JP2001309934A - 眼内レンズ - Google Patents

眼内レンズ

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JP2001309934A
JP2001309934A JP2000133007A JP2000133007A JP2001309934A JP 2001309934 A JP2001309934 A JP 2001309934A JP 2000133007 A JP2000133007 A JP 2000133007A JP 2000133007 A JP2000133007 A JP 2000133007A JP 2001309934 A JP2001309934 A JP 2001309934A
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JP2000133007A
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Yasuhiro Hishinuma
泰宏 菱沼
Toshiyuki Nakajima
敏之 中島
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Canon Staar Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼の毛様体の伸縮に相当する微小な力で光学
部を光軸方向に容易に移動して近点から遠点の範囲に調
節域を持たせ、近方をも見易くする。 【解決手段】 中央に位置する所定径の光学部11と、
光学部11を眼内に保持する円弧状に湾曲された弾性変
形可能な一対の支持部12を備え、光学部11の周縁方
向の2箇所に外方へ突出する可撓性の結合片13が設け
られ、支持部12はその湾曲側が光学部11と対向する
ように配置され、この各支持部12の一端は対応する各
結合片13に埋め込み式に結合され、各支持部12の他
端側を内側方向へ毛様体の収縮・弛緩の圧縮力に相当す
る微小な力で圧縮することにより光学部11を近点から
遠点の範囲で光軸方向に移動するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼の水晶体を摘出
した後の水晶体の代わりに使用される人工の眼内レンズ
に関し、さらに詳しくは、眼の毛様体の伸縮に伴う微小
な圧縮力で光学部を視軸方向に容易に移動し、近方をも
見易くした眼内レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】白内障により水晶体を摘出した後の水晶
体の代わりに使用される眼内レンズには種々の構造のも
のが提案され、その一部は実用に供されている。以下、
図1ないし図3により従来の眼内レンズについて説明す
る。図1は従来における眼内レンズの説明用正面図、図
2は図1の矢印A方向から見た一部の拡大側面図であ
り、図3は従来における眼内レンズの他の説明用平面図
である。
【0003】図1に示す眼内レンズ1は、白内障により
摘出された水晶体の代わりに使用される水晶体嚢固定式
のもので、凸レンズの形を呈する所定径の光学部2と、
この光学部2を水晶体が摘出された後の水晶体嚢に安定
に保持するための線材からなる一対の支持部3を備え
る。支持部3は光学部2と別に成形され、光学部の成形
時に光学部2と一体的に結合される。また、これら光学
部2及び支持部3はそれぞれポリウレタン・エラストマ
ー、シリコン・エラストマー、ヒドロゲル・ポリマー等
の合成樹脂材から成形されている。
【0004】上記光学部2と支持部3の結合は、図1及
び図2に示すように、光学部2の周縁部の互いに180
度離れた箇所に平面視三角状の結合部4を光学部2の周
縁部から外方に向け水平に突設し、支持部3の一端部3
1を幅広に形成し、この一端部31を光学部2の弦方向
に結合部4の一端面41から光学部2の周縁部内に達す
る位置まで差し込み、さらに一端部31の先端に設けた
アンカー部32を光学部2の周縁部分内に埋設すること
で支持部3を光学部2に一体的に結合する構造になって
いる。また、支持部3の他端部33側は光学部2に対し
て反時計回り方向に所定の径に湾曲され、さらに一端部
31との境界部分から光学部2の平面に対して所定の角
