JP2001307913A - 異方性鉄基合金磁石およびその製造方法 - Google Patents

異方性鉄基合金磁石およびその製造方法

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JP2001307913A JP2000119196A JP2000119196A JP2001307913A JP 2001307913 A JP2001307913 A JP 2001307913A JP 2000119196 A JP2000119196 A JP 2000119196A JP 2000119196 A JP2000119196 A JP 2000119196A JP 2001307913 A JP2001307913 A JP 2001307913A
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Hirokazu Kanekiyo
裕和 金清
Satoru Hirozawa
哲 広沢
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体急冷法を用いて作製される異方性鉄基合
金磁石を提供する。 【解決手段】 鉄基合金磁石用原料合金の溶湯を急冷す
ることによって原料合金の過冷却液体20を形成した
後、加熱された圧延ローラ22によって過冷却液体20
を圧延しながら凝固させ、それによって合金24を作製
する。熱間圧延を行いながら過冷却液体20を凝固させ
る過程で、合金24中のR2Fe14B型結晶構造を有す
る微細結晶相を異方化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe−R−B系化
合物(Rは希土類元素)の微結晶を含む異方性鉄基合金
磁石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁石粉末の粒子の種類には、大きく分け
て、磁気的に異方性を示すものと等方性を示すものとが
ある。異方性を示す磁石粉末の粒子は磁界中で磁界の向
きに配向されるため、異方性磁石粉末を成形する際に粉
末に対して配向磁界を印加すれば、異方性磁石を製造す
ることが可能である。これに対して、等方性を示す磁石
粉末の粒子は、磁界中で特定方向に配向されないため、
異方性磁石の製造には用いることができない。
【0003】異方性を示す磁石粉末粒子は、実質的に単
結晶組織から構成されているか、結晶方位が特定方向を
向いた多結晶組織から構成されている。これに対して、
等方性を示す磁石粉末の粒子中にはランダムな方位を向
いた複数の結晶組織が存在しており、これらは特定方向
に配向していない。
【0004】現在、実用化されている異方性磁石粉末粒
子の多くは、作製される粉末粒子に比較して充分に大き
な結晶組織を持つ希土類合金を粉砕し、それによって、
ほぼ単結晶的な粒子を形成する技術によって製造されて
いる。結晶組織の比較的大きな希土類合金は、原料合金
の溶湯を相対的に遅い速度で冷却することによって作製
される。
【0005】冷却速度の速い液体急冷法を用いて作製さ
れるFe−R−B系希土類磁石(以下、「急冷合金磁
石」と称する。)の組織構造は、実用化されている異方
性希土類磁石粉末の組織構造よりも微細である。このた
め、急冷合金を粉砕して通常の大きさの磁石粉末粒子
(平均粒径数μm程度)を作製した場合、単結晶に近い
結晶構造を持つ粉末粒子を得ることはできない。例えば
特開昭59−64739号公報に開示されている液体急
冷法によって鉄基合金磁石を作製すると、形成されるN
2Fe14B型結晶粒の平均サイズは100nm程度に
なる。この結晶粒径は、Nd2Fe14B型化合物の単軸
結晶粒径(300nm程度)よりも小さいが、通常の粉
砕技術によっては希土類合金を100nm以下に粉砕す
ることはできない。このため、各粉末粒子中には等方的
な磁気モーメントを持つ複数の結晶粒が混在することと
なる。従って、液体急冷法によって作製した合金をその
まま粉砕して形成した粉末からは異方性磁石を製造する
ことはできない。
【0006】図1(a)および(b)を参照しながら、
液体急冷法によって作製した急冷凝固合金に異方性を付
与する従来の方法を説明する。Nd2Fe14B結晶相の
磁化容易軸の向きを矢印で模式的に示している。
【0007】図1(a)は、液体急冷法によって作製し
た急冷凝固合金薄帯12の一部を模式的に示している。
この急冷凝固合金薄帯12は多結晶状態にあり、各結晶
粒の磁化容易軸は等方的に分散している。このような組
織構造を有する急冷凝固合金薄帯12を平均粒径300
μm程度のフレーク状に粉砕した後、ホットプレスする
ことによってバルク体の永久磁石を作製することができ
