JP2001312812A - 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法

Info

Publication number
JP2001312812A
JP2001312812A JP2000128305A JP2000128305A JP2001312812A JP 2001312812 A JP2001312812 A JP 2001312812A JP 2000128305 A JP2000128305 A JP 2000128305A JP 2000128305 A JP2000128305 A JP 2000128305A JP 2001312812 A JP2001312812 A JP 2001312812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
incident
rocking curve
magnetic recording
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000128305A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shimizu
謙治 清水
Hiroshi Sakai
浩志 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2000128305A priority Critical patent/JP2001312812A/ja
Priority to US09/842,632 priority patent/US6663988B2/en
Publication of JP2001312812A publication Critical patent/JP2001312812A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ノイズ特性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 基板上に下地膜が設けられ、その上に磁
化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が
設けられ、この垂直磁性膜は、X線回折法によるθ−2
θスキャン法を用いて得たロッキングカーブ21が複数
の極大点22、23を有するものである。このように、
垂直磁性膜について作成されたロッキングカーブが複数
の極大点を有することで、極大点が1つのものに比べて
ノイズ特性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
などに用いられる磁気記録媒体、その製造方法、、上記
磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置、および磁性膜
表面の結晶面傾き分布評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、磁性膜内
の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面内磁気
記録媒体が広く用いられている。面内磁気記録媒体で
は、高記録密度化するとビット体積が小さくなりすぎ、
熱揺らぎ効果により再生特性が悪化する可能性がある。
また、高記録密度化した際に、記録ビット境界での反磁
界の影響により媒体ノイズが増加することがある。これ
に対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し垂直に
配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、高記録密度化
した場合でもビット境界での反磁界の影響が小さく、境
界が鮮明な記録磁区が形成されるため低ノイズ化が可能
であり、しかも比較的ビット体積が大きくても高記録密
度化が可能であることから熱揺らぎ効果にも強く、近年
大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した媒体の
構造などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、磁気記録媒
体の更なる高記録密度化が要望されており、これに伴
い、いっそうのノイズ特性の向上が要求されてきてい
る。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイ
ズ特性に優れた磁気記録媒体、およびこの磁気記録媒体
を効率よく製造することができる方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、垂直磁性膜
について作成されたロッキングカーブが複数の極大点を
有する場合に、ノイズ特性を向上させることができるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、
上記課題は、基板上に下地膜が設けられ、その上に磁化
容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂直磁性膜が設
けられ、この垂直磁性膜が、X線回折法によるθ−2θ
スキャン法を用いて得たロッキングカーブが複数の極大
点を有するものである磁気記録媒体によって解決するこ
とができる。この磁気記録媒体では、垂直磁性膜内の結
晶の配向方向に複数の極大点があるため、磁化されたと
きにおいて磁化方向が特定の一方向に偏らず、ある程度
の幅でばらつくものとなる。このため、隣り合う2つの
記録磁区の境界にあって、各磁区内の磁化方向が、完全
に相反する方向でなく、若干この方向からずれたものと
なることから、これら磁化方向が完全に相反する場合に
比べて、これら磁区間の磁気的相互作用により、磁壁付
近での磁化揺らぎが起こりにくくなる。従って、磁化揺
らぎに起因するノイズ発生を防ぎ、ノイズ特性を向上さ
せることが可能となる。ロッキングカーブにおいて、ロ
ッキングカーブ作成時に用いる入射X線の前記極大点に