度α折り曲げられた形になっている。
【0005】図3に示す眼内レンズ1は水晶体嚢固定式
のもので、光学部2と、この光学部2を水晶体が摘出さ
れた後の水晶体嚢に安定に保持する薄板形状の支持部3
を備え、この光学部2と支持部3は同一の合成樹脂材に
より一体成形されるものである。
【0006】ところで、眼内レンズは一般に単焦点であ
るため、この眼内レンズを白内障により摘出された水晶
体の代わりに使用した場合、見える範囲に限界がある。
そこで、眼内レンズの焦点が近方にも合うようにして近
点から遠点の範囲で、ある調節域を持たせれば、見える
範囲を広げることができる。この場合、眼内レンズの光
学部が微小な力で前方、すなわち近方にある新聞等に対
して近づく方向に移動し易いことが必要条件となる。以
下、眼内レンズが微小な力で前方移動し易いことを判断
するための測定方法について述べる。
【0007】上記判断を行うための測定項目及び試験方
法として、圧縮荷重試験とボールティング試験があり、
これらの試験は厚生省から示されている「眼内レンズの
機械的特性に関する資料」及び国際標準化機構(IS
O)に示されている方法に準拠する。各試験において検
体、即ち眼内レンズに対する圧縮方向は全て眼内レンズ
の長径方向(図1及び図2における両支持部3を含む方
向の径)とし、圧縮される前の長径が12.5mmである
眼内レンズ1を長径方向に10mm に圧縮した場合であ
る。圧縮荷重試験は、眼内レンズの長径を所定の径に圧
縮した時、その圧縮に要する荷重(gf)を測定するもの
である。この圧縮荷重試験は、図4に示すように、眼内
レンズ1の光学部2を治具5に固定し、片側の支持部3
を圧子6により矢印に示す長径方向に圧縮し、光学部2
の中心Oと圧子6間の距離Lが5mmになった時の荷重を
圧子6に設けたロードセル(図示省略)により測定する
ことで行われる。
【0008】また、ボールティング試験は、眼内レンズ
の長径を所定の径に圧縮した時、眼内レンズの光学部中
心が光軸方向へ移動した距離を測定するものである。こ
のボールティング試験は、図5(A)に示すように、左右
の治具7A、7B間に眼内レンズ1の両支持部3をセッ
トし、治具7A及び7Bの一方、例えば治具7Bを他方
の治具7Aに近づく方向に移動して、図5(B)に示すよ
うに、眼内レンズ1の長径が所定の径(10mm)になる
まで圧縮し、この時の光学部2の中心O’と圧縮しない
光学部2の中心O間の距離を移動量dとして測定するこ
とで行われる。
【0009】次に、図1及び図3に示す従来の眼内レン
ズ1について、上述の圧縮荷重試験及びボールティング
試験を行った時の測定結果について述べる。図1に示す
従来の眼内レンズ1について、圧縮荷重試験を行った時
の圧縮荷重は約0.6gfであり、 また、ボールティン
グ試験を行った時の光学部2の移動量dは約0.7mmで
あった。図3に示す従来の眼内レンズ1について、圧縮
荷重試験を行った時の圧縮荷重は約3.5gfであり、
また、 ボールティング試験を行った時の光学部2の移
動量dは約1.5mmであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記図1に示す従来の
眼内レンズ1では、その圧縮荷重試験及びボールティン
グ試験による測定結果から明らかなように、 約0.6g
fという微小な圧縮荷重で眼内レンズ1の支持部3を圧
縮することができるが、圧縮時の光学部2の移動量は約
0.7mmと小さいため、 この眼内レンズ1を水晶体嚢に
挿着して使用しても、光学部2の前方移動による調節機
能で近方が見易くなるという補償はほとんど望めない。
また、図1に示す従来の単焦点眼内レンズ1では、眼を
細めたり瞳孔を小さくすることにより眼内レンズの焦点
深度を深くすれば、ある程度の近方を見易くすることが
可能であるものの、単焦点である限り、近方を見易くす
るのに限界がある。したがって、図1の眼内レンズ1は
水晶体の機能の1つである視力の回復を可能にすること
に止まっていた。
【0011】また、図3に示す従来の眼内レンズ1で
は、その圧縮荷重試験およびボールティング試験による
測定結果から明らかなように、圧縮時の光学部2の移動
量は、1.5mmと比較的大きくできるため、 光学部2の
前方移動により近方を見易くすることが可能になるが、
