JP2001311086A - 軽油組成物 - Google Patents
軽油組成物Info
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Abstract
つ優れた潤滑性能を有する軽油組成物を低コストで提供
すること。 【解決手段】 軽油基材油中に接触分解軽油0.01容
量%以上および潤滑性向上剤20〜200重量ppmを
配合してなり、総硫黄含量が0.05重量%以下である
軽油組成物において、該接触分解軽油は、(1)2環以
上の多環芳香族化合物を25容量%以上、および(2)
3環以上の多環芳香族化合物を5容量%以上を含むこと
を特徴とする軽油組成物。
Description
に関する。さらに詳しくは、特定組成の接触分解軽油お
よび潤滑性向上剤を含んでなる軽油組成物に関する。
建設機械などに搭載されて社会に広く普及しており、更
に年々増加する傾向にある。一方、環境保全の観点か
ら、有害な排気ガスによる大気汚染は国際的な問題とな
ってきており、汚染源の一つであるディーゼルエンジン
の排気ガスについても、汚染物質の排出量削減が社会的
に厳しく要求されている。
化物、粒子状物質などの排出物質を低減するために、燃
焼室の形状の改良、排気ガス再循環装置(EGR装
置)、排気ガス浄化用触媒装置、粒子状物質の捕集装置
の装着、軽油およびディーゼルエンジン用潤滑油の品質
の改良など、多方面からの努力がなされている。有力な
方法の一つとして見なされているEGR装置は、ディー
ゼルエンジンの排気ガスを、燃焼用空気の一部として、
燃焼室に再度循環する装置であるが、排気ガス中の硫酸
イオン、粒子状物質などに起因して、エンジンの耐久性
や信頼性の低下、潤滑油の劣化、粒子状物質の排出量の
増大、出力の低下などの多くの問題を有する。特に、高
負荷運転が求められる直接噴射方式のディーゼルエンジ
ンに装着した場合に問題が大きい。硫酸イオンは、軽油
中に含有される硫黄分に由来するものであることから、
硫黄分を0.05重量%以下とする「軽油の低硫黄化」
が求められている。
処理、特に接触水素処理により高度に低減することがで
きる。しかし、硫黄分を低減すると、同時に基材油中の
潤滑性能に寄与する微量成分も分解、変質または除去さ
れることから、軽油の潤滑性能が低下する。このため
に、低硫黄分軽油は、ディーゼルエンジンのインジェク
ションポンプの損傷を招くという問題があった。特に、
硫黄分が0.2重量%以下に低減すると、潤滑性能の低
減も著しく、インジェクションポンプの摩耗量は、硫黄
分の低下と共に顕著に増大することが知られている。
り、低硫黄分軽油に潤滑性向上剤を添加することが試み
られてきた。たとえば、特開平8−134476号公報
には、低硫黄分軽油留分に、ジアミンのジカルボン酸
塩、ジアミンのモノカルボン酸塩、モノアミンのカルボ
ン酸塩のうちから選ばれる少なくとも1種を添加してな
る低硫黄分軽油組成物が記載されている。また、特表平
8−505893号公報には、低硫黄分の液体炭化水素
中級燃料油(例えばディーゼル燃料)に、炭素原子を2
〜50有するカルボン酸と炭素原子を1以上有するアル
コールとのエステル(例えばグリセロールモノオレエー
ト)を添加した燃料油組成物が記載されている。
に、原油の常圧蒸留より得られる直留軽油留分を0.0
01容量%以上を含有した低硫黄分軽油に、潤滑性向上
剤を25〜200容量ppm配合した低硫黄軽油組成物
は、優れた耐摩耗性を有することが開示されている。ま
た、特開平11−335678号公報には、2環以上の
多環芳香族を25容量%以上含む接触分解軽油から分離
した極性成分で構成される低硫黄軽油用潤滑剤、および
これを添加した低硫黄軽油組成物が開示され、このよう
な低硫黄軽油組成物は、高価な潤滑性向上剤を用いるこ
となく、摩耗特性を向上させることができるとしてい
る。
滑性向上剤あるいは特殊な成分を低硫黄分軽油に配合す
るものであり、また潤滑性能の向上効果も不充分なもの
であった。そのために、所望の潤滑性能を達成するべ
く、これらの潤滑性向上剤あるいは特殊な成分を多量に
添加する必要があり、その結果低硫黄分軽油の製造コス
トが増加するという問題があった。
黄含量が0.05重量%以下であり、かつ優れた潤滑性
能を有する軽油組成物を低コストで提供することにあ
る。
材油として接触分解軽油に注目し、その組成と潤滑性向
上剤との作用機構について鋭意検討した結果、特定量の
2環以上と3環以上の多環芳香族化合物を含む接触分解
軽油を配合した軽油は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に
