JP2001310164A - 超音波洗浄槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄剤を使用することなく、水を使用し、洗
浄効果が高く、環境に優しい超音波洗浄槽を提供する。 【解決手段】 超音波洗浄槽は、水に微量の電解質６を
添加して電気分解する電解槽７と、超音波振動子４を設
置した洗浄槽１を有し、電解槽７で生成した酸性及びア
ルカリイオン水のうち、被洗浄物及び汚れに適した任意
のイオン水９で洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は超音波洗浄槽に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術を図面に基づいて説明する。
図１は従来の超音波洗浄槽の代表的構成を示す概要図で
ある。従来は、図１に示すような洗浄槽１に直に超音波
振動子４を接合する超音波洗浄槽の他に、洗浄槽に超音
波振動子を接合した振動板をパッキン等を介して取り付
ける超音波洗浄槽、超音波振動子を密閉ケースに接合し
た投げ込み振動子を設置する超音波洗浄槽の３種類があ
る。

【０００３】いずれの超音波洗浄槽も、図示しない超音
波発振器で発生させた高周波電力を洗浄槽１に設置した
超音波振動子４に供給し、洗浄液２に浸漬した被洗浄物
３に超音波を照射して洗浄する方法である。

【０００４】洗浄液２は精密洗浄等の特殊用途では純水
や超純水を使用するが、れがある。

【０００５】環境保全の必要性が国際的に高まっている
昨今では、極力、洗浄剤を使用することなく、十分洗浄
できる超音波洗浄槽が望まれている。また、純水を多用
する精密洗浄工程等では、従来にも増して、洗浄効果の
向上が要望されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の洗
浄剤を含む洗浄液を使用する超音波洗浄槽によれば、洗
浄剤による環境汚染の恐れがあり、適切に廃液処理する
にはコスト高になる等の問題がある。また、洗浄剤を含
まない水を使用して従来の超音波洗浄槽で洗浄した場
合、洗浄効果が不十分なために洗浄品質が悪くなり、製
品の生産性が低下するという問題がある。

【０００７】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、洗浄剤を使用することなく、水を使用し
て、従来の超音波洗浄槽より洗浄効果の高い超音波洗浄
槽を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】洗浄剤を使用することな
く、それと同等もしくはそれ以上の洗浄効果の高い超音
波洗浄槽であれば、上記課題を解決することができる。
また、従来の超音波洗浄槽に比べて洗浄効果が高けれ
ば、洗浄剤の使用量も少なくて済み、廃液処理や環境汚
染を軽減することができる。

【０００９】そこで、本発明は洗浄液として洗浄剤を含
まない水を使用し、その水に微量の電解質を添加して電
気分解する電解槽を有し、電解槽で生成した酸性及びア
ルカリイオン水のうち、被洗浄物の材質や汚れに適した
任意のイオン水で洗浄する機能を備えた、洗浄効果の高
い超音波洗浄槽を提供するものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図２は洗浄槽に直に超音波振動子を接合
した超音波洗浄槽における実施例である。

【００１１】洗浄液として使用する水は、給水口５よ
り、微量の塩化アンモニウム等の電解質６を接水するよ
うに配置した電解槽７に入る。電解槽７には、図示しな
い電気分解用電極（以下「電極」という）を対向して複
数配置し、水を電気分解するが、プラス電極で酸性イオ
ン水、マイナス電極でアルカリイオン水が生成される。
電極は、イオン水吐出口８から出るイオン水を生成する
電極の数を、他方のイオン水を生成する電極の数より多
くして、イオン水吐出口８から出るイオン水を、他方の
イオン水より多く生成するように配慮されている。

【００１２】そして、被洗浄物３の材質や汚れの種類に
より電極の極性を選択することによって、酸性又はアル
カリいずれかの、洗浄に効果的なイオン水をイオン水吐
出口８から洗浄槽１に給水する。

【００１３】なお、電解槽７は、イオン水生成後に電極
の極性をイオン水生成時と逆にすることにより、電極に
付着したカルシウム等を除去する自動洗浄機能を有す
る。

【００１４】このようにして、超音波照射位置に置いた
被洗浄物３は洗浄に効果的なイオン水９で被われ、被洗
浄物３に付着している汚れと被洗浄物３の間には、同一
イオン同士による反発力が生じ、汚れに対する剥離力と
して作用する。

