JPH0611385A - 横波音速測定装置及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置 - Google Patents

横波音速測定装置及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置

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JPH0611385A
JPH0611385A JP4170833A JP17083392A JPH0611385A JP H0611385 A JPH0611385 A JP H0611385A JP 4170833 A JP4170833 A JP 4170833A JP 17083392 A JP17083392 A JP 17083392A JP H0611385 A JPH0611385 A JP H0611385A
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JP
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acoustic
sound velocity
wave
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wave sound
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JP4170833A
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Inventor
Hiroshi Shudo
広 首藤
Takahiro Ishida
高弘 石田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横波音速を直接的に測定することなく計算に
よって算出し、これを利用して被測定物の微小領域上の
ヤング率及びポアソン比の測定を可能とする。 【構成】 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦
波音速を測定する縦波音速測定手段と、液体カプラ音響
レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速測定手段
と、縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、漏洩表
面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波音速
とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算
手段とを有し、縦波音速、洩表面弾性波音速及び横波音
速を用いて被測定物のヤング率及び/又はポアソン比を
算出する計算手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体試料における弾性
波の横波音速を測定する横波音速測定装置と、これを利
用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】ヤング率やポアソン比等の弾性定数を測
定する場合、試料の縦波伝搬速度及び横波伝搬速度を測
定してこれらから計算して求める方法が一般に採られて
おり、例えば被測定物に対して直接的に超音波パルスを
与えて縦波及び横波を測定する超音波パルス法、または
被測定物を機械的に振動させて共振周波数を測定する共
振法などが用いられている。
【0003】このような従来の方法において、例えば共
振法では被測定物を板状等に加工する必要があるため、
その測定する領域は少なくとも数十mm〜数cmの長さ
を必要とし、また上述の超音波パルス法でも同様に超音
波パルスを被測定物に与えるために、パルス平面波を供
給するトランスジューサを密着させることから、このト
ランスジューサの大きさによって測定領域の大きさや形
状が限定され、測定領域の大きさを数mmφ程度以下と
することが難しい。従って、これら従来の方法において
は、数十μmφ程度の微小領域における測定は不可能で
ある。
【0004】また特に超音波パルス法においてその横波
を測定する場合は、上述したトランスジューサを接着剤
により密着させるため、接着剤の厚さや密着の度合いに
より測定結果にばらつきを生じさせてしまう場合があ
り、精度よく測定を行うためには熟練を要することから
作業性の低下を招く恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、横波音速を
直接的に測定することなく求めることのできる横波音速
測定装置を提供し、またこの横波音速測定装置を利用す
ることによって、被測定物上の数μmφ程度の微小領域
のヤング率及びポアソン比の測定を可能とし、またその
測定に熟練を要することなく簡便に精度良く測定できる
ようにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明横波音速測定装置
は、固体カプラ音響レンズを用いて被測定物の縦波音速
を測定する縦波音速測定手段と、液体カプラ音響レンズ
を用いて被測定物の漏洩表面弾性波音速を測定する漏洩
