JP2001309596A - 偏平モーター用コイル装置 - Google Patents

偏平モーター用コイル装置

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JP2001309596A
JP2001309596A JP2000117814A JP2000117814A JP2001309596A JP 2001309596 A JP2001309596 A JP 2001309596A JP 2000117814 A JP2000117814 A JP 2000117814A JP 2000117814 A JP2000117814 A JP 2000117814A JP 2001309596 A JP2001309596 A JP 2001309596A
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spiral
coil
flat motor
conductor
layer
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JP2000117814A
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Takashi Kajino
隆 楫野
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TDK Corp
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  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Dc Machiner (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速回転時にも消費電力が小さく、かつ小型
薄型の偏平モーターが容易に構成できる偏平モーター用
コイル装置を提供する。 【解決手段】 複数個のスパイラルコイル部35を環状
に配列した平面コイルを備え、前記スパイラルコイル部
35が2層以上のスパイラル導体パターン32を有し、
スパイラル導体パターン32の層間接続部が面積0.0
8mm以下のブラインドビアホール40で構成されてい
る。そして、前記複数個のスパイラルコイル部35相互
間の配線パターン37はスパイラル導体パターンと同じ
層に形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステーター又はロ
ーターに平面コイルを設けた偏平モーター用コイル装置
に係り、モーターの消費電力を低減可能で、特に高速回
転モーターに適用した場合に、顕著な効果を発揮する偏
平モーター用コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ローター側に永久磁石、ステーター側に
平面コイルを使用した偏平モーターは、DVC(ディジ
タルビデオコーダー)のシリンダーモーター、ヘッドフ
ォンステレオ、MDプレーヤー等のスピンドルモーター
に幅広く使用されており、また、小型薄型HDD、FD
D等のスピンドルモーターへの適用も検討されている。
【0003】図7(A)は偏平モーターの構造の一例を
示し、ステーターヨーク1に平面コイル10が固定さ
れ、またステーターヨーク1に玉軸受2を介してシャフ
ト3が回転自在に軸支されている。シャフト3の一端に
はローターヨーク4が、他端にはハブ6がそれぞれ固定
され、ローターヨーク4にローターマグネット5が固着
されている。これらによりブラシレスDCモーターを構
成している。
【0004】また、平面コイルをローター側に設けた偏
平モーターも構成可能であり、この場合の構造例を図7
(B)に示す。図7(B)では、ステーターヨーク1に
ステーターマグネット5’が固定され、またステーター
ヨーク1に玉軸受2を介してシャフト3が回転自在に軸
支されている。シャフト3の一端にはローターヨーク4
が、他端にはハブ6がそれぞれ固定され、ローターヨー
ク4に平面コイル10が固着されている。なお、この場
合には、ローター側の平面コイル10に通電する手段と
して整流子(又は通電用導体環)7、ブラシ8がさらに
設けられている。
【0005】従来の偏平モーター用の平面コイルは、特
開平8−124736号公報にあるように、電気めっき
法でスパイラル導体パターンを複数層形成し、スパイラ