る。このバルク体永久磁石は、容易磁化方向が等方的に
分散した急冷合金薄帯12を成形原料として作製された
ものであるため、等方性の永久磁石である。
【0008】加熱しながら上記の等方性永久磁石に一次
応力を与えると、応力方向と平行な磁化容易軸を持つ結
晶粒が選択的に成長する。その結果、図1(b)に示さ
れるように、バルク体を構成する結晶粒の多くは、磁化
容易軸が応力方向と平行に揃った結晶粒に取り込まれ、
バルク体の異方性永久磁石14が得られる。
【0009】上記の従来技術では、急冷凝固合金から形
成した磁石に磁気的異方性を付与することは可能である
が、製造工程が複雑であるため、製造コストが高くな
る。その結果、上記方法によって製造された異方性磁石
14の価格は、粉末冶金法によって量産されている異方
性Nd−Fe−B焼結磁石の価格よりも高くなってしま
う。このため、上記の方法は実用的でない。
【0010】特開昭61−119315号公報は、急冷
合金中に含まれる微細結晶相を特定方向に配向させる従
来技術を開示している。この公報に開示されている方法
では、急冷凝固後の合金薄帯を熱間圧延し、それによっ
て結晶相の方位を特定方向に向けようとしている。ま
た、特開昭62−276802号公報は、単ロール法ま
たは双ロール法によって希土類合金の溶湯を急冷凝固す
ることによって合金薄帯を形成した後、この薄帯を圧延
ロールによって機械的に塑性変形し、それによって異方
性を付与する方法を記載している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の急冷凝固合金薄
帯を圧延ロールで塑性変形する従来技術によれば、何れ
も、急冷によって完全に凝固した状態の合金を熱間圧延
している。本発明者の実験によると、高性能希土類磁石
の材料として用いられる組成の鉄基合金は、急冷凝固し
た後において非常に塑性変形しにくい状態にある。この
ため従来の技術によっては、急冷凝固合金の薄帯に対し
て熱間圧延を施しても合金に高い異方性を付与すること
は極めて困難であり、急冷合金から異方性磁石を安価に
量産することはできなかった。
【0012】上記の2段ロールを用いて急冷凝固と圧延
とを連続的に実行する従来技術によれば、第1段のロー
ルから既に結晶質となった合金が連続的に高速度で送り
出され、これを第2段のロール(圧延ロール)によって
第1段のロール速度と同期させながら圧延する必要があ
る。これを実行するには、圧延ロールでの変形速度を非
常に速くする必要があるが、上記従来方法では、このよ
うな高速度で硬い急冷凝固合金の塑性変形を実行するこ
とは事実上不可能である。また、上記従来方法では、急
冷凝固合金が圧延ロールを通過する時間が極めて短いた
め、圧延過程で異方的な再結晶反応がほとんど進行せ
ず、異方化を達成することはできない。
【0013】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、液体急冷法を用いて作製され
た鉄基合金磁石でありながら異方性を示す磁石を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による異方性鉄基
合金磁石は、組成式が(Fe1-mm100-x-y-zx y
z(TはCoおよびNiからなる群から選択された1
種以上の元素、Rは1種以上の希土類金属元素、MはA
l、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、
Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、A
u、およびPbからなる群から選択された少なくとも1
種の元素)で表現され、組成比率x、y、z、およびm
が、それぞれ、5≦x≦30at%、2≦y≦15at
%、0≦z≦10at%、および0≦m≦0.5を満足
し、R2Fe14B型結晶構造を有する微細結晶相が異方
化しており、前記微細結晶相の平均サイズが1nm以上
50nm以下の範囲内にある。
【0015】前記異方性鉄基合金磁石は、過冷却液体状
態で圧延されることによって作製されたものであり、そ
の存在形態は、リボン状、フレーク状、粉末状態、バル
ク状の種々の態様を取り得る。
【0016】本発明によるボンド磁石は、上記の異方性
鉄基合金磁石の粉末を成形することによって作製された
ことを特徴とする。
【0017】本発明による回転機は上記ボンド磁石を備
えていることを特徴とする。
【0018】本発明による異方性鉄基合金磁石の製造方
法は、鉄基合金磁石用原料合金の溶湯を急冷することに
よって、前記原料合金の過冷却液体を形成する工程と、
雰囲気圧より大きな圧力を前記過冷却液体に印加しなが
ら前記過冷却液体を変形させ、それによって、圧延され