おける入射角と、垂直磁性膜表面において支配的な結晶
面の回折X線のピーク位置に相当する入射角との差は、
3〜10°であることがノイズ特性向上効果の点で好ま
しい。ロッキングカーブのピーク部分の半値幅は、10
〜30°であることが望ましい。垂直磁性膜は、Co/
Cr系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/Ta系、C
o/Cr/Pt/X系(X:Ta、Zr、Cu、Re、
Nb、Si、Ge、およびBのうち1種または2種以
上)のうちいずれかの合金を含むものとするのが好まし
い。本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板上に下地
膜を設け、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に
配向した垂直磁性膜を、X線回折法によるθ−2θスキ
ャン法を用いて得たロッキングカーブが複数の極大点を
有するものとなるように形成することを特徴とする。ま
た本発明の磁気記録再生装置は、上記磁気記録媒体と、
該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備
えていることを特徴とする。また、本発明の磁性膜表面
の結晶面傾き分布評価方法は、(1)θ−2θスキャン
法により回折X線強度のピーク位置を決定するピーク位
置決定工程と、(2)ロッキングカーブを決定するロッ
キングカーブ決定工程と、(3)得られたロッキングカ
ーブの極大点の数を特定する極大点数特定工程とを有
し、この際、ピーク位置決定工程において、最表面側に
垂直磁性膜が形成されたディスクに入射X線を照射し、
回折X線を回折X線検出器によって検出するにあたり、
この検出器の位置を、回折X線の入射X線に対する角度
が、入射X線のディスク面に対する入射角の2倍となる
ように設定し、入射X線を照射する際に、ディスクの向
きを変化させることにより入射X線の入射角を変化させ
るとともに、これに連動させて、検出器の位置を、回折
X線の入射X線に対する角度が、前記入射角の2倍の角
度を維持するように変化させつつ、回折X線の強度を検
出器により測定するθ−2θスキャン法を行い、回折X
線の強度が最大となるような検出器の位置を決定し、ロ
ッキングカーブ決定工程において、検出器を、前記ピー
ク位置決定工程で決定された位置に固定した後、ディス
クの向きを変化させることにより入射X線の入射角を変
化させ、入射角と、検出器によって検出された回折X線
の強度との関係を示すロッキングカーブを決定し、極大
点数特定工程において、ロッキングカーブの形状に基づ
いて極大点の数を計数し、これら(1)〜(3)の各工
程を経て得られたロッキングカーブの形状や極大点の数
に基づいて、垂直磁性膜表面の結晶面のディスク面に対
する傾きの分布を評価することを特徴とする。またロッ
キングカーブが、複数の極大部分が互いに重なり合うこ
とによって、一見、複数の極大点をもたない形状となる
場合などには、上記(1)〜(3)の工程に続いて、
(A)分離曲線のピーク位置初期値を与えるピーク位置
初期値設定工程と、(B)分離曲線の半値幅初期値を与
える半値幅初期値設定工程と、(C)設定されたピーク
位置初期値、半値幅初期値を用いた演算処理によって、
分離曲線を作成する分離曲線作成工程とを経てロッキン
グカーブを2つの分離曲線に分離し、この際、ピーク位
置初期値設定工程において、分離曲線のピークにおける
入射角と、垂直磁性膜表面において支配的な結晶面の回
折X線のピーク位置に相当する入射角との差が、2つの
分離曲線の間で互いに等しいとしてこのピーク位置初期
値を設定し、半値幅初期値設定工程において、前記ピー
ク位置初期値におけるロッキングカーブのX線強度の1
/2に相当するX線強度を示す位置の入射角と、前記ピ
ーク位置初期値おける入射角との差の2倍の値を半値幅
初期値に設定し、これら(A)〜(C)の過程を経て得
られた分離曲線の形状等に基づいて、垂直磁性膜表面の
結晶面のディスク面に対する傾きの分布を評価すること
も可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
一実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、
非磁性基板1上に、下地膜2、非磁性中間膜3、垂直磁
性膜4、および保護膜5を順次形成してなるものであ
る。非磁性基板1としては、磁気記録媒体用基板として
一般に用いられるNiPメッキ膜が形成されたアルミニ
ウム合金基板のほか、ガラス基板、セラミック基板、カ
ーボン基板、可撓性樹脂基板、これらの基板にNiP膜
をメッキ法やスパッタ法により形成した基板を用いるこ
とができる。また基板1の表面には、より良好な電磁変
換特性、より高い保磁力を得るなどの目的でテクスチャ
処理を施してもよい。特に下地膜2に軟磁性材料(例え
ばCoZrNb系合金)を用いる場合には、非磁性基板
1の表面に円周方向のテクスチャ処理を施すと、スパイ
ク状ノイズを低減できるため好ましい。
【0006】下地膜2は、保磁力を増加させ、かつ媒体
ノイズを抑えるとともに再生出力を向上させ、磁気記録
媒体のノイズ特性を向上させるためのものである。下地
膜2の材料は非磁性材料であっても、磁性材料であって
もよい。下地膜2の材料としては、CoZrNb系、C
oTaNb系、CoZrMo系等の合金などの各種軟磁
性材料、Ru、Ge、C等を挙げることができる。下地
膜2の厚さは、0Åを越え、5000Å以下である範囲
とするのが好ましい。この厚さが上記範囲を越える場合
には、ノイズが増加しノイズ特性が悪化する。下地膜2
の材料としてRu、Ge、C等を用いる場合には、ノイ
ズ特性の点から、下地膜2の厚さは1〜100nm(1
0〜1000Å)とするのが好ましい。下地膜2の材料
として軟磁性材料を用いる場合には、ノイズ特性の点か
ら、下地膜2の厚さは1000〜3000Å(より好ま
しくは2000〜2500Å)とするのが好ましい。
【0007】非磁性中間膜3は、媒体の保磁力を高める