ル導体パターンの中央部にスルーホールを設けて層間の
電気的接続を行っており、またスルーホール周縁のラン
ド部に一部切り欠きを入れて、渦電流損失の低減を計っ
ている。
【0006】図8は従来の偏平モーター用の平面コイル
の例、図9は個々のスパイラルコイル部の例である。こ
の平面コイルは、図8(A)のように絶縁基板11の表
側に第1層のスパイラル導体パターン12を、図8
(B)のように基板11の裏側に第2層のスパイラル導
体パターン13をそれぞれ形成したものであり、第1層
及び第2層のスパイラル導体パターン12,13をスル
ーホール14で直列接続して、全体として複数個のスパ
イラルコイル部15を基板中心穴16の周囲に環状に配
列した構造となっている。なお、図8ではスパイラルコ
イル部外径16mm、内径7mm、コイル線条の高さ90μ
m、幅90μm、間隔20μmとし、図9では、層間接
続のためのスルーホール14の直径は0.4mm、その周
縁のランド部20の外径は0.6mmである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8の従来
構造では、スルーホール14周縁のランド部20にスリ
ット21を入れて渦電流損失を抑えているが、スルーホ
ールを用いている限り、スルーホール14、つまり中空
穴の中央部には絶縁体が存在し、この周りを導体が取り
囲んでいるために、いわゆるショートリングが形成され
ており、またスパイラルコイル部15の内側は磁束が集
中しており磁場が強い。さらに、モーターの回転に伴い
中空穴を貫く磁束が急激に変化するため、大きな渦電流
が誘起され、未だ損失は大きい。その上、これがモータ
ーの回転数の自乗に比例するために、回転数が上がるほ
ど急激に損失が増大する。
【0008】図10はブラシレスDCモーター(偏平モ
ーターもこの範疇に含まれる)のトルク損失のグラフの
例を示し(National Technical Report Vol.33 No5 Oct
1987)、これに周波数を掛けたものがエネルギー損失
である。高周波では渦電流損失が支配的になることが分
かる。また、ブラシを持つDCモーターでも高周波では
渦電流損失が同様に問題になる。
【0009】近年、DVC(ディジタルビデオコーダ
ー)のシリンダーモーターの回転数が9000rpmに
達する等、高速回転型の偏平モーターの需要が増えてき
ているが、上記したように従来の偏平モーター用の平面
コイルでは損失の増加を回避できない問題がある。
【0010】本発明は、上記の点に鑑み、高速回転時に
も消費電力が小さく、かつ小型薄型の偏平モーターが容
易に構成できる偏平モーター用コイル装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数個のスパイラルコイル部を環状に配
列した平面コイルを有する偏平モーター用コイル装置に
おいて、前記スパイラルコイル部が2層以上のスパイラ
ル導体パターンを有し、スパイラル導体パターンの層間
接続部が面積0.08mm以下のブラインドビアホール
であることを特徴としている。
【0013】また、前記偏平モーター用コイル装置にお
いて、前記複数個のスパイラルコイル部相互間の配線を
スパイラル導体パターンと同じ層に形成するとよい。
【0014】前記スパイラル導体パターンの導体厚が層
間絶縁層の厚みよりも大きくなるように設定するとよ
い。
【0015】前記スパイラルコイル部における導体線条
の占積率は50%以上であることが望ましい。
【0016】前記複数個のスパイラルコイル部が絶縁基
板又は絶縁フィルム上に形成されているとよい。あるい
は、前記ステーターヨーク又はローターヨーク上に前記
複数個のスパイラルコイル部が形成された構成としても
よい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る偏平モーター
用コイル装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】図1乃至図3で本発明に係る偏平モーター
用コイル装置の第1の実施の形態を示す。これらの図に
おいて、絶縁基板31の片面上に図1(A)の第1層
(上層)のスパイラル導体パターン32及び同図(B)
の第2層(下層)のスパイラル導体パターン33が層間
絶縁層34を介してそれぞれ形成され、第1層及び第2
層のスパイラル導体パターン32,33は層間接続部と
しての面積0.08mm以下(円形の場合、外径約30
