JP2001311658A - 固体中の縦振動を可視化する方法、及び固体中の縦振動を可視化する装置 - Google Patents
固体中の縦振動を可視化する方法、及び固体中の縦振動を可視化する装置Info
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Abstract
化する。 【解決手段】 縦振動を伝播する金属棒5に、金属棒を
伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振
動可能な部分反射鏡35,35…を固定配設し、縦振動
の伝播する方向と略同一方向にレーザ光源10から照射
レーザ光Lを照射する。各部分反射鏡35で反射された
反射レーザ光LR1,LR2…はスクリーン40上に投影さ
れる。このように構成される縦振動可視化装置におい
て、金属棒5に縦振動を発生させ、固体中を伝播する縦
振動を部分反射鏡35の撓み振動を利用してスクリーン
40上に拡大させることにより、各部分反射鏡35の固
定位置に対応した振幅分布をスクリーン40上に投影し
て可視化することができ、簡易な装置で容易に縦振動を
可視化することができる。
Description
縦振動を可視化する方法並びに、この方法を用いて固体
中の縦振動を可視化する装置に関する。
(伝播する)波には、波の伝わる方向と直交する方向に
媒質が振幅運動を行う横波(横振動)と、波の伝わる方
向と同一方向に媒質が振幅運動を行う縦波(縦振動)と
がある。このうち横波は、例えば海上の波や楽器の弦を
弾いたときの運動に代表されるように、媒質自身が波動
の伝播方向に対して直交する方向に振幅分布を有する運
動であるため、一般に把握容易であり、微細な運動であ
ってもこれを光学的に容易に可視化できるという特質を
有している。
軸方向に叩いたときに金属棒中に発生する運動に代表さ
れるように、媒質内部において媒質を構成する原子等が
波動の伝播方向に相対変位する運動(疎密波)であるた
め、一般に把握困難であり、これを可視化することが困
難であるという特質を有している。このため、従来では
縦振動を観測するために、例えば被観測体である金属棒
に対し棒の軸方向に圧電素子(PZT)等の加速度ピッ
クアップを固定配設し、この検出信号をチャージアンプ
で増幅、変換することにより可視化して観測していた。
て、クントの実験と呼ばれる方法で金属棒を伝播する縦
波の音速、または金属棒のヤング率の測定が行われてい
る。これは、金属棒中を伝播する縦波をガラス管の気中
に伝達させ、気中の定在波の波長をコルク等の粉末の状
態から測定して、金属棒中の音速またはヤング率を求め
る実験である。
ような従来の縦振動の観測方法では、現実に媒質内部で
発生している縦振動の変化を直接的に目視観測すること
ができないうえ、加速度ピックアップやチャージアンプ
を始めとしてオッシロスコープやプロッタ等の多数の機
材が必要となる。さらに媒質中の振動分布状態を観測し
ようとすれば、その観測点数に応じて多現象の同時観測
が可能な機材が必要になるなど、観測装置が大がかりな
ものにならざるを得ないという課題があった。
いては、金属棒中での縦波及びその定在波を直接観測で
きないため、実験者たち(例えば学生等)は金属棒中で
起こっているであろう現象を想像しながら実験を行うに
とどまり、縦振動についての根本的な理解を深めること
が難しいという課題があった。
れたものであり、簡便な装置構成で媒質中を伝播する縦
波を直視的に観測することができる方法及び装置を提供
するとともに、これにより縦波の振動現象や定在波の存
在をより容易に理解させることができる方法及び装置を
提供することを目的とする。
発明では、縦振動を伝播する固体(例えば実施形態に於
ける金属棒5)と、この固体中を伝播する縦振動の波面
方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に固体に固定さ
れた光学反射面(例えば実施形態に於ける反射鏡面25
a,35a)と、縦振動の伝播する方向と略同一方向に
光学反射面に照射光を照射する光源(例えば実施形態に
於けるレーザ光源10)と、光学反射面において反射さ
れた反射光を受光する受光面(例えば実施形態に於ける
スクリーン40)とを有し、固体中を伝播する縦振動を
撓み振動を利用して受光面上に拡大させることにより縦
振動を可視化するように固体中の縦振動を可視化する装
置を構成する。
体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に延びて
撓み振動可能に光学反射面を固定し、光学反射面に縦振
動の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射し、光
