JP2001309669A - 電圧形インバータ装置の欠相検出方法とその回路 - Google Patents

電圧形インバータ装置の欠相検出方法とその回路

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JP2001309669A JP2000118828A JP2000118828A JP2001309669A JP 2001309669 A JP2001309669 A JP 2001309669A JP 2000118828 A JP2000118828 A JP 2000118828A JP 2000118828 A JP2000118828 A JP 2000118828A JP 2001309669 A JP2001309669 A JP 2001309669A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】三相出力の電圧形インバータ装置の出力欠相状
態を検出する欠相検出方法とその回路を提供する。 【解決手段】インバータ主回路2から電動機6への経路
それぞれにCT3〜5を備え、比較演算回路21〜23
と、極性演算回路31〜33と、AND回路34〜36
と、判定演算回路50とからなる欠相検出回路を設け、
CT3〜5の検出値の零点通過点近傍にAND回路34
〜36により生成されるパルス幅を計測し、この計測値
が所定の値を越えたことを判定演算回路50で検知し、
欠相信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体電力変換
回路などで形成される三相出力の電圧形インバータ装置
の出力欠相状態を検出する欠相検出方法とその回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】図15は、三相出力のインバータ装置に
おけるこの種の欠相検出回路の従来例を示す回路構成図
である。
【0003】図15において、1は整流電源などの直流
電源、2はトランジスタとダイオードとの逆並列回路を
3相ブリッジ接続してなるインバータ主回路、3〜5は
インバータ主回路2の各相の出力電流を検出するCT、
6は負荷としての電動機、11はインバータ主回路2の
出力周波数指令値ω* を指令する周波数設定器、12は
前記出力周波数指令値ω* に基づくインバータ主回路2
の出力電圧指令値(直流量)V* を導出するF/V変換
器、13は前記出力周波数指令値ω* と出力電圧指令値
* とから各相のPWM電圧指令(交流量)を演算する
PWM電圧指令演算器、14は前記各相のPWM電圧指
令を信号波とするPWM演算を行ない、この演算結果に
基づきインバータ主回路2を構成するそれぞれの前記ト
ランジスタをオン,オフさせるPWMパルス演算器であ
る。
【0004】以下に、全波整流器,コンパレータ素子な
どからなる比較演算回路21〜23と、OR回路24
と、AND回路25と、判定演算回路26とからなる従
来の欠相検出回路の動作を、図16に示した波形図を参
照しつつ、説明する。
【0005】図16において、(イ)はCT3〜5が検
出した各相の出力電流波形を示し、(ロ)はCT3の検
出値の絶対値がしきい値以下になったときに論理「H」
レベルを出力する比較演算回路21の出力波形を示し、
(ハ)はCT4の検出値の絶対値がしきい値以下になっ
たときに論理「H」レベルを出力する比較演算回路22
の出力波形を示し、(ニ)はCT5の検出値の絶対値が
しきい値以下になったときに論理「H」レベルを出力す
る比較演算回路23の出力波形を示し、(ホ)はAND
回路25の論理レベルでの出力波形を示している。
【0006】すなわち、図16(イ)に示す如き太実線
の検出電流では比較演算回路21〜23,AND回路2
5それぞれの出力も図16(ロ)〜(ホ)の太実線の如
くになり、従って、判定演算回路26を構成するパルス
幅計測回路26aではAND回路25の論理「H」レベ
ルの期間を計測し、この計測時間と、判定演算回路26
を構成する判定値設定器26bの設定時間とを判定演算
回路26を構成する比較回路26cで比較し、前記計測
時間≧設定時間ならば、欠相信号を出力する。
【0007】このとき、AND回路25に入力されてい
る前記出力周波数指令値ω* と出力電圧指令値V* とは
この電圧形インバータ装置が動作可能な最小値以上であ
ること、すなわち、この電圧形インバータ装置が運転中