ためのもので、hcp構造またはfcc構造をなす非磁
性材料からなるものとするのが好ましい。非磁性中間膜
3の材料としては、Co/Cr系、Co/Cr/Pt
系、Co/Cr/Ta系、Co/Cr/Pt/X系
(X:Ta、Zr、Cu、Re、Nb、Si、Ge、お
よびBのうち1種または2種以上)のうちいずれかの合
金を用いるのが好適である。特に、Crの含有率が25
〜50at%、Ptの含有率が0〜15at%、Xの含
有率が0〜10at%、残部がCoからなるCo合金を
主成分とするものを用いるのが好ましい。非磁性中間膜
3は、単層構造をなすものとしてもよいし、多層構造を
なすものとしてもよい。多層構造とする場合には、上記
材料から選ばれた互いに同一または異なる複数の材料を
多数積層したものとすることができる。
【0008】非磁性中間膜3の厚さは、50nm(すな
わち500Å)以下とするのが好ましい。この厚さが上
記範囲を越えると、垂直磁性膜4内の磁性粒子の粗大化
が起きやすくなり、ノイズ特性が低下するため好ましく
ない。非磁性中間膜3の厚さは10〜30nm(100
〜300Å)とするのがより好ましい。
【0009】垂直磁性膜4は、その磁化容易軸が基板に
対し主に垂直方向に配向した磁性材料からなる膜であ
り、Co/Cr系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/
Ta系、Co/Cr/Pt/X系(X:Ta、Zr、C
u、Re、Nb、Si、Ge、およびBのうち1種また
は2種以上)のうちいずれかの合金を用いるのが好まし
い。特に、Crの含有率が13〜25at%、Ptの含
有率が0〜15at%、Xの含有率が0〜5at%、残
部がCoからなるCo合金を用いるのが好ましい。上記
各成分の含有率が上記範囲を外れると、ノイズ特性また
は再生出力が低下するおそれがある。
【0010】垂直磁性膜4の厚さは、10〜100nm
(100〜1000Å)とするのが好ましい。垂直磁性
膜4の厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束が得ら
れず、再生出力が低下する。また垂直磁性膜4の厚さが
上記範囲を越えると、垂直磁性膜4内の磁性粒子の粗大
化が起きやすくなりノイズ特性が低下するおそれがあ
る。垂直磁性膜4の厚さは、30〜70nm(300〜
700Å)とするのがさらに好ましい。これは、垂直磁
性膜4の厚さをこの範囲とすると、再生出力をさらに向
上させるとともに、垂直磁性膜4内の磁性粒子の粗大化
を防ぎ、ノイズ特性をより高めることができるためであ
る。
【0011】また垂直磁性膜4は、上記材料(Co/C
r系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/Ta系、Co
/Cr/Pt/X系合金など)からなる複数の層を有す
る多層構造膜とすることができる。またこれら複数の層
の間に中間層を形成してもよく、この中間層の材料とし
ては、上記下地膜2の材料として挙げたものが使用可能
である。
【0012】本実施形態において、垂直磁性膜4は、X
線回折法によるθ−2θスキャン法を用いて得たロッキ
ングカーブが2つの極大点を有するものである。ロッキ
ングカーブについては、後述する。
【0013】保護膜5は、垂直磁性膜4の腐食を防ぎ、
媒体表面の損傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を
使用でき、例えばC、SiO2、ZrO2、またはこれら
を主成分とし他元素を含むものが使用可能である。保護
膜5の厚さは、耐腐食性、摺動性の点から1〜20nm
(すなわち10〜200Å)が望ましい。さらには、ス
ペーシングロスを少なくし十分な再生出力を得るために
1〜10nm(10〜100Å)とするのが好ましい。
また、保護膜5上には、パーフルオロポリエーテル、フ
ッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などからなる潤
滑膜を設けるのが好ましい。
【0014】次に、図2ないし図5を参照し、垂直磁性
膜4の表面の結晶面の傾き分布を評価する場合を例とし
て、本発明の磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法の一
実施形態を示しつつ、ロッキングカーブについて詳細に
説明する。本実施形態の評価方法では、次の3つの過程
を経て垂直磁性膜4表面の結晶面傾き分布を評価する。 (1)θ−2θスキャン法により回折X線強度のピーク
位置を決定するピーク位置決定工程 (2)ロッキングカーブを決定するロッキングカーブ決
定工程 (3)ロッキングカーブの極大点の数を特定する極大点
数特定工程
【0015】以下、それぞれの工程について詳述する。 (1)θ−2θスキャン法による回折X線強度のピーク
位置決定 図2に示すように、最表面側に垂直磁性膜4が形成され
たディスクDの表面に沿うX軸およびY軸を設定すると
ともに、これらに対し垂直なZ軸を設定し、図示せぬ照
射源から照射されたX線(入射X線11)を、ディスク
D表面の照射点Mに照射し、回折X線12を回折X線検
出器13によって検出する。検出器13の位置は、この
検出器13によって検出される回折X線12の入射X線
11に対する角度(すなわち入射X線11の延長線17
に対する回折X線12の角度)が、入射X線11のディ
スクD表面に対する入射角θの2倍、すなわち2θとな
るように設定する。なお図2中、符号14は、測定点
M、入射するX線、および回折X線が含まれ、かつZ軸
に平行である平面を示し、符号15は入射X線11のX
Y平面への投影線を示し、符号16は回折X線12のX
Y平面への投影線を示す。
【0016】図3に示すように、入射X線11を照射す
る際には、ディスクDの向きを変化させることにより入
射X線11の入射角θを変化させるとともに、これに連
動させて、検出器13の位置を、回折X線12の入射X
線11(延長線17)に対する角度が2θ(すなわち入
射X線11の入射角θの2倍の角度)を維持するように
変化させつつ、回折X線12の強度を検出器13により
