JP2001311086A - 軽油組成物 - Google Patents

軽油組成物

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JP2001311086A JP2000127218A JP2000127218A JP2001311086A JP 2001311086 A JP2001311086 A JP 2001311086A JP 2000127218 A JP2000127218 A JP 2000127218A JP 2000127218 A JP2000127218 A JP 2000127218A JP 2001311086 A JP2001311086 A JP 2001311086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 総硫黄含量が0.05重量%以下であり、か
つ優れた潤滑性能を有する軽油組成物を低コストで提供
すること。 【解決手段】 軽油基材油中に接触分解軽油0.01容
量%以上および潤滑性向上剤20〜200重量ppmを
配合してなり、総硫黄含量が0.05重量%以下である
軽油組成物において、該接触分解軽油は、(1)2環以
上の多環芳香族化合物を25容量%以上、および(2)
3環以上の多環芳香族化合物を5容量%以上を含むこと
を特徴とする軽油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な軽油組成物
に関する。さらに詳しくは、特定組成の接触分解軽油お
よび潤滑性向上剤を含んでなる軽油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは、自動車、船舶、
建設機械などに搭載されて社会に広く普及しており、更
に年々増加する傾向にある。一方、環境保全の観点か
ら、有害な排気ガスによる大気汚染は国際的な問題とな
ってきており、汚染源の一つであるディーゼルエンジン
の排気ガスについても、汚染物質の排出量削減が社会的
に厳しく要求されている。
【0003】ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸
化物、粒子状物質などの排出物質を低減するために、燃
焼室の形状の改良、排気ガス再循環装置(EGR装
置)、排気ガス浄化用触媒装置、粒子状物質の捕集装置
の装着、軽油およびディーゼルエンジン用潤滑油の品質
の改良など、多方面からの努力がなされている。有力な
方法の一つとして見なされているEGR装置は、ディー
ゼルエンジンの排気ガスを、燃焼用空気の一部として、
燃焼室に再度循環する装置であるが、排気ガス中の硫酸
イオン、粒子状物質などに起因して、エンジンの耐久性
や信頼性の低下、潤滑油の劣化、粒子状物質の排出量の
増大、出力の低下などの多くの問題を有する。特に、高
負荷運転が求められる直接噴射方式のディーゼルエンジ
ンに装着した場合に問題が大きい。硫酸イオンは、軽油
中に含有される硫黄分に由来するものであることから、
硫黄分を0.05重量%以下とする「軽油の低硫黄化」
が求められている。
【0004】軽油に含有される硫黄分は、基材油の精製
処理、特に接触水素処理により高度に低減することがで
きる。しかし、硫黄分を低減すると、同時に基材油中の
潤滑性能に寄与する微量成分も分解、変質または除去さ
れることから、軽油の潤滑性能が低下する。このため
に、低硫黄分軽油は、ディーゼルエンジンのインジェク
ションポンプの損傷を招くという問題があった。特に、
硫黄分が0.2重量%以下に低減すると、潤滑性能の低
減も著しく、インジェクションポンプの摩耗量は、硫黄
分の低下と共に顕著に増大することが知られている。
【0005】このような問題を解決するために、従来よ
り、低硫黄分軽油に潤滑性向上剤を添加することが試み
られてきた。たとえば、特開平8−134476号公報
には、低硫黄分軽油留分に、ジアミンのジカルボン酸
塩、ジアミンのモノカルボン酸塩、モノアミンのカルボ
ン酸塩のうちから選ばれる少なくとも1種を添加してな
る低硫黄分軽油組成物が記載されている。また、特表平
8−505893号公報には、低硫黄分の液体炭化水素
中級燃料油(例えばディーゼル燃料)に、炭素原子を2
〜50有するカルボン酸と炭素原子を1以上有するアル
コールとのエステル(例えばグリセロールモノオレエー
ト)を添加した燃料油組成物が記載されている。
【0006】さらに、特開平11−181452号公報
に、原油の常圧蒸留より得られる直留軽油留分を0.0
01容量%以上を含有した低硫黄分軽油に、潤滑性向上
剤を25〜200容量ppm配合した低硫黄軽油組成物
は、優れた耐摩耗性を有することが開示されている。ま
た、特開平11−335678号公報には、2環以上の
多環芳香族を25容量%以上含む接触分解軽油から分離
した極性成分で構成される低硫黄軽油用潤滑剤、および
これを添加した低硫黄軽油組成物が開示され、このよう
な低硫黄軽油組成物は、高価な潤滑性向上剤を用いるこ
となく、摩耗特性を向上させることができるとしてい
る。
【0007】しかし、これらの技術はいずれも高価な潤
滑性向上剤あるいは特殊な成分を低硫黄分軽油に配合す
るものであり、また潤滑性能の向上効果も不充分なもの
であった。そのために、所望の潤滑性能を達成するべ
く、これらの潤滑性向上剤あるいは特殊な成分を多量に
添加する必要があり、その結果低硫黄分軽油の製造コス
トが増加するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、総硫
黄含量が0.05重量%以下であり、かつ優れた潤滑性