た合金を作製する工程とを包含する。
【0019】好ましい実施形態では、前記過冷却液体を
変形させる工程において、R2Fe1 4B型結晶構造を有
する微細結晶相を生成する。
【0020】好ましい実施形態では、前記急冷圧延合金
を加熱し、前記R2Fe14B型結晶構造を有する微細結
晶相を成長させる。
【0021】好ましい実施形態では、前記R2Fe14
型結晶構造を有する微細結晶相の平均サイズを1nm以
上50nm以下の範囲内に調節する。
【0022】好ましい実施形態では、前記過冷却液体を
加圧することによって、前記過冷却液体の厚さを加圧前
の厚さtから加圧後の厚さt’に薄くし、圧下率(t’
/t)を0.9以下にする。
【0023】好ましい実施形態では、前記過冷却液体を
加圧するとき、前記過冷却液体を結晶化温度付近に加熱
する。
【0024】前記過冷却液体を加圧する前に、前記過冷
却液体を加熱し、ガラス化遷移温度以上に保持するよう
にしてもよい。
【0025】好ましい実施形態では、前記過冷却液体の
加圧は、加熱された双ロールを用いて行う。
【0026】前記圧延された合金を粉砕し、粉末化する
工程を更に包含してもよい。
【0027】本発明によるボンド磁石の製造方法は、上
記の異方性鉄基合金磁石の製造方法によって作製された
異方性鉄基合金磁石の粉末を用意する工程と、前記粉末
を成形する工程とを包含する。
【0028】本発明による異方性鉄基合金磁石の製造装
置は、鉄基合金の溶湯を冷却し、過冷却液体状態にある
合金を生成する冷却ロールと、前記過冷却状態にある合
金を加圧しながら前記合金中で結晶化を進行させる圧延
ロールと、前記圧延ロールの表面を所定範囲の温度に加
熱するための加熱手段とを備えている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、鉄基合金磁石用原料合
金の溶湯を急冷することによって原料合金の過冷却液体
を形成し、その過冷却液体を加圧しながら変形させるこ
とよって、圧延中に結晶化が進行した急冷凝固合金を作
製する。本発明によれば、過冷却状態にある合金を加圧
変形しながら結晶化を進行させることによって、特定方
向に配向した異方性の強い結晶組織を形成することが可
能になる。
【0030】なお、本明細書で使用する「合金の過冷却
液体」とは、「ガラス転移点(ガラス転移温度またはガ
ラス化遷移温度)Tgを持つ合金であって、合金温度が
ガラス転移点Tgよりも高く、非晶質の状態にある合
金」を意味するものとする。また、本明細書では、「過
冷却液体」や「過冷却状態にある合金」の文言を何れも
「合金の過冷却液体」と同様の意味を持つものとして用
いることにする。
【0031】本発明者は、原料合金の組成や急冷条件を
調節することによって過冷却液体を生成した場合、その
過冷却液体が極めて容易に塑性変形する現象を見出し、
本発明を想到するに至った。
【0032】図2は、本発明の基本的な概念を説明する
ための図であり、圧延されつつある合金の断面を示して
いる。本発明では、液体急冷法によって形成した合金2
0を少なくとも圧延ロールと接触し始める部分で過冷却
液体状態として圧延ローラ22で加圧しながら変形し、
同時に結晶化を進行させる点に特徴を有している。
【0033】ここで、加圧前の過冷却液体20の厚さを
tとし、加圧(圧延)後の合金24の厚さをt’とす
る。従来の方法では、圧下率(t’/t)が0.9以下
となるように急冷合金を圧延することは困難であった
が、本発明によれば、圧下率(t’/t)を0.9以下
にすることが可能である。
【0034】なお、圧延された状態の合金24は完全に
結晶化している必要は無く、大部分が非晶質組織から形
成されていても良い。非晶質組織中に硬磁気特性を持つ
微細な結晶が存在し、合金24中の各微細結晶に加えら
れる応力の印加方向に平行な方向に各微細結晶の容易磁
化方向が異方化していれば良い。
【0035】以下、本発明による鉄基合金磁石の好まし
い実施形態を説明する。
【0036】[組成]本発明の鉄基合金磁石の組成式
は、(Fe1-mm100-x-y-zxyzで表現される。
ここで、TはCoおよびNiからなる群から選択された
1種以上の元素、Rは1種以上の希土類金属元素、Mは
Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、G
a、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、
Au、およびPbからなる群から選択された少なくとも
1種の元素である。
【0037】上記組成式における組成比率x、y、z、
およびmは、それぞれ、5≦x≦30at%、2≦y≦
15at%、0≦z≦10at%、および0≦m≦0.
