上の図３実施例のガイドワイヤ１は、主
線材２が図１実施例と同一の２層構造であることから、
図１実施例のものと同様な「Ｎｉ―Ｔｉ合金材とＳＵＳ
材との機械的性質補完」による良好な機械的性質が確保
できる。そして、表面多孔質形態の溶射層７への樹脂被
覆１０の付着密着性が向上するので、血管内において複
雑な曲げ・曲げ戻しを反復しても樹脂被覆１０が剥離す
るおそれがなく、安全性が向上する。

【００２６】なお、以上の各実施例に示す主線材２は前
記の伸線加工後のストレーナー加工のとき同時に熱処理
してＮｉ―Ｔｉ合金材の直線形状記憶処理を施し、血管
内で屈曲形状を呈した先端部３を含む線状部分が自力で
直線形状に復元して「曲りぐせ」が残存しない形状で引
き抜きできるよう配慮されている。

【００２７】つぎに、図４を参照して第二発明一実施例
のガイドワイヤを説明する。即ち、主線材２の先端部分
にコイルばね４を嵌装着した先端部３からなるガイドワ
イヤ１において、コイルばね４がＳＵＳ材の芯線材６の
外周にＮｉ―Ｔｉ溶射層７を設けた２層構造のコイル線
１１によって形成されている。詳しくは、コイル線１１
は図１実施例の主線材２と同様に、太径のＳＵＳ材線に
Ｎｉ―Ｔｉ溶射層７を設けて伸線加工によって縮径加工
した２層構造であり、必要に応じて「芯線材６をＮｉ―
Ｔｉ合金線・溶射層７をＳＵＳ材層」にする形態になっ
ている。

【００２８】この図４実施例のガイドワイヤ１は、先端
部３の機械的性質に大きく寄与するコイルばね４が２層
金属構造のコイル線１１からなるので、第一発明の前記
実施例と同様に先端部３の機械的性質のさらなる向上
と、その２層金属の内容調整によって機械的性質を微細
に調整設定した多様品質の先端部３に成形できる。そし
て、コイルばね４の外周が多孔質形態の溶射層７からな
るので、親水性ポリマーの付着保持性が良く、先端部３
の血管挿入性と引き抜き性が向上し安定する。なお、こ
のコイルばね４は、コイリング後に形状記憶処理が施さ
れる。

【００２９】続いて図５を参照して、第二発明の他の実
施例を説明する。即ち、図４実施例と同様な２層構造金
属線のコイル線を用いるものにおいて、この図５のコイ
ルばね４は先端側の１／３が放射線不透過材のコイル線
１１Ｃ・中間の１／３がＳＵＳ材線（またはＮｉ―Ｔｉ
材線）の単質材のコイル線１１Ｂ・後端側の１／３が図
４実施例と同一の２層構造コイル線１１Ａになり、この
３種類のコイル線が溶着連結されて単一のコイルばね４
を構成している。

【００３０】以上の図５実施例のものはコイルばね４が
前記の３ゾーン形態にして、先端部３の前端が血管内位
置の放射線による検知ポイントとして機能すると共に、
中間部分が屈曲し易いＳＵＳ材からなるので、プリシエ
イプ部８の形成がし易く、後端部分が２層金属構造にし
て屈曲による復元性・剛性を保有し、コイルばね４の各
部分が性能分担して先端部３の諸性能のさらなる向上が
できる。

【００３１】次に図６を参照して第一第二発明の２層構
造の主線材２・コイル線材１１の他の形態を説明する。
即ち、図６に示す２層構造はＳＵＳ材またはＮｉ―Ｔｉ
合金材からなる金属溶射層７が複層積層され、この積層
形態の金属溶射層７Ａ・７ＢとＳＵＳ材またはＮｉ―Ｔ
ｉ線の芯線材６からなる２層構造を有している。この図
６形態の２層構造によると金属溶射層７による特有作用
が一段と顕著になる。なお、この積層金属溶射層は母線
外周に一次溶射層７Ａを設けて一次伸線加工し、しかる
のち、その外周に二次溶射層７Ｂを設けて二次伸線加工
して成形される。