能を有する軽油組成物を低コストで提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軽油の基
材油として接触分解軽油に注目し、その組成と潤滑性向
上剤との作用機構について鋭意検討した結果、特定量の
2環以上と3環以上の多環芳香族化合物を含む接触分解
軽油を配合した軽油は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に
向上させること、その結果潤滑性向上剤の添加量を大幅
に低減させることができること、したがって優れた潤滑
性能を有する低硫黄分軽油を低コストで経済的に製造で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明によって、軽油基材油中
に接触分解軽油を0.01容量%以上および潤滑性向上
剤を20〜200重量ppmを配合してなり、総硫黄含
量が0.05重量%以下である軽油組成物において、該
接触分解軽油は、(1)2環以上の多環芳香族化合物2
5容量%以上、および(2)3環以上の多環芳香族化合
物5容量%以上を含むことを特徴とする軽油組成物が提
供される。
【0011】本発明は、上記のような軽油組成物に係る
ものであるが、その好ましい実施の態様として、次のも
のを包含する。 (1)前記接触分解軽油は、0.05〜2容量%配合さ
れることを特徴とする前記の軽油組成物。 (2)前記接触分解軽油は、2環以上の多環芳香族化合
物を30〜50容量%含むことを特徴とする前記または
上記(1)のいずれかに記載の軽油組成物。 (3)前記接触分解軽油は、3環以上の多環芳香族化合
物を10〜20容量%含むことを特徴とする前記、上記
(1)または(2)のいずれかに記載の軽油組成物。 (4)前記潤滑性向上剤は、エステル系化合物であるこ
とを特徴とする前記、または上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の軽油組成物。 (5)前記潤滑性向上剤は、40〜160重量ppm配
合されることを特徴とする前記、または上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の軽油組成物。 (6)前記潤滑性向上剤は、60〜120重量ppm配
合されることを特徴とする前記、または上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の軽油組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の軽油組成物は、軽油基材油に特定量の2環
以上および3環以上の多環芳香族化合物を含む接触分解
軽油および潤滑性向上剤を配合したものであり、また総
硫黄含量が0.05重量%以下のものである。
【0013】(軽油基材油)本発明の軽油組成物を構成
する軽油基材油は、特に限定するものではなく公知の低
硫黄分の軽油基材油を用いることができる。たとえば、
鉱油を主成分とし、引火点が40℃以上、かつ蒸留性状
の90%留出温度が360℃以下の軽油留分であって、
硫黄含量が0.05重量%以下、好ましくは0.04重
量%以下のものである。
【0014】軽油基材油の硫黄分は、その製造工程で、
高度に脱硫処理をすることにより、低減することができ
る。脱硫処理の程度は、本発明の軽油組成物の総硫黄含
量が0.05重量%以下となるように、適宜脱硫条件を
制御して設定することができる。
【0015】鉱油としては、原油を常圧蒸留して得られ
る軽油留分のほか、原油を常圧蒸留または減圧蒸留して
得られる石油留分を、水素化精製、水素化分解、接触分
解、溶剤抽出などの処理を組み合わせて得られる軽油留
分を挙げることができる。また、鉱油以外の成分として
は、例えば大豆油、ヤシ油、なたね油などの植物油、鯨
油、魚油などの動物油などを挙げることができる。これ
らの軽油留分は、単独にまたは混合して使用することが
できる。
【0016】(接触分解軽油)本発明の軽油組成物を構
成する接触分解軽油は、原油の常圧残油を脱硫した留分
または常圧残油をさらに減圧蒸留および脱硫して得られ
る重質軽油留分などの重質油を原料として、これを接触
分解して得られる軽油留分であって、特に限定するもの
ではなく、公知のものを用いることができる。しかし、
本発明においては、接触分解軽油は、2環以上の多環芳
香族化合物を25容量%以上、好ましくは30〜50容
量%、および3環以上の多環芳香族化合物を5容量%以
上、好ましくは10〜20容量%含有することが肝要で
ある。2環以上の多環芳香族化合物が25容量%未満の
場合および/または3環以上の多環芳香族化合物が5容
量%未満の場合は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に向上
させる効果が小さい。このため、軽油組成物が所望の潤
滑性能を有するために多量の潤滑性向上剤を配合する必
要があり経済的でない。
【0017】2環以上または3環以上のいずれの多環芳
香族化合物についても、その上限値は特定されるもので
はない。しかし、その含有量の増加と共に潤滑性向上剤
の性能を相乗的に向上させるものの、軽油組成物のセタ
ン価を低下させ、排出ガス特性を悪化させるという問題
がある。2環以上の多環芳香族化合物の含有量は、通常
接触分解装置の運転条件からみて50容量%以下であ
る。また、3環以上の多環芳香族化合物の含有量も、接
触分解軽油は軽油留分であってその沸点範囲が通常約2
20〜350℃であること、また3環多環芳香族化合物
であるアントラセンおよびフェナントレンの沸点が約3
40℃であることから、通常20容量%以下である。
【0018】また、接触分解軽油は、通常0.1〜1.