表面弾性波音速測定手段と、これら縦波音速測定手段か
ら得られた縦波音速と、漏洩表面弾性波音速測定手段か
ら得られた漏洩表面弾性波とを用いて被測定物の横波音
速を算出する横波音速計算手段とを有する。
【0007】また本発明による横波音速測定装置を利用
したヤング率及び/又はポアソン比測定装置は、上述の
横波音速測定装置により縦波音速及び漏洩表面弾性波音
速を測定して被測定物の横波音速を算出し、縦波音速、
漏洩表面弾性波音速及び横波音速を用いて被測定物のヤ
ング率及び/又はポアソン比を算出する計算手段を有す
る。
【0008】また他の本発明は、上述の横波音速測定装
置において、その一例の略線的構成図を図1に示すよう
に、縦波音速測定手段を、電気信号発生手段7と、所定
の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号を抜き取
る抽出手段15と、この抜き取られた信号を被測定物2
0に接触して設けられた固体カプラ音響レンズ1Sに送
るための送出手段8と、被測定物20からの反射波によ
る信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信号か
ら縦波音速を計算する計算手段12とより構成する。
【0009】更にまた他の本発明は上述の横波音速測定
装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置
において、縦波音速測定手段を、電気信号発生手段7
と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信号
を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信号を被測定
物20に接触して設けられた固体カプラ音響レンズ1S
に送るための送出手段8と、被測定物20からの反射波
による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波による信
号から縦波音速を計算する計算手段12とより構成す
る。
【0010】また他の本発明は、前述の横波音速測定装
置において、その一例の略線的構成図を図2に示すよう
に、漏洩表面弾性波音速測定手段を、電気信号発生手段
7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7からの信
号を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信号を被測
定物20に液体を介して設けられた液体カプラ音響レン
ズ1Lに送るための送出手段8と、被測定物20からの
反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、反射波に
よる信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計算手段1
2とより構成する。
【0011】更にまた他の本発明は、前述の横波音速測
定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装
置において、漏洩表面弾性波音速測定手段を、電気信号
発生手段7と、所定の周期毎にこの電気信号発生手段7
からの信号を抜き取る抽出手段15と、抜き取られた信
号を被測定物20に液体を介して設けられた液体カプラ
音響レンズ1Lに送るための送出手段8と、被測定物2
0からの反射波による信号を抜き取る抽出手段16と、
反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算する計
算手段12とより構成する。
【0012】また他の本発明は、前述の横波音速測定装
置において、被測定物20をステージ2上に配置し、固
体カプラ音響レンズ1S及び/又は液体カプラ音響レン
ズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方
向に移動させる移動手段3を設け、漏洩表面弾性波音速
の測定時には液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20
との間隔を変化させる制御手段11を移動手段3に連動
して設ける。
【0013】更にまた他の本発明は、前述の横波音速測
定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装
置において、被測定物20をステージ2上に配置し、固
体カプラ音響レンズ1S及び/又は液体カプラ音響レン
ズ1Lに、これらを被測定物20に対し近接離間する方
向に移動させる移動手段3を設け、漏洩表面弾性波音速
の測定時には液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20
との間隔を変化させる制御手段11を移動手段3に連動
して設ける。
【0014】
【作用】上述したように本発明横波音速測定装置及びこ
れを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置に
おいては、固体カプラ音響レンズ及び液体カプラ音響レ
ンズ等を用いるいわゆる超音波顕微鏡によって被測定物
の縦波音速と、漏洩表面弾性波音速とを測定して、この