この移動量を得るには3.5gfの圧縮荷重が必要にな
るため、この眼内レンズ1を水晶体嚢に挿着して使用し
ても、光学部2の移動量1.5mmを得るための圧縮力を
眼の毛様体等に発生させることが不可能である。したが
って、光学部2の前方移動による調節機能で近方が見易
くなるという補償はほとんど望めない。すなわち、図1
及び図3に示す眼内レンズは、これが眼の水晶体嚢など
に挿着されて支持部3が長径方向に圧縮された場合、そ
の光学部2が光軸方向に移動しないように支持部3と光
学部2との結合部分の剛性を高め、かつ圧縮力が支持部
3で吸収する構造になっているため、光学部2を光軸方
向に積極的に移動して近点から遠点の範囲に調節域を持
たせことができない。
【0012】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、その目的は、眼の毛様体の伸縮に相当する微小な
力で光学部を光軸方向に容易に移動して近点から遠点の
範囲に調節域を持たせ、近方をも見易くした眼内レンズ
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の眼内レンズは、中央に位置する所定径の光
学部と、前記光学部を眼内に保持する円弧状に湾曲され
た弾性変形可能な複数の支持部を備え、前記光学部の周
縁方向の複数箇所に外方へ突出する可撓性の結合片が設
けられ、前記支持部はその湾曲側が前記光学部と対向す
るように配置され、この各支持部の一端は対応する前記
各結合片に埋め込み式に結合され、前記各支持部の他端
側を内側方向へ毛様体の収縮・弛緩の圧縮力に相当する
微小な力で圧縮することにより前記光学部を近点から遠
点の範囲で光軸方向に移動するように構成したことを特
徴とする。本発明はまた、前記結合片に対する前記支持
部の埋め込み長さが、該支持部の埋め込み先端が前記光
学部の周縁に僅かにかかる程度の長さであることを特徴
とする。本発明はまた、前記結合片に対する前記支持部
の埋め込み長さが、該支持部の埋め込み先端が前記光学
部の周縁より外側に位置する長さであることを特徴とす
る。本発明はまた、前記結合片に対する前記支持部の埋
め込み長さが、該支持部の埋め込み先端が前記光学部の
周縁に達する長さにするとともに、その埋め込み先端を
光学部の周縁に沿って斜めにカットしたことを特徴とす
る。本発明はまた、前記支持部の埋め込み先端に前記結
合片に埋め込まれたアンカーが設けられていることを特
徴とする。
【0014】また本発明は、中央に位置する所定径の光
学部と、前記光学部を眼内に保持する円弧状に湾曲され
た弾性変形可能な複数の支持部を備え、前記光学部の周
縁方向の複数箇所に外方へ突出する可撓性の結合片が設
けられ、前記支持部はその湾曲側が前記光学部と対向す
るように配置され、この各支持部の一端は対応する前記
各結合片に埋め込み式に結合される眼内レンズであっ
て、厚生省通達及び国際標準化機構に準拠した機械的特
性試験において、機能試験であるボールティング試験に
おける移動量が1.5mm以上で、かつ強度試験である圧
縮荷重試験における支持部の圧縮力が0.3gf以上1.
0gf以下であることを特徴する。
【0015】本発明においては、各支持部の他端側を内
側方向へ毛様体の収縮・弛緩の圧縮力に相当する微小な
力で圧縮することにより光学部を近点から遠点の範囲で
光軸方向に移動することができる。したがって、近点か
ら遠点の範囲で調節力を有する眼内レンズを提供できる
とともに、単焦点光学部の焦点を近方に合わせ、近方を
見易くすることが可能になる。また、本発明において
は、支持部を0.3gf以上1.0gf以下の圧縮力で圧
縮した時の光学部の光軸方向の移動量が1.5mm 以上と
なるようにすることにより、毛様体の収縮・弛緩の圧縮
力に相当する微小な力で光学部を光軸方向に容易に移動
して近点から遠点の範囲に調節域を持たせ、単焦点の光
学部で近方をも見易くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図6及び図7により本発明の第1
の実施の形態について説明する。図6は本発明の第1の
実施の形態における眼内レンズの正面図、図7は図6の
矢印B方向から見た側面図である。図6及び図7におい
て、眼内レンズ10は白内障により摘出された水晶体の