0重量%の硫黄分を含有するが、水素処理などにより適
宜脱硫して低硫黄分とすることができる。脱硫処理の程
度は、接触分解軽油を配合した際に、本発明の軽油組成
物の総硫黄含量が0.05重量%以下となるように、適
宜脱硫条件を制御して設定することができる。脱硫処理
後の硫黄分は通常0.02〜0.05重量%である。
【0019】さらに、本発明の軽油組成物における接触
分解軽油の配合量は、0.01容量%以上、好ましくは
0.05〜2容量%とするものである。0.01容量%
未満の場合は、潤滑性向上剤の性能を相乗的に向上させ
る効果が小さく、軽油組成物が所望の潤滑性能を有する
ために多量の潤滑性向上剤を配合する必要がある。一
方、接触分解軽油の含有量の上限値は、特に限定するも
のではない。しかし、含有量の増加と共に潤滑性向上剤
の性能を相乗的に向上させるものの、軽油組成物のセタ
ン価を低下させ、排出ガス特性を悪化させるという問題
がある。通常2容量%以下である。
【0020】(潤滑性向上剤)本発明の軽油組成物を構
成する潤滑性向上剤は、特に限定するものではなく、公
知のものを使用することができる。たとえば、ステアリ
ン酸、リノール酸、オレイン酸などの脂肪酸系化合物、
リノール酸とグリセリンのエステルに代表される脂肪酸
と多価アルコールとのエステルなどのエステル系化合物
などを挙げることができる。好ましくはエステル系化合
物である。潤滑性向上剤の配合量は、20〜200重量
ppm、好ましくは40〜160重量ppm、さらに好
ましくは60〜120重量ppmである。これらの潤滑
性向上剤は、単独にまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。20重量ppm未満の場合には、潤滑性
能を向上する効果が得られず、200重量ppmを超え
る場合には、配合量に見合うだけの潤滑性能を向上する
効果が得られないので経済的でない。
【0021】(軽油組成物)本発明の軽油組成物は、上
記した通りの軽油基材油に、上記したとおりの接触分解
軽油および潤滑性向上剤、さらに所望により他の燃料油
添加剤を配合してなるものである。また、本発明の軽油
組成物の製造方法は、特に限定するものではなく、公知
の軽油製造方法を採用して行なうことができる。
【0022】所望により配合することができる燃料油添
加剤は、本発明の軽油組成物の性能を損なわない範囲
で、公知のものを使用することができる。たとえば、流
動性向上剤、流動点降下剤、セタン価向上剤、酸化防止
剤、金属不活性化剤、清浄剤、腐食防止剤、氷結防止
剤、微生物殺菌剤、助燃剤、帯電防止剤、着色剤などを
挙げることができる。これらの添加剤は、1種または2
種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これ
らの添加剤の添加量は、たとえば流動点降下剤の場合、
0.1〜0.5重量%であるがこの添加量に限定するも
のでない。
【0023】流動性向上剤としては、ポリエチレングリ
コールエステル系化合物、エチレン−酢酸ビニル系共重
合体、エチレン−アルキルアクリレート系共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリアルキルアクリレート、アルケ
ニルこはく酸アミド系化合物などを挙げることができ
る。
【0024】さらに、所望により、本発明の軽油組成物
は、その性能を損なわない範囲で、含酸素化合物を配合
することもできる。たとえば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、tert−ブタノール、アミルアルコール、イソア
ミルアルコール、n−オクタノール、2−エチルヘキサ
ノール、n−ヘプチルアルコール、トリデシルアルコー
ル、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールな
どの脂肪族アルコール、メチルtert−ブチルエーテ
ル、エチルtert−ブチルエーテルなどのエーテル
類、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブ
チルフタレートなどのジアルキルフタレート系化合物、
エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルな
どのグリコール・エーテル系化合物、ヒドロキシルアミ
ン系化合物、アセチルアセトンなどのジケトン化合物な
どを挙げることができる。含酸素化合物の配合量は、1
〜15重量%の範囲であるが、この配合量に限定するも
のではない。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明の軽油組成
物をさらに詳細に説明する。なお本発明は、以下の実施
例によって何等限定されるものではない。また以下の実
施例および比較例では、次に示す軽油基材油、接触分解
軽油および潤滑性向上剤を使用した。
【0026】(1)軽油基材油 軽油基材油として、中東原油を常圧蒸留して軽油留分を