学反射面において反射された反射光を受光面で受光する
ことにより、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用
して受光面上に拡大させて縦振動を可視化する。
射面は固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向
(すなわち縦振動の伝わる方向と略直交する方向)に延
びてこの面において撓み振動可能に固体に固定されてお
り、光源からの照射光は縦振動の伝播する方向と略同一
方向に光学反射面に照射され、光学反射面で反射された
反射光は受光面に投影されて受光面上に像を作る。光学
反射面は縦振動の波面方向と略同一方向に延びて撓み振
動可能に固定されているため、固体中を伝播する縦振動
によって光学反射面が前後に傾動するように撓み振動が
誘起される。このため、反射光はいわゆる光テコの原理
によって撓み振動が拡大され、受光面上には拡大された
振動像が投影される。
い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化
することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固
体中を伝わる縦振動を可視化することができる。また、
これにより縦波の振動現象を容易に理解させることがで
きる。
り、この部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設け
るとともに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾け
て配設し、光源は複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する
方向と略同一方向に照射光を照射し、受光面は複数の部
分反射鏡において反射された複数の反射光を受光するこ
とにより、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化
するように固体中の縦振動を可視化する装置を構成する
ことができる。
の部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設けるとと
もに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾けて配設
し、複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する方向と略同一
方向から照射光を照射させて、受光面は複数の部分反射
鏡において反射された複数の反射光を受光することによ
り、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化するこ
とができる。
部分反射鏡(すなわち入射光の一部(例えば数%)を反射
し、他を透過する反射鏡)を縦振動の伝わる方向に、例
えば一直線上に並べて設けるとともに、各反射鏡面から
の反射光が重ならないように反射鏡面を伝播方向に対し
て所定角度傾けて配設する。そして、これら複数の部分
反射鏡を貫通するように、光源からの照射光を縦振動の
伝播する方向と略同一方向に照射し、複数の部分反射鏡
において反射された複数の反射光を受光面上に投影する
ように縦振動可視化装置を構成する。このような構成に
よれば、受光面上に複数の部分反射鏡それぞれによって
反射された固体各点における振動像が並んで拡大投影さ
れることとなり、固体中を伝播する縦振動の振幅分布を
可視化することができる。
い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化
することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固
体中を伝わる縦振動の振幅分布を可視化することができ
る。また、これにより縦波の振動現象及び定在波の存立
状態を容易に理解させることができる。
おける照射光は可視光であることが好ましい。本発明に
おける上記各装置及び方法においては、赤外光や紫外光
などの不可視光を発生する光源を用い、受光面として光
源波長に対応して受光面上で光スポット位置を検出可能
な受光素子(例えばCCDやPSDなど)を用い、この
検出信号をオッシロスコープ等で可視化する方法の他、
例えば蛍光板や液晶フィルム(イメージプレートやコン
バートプレートとも称される)などのように、受光面で
不可視光を可視光に波長変換する受光素子を用いること
により、受光面上で可視化することも可能である。
によれば、受光面として上記のような波長変換素子等を
用いる必要がなく、反射光が目視可能なスクリーンであ