には双方共に論理「H」レベルにある。また、前記設定
時間は前記出力周波数指令値ω* の可変範囲に基づく値
とし、さらに、比較演算回路21〜23における前記し
きい値は、可能な限り零に近いことが望ましい。
【0008】図16では図示しないがインバータ主回路
2を構成する前記逆並列回路の不具合,負荷6への接続
線の断線などにより、いずれか1相が欠相状態になる
と、この相に基づくAND回路25の出力の論理「H」
レベルの期間が長くなり、その結果、前記計測時間≧設
定時間の条件が成立し、欠相信号を出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の欠相検出
回路によると、CT3〜5の検出電流が小さいとき、例
えば図16(イ)における正弦波状の破線の場合に、比
較演算回路21〜23,AND回路25それぞれの出力
も図16(ロ)〜(ホ)の破線の如くになり、従って、
AND回路25の出力は論理「H」レベルの期間を継続
し、その結果、判定演算回路26は、この電圧形インバ
ータ装置が正常動作にも係わらず、欠相信号を出力する
こととなる。
【0010】従来は上述の誤動作の対策として、比較演
算回路21〜23における前記しきい値を、上述の如く
可能な限り零に近づけることが行われているが、例え
ば、インバータ主回路2がPWM制御されていることな
どからそれぞれの出力電流にリプル成分が重畳し、この
リプル成分を低減するフィルタをCT3〜5の検出値に
介しても、限界があった。
【0011】また、インバータ主回路2が出力する周波
数が高いときに、先述のPWM演算の際に前記周波数の
正弦波に対する分解能が粗くなって、出力電流のリプル
成分が増大し、本来の出力電流の零点通過時以外の区間
でも該出力電流が零に近い値となることがあり、その結
果、この電圧形インバータ装置が正常動作にも係わら
ず、欠相信号を出力することがあった。
【0012】この発明の目的は、上述の低電流領域及び
高い出力周波数領域での誤動作を解消した電圧形インバ
ータ装置の欠相検出方法とその回路を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この第1の発明は、三相
出力の電圧形インバータ装置の出力欠相状態を検出する
欠相検出方法において、前記電圧形インバータ装置の各
相の出力電流それぞれの絶対値を監視し、この絶対値を
監視している相それぞれに対応した残りの相の前記出力
電流が互いに異なる極性のときに、該監視している相の
絶対値がしきい値以下の期間をそれぞれ計測し、この計
測値に基づいて、前記電圧形インバータ装置の各相出力
の内、いずれか1相が欠相したか否かを判定することを
特徴とする。
【0014】第2の発明は、三相出力の電圧形インバー
タ装置の出力欠相状態を検出する欠相検出回路におい
て、前記電圧形インバータ装置の各相の出力電流それぞ
れの絶対値がしきい値以下になったときに出力する3組
の比較演算回路と、前記各相の出力電流の内、いずれか
2つの相の出力電流が互いに異なる極性のときに出力す
る3組の極性監視回路と、前記各相の比較演算回路のい
ずれか1つの出力と、この比較演算回路とは異なった相
の極性監視回路の出力とが入力される3組の主AND回
路と、前記主AND回路それぞれの出力値に基づき前記
電圧形インバータ装置の各相出力の内、いずれか1相が
欠相したことを判定し、欠相信号を出力する判定演算回
路とを備えたことを特徴とする。
【0015】第3の発明は、三相出力の電圧形インバー
タ装置の出力欠相状態を検出する欠相検出回路におい
て、前記電圧形インバータ装置の各相の出力電流それぞ
れの絶対値がしきい値以下になったときに出力する3組
の比較演算回路と、前記各相の出力電流の内、いずれか
2つの相の出力電流が互いに異なる極性のときに出力す
る3組の極性監視回路と、前記各相の比較演算回路のい
ずれか1つの出力と、この比較演算回路とは異なった相
の極性監視回路の出力とが入力される3組の従AND回
路と、前記従AND回路の出力値それぞれを反転する3
組のINV回路と、前記従AND回路のいずれか1つの
出力と、この従AND回路とは異なった従AND回路に
接続された前記INV回路それぞれの出力とが入力され
る3組の主AND回路と、前記主AND回路それぞれの
出力値に基づき前記電圧形インバータ装置の各相出力の
内、いずれか1相が欠相したことを判定し、欠相信号を