向上させること、その結果潤滑性向上剤の添加量を大幅
に低減させることができること、したがって優れた潤滑
性能を有する低硫黄分軽油を低コストで経済的に製造で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
に接触分解軽油を0.01容量%以上および潤滑性向上
剤を20〜200重量ppmを配合してなり、総硫黄含
量が0.05重量%以下である軽油組成物において、該
接触分解軽油は、(1)2環以上の多環芳香族化合物2
5容量%以上、および(2)3環以上の多環芳香族化合
物5容量%以上を含むことを特徴とする軽油組成物が提
供される。
ものであるが、その好ましい実施の態様として、次のも
のを包含する。 (1)前記接触分解軽油は、0.05〜2容量%配合さ
れることを特徴とする前記の軽油組成物。 (2)前記接触分解軽油は、2環以上の多環芳香族化合
物を30〜50容量%含むことを特徴とする前記または
上記(1)のいずれかに記載の軽油組成物。 (3)前記接触分解軽油は、3環以上の多環芳香族化合
物を10〜20容量%含むことを特徴とする前記、上記
(1)または(2)のいずれかに記載の軽油組成物。 (4)前記潤滑性向上剤は、エステル系化合物であるこ
とを特徴とする前記、または上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の軽油組成物。 (5)前記潤滑性向上剤は、40〜160重量ppm配
合されることを特徴とする前記、または上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の軽油組成物。 (6)前記潤滑性向上剤は、60〜120重量ppm配
合されることを特徴とする前記、または上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の軽油組成物。
る。本発明の軽油組成物は、軽油基材油に特定量の2環
以上および3環以上の多環芳香族化合物を含む接触分解
軽油および潤滑性向上剤を配合したものであり、また総
硫黄含量が0.05重量%以下のものである。
する軽油基材油は、特に限定するものではなく公知の低
硫黄分の軽油基材油を用いることができる。たとえば、
鉱油を主成分とし、引火点が40℃以上、かつ蒸留性状
の90%留出温度が360℃以下の軽油留分であって、
硫黄含量が0.05重量%以下、好ましくは0.04重
量%以下のものである。
高度に脱硫処理をすることにより、低減することができ
る。脱硫処理の程度は、本発明の軽油組成物の総硫黄含
量が0.05重量%以下となるように、適宜脱硫条件を
制御して設定することができる。
る軽油留分のほか、原油を常圧蒸留または減圧蒸留して
得られる石油留分を、水素化精製、水素化分解、接触分
解、溶剤抽出などの処理を組み合わせて得られる軽油留
分を挙げることができる。また、鉱油以外の成分として
は、例えば大豆油、ヤシ油、なたね油などの植物油、鯨
油、魚油などの動物油などを挙げることができる。これ
らの軽油留分は、単独にまたは混合して使用することが
できる。
成する接触分解軽油は、原油の常圧残油を脱硫した留分
または常圧残油をさらに減圧蒸留および脱硫して得られ
る重質軽油留分などの重質油を原料として、これを接触
分解して得られる軽油留分であって、特に限定するもの
ではなく、公知のものを用いることができる。しかし、
本発明においては、接触分解軽油は、2環以上の多環芳
香族化合物を25容量%以上、好ましくは30〜50容
量%、および3環以上の多環芳香族化合物を5容量%以
上、好ましくは10〜20容量%含有することが肝要で
ある。2環以上の多環芳香族化合物が25容量%未満の
場合および/または3環以上の多環芳香族化合物が5容
量%未満の場合は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に向上
させる効果が小さい。このため、軽油組成物が所望の潤
滑性能を有するために多量の潤滑性向上剤を配合する必
要があり経済的でない。
香族化合物についても、その上限値は特定されるもので
はない。しかし、その含有量の増加と共に潤滑性向上剤
の性能を相乗的に向上させるものの、軽油組成物のセタ
ン価を低下させ、排出ガス特性を悪化させるという問題
がある。2環以上の多環芳香族化合物の含有量は、通常
接触分解装置の運転条件からみて50容量%以下であ
る。また、3環以上の多環芳香族化合物の含有量も、接
触分解軽油は軽油留分であってその沸点範囲が通常約2
20〜350℃であること、また3環多環芳香族化合物