ればよい。従って、極めて簡単な装置構成で、かつ容易
に、固体中を伝わる縦振動の振幅分布を直接的に可視化
することができる。そして、これにより縦波の振動現象
及び定在波の存立状態を容易に理解させることができ
る。なお、このような光源としてビームスポットサイズ
が小さく、空間的な拡がり角の小さい可視レーザ光を用
いることが好ましい。
動を可視化する装置(以下単に「可視化装置」という)
及び可視化方法における好ましい実施形態について図面
を参照して説明する。まず、図1には本発明に係る可視
化装置における第1の好ましい実施例を平面図(a)、及
び側面図(b)として示している。この可視化装置1は、
固体の一部における縦振動の状態を観測する可視化装置
であり、軸方向に縦振動を生ずる円柱状の金属棒5、こ
の金属棒5の端部に取り付けられた光学反射部材20、
光学反射部材20に照射光(レーザ光)Lを照射するレー
ザ光源10、及び光学反射部材20で反射された反射光
LRを投影するスクリーン40などから構成されてい
る。
うとする固体の一例としてとり上げたものであり、縦振
動の発生及び観測容易のため、これを棒状に加工して被
観測媒体とした。以降説明する第1実施例では、直径8m
m、長さl=120cmの真鍮の丸棒を用い、この金属棒5の
長さ方向における中点(l/2位置)を固定支持した場
合を例に採り説明する。
半導体、気体レーザ等)や発振波長(不可視光、可視
光)を問うものではないが、本実施例ではビームの時間
的、空間的な安定性の高さや取り扱いの容易性から、発
振波長633nm、出力5mWのHe-Neレーザを用い、金属棒5
の軸線Sに対して水平方向にわずかに傾けて後述する反
射鏡25に入射させている。
0は、図1中にII-II矢視及びIII-III矢視する詳細図
を、それぞれ図2及び図3に示すように、環状に形成さ
れた固定金具21と、この固定金具21に固着された反
射鏡25、固定金具21を金属棒5に締め付け固定する
ための固定ネジ22からなり、本実施例においては、平
面視(図1(a))において金属棒5の中心軸Sと反射鏡
面25aとが垂直となるように、すなわち金属棒5中を
伝播する縦振動の波面と反射鏡面25aとが平行になる
ように、構成されている。
着脱自在に固定するために用いる固定部材であり、金属
棒5の振動状態に影響を与えることなく反射鏡25に縦
振動を伝達するように、例えば、アルミニウム合金のよ
うな軽量高剛性の金属材料を旋削等公知の機械加工方法
によって成形加工したものである。この部材21は、図
1及び図2中にIII-III矢視で示す断面図を図3に示す
ように、内周側の金属棒5に向けて形成されたナイフエ
ッジ21aと、金具外周部にナイフエッジ21aと平行
に設けられて反射鏡25を接着固定するための取付座面
21bと、環状の金具の一部を切り欠くことにより形成
されたスリ割り21cとを有して構成されている。固定
金具21は、切り欠き部21cを固定ネジ22を用いて
締め込むことにより金属棒5の外周面にナイフエッジ2
1aで線接触し、金属棒5と一体となって振動するよう
に固定されている。
程度で厚さ0.16mm程度のガラス基板を用いた短冊状の薄
肉軽量の反射鏡であり、反射鏡面25a側には、用いる
レーザ光源10の波長の光を反射する反射膜がコーティ
ングされている。反射鏡25は基端部において上記固定
金具21の取付座面21bに接着固定され、固定部が固
定金具21と一体的に振動するように構成されている。
なお、反射鏡上端部は解放されて図3中に二点鎖線で示
すように前後に傾動可能に構成されている。
出され反射鏡25において反射されたレーザ光を受光し
て映し出す観測面であり、目視観測する場合においては
上記波長のレーザスポットが明瞭に視認可能な平坦面で
あればよい。また、反射鏡25とスクリーンとの距離D
は、反射鏡25が上記図3のように撓み振動したとき
に、光テコの原理により拡大される反射光の変位を読み
取るのに適した距離として適宜定められる。例えば、ス
クリーン40上のレーザスポットを目視観測する場合に
は、最大振幅でのスクリーン上における像の高さが数十
ミリメートル程度となるようにスクリーン40を配設す
る。本実施例ではD=2mの位置にスクリーン40を配
設した。また、PSDなどの受光素子を用いて振動波形
を観測する場合には、当該受光素子の検出可能領域幅に
応じて受光素子を配設する。
いて、図4(a)に示すように、金属棒5の長さ方向にお
ける中点(l/2位置)の外周部をナイフエッジ状の固
定点5cにおいて固定支持し、反射鏡25にレーザ光源
10からレーザ光Lを入射させる。図4(b)は、このと
きにスクリーン40上に投影された反射レーザ光LRの
像をカメラで撮影したものであり、静止した丸い点状の
レーザスポットとして観測される。次に、この状態から