出力する判定演算回路とを備えたことを特徴とする。
【0016】第4の発明は、前記第2又は第3の発明の
電圧形インバータ装置の欠相検出回路において、前記判
定演算回路には、前記主AND回路それぞれの出力パル
ス幅を計測する3組のパルス幅計測回路と、予め定める
計測時間判定値を設定する判定値設定器と、前記それぞ
れの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判定値を越え
たか否かを判定する3組の比較回路とを備えたことを特
徴とする。
【0017】第5の発明は、前記第2又は第3の発明の
電圧形インバータ装置の欠相検出回路において、前記判
定演算回路には、前記主AND回路それぞれの出力パル
ス幅を計測する3組のパルス幅計測回路と、前記インバ
ータ装置の出力周波数指令値に基づく計測時間判定値を
設定する判定値設定器と、前記それぞれの出力パルス幅
の計測値が前記計測時間判定値を越えたか否かを判定す
る3組の比較回路とを備えたことを特徴とする。
【0018】第6の発明は、前記第2又は第3の発明の
電圧形インバータ装置の欠相検出回路において、前記判
定演算回路には、前記主AND回路それぞれの出力パル
ス幅を計測する3組のパルス幅計測回路と、予め定める
計測時間判定値を設定する第1判定値設定器と、前記そ
れぞれの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判定値を
越えたときに出力する3組の第1比較回路と、前記第1
比較回路それぞれが出力した回数を積算する3組の積算
回路と、予め定める積算回数判定値を設定する第2判定
値設定器と、前記積算回路それぞれの積算値が前記積算
回数判定値を越えたか否かを判定する3組の第2比較回
路とを備えたことを特徴とする。
【0019】第7の発明は、前記第2又は第3の発明の
電圧形インバータ装置の欠相検出回路において、前記判
定演算回路には、前記主AND回路それぞれの出力パル
ス幅を計測する3組のパルス幅計測回路と、前記インバ
ータ装置の出力周波数指令値に基づく計測時間判定値を
設定する第1判定値設定器と、前記それぞれの出力パル
ス幅の計測値が前記計測時間判定値を越えたときに出力
する3組の第1比較回路と、前記第1比較回路それぞれ
が出力した回数を積算する3組の積算回路と、前記イン
バータ装置におけるPWM演算の際の分解能に基づく積
算回数判定値を設定する第2判定値設定器と、前記積算
回路それぞれの積算値が前記積算回数判定値を越えたか
否かを判定する3組の第2比較回路とを備えたことを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施の
形態を示す電圧形インバータ装置の欠相検出回路の回路
構成図であり、図15に示した従来例回路と同一機能を
有するものには同一符号を付している。
【0021】すなわち、図1に示した欠相検出回路には
比較演算回路21〜23と、極性演算回路31〜33
と、主AND回路としてのAND回路34〜36と、判
定演算回路50又は判定演算回路60のいずれかとを備
えている先ず、コンパレータ素子,排他的OR素子など
からなる極性演算回路31〜33の動作を、図2に示す
動作特性図を参照しつつ、以下に説明する。
【0022】図2において、縦軸と横軸とはCT3〜5
のいずれか2つの検出値に対応し、それぞれの極性演算
回路は縦軸,横軸の双方が同極性のとき、又は双方の絶
対値が零点近傍のときに論理「L」レベルを出力し、双
方の極性が互いに異なるときに論理「H」レベルを出力
する。
【0023】次に、比較演算回路21〜23,極性演算
回路31〜33,AND回路34〜36におけるこの電
圧形インバータ装置の通常時の動作を、図3に示す動作
波形図を参照しつつ、以下に説明する。
【0024】図3において、(イ)はこの電圧形インバ
ータ装置の各相の出力電流を示し、また、(ロ)〜
(ヌ)は比較演算回路21〜23,極性演算回路31〜
33,AND回路34〜36それぞれの論理レベルの出
力波形を示す。
【0025】すなわち、図3(イ)に示す如き太実線の
検出電流では比較演算回路21〜23,極性演算回路3
1〜33,AND回路34〜36それぞれの出力も図3
(ロ)〜(ヌ)の太実線の如くになり、また、CT3〜
5の検出電流が小さいとき、例えば図3(イ)における
正弦波状の破線の場合に、比較演算回路21〜23,極
性演算回路31〜33,AND回路34〜36それぞれ
