JP2001311669A - トルク検出装置及び舵取装置 - Google Patents

トルク検出装置及び舵取装置

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JP2001311669A
JP2001311669A JP2000326088A JP2000326088A JP2001311669A JP 2001311669 A JP2001311669 A JP 2001311669A JP 2000326088 A JP2000326088 A JP 2000326088A JP 2000326088 A JP2000326088 A JP 2000326088A JP 2001311669 A JP2001311669 A JP 2001311669A
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torque
shaft
magnetic sensors
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target
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JP2000326088A
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English (en)
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Yoshitomo Tokumoto
欣智 徳本
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸の異なる位置に配したターゲットに夫
々対向する磁気センサの出力を用いた回転トルクの算出
を、磁気センサの出力特性の相違及びターゲットとの間
のエアギャップの変動に影響されることなく正確に行わ
せる。 【解決手段】 一つのターゲットが通過する間に取り込
まれた各磁気センサの出力電圧を用い、これら夫々のセ
ンサゲインKA ,KB 及び両者の平均センサゲインKm
を求め、これらを用いて夫々の磁気センサの実出力に乗
じる補正ゲインKA0(=Km /KA )及びKB0(=Km
/KB )を算出して、回転トルクの算出は、各磁気セン
サの実出力に夫々の補正ゲインを乗じた結果を用いて行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸に加わる回
転トルクを検出するトルク検出装置、及びこのトルク検
出装置を備える自動車用の舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】舵取りのために舵輪(ステアリングホイ
ール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて操
舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を舵取り
装置に伝えて操舵を補助する構成とした電動パワーステ
アリング装置は、操舵補助力の発生源として油圧アクチ
ュエータを用いる油圧パワーステアリング装置と比較し
て、車速の高低,操舵の頻度等、走行状態に応じた補助
力特性の制御が容易に行えるという利点を有することか
ら、近年、その適用範囲が拡大する傾向にある。
【0003】以上の如き電動パワーステアリング装置に
おいては、前記操舵トルクの検出のためのトルク検出装
置が必要であり、舵輪と舵取機構を連絡する操舵軸を舵
輪側の入力軸と舵取機構側の出力軸とを細径のトーショ
ンバーを介して連結し、操舵トルクの作用によるトーシ
ョンバーの捩れを伴って前記両軸の連結部に生じる相対
角変位を検出し、この検出結果に基づいて前記操舵トル
ク(回転トルク)を算出する構成としたトルク検出装置
が用いられている。
【0004】以上の如きトルク検出装置の多くは、入力
軸及び出力軸の回転角度を夫々検出し、これらの検出角
度の差として与えられる相対角変位を利用して回転トル
クを求める構成となっている。しかしながら回転角度の
検出装置は、ポテンシオメータ等の接触摺動する部分を
含んで構成されているものが多く、摺接部の摩耗による
出力の経年変化が発生し、耐久性に劣るという問題があ
った。また、前記トーションバーの捩れを伴って生じる
入力軸と出力軸との相対角変位を、両軸の連結部に構成
された磁気回路のインピーダンス変化を媒介として検出
する構成とした装置も実用化されているが、この装置
は、構成が複雑であり、製造コストが高いという問題が
あった。
【0005】このような問題を解消すべく本願出願人
は、特願平11−100665号等において、回転軸に加わる回
転トルクを非接触にて検出し得る簡素な構成のトルク検
出装置を提案している。この装置は、対象となる回転軸
の外周に、軸長方向に対して略等角度傾斜する磁性体製
のターゲットを周方向に複数並設し、これらのターゲッ
トの並設位置の外側に、各ターゲットの通過に応じて変
化する出力を発する磁気センサ(MRセンサ)を対向配
置してなる回転角検出装置を、入力軸と出力軸との連結
部に夫々構成したものである。
【0006】この構成によれば、前記磁気センサが、回
転軸の一回転当たりターゲットの並設数に対応する周期
にて略直線的に変化する電圧出力を発するから、入力軸
及び出力軸の回転角度を、夫々に対応する磁気センサの
出力に基づいて非接触にて検出することができ、舵輪の
操作により入力軸に加えられる回転トルク(操舵トル
ク)は、入力軸及び出力軸に対応する磁気センサの出力
差として与えられる両軸の回転角度の差に基づいて算出
することができる。
【0007】なお、回転軸の外周に前述の如く並設され
たターゲットは、軸長方向に対して略等角度傾斜する部
分螺旋の形態をなしており、周方向の並設数に対応する
不連続部が存在する。従って、これらに対向配置された
磁気センサの出力に、前記不連続部に対応する非線形な
変化領域が出現し、この非線形変化領域内での回転角の
検出が不確かになるという問題がある。そこで、ターゲ
ットの並設位置の外側に周方向に位相をずらせて2つの
磁気センサを配置し、一方の出力が非線形変化領域にあ