であるアントラセンおよびフェナントレンの沸点が約3
40℃であることから、通常20容量%以下である。
0重量%の硫黄分を含有するが、水素処理などにより適
宜脱硫して低硫黄分とすることができる。脱硫処理の程
度は、接触分解軽油を配合した際に、本発明の軽油組成
物の総硫黄含量が0.05重量%以下となるように、適
宜脱硫条件を制御して設定することができる。脱硫処理
後の硫黄分は通常0.02〜0.05重量%である。
分解軽油の配合量は、0.01容量%以上、好ましくは
0.05〜2容量%とするものである。0.01容量%
未満の場合は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に向上させ
る効果が小さく、軽油組成物が所望の潤滑性能を有する
ために多量の潤滑性向上剤を配合する必要がある。一
方、接触分解軽油の含有量の上限値は、特に限定するも
のではない。しかし、含有量の増加と共に潤滑性向上剤
の性能を相乗的に向上させるものの、軽油組成物のセタ
ン価を低下させ、排出ガス特性を悪化させるという問題
がある。通常2容量%以下である。
成する潤滑性向上剤は、特に限定するものではなく、公
知のものを使用することができる。たとえば、ステアリ
ン酸、リノール酸、オレイン酸などの脂肪酸系化合物、
リノール酸とグリセリンのエステルに代表される脂肪酸
と多価アルコールとのエステルなどのエステル系化合物
などを挙げることができる。好ましくはエステル系化合
物である。潤滑性向上剤の配合量は、20〜200重量
ppm、好ましくは40〜160重量ppm、さらに好
ましくは60〜120重量ppmである。これらの潤滑
性向上剤は、単独にまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。20重量ppm未満の場合には、潤滑性
能を向上する効果が得られず、200重量ppmを超え
る場合には、配合量に見合うだけの潤滑性能を向上する
効果が得られないので経済的でない。
記した通りの軽油基材油に、上記したとおりの接触分解
軽油および潤滑性向上剤、さらに所望により他の燃料油
添加剤を配合してなるものである。また、本発明の軽油
組成物の製造方法は、特に限定するものではなく、公知
の軽油製造方法を採用して行なうことができる。
加剤は、本発明の軽油組成物の性能を損なわない範囲
で、公知のものを使用することができる。たとえば、流
動性向上剤、流動点降下剤、セタン価向上剤、酸化防止
剤、金属不活性化剤、清浄剤、腐食防止剤、氷結防止
剤、微生物殺菌剤、助燃剤、帯電防止剤、着色剤などを
挙げることができる。これらの添加剤は、1種または2
種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これ
らの添加剤の添加量は、たとえば流動点降下剤の場合、
0.1〜0.5重量%であるがこの添加量に限定するも
のでない。
コールエステル系化合物、エチレン−酢酸ビニル系共重
合体、エチレン−アルキルアクリレート系共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリアルキルアクリレート、アルケ
ニルこはく酸アミド系化合物などを挙げることができ
る。
は、その性能を損なわない範囲で、含酸素化合物を配合
することもできる。たとえば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、tert−ブタノール、アミルアルコール、イソア
ミルアルコール、n−オクタノール、2−エチルヘキサ
ノール、n−ヘプチルアルコール、トリデシルアルコー
ル、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールな
どの脂肪族アルコール、メチルtert−ブチルエーテ
ル、エチルtert−ブチルエーテルなどのエーテル
類、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブ
チルフタレートなどのジアルキルフタレート系化合物、
エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルな
どのグリコール・エーテル系化合物、ヒドロキシルアミ
ン系化合物、アセチルアセトンなどのジケトン化合物な
どを挙げることができる。含酸素化合物の配合量は、1
〜15重量%の範囲であるが、この配合量に限定するも
のではない。
物をさらに詳細に説明する。なお本発明は、以下の実施
例によって何等限定されるものではない。また以下の実
施例および比較例では、次に示す軽油基材油、接触分解