の出力も図3(ロ)〜(ヌ)の破線の如くになる。
【0026】図3の波形図からも明らかなように、CT
3〜5の検出電流が図3(イ)の破線より小さいときに
は、例えば、比較演算回路21の出力の論理「H」レベ
ルの期間が広がるが、極性演算回路32の出力の論理
「H」レベルの期間が狭くなり、AND回路34の出力
もこのときの比較演算回路21の論理「H」レベルの期
間より狭くなる。また、CT3〜5の検出電流が更に小
さくなると、極性演算回路32の図2に示した特性によ
り、AND回路34の論理「H」レベルの期間がやがて
消滅する。
【0027】すなわち、この電圧形インバータ装置の通
常動作時には、AND回路34〜36それぞれの論理
「H」レベルの期間は60°(電気角)以下である。
【0028】更に、比較演算回路21〜23,極性演算
回路31〜33,AND回路34〜36におけるこの電
圧形インバータ装置の出力欠相状態の動作を、図4に示
す動作波形図を参照しつつ、以下に説明する。
【0029】図4はCT5が設置されている相が欠相状
態の波形図を示し、従って、CT3とCT4とには互い
に逆極性に電流が流れ、図4(イ)に示す如き太実線の
検出電流では比較演算回路21〜23,極性演算回路3
1〜33,AND回路34〜36それぞれの出力も図4
(ロ)〜(ヌ)の太実線の如くになり、また、CT3〜
5の検出電流が小さいとき、例えば図4(イ)における
正弦波状の破線の場合に、比較演算回路21〜23,極
性演算回路31〜33,AND回路34〜36それぞれ
の出力も図4(ロ)〜(ヌ)の破線の如くになる。
【0030】図4の波形図からも明らかなように、CT
3,4の検出電流が図4(イ)の破線より小さいときに
は、極性演算回路31の出力の論理「H」レベルの期間
が狭くなり、従って、AND回路36の出力の論理
「H」レベルの期間も狭くなる。また、CT3,4の検
出電流が更に小さくなると、極性演算回路31の図2に
示した特性により、AND回路36の論理「H」レベル
の期間がやがて消滅する。
【0031】図5は判定演算回路50の詳細回路構成図
であり、51〜53はパルス幅計測回路、54は判定値
設定器、55〜57は比較回路、58はOR素子を示
す。
【0032】この判定演算回路50において、図3に示
したAND回路34〜36の波形では不動作、図4に示
したAND回路34〜36の波形では動作するために
は、パルス幅計測回路51〜53それぞれの計測値が6
0°(電気角)を越えた値(例えば、120°)を判定
値設定回路54で設定し、これを計測時間判定値として
比較回路55〜57でそれぞれ比較し、いずれかの比較
回路が動作し論理「H」レベルとなったときに、OR素
子58を介して欠相信号を出力する。
【0033】図6は判定演算回路60の詳細回路構成図
であり、この判定演算回路60が図5に示した判定演算
回路50と異なる点は、比較回路51〜53それぞれを
第1比較回路とし、判定値設定器54とOR素子58と
が削除され、代わりに、判定値設定器54と同一機能の
第1判定値設定器61と、積算回路62〜64と、第2
判定値設定器65と、第2比較回路としての比較回路6
6〜68と、OR素子69とを備えている。
【0034】この判定演算回路60において、図3に示
したAND回路34〜36の波形では不動作、図4に示
したAND回路34〜36の波形では動作するために
は、パルス幅計測回路51〜53それぞれの計測値が6
0°(電気角)を越えた値(例えば、120°)を第1
判定値設定回路61で設定し、これを計測時間判定値と
して比較回路55〜57でそれぞれ比較し、この電圧形
インバータ装置の出力周波数の1サイクルの間に前記計
測値≧前記計測時間判定値になった回数を積算回路62
〜64で積算し、積算回路62〜64それぞれの積算値
が第2判定値設定回路65で設定される積算回数判定値
(例えば、出力周波数の3サイクル間に5回)を越えた
か否かを比較回路66〜68でそれぞれ判定し、比較回
路66〜68のいずれかが動作し論理「H」レベルにな
ったときに、OR素子69を介して欠相信号を出力す
る。
【0035】図7は、この発明の第2の実施の形態を示
す電圧形インバータ装置の欠相検出回路の回路構成図で
あり、図1に示した第1実施形態回路と同一機能を有す
るものには同一符号を付している。
【0036】すなわち、図7に示した欠相検出回路には
比較演算回路21〜23と、極性演算回路31〜33