るときには他方の磁気センサの出力を用い、全周に亘っ
て回転角の検出が行えるようにしてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように特願平11−
100665号等に提案されたトルク検出装置は、対象となる
回転軸の回転トルクを、非接触にて検出し得る簡素な構
成の装置であり、前述した如く、電動パワーステアリン
グ装置において操舵補助用のモータの駆動制御に好便に
使用することができる。
【0009】ところが、磁気センサとして用いるMRセ
ンサの出力特性は一定ではなく、また周辺温度の影響を
受け易く、前述の如く、入力軸及び出力軸のターゲット
の外側に各2つの磁気センサを備える構成においては、
夫々の磁気センサの出力特性の相違が、これらの出力差
に基づいて算出される回転トルクの算出精度の低下を招
来するという問題がある。
【0010】そこで従来においては、磁気センサの出力
特性を、温度による特性変化を含めて個々に調べ、夫々
の出力に乗じるゲインを各別に定めておき、実際の使用
中には、得られた磁気センサの出力に対応するゲインを
乗じて、特性の相違に起因する前述した誤差の発生を防
止するようにしている。
【0011】しかしながら、合計4つの磁気センサの夫
々に対して温度補償を含めてなされる前記ゲインの設定
に多大の手間を要するという問題があり、更には、正確
なゲイン設定を行った場合においても、夫々の磁気セン
サに発生する経時的な特性変化を補償することができ
ず、長期に亘って高精度での回転トルクの検出を行わせ
ることは困難である。
【0012】更に、入力軸側の磁気センサと出力軸側の
磁気センサとでは、夫々に対向するターゲットとの間の
隙間(エアギャップ)が異なることが多く、このエアギ
ャップは、磁気センサの出力に影響を及ぼすことから、
前述の如く算出される回転トルクには、エアギャップの
相異に起因する誤差も含まれる。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、回転軸に設けられた磁性体製のターゲットに感
応する磁気センサの出力に基づいて、前記回転軸に加わ
る回転トルクを検出する構成において、個々の磁気セン
サの出力特性の相違、個々の磁気センサとターゲットと
の間のエアギャップの相異に起因する検出誤差の発生を
抑え、長期に亘って高精度でのトルク検出が可能なトル
ク検出装置を提供し、更には、これを用いた自動車用の
舵取装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
トルク検出装置は、回転軸に設けられた回転体と、該回
転軸が回転するに従って、検出される部位が周期的及び
連続的に変化すべく、前記回転体に設けられた1又は複
数のターゲットと、該ターゲットの近接する部位を検出
する1又は複数の検出手段とを、前記回転軸の軸長方向
に離隔して2組備え、両組の検出手段が夫々検出した部
位に基づいて前記回転軸に加わる回転トルクを算出する
トルク算出部を備えるトルク検出装置であって、前記ト
ルク算出部は、前記2組の検出手段が夫々検出した部位
の平均値を前記複数のターゲットの夫々が通過する間に
求め、両組の検出手段が夫々検出した部位を前記平均値
に一致させるべく夫々の検出手段が検出した部位を補正
する補正手段を備えることを特徴とする。
【0015】本発明においては、回転軸の軸長方向に離
隔して配されたターゲットに夫々対向する検出手段の検
出結果の履歴を監視し、先のターゲットが通過する間の
夫々の検出手段が検出した部位の平均値を求め、両検出
手段が夫々検出した部位をこの平均値に一致させるよう
に夫々の検出結果に対して補正を行い、次のターゲット
が通過する間には、検出手段が検出した部位をそのまま
用いるのではなく、これらに先に補正を行った結果を用
いて回転トルクを算出し、各検出手段の検出特性の相違
を補償する。
【0016】また第2発明に係るトルク検出装置は、回
転軸の周方向に複数並設され、軸長方向に対して夫々が
略等角度傾斜する磁性体製のターゲットと、これらのタ
ーゲットの並設位置に対向配置され、各ターゲットの通
過に応じて変化する出力を発する磁気センサとを、前記
回転軸の軸長方向に離隔して2組備え、両組の磁気セン
サの出力差に基づいて前記回転軸に加わる回転トルクを
算出するトルク算出部を備えるトルク検出装置であっ
て、前記トルク算出部は、前記2組の磁気センサの出力
の平均値を前記複数のターゲットの夫々が通過する間に
求め、両組の磁気センサの出力を前記平均値に一致させ
るべく夫々の出力に乗じる補正ゲインを設定するゲイン
設定手段を備えることを特徴とする。
【0017】この発明においては、回転軸の軸長方向に
離隔して配されたターゲットに夫々対向する磁気センサ
の出力の履歴を監視し、先のターゲットが通過する間の
夫々の磁気センサの出力の平均値を求め、両磁気センサ
の出力をこの平均値に一致させるための補正ゲインを夫
々設定しておき、次のターゲットが通過する間には、磁
気センサの出力をそのまま用いるのではなく、これらに
先に設定した補正ゲインを乗じた結果を用いて回転トル
クを算出し、温度の影響及び経時的な原因による磁気セ
ンサの出力特性の変化を補償する。
【0018】また第3発明に係るトルク検出装置は、前
記2組の磁気センサが、前記ターゲットの外側に周方向
に位相をずらせて各複数配してあることを特徴とする。
【0019】この発明においては、回転軸の2か所に設
けた夫々のターゲットの外側に各複数の磁気センサを備
えた構成において、夫々の磁気センサの出力特性の相違
による影響を排除して、正確な回転トルクの算出を可能
とする。
【0020】また第4発明に係るトルク検出装置は、前
記回転軸が、トーションバーを介して同軸上に連結され
た第1軸及び第2軸の連結体であり、前記ターゲット
は、前記第1軸及び第2軸の連結部近傍に夫々設けてあ
ることを特徴とする。
【0021】この発明においては、トーションバーを介
して同軸上に連結された第1軸と第2軸とにターゲット
を並設し、これらのターゲットに磁気センサを夫々対向
配置して、前記トーションバーの捩れを伴って両軸間に
発生する大なる回転角度の差を、前述した補正ゲインの