測定するθ−2θスキャン法を行い、θと回折X線12
の強度との関係を調べ、回折X線12の強度が最大とな
るような検出器13の位置を決定する。この位置におけ
る回折X線12の入射X線11(延長線17)に対する
角度2θを、2θpという。なおこのθ−2θスキャン
法においてディスクDの向きを変化させる際には、入射
X線11および回折X線12の投影線15、16に対し
垂直であり、かつXY平面に沿う回転軸(図示略)を設
定し、この回転軸を以てディスクDを回動させる。以
下、この工程をピーク位置決定工程という。
【0017】ここで得られる2θpより、垂直磁性膜4
表面において支配的な結晶面を知ることができる。例え
ば垂直磁性膜4の材料としてCo−22at%Cr−1
0at%Pt−2at%Ta(Co22Cr10Pt2
Ta)を用いた場合、2θpが43.4°前後(θpは
21.7°前後)であるなら垂直磁性膜4表面において
支配的な結晶面は(0002)面であることがわかる。
【0018】(2)ロッキングカーブの決定 次いで、図4に示すように、検出器13の位置を、回折
X線12の角度2θが2θpとなった位置に固定する。
次いで、検出器13の位置を固定した状態でディスクD
の向きのみを変化させることにより入射X線11の入射
角θを変化させ、入射角θと、検出器13によって検出
された回折X線12の強度との関係を示すロッキングカ
ーブを得る。以下、この工程をロッキングカーブ決定工
程という。検出器13の位置を、回折X線12の角度2
θが2θpとなった位置に固定するため、ロッキングカ
ーブは、垂直磁性膜4表面の結晶面のディスクD面に対
する傾きの分布を表すものとなる。
【0019】(3)ロッキングカーブの極大点の数の特
定 次いで、得られたロッキングカーブの極大点の数を特定
する。ロッキングカーブの極大点の数を特定するには、
ロッキングカーブの形状に基づいて極大点を計数する。
実測データにノイズが大きく、実測データに基づく極大
点の数の特定が難しい場合には、この実測データを平滑
化した近似曲線を作成し、これに基づいて極大点の数を
特定することができる。近似曲線を作成する際には、加
重平均平滑法を採用することができる。極大点の判定の
際には、近似曲線の微分値がゼロになるかどうかを判定
の基準とすることができる。
【0020】ロッキングカーブの例を図5に示す。ここ
に示すロッキングカーブ21は、2つの極大点22、2
3を有するピーク部分24を有する。これは、垂直磁性
膜4内の結晶の配向方向に2つの極大点があることを示
すものである。例えば、垂直磁性膜4表面において支配
的な結晶面が(0002)面であるとすると、これら極
大点22,23における入射角θは、この(0002)
面の回折X線のピーク位置に相当する入射角θdifに一
致せず、一方がθdifよりも大きく、他方がθdifよりも
小さい値となるのが好ましい。これら極大点22,23
における入射角θは、入射角θdifに対しほぼ対称とな
る位置にあるのが好ましい。
【0021】これら極大点22、23における入射角θ
とθdifとの差((θ−θdif)の絶対値)は、3〜10
°(好ましくは5〜10°)であることが好ましい。こ
の差が上記範囲未満であると、ノイズ特性を向上させる
効果が低下し、上記範囲を越えると、垂直方向の配向性
が不足し、特に高記録密度化した場合にノイズ特性の低
下を招くため好ましくない。
【0022】極大点22と極大点23との間の極小点2
5から、極大点22、23までの高さL2と、ピーク部
分24の高さL1との比L2/L1は、0.1以上(好ま
しくは0.2以上)であることが望ましい。この比L2
/L1が上記範囲未満であると、ノイズ特性を向上させ
る効果が低下する。
【0023】ロッキングカーブ21のピーク部分24の
半値幅(高さL1/2におけるピーク部分24の幅)、
すなわち図5に示す半値幅pは、10〜30°(好まし
くは10〜20°、さらに好ましくは10〜15°)で
あることが望ましい。この半値幅pが上記範囲未満であ
ると、ノイズ特性を向上させる効果が低下し、上記範囲
を越えると、垂直方向の配向性が不足し、特に高記録密
度化した場合にノイズ特性の低下を招くため好ましくな
い。
【0024】本実施形態の評価方法では、上記(1)〜
(3)の各工程を通して得られたロッキングカーブの形
状や極大点の数に基づいて、垂直磁性膜4表面の結晶面
の傾き分布を評価する。例えば、図5に示すロッキング
カーブ21は、2つの極大点22、23を有することか
ら、垂直磁性膜4内の結晶の配向方向(結晶面の傾き)
に2つの極大点(偏向部分)があることがわかる。また
極大点22、23における入射角θとθdifとの差が大
きければこの極大点における結晶の配向方向が垂直方向
(ディスクD面に対する垂直方向)に対し大きくずれて
おり、入射角θとθdifとの差が小されば、極大点にお
ける結晶の配向方向が垂直方向に近いことがわかる。
【0025】上記構成の磁気記録媒体を製造するには、
基板1上に、下地膜2、非磁性中間膜3、垂直磁性膜4
を順次をスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティ
ングなどの手法により形成し、続いて保護膜5を、プラ
ズマCVD法、イオンビーム法、スパッタリング法など
により形成する。垂直磁性膜4を形成する際には、上述
の手順((1)θ−2θスキャン法による回折X線強度
のピーク位置決定、(2)ロッキングカーブの決定)を
経て得られたロッキングカーブが、複数の極大点を有す
るものとなるように、成膜条件を設定する。このロッキ
ングカーブに影響を与える成膜条件としては、垂直磁性
膜4をスパッタ法により形成する場合を例とすると、ス
パッタリングターゲットの材料、チャンバ内の圧力、成
膜時の温度、スパッタガスの種類を挙げることができ
る。また、潤滑膜を形成するには、ディッピング法、ス
ピンコート法などの従来公知の方法を採用することがで
きる。
【0026】本実施形態の磁気記録媒体にあっては、垂
直磁性膜4が、ロッキングカーブ法を用いて得たロッキ
ングカーブが2つの極大点を有するものであるので、ノ