と、主AND回路としてのAND回路34〜36と、判
定演算回路70とを備えている 図8は判定演算回路70の詳細回路構成図であり、図5
に示した判定演算回路50と同一機能を有するものには
同一符号を付している。
【0037】すなわち図8において、51〜53はパル
ス幅計測回路、55〜57は比較回路、58はOR素
子、71は判定値設定器を示す。
【0038】この判定演算回路70において、図3に示
したAND回路34〜36の波形では不動作、図4に示
したAND回路34〜36の波形では動作するために
は、パルス幅計測回路51〜53それぞれの計測値が1
20°(電気角)に相当する値をこの電圧形インバータ
装置の出力周波数指令値ω* に連動して、判定値設定回
路71で設定し、これを計測時間判定値として比較回路
55〜57でそれぞれ比較し、いずれかの比較回路が動
作し論理「H」レベルとなったときに、OR素子58を
介して欠相信号を出力する。
【0039】すなわち、図7に示した回路構成では、こ
の電圧形インバータ装置の出力周波数指令値ω* に連動
して欠相検出回路70が動作するので、欠相状態の発生
を遅滞なく検出することができる。
【0040】図9は、この発明の第3の実施の形態を示
す電圧形インバータ装置の欠相検出回路の回路構成図で
あり、図1に示した第1実施形態回路と同一機能を有す
るものには同一符号を付している。
【0041】すなわち、図9に示した欠相検出回路には
比較演算回路21〜23と、極性演算回路31〜33
と、従AND回路としてのAND回路34〜36と、I
NV回路37〜39と、主AND回路としてのAND回
路40〜42と、判定演算回路50又は判定演算回路6
0のいずれかとを備えている先ず、比較演算回路21〜
23,極性演算回路31〜33,AND回路34〜3
6,INV回路37〜39,AND回路40〜42にお
けるこの電圧形インバータ装置の通常時の動作を、図1
0に示す動作波形図を参照しつつ、以下に説明する。
【0042】図10において、(イ)はこの電圧形イン
バータ装置の各相の出力電流を示し、また、(ロ)〜
(ワ)は比較演算回路21〜23,極性演算回路31〜
33,AND回路34〜36,AND回路40〜42そ
れぞれの論理レベルの出力波形を示す。
【0043】すなわち、図10(イ)に示す如き太実線
の検出電流では比較演算回路21〜23,極性演算回路
31〜33,AND回路34〜36,AND回路40〜
42それぞれの出力も図10(ロ)〜(ワ)の太実線の
如くになり、また、CT3〜5の検出電流が小さいと
き、例えば図10(イ)における正弦波状の破線の場合
に、比較演算回路21〜23,極性演算回路31〜3
3,AND回路34〜36,AND回路40〜42それ
ぞれの出力も図10(ロ)〜(ワ)の破線の如くにな
る。
【0044】図10の波形図からも明らかなように、C
T3〜5の検出電流が図10(イ)の破線より小さいと
きには、例えば、比較演算回路21の出力の論理「H」
レベルの期間が広がるが、極性演算回路32の出力の論
理「H」レベルの期間が狭くなり、AND回路40の出
力もこのときの比較演算回路21の論理「H」レベルの
期間より狭くなる。また、CT3〜5の検出電流が更に
小さくなると、極性演算回路32の図2に示した特性に
より、AND回路40の論理「H」レベルの期間がやが
て消滅する。
【0045】すなわち、この電圧形インバータ装置の通
常動作時には、AND回路40〜42それぞれの論理
「H」レベルの期間は60°(電気角)以下である。
【0046】更に、比較演算回路21〜23,極性演算
回路31〜33,AND回路34〜36,AND回路4
0〜42におけるこの電圧形インバータ装置の出力欠相
状態の動作を、図11に示す動作波形図を参照しつつ、
以下に説明する。
【0047】図11はCT5が設置されている相が欠相
状態の波形図を示し、従って、CT3とCT4とには互
いに逆極性に電流が流れ、図11(イ)に示す如き太実
線の検出電流では比較演算回路21〜23,極性演算回
路31〜33,AND回路34〜36,AND回路それ
ぞれの出力も図11(ロ)〜(ワ)の太実線の如くにな
り、また、CT3〜5の検出電流が小さいとき、例えば
図11(イ)における正弦波状の破線の場合に、比較演
算回路21〜23,極性演算回路31〜33,AND回
路34〜36,AND回路40〜42それぞれの出力も
図11(ロ)〜(ワ)の破線の如くになる。
【0048】図11の波形図からも明らかなように、C