得、これを水素脱硫処理をして得たものを用いた。表1
に、実施例および比較例で用いた軽油基材油の一般性状
を示した。2環以上および3環以上の多環芳香族化合物
の含有量は、石油学会法(JPI−5S−49−97)
(HPLC法)に準拠して測定した。
【0027】
【表1】
【0028】(2)接触分解軽油 減圧軽油を流動接触分解して接触分解軽油留分を得、こ
れを水素脱硫処理をして得た接触分解軽油Aを用いた。
また、減圧軽油の流動接触分解に際して、接触分解装置
の運転条件を調節して軽質の接触分解軽油留分を得、こ
れを水素脱硫処理をして得た接触分解軽油Bを用いた。
表1に、接触分解軽油Aおよび接触分解軽油Bの一般性
状を示した。2環以上および3環以上の多環芳香族化合
物は、上記した方法によって測定した。
【0029】(3)潤滑性向上剤 PDN655(Infineum社製、エステル系化合
物を有効成分とする潤滑性向上剤)を用いた。
【0030】(実施例1)軽油基材油に、軽油組成物の
全容量を基準として接触分解軽油Aを1.0容量%配合
し、次いで軽油組成物の全重量を基準として潤滑性向上
剤(PDN655)を、約85、約105、約120重
量ppm配合して3種類の軽油組成物(1)〜(3)を
調製した。軽油組成物(1)〜(3)のうち軽油組成物
(1)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合量およ
び一般性状を表2に示した。また、潤滑性試験方法は、
下記のとおりである。
【0031】
【表2】
【0032】(潤滑性試験方法)軽油組成物の潤滑性能
は、JPI−5S−50−98(軽油−潤滑性試験方
法)に準拠して試験した。HFRR試験装置(High Fre
quency Reciprocating Rig)(PCS社製)を使用し、
表3に示した試験条件で、摩耗痕径(WSD)(μm)
を測定した。摩耗痕径は、(摩耗痕の長径+磨耗痕の短
径)/2から計算して求め、かつ試験を数回繰り返して
得られた値の平均値である。潤滑性能が優れる軽油組成
物は摩耗痕径が小さく、逆に潤滑性能が劣る軽油組成物
は摩耗痕径が大きい。
【0033】
【表3】
【0034】次いで、3種類の軽油組成物について、そ
れぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕径を測定し、潤滑性向
上剤の配合量と摩耗痕径との関係を図1の曲線1に示し
た。図1において、縦軸は摩耗痕径を表し、目標とする
摩耗痕径(基準摩耗痕径)を1.0とする相対摩耗痕径
で示した。一方横軸は潤滑性向上剤の配合量を表し、後
述する比較例1において、基準摩耗痕径(1.0)を達
成するために必要な潤滑性向上剤の配合量(基準配合
量)を1.0とする相対配合量で示した。また、図1の
曲線1から、基準摩耗痕径(1.0)を達成するために
必要な潤滑性向上剤の相対配合量(0.87)を求め
た。これを表4に示した。
【0035】
【表4】
【0036】(実施例2)実施例1において、接触分解
軽油Aを0.1容量%配合したことを除いて実施例1と
同様にして、潤滑性向上剤の配合量が異なる3種類の軽
油組成物(4)〜(6)を調製した。軽油組成物(4)
〜(6)のうち軽油組成物(4)について、配合割合、
潤滑性向上剤の配合量および一般性状を表2に示した。
次いで、3種類の軽油組成物について、それぞれ潤滑性
試験を行って摩耗痕径を測定し、潤滑性向上剤の配合量
と摩耗痕径との関係を図1の曲線2に示した。また、図
1の曲線2から、基準摩耗痕径(1.0)を達成するた
めに必要な潤滑性向上剤の相対配合量(0.90)を求
めた。これを表4に示した。
【0037】(比較例1)実施例1において、接触分解
軽油Aを用いなかったことを除いて実施例1と同様にし
て、潤滑性向上剤の配合量が異なる3種類の軽油組成物
(7)〜(9)を調製した。軽油組成物(7)〜(9)
のうち軽油組成物(7)について、配合割合、潤滑性向
上剤の配合量および一般性状を表5に示した。次いで、
3種類の軽油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行
って摩耗痕径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕
径との関係を図1の曲線3に示した。また、比較例1の
軽油組成物においては、前述したとおり、基準摩耗痕径
(1.0)を達成するために必要な潤滑性向上剤の相対
配合量は1.00である。これを表4に示した。
【0038】
【表5】
【0039】(比較例2)実施例1において、接触分解
軽油Aに替えて接触分解軽油Bを1.0容量%配合した
ことを除いて実施例1と同様にして、潤滑性向上剤の配
合量が異なる3種類の軽油組成物(10)〜(12)を
調製した。軽油組成物(10)〜(12)のうち軽油組
成物(10)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合
量および一般性状を表5に示した。次いで、3種類の軽