代わりに使用される水晶体嚢固定式の眼内レンズであ
り、この眼内レンズ10は、ポリウレタン・エラストマ
ー、シリコン・エラストマー、ヒドロゲル・ポリマー等
の合成樹脂材からなる凸レンズの形を呈する所定径の光
学部11と、この光学部11を水晶体が摘出された後の
水晶体嚢に安定に保持するための一対の支持部12を備
える。
【0017】支持部12は、可撓性の所望長さの合成樹
脂性の線材を円弧状に湾曲された形に成形され、その一
端には、他の部分より幅広にした結合部121が設けら
れている。また、光学部11の周縁部の互いに180度
離れた箇所には、平面視三角状の結合片13が光学部1
1の周縁部から外方に向け水平に突設されている。各支
持部12はその湾曲側が光学部11と対向するように配
置され、この各支持部12の結合部121は対応する結
合片13に、その一端面131から光学部11の弦方向
に差し込まれた状態に埋め込むことにより、支持部12
を光学部11に一体的に結合する構成になっている。な
お、この埋め込み結合は光学部11の成形時に行われ
る。また、結合片13に結合された支持部12は、光学
部11の平面に対して所定の角度β傾斜された形になっ
ている。
【0018】眼内レンズ10の光学部11を微小な力で
光軸方向に移動し易くするために、光学部11の結合片
13の肉厚を光学部11の周縁部の肉厚にし、かつ必要
に応じて光学部11の周縁部と結合片13との境界部分
132を他より薄肉に形成する。そして、光学部11の
結合片13に対する支持部12の結合部121の埋め込
み長さを、図6に示すように結合部121の埋め込み先
端が光学部11の周縁部に僅かにかかる程度する。すな
わち、支持部12の結合部121が結合片13を貫通し
て光学部11内に達しない構造にすることにより、結合
片13の変形の自由度が大きくして、支持部12の圧縮
に伴う光学部11の光軸方向の移動をし易くする。
【0019】上記のように構成された眼内レンズ10に
おいて、上記図4及び図5に示す圧縮荷重試験及びボー
ルティング試験を行った時の測定結果について述べる。
図6に示す眼内レンズ10について、圧縮荷重試験を行
った時の支持部12に対する圧縮荷重は約0.442g
fであり、 また、ボールティング試験を行った時の光
学部11の移動量は約1.549mmであった。このこと
は、光学部11に対する支持部12の結合部121の埋
め込み量が結合片13内に止まり、結合片13の変形の
自由度が大きいため、圧縮荷重の小さい、かつ移動量の
大きい眼内レンズとなる。したがって、この眼内レンズ
10を水晶体が摘出された後の水晶体嚢内に挿着し、遠
点または近点を見る時に毛様体を収縮または弛緩させれ
ば、この毛様体の収縮または弛緩に応じて眼内レンズ1
0の支持部12に対する圧縮力が変化し、これに応じて
眼内レンズの光学部11を光軸方向に容易に移動できる
から、近点から遠点の範囲で調節力を有する眼内レンズ
を提供できるとともに、単焦点光学部11の焦点を近方
に合わせることが可能になる。
【0020】図8は、上記眼内レンズ10を眼の水晶体
が摘出された後の水晶体嚢内に挿着した状態を示す説明
図である。図8において、21は角膜、22は強膜、2
3は前眼房、24は虹彩、25は瞳孔、26は後眼房、
27は毛様体、28は毛様体27に毛様体小帯29を介
して連接された水晶体嚢であり、この水晶体嚢28は後
嚢281と前嚢282から構成され、前嚢282の虹彩
24および瞳孔25と対向する領域は切除されている。
20は硝子体である。眼内レンズ10は、その支持部1
2を後嚢281と前嚢282の連接箇所に内接する形で
係合することにより水晶体嚢28内に保持され固定され
る。かかる状態で遠方を見ると、毛様体28の弛緩で生
じる圧縮力が眼内レンズ10の支持部12に作用して支
持部12が圧縮され、光学部11は図8の実線に示す位
置に移動し、この位置に保持される。また、この状態で
近方を見ると毛様体28が収縮するため、眼内レンズ1
0の支持部12に作用する圧縮力が低下し、これに伴い
光学部11は図8の破線に示す位置に前方移動される。
これにより、光学部11の焦点が近方に合わされ、近方
を見易くすることができる。
【0021】次に、図9により本発明の第2の実施の形
態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態