T3,4の検出電流が図11(イ)の破線より小さいと
きには、極性演算回路31の出力の論理「H」レベルの
期間が狭くなり、AND回路42の出力の論理「H」レ
ベルの期間も狭くなる。また、CT3,4の検出電流が
更に小さくなると、極性演算回路31の図2に示した特
性により、AND回路42の論理「H」レベルの期間が
やがて消滅する。
【0049】また、図10,11の動作波形は周波数指
令値ω* が一定状態では図3,4の波形と主AND回路
それぞれの波形と同様であるが、周波数指令値ω* が変
化している途中(電動機6を加速中又は減速中)では、
INV回路37〜39とAND回路40〜42を付加し
たことにより、判定演算回路それぞれでの誤検出を防止
する機能を有している。
【0050】図10,11の動作波形図による図9に示
した判定値演算回路50又は判定値演算回路60の動作
は、先述の図3,図4の動作波形図による判定値演算回
路50又は判定値演算回路60の動作と同様なので、こ
こではその説明を省略する。
【0051】図12は、この発明の第4の実施の形態を
示す電圧形インバータ装置の欠相検出回路の回路構成図
であり、図9に示した第3実施形態回路と同一機能を有
するものには同一符号を付している。
【0052】すなわち、図12に示した欠相検出回路
が、図9に示した欠相検出回路と異なる点は判定演算回
路50又は判定演算回路60に代えて判定値演算回路7
0を備えていることである。
【0053】図10,11の動作波形図による図12に
示した判定値演算回路70の動作は、先述の図3,図4
の動作波形図による判定値演算回路70の動作と同様な
ので、ここではその説明を省略する。
【0054】図13は、この発明の第5の実施の形態を
示す電圧形インバータ装置の欠相検出回路の回路構成図
であり、図9に示した第3実施形態回路と同一機能を有
するものには同一符号を付している。
【0055】すなわち、図13に示した欠相検出回路
が、図9に示した欠相検出回路と異なる点は判定演算回
路50又は判定演算回路60に代えて判定値演算回路8
0を備えていることである。
【0056】図14は判定演算回路80の詳細回路構成
図であり、図6に示した判定演算回路60と同一機能を
有するものには同一符号を付している。
【0057】すなわち図14において、51〜53はパ
ルス幅計測回路、55〜57は比較回路、62〜64,
66〜68はAND回路、81は図8に示した判定値設
定器71と同一機能の第1判定値設定器、82は第2判
定値設定器を示す。
【0058】この判定演算回路80において、図10に
示したAND回路40〜42の波形では不動作、図11
に示したAND回路40〜42の波形では動作するため
には、パルス幅計測回路51〜53それぞれの計測値が
120°(電気角)に相当する値をこの電圧形インバー
タ装置の出力周波数指令値ω* に連動して、第1判定値
設定回路81で設定し、これを計測時間判定値として比
較回路55〜57でそれぞれ比較し、いずれかの比較回
路が動作し論理「H」レベルとなった回数を積算回路6
2〜64で積算し、それぞれの積算値がPWMパルス演
算器14から送出されるPWM演算の際の分解能に基づ
き第2判定値設定器82が設定する積算回数判定値(例
えば、周波数指令値に基づく出力周波数の3サイクル間
に5回)を越えたか否かを比較回路66〜68で判定
し、越えたときにはOR素子69を介して欠相信号を出
力する。
【0059】すなわち、図12に示した回路構成では、
この電圧形インバータ装置の出力周波数指令値ω* に連
動し、更に、この周波数指令値におけるPWM演算の分
解能に対応して欠相検出回路80が動作するので、イン
バータ主回路2が出力する周波数が高いときに、先述の
PWM演算の際に前記周波数の正弦波に対する分解能が
粗くなって、出力電流のリプル成分が増大し、本来の出
力電流の零点通過時以外の区間でも該出力電流が零に近
い値となるときにも、欠相状態の発生を確実に遅滞なく
検出することができる。
【0060】
【発明の効果】この発明によれば、電圧形インバータ装
置の出力電流が低電流領域及び高周波領域、又は電動機
を加減速中での誤動作を防止できるので、欠相検出回路
の動作信頼性を向上させ、より速やかに欠相状態を検出
できる。
【0061】さらにこの発明は、マイクロコンピュータ
によるデジタル制御の電圧形インバータ装置に好適な欠