イズ特性に優れたものとなる。以下、このことを、図5
に示すようにロッキングカーブ21が2つの極大点2
2、23を有する場合を例として説明する。ロッキング
カーブ21が2つの極大点22、23を有することによ
りノイズ特性向上効果が得られる理由は次の通りである
と推定できる。この磁気記録媒体では、ロッキングカー
ブ21が2つの極大点22、23を有することから、垂
直磁性膜4内の結晶の配向方向に2つの極大点(偏向部
分)があることがわかる。
【0027】一般に、垂直磁気記録媒体では、面内磁気
記録媒体に比べてビット境界での反磁界の影響が小さ
く、比較的境界が鮮明な記録磁区が形成される。しかし
ながら、隣り合う2つの記録磁区の境界にあっては、一
方の磁区内の磁化に対し他方の磁区内の磁化が対向する
方向に向くため、これら相反する向きの磁化の影響によ
る磁壁付近での磁化揺らぎを低く抑えるのは難しい。
【0028】これに対し、本実施形態の磁気記録媒体で
は、垂直磁性膜4内の結晶の配向方向に2つの極大点が
あることから、磁化されたときにおいて磁化方向が特定
の一方向に偏らず、ある程度の幅でばらつくものとな
る。このため、隣り合う2つの記録磁区の境界にあっ
て、各磁区内の磁化方向が、完全に相反する方向でな
く、若干この方向からずれたものとなることから、これ
ら磁化方向が完全に相反する場合に比べて、これら磁区
間の磁気的相互作用により、磁壁付近での磁化揺らぎが
起こりにくくなる。従って、磁化揺らぎに起因するノイ
ズ発生を防ぎ、ノイズ特性を向上させることが可能とな
る。
【0029】また、上記磁気記録媒体の製造方法では、
垂直磁性膜4を、X線回折法によるθ−2θスキャン法
を用いて得たロッキングカーブが複数の極大点を有する
ものとなるように形成するので、ノイズ特性に優れた磁
気記録媒体を容易に得ることができる。
【0030】また、上記磁性膜表面の結晶面傾き分布評
価方法では、(1)θ−2θスキャン法により回折X線
強度のピーク位置を決定するピーク位置決定工程と、
(2)ロッキングカーブを決定するロッキングカーブ決
定工程とによってロッキングカーブを得るので、簡単な
操作で、垂直磁性膜4表面の結晶面の傾き分布を評価す
ることができる。
【0031】図6は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記
録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録
再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体6と、磁気
記録媒体6を回転駆動させる媒体駆動部7と、磁気記録
媒体6に情報を記録再生する磁気ヘッド8と、ヘッド駆
動部9と、記録再生信号処理系10とを備えている。記
録再生信号処理系10は、外部からの記録信号を処理し
て磁気ヘッド8に送ったり、磁気ヘッド8からの再生信
号を処理して外部に送ることができるようになってい
る。この磁気記録再生装置にあっては、磁気記録媒体の
ノイズ特性を高めることができるため、高記録密度化が
可能となる。
【0032】なお、上記実施形態の磁気記録媒体では、
ロッキングカーブ21が2つの極大点22、23を有す
る場合を例示したが、極大点の数は2つに限らず、2以
上の任意の数であってもよい。
【0033】また上記構成の磁気記録媒体は、 hcp
構造を有する材料からなる非磁性中間膜3を設けたが、
本発明の磁気記録媒体はこれに限らず、非磁性中間膜3
を設けなくてもよい。非磁性中間膜3を設けない場合の
磁気記録媒体を図7に示す。また本発明では、上記構成
の下地膜2に加え、この下地膜2の直上または直下に第
2の下地膜を設けることもできる。この第2の下地膜
は、下地膜2の上に設けるのが好ましい。図8は、第2
の下地膜を設けた磁気記録媒体の例を示すもので、ここ
に示す磁気記録媒体は、下地膜2の上(下地膜2と非磁
性中間膜3との間)に、第2の下地膜26が形成されて
いる点で図1に示す磁気記録媒体と異なる。この第2の
下地膜26の材料は、上記下地膜2の材料として示した
ものを用いることができる。また下地膜の数は3以上と
することもできる。また本明細書において主成分とは当
該成分を50at%を越えて含むことを指す。
【0034】またロッキングカーブは、実質的に複数の
極大部分をもつ場合でも、これらが互いに重なり合うこ
とによって、一見、複数の極大点をもたない形状となる
ことがある。特にノイズが大きい場合には、極大点が判
別しにくくなることがある。このような場合には、ロッ
キングカーブを複数の曲線に分離し、得られた複数の曲
線のピークを前記極大点と同等に扱い、その数や曲線の
形状に基づいて磁性膜表面の結晶面傾き分布を評価する
ことができる。
【0035】以下、図9に示すように、垂直磁性膜4に
ついて得られたロッキングカーブ31が、一見して複数
の極大点をもたないものであった場合を例として、磁性
膜表面の結晶面の傾き分布を評価する方法を説明する。
この方法では、上述の3つの過程(1)〜(3)に続い
て、以下の3つの過程(A)〜(C)によってロッキン
グカーブ31を2つの分離曲線32、33に分離する。
なお実測データにノイズが大きく、実測データに基づく
極大点の数の特定が難しい場合には、この実測データを
加重平均平滑法などにより平滑化した近似曲線を作成
し、これをロッキングカーブ31とすることもできる。
【0036】(A)分離曲線のピーク位置初期値の設定
(ピーク位置初期値設定工程) ここでは、分離曲線32、33のピーク32a、33a
における入射角θpeak1、θpeak2と、垂直磁性膜4表面
において支配的な結晶面の回折X線のピーク位置に相当
する入射角θdifとの差αが、2つの分離曲線の間で互
いに等しい、すなわち入射角θpeak1、θpeak2が、θdi
f±αであるとして分離曲線32、33のピーク位置初
期値を設定する。このαは、3〜10°の範囲で設定す
るのが好ましい。例えば垂直磁性膜4表面において支配
的な結晶面が(0002)面であり、(0002)面の
回折X線のピーク位置に相当する入射角θdifが21.