油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕
径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との関係
を図1の曲線4に示した。また、図1の曲線4から、基
準摩耗痕径(1.0)を達成するために必要な潤滑性向
上剤の相対配合量(1.07)を求めた。これを表4に
示した。
【0040】(比較例3)実施例1において、接触分解
軽油Aに替えて接触分解軽油Bを0.1容量%配合した
ことを除いて実施例1と同様にして、潤滑性向上剤の配
合量が異なる3種類の軽油組成物(13)〜(15)を
調製した。軽油組成物(13)〜(15)のうち軽油組
成物(13)について、配合割合、潤滑性向上剤の配合
量および一般性状を表5に示した。次いで、3種類の軽
油組成物について、それぞれ潤滑性試験を行って摩耗痕
径を測定し、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との関係
を図1の曲線5に示した。また、図1の曲線5から、基
準摩耗痕径(1.0)を達成するために必要な潤滑性向
上剤の相対配合量(1.10以上)を求めた。これを表
4に示した
【0041】図1の曲線1および表4の結果から明らか
なように、実施例1の軽油組成物は、潤滑性向上剤の相
対配合量の増加と共に相対摩耗痕径が顕著に低減し、目
標とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成する
ために必要な潤滑性向上剤の相対配合量は0.87であ
った。同様に、実施例2の軽油組成物の相対配合量は、
曲線2および表4の結果からみて0.90であった。こ
れに対して、比較例1〜3の軽油組成物の場合は、曲線
3〜5および表4の結果からみて、いずれも潤滑性向上
剤の相対配合量の増加と共に、相対摩耗痕径が低減する
ものの、目標とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)
を達成するためには、従来と同様の1.0若しくはそれ
以上の相対配合量を必要とした。また、比較例3の軽油
組成物の場合は、相対配合量を増加しても目標とする摩
耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成することができ
なかった。
【0042】すなわち、本発明の実施例1および2の軽
油組成物は、比較例1〜3の軽油組成物に比べて、目標
とする摩耗痕径(基準摩耗痕径=1.0)を達成するた
めに必要な潤滑性向上剤の相対配合量を、従前の1.0
以上から0.87〜0.90まで、約10%以上低減し
たものであった。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明によれば、軽油組成物の構成を、軽油基材油
中に接触分解軽油0.01容量%以上および潤滑性向上
剤20〜200重量ppmを配合してなり、総硫黄含量
が0.05重量%以下である軽油組成物において、該接
触分解軽油は、(1)2環以上の多環芳香族化合物を2
5容量%以上、および(2)3環以上の多環芳香族化合
物を5容量%以上含むこととしたことから、このような
軽油組成物は、優れた潤滑性能を有し、その結果潤滑性
向上剤の配合量を低減させることができ、したがって潤
滑性能に優れた軽油組成物を低コストで製造できるとい
う効果を奏した。また、軽油基材油として接触分解軽油
を有効利用できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例2および比較例1〜3の軽油
組成物について、潤滑性向上剤の配合量と摩耗痕径との
関係を表す図である。
【符号の説明】
1 実施例1の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 2 実施例2の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 3 比較例1の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 4 比較例2の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。 5 比較例3の軽油組成物について、潤滑性向上剤の配
合量と摩耗痕径との関係を表わす線である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽油基材油中に接触分解軽油を0.01
    容量%以上および潤滑性向上剤を20〜200重量pp
    mを配合してなり、総硫黄含量が0.05重量%以下で
    ある軽油組成物において、該接触分解軽油は、(1)2
    環以上の多環芳香族化合物25容量%以上、および
    (2)3環以上の多環芳香族化合物5容量%以上を含む
    ことを特徴とする軽油組成物。
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