【００１５】従って、同一イオン同士による剥離力と超
音波の物理的作用との相乗効果により、汚れの水中分散
が容易になるため、従来の超音波洗浄槽に比べ、高い洗
浄効果が得られる。

【００１６】

【実施例】図２は本発明の代表的実施例で、洗浄槽１に
直に超音波振動子４を接合した超音波洗浄槽に電解槽７
を付設した例であるが、洗浄槽に超音波振動子を接合し
た振動板をパッキン等を介して取り付けた超音波洗浄槽
に電解槽を付設した例や、超音波振動子を密閉ケースに
接合した投げ込み振動子を設置した超音波洗浄槽に電解
槽を付設した例もある。

【００１７】図３は洗浄槽１に超音波振動子４を接合し
た振動板１０をパッキン１１を介して取り付けた超音波
洗浄槽の給水管に電解槽７を付設した変形実施例である
が、洗浄槽に直に超音波振動子を接合した超音波洗浄槽
の給水管に電解槽を付設した例や、超音波振動子を密閉
ケースに接合した投げ込み振動子を設置した超音波洗浄
槽の給水管に電解槽を付設した例もある。

【００１８】いずれの実施例も、電解槽７で微量の電解
質６を添加して、水を電気分解し、イオン水を生成し
て、酸性又はアルカリ、いずれかの被洗浄物に効果的な
イオン水９をイオン水吐出口８から洗浄槽１に給水し
て、超音波洗浄を行う超音波洗浄槽である。

【００１９】

【発明の効果】このように、本発明の超音波洗浄槽は、
被洗浄物に適した効果的なイオン水を使用し、汚れに対
し、同一イオン同士による剥離力を作用させながら、超
音波の物理的作用を加えるため、汚れの水中分散が容易
になり、従来の超音波洗浄槽に比べ高い洗浄効果が得ら
れる。

【００２０】洗浄剤を使用しないため、廃液処理も簡単
になり、その費用も安価になると共に、廃液による環境
汚染も軽減されるため、環境に優しい装置である。

【００２１】また、洗浄後のすすぎも簡単になり、装置
の簡素化によるコストダウン、省スペース化及び節電効
果が図れるとともに、すすぎ水の節水効果も顕著になる
等、コスト及び省エネルギー面でも大きく寄与すること
ができる。

【００２２】電解槽では水に微量の電解質を添加してい
るため、短時間に電気分解できるとともに、イオン水吐
出口から出る、洗浄に使用するイオン水が、他のイオン
水より多くなるように配慮しているため、不要なイオン
水が少なくなり、水の使用量も少なくて済む。また、電
気分解用電極の自動洗浄機能を有するため、長期間、良
好な電解機能を維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の超音波洗浄槽の代表的構成を示す概要図
である。

【図２】本発明の代表的実施例を示す概要図である。

【図３】本発明の変形実施例を示す概要図である。

【符号の説明】

１…洗浄槽、２…洗浄液、３…被洗浄物、４…超音波振
動子、５…給水口、６…電解質、７…電解槽、８…イオ
ン水吐出口、９…イオン水、１０…振動板、１１…パッ
キン。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水に微量の電解質を添加して電気分解する
   電解槽を有し、その電解槽で生成した酸性及びアルカリ
   イオン水のうち、被洗浄物及び汚れに適した任意のイオ
   ン水で洗浄することを特徴とする超音波洗浄槽。
2. 【請求項２】洗浄液として供給するイオン水を生成する
   ための電気分解用電極数を、他方のイオン水を生成する
   ための電気分解用電極数より多くすることにより、洗浄
   液として供給するイオン水を他方のイオン水より多量に
   生成する機能を備えた電解槽を有することを特徴とする
   請求項１に記載の超音波洗浄槽。
3. 【請求項３】イオン水生成後、電気分解用電極の極性を
   イオン水生成時の逆にすることにより、電極を自動洗浄
   する機能を備えた電解槽を有することを特徴とする請求
   項１または請求項２に記載の超音波洗浄槽。