5の関係式を満足する。
【0038】B(ボロン)の組成比率xが5at%未満
の場合は、液体急冷法を用いても、過冷却液体状態を生
成することができず、本発明における高速の圧延工程で
は急冷合金の塑性変形がほとんど生じない。その結果、
2Fe14B型化合物相の異方化を実現できなくなる。
逆に、Bの組成比率xが30at%を越えると、R2
14B型化合物相が析出せず、硬磁気特性が得られな
い。このため、Bの組成比率xの好ましい範囲は5at
%以上30at%以下である。Bの組成比率xのより好
ましい範囲は6at%以上20at%以下である。
【0039】希土類元素Rの組成比率yが2at%未満
ではR2Fe14B型結晶構造を有する化合物相が十分析
出しないため、硬磁気特性が得らない。また、組成比率
yが15at%を越えると、鉄および鉄基硼化物が析出
しないため、ナノコンポジット組織とならず、高い磁化
が得られない。このため、組成比率yの好ましい範囲は
2at%以上15at%以下である。
【0040】FeおよびTは、上述の元素の含有残余を
占める。Tは、前述のように、CoおよびNiからなる
群から選択された1種以上の元素である。鉄基合金磁石
において、Feの一部がCoおよび/またはNiによっ
て置換されても、目的とする硬磁気特性を得ることがで
きる。ただし、CoおよびNiのFeに対する置換量が
50%を超えると、0.5T(テスラ)以上の高い残留
磁束密度Brが得られなくなるため、上記置換量は0%
以上50%以下の範囲に限定される。なお、CoでFe
の一部を置換することによって保磁力HcjおよびR2
14B相のキュリー温度の両方が増加するので、磁石の
耐熱性が向上する。CoのFeに対する置換割合は、好
ましいくは0.5%以上15%以下である。
【0041】磁気特性の向上や最適熱処理温度域の拡大
を目的として、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、C
u、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、T
a、W、Pt、Au、Pbの1種又は2種以上の元素M
を添加しても良い。添加元素Mの組成比率zが10at
%を超えると、磁化が低下するため、組成比率zの好ま
しい範囲は0at%以上10at%以下である。組成比
率zのより好ましい範囲は0.1at%以上5at%以
下である。
【0042】なお、上記の鉄基合金からFe3B/Nd2
Fe14B系ナノコンポジット磁石を形成する場合は、希
土類元素RおよびBの組成範囲を以下のように制限する
ことが好ましい。
【0043】希土類元素R:2〜7at%、好ましくは
3〜6at% B:15〜30at%、好ましくは15〜22at% また、α−Fe/Fe3B/Nd2Fe14B系ナノコンポ
ジット磁石を形成する場合は、希土類元素RおよびBの
組成範囲を以下のように制限することが好ましい。
【0044】希土類元素R:5〜13at%、好ましく
は6〜12at% B:7〜15at%、好ましくは8〜12at% 更に、α−Fe/Nd2Fe14B系ナノコンポジット磁
石を形成する場合は、希土類元素RおよびBの組成範囲
を以下のように制限することが好ましい。
【0045】希土類元素R:7〜15at%、好ましく
は8〜14at% B:5〜10at%、好ましくは5〜8at% [製造装置]図3は、本発明による異方性鉄基合金磁石
の製造装置の実施形態を示す構成図である。図示されて
いる装置は、合金溶湯1をヒータ2によって加熱しなが
ら放出するノズル3と、合金溶湯1を冷却するための1
つの急冷ロール4と、急冷ロール4によって冷却された
合金の過冷却液体5を圧延する圧延ロール6と、圧延ロ
ール6の表面を所定範囲の温度に加熱するためのヒータ
7とを備えている。後述するように、合金の過冷却液体
5は圧延によって異方性を発揮する鉄基合金磁石8とな
る。
【0046】図4は、他の実施形態にかかる異方性鉄基
合金磁石の製造装置の構成例を示している。図4の装置
は、合金溶湯1をヒータ2によって加熱しながら放出す
るノズル3と、合金溶湯1を冷却するための2つの急冷
ロール4と、急冷ロール4によって冷却された合金の過
冷却液体5を圧延する圧延ロール6と、圧延ロール6の
表面を所定範囲の温度に加熱するためのヒータ7とを備
えている。この装置によっても、合金の過冷却液体5は
圧延によって異方性を発揮する鉄基合金磁石8となる。
【0047】圧延ロールの直径は圧下率t’/tを小さ
くする(大きな塑性変形を引き起こす)ためには、小さ
くすることが好ましい。一方、加熱時のロール強度を確
保するためには、ロールの内部を水冷する必要がある。
以上のことから、圧延ロールの直径の実用的な範囲は1
00〜150mmである。
【0048】[製造方法]以下、本発明による異方性鉄
基合金磁石の製造方法の実施形態を説明する。
【0049】本実施形態では、まず、前述した組成を有
する合金溶湯を作製し、図3または図4に示すような装