設定により精度良く算出し、この結果を用いて第1軸及
び第2軸に加わる回転トルクを精度良く検出する。
【0022】更に本発明の第5発明に係る舵取装置は、
舵輪と舵取機構とを連絡する操舵軸を前記回転軸として
構成された第1発明乃至第4発明のいずれかのトルク検
出装置を備えることを特徴とする。
【0023】本発明においては、以上の如きトルク検出
装置を自動車の舵取装置に適用し、舵取りのために操舵
軸に加わえられる操舵トルクの正確な検出値を得て、こ
の結果を、操舵補助用のモータの駆動制御等、各種の制
御に利用する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 (実施の形態1)図1は、自動車の舵取装置に適用した
本発明に係るトルク検出装置の実施の形態1の構成を示
す模式図である。図示の如く、上端を舵輪(ステアリン
グホイール)30に連結された入力軸(第1軸)31と、下
端を舵取機構のピニオン33に連結された出力軸(第2
軸)32とを、細径のトーションバー34を介して同軸上に
連結し、前記舵輪30と舵取機構とを連絡する操舵軸(回
転軸)3が構成されており、本発明に係るトルク検出装
置は、前記入力軸31及び出力軸32の連結部近傍に以下の
如くに構成されている。
【0025】入力軸31には、出力軸32との連結側端部近
傍に、円板形をなすターゲット板2が同軸上に外嵌固定
されており、該ターゲット板2の外周面には、複数(図
においては10個)のターゲット20,20…が並設されてい
る。これらのターゲット20,20…は、図示の如く、ター
ゲット板2が嵌着された入力軸31の軸長方向に対して夫
々が略等角度傾斜する部分螺旋の形態をなす磁性体製の
突条であり、前記ターゲット板2の外周面に周方向に等
配をなして並設されている。
【0026】同様のターゲット板2は、出力軸32の入力
軸31との連結側端部近傍にも外嵌固定されており、該タ
ーゲット板2の外周には、これが嵌着された出力軸32の
軸長方向に対して夫々が略等角度傾斜する複数のターゲ
ット20,20…が、入力軸31側のターゲット20,20…と周
方向に整合させて複数並設されている。
【0027】以上の如きターゲット板2,2の外側に
は、夫々の外周のターゲット20,20…の外縁を周方向に
異なる位置にて臨むように2個のセンサボックス1a,1b
が配設されている。これらのセンサボックス1a,1bは、
前記入力軸31及び出力軸32を支承するハウジング等の動
かない部位に固定支持されている。センサボックス1aの
内部には、入力軸31側のターゲット20,20…に対向する
磁気センサ1Aと、出力軸32側のターゲット20,20…に対
向する磁気センサ2Aとが、周方向位置を正しく合わせて
収納されており、同じくセンサボックス1bの内部には、
入力軸31側のターゲット20,20…に対向する磁気センサ
1Bと、出力軸32側のターゲット20,20…に対向する磁気
センサ2Bとが、周方向位置を正しく合わせて収納されて
いる。
【0028】磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、磁気抵抗効
果素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性
(抵抗)が変化する特性を有する素子を用い、周辺磁界
の変化に応じて出力電圧を変えるように構成されたセン
サであり、これらの出力VA ,VB ,vA ,vB は、セ
ンサボックス1a,1bの外部に引き出され、マイクロプロ
セッサを用いてなる演算処理部4に与えられている。
【0029】磁気センサ1A,1B,2A,2Bが対向するター
ゲット20,20…は、前述した如く、入力軸31及び出力軸
32の外周に軸長方向に対して所定の傾斜角度を有して並
設された磁性体製の突起である。従って、入力軸31及び
出力軸32が軸回りに回転した場合、各磁気センサ1A,1
B,2A,2Bは、対応するターゲット20,20…が夫々との
対向位置を通過する間、前記入力軸31及び出力軸32の回
転角度の変化に応じて比例的に変化する電圧信号を出力
する。
【0030】このとき磁気センサ1A,2Aの出力電圧は、
これらに対応するターゲット20,20…が設けられた入力
軸31の回転角度に対応するものとなり、磁気センサ1B,
2Bの出力電圧は、これらが対向するターゲット20,20…
が設けられた出力軸32の回転角度に対応するものとな
る。従って、磁気センサ1A,2Aの出力電圧から入力軸31
の回転角度を、磁気センサ1B,2Bの出力電圧から出力軸
32の回転角度を各別に算出することができる。
【0031】また磁気センサ1Aの出力電圧と磁気センサ
1Bの出力電圧との差、又は磁気センサ2Aの出力電圧と磁
気センサ2Bの出力電圧との差は、入力軸31と出力軸32と
の回転角度の差(相対角変位)に対応するものとなる。
この相対角変位は、入力軸31に加わる回転トルクの作用
下において入力軸31と出力軸32とを連結するトーション
バー34に生じる捩れ角度に対応する。従って、前述した
出力電圧の差に基づいて入力軸31に加わる回転トルクを
算出することができる。
【0032】以上の如き回転トルクの算出は、磁気セン
サ1A,1B,2A,2Bの出力電圧が与えられる前記演算処理
部4において行われる。この算出手順については、本願
出願人による前記特願平11−100665号等に詳しく述べら
れており、ここでの説明は省略するが、高精度の算出結
果を得るためには、入力軸31側の磁気センサ1A,2A及び
出力軸32側の磁気センサ1B,2Bの夫々が対応するターゲ
ット20,20…の通過に感応して発する出力電圧の変化態
様が一致している必要がある。
【0033】図2は、実施の形態1に係るトルク検出装
置における入力軸31側の磁気センサ1A及び出力軸32側の
磁気センサ1Bの出力電圧の変化態様の一例を示す説明図
である。図の横軸は、磁気センサ1Aが対向する入力軸31
又は磁気センサ1Bが対向する出力軸32の回転角度を示
し、図中の実線は、入力軸31側の磁気センサ1Aの出力電
圧を、同じく破線は、出力軸32側の磁気センサ1Bの出力
電圧を示している。入力軸31及び出力軸32に取り付けた
ターゲット板2の外周に、前述の如く10個のターゲット