7°である場合には、分離曲線32、33の位置におけ
る入射角θは、21.7±(3〜10)とすることがで
きる。αを3〜10°の範囲に設定するのは、この範囲
に極大値をとるものがノイズ特性が良好であり、かつ分
離曲線作成工程における演算処理が容易となるためであ
る。また極大点の位置が推定できる場合にはこの位置を
ピーク位置初期値とすることができる。例えば、ロッキ
ングカーブの微分値が隣接部分に比べ著しくゼロに近い
値となる部分(ロッキングカーブにおける肩状部分な
ど)があれば、この位置をピーク位置初期値とすること
ができる。
【0037】(B)分離曲線の半値幅初期値の設定(半
値幅初期値設定工程) (A)においてピーク32a、33aの位置の初期値が
設定された分離曲線32、33がガウス型であるとし、
ピーク32a、33aよりも入射角θdifから離れる方
向にある範囲R1のロッキングカーブ31において、上
記ピーク位置初期値におけるX線強度の1/2に相当す
るX線強度を示す位置の入射角θh1、θh2と、上記ピー
ク32a、33aにおける入射角θpeak1、θpeak2との
差ph1、ph2の2倍の値を分離曲線32、33の半値幅
初期値に設定する。なお半値幅初期値の設定方法はこれ
に限定されない。
【0038】(C)設定されたピーク位置初期値、半値
幅初期値を用いた演算処理による分離曲線の作成(分離
曲線作成工程) 上記(A)、(B)を経て設定されたピーク32a、3
3aの位置初期値、および半値幅初期値を用いて演算処
理を行うことによって、合成曲線が実測データに近いガ
ウス型の分離曲線32、33を作成する。また、分離曲
線の作成にあたっては、分離曲線32、33のピーク3
2a、33aの高さの初期値を設定し、この高さ初期値
をも利用して演算処理を行うこともできる。この高さ初
期値は、例えば上記ピーク位置初期値におけるロッキン
グカーブ31の高さ(X線強度)の50〜70%に相当
する値に設定することができる。
【0039】この方法では、(A)〜(C)の過程を経
て得られた分離曲線32、33のピーク32a、33a
を、上述のロッキングカーブ21における極大点22、
23と同等に扱い、その数や形状に基づいて磁性膜表面
の結晶面傾き分布を評価することができる。
【0040】
【実施例】以下、具体例を示して本発明の作用効果を明
確にする。図1に示す磁気記録媒体を次のようにして作
製した。 (試験例1)まず、表面にNiPメッキ膜(厚さ10μ
m)を形成したアルミニウム合金基板1(直径95m
m、厚さ0.8mm)をDCマグネトロンスパッタ装置
(アネルバ社製3010)のチャンバ内にセットした。
チャンバ内を真空到達度2×10-7Torrとなるまで
排気するとともに、基板1を200℃まで加熱した後、
この基板1上に、Ruからなる下地膜2(厚さ100
Å)、Co−35at%Cr(Co35Cr)からなる
非磁性中間膜3(厚さ50Å)、Co−22at%Cr
−10at%Pt−2at%Ta(Co22Cr10P
t2Ta)からなる垂直磁性膜4(厚さ500Å)を順
次スパッタリングにより形成した。垂直磁性膜4上に
は、プラズマCVD法を用いて厚さ70Åのカーボン保
護膜5を形成した。保護膜5上には厚さ20Åのパーフ
ルポリオロエーテルからなる潤滑膜をディッピング法に
より形成した。
【0041】(試験例2)下地膜2の材料としてCo5
Zr4Nbを用いた(下地膜2の厚さは2500Åとし
た)こと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作
製した。
【0042】(試験例3)下地膜2と非磁性中間膜3と
の間に、Ruからなる第2の下地膜(厚さ100Å)を
形成すること以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体
を作製した。
【0043】(試験例4)下地膜2の材料としてGeを
用いて(下地膜2の厚さは100Åとした)磁気記録媒
体を作製した。製造方法は試験例1に準じた。
【0044】(試験例5)下地膜2の材料としてCo8
Zr12Nbを用いて(下地膜2の厚さは2500Åと
した)磁気記録媒体を作製した。製造方法は試験例1に
準じた。
【0045】(試験例6)下地膜2の材料としてCを用
いて(下地膜2の厚さは100Åとした)磁気記録媒体
を作製した。製造方法は試験例1に準じた。
【0046】各試験例の磁気記録媒体において、垂直磁
性膜4を形成した段階のディスクDを用いて、X線回折
法によるθ−2θスキャン法によってロッキングカーブ
を作成した。垂直磁性膜4表面において支配的な結晶面
であった(0002)面の回折X線ピークに相当する入
射角θdif、ロッキングカーブのピーク部分の頂点また
は極大点における入射角θ、およびこれらの差(θ−θ
dif)を表1に示す。また、各試験例の磁気記録媒体の
電磁変換特性を、GUZIK社製リードライトアナライ
ザRWA1632、およびスピンスタンドS1701M
Pを用いて測定した。電磁変換特性の評価には、磁気ヘ
ッドとして、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有
する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、記録条件を線記
録密度250kFCIとして測定を行った。電磁変換特
性(200kFCIにおける媒体SNR)の測定結果を
表1に併せて示す。図10は、試験例2のロッキングカ
ーブを示すものである。また図11は、試験例5のロッ
キングカーブを示すものである。これらの図には、実測
データAと、この実測データを元に加重平均平滑法を用
いて作成した近似曲線Bとを示した。
【0047】
【表1】
【0048】表1より、ロッキングカーブが2つの極大
点を有する試験例1〜3の磁気記録媒体では、極大点を
1つしかもたない試験例4、5のものに比べ、SNRの
点で優れた結果が得られたことがわかる。またθとθdi
fとの差が3〜10°の範囲にある試験例1〜3の磁気
記録媒体は、この差が上記範囲外である試験例6の磁気
記録媒体に比べ、より優れたノイズ特性が得られたこと
がわかる。また下地膜2と非磁性中間膜3との間に第2
の下地膜26を設けた試験例3の磁気記録媒体において
も、優れたノイズ特性が得られたことがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体にあっては、垂直磁性膜が、X線回折法によるθ−
2θスキャン法を用いて得たロッキングカーブが複数の
極大点を有するものであるので、ノイズ特性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す
一部断面図である。
【図2】 X線回折法によるθ−2θスキャン法を用
いてロッキングカーブを作成する手順を説明する説明図
である。
【図3】 X線回折法によるθ−2θスキャン法を用
いてロッキングカーブを作成する手順を説明する説明図
である。
【図4】 X線回折法によるθ−2θスキャン法を用
いてロッキングカーブを作成する手順を説明する説明図
である。
【図5】 ロッキングカーブの一例を示すグラフであ
る。
【図6】 本発明の磁気記録再生装置の一実施形態を
示す一部断面図である。
【図7】 本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示
す一部断面図である。
【図8】 本発明の磁気記録媒体のさらに他の実施形
態を示す一部断面図である。
【図9】 ロッキングカーブの他の例を示すグラフで
ある。
【図10】 試験結果を示すグラフである。
【図11】 試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・下地膜、4・・・垂直磁性膜、6・・・磁気
記録媒体、8・・・磁気ヘッド、11・・・入射X線、12・・
・回折X線、13・・・回折X線検出器、21・・・ロッキン
グカーブ、22,23・・・極大点、32、33・・・分離曲
線、32a、33a・・・分離曲線のピーク、D・・・ディス