光学反射部材20が取り付けられていない金属棒5の自
由端5bを乾いた綿布などで軸方向に擦り、金属棒5に
縦波の定在波を生じさせる。図4(c)は、このときにス
クリーン40上に投影された反射レーザ光LRの像であ
り、高速で上下に往復振動するレーザスポットがライン
状の像として観測される。
る縦振動の振幅の大きさに対応しており、縦振動による
金属棒5の端面の変位量を静電容量式変位計によって測
定した測定結果と比較すると、例えば、静電容量式変位
計による測定値(変位量)約20μmに対してスクリーン4
0上でのライン長(振幅)は約50mmであった。このこと
から、反射鏡25の撓み角は約0.7度であり、金属棒5
の縦波の変位は反射鏡25の撓み振動によって2500
倍に拡大されたことを意味する。
定配設された反射鏡25の撓み振動は、金属棒5の縦波
による強制振動として考えることができる。反射鏡25
の固有振動数を振動実験装置により測定した結果850Hz
であり、他方、金属棒5の縦振動の周波数をクントの方
法によって測定した結果1.42kHzであった。従って、反
射鏡25と金属棒5の振動は共振状態ではなく、また、
反射鏡の撓み振動数が固有振動数よりも大きいことか
ら、金属棒5の縦振動に対して逆位相で撓み振動してい
ると考えられる。
ッジ21aで金属棒5に固定された固定金具21は、縦
振動によって図3中に矢印mで示すように軸方向に一体
として直線往復運動し、反射鏡25は、この強制振動に
より図3中に一点鎖線及び矢印Mで示すように揺動する
撓み振動を発生する。このためスクリーン上に投影され
る反射レーザ光LRは光テコの原理により振幅が拡大さ
れ、縦振動の振幅強度はスクリーン上におけるライン長
(直線往復運動の振幅)として投影される。
置構成によって、極めて簡単かつ容易に縦振動の振動状
態を可視化することができる。また、その拡大倍率は反
射鏡25とスクリーン40との距離を変化させること
や、反射鏡25へのレーザビームLの照射位置(高さ)
を変化させることなどによって、任意に変更することが
できる。
態について説明する。この可視化装置2は、固体の一定
部分について縦振動の振幅分布を観測する可視化装置で
あり、図5(a)に平面図を示し、図5(b)に側面図を示す
ように、複数の光学反射部材30を用いることを除い
て、前述した実施例と略同一の装置構成により達成され
る。すなわち、この可視化装置2は、金属棒5と、金属
棒5に直線状に並んで固定配設される複数の光学反射部
材30(301,302,303…)と、射出ビームLが
金属棒5の軸線Sと平行となるように配設されるレーザ
光源10と、各光学反射部材からの反射レーザ光L
R(LR1,LR2,LR3…)を受光するスクリーン40と
から構成されている。なお、以降の説明においては前述
した実施例と同一の部材については同一番号を付して重
複説明を省略する。
0は、既に図2及び図3を用いて説明した光学反射部材
20と略同一構成であり、環状に形成された固定金具2
1’と、この固定金具21’に固着された反射鏡35、
固定金具21’を金属棒5に締め付け固定するための固
定ネジ22から構成されている。本実施形態では、レー
ザ光源10から射出され光学反射部材30の部分反射鏡
35で反射された反射光LRが戻り光路において隣接す
る部分反射鏡にかからず、また、スクリーン40上にお
いて各反射像が重複しないように、平面視(図5(a))
において金属棒5の中心軸Sに対して各反射鏡面35a
を垂直からわずかに傾斜させて固定配設している。
具21と略同一の構成であるが、部分反射鏡35を接着
固定するための取付座面(21b)部分のみが前述の固定
金具と異なり、所定傾斜角(部分反射鏡の撓み振動に大
きな影響を与えることのない傾斜角度範囲内であり、例
えば数度程度)だけ傾けて形成されている。
度の形状寸法のガラス基板を用いた短冊状の部分反射鏡
であり、反射鏡面35a側には、用いるレーザ光源10
の光波長に対して数%の反射率を持つ反射膜がコーティ
ング(PRコート)され、他面には不要な反射を避けるた
めの無反射コーティング(ARコート)が施されている。
部分反射鏡35は、無反射コーティング側の鏡面基端部
において上記固定金具21’の取付座面に接着固定さ
れ、固定部が固定金具21’と一体的に振動するように
構成されている。
複数用い、一列に並べて金属棒5に固定する。そして以
上のように構成された可視化装置2において、レーザ光
源10から射出されたレーザ光Lを金属棒5の軸線Sに
平行に(すなわち、各部分反射鏡35に対して同一高さ
位置に)各部分反射鏡351,352,353…に入射させ
る。以降、図6から図8を用いて可視化装置2の作用に
ついて説明する。
点(l/2位置)を固定支持したときに、金属棒5内に