相検出方法,欠相検出回路である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す電圧形インバー
タ装置の欠相検出回路の構成図
【図2】図1の極性演算回路の動作特性図
【図3】図1の動作を説明する波形図
【図4】図1の動作を説明する波形図
【図5】図1の部分詳細回路構成図
【図6】図1の部分詳細回路構成図
【図7】この発明の第2実施形態を示す電圧形インバー
タ装置の欠相検出回路の構成図
【図8】図7の部分詳細回路構成図
【図9】この発明の第3実施形態を示す電圧形インバー
タ装置の欠相検出回路の構成図
【図10】図9の動作を説明する波形図
【図11】図9の動作を説明する波形図
【図12】この発明の第4実施形態を示す電圧形インバ
ータ装置の欠相検出回路の構成図
【図13】この発明の第5実施形態を示す電圧形インバ
ータ装置の欠相検出回路の構成図
【図14】図13の部分詳細回路構成図
【図15】従来例を示す電圧形インバータ装置の欠相検
出回路の構成図
【図16】図15の動作を説明する波形図
【符号の説明】
1…直流電源、2…インバータ主回路、3〜5…CT、
6…電動機、11…周波数設定器、12…F/V変換
器、13…PWM電圧指令演算器、14…PWMパルス
演算器、21〜23…比較演算回路、24…OR回路、
25…AND回路、26…判定演算回路、26a…パル
ス幅計測回路、26b…判定値設定器、26c…比較回
路、31〜33…極性演算回路、34〜36…AND回
路、37〜39…INV回路、40〜42…AND回
路、50,60,70,80…判定演算回路、51〜5
3…パルス幅計測回路、54…判定値設定器、55〜5
7…比較回路、58…OR回路、61…第1判定値設定
器、62〜64…積算回路、65…第2判定値設定器、
66〜68…比較回路、69…OR回路、71…判定値
設定器、81…第1判定値設定器、82…第2判定値設
定器。
フロントページの続き Fターム(参考) 5G004 AA02 AB02 BA06 CA04 DA01 DC04 DC07 5G053 AA07 AA15 BA02 DA01 EB01 EC02 FA04 5H007 AA17 BB06 CA01 CB02 CB05 CC23 DA01 DA03 DA06 DC02 EA02 FA00 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相出力の電圧形インバータ装置の出力
    欠相状態を検出する欠相検出方法において、 前記電圧形インバータ装置の各相の出力電流それぞれの
    絶対値を監視し、 この絶対値を監視している相それぞれに対応した残りの
    相の前記出力電流が互いに異なる極性のときに、該監視
    している相の絶対値がしきい値以下の期間をそれぞれ計
    測し、 この計測値に基づいて、前記電圧形インバータ装置の各
    相出力の内、いずれか1相が欠相したか否かを判定する
    ことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検出方
    法。
  2. 【請求項2】 三相出力の電圧形インバータ装置の出力
    欠相状態を検出する欠相検出回路において、 前記電圧形インバータ装置の各相の出力電流それぞれの
    絶対値がしきい値以下になったときに出力する3組の比
    較演算回路と、 前記各相の出力電流の内、いずれか2つの相の出力電流
    が互いに異なる極性のときに出力する3組の極性監視回
    路と、 前記各相の比較演算回路のいずれか1つの出力と、この
    比較演算回路とは異なった相の極性監視回路の出力とが
    入力される3組の主AND回路と、 前記主AND回路それぞれの出力値に基づき前記電圧形
    インバータ装置の各相出力の内、いずれか1相が欠相し
    たことを判定し、欠相信号を出力する判定演算回路とを
    備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検
    出回路。
  3. 【請求項3】 三相出力の電圧形インバータ装置の出力
    欠相状態を検出する欠相検出回路において、 前記電圧形インバータ装置の各相の出力電流それぞれの
    絶対値がしきい値以下になったときに出力する3組の比
    較演算回路と、 前記各相の出力電流の内、いずれか2つの相の出力電流
    が互いに異なる極性のときに出力する3組の極性監視回