結果から計算手段(後述の実施例において詳細に説明す
る)によって横波音速を算出するものであり、即ちこの
本発明によればトランスジューサ等を用いて直接的に横
波音速を測定することなく、超音波を被測定物に集束さ
せて振動させる構成としていることから、被測定物の微
小領域上における横波音速、更にヤング率やポアソン比
の測定が可能となる。
【0015】また本発明においては、固体カプラ音響レ
ンズにより縦波音速を測定し、また液体カプラ音響レン
ズを用いて漏洩表面弾性波音速を測定してこれら縦波音
速及び漏洩表面弾性波音速により横波音速を計算して求
めることから、前述の超音波法におけるようなトランス
ジューサの接着剤による密着を回避でき、熟練を要する
ことなく簡単に精度良く測定を行うことができる。
【0016】また本発明においては、上述の本発明横波
音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポ
アソン比測定装置において、縦波音速測定手段又は漏洩
表面弾性波音速測定手段を上述の構成とすることによっ
て、固体カプラ音響レンズ1S又は液体カプラ音響レン
ズ1Lに所定の周波数の振動を与えて、これより得られ
る反射波を精度良く測定して、縦波音速及び漏洩表面弾
性波を確実に精度良く計算することができる。
【0017】更にまた他の本発明は、上述の本発明横波
音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポ
アソン比測定装置において、被測定物20をステージ2
上に配置すると共に、固体カプラ音響レンズ1S及び/
又は液体カプラ音響レンズ1Lに、これらを被測定物2
0に対し近接離間する方向に移動させる移動手段3を設
け、漏洩表面弾性波音速の測定時には液体カプラ音響レ
ンズ1Lと被測定物20との間隔を変化させる制御手段
11を移動手段3に連動して設けることによって、被測
定物の所定位置に精度良くレンズの端面及び焦点を位置
させることができ、精度良く測定を行うことができる。
【0018】
【実施例】以下図面を参照して本発明横波音速測定装置
及びこれを利用したヤング率及び/又はポアソン比測定
装置の一例を詳細に説明する。この場合、図1に示すよ
うに固体カプラ音響レンズ1Sを用いて被測定物20の
縦波音速Vlを測定する縦波音速測定手段と、図2に示
すように液体カプラ音響レンズ1Lを用いて被測定物2
0の漏洩表面弾性波音速Vrを測定する漏洩表面弾性波
音速測定手段とを有する。
【0019】図3に固体カプラ音響レンズ1Sによる縦
波音速Vlの測定態様を示す。固体カプラ音響レンズ1
Sは、その被測定物20に対向する端面が平面状とされ
て構成される。測定の際にはこのレンズ1Sを、表面2
0A及び裏面20Bに鏡面研磨加工を施した被測定物2
0にその平面状端面を接触して配置する。この例におい
ては、その界面に空気等を介在させないために、水、ア
ルコール等の液体21を図示の如く接触界面の周辺部に
付着させるようにしている。そして端子19からの電気
信号を圧電素子18により縦波振動に変換して、レンズ
1Sにより破線Sで示すように集束させ、被測定物20
の所定領域を振動させる。このとき被測定物20の表面
20A及び裏面20Bにおいて反射波Rf及びRrがそ
れぞれ生じる。
【0020】これら両反射波Rf及びRrのオシロスコ
ープによる波形の模式図と、これら反射波の干渉波の周
波数fに対するスペクトラムアナライザによる波形図を
図4A及びBに示す。図4Aにおいては各反射波Rf及
びRrの発生する時間範囲と振幅範囲とを模式的に示
す。この図4Aからわかるように、裏面反射波Rrは表
面反射波Rfに所定時間遅れて発生し、これらが重なっ
た時間範囲Sにおいて干渉波が生じる。この干渉波をス
ペクトラムアナライザ10によって解析すると、図4B
に示すように所定の周波数間隔Δfをもって周期的に変
化する波形となる。この周波数間隔Δf及び被測定物2
0の厚さhから、下記の数1によって縦波音速Vlを算
出することができる。
【0021】
【数1】
【0022】次に、図5に液体カプラ音響レンズ1Lに
よる漏洩表面弾性波音速の測定態様を示す。このレンズ
1Lは、被測定物20の測定領域に液体21を介在させ
て接触するようになされ、その端面は凹面状に形成され
て成る。またこの被測定物20の表面20A及び裏面2
0Bは鏡面加工が施される。この場合においても同様に
端子19からの電気信号を圧電素子18により振動に変
換して、レンズ1Lを介して被測定物20に水等の液体
21を介して伝搬する。このとき、レンズ1Lが被測定
物20に対し焦点からずれた位置にあるとすると、レン
ズ1Lの光軸中心での垂直反射波Rc以外の被測定物2
0への入射波は、表面20Aに対し垂直な法線方向(以
下法線方向という)に対し斜めに傾いた成分を有する。
法線方向からある角度θをもって入射した超音波Wは漏
洩表面弾性波Esを励起する。この漏洩表面弾性波Es
は、液体21へ再放射し、放射波Reを発生しながら被
測定物20の表面を伝搬する。
【0023】これら垂直反射波Rc及び放射波Reの干
渉波は、レンズ1Lの位置を被測定物20から近接離間
させると周期的に変化する。この変化の様子いわゆるV
(z)曲線を図6に示す。この干渉波の測定周波数をf