生じる縦振動の定在波の振幅分布を視覚化する装置構成
を示したものである。この実施例では、金属棒5の固定
点5cからレーザ光源10側の棒端部5aまで10cm間
隔で7個の光学反射部材30(301,302…307)を
固定配設し、各部分反射鏡35(351,352…357)
で反射されスクリーン40上に投影された反射レーザ光
LR1,LR2…LR7の像を観測する。
リーン40上で観測される反射レーザ光の像であり、各
部分反射鏡351,352…357で反射されたレーザビー
ムが7つの等間隔の静止した点状のスポット像として観
測される。次に、この状態から光学反射部材30が取り
付けられていない金属棒5の自由端5bを乾いた綿布な
どで軸方向に擦り、金属棒5に縦波の定在波を生じさせ
る。図4(c)は、このときにスクリーン40上に投影さ
れた反射レーザ光LR1,LR2…LR7の像である。これ等
の各像は金属棒5の各位置における縦振動の振動状態を
表しており、部分反射鏡の固定されている位置に依存し
てその大きさが変化することがわかる。
速で上下に往復振動するレーザスポットの振幅)は縦振
動の振幅強度に対応しており、図6(d)にこのような支
持条件において理論的に求められる縦波の定在波形を示
すように、縦波の振幅強度分布と良く一致する。すなわ
ち、図6(a)のように光学反射部材30を被観測媒体に
複数取り付けて反射像を観測することにより、被観測媒
体上の縦波の定在波形を極めて容易に視覚化できること
がわかる。
中点位置から、左端からl/4の位置に変更し、固定点
5cからレーザ光源10側の金属棒5に10cm間隔で1
0個の光学反射部材30を固定配設したときの、縦振動
を発生させる前(図7(a))及び縦振動を生じさせたと
き(図7(b))にスクリーン40上で観察される反射レ
ーザ光LR1〜LR10の像である。図7(c)は、このような
支持条件で理論的に予測される縦波の定在波形であり、
図中に付記したようにl/4,3l/4の位置に節が、
0,2l/4,lの各位置に腹ができる。スクリーン上
で観測される反射レーザ光LR1〜LR10の像は、この定
在波形と良く一致しており、腹と節とを含む定在波形を
明確かつ忠実に視覚化していることが解る。
6位置に設け、固定点5cからレーザ光源10側の金属
棒5に6.7cm間隔で16個の光学反射部材30を固定
配設したときの、縦振動を発生させる前(図8(a))及び
縦振動を生じさせたとき(図8(b))にスクリーン40
上で観察される反射レーザ光LR1〜LR16の像である。
図8(c)は、このような支持条件で理論的に予測される
縦波の定在波形であり、図中に付記したようにl/6,
3l/6,5l/6の位置に節が、0,2l/6,lの
各位置に腹ができる。スクリーン上で観測される反射レ
ーザ光LR1〜LR1 6の像は、この定在波形と良く一致し
ており、縦波の定在波形を明確かつ忠実に視覚化してい
ることが解る。
被観測媒体に、縦波の波面方向と略同一方向に撓み振動
自在な光学反射部材を固定配設し、光学反射面に縦振動
の伝播する方向と略同一方向から照射光を照射して光学
反射面において反射された反射光を受光面で受光するこ
とにより、固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用し
て受光面上に拡大させて縦振動を可視化する。このた
め、被観測媒体は光学反射部材(反射鏡)が固定可能な固
体であればよく、例えば岩盤や氷などであっても振幅分
布を可視化し、あるいは振動状態を計測することができ
る。また、このような縦振動の計測装置及び方法をさら
に進めて固体中の音速測定やヤング率の測定に応用する
ことも可能である。
測位置を自由に変更できるように、撓み振動可能な反射
鏡を固定金具に接着固定した光学反射部材を用い、これ
を被検出媒体である固体に締め付け固定する構成とした
が、固体に撓み振動可能な反射鏡を直接固定する構成
や、撓み振動可能な弾性体に反射鏡を固定する構成であ
っても同様の効果を得ることができる。さらに、本実施
例では部分反射鏡を用いて1本のレーザビームを部分反
射させる構成としたが、例えば、一本のレーザビームを
ビームスプリッタ等により複数本に分割し、あるいは複
数のレーザ光源を用い、それぞれ全反射鏡で反射させた
レーザスポットをスクリーン上に並べて投影するように
構成することも可能である。
動を伝播する固体と、この固体中を伝播する縦振動の波
面方向と略同一方向に延びて撓み振動可能に固体に固定
された光学反射面と、縦振動の伝播する方向と略同一方
向に光学反射面に照射光を照射する光源と、光学反射面
において反射された反射光を受光する受光面とを有し、
固体中を伝播する縦振動を撓み振動を利用して受光面上
に拡大させることにより縦振動を可視化するように固体