20,20…が並設されている場合、磁気センサ1A,1Bの出
力電圧は、入力軸31又は出力軸32が、36°(= 360°/
10)だけ回転する間を一周期とし、各ターゲット20が通
過する間の線形に変化する領域と、相隣するターゲット
20,20間の不連続部が通過する間の非線形に変化する領
域とを繰り返す変化態様を示す。
【0034】ここで、入力軸31及び出力軸32側のターゲ
ット20,20…の外側に各2つの磁気センサ1A,2A及び1
B,2Bを並設してあるのは、図2に示す非線形変化領域
において得られる不確かな出力電圧を用いた回転トルク
の誤った算出がなされないようにするためである。前記
磁気センサ1A,2A及び1B,2Bは、ターゲット板2の周方
向に略半周期分だけ位相をずらせて、一方の出力電圧が
非線形変化領域にあるとき、他方の出力電圧が線形変化
領域にあるように取り付けられている。これにより、磁
気センサ1A,2A間、及び磁気センサ1B,2B間において、
例えば、夫々の出力電圧が予め設定されたしきい値電圧
を上回る(又は下回る)ことを条件とする切換えを実施
することにより、常に前記線形変化領域の出力電圧を用
いた回転トルクの算出が行えるようになる。
【0035】図2において磁気センサ1A及び磁気センサ
1Bの出力電圧の変化態様を比較した場合、両者は、夫々
の線形変化領域における傾き角度が異なっており、ま
た、図中に一点鎖線にて示す夫々の変動幅の中点電圧が
異なっていることがわかる。このような出力電圧の相異
が存在する結果、例えば、図中にθ0 として示す同一の
回転角度に対し、磁気センサ1A,1Bの出力電圧は、夫々
A ,VB となり、これらを用いて夫々求められる入力
軸31及び出力軸32の回転角度、並びに、これらの回転角
度の差に基づいて算出される回転トルクの精度は低下す
る。なお、図2においては、説明の便宜上、磁気センサ
1A,1Bの出力電圧の相異を強調して示してある。
【0036】前記傾き角度の相異は、磁気センサ1A,1B
の出力特性の差によって発生し、また、夫々の出力特性
は、周辺温度の影響、及び経時的な要因によって変化す
る。また、前記中点電圧の相異は、磁気センサ1A,1Bの
夫々と、これらが対向するターゲット20,20…との間の
エアギャップの差によって発生する。従って、図2に示
す如く発生する出力電圧の相異を解消するためには、出
力特性を揃えた磁気センサ1A,1Bを用い、更に、これら
の取り付け精度を可及的に高めることが要求され、これ
らの要求に併せて応えることは難しい。
【0037】本発明においては、前記演算処理部4での
回転トルクの算出に際し、磁気センサ1A,1B(又は磁気
センサ2A,2B)の出力電圧をそのまま用いるのではな
く、これらに以下の如く設定された補正ゲインを乗じた
結果を用い、磁気センサ1A,1B(又は磁気センサ2A,2
B)の出力電圧の相異に起因するトルク算出誤差の発生
を防止する。図3は、実施の形態1に係るトルク検出装
置における補正ゲインの設定動作の内容を示すフローチ
ャートである。
【0038】補正ゲインの設定動作は、所定のサンプリ
ング間隔毎に行われる回転トルクの算出の間の割込み処
理として、磁気センサ1A,1B,2A,2Bの夫々について行
われるが、以下の説明は、入力軸31及び出力軸32のター
ゲット20,20…に、周方向に整合する位置にて対向する
磁気センサ1A,1Bを対象として行う。
【0039】演算処理部4は、回転角度及び回転トルク
の算出のために逐次取り込まれる磁気センサ1A,1Bの出
力電圧を監視し、入力軸31及び出力軸32の夫々が、前記
ターゲット20,20…の1つ分だけ回転するまで待機し
(ステップ1)、1つ分の回転が生じたと判定された場
合、その間の磁気センサ1A及び磁気センサ1Bの出力電圧
の線形変化領域内において、予め設定された回転角度範
囲Δθの両端における磁気センサ1Aの出力電圧VA1,V
A2及び磁気センサ1Bの出力電圧VB1,VB2を夫々求める
(ステップ2)。
【0040】図4は、実施の形態1に係るトルク検出装
置における補正ゲイン設定動作の説明図であり、1つの
ターゲット20が通過する間の磁気センサ1A,1Bの出力電
圧の変化、即ち、一周期分の出力電圧の変化を、前記図
2と同様に、磁気センサ1Aの出力電圧を実線により、磁
気センサ1Bの出力電圧を破線により夫々示したものであ
る。前記ステップ1により、図4に示す磁気センサ1A,
1Bの一周期分の出力電圧が参照され、前記ステップ2に
おいて、前記回転角度範囲Δθの両端電圧VA1,VA2
びVB1,VB2が求められる。なお、前記Δθは、線形変
化領域内に含まれる角度範囲であれば適宜に設定するこ
とができる。
【0041】次いで演算処理部4は、ステップ2におい
て求められた両端電圧VA1,VA2及びVB1,VB2を次式
に適用して、磁気センサ1A,1Bの夫々のセンサゲインK
A ,KB を算出する(ステップ3)。
【0042】 KA =(VA1−VA2)/Δθ …(1) KB =(VB1−VB2)/Δθ …(2)
【0043】これらの式により算出されるセンサゲイン
A ,KB は、図4に明らかな如く、夫々の磁気センサ
1A,1Bの線形変化領域における出力電圧の変化率(傾
き)を示している。
【0044】次いで、前記両端電圧VA1,VA2及び
B1,VB2を次式に適用して、両磁気センサ1A,1Bの平
均センサゲインKm を算出する(ステップ4)。
【0045】 Km ={(VA1−VA2)/2+(VB1−VB2)/2}/Δθ ={(VA1−VA2)+(VB1−VB2)}/2Δθ …(3)
【0046】この式により算出される平均センサゲイン
m は、線形変化領域における磁気センサ1A,1Bの出力
電圧の平均値の変化率、即ち、図4中に一点鎖線により
示す直線の傾きを示している。
【0047】最後に演算処理部4は、ステップ3にて算
出されたセンサゲインKA ,KB 、及びステップ4にて
算出された平均センサゲインKm を次式に適用して、磁
気センサ1A,1Bの実出力に乗じるための補正ゲインKA0
及びKB0を夫々算出する(ステップ5)。
【0048】KA0=Km /KA …(4) KB0=Km /KB …(5)
【0049】これらの式により算出される補正ゲインK