とし、干渉の周期をΔzとし、更に測定に用いた液体2
1の音速をVwとすると、漏洩表面弾性波音速は下記の
数2で表される。
【0024】
【数2】
【0025】そしてこの縦波音速測定手段から得られた
縦波音速Vlと、漏洩表面弾性波音速測定手段から得ら
れた漏洩表面弾性波音速Vrとを用いて被測定物20の
横波音速Vsを以下の数3で示す方程式を用いて求める
ことができる。
【0026】
【数3】
【0027】そして更にこれら縦波音速Vl、漏洩表面
弾性波音速Vr及び横波音速Vsを用いて、下記の数4
及び数5に示す式を用いて、被測定物20のヤング率E
及びポアソン比σを算出することができる。
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】このような装置の縦波音速測定手段及び漏
洩表面弾性波音速測定手段のそれぞれのシステム構成の
一例を図1及び図2に示す。図2において、図1に対応
する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。こ
の例では縦波音速測定手段及び漏洩表面弾性波音速測定
手段共に、電気信号発生手段7としてトラッキングジェ
ネレータを用い、この電気信号発生手段7からの信号は
抽出手段15に送られ、例えばパルス発生器4からの信
号ch1によって所定周期毎にゲート回路5により抽出
される。このとき、固体カプラ音響レンズ1S又は液体
カプラ音響レンズ1Lの仕様及び測定に都合のよいバー
スト波に変調する。そしてこのバースト信号を方向性結
合器等の送出手段8によって、例えばスタブチューナ9
等を介して各レンズ1S又は1Lの圧電素子18に送ら
れる。固体カプラ音響レンズ1Sは上述したように、被
測定物20に接触して設けられ、液体カプラ音響レンズ
1Lは、液体21を介して被測定物20の所定位置上に
配される。
【0031】被測定物からの反射波は、再び圧電素子1
8を介してスタブチューナ9、送出手段8を介して、抽
出手段16へ送られる。ここで例えばパルス発生器4か
らの信号ch2によりゲート回路6で信号解析に必要な
反射波信号の切り出しが行われる。そして縦波音速測定
手段においてはスペクトラムアナライザ10によって反
射の解析が行われ、解析結果が計算手段12に送られて
処理され、この場合画像処理装置13を通してモニター
14で表示されるようになされている。
【0032】またこの例においては、被測定物20はス
テージ2上に配置される。このステージ2は、図中矢印
x及びyで示す図1及び図2の紙面に垂直なx軸方向
と、これと直交し紙面に沿う横方向に延びるy軸方向に
移動可能な、従って水平方向に移動可能とされ、これに
連動して接続されるステッピングモータ制御回路等より
成る制御手段11よって、所定の被測定位置に設定する
ために水平位置の制御が行われる。そしてこの場合固体
カプラ音響レンズ1S及び液体カプラ音響レンズ1L
に、これらを被測定物20に対し近接離間する方向、即
ち図中矢印zで示すz軸方向に移動させる移動手段3を
設け、液体カプラ音響レンズ1Lと被測定物20との間
隔を変化させるように上述の制御手段11を、ステージ
2と同様にこの移動手段3においても連動して設ける。
このような構成とすることによって、漏洩表面弾性波音
速の測定の際に、被測定物20と液体カプラ音響レンズ
1Lの焦点位置との間隔を精度良く制御することができ
る。
【0033】このような構成による装置を用いて、本実
施例においては、被測定物として表面及び裏面とも鏡面
研磨した溶融石英を用意し、その横波音速と、ヤング率
及びポアソン比とをそれぞれ測定した。この場合、50
〜200MHz用、ビーム径100μmの固体カプラ音
響レンズ1Sと、200MHz用でビーム径が10μm
の液体カプラ音響レンズ1Lとを用いた。この液体カプ
ラ音響レンズ1Lは、点集束型であることから360°
方向に表面波が励起されるため、本実施例においては弾
性的に等方な被測定物を用いた。液体カプラ音響レンズ
1Lの液体21としては、水を用いたが、この場合の液
体としては、その音速が明らかである例えばアルコール
などの種々の液体を用いることができる。
【0034】また上述のz軸方向に移動可能な移動手段
3としては、0.1μm/ステップの分解能を有するド
ライバを用いて測定を行った。
【0035】この場合、被測定物の厚さhは0.975
mm、密度ρは2.22g/cm3であった。図7に、
上述の固体カプラ音響レンズ1Sにより測定した表面反
射波と裏面反射波の干渉波を、スペクトラムアナライザ
10で解析した波形を示す。この結果から、周波数間隔
Δfは3.1MHzとなり、前述の数1より縦波音速V
lは6045m/sであった。
【0036】また、図8は上述の液体カプラ音響レンズ
1Lによって前述のV(z)曲線を測定した結果を示
す。この結果から、干渉周期Δzは36.8μmとな
り、水の音速が1500m/s、表面弾性波の音速Vr
は、前述の数2より3411m/sとなった。
【0037】以上の結果から、計算手段12により縦波
音速Vl及び表面弾性波音速Vrを前述の数3に示す6
次方程式に代入し、横波音速Vsを求めたところ、38
08m/sであった。
【0038】更にこの結果から、前述の数4及び数5に
よってヤング率とポアソン比をそれぞれ求めた。このよ
うにして求めた縦波音速、横波音速、ヤング率及びポア