0μm以内)、例えば直径0.05mmのブラインドビア
ホール40にて直列接続され、全体として複数個のスパ
イラルコイル部35を基板中心穴36の周囲に環状に配
列した構造となっている。また、スパイラルコイル部3
5相互の接続のための配線パターン37は第1、第2層
のスパイラル導体パターン32,33と同じ層に形成さ
れている。
【0019】基板31上のスパイラル導体パターン3
2,33は、例えば特開平11−204361号公報に
開示されたハイアスペクトめっき法により形成可能であ
り、フォトリソグフラフィー技術でめっき下地膜のパタ
ーンを形成後、断面マッシュルーム状めっき層を膨成す
ることでアスペクト比の高い導体線条を形成可能であ
り、導体高さを高くしてコイルの直流抵抗を減じること
ができる。
【0020】前記絶縁基板31は例えばポリイミド等で
あり、前記層間絶縁層34は例えば感光性絶縁樹脂(感
光性エポキシ樹脂等)であり、露光、現像工程によるフ
ォトリソグラフィー技術によって層間接続のための微小
穴を形成可能である。
【0021】なお、前記層間接続部としてのブラインド
ビアホール40の面積が0.08mm 以下であることが
損失低減のために必要であり、これより大きな面積では
モーター高速回転時の渦電流等に起因する電力損失が無
視できなくなる。また、ブラインドビアホールを採用し
ても導体表面に渦電流損失が発生するが、これも層間接
続部全体のサイズを小さくすることで減少させることが
出来る。層間接続部の面積は渦電流損失を考えると、出
来るだけ小さい方が好ましいが、あまり小さくなると機
械的強度が落ちるので、ブラインドビアホール40の外
径はスパイラルコイル部35におけるスパイラル導体パ
ターンの線条幅の1/2の直径程度が下限であり、通常
これ以上の径に設定される。
【0022】また、前記スパイラル導体パターンの導体
厚は層間絶縁層34の厚みよりも大きく設定することが
望ましく、こうすることで層間接続部の信頼性の向上、
導体線条の占積率の増大による効率向上を図り得る。
【0023】前記第1層のスパイラル導体パターン32
及び第2層のスパイラル導体パターン33の直列接続か
らなる個々のスパイラルコイル部35においては、導体
線条の占積率が50%以上、90%以下であることが好
ましい。ここで、導体線条の占積率は各層のスパイラル
導体パターンの最外周の導体線条で囲まれた領域内(図
3の点線S1内)で、かつ各層のスパイラル導体パター
ンの最内周の導体線条で囲まれた領域(図3の点線S2
内)を除外して算出するものとする。占積率が90%よ
り高くなると導体線条間隔が狭くなりすぎてショートの
問題が発生する。占積率が50%より小さいと、スパイ
ラルコイル部35の直流抵抗が大きくなり、ジュール熱
による損失が増える。
【0024】なお、図3のように基板31に第1層及び
第2層のスパイラル導体パターン32,33を設けた平
面コイルは図7(A)のようにステーターヨーク1に対
して絶縁固定されるか、あるいは図7(B)のようにロ
ーターヨーク4に対して絶縁固定される。例えば、図3
のように基板31の片側に2層のスパイラル導体パター
ンを設けた構成では、図7(A),(B)のステーター
ヨーク1、ローターヨーク4に対面する側を、導体パタ
ーンの無い基板面として平面コイルを配置、固定すれば
よい。
【0025】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0026】(1) 従来技術で説明したように、中央に
非導電体による空隙のあるスルーホール構造がスパイラ
ルコイル部の中央部にある場合は、強い磁場がスルーホ
ール中央部を貫き、またこれが激しく変化するので、大
きな渦電流が生成され、これがスルーホール内壁によっ
て出来たショートリング上を流れる。これにより、大き
な損失が発生する。これに反し、本発明の第1の実施の
形態のように、スパイラルコイル部35における層間接
続部中央部の穴を導体で塞いで磁界をシールドする構
造、つまりブラインドビアホール40で層間接続部を構
成することで、損失を低減することが出来る。
【0027】(2) また、ブラインドビアホール40と
しても導体表面に渦電流損失が発生するが、これも層間
接続部全体のサイズ、換言すればブラインドビアホール
40の外径を小さくし、層間接続部を面積0.08mm
以下にすることで減少させることが出来る。なお、層間
接続部の面積は渦電流損失を考えると、出来るだけ小さ
い方が好ましいが、あまり小さくなると機械的強度が落