置を用いて急冷し、合金の過冷却液体状態を形成する。
その後、過冷却状態の合金に対して双ロールによる熱間
圧延を施すことによって、異方性を示すR2Fe14B型
化合物相を合金中に方位異方性を持った状態で生成させ
る。
【0050】本実施形態では、「圧延前の合金厚さt」
に対する「圧延後の合金の厚さt’」、すなわち、圧下
率(t’/t)の値が0.9以下になるように熱間圧延
を実行する。この熱間圧延は、表面温度が100℃以上
800℃以下の範囲に保持された双ロールを用いて行
う。この熱間圧延によって急冷合金を塑性変形すると、
圧延開始時から終了時までの間に合金中で結晶化が進行
する。この結晶化過程において、R2Fe14B型化合物
相を異方化することができる。
【0051】上記合金の過冷却液体は大きな塑性変形能
を有しており、「金属ガラス融体」と表現することも可
能である。このような過冷却液体を得るためには、回転
ロールを用いた単ロール急冷法および双ロール急冷法を
好適に採用することができる。このような液体急冷法に
よって合金溶湯を103K/秒〜105K/秒の冷却速度
で急冷すると、800℃から500℃までに冷却する過
程で過冷却液体が生成される。
【0052】単ロール急冷法を用いて上記の冷却を実行
するには、回転ロールのロール表面速度を2m/秒以上
20m/秒以下にすれば良い。ロール表面速度が2m/
秒を下回る場合、冷却速度が103K/秒未満となるた
め、急冷合金は過冷却液体にならずに結晶質となる。ま
た、ロール表面速度が20m/秒を超えると、冷却用の
ロールと同期して圧延を行うことが困難となるため、過
冷却液体の圧延を実行することができなくなる。ロール
表面速度の好ましい範囲は3m/秒以上15m/秒以下
である。
【0053】双ロール急冷法を用いて上記の冷却を実行
するには、ロール表面速度を2m/秒以上18m/秒以
下にすれば良い。ロール表面速度が2m/秒を下回る
と、冷却速度が103K/秒未満となるため、急冷合金
は過冷却液体にならずに結晶質となる。また、ロール表
面速度が18m/秒を超えると、合金が回転ロールから
剥離した直後に急冷凝固合金となるため、過冷却液体状
態のまま圧延ロールへ供給することができなくなる。
【0054】過冷却液体を得る際の双ロール間距離は、
100μm以上500μm以下にすることが好ましい。
双ロール間距離が100μmを下回る場合、合金は急冷
ロールそのものによっても圧延を受けるため、過冷却液
体になりにくくい。双ロール間距離が500μmを超え
る場合は、双ロールの片側のロールのみによって合金を
冷却することになり、片ロール急冷法を用いて急冷する
場合と異ならない。双ロール間距離の好ましい範囲は1
20μm以上300μm以下である。
【0055】液体急冷法によって合金の過冷却液体を作
製するには、急冷雰囲気を50kPa以下の不活性ガス
雰囲気にすることが好ましい。雰囲気圧力が50kPa
を超える場合、回転ロールの表面と合金溶湯との間に雰
囲気ガスが巻き込まれやすくなる。そのような雰囲気ガ
スの巻き込みが発生すると、合金薄帯の表面にガスポケ
ットが生じ、均一な急冷が達成されず、急冷組織が不均
一化するため、安定的に過冷却液体を形成することが困
難になる。雰囲気ガスの圧力の好ましい範囲は、30k
Pa以下、特に10kPa程度である。
【0056】双ロールを用いて過冷却液体状態の急冷合
金を圧延する際、5MPa以上の圧力があれば、急冷合
金を塑性変形して異方化を行うことが可能である。合金
に加える圧力を増大させると、圧延用双ロールの軸受け
および架台部を強固にする必要がある。このため、圧延
に用いる圧力の好ましい範囲は5MPa以上500MP
a以下である。圧延ロールの表面速度は圧下率に応じて
調整され、入側の素材速度よりも5〜20%速く設定す
ることが好ましい。
【0057】過冷却状態を維持しながら合金の圧延を開
始するためには、圧延ロールの表面を100℃以上80
0℃以下の温度範囲に加熱することが好ましい。圧延ロ
ールの表面温度が100℃を下回る場合、合金の過冷却
液体が圧延ロールの表面に到達した時点ですぐに合金が
結晶化するため、充分な塑性変形を行うことができな
い。また、圧延ロールの表面温度が800℃を超える場
合、圧延中に急冷合金が加熱されるため、結晶核生成速
度が速くなり過ぎ、充分な塑性変形を行うことができな
くなる。圧延ロールの表面温度の好ましい範囲は200
℃以上700℃以下である。
【0058】液体急冷法に用いる回転ロールの材質とし
ては、熱伝導性の観点から、純銅、銅合金、鉄、真鍮、
タングステン、および青銅を採用することが好ましい。
これらの中でも、銅、鉄、または銅および鉄を主成分と
する合金を用いることが、機械的強度および経済性の点
から好ましい。
【0059】圧延用双ロールのロール材質としては、熱
膨張係数が小さく、加熱時の硬度が高い材料が好まし
い。例えば、炭素鋼、ダイス鋼、ハイスピード鋼、W−
C、モリブデン、セラミック等を採用することができ
る。これらの中でも、炭素鋼およびダイス鋼を用いるこ