ソン比を、文献記載値(理科年表昭和63年)と共に下
記の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この結果から、本発明によれば、数十μm
φ〜100μmφ程度の微小な領域においても精度良く
横波音速やヤング率、ポアソン比を求めることができる
ことがわかる。
【0041】尚、本発明は上述の実施例に限定されるこ
となく、その他種々の材料構成、装置構成を採り得るこ
とはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、被測
定物上の数十μmφ〜100μmφ程度の微小な領域に
おいて、横波音速を測定することができ、これを利用し
てヤング率及びポアソン比を精度良く求めることができ
る。
【0043】また、振動の励起源として縦波だけを利用
しているため、従来の横波音速測定法におけるように、
トランスジューサの密着を行う必要がなく従ってその測
定作業に熟練を要することなく確実に測定を行うことが
できる。
【0044】また本発明においては、上述の本発明横波
音速測定装置又はこれを利用したヤング率及び/又はポ
アソン比測定装置において、縦波音速測定手段又は漏洩
表面弾性波音速測定手段を上述の構成とすることによっ
て、固体カプラ音響レンズ1S又は液体カプラ音響レン
ズ1Lに所定の周波数の振動を与えて、これより得られ
る反射波を精度良く測定して、縦波音速及び漏洩表面弾
性波を確実に精度良く計算することができる。
【0045】更に本発明によれば、被測定物をステージ
上に配置し、固体カプラ音響レンズ及び/又は液体カプ
ラ音響レンズの被測定物に対する間隔を制御可能とする
ことによって、被測定物の所定位置に精度良く両超音波
レンズの端面及び焦点を位置させることができ、精度良
く測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明横波音速測定装置及びこれを利用したヤ
ング率及び/又はポアソン比測定装置の一例の略線的構
成図である。
【図2】本発明横波音速測定装置及びこれを利用したヤ
ング率及び/又はポアソン比測定装置の一例の略線的構
成図である。
【図3】固体カプラ音響レンズの測定態様を示す説明図
である。
【図4】縦波音速測定手段の説明に供する図である。
【図5】液体カプラ音響レンズの測定態様を示す説明図
である。
【図6】漏洩表面弾性波音速測定手段の説明に供する図
である。
【図7】縦波音速測定における反射波のスペクトラムア
ナライザ波形を示す図である。
【図8】漏洩表面弾性波音速測定におけるV(z)曲線
を示す図である。
【符号の説明】
1S 固体カプラ音響レンズ 1L 液体カプラ音響レンズ 2 ステージ 3 移動手段 4 パルス発生器 5 ゲート回路 6 ゲート回路 7 電気信号発生手段 8 送出手段 9 スタブチューナ 10 スペクトラムアナライザ 11 制御手段 12 計算手段 13 画像処理装置 14 モニター 15 抽出手段 16 抽出手段 20 被測定物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物
    の縦波音速を測定する縦波音速測定手段、 液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性
    波音速を測定する漏洩表面弾性波音速測定手段と、 上記縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、上記漏
    洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波
    とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速計算
    手段とを有することを特徴とする横波音速測定装置。
  2. 【請求項2】 固体カプラ音響レンズを用いて被測定物
    の縦波音速を測定する縦波音速測定手段と、 液体カプラ音響レンズを用いて被測定物の漏洩表面弾性
    波音速測定手段と、 上記縦波音速測定手段から得られた縦波音速と、上記漏
    洩表面弾性波音速測定手段から得られた漏洩表面弾性波
    音速とを用いて被測定物の横波音速を算出する横波音速
    計算手段とを有し、 上記縦波音速、上記漏洩表面弾性波音速、上記横波音速
    を用いて被測定物のヤング率及び/又はポアソン比を算
    出する計算手段を有することを特徴とする横波音速測定
    装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装
    置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置
    において、 上記縦波音速測定手段は、 電気信号発生手段と、 所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き
    取る抽出手段と、 上記抜き取られた信号を上記被測定物に接触して設けら
    れた固体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、 上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手