ちるので、スパイラルコイル部35の導体線条幅の1/
2の直径程度が限度(下限)である。
【0028】(3) 巻線に平角ワイヤを用いると一見占
積率が向上し、好ましいように思われるが、プリント基
板等の配線板上に実装する必要があり、またワイヤの高
さと基板の厚みとの和が、モーター磁気回路のギャップ
の下限になるので、あまりワイヤを高くすることが出来
ない。これらの理由により占積率はあまり上がらない。
これに反し、本発明の第1の実施の形態のように、スパ
イラル導体パターンの層を2層以上にすると、配線パタ
ーンもスパイラル導体パターンと同じ層に同時に形成出
来、全体の厚みを抑えられ、またコスト上も有利に働
く。
【0029】(4) 上記のような構成で、スパイラルコ
イル部35における導体線条の占積率を上げていくと、
平面コイル全体における導体線条の占積率も容易に高く
出来、モーターの省電力に結びつく。
【0030】図4は本発明の第2の実施の形態であっ
て、絶縁基板を使用せずに、ステーターヨーク1上に絶
縁層41を形成しておき、その上に第1層(上層)のス
パイラル導体パターン32及び第2層(下層)のスパイ
ラル導体パターン33を層間絶縁層34を介してステー
ターヨーク1に一体的に形成している。ステーターヨー
ク1の材質としては、例えば、ケイ素鋼板、電磁軟鉄、
金属系複合磁性材料、さらにはアモルファス磁性合金や
ファインメットの積層体等が挙げられる。その他の構成
は前述の第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の
形態と同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略
する。
【0031】この場合、第1の実施の形態の効果に加え
て、絶縁基板を省略しその代わりに十分薄い絶縁層41
をステーターヨーク1上に形成することで、スパイラル
導体パターン32,33の導体高さ(導体厚)を第1の
実施の形態よりも高くし、またスパイラル導体パターン
32,33の各導体厚を層間絶縁層34の厚みよりも大
きくすることで、平面コイル全体における導体線条の占
積率をいっそう向上させることができ、損失低減を図り
得る。
【0032】なお、ステーターヨーク1の抵抗が、平面
コイルの直流抵抗に比して大きい場合は、前記絶縁層4
1を省略できる場合がある。
【0033】上記図4は、偏平モーターが図7(A)の
如き構造であることを前提として、ステーターヨーク上
に平面コイルを一体的に形成した場合を説明したが、偏
平モーターが図7(B)の如き構造である場合にはロー
ターヨーク上に平面コイルを同様に一体的に形成すれば
よい。
【0034】図5及び図6は本発明の第3の実施の形態
である。この場合、絶縁フィルム51の表側に図1
(A)と同じパターンの第1層(表層)のスパイラル導
体パターン32が形成され、絶縁フィルム51の裏側に
図1(B)と同じパターンの第2層(裏層)のスパイラ
ル導体パターン33がそれぞれ形成され、第1層及び第
2層のスパイラル導体パターン32,33は絶縁フィル
ム51を貫通する層間接続部としての面積0.08mm
以下のブラインドビアホール60にて直列接続され、全
体として複数個のスパイラルコイル部35をフィルム中
心穴の周囲に環状に配列した構造となっている。また、
スパイラルコイル部35相互の接続のための配線パター
ンは第1、第2層のスパイラル導体パターン32,33
と同じ層に形成されている。
【0035】なお、層間接続部としてのブラインドビア
ホール60は、ビアホールの貫通部分61の周縁にラン
ド部62を形成したものであり、周縁のランド部62も
含んだ外径の面積が0.08mm以下であることが必要
である。ここでは、ビアホールの貫通部分61の直径が
0.2mmで、ランド部62の直径は0.3mmとした。この
場合も、周縁のランド部62も含んだブラインドビアホ
ール60が0.08mm (直径約0.3mm)より大きな面
積となるとモーター高速回転時の渦電流等に起因する電
力損失が無視できなくなる。また、ブラインドビアホー
ル60を採用しても導体表面に渦電流損失が発生する
が、これも層間接続部全体のサイズを小さくすることで
減少させることが出来る。層間接続部の面積は渦電流損
失を考えると、出来るだけ小さい方が好ましいが、あま
り小さくなると機械的強度が落ちるので、ブラインドビ
アホール60の外径(ランド部62を含んだ外径)はス