    路と、 前記各相の比較演算回路のいずれか1つの出力と、この
    比較演算回路とは異なった相の極性監視回路の出力とが
    入力される3組の従AND回路と、 前記従AND回路の出力値それぞれを反転する3組のI
    NV回路と、 前記従AND回路のいずれか1つの出力と、この従AN
    D回路とは異なった従AND回路に接続された前記IN
    V回路それぞれの出力とが入力される3組の主AND回
    路と、 前記主AND回路それぞれの出力値に基づき前記電圧形
    インバータ装置の各相出力の内、いずれか1相が欠相し
    たことを判定し、欠相信号を出力する判定演算回路とを
    備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検
    出回路。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の電圧形イ
    ンバータ装置の欠相検出回路において、 前記判定演算回路には、 前記主AND回路それぞれの出力パルス幅を計測する3
    組のパルス幅計測回路と、 予め定める計測時間判定値を設定する判定値設定器と、 前記それぞれの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判
    定値を越えたか否かを判定する3組の比較回路とを備え
    たことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検出回
    路。
  5. 【請求項5】 請求項2又は請求項3に記載の電圧形イ
    ンバータ装置の欠相検出回路において、 前記判定演算回路には、 前記主AND回路それぞれの出力パルス幅を計測する3
    組のパルス幅計測回路と、 前記インバータ装置の出力周波数指令値に基づく計測時
    間判定値を設定する判定値設定器と、 前記それぞれの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判
    定値を越えたか否かを判定する3組の比較回路とを備え
    たことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検出回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項2又は請求項3に記載の電圧形イ
    ンバータ装置の欠相検出回路において、 前記判定演算回路には、 前記主AND回路それぞれの出力パルス幅を計測する3
    組のパルス幅計測回路と、 予め定める計測時間判定値を設定する第1判定値設定器
    と、 前記それぞれの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判
    定値を越えたときに出力する3組の第1比較回路と、 前記第1比較回路それぞれが出力した回数を積算する3
    組の積算回路と、 予め定める積算回数判定値を設定する第2判定値設定器
    と、 前記積算回路それぞれの積算値が前記積算回数判定値を
    越えたか否かを判定する3組の第2比較回路とを備えた
    ことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検出回
    路。
  7. 【請求項7】 請求項2又は請求項3に記載の電圧形イ
    ンバータ装置の欠相検出回路において、 前記判定演算回路には、 前記主AND回路それぞれの出力パルス幅を計測する3
    組のパルス幅計測回路と、 前記インバータ装置の出力周波数指令値に基づく計測時
    間判定値を設定する第1判定値設定器と、 前記それぞれの出力パルス幅の計測値が前記計測時間判
    定値を越えたときに出力する3組の第1比較回路と、 前記第1比較回路それぞれが出力した回数を積算する3
    組の積算回路と、 前記インバータ装置におけるPWM演算の際の分解能に
    基づく積算回数判定値を設定する第2判定値設定器と、 前記積算回路それぞれの積算値が前記積算回数判定値を
    越えたか否かを判定する3組の第2比較回路とを備えた
    ことを特徴とする電圧形インバータ装置の欠相検出回
    路。
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