とが、加熱時における高い硬度と優れた経済性を持つ点
で好ましい。
【0060】なお、上記の熱間圧延を行った後の合金に
対して、更に熱処理を付加的に行ってもよい。熱間圧延
によって異方化した微細結晶は、この熱処理によって更
に成長するが、異方性は失われない。
【0061】以上の方法で作製された異方性鉄基合金磁
石は、種々の態様で各種の装置に応用され得る。以下、
異方性鉄基礎合金磁石を粉砕した後、その粉末を用いて
ボンド磁石を製造する方法を説明する。
【0062】まず、上記の異方性鉄基合金磁石の粉末に
エポキシ樹脂からなるバインダーと添加剤とを加え、混
練することによってコンパウンドを作製する。次に、コ
ンパウンドの所望形状の成形空間を持つ成形装置によっ
て配向磁場中でプレス成形した後、加熱硬化工程、洗浄
工程、コーティング工程、検査工程、着磁工程を経て、
最終的な異方性ボンド磁石を得ることができる。このボ
ンド磁石は、種々のモータやアクチュエータに好適に用
いられる。
【0063】[結晶構造]本発明による異方性鉄基礎合
金磁石の金属組織は、鉄や鉄基硼化物の軟磁性相と、R
2Fe14B型結晶構造を有する異方化した硬磁性化合物
相とが混在するナノコンポジット構造を有しており、し
かも硬磁性化合物が特定方向に配向している。
【0064】上記の軟磁性相および硬磁性化合物相の平
均結晶粒径は、何れも、1nm以上50nm以下であ
る。各構成相の平均結晶粒径が50nmを超えると、各
結晶粒子間の交換結合が弱まり、硬磁性相と軟磁性相が
磁気的に分離する。そのため、減磁曲線が二段になる特
性しか発揮されず、優れた硬磁気特性を得ることができ
なくなる。上記結晶粒の平均粒径は小さい方が好ましい
が、平均結晶粒径が1nm未満の粉末を工業的に生産す
ることが困難であるため、平均結晶粒径の下限は1nm
とする。
【0065】合金磁石の組織全体が結晶質である必要は
なく、非晶質相が存在していても良い。体積比で約20
%以下の非晶質相が残存している場合、各結晶粒子間に
働く交換相互作用が適当に弱められるため、かえって磁
気的に最適な結合状態が得られ、硬磁気特性が向上す
る。非晶質相の体積比率が20%を超えて増加すると、
磁化が低下する。このため、非晶質相の存在比率は20
体積%以下であることが好ましい。
【0066】
【実施例】以下の各実施例では、単ロール法または双ロ
ール法を用いた液体急冷法によって合金溶湯を急冷し、
それによって過冷却液体状態を形成した後、下段に配し
た双ロールによって熱間圧延を施し、異方性永久磁石を
製造した。
【0067】(実施例1)本実施例では、図1に示すタ
イプの装置を用いた。まず、Nd:4at%、B:19
at%、残部Feの合金組成になるよう配合した原料3
0gを底部に直径0.8mmのオリフィスを有する透明
石英製のノズル3に入れ、高周波誘導加熱によって合金
溶湯を作製した。その後、30kPaの噴射圧力にて合
金溶湯1をノズル3から回転する急冷ロール4の表面に
噴射することによって、合金溶湯を103K/秒の冷却
速度で急冷した。本実施例では、直径270mmの純銅
製ロールを用いて、ロール表面速度を6m/秒とした。
この急冷によって、厚さ150μm、幅1mmの連続し
た過冷却液体5が形成された。
【0068】この過冷却液体5に対して、ダイス鋼製圧
延ロール6によって50MPaの圧力を印加し、圧延ロ
ール表面速度を6.6m/秒として、圧下率が0.67
となるように連続的に圧延した。圧延ロール6の直径は
100mmであり、その表面温度が約500℃になるよ
うに、ヒータ7によって圧延ロール6を加熱した。
【0069】上記の圧延によって過冷却液体5は結晶化
し、薄帯状の異方性鉄基永久磁石8が作製された。得ら
れた異方性鉄基合金磁石8を620℃で10分間熱処理
した後、その構成相を粉末XRDにて調査したところ、
Fe3BおよびNd2Fe14Bからなるナノコンポジット
組織を有していることがわかった。
【0070】また、異方性鉄基合金磁石8の圧延方向と
垂直な面をXRDにより調査した。その結果、Nd2
14B型化合物のC面による反射を示す(004)ピー
ク高さの(410)ピーク高さに対する比、すなわち、
(004)ピーク高さ/(410)ピーク高さが1以上
になっていた。ここで、(410)ピーク高さは、粉末
XRDで最も高いピーク強度を示すものである。上記の
比が1以上であることは、Nd2Fe14B型化合物の容
易磁化方向であるC軸が応力方向に平行な方向へ配向し
ていることを意味している。
【0071】透過型電子顕微鏡を用いて異方性鉄基永久
磁石8の金属組織を調査した。その結果、異方性鉄基永
久磁石8に含まれる結晶粒の平均結晶粒径は30nm程
度であり、異方性鉄基永久磁石8はナノ結晶構造を持っ
ていることがわかった。
【0072】上記の異方性鉄基永久磁石8を粉末粒径1
50μm以下になるよう粉砕した後、粉砕粉30mgを
パラフィンと共に内径3mm高さ8mmのホルダー内へ
入れ、約60℃でパラフィンを溶かした。その後、0.