    段と、 上記反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段
    とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置
    を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置にお
    いて、 上記縦波音速測定手段は、 電気信号発生手段と、 所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き
    取る抽出手段と、 上記抜き取られた信号を上記被測定物に接触して設けら
    れた固体カプラ音響レンズに送るための送出手段と、 上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手
    段と、 上記反射波による信号から縦波音速を計算する計算手段
    とを有して成ることを特徴とする横波音速測定装置を用
    いたヤング率及び/又はポアソン比測定装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置
    において、 上記漏洩表面弾性波音速測定手段は、 電気信号発生手段と、 所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き
    取る抽出手段と、 上記抜き取られた信号を上記被測定物に液体を介して設
    けられた液体カプラ音響レンズに送るための送出手段
    と、 上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手
    段と、 上記反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算す
    る計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測
    定装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置
    を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置にお
    いて、 上記漏洩表面弾性波音速測定手段は、 電気信号発生手段と、 所定の周期毎に上記電気信号発生手段からの信号を抜き
    取る抽出手段と、 上記抜き取られた信号を上記被測定物に液体を介して設
    けられた液体カプラ音響レンズに送るための送出手段
    と、 上記被測定物からの反射波による信号を抜き取る抽出手
    段と、 上記反射波による信号から漏洩表面弾性波音速を計算す
    る計算手段とを有して成ることを特徴とする横波音速測
    定装置を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装
    置。
  7. 【請求項7】 上記請求項1に記載の横波音速測定装置
    において、 上記被測定物はステージ上に配置され、 上記ステージは2次元方向に移動可能とされ、 上記固体カプラ音響レンズ又は上記液体カプラ音響レン
    ズの焦点位置近傍に、上記被測定物を移動させる制御手
    段が上記ステージに連動して設けられ、 上記固体カプラ音響レンズ及び/又は上記液体カプラ音
    響レンズには、これを上記被測定物に対し近接離間する
    方向に移動させる移動手段が設けられ、 上記漏洩表面弾性波音速の測定時には上記液体カプラ音
    響レンズと上記被測定物との間隔を変化させる制御手段
    が上記移動手段に連動して設けられることを特徴とする
    横波音速測定装置。
  8. 【請求項8】 上記請求項2に記載の横波音速測定装置
    を利用したヤング率及び/又はポアソン比測定装置にお
    いて、 上記被測定物はステージ上に配置され、 上記固体カプラ音響レンズ及び/又は上記液体カプラ音
    響レンズには、これを上記被測定物に対し近接離間する
    方向に移動させる移動手段が設けられ、 上記漏洩表面弾性波音速の測定時には上記液体カプラ音
    響レンズと上記被測定物との間隔を変化させる制御手段
    が上記移動手段に連動して設けられることを特徴とする
    横波音速測定装置を利用したヤング率及び/又はポアソ
    ン比測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011133338A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Nippon Steel Corp ポアソン比の計測方法、及び、計測装置
KR101242888B1 (ko) * 2011-04-04 2013-03-12 니뽄스틸코포레이션 푸아송비의 계측 방법 및 계측 장치
JP2015500495A (ja) * 2011-12-19 2015-01-05 スネクマ 超音波を使用して弾性特性を測定するための方法

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