パイラルコイル部35におけるスパイラル導体パターン
の導体線条幅の1/2程度の直径が下限であり、通常こ
れ以上の径に設定される。その他の構成は前述の第1の
実施の形態と同様であり、第1の実施の形態と同一又は
相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0036】この第3の実施の形態では、絶縁フィルム
51の表裏にスパイラル導体パターン32,33を設け
ればよいから、構造は簡単になる。但し、図7(A)の
偏平モーター構造に適用する場合、ステーターヨーク1
に対面する側のスパイラル導体パターンの表面に絶縁処
理を施すか、ステーターヨーク1のコイル取付面に絶縁
処理を施すようにする。なお、ステーターヨーク1の抵
抗が、平面コイルの直流抵抗に比して大きい場合は、前
記絶縁処理を省略できる場合がある。図7(B)の偏平
モーター構造に適用する場合にも同様であり、ローター
ヨーク4に対面する側のスパイラル導体パターンの表面
に絶縁処理を施すか、ローターヨーク4のコイル取付面
に絶縁処理を施すようにする。なお、ローターヨーク4
の抵抗が、平面コイルの直流抵抗に比して大きい場合
は、前記絶縁処理を省略できる場合がある。
【0037】この第3の実施の形態においても、スパイ
ラルコイル部35の中央部の穴を導体で塞いで磁界をシ
ールドする構造とし、かつ十分小さい面積のブラインド
ビアホール60で層間接続部を構成することで、損失を
低減することが出来る。
【0038】
【実施例】以下、本発明に係る偏平モーター用コイル装
置を実施例で詳述する。
【0039】実施例1 厚さ25μmのポリイミド基板上に特開平11−204
337号公報で開示した方法(第1の実施の形態で言及
したハイアスペクトめっき法)で図1のようなスパイラ
ル導体パターン32,33を2層形成した。この時のス
パイラル導体パターンの導体線条の高さは90μm、幅
は90μm、導体線条の間隔は20μmである。層間絶
縁層は感光性のエポキシ樹脂で厚さ30μmに形成し、
ブラインドビアホール40の径は50μmであり、層間
絶縁層よりも導体線条の高さ(厚み)が大きく設定され
ている。
【0040】実施例2 厚さ25μmのポリイミドフィルム51の所定の位置に
直径200μmの穴を開けて図1と同様の導体パターン
を図6のようにフィルム表裏に形成した。ブラインドビ
アホール60の周縁のランド径は300μmである。こ
のときのスパイラルコイル部35の形状を図5に示す。
ブラインドビアホール60の穴径は200μmであり、
完全に導体で埋まっている。
【0041】実施例3 ステーターヨークとしての厚さ0.5mmのケイ素鋼板の
上に厚さ10μmの絶縁層を形成し、その上に実施例1
と同じ形状のスパイラル導体パターン32,33を図4
のように作製した。層間絶縁層やブラインドビアホール
は、実施例1と同じであり、層間絶縁層よりも導体線条
の高さ(厚み)が大きく設定されている。この場合、実
施例1よりも絶縁基板又は絶縁層の厚みを考慮した平面
コイル全体における導体線条の占積率が向上する。
【0042】比較例1 厚さ25μmのポリイミドフィルムの所定の位置に直径
400μmの穴を開けて図1と同様のスパイラル導体パ
ターンを形成した。スルーホール周縁のランド径は60
0μmである。このときのスパイラルコイル部の形状を
図9に示し、平面コイル全体を図8に示す。スルーホー
ルの中央部にはおよそ直径250μmの空間が残ってい
る。
【0043】作成した4種類の平面コイルを図7(A)
の様な偏平モーターに組み込んで、渦電流損失の大きさ
を比較した。消費電力の回転数依存性を調査し、これの
回転数の自乗に比例する部分を渦電流損失とした。60
00rpmでの渦電流損失の値は比較例1の場合に比べ
て、実施例1は32%、実施例2は21%少なかった。
実施例3は実施例1よりも導体線条の占積率を向上させ
得るため、実施例1と同等以上の結果が得られた。
【0044】なお、上記実施の形態では、平面コイルを
図7(A)又は(B)のステーターヨーク又はローター
ヨークに設ける場合で説明したが、平面コイルをヨーク
に設けないで、平面コイル自体で偏平モーターのステー
ター又はローターを構成する場合もある。
【0045】以上本発明の実施の形態及び実施例につい
て説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく
請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能