8MA/mの配向磁界中で粉末を配向させた試料を作製
し、振動試型磁力計を用いて配向方向と同一方向におけ
る粉末の磁気特性を評価した。その結果、残留磁束密度
rが1.3T、保磁力Hcjが250kA/m、(B
H)maxが180kJ/m3の磁気特性が得られた。一
方、配向方向に対して垂直な方向に上記磁気特性を測定
したところ、残留磁束密度Brが0.7T、保磁力Hcj
が270kA/m、最大エネルギ積(BH)m axが58
kJ/m3の磁気特性しか得られなかった。以上のこと
から、本実施例で作製した鉄基合金磁石8が異方性を持
つことが確認された。
【0073】(実施例2)本実施例では、図2に示すタ
イプの装置を用いた。
【0074】まず、Nd:8at%、B:10at%、
Cr:2at%、残部Feの合金組成になるよう配合し
た原料50gを底部に直径1.2mmのオリフィスを有
する透明石英製のノズル3に入れ、高周波誘導加熱によ
って合金溶湯1を作製した。その後、30kPaの噴射
圧力にて合金溶湯1をノズル3から回転する急冷ロール
3の間に噴射することによって、二つの冷却ロール4の
間に湯溜まり9を形成し、そこから下方に合金溶湯を引
き出しながら、104K/秒の冷却速度で合金溶湯を急
冷した。本実施例では、室温でロール間ギャップが25
0μmとなるように配置された直径150mmの2つの
純銅製ロールを用い、ロール表面速度を8m/秒とし
た。この急冷によって、厚さ200μm、幅5mmの連
続した過冷却液体5が形成された。
【0075】この過冷却液体5に対して、ダイス鋼製圧
延ロール6によって50MPaを圧力を印加し、圧下率
が0.5となるように連続的に圧延した。圧延ロール6
の直径は100mmであり、その表面温度が約500℃
になるように、ヒータ7によって圧延ロール6を加熱し
た。
【0076】上記の圧延によって過冷却液体5は結晶化
し、薄帯状の異方性鉄基永久磁石8が作製された。得ら
れた異方性鉄基合金磁石8の構成相を粉末XRDにて調
査したところ、α−Fe、Fe3BおよびNd2Fe14
からなるナノコンポジット組織を有していることがわか
った。
【0077】また、異方性鉄基合金磁石8の圧延方向と
垂直な面をXRDにより調査した。その結果、Nd2
14B型化合物のC面による反射を示す(004)ピー
ク高さの(410)ピーク高さに対する比、すなわち、
(004)ピーク高さ/(410)ピーク高さが1以上
になっていた。ここで、(410)ピーク高さは、粉末
XRDで最も高いピーク強度を示すものである。上記の
比が1以上であることは、Nd2Fe14B型化合物の容
易磁化方向であるC軸が応力方向に平行な方向へ配向し
ていることを意味している。
【0078】透過型電子顕微鏡を用いて異方性鉄基永久
磁石8の金属組織を調査した。その結果、異方性鉄基永
久磁石8に含まれる結晶粒の平均結晶粒径は20nm程
度であり、異方性鉄基永久磁石8はナノ結晶構造を持っ
ていることがわかった。
【0079】上記の異方性鉄基永久磁石8を粉末粒径1
50μm以下になるよう粉砕した後、粉砕粉30mgを
パラフィンと共に内径3mm高さ8mmのホルダー内へ
入れ、約60℃でパラフィンを溶かした。その後、0.