中の縦振動を可視化する装置を構成する。そして、光学
反射面に縦振動の伝播する方向と略同一方向から照射光
を照射し、光学反射面において反射された反射光を受光
面で受光することにより、固体中を伝播する縦振動を撓
み振動を利用して受光面上に拡大させて縦振動を可視化
する。
い、上記方法によって固体中を伝播する縦振動を可視化
することにより、極めて簡単な構成で、かつ容易に、固
体中を伝わる縦振動を可視化することができる。また、
これにより縦波の振動現象を容易に理解させることがで
きる。
り、この部分反射鏡を縦振動の伝播する方向に複数設け
るとともに、反射鏡面を伝播方向に対して所定角度傾け
て配設し、光源は複数の部分反射鏡に縦振動の伝播する
方向と略同一方向に照射光を照射し、受光面は複数の部
分反射鏡において反射された複数の反射光を受光するこ
ように装置を構成し、固体中を伝播する縦振動の振幅分
布を可視化する。
いて固体中を伝播する縦振動を可視化することにより、
極めて簡単な構成で、かつ容易に、固体中を伝わる縦振
動の振幅分布を可視化することができる。また、これに
より縦波の振動現象及び定在波の存立状態を容易に理解
させることができる。
おける照射光は可視光であることが好ましい。このよう
な構成によれば、受光面として波長変換素子等を用いる
必要がなく反射光が目視可能なスクリーンであればよ
い。従って、極めて簡単な装置構成で、かつ容易に、固
体中を伝わる縦振動の振幅分布を直接的に可視化するこ
とができる。そして、これにより縦波の振動現象及び定
在波の存立状態を容易に理解させることができる。
おける、第1の好ましい実施形態の構成を示す説明図で
ある。このうち図(a)は装置の上面図、図(b)は側面図を
表す。
成を示す正面図である。
III断面図)である。
る。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概
略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリ
ーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させた
ときのスクリーン上の反射像を示す。
おける、第2の好ましい実施形態の構成を示す説明図で
ある。このうち図(a)は装置の上面図、図(b)は側面図を
表す。
る。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概
略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリ
ーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させた
ときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件に
おいて想定される縦振動の振幅分布を示す。
る。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概
略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリ
ーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させた
ときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件に
おいて想定される縦振動の振幅分布を示す。
る。このうち、図(a)は金属棒の固定条件を示す装置概
略図、図(b)は金属棒に縦振動を発生させる前のスクリ
ーン上の反射像、図(c)は金属棒に縦振動を発生させた
ときのスクリーン上の反射像、図(d)は上記支持条件に
おいて想定される縦振動の振幅分布を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 縦振動を伝播する固体と、 前記固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に
延びて撓み振動可能に前記固体に固定された光学反射面
と、 前記縦振動の伝播する方向と略同一方向に前記光学反射
面に照射光を照射する光源と、 前記光学反射面において反射された反射光を受光する受
光面とを有し、 前記固体中を伝播する縦振動を前記撓み振動を利用して
前記受光面上に拡大させることにより前記縦振動を可視
化することを特徴とする固体中の縦振動を可視化する装
置。 - 【請求項2】 前記光学反射面は部分反射鏡であり、 前記部分反射鏡を前記縦振動の伝播する方向に複数設け
るとともに、反射鏡面を前記伝播方向に対して所定角度
傾けて配設し、 前記光源は前記複数の部分反射鏡に前記縦振動の伝播す