軽油および潤滑性向上剤を使用した。
得、これを水素脱硫処理をして得たものを用いた。表1
に、実施例および比較例で用いた軽油基材油の一般性状
を示した。2環以上および3環以上の多環芳香族化合物
の含有量は、石油学会法(JPI−5S−49−97)
(HPLC法)に準拠して測定した。
れを水素脱硫処理をして得た接触分解軽油Aを用いた。
また、減圧軽油の流動接触分解に際して、接触分解装置
の運転条件を調節して軽質の接触分解軽油留分を得、こ
れを水素脱硫処理をして得た接触分解軽油Bを用いた。
表1に、接触分解軽油Aおよび接触分解軽油Bの一般性
状を示した。2環以上および3環以上の多環芳香族化合
物は、上記した方法によって測定した。
物を有効成分とする潤滑性向上剤)を用いた。
全容量を基準として接触分解軽油Aを1.0容量%配合
し、次いで軽油組成物の全重量を基準として潤滑性向上
剤(PDN655)を、約85、約105、約120重
量ppm配合して3種類の軽油組成物(1)〜(3)を
調製した。軽油組成物(1)〜(3)のうち軽油組成物
(1)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合量およ
び一般性状を表2に示した。また、潤滑性試験方法は、
下記のとおりである。
は、JPI−5S−50−98(軽油−潤滑性試験方
法)に準拠して試験した。HFRR試験装置(High Fre
quency Reciprocating Rig)(PCS社製)を使用し、
表3に示した試験条件で、摩耗痕径(WSD)(μm)
を測定した。摩耗痕径は、(摩耗痕の長径+磨耗痕の短
径)/2から計算して求め、かつ試験を数回繰り返して
得られた値の平均値である。潤滑性能が優れる軽油組成
物は摩耗痕径が小さく、逆に潤滑性能が劣る軽油組成物
は摩耗痕径が大きい。
れぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕径を測定し、潤滑性向
上剤の配合量と摩耗痕径との関係を図1の曲線1に示し
た。図1において、縦軸は摩耗痕径を表し、目標とする
摩耗痕径(基準摩耗痕径)を1.0とする相対摩耗痕径
で示した。一方横軸は潤滑性向上剤の配合量を表し、後
述する比較例1において、基準摩耗痕径(1.0)を達
成するために必要な潤滑性向上剤の配合量(基準配合
量)を1.0とする相対配合量で示した。また、図1の
曲線1から、基準摩耗痕径(1.0)を達成するために
必要な潤滑性向上剤の相対配合量(0.87)を求め
た。これを表4に示した。
軽油Aを0.1容量%配合したことを除いて実施例1と
同様にして、潤滑性向上剤の配合量が異なる3種類の軽
油組成物(4)〜(6)を調製した。軽油組成物(4)
〜(6)のうち軽油組成物(4)について、配合割合、
潤滑性向上剤の配合量および一般性状を表2に示した。
次いで、3種類の軽油組成物について、それぞれ潤滑性
試験を行って摩耗痕径を測定し、潤滑性向上剤の配合量
と摩耗痕径との関係を図1の曲線2に示した。また、図
1の曲線2から、基準摩耗痕径(1.0)を達成するた
めに必要な潤滑性向上剤の相対配合量(0.90)を求
めた。これを表4に示した。
軽油Aを用いなかったことを除いて実施例1と同様にし
て、潤滑性向上剤の配合量が異なる3種類の軽油組成物
(7)〜(9)を調製した。軽油組成物(7)〜(9)
のうち軽油組成物(7)について、配合割合、潤滑性向
上剤の配合量および一般性状を表5に示した。次いで、
3種類の軽油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行
って摩耗痕径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕
径との関係を図1の曲線3に示した。また、比較例1の
軽油組成物においては、前述したとおり、基準摩耗痕径
(1.0)を達成するために必要な潤滑性向上剤の相対
配合量は1.00である。これを表4に示した。
軽油Aに替えて接触分解軽油Bを1.0容量%配合した
ことを除いて実施例1と同様にして、潤滑性向上剤の配
合量が異なる3種類の軽油組成物(10)〜(12)を
調製した。軽油組成物(10)〜(12)のうち軽油組
成物(10)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合
量および一般性状を表5に示した。次いで、3種類の軽
油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕
径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との関係