における眼内レンズの正面図である。図9において、図
6と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明
を省略し、図6と異なる部分について説明する。図9か
ら明らかなように、光学部11の結合片13に対する支
持部12の結合部121の埋め込み長さを、結合部12
1の埋め込み先端が光学部11の周縁部近傍に達する長
さにするとともに、その埋め込み先端を光学部11の周
縁に沿って斜めにカットしたところにある。
【0022】このように構成された第2の実施の形態に
おける眼内レンズ10において、上記図4及び図5に示
す圧縮荷重試験及びボールティング試験を行った時の測
定結果について述べる。図9に示す眼内レンズ10につ
いて、圧縮荷重試験を行った時の支持部12に対する圧
縮荷重は約0.347gfであり、 また、ボールティン
グ試験を行った時の光学部11の移動量は約2.149m
mであった。この第2の実施の形態における眼内レンズ
10の圧縮荷重は、上記第1の実施の形態に示す眼内レ
ンズの圧縮荷重より更に小さくでき、かつ光学部11の
移動量も第1の実施の形態に示すものよりも更に大きく
できる。したがって、第2の実施の形態によれば、眼内
における微小な力により眼内レンズが水晶体嚢内の安定
した位置から、より前方に動し易くなり、これにより、
近方に光学部の焦点を合わせることが容易になり、近点
から遠点の範囲で調節力を有する眼内レンズを提供でき
る。
【0023】次に、図10により本発明の第3の実施の
形態について説明する。図10は本発明の第3の実施の
形態における眼内レンズの正面図である。図10におい
て、図6と同一の構成要素には同一符号を付してその構
成説明を省略し、図6と異なる部分について説明する。
図10から明らかなように、光学部11の結合片13に
対する支持部12の結合部121の埋め込み長さを、結
合部121の埋め込み先端が光学部11の周縁より外側
に位置する長さにしたところにある。
【0024】このように構成された第3の実施の形態に
おける眼内レンズ10におい 、上記図4及び図5に示
す圧縮荷重試験及びボールティング試験を行った時の測
定結果について述べる。図10に示す眼内レンズ10に
ついて、圧縮荷重試験を行った時の支持部12に対する
圧縮荷重は約0.312gfであり、 また、ボールティ
ング試験を行った時の光学部11の移動量は約2.20
2mmであった。この第3の実施の形態における眼内レン
ズ10の圧縮荷重は、上記第1の実施の形態に示す眼内
レンズの圧縮荷重より更に小さくでき、かつ光学部11
の移動量も第1の実施の形態に示すものよりも更に大き
くできる。したがって、第3の実施の形態によれば、眼
内における微小な力により眼内レンズが水晶体嚢内の安
定した位置から、より前方に動し易くなり、これによ
り、近方に光学部の焦点を合わせることが容易になり、
近点から遠点の範囲で調節力を有する眼内レンズを提供
できる。
【0025】次に、図11により本発明の第4の実施の
形態について説明する。図11は本発明の第4の実施の
形態における眼内レンズの正面図である。図11におい
て、図6と同一の構成要素には同一符号を付してその構
成説明を省略し、図6と異なる部分について説明する。
図11から明らかなように、支持部12の埋め込み先端
に結合片13に埋め込まれたアンカー14を設けたとこ
ろにある。このような本発明の第4の実施の形態におい
ては、第1の実施の形態と同様な作用効果が得られるほ
か、アンカー14を設けることにより、結合片13に対
する支持部12の結合強度を向上できる。
【0026】なお、本発明の眼内レンズ10における光
学部11と支持部12との結合構造は、上記図6、図9
および図10に示す構成のものに限定されず、また、支
持部12に対する圧縮荷重及び光学部11の移動量も上
記各実施の形態で述べた数値に限定されない。要は、厚
生省通達及び国際標準化機構に準拠した眼内レンズ機械
的特性試験において、機能試験であるボールティング試
験における移動量が1.5mm以上、かつ強度試験である
圧縮荷重試験における支持部の圧縮力が0.3gf以上
1.0gf以下である眼内レンズが得られるように、 す
なわち、支持部12を眼内レンズ10の長径方向に0.