ク、θ・・・入射X線のディスク面に対する入射角、θdif
・・・磁性膜表面において支配的な結晶面の回折X線のピ
ーク位置に相当する入射角、θh1、θh2・・・分離曲線の
ピークにおけるX線強度の1/2に相当するX線強度を
示す位置の入射角、θpeak1、θpeak2・・・分離曲線のピ
ークにおける入射角、ph1、ph2・・・θh1、θh2と、θp
eak1、θpeak2との差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA18 CA01 GA01 GA13 JA08 KA08 LA02 LA11 MA05 NA10 NA11 NA17 PA12 RA08 5D006 BB02 BB07 DA03 FA09 5D112 AA05 AA24 BB05 JJ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)上に下地膜(2)が設けら
    れ、その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向し
    た垂直磁性膜(4)が設けられ、この垂直磁性膜は、X
    線回折法によるθ−2θスキャン法を用いて得たロッキ
    ングカーブ(21)が複数の極大点(22、23)を有
    するものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体におい
    て、ロッキングカーブ作成時に用いる入射X線(11)
    の前記極大点における入射角(θ)と、垂直磁性膜表面
    において支配的な結晶面の回折X線のピーク位置に相当
    する入射角(θdif)との差は、3〜10°であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁気記録媒体
    において、ロッキングカーブのピーク部分(24)の半
    値幅(p)は、10〜30°であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載
    の磁気記録媒体において、垂直磁性膜が、Co/Cr
    系、Co/Cr/Pt系、Co/Cr/Ta系、Co/
    Cr/Pt/X系(X:Ta、Zr、Cu、Re、N
    b、Si、Ge、およびBのうち1種または2種以上)
    のうちいずれかの合金を含むものであることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板(1)上に下地膜(2)を設け、
    その上に磁化容易軸が基板に対し主に垂直に配向した垂
    直磁性膜(4)を、X線回折法によるθ−2θスキャン
    法を用いて得たロッキングカーブ(21)が複数の極大
    点(22、23)を有するものとなるように形成するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のうちいずれか1項記載
    の磁気記録媒体(6)と、該磁気記録媒体に情報を記録
    再生する磁気ヘッド(8)とを備えていることを特徴と
    する磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体用の垂直磁性膜表面の結
    晶面の傾きの分布を評価する方法であって、(1)θ−
    2θスキャン法により回折X線強度のピーク位置を決定
    するピーク位置決定工程と、(2)ロッキングカーブを
    決定するロッキングカーブ決定工程と、(3)得られた
    ロッキングカーブの極大点の数を特定する極大点数特定
    工程とを有し、 ピーク位置決定工程において、最表面側に垂直磁性膜
    (4)が形成されたディスク(D)に入射X線(11)
    を照射し、回折X線(12)を回折X線検出器(13)
    によって検出するにあたり、この検出器の位置を、回折
    X線の入射X線に対する角度が、入射X線のディスク面
    に対する入射角(θ)の2倍(2θ)となるように設定
    し、 入射X線を照射する際に、ディスクの向きを変化させる
    ことにより入射X線の入射角を変化させるとともに、こ
    れに連動させて、検出器の位置を、回折X線の入射X線
    に対する角度が、前記入射角の2倍の角度を維持するよ
    うに変化させつつ、回折X線の強度を検出器により測定
    するθ−2θスキャン法を行い、回折X線の強度が最大
    となるような検出器の位置を決定し、 ロッキングカーブ決定工程において、検出器を、前記ピ
    ーク位置決定工程で決定された位置に固定した後、ディ
    スクの向きを変化させることにより入射X線の入射角を
    変化させ、入射角と、検出器によって検出された回折X
    線の強度との関係を示すロッキングカーブを決定し、 極大点数特定工程において、ロッキングカーブの形状に
    基づいて極大点の数を計数し、 これら(1)〜(3)の各工程を経て得られたロッキン
    グカーブの形状や極大点の数に基づいて、垂直磁性膜表
    面の結晶面のディスク面に対する傾きの分布を評価する
    ことを特徴とする磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方
    法。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体用の垂直磁性膜表面の結
    晶面の傾きの分布を評価する方法であって、(1)θ−
    2θスキャン法により回折X線強度のピーク位置を決定
    するピーク位置決定工程と、(2)ロッキングカーブを
    決定するロッキングカーブ決定工程と、(3)得られた
    ロッキングカーブの極大点の数を特定する極大点数特定
    工程とを行い、 この際、ピーク位置決定工程において、最表面側に垂直
    磁性膜(4)が形成されたディスク(D)に入射X線
    (11)を照射し、回折X線(12)を回折X線検出器
    (13)によって検出するにあたり、この検出器の位置
    を、回折X線の入射X線に対する角度が、入射X線のデ
    ィスク面に対する入射角(θ)の2倍(2θ)となるよ
    うに設定し、 入射X線を照射する際に、ディスクの向きを変化させる
    ことにより入射X線の入射角を変化させるとともに、こ
    れに連動させて、検出器の位置を、回折X線の入射X線
    に対する角度が、前記入射角の2倍の角度を維持するよ
    うに変化させつつ、回折X線の強度を検出器により測定
    するθ−2θスキャン法を行い、回折X線の強度が最大
    となるような検出器の位置を決定し、 ロッキングカーブ決定工程において、検出器を、前記ピ
    ーク位置決定工程で決定された位置に固定した後、ディ
    スクの向きを変化させることにより入射X線の入射角を
    変化させ、入射角と、検出器によって検出された回折X
    線の強度との関係を示すロッキングカーブを決定し、 極大点数特定工程において、ロッキングカーブの形状に
    基づいて極大点の数を計数し、 これら(1)〜(3)の工程に続いて、(A)分離曲線
    のピーク位置初期値を与えるピーク位置初期値設定工程
    と、(B)分離曲線の半値幅初期値を与える半値幅初期
    値設定工程と、(C)設定されたピーク位置初期値、半
    値幅初期値を用いた演算処理によって、分離曲線を作成
    する分離曲線作成工程とを経てロッキングカーブ(3
    1)を2つの分離曲線(32、33)に分離し、 この際、ピーク位置初期値設定工程において、分離曲線
    のピーク(32a、33a)における入射角(θpeak
    1、θpeak2)と、垂直磁性膜表面において支配的な結晶
    面の回折X線のピーク位置に相当する入射角(θdif)
    との差(α)が、2つの分離曲線の間で互いに等しいと
    してこのピーク位置初期値を設定し、 半値幅初期値設定工程において、前記ピーク位置初期値