A0及びKB0は、磁気センサ1A,1Bの夫々に固有のセンサ
ゲインKA ,KB を前記平均センサゲインKm に合わせ
るための補正値であり、磁気センサ1A,1Bの実際の出力
電圧に前記補正ゲインKA0,KB0を乗じた結果は、図4
中の一点鎖線により示す平均特性上の点となり、出力特
性の相異、及び対応するターゲット20,20…との間のエ
アギャップの相異により磁気センサ1A,1Bの出力電圧に
含まれる誤差成分を排除することができる。
【0050】演算処理部4における回転トルクの算出
は、磁気センサ1A,1Bの実際の出力電圧VA ,VB をそ
のまま用いるのではなく、これら夫々に、(4)式及び
(5)式にて算出される補正ゲインKA0,KB0を乗じた
値を用いて行う。これにより、前述した誤差成分が排除
された正確な回転トルクの算出結果が得られることとな
る。なお、以上の如く算出される補正ゲインKA0,KB0
は、現状(n回目)の次の回(n+1回目)のターゲッ
ト20の通過の間に得られる出力電圧VA ,VB に対して
適用される。
【0051】演算処理部4は、前記ステップ1からステ
ップ5までの動作を、電源遮断等、所定の動作終了条件
が満たされる(ステップ6)まで繰り返す。これによ
り、動作中のあらゆる時点において高精度の回転トルク
の算出がなされ、この算出結果に基づいて行われる操舵
補助用のモータの制御等、各種の制御を良好に行わせる
ことができる。
【0052】(実施の形態2)図5は、自動車の舵取装
置に適用した本発明に係るトルク検出装置の実施の形態
2の構成を示す模式図である。図に示すように、入力軸
31には、出力軸32との連結側端部近傍に、円板形をなす
ターゲット板2が同軸上に外嵌固定されており、ターゲ
ット板2の外周面には、複数(図においては5個)のタ
ーゲット20,20,…が並設されている。
【0053】図6は、実施の形態2に係るトルク検出装
置におけるターゲット板2の外周面を展開した展開図で
ある。図6に示すように、ターゲット20は、ターゲット
板2の外周面に沿って一方向に傾斜して設けてある第1
傾斜部21と、他方向に傾斜して設けてある第2傾斜部22
とを備えた磁性体製の突条であり、ターゲット板2の外
周面の周方向に等配に並設されている。
【0054】また、出力軸32の入力軸31との連結側端部
近傍にも、同様のターゲット20,20,…を備えるターゲ
ット板2が外嵌固定されており、出力軸32側のターゲッ
ト板2が備えるターゲット20,20,…と、入力軸31側の
ターゲット板2が備えるターゲット20,20,…とは周方
向に整合された状態とされている。
【0055】両ターゲット板2,2の外側には、夫々の
外周のターゲット20,20,…の外縁に臨むようにセンサ
ボックス1が配設されている。センサボックス1は、入
力軸31及び出力軸32を支承するハウジング等の動かない
部位に固定支持されている。センサボックス1の内部に
は、磁気センサ1A,1B,2A,2Bが収納されており、磁気
センサ1A,2Aは、入力軸31側のターゲット20,20,…の
周方向に異なる部位に臨むように配され、磁気センサ1
B,2Bは、出力軸32側のターゲット20,20,…の周方向
に異なる部位に臨むように配されていて、磁気センサ1
A,1B及び磁気センサ2A,2Bは、夫々周方向位置を正し
く合わせた状態とされている。本実施の形態2に係るト
ルク検出装置のその他の構成は、実施の形態1に係るト
ルク検出装置の構成と同様であるので、その説明を省略
する。
【0056】磁気センサ1A,1B,2A,2Bが対向するター
ゲット20,20,…は、前述した如く、入力軸31及び出力
軸32に同軸上に外嵌固定された各ターゲット板2,2の
外周面に沿って一方向に傾斜した第1傾斜部21,21,…
と、他方向に傾斜した第2傾斜部22,22,…とを備え
て、周方向に等配に並設された磁性体製の突条である。
従って、入力軸31及び出力軸32が軸回りに回転した場
合、各磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、対応するターゲッ
ト20,20,…が夫々との対向位置を通過する間、前記入
力軸31及び出力軸32の回転角度の変化に応じて比例的に
上昇し、又は下降する電圧信号を出力する。
【0057】図7は、実施の形態2に係るトルク検出装
置における入力軸31側の磁気センサ1A及び出力軸32側の
磁気センサ1Bの出力電圧の変化態様の一例を示す説明図
である。図の横軸は、磁気センサ1Aが対向する入力軸31
又は磁気センサ1Bが対向する出力軸32の回転角度を示
し、図中の実線は、入力軸31側の磁気センサ1Aの出力電
圧を、同じく破線は、出力軸32側の磁気センサ1Bの出力
電圧を示している。入力軸31及び出力軸32に取り付けた
ターゲット板2の外周に、前述の如く5個のターゲット
20,20,…が並設されている場合、磁気センサ1A、1Bの
出力電圧は、入力軸31又は出力軸32が、72°(=36
0°/5)だけ回転する間を一周期とし、各第1傾斜部
21が通過する間の線形に上昇(又は下降)する領域(以
下、第1線形変化領域という)と、相隣する第1傾斜部
21及び第2傾斜部22間の不連続部が通過する間の非線形
に変化する領域と、各第2傾斜部22が通過する間の線形
に下降(又は上昇)する領域(以下、第2線形変化領域
という)と、相隣する第2傾斜部22及び第1傾斜部21間
の不連続部が通過する間の非線形に変化する領域とを繰
り返す変化態様を示す。
【0058】ここで、図7に示す非線形変化領域におい
て得られる不確かな出力電圧を用いた回転トルクの誤っ
た算出がなされないようにするために、前記磁気センサ
1A,2A及び1B,2Bは、ターゲット板2の周方向に略1/
4周期分だけ位相をずらせて、一方の出力電圧が非線形
変化領域にあるとき、他方の出力電圧が第1線形変化領
域又は第2線形変化領域にあるように取り付けられてい
る。これにより、磁気センサ1A,2A間、及び磁気センサ
1B,2B間において、例えば、夫々の出力電圧が予め設定
されたしきい値電圧を上回る(又は下回る)ことを条件
とする切換えを実施することにより、常に前記第1線形
変化領域又は第2線形変化領域の出力電圧を用いた回転
トルクの算出が行えるようになる。