を図1の曲線4に示した。また、図1の曲線4から、基
準摩耗痕径(1.0)を達成するために必要な潤滑性向
上剤の相対配合量(1.07)を求めた。これを表4に
示した。
軽油Aに替えて接触分解軽油Bを0.1容量%配合した
ことを除いて実施例1と同様にして、潤滑性向上剤の配
合量が異なる3種類の軽油組成物(13)〜(15)を
調製した。軽油組成物(13)〜(15)のうち軽油組
成物(13)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合
量および一般性状を表5に示した。次いで、3種類の軽
油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕
径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との関係
を図1の曲線5に示した。また、図1の曲線5から、基
準摩耗痕径(1.0)を達成するために必要な潤滑性向
上剤の相対配合量(1.10以上)を求めた。これを表
4に示した
なように、実施例1の軽油組成物は、潤滑性向上剤の相
対配合量の増加と共に相対摩耗痕径が顕著に低減し、目
標とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成する
ために必要な潤滑性向上剤の相対配合量は0.87であ
った。同様に、実施例2の軽油組成物の相対配合量は、
曲線2および表4の結果からみて0.90であった。こ
れに対して、比較例1〜3の軽油組成物の場合は、曲線
3〜5および表4の結果からみて、いずれも潤滑性向上
剤の相対配合量の増加と共に、相対摩耗痕径が低減する
ものの、目標とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)
を達成するためには、従来と同様の1.0若しくはそれ
以上の相対配合量を必要とした。また、比較例3の軽油
組成物の場合は、相対配合量を増加しても目標とする摩
耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成することができ
なかった。
油組成物は、比較例1〜3の軽油組成物に比べて、目標
とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成するた
めに必要な潤滑性向上剤の相対配合量を、従前の1.0
以上から0.87〜0.90まで、約10%以上低減し
たものであった。
に、本発明によれば、軽油組成物の構成を、軽油基材油
中に接触分解軽油0.01容量%以上および潤滑性向上
剤20〜200重量ppmを配合してなり、総硫黄含量
が0.05重量%以下である軽油組成物において、該接
触分解軽油は、(1)2環以上の多環芳香族化合物を2
5容量%以上、および(2)3環以上の多環芳香族化合
物を5容量%以上含むこととしたことから、このような
軽油組成物は、優れた潤滑性能を有し、その結果潤滑性
向上剤の配合量を低減させることができ、したがって潤
滑性能に優れた軽油組成物を低コストで製造できるとい
う効果を奏した。また、軽油基材油として接触分解軽油
を有効利用できることが期待できる。
組成物について、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との
関係を表す図である。
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 2 実施例2の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 3 比較例1の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 4 比較例2の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 5 比較例3の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。
Claims (1)
- 【請求項1】 軽油基材油中に接触分解軽油を0.01
容量%以上および潤滑性向上剤を20〜200重量pp
mを配合してなり、総硫黄含量が0.05重量%以下で
ある軽油組成物において、該接触分解軽油は、(1)2
環以上の多環芳香族化合物25容量%以上、および
(2)3環以上の多環芳香族化合物5容量%以上を含む
ことを特徴とする軽油組成物。
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