8MA/mの配向磁界中で粉末を配向させた試料を作製
し、振動試型磁力計を用いて配向方向と同一方向におけ
る粉末の磁気特性を評価した。その結果、残留磁束密度
rが1.25T、保磁力Hcjが550kA/m、(B
H)maxが280kJ/m3の磁気特性が得られた。一
方、配向方向に対して垂直な方向に上記磁気特性を測定
したところ、残留磁束密度Brが0.6T、保磁力Hcj
が660kA/m、最大エネルギ積(BH)maxが43
kJ/m3の磁気特性しか得られなかった。以上のこと
から、本実施例で作製した鉄基合金磁石8が異方性を持
つことが確認された。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、塑性変形しやすい過冷
却液体を熱間圧延しながら凝固させ、異方的な結晶成長
を行うため、ナノコンポジット構造を持つ高性能な異方
性鉄基合金磁石を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はNd−Fe−B系希土類磁石用合金の
溶湯を回転する単ロールに接触させることによって作製
した急冷合金薄帯12の一部断面図であり、(b)は急
冷合金薄帯12のフレーク状粉末から作製されたバルク
体磁石に応力を与えることによって作製された異方性磁
石14の一部断面図である。
【図2】本発明による異方性鉄基合金磁石の製造方法を
説明する図である。
【図3】本発明による異方性鉄基合金磁石の製造装置の
実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明による異方性鉄基合金磁石の製造装置の
他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 合金溶湯 2 ヒータ 3 ノズル 4 急冷ロール 5 合金の過冷却液体 6 圧延ロール 8 異方性鉄基合金磁石 9 合金溶湯の湯溜まり 12 急冷合金薄帯 14 異方性磁石 20 過冷却液体 22 圧延ロール 24 急冷合金(異方性磁石)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 9/04 B22F 9/04 C C21D 6/00 C21D 6/00 B C22C 33/02 C22C 33/02 J 38/00 303 38/00 303D H01F 1/053 H01F 41/02 G 41/02 1/04 H Fターム(参考) 4E004 DB02 DB03 TA01 TA03 TB02 4K017 AA04 BB12 BB13 DA04 EA03 4K018 AA27 BA18 BD01 KA46 5E040 AA04 AA19 CA01 HB05 HB07 NN01 NN06 NN17 5E062 CD04 CE05 CG02 CG05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式が(Fe1-mm100-x-y-zx
    yz(TはCoおよびNiからなる群から選択された1
    種以上の元素、Rは1種以上の希土類金属元素、MはA
    l、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、
    Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、A
    u、およびPbからなる群から選択された少なくとも1
    種の元素)で表現され、組成比率x、y、z、およびm
    が、それぞれ、 5≦x≦30at%、 2≦y≦15at%、 0≦z≦10at%、および 0≦m≦0.5 を満足し、R2Fe14B型結晶構造を有する微細結晶相
    が異方化しており、前記微細結晶相の平均サイズが1n
    m以上50nm以下の範囲内にある異方性鉄基合金磁
    石。
  2. 【請求項2】 過冷却液体状態で圧延されたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の異方性鉄基合金磁
    石。
  3. 【請求項3】 粉末状態にある請求項1または2に記載
    の異方性鉄基合金磁石。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の異方性鉄基合金磁石を
    成形することによって作製されたボンド磁石。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のボンド磁石を備えた回
    転機。
  6. 【請求項6】 鉄基合金磁石用原料合金の溶湯を急冷す
    ることによって、前記原料合金の過冷却液体を形成する
    工程と、 雰囲気圧より大きな圧力を前記過冷却液体に印加しなが
    ら前記過冷却液体を変形させ、それによって、圧延され
    た合金を作製する工程と、を包含する異方性鉄基合金磁
    石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記過冷却液体を変形させる工程におい
    て、R2Fe14B型結晶構造を有する微細結晶相を生成
    する請求項6に記載の異方性鉄基合金磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記圧延された合金を加熱し、前記R2
    Fe14B型結晶構造を有する微細結晶相を成長させる請
    求項7に記載の異方性鉄基合金磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記R2Fe14B型結晶構造を有する微
    細結晶相の平均サイズを1nm以上50nm以下の範囲
    内に調節する請求項7または8に記載の異方性鉄基合金
    磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記過冷却液体を加圧することによっ
    て前記合金の厚さを加圧前の厚さtから加圧後の厚さ
    t’に薄くし、圧下率(t’/t)を0.9以下にする
    請求項6から9のいずれかにに記載の異方性鉄基合金磁
    石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記過冷却液体を加圧するとき、前記
    過冷却液体を加熱する請求項6から9のいずれかに記載
    の異方性鉄基合金磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記過冷却液体を加圧する前、前記過
    冷却液体を加熱する請求項6から11のいずれかに記載
    の異方性鉄基合金磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記過冷却液体の加圧は、加熱された
    双ロールを用いて行う請求項6から12のいずれかに記
    載の異方性鉄基合金磁石の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記圧延された合金を粉末化する工程
    を更に包含する請求項6から13のいずれかに記載の異
    方性鉄基合金磁石の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の異方性鉄基合金磁
    石の製造方法によって作製された異方性鉄基合金磁石の
    粉末を用意する工程と、 前記粉末を成形する工程と、を包含するボンド磁石の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 鉄基合金の溶湯を冷却し、過冷却液体
    状態にある合金を生成する冷却ロールと、 前記過冷却状態にある合金を加圧しながら前記合金中で
    結晶化を進行させる圧延ロールと、 前記圧延ロールの表面を所定範囲の温度に加熱するため
    の加熱手段とを備えている異方性鉄基合金磁石の製造装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011143455A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Toyota Motor Corp 磁石材料の製造方法および製造装置
US9607760B2 (en) 2012-12-07 2017-03-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus for rapidly solidifying liquid in magnetic field and anisotropic rare earth permanent magnet
JP2017150022A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 Jfeスチール株式会社 積層造形方法、積層造形体製造方法、および積層造形体

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