【0059】図7において磁気センサ1A及び磁気センサ
1Bの出力電圧の変化態様を比較した場合、両者は、夫々
の第1線形変化領域における傾き角度、及び夫々の第2
線形変化領域における傾き角度が夫々が異なっており、
また、図中に一点鎖線にて示す夫々の変動幅の中点電圧
が異なっていることがわかる。従って、図2に示した磁
気センサ1A,1Bの出力電圧の相違と同様に、同一の回転
角度θO に対して、磁気センサ1A,1Bは、異なる出力電
圧VA ,VB を夫々発生するので、これらを用いて夫々
求められる入力軸31及び出力軸32の回転角度、並びに、
これらの回転角度の差に基づいて算出される回転トルク
の精度は低下する。なお、図7においては、説明の便宜
上、磁気センサ1A,1Bの出力電圧の相違を強調して示し
てある。
【0060】図8は、実施の形態2に係るトルク検出装
置における補正ゲインの設定動作の内容を示すフローチ
ャートである。演算処理部4は、回転角度及び回転トル
クの算出のために逐次取り込まれる磁気センサ1A,1Bの
出力電圧を監視し、検出しているターゲット20の部位
が、第1傾斜部21であるか第2傾斜部22であるかを判別
する(ステップ201)。ステップ201において、検
出しているターゲット20の部位が第1傾斜部21であると
判別された場合、入力軸31及び出力軸32の夫々が、前記
第1傾斜部21,21,…の1つ分だけ回転するまで待機し
(ステップ202)、1つ分の回転が生じたと判定され
た場合、その間の磁気センサ1A及び磁気センサ1Bの出力
電圧の第1線形変化領域内において、予め設定された回
転角度範囲Δθの両端における磁気センサ1Aの出力電圧
A11 ,VA12 及び磁気センサ1Bの出力電圧VB11 ,V
B12 を夫々求める(ステップ203)。
【0061】図9は、実施の形態2に係るトルク検出装
置における補正ゲイン設定動作の説明図であり、1つの
ターゲット20が通過する間の磁気センサ1A,1Bの出力電
圧の変化、即ち、一周期分の出力電圧の変化を、前記図
7と同様に、磁気センサ1Aの出力電圧を実線により、磁
気センサ1Bの出力電圧を破線により夫々示したものであ
る。前記ステップ202により、図9に示す磁気センサ
1A,1Bの第1線形変化領域における出力電圧が参照さ
れ、前記ステップ203において、前記回転角度範囲Δ
θの両端電圧VA11 ,VA12 及びVB11 ,VB12 が求め
られる。なお、前記Δθは、第1線形変化領域内に含ま
れる角度範囲であれば適宜に設定することができる。
【0062】次いで演算処理部4は、ステップ203に
おいて求められた両端電圧VA11 ,VA12 及びVB11
B12 を次式に適用して、磁気センサ1A,1Bの夫々のセ
ンサゲインKA1,KB1を算出する(ステップ204)。
【0063】 KA1=(VA11 −VA12 )/Δθ …(6) KB1=(VB11 −VB12 )/Δθ …(7)
【0064】これらの式により算出されるセンサゲイン
A1,KB1は、図9に明らかな如く、夫々の磁気センサ
1A,1Bの第1線形変化領域における出力電圧の変化率
(傾き)を示している。
【0065】次いで、前記両端電圧VA11 ,VA12 及び
B11 ,VB12 を次式に適用して、両磁気センサ1A,1B
の第1線形変化領域における平均センサゲインKm1を算
出する(ステップ205)。
【0066】 Km1={(VA11 −VA12 )/2+(VB11 −VB12 )/2}/Δθ ={(VA11 −VA12 )+(VB11 −VB12 )}/2Δθ …(8)
【0067】この式により算出される平均センサゲイン
m1は、第1線形変化領域における磁気センサ1A,1Bの
出力電圧の平均値の変化率、即ち、図9中に一点鎖線に
より示す直線L1の傾きを示している。
【0068】そして、演算処理部4は、ステップ204
にて算出されたセンサゲインKA1,KB1、及びステップ
205にて算出された平均センサゲインKm1を次式に適
用して、第1線形変化領域において磁気センサ1A,1Bの
実出力に乗じるための補正ゲインKA01 及びKB01 を夫
々算出する(ステップ206)。
【0069】KA01 =Km1/KA1 …(9) KB01 =Km1/KB1 …(10)
【0070】これらの式により算出される補正ゲインK
A01 及びKB01 は、磁気センサ1A,1Bの夫々に固有のセ
ンサゲインKA1,KB1を前記平均センサゲインKm1に合
わせるための補正値であり、磁気センサ1A,1Bの実際の
出力電圧に前記補正ゲインK A01 ,KB01 を乗じた結果
は、図9中の一点鎖線により示す平均特性上の点とな
り、出力特性の相異、及び対応するターゲット20,20…
との間のエアギャップの相異により磁気センサ1A,1Bの
出力電圧に含まれる誤差成分を排除することができる。
【0071】また、ステップ201において、検出して
いるターゲット20の部位が第2傾斜部22であると判別さ
れた場合、入力軸31及び出力軸32の夫々が、前記第2傾
斜部22,22,…の1つ分だけ回転するまで待機し(ステ
ップ207)、1つ分の回転が生じたと判定された場
合、その間の磁気センサ1A及び磁気センサ1Bの出力電圧
の第2線形変化領域内において、前述した回転角度範囲
Δθの両端における磁気センサ1Aの出力電圧VA21 ,V
A22 及び磁気センサ1Bの出力電圧VB21 ,VB22を夫々
求める(ステップ208)。
【0072】図9に示すように、ステップ207によ
り、磁気センサ1A,1Bの第2線形変化領域における出力
電圧が参照され、前記ステップ208において、前記回
転角度範囲Δθの両端電圧VA21 ,VA22 及びVB21
B22 が求められる。
【0073】次いで演算処理部4は、ステップ208に
おいて求められた両端電圧VA21 ,VA22 及びVB21
B22 を次式に適用して、磁気センサ1A,1Bの夫々のセ
ンサゲインKA2,KB2を算出する(ステップ209)。
【0074】 KA2=(VA21 −VA22 )/Δθ …(11) KB2=(VB21 −VB22 )/Δθ …(12)
【0075】これらの式により算出されるセンサゲイン
A2,KB2は、図9に明らかな如く、夫々の磁気センサ
1A,1Bの第2線形変化領域における出力電圧の変化率