る方向と略同一方向に照射光を照射し、 前記受光面は前記複数の部分反射鏡において反射された
複数の反射光を受光することにより、 前記固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化するこ
とを特徴とする請求項1に記載の固体中の縦振動を可視
化する装置。 - 【請求項3】 縦振動を伝播する固体に、 前記固体中を伝播する縦振動の波面方向と略同一方向に
延びて撓み振動可能に光学反射面を固定し、 前記光学反射面に前記縦振動の伝播する方向と略同一方
向から照射光を照射し、 前記光学反射面において反射された反射光を受光面で受
光することにより、 前記固体中を伝播する縦振動を前記撓み振動を利用して
前記受光面上に拡大させて前記縦振動を可視化すること
を特徴とする固体中の縦振動を可視化する方法。 - 【請求項4】 前記光学反射面は部分反射鏡であり、 前記部分反射鏡を前記縦振動の伝播する方向に複数設け
るとともに、反射鏡面を前記伝播方向に対して所定角度
傾けて配設し、 前記複数の部分反射鏡に前記縦振動の伝播する方向と略
同一方向から照射光を照射させて、 前記受光面は前記複数の部分反射鏡において反射された
複数の反射光を受光することにより、 前記固体中を伝播する縦振動の振幅分布を可視化するこ
とを特徴とする請求項3に記載の固体中の縦振動を可視
化する方法。 - 【請求項5】 前記照射光は可視光であることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の固体中の縦振動を
可視化する装置。 - 【請求項6】 前記照射光は可視光であることを特徴と
する請求項3または請求項4に記載の固体中の縦振動を
可視化する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129815A JP4195540B2 (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 固体中の縦振動を可視化する方法、及び固体中の縦振動を可視化する装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001311658A true JP2001311658A (ja) | 2001-11-09 |
JP4195540B2 JP4195540B2 (ja) | 2008-12-10 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4195540B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2535237C1 (ru) * | 2013-06-20 | 2014-12-10 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Пензенский государственный университет" | Способ измерения вибраций |
RU2535522C1 (ru) * | 2013-06-20 | 2014-12-10 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Пензенский государственный университет" | Способ измерения вибраций |
WO2018134932A1 (ja) * | 2017-01-19 | 2018-07-26 | 富士通株式会社 | 振幅測定装置、及び、振幅測定装置における振動測定方法 |
RU2666583C1 (ru) * | 2017-10-26 | 2018-09-11 | Федеральное государственное автономное научное учреждение "Центральный научно-исследовательский и опытно-конструкторский институт робототехники и технической кибернетики" (ЦНИИ РТК) | Способ индикации механических резонансов по фотографиям следов флуоресцирующих маркеров |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000129815A patent/JP4195540B2/ja not_active Expired - Fee Related
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