3gf以上1.0gf以下の圧縮力で圧縮した時の光学
部11の光軸方向の移動量が1.5mm以上となるように、
支持部12の材質・圧縮性能及び光学部11と支持部1
2とを結合する結合片13の構造・変形性能、及び結合
片13に対する支持部12の結合部121の埋め込み構
造を種々に変更することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の眼内レンズ
によれば、各支持部の他端側を内側方向へ毛様体の収縮
・弛緩の圧縮力に相当する微小な力で圧縮することによ
り光学部を近点から遠点の範囲で光軸方向に移動するこ
とができ、これにより、近点から遠点の範囲で調節力を
有する眼内レンズを提供できるとともに、単焦点光学部
の焦点を近方に合わせ、近方を見易くすることが可能に
なる。また、本発明によれば、支持部を0.3gf以上
1.0gf以下の圧縮力で圧縮した時の光学部の光軸方
向の移動量が1.5mm以上となるようにすることによ
り、毛様体の収縮・弛緩の圧縮力に相当する微小な力で
光学部を光軸方向に容易に移動して近点から遠点の範囲
に調節域を持たせ、単焦点の光学部で近方をも見易くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における眼内レンズの説明用正面図であ
る。
【図2】図1の矢印A方向から見た一部の拡大側面図で
ある。
【図3】従来における眼内レンズの他の説明用平面図で
ある。
【図4】支持部片側圧縮法を用いた眼内レンズの圧縮荷
重試験の説明図である。
【図5】(A)及び(B)は眼内レンズの圧縮によるボール
ティング試験の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における眼内レンズ
の正面図である。
【図7】図6の矢印B方向から見た側面図である。
【図8】本発明の眼内レンズを眼の水晶体が摘出された
後の水晶体嚢内に挿着した状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における眼内レンズ
の正面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における眼内レン
ズの正面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における眼内レン
ズの正面図である。
【符号の説明】
10 眼内レンズ 11 光学部 12 支持部 13 結合片 14 アンカー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に位置する所定径の光学部と、前記
    光学部を眼内に保持する円弧状に湾曲された弾性変形可
    能な複数の支持部を備え、前記光学部の周縁方向の複数
    箇所に外方へ突出する可撓性の結合片が設けられ、前記
    支持部はその湾曲側が前記光学部と対向するように配置
    され、この各支持部の一端は対応する前記各結合片に埋
    め込み式に結合され、 前記各支持部の他端側を内側方向へ毛様体の収縮・弛緩
    の圧縮力に相当する微小な力で圧縮することにより前記
    光学部を近点から遠点の範囲で光軸方向に移動するよう
    に構成したことを特徴とする眼内レンズ。
  2. 【請求項2】 前記結合片に対する前記支持部の埋め込
    み長さは、該支持部の埋め込み先端が前記光学部の周縁
    に僅かにかかる程度の長さであることを特徴とする請求
    項1記載の眼内レンズ。
  3. 【請求項3】 前記結合片に対する前記支持部の埋め込
    み長さは、該支持部の埋め込み先端が前記光学部の周縁
    より外側に位置する長さであることを特徴とする請求項
    1記載の眼内レンズ。
  4. 【請求項4】 前記結合片に対する前記支持部の埋め込
    み長さは、該支持部の埋め込み先端が前記光学部の周縁
    に達する長さにするとともに、その埋め込み先端を光学
    部の周縁に沿って斜めにカットしたことを特徴とする請
    求項1記載の眼内レンズ。
  5. 【請求項5】 前記支持部の埋め込み先端に前記結合片
    に埋め込まれたアンカーが設けられていることを特徴と
    する請求項2ないし4の何れか1項に記載の眼内レン
    ズ。
  6. 【請求項6】 中央に位置する所定径の光学部と、前記
    光学部を眼内に保持する円弧状に湾曲された弾性変形可
    能な複数の支持部を備え、前記光学部の周縁方向の複数
    箇所に外方へ突出する可撓性の結合片が設けられ、前記
    支持部はその湾曲側が前記光学部と対向するように配置
    され、この各支持部の一端は対応する前記各結合片に埋
    め込み式に結合される眼内レンズであって、 厚生省通達及び国際標準化機構に準拠した機械的特性試
    験において、機能試験であるボールティング試験におけ
    る移動量が1.5mm以上で、かつ強度試験である圧縮
    荷重試験における支持部の圧縮力が0.3gf以上1.
    0gf以下であることを特徴する眼内レンズ。
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