(傾き)を示している。
【0076】次いで、前記両端電圧VA21 ,VA22 及び
B21 ,VB22 を次式に適用して、両磁気センサ1A,1B
の第2線形変化領域における平均センサゲインKm2を算
出する(ステップ210)。
【0077】 Km2={(VA21 −VA22 )/2+(VB21 −VB22 )/2}/Δθ ={(VA21 −VA22 )+(VB21 −VB22 )}/2Δθ …(13)
【0078】この式により算出される平均センサゲイン
m2は、第2線形変化領域における磁気センサ1A,1Bの
出力電圧の平均値の変化率、即ち、図9中に一点鎖線に
より示す直線L2の傾きを示している。
【0079】そして、演算処理部4は、ステップ209
にて算出されたセンサゲインKA2,KB2、及びステップ
210にて算出された平均センサゲインKm2を次式に適
用して、第2線形変化領域において磁気センサ1A,1Bの
実出力に乗じるための補正ゲインKA02 及びKB02 を夫
々算出する(ステップ211)。
【0080】KA02 =Km2/KA2 …(14) KB02 =Km2/KB2 …(15)
【0081】これらの式により算出される補正ゲインK
A02 及びKB02 も、補正ゲインKA0 1 及びKB01 と同
様、磁気センサ1A,1Bの夫々に固有のセンサゲイン
A2,KB2を前記平均センサゲインKm2に合わせるため
の補正値であり、磁気センサ1A,1Bの実際の出力電圧に
前記補正ゲインKA02 ,KB02 を乗じた結果は、図9中
の一点鎖線により示す平均特性上の点となり、出力特性
の相異、及び対応するターゲット20,20…との間のエア
ギャップの相異により磁気センサ1A,1Bの出力電圧に含
まれる誤差成分を排除することができる。
【0082】演算処理部4における回転トルクの算出
は、磁気センサ1A,1Bの実際の出力電圧VA ,VB をそ
のまま用いるのではなく、これら夫々に、(9)式、
(10)式、(14)式、及び(15)式にて算出され
る補正ゲインKA01 ,KB01 ,K A02 ,KB02 を乗じた
値を用いて行う。これにより、前述した誤差成分が排除
された正確な回転トルクの算出結果が得られることとな
る。なお、以上の如く算出される補正ゲインKA01 ,K
B01 は、現状(n回目)の次の回(n+1回目)の第1
傾斜部21通過の間に得られる出力電圧VA ,VB に対し
て適用され、同じく補正ゲインKA02 ,KB02 は、現状
(n回目)の次の回(n+1回目)の第2傾斜部22通過
の間に得られる出力電圧VA ,VB に対して適用され
る。
【0083】演算処理部4は、前記ステップ201から
ステップ211までの動作を、電源遮断等、所定の動作
終了条件が満たされる(ステップ212)まで繰り返
す。これにより、動作中のあらゆる時点において高精度
の回転トルクの算出がなされ、この算出結果に基づいて
行われる操舵補助用のモータの制御等、各種の制御を良
好に行わせることができる。
【0084】なお以上の実施の形態1,2においては、
自動車の舵取装置において、舵輪30と舵取機構とを連絡
する操舵軸3の回転トルク(操舵トルク)を検出する用
途への適用例について述べたが、本発明に係るトルク検
出装置は、回転軸の回転トルクを検出する用途全般に広
く使用可能であることは言うまでもない。
【0085】また、以上の実施の形態1,2において
は、磁性体製のターゲット板2,2に対向して磁気セン
サ1A,1B,2A,2Bを配し、磁気センサ1A,1B,2A,2Bの
夫々の周囲の磁界を検出することによって、磁気センサ
1A,1B,2A,2Bの夫々の近傍を通過するターゲット20,
20,…の部位を検出する構成としたが、これに限るもの
ではなく、例えば、ターゲット板の周面に全周に亘って
波状の溝によってなるターゲットを設け、該ターゲット
の底面だけ他の面に比して鏡面反射率を低くし、このタ
ーゲットに対向する状態で、ターゲット板の軸長方向に
その長手方向を渡して、複数の受光素子を一列に並べて
なるラインセンサを配し、このラインセンサによって、
前記ターゲットの位置を検出する構成としてもよいし、
ターゲット板の外周に、周方向に沿って三角形状のター
ゲットを突設する等して、軸心からターゲットの外周部
分の表面位置までの距離が周方向の位置毎に異なるよう
にし、光学式距離センサをターゲットの外周に対向する
ように配して、この光学式距離センサによって、前記タ
ーゲットの位置を検出する構成としてもよい。
【0086】また、以上の実施の形態1,2において
は、捩れ特性が明らかなトーションバー34を介して連結
された入力軸(第1軸)31と出力軸(第2軸)32とにタ
ーゲット20,20…を設けた構成について述べたが、自身
の捩れ特性が明らかな回転軸を対象とする場合には、該
回転軸の軸長方向に離隔した位置にターゲット20,20…
を夫々直接的に設け、これらに対向配置された磁気セン
サの出力電圧の差に基づいて前記回転トルクを算出する
構成としてもよい。
【0087】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るトルク検出装置においては、回転軸の軸長方向に離隔
して配されたターゲットに夫々対向する検出手段の検出
特性の相違を結果を相殺すべく、先のターゲットが通過
する間の夫々の検出手段が検出した部位の平均値を求
め、両検出手段が夫々検出した部位をこの平均値に一致
させるように夫々の検出結果に対して補正を行い、補正
を行った結果を用いて回転トルクを算出する構成とした
から、検出手段の検出特性の相異、及びターゲットとの
間のエアギャップの相異による誤差が排除され、長期に
亘って高精度でのトルク検出を行わせることが可能とな
る。
【0088】また第2発明に係るトルク検出装置におい
ては、回転軸の軸長方向に離隔して配されたターゲット
に夫々対向する2組の磁気センサの出力特性の相異を相
殺するための補正ゲインを、先のターゲットが通過する
間の夫々の磁気センサの出力の平均値に一致させるべく
求め、この補正ゲインを磁気センサの実際の出力に乗じ
た結果を用いて回転トルクを算出する構成としたから、
温度の影響及び経時的な原因による磁気センサの出力特