    におけるロッキングカーブのX線強度の1/2に相当す
    るX線強度を示す位置の入射角(θh1、θh2)と、前記
    ピーク位置初期値おける入射角(θpeak1、θpeak2)と
    の差(ph1、ph2)の2倍の値を半値幅初期値に設定
    し、 これら(A)〜(C)の過程を経て得られた分離曲線の
    形状等に基づいて、垂直磁性膜表面の結晶面のディスク
    面に対する傾きの分布を評価することを特徴とする磁性
    膜表面の結晶面傾き分布評価方法。
JP2000128305A 2000-04-27 2000-04-27 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法 Withdrawn JP2001312812A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000128305A JP2001312812A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法
US09/842,632 US6663988B2 (en) 2000-04-27 2001-04-27 Magnetic recording medium, production process thereof, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for evaluating inclination distribution of crystal planes on the magnetic film surface

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000128305A JP2001312812A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001312812A true JP2001312812A (ja) 2001-11-09

Family

ID=18637764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000128305A Withdrawn JP2001312812A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001312812A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016115755A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 株式会社リコー 電気機械変換素子、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016115755A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 株式会社リコー 電気機械変換素子、液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1653451B1 (en) Perpendicular magnetic recording medium
US7006328B2 (en) Magnetic recording medium, production process thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus
US6858320B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium
JP4083494B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
JPH10143865A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記憶装置
JP2004039152A (ja) 垂直磁気記録媒体とその製造方法および磁気記憶装置
US20020076579A1 (en) Magnetic recording medium, production process thereof, magnetic recording and reproducing apparatus, and medium substrate
US20050142389A1 (en) Magnetic recording medium
US5945190A (en) Magnetic recording medium and magnetic disk device
JP3588039B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2001312812A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、磁気記録再生装置、および磁性膜表面の結晶面傾き分布評価方法
JP2006179133A (ja) 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置
KR20050012227A (ko) 수직 자기 기록 매체와 그것을 갖춘 자기 기록 장치 및수직 자기 기록 매체의 제조방법 및 제조장치
JP3359706B2 (ja) 磁気記録媒体
US6706318B2 (en) Method of manufacturing a perpendicular magnetic recording medium
US6509108B2 (en) Magnetic recording medium and a magnetic disc apparatus, with a CRP or CrMoP reinforcing coat layer
US6663988B2 (en) Magnetic recording medium, production process thereof, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for evaluating inclination distribution of crystal planes on the magnetic film surface
US7029772B2 (en) Magnetic recording medium, production process thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus
JP2001189006A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法ならびに磁気記録再生装置
US6844724B1 (en) Compensation technique for measurement of magnetic moment and anisotropy field of perpendicular recording media with soft underlayer
JP4040276B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
JP2002324313A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP3544645B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
JP3864637B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001243618A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、スパッタリングターゲット、および磁気記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703