【００３２】なお、本発明のガイドワイヤは前記の実施
例に限定されず、主線材２とコイルばね４のコイル線１
１のいずれもを２層構造にする第一第二発明の複合形態
にすることがある。そして、超弾性合金材としては、Ｎ
ｉ―ＴｉにＦｅ・ＣＯを加えた三元系合金材、Ｃｕ―Ｚ
ｎ―Ａｌ系合金材等の公知の超弾性合金材を用いること
がある。

【００３３】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のガイドワ
イヤは、金属溶射手段によって金属線外周に金属溶射層
を設けた「超弾性合金材と剛性合金材の２層構造」の線
材からなる主線材・コイルばね構造を有するので、その
異質２種合金材の特性を相互補完して、ガイドワイヤと
して具備すべき「可撓性・垂直荷重性・捩り剛性・ステ
アリング性および先端部の曲げぐせ残留防止性」等の諸
機械的性質を一段と向上して、ガイドワイヤのさらなる
品質向上が促進できる。

【００３４】そして、その２層構造の合金材の組合せと
「芯材径・溶射層厚さの調整」によって、前記の諸機械
的特性を微調整して、個個の人体によって異なる「血管
サイズ・血管径路・病変狭窄度・大人用・子供用」等の
諸条件に適する多様品質のガイドワイヤの成形提供が可
能となり、ガイドワイヤによる血管治療の治療性・治療
効果の一段の改良向上を図ることができる。以上の有用
な諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一発明一実施例の医療用ガイドワイヤを示
し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＤＤ断面
図、（Ｃ）はその主線材の成形方法の説明図

【図２】第一発明の他の実施例の医療用ガイドワイヤを
示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＥＥ断面
図、（Ｃ）は（Ａ）のＦＦ断面図

【図３】第一発明の他の実施例の医療用ガイドワイヤを
示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣＣ断面
図

【図４】第二発明一実施例の医療用ガイドワイヤを示
し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣＣ断面図

【図５】第二発明一実施例の医療用ガイドワイヤを示
し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）は（Ａ）のＥＥ断面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＦＦ断面図、（Ｄ）は（Ａ）のＧ
Ｇ断面図

【図６】第一発明の主線材・第二発明のコイル線の他の
実施例の断面図

【図７】従来の医療用ガイドワイヤ示し、（Ａ）はその
正面図、（Ｂ）はその使用方法の説明図

【符号の説明】

１医療用ガイドワイヤ２主線材３先端部４コイルばね５後端部６芯線材７金属溶射層８プリシエイプ部９血管１０樹脂被覆１１コイル線１２母線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】長尺可撓性の主線材からなる医療用ガイ
ドワイヤにおいて、該主線材は、金属質の芯線材の外周
に金属溶射層を設けた２層構造にして、前記芯線材が超
弾性合金材にして前記金属溶射層が剛性合金材、また
は、前記芯線材が剛性合金材にして前記金属溶射層が超
弾性合金材、の組合せ２層構造を特徴とする医療用ガイ
ドワイヤ。
【請求項２】長尺可撓性の主線材からなると共に、該
主線材の先端部分にコイルばねを嵌装着した医療用ガイ
ドワイヤにおいて、前記コイルばねのコイル線は、金属
質の芯線材の外周に金属溶射層を設けた２層構造にし
て、前記芯線材が超弾性合金材にして前記金属溶射層が
剛性合金材、または、前記芯線材が剛性合金材にして前
記金属溶射層が剛性合金材、の組合せ２層構造を特徴と
する医療用ガイドワイヤ。
【請求項３】主線材の外周に樹脂被覆を設けた請求項
１の医療用ガイドワイヤ。
【請求項４】主線材の先端部分にコイルばねを嵌装着
し、かつ、該先端部分の一部または全部の金属溶射層を
剥離した主線材からなる請求項１の医療用ガイドワイ
ヤ。
【請求項５】金属溶射層を設けた太径母線を、伸線加
工によって縮径してなる主線材からなる請求項１の医療
用ガイドワイヤ。
【請求項６】金属溶射層を設けた太径母線を、伸線加
工によって縮径したコイル線からなるコイルばねを嵌装
着した請求項２の医療用ガイドワイヤ。
【請求項７】金属溶射層が積層構造である請求項１な
いし請求項６のいずれかの医療用ガイドワイヤ。
【請求項８】形状記憶処理を施した主線材またはコイ
ルばねからなる請求項１ないし請求項７のいずれかの医
療用ガイドワイヤ。