性の相異、及びターゲットとの間のエアギャップの相異
による誤差が排除され、長期に亘って高精度でのトルク
検出を行わせることが可能となる。
【0089】また第3発明に係るトルク検出装置におい
ては、軸長方向2か所のターゲットに対向する磁気セン
サを周方向に位相をずらせて各複数配したから、ターゲ
ットの不連続部における非線形な出力を用いずに全周に
亘って正確に回転トルクを算出することが可能となる。
【0090】また第4発明に係るトルク検出装置におい
ては、トーションバーを介して同軸上に連結された第1
軸と第2軸とにターゲットを並設し、これらのターゲッ
トに磁気センサを夫々対向配置して、前記トーションバ
ーの捩れを伴って両軸間に発生する大なる回転角度の差
を、前述した補正ゲインの設定により精度良く算出する
ことができ、第1軸及び第2軸に加わる回転トルクを精
度良く検出することが可能となる。
【0091】更に第5発明に係る舵取装置は、舵輪と舵
取機構とを連絡する操舵軸の回転トルクを、第1発明乃
至第4発明のいずれかのトルク検出装置により精度良く
検出する構成としたから、この検出結果に基づいて行わ
れる操舵補助用のモータの駆動制御等の各種の制御を、
高い信頼性の下にて行わせることが可能となる等、本発
明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の舵取装置に適用した本発明に係るトル
ク検出装置の実施の形態1の構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態1に係るトルク検出装置における入
力軸側及び出力軸側の磁気センサの出力電圧の変化態様
の一例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係るトルク検出装置における補
正ゲインの設定動作の内容を示すフローチャートであ
る。
【図4】実施の形態1に係るトルク検出装置における補
正ゲイン設定動作の説明図である。
【図5】自動車の舵取装置に適用した本発明に係るトル
ク検出装置の実施の形態2の構成を示す模式図である。
【図6】実施の形態2に係るトルク検出装置におけるタ
ーゲット板の外周面を展開した展開図である。
【図7】実施の形態2に係るトルク検出装置における入
力軸側及び出力軸側の磁気センサの出力電圧の変化態様
の一例を示す説明図である。
【図8】実施の形態2に係るトルク検出装置における補
正ゲインの設定動作の内容を示すフローチャートであ
る。
【図9】実施の形態2に係るトルク検出装置における補
正ゲイン設定動作の説明図である。
【符号の説明】
1A,1B,2A,2B 磁気センサ 1,1a,1b センサボックス 2 ターゲット板 3 操舵軸(回転軸) 4 演算処理部 20 ターゲット 30 舵輪 31 入力軸(第1軸) 32 出力軸(第2軸) 34 トーションバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に設けられた回転体と、該回転軸
    が回転するに従って、検出される部位が周期的及び連続
    的に変化すべく、前記回転体に設けられた1又は複数の
    ターゲットと、該ターゲットの近接する部位を検出する
    1又は複数の検出手段とを、前記回転軸の軸長方向に離
    隔して2組備え、両組の検出手段が夫々検出した部位に
    基づいて前記回転軸に加わる回転トルクを算出するトル
    ク算出部を備えるトルク検出装置であって、 前記トルク算出部は、前記2組の検出手段が夫々検出し
    た部位の平均値を前記複数のターゲットの夫々が通過す
    る間に求め、両組の検出手段が夫々検出した部位を前記
    平均値に一致させるべく夫々の検出手段が検出した部位
    を補正する補正手段を備えることを特徴とするトルク検
    出装置。
  2. 【請求項2】 回転軸の周方向に複数並設され、軸長方
    向に対して夫々が略等角度傾斜する磁性体製のターゲッ
    トと、これらのターゲットの並設位置に対向配置され、
    各ターゲットの通過に応じて変化する出力を発する磁気
    センサとを、前記回転軸の軸長方向に離隔して2組備
    え、両組の磁気センサの出力差に基づいて前記回転軸に
    加わる回転トルクを算出するトルク算出部を備えるトル
    ク検出装置であって、 前記トルク算出部は、前記2組の磁気センサの出力の平
    均値を前記複数のターゲットの夫々が通過する間に求
    め、両組の磁気センサの出力を前記平均値に一致させる
    べく夫々の出力に乗じる補正ゲインを設定するゲイン設
    定手段を備えることを特徴とするトルク検出装置。
  3. 【請求項3】 前記2組の磁気センサは、前記ターゲッ
    トの外側に周方向に位相をずらせて各複数配してある請
    求項2記載のトルク検出装置。
  4. 【請求項4】 前記回転軸は、トーションバーを介して
    同軸上に連結された第1軸及び第2軸の連結体であり、
    前記ターゲットは、前記第1軸及び第2軸の連結部近傍
    に夫々設けてある請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載のトルク検出装置。
  5. 【請求項5】 舵輪と舵取機構とを連絡する操舵軸を前
    記回転軸として構成された請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載のトルク検出装置を備えることを特徴とする
    舵取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101402944B1 (ko) 2011-12-30 2014-06-09 주식회사 트루윈 비접촉식 센서의 갭 보정을 위한 신호처리방법

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KR101402944B1 (ko) 2011-12-30 2014-06-09 주식회사 트루윈 비접촉식 센서의 갭 보정을 위한 신호처리방법

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