なことは当業者には自明であろう。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る偏平
モーター用コイル装置によれば、複数層のスパイラル導
体パターンの層間接続部に起因する渦電流損失を低減す
ることで、高速回転時にも消費電力が小さく、かつ小型
薄型の偏平モーターが容易に構成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏平モーター用コイル装置の第1
の実施の形態であって、(A)は第1層のスパイラル導
体パターン、(B)は第2層のスパイラル導体パターン
をそれぞれ示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるスパイラル
コイル部を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す側断面図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるスパイラル
コイル部を示す平面図である。
【図6】図5のVI−VI拡大断面図である。
【図7】偏平モーターの1例を示す正断面図である。
【図8】従来の偏平モーター用のコイルの1例であり、
(A)は第1層のスパイラル導体パターン、(B)は第
2層のスパイラル導体パターンをそれぞれ示す平面図で
ある。
【図9】従来の場合のスパイラルコイル部を示す平面図
である。
【図10】ブラシレスDCモーターの回転数とトルク損
失との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ステーターヨーク 2 玉軸受 3 シャフト 4 ローターヨーク 5 ローターマグネット 10 平面コイル 11,31 絶縁基板 12,13,32,33 スパイラル導体パターン 14 スルーホール 15,35 スパイラルコイル部 16,36 基板中心穴 20,62 ランド部 21 スリット 34 層間絶縁層 40,60 ブラインドビアホール 41 絶縁層 51 絶縁フィルム 61 貫通部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 3/46 H02K 3/46 D 21/24 21/24 M 23/54 23/54 Fターム(参考) 5H603 AA07 BB01 BB10 BB14 CA01 CA02 CA05 CB01 CB19 CB24 CB26 CC14 CC17 CD02 CD25 CE06 FA01 5H604 AA08 BB01 BB13 BB17 CC01 CC02 CC04 CC20 PB02 PB03 QB15 5H621 BB07 GB01 HH01 5H623 BB06 GG11 HH06 HH07 HH09 JJ01 LL13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のスパイラルコイル部を環状に配
    列した平面コイルを有する偏平モーター用コイル装置に
    おいて、 前記スパイラルコイル部が2層以上のスパイラル導体パ
    ターンを有し、スパイラル導体パターンの層間接続部が
    面積0.08mm以下のブラインドビアホールであるこ
    とを特徴とする偏平モーター用コイル装置。
  2. 【請求項2】 前記複数個のスパイラルコイル部相互間
    の配線をスパイラル導体パターンと同じ層に形成してな
    る請求項1記載の偏平モーター用コイル装置。
  3. 【請求項3】 前記スパイラル導体パターンの導体厚が
    層間絶縁層の厚みよりも大きい請求項1又は2記載の偏
    平モーター用コイル装置。
  4. 【請求項4】 前記スパイラルコイル部における導体線
    条の占積率が50%以上である請求項1,2又は3記載
    の偏平モーター用コイル装置。
  5. 【請求項5】 前記複数個のスパイラルコイル部が絶縁
    基板又は絶縁フィルム上に形成されている請求項1,
    2,3又は4記載の偏平モーター用コイル装置。
  6. 【請求項6】 ステーターヨーク又はローターヨーク上
    に前記複数個のスパイラルコイル部が形成されている請
    求項1,2,3又は4記載の偏平モーター用コイル装
    置。
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