JP2001307651A - 陰極線管 - Google Patents
陰極線管Info
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Abstract
よる色電子ビームのミスランディングを防止して、色ず
れ、色むら、及び輝度低下を防止した陰極線管を提供す
る。 【解決手段】 平板に開孔2の列が多数配列されたシャ
ドウマスクを備え、隣接する開孔2の列の間には、開孔
2の列方向にスリット5、6が形成され、このスリット
5、6は、間隙10、13を介して対向する傾斜面8、
9、11、12を有している。このことにより、シャド
ウマスクが熱膨張した場合の、局所ドーミング現象や初
期ドーミング現象による開孔の変位を抑えることがで
き、電子ビームのミスランディングによる色ずれ、色む
ら、及び輝度低下を防止することができる。
Description
ンピューターディスプレイ等に用いられるシャドウマス
ク型の陰極線管に関する。
図4に示す。本図に示したカラー陰極線管41は、内面
に蛍光体スクリーン面が形成された実質的に長方形状の
フェイスパネル42と、フェイスパネル42の後方に接
続されたファンネル43と、ファンネル43のネック部
43aに内蔵された電子銃44と、フェイスパネル42
の内部に蛍光体スクリーン面42aに対向して設けられ
たシャドウマスク46と、これを固定するマスクフレー
ム47とを備えている。また、電子ビームを偏向走査す
るために、ファンネル43の外周面上には偏向ヨーク4
5が設けられている。
射される3本の電子ビームに対して色選別の役割を果た
すものである。Aは、電子ビーム軌跡を示している。シ
ャドウマスクには、平板に電子ビーム通過孔である開孔
がエッチングにより多数形成されている。
よる熱膨張によって、電子ビーム通過孔が変位して、電
子ビーム通過孔を通過する電子ビームが所定の蛍光体に
正しく当たらなくなり、色むらが発生するというドーミ
ング現象が生じる。このため、シャドウマスクの温度上
昇による熱膨張を吸収できるような張力(テンション)
をあらかじめ加えて、シャドウマスクをマスクフレーム
に架張保持することが行われている。このような、架張
保持によれば、シャドウマスクの温度が上昇しても、シ
ャドウマスクの開孔と蛍光体スクリーン面の蛍光体スト
ライプとの相互位置のずれを低減することができる。
ような従来のカラー陰極線管には以下のような問題があ
った。図5は、従来のシャドウマスクの一例の一部につ
いての平面図を示している。シャドウマスク20には、
開孔21が列状に多数形成されている。縦方向(画面垂
直方向)に隣接する開孔21は、ブリッジ22でつなが
っている。本図に示したようなシャドウマスクでは、電
子ビームの射突によるシャドウマスク20の熱膨張によ
って、例えば隣接する開孔列の間の部分である領域B
に、矢印dで示した方向に応力が加わる。このような応
力が加わると、領域Bには、しわが発生し、開孔21は
横方向に変位することになる。このようないわゆる局所
ドーミング現象が発生すると、電子ビームのミスランデ
ィングが生じ、色ずれ、色むら、及び輝度低下の原因と
なるという問題があった。
定するマスクフレームの板厚と比べると、非常に薄いた
め(例えば0.1mm程度)、カラー陰極線管の作動初
期においては、シャドウマスクのみが熱膨張するいわゆ
る初期ドーミング現象が発生する。この初期ドーミング
現象が発生すると、開孔の列は横方向に移動することに
なり、電子ビームのミスランディングが生じ、色ずれ、
色むら、及び輝度低下の原因となるという問題があっ
た。このような、局所ドーミング現象や初期ドーミング
現象による問題は、前記のようなシャドウマスクの架張
保持によっても十分に防止できなかった。
するものであり、開孔列の間にスリットを形成すること
により、局所ドーミング現象や初期ドーミング現象によ
る色電子ビームのミスランディングを防止して、色ず
れ、色むら、及び輝度低下を防止した陰極線管を提供す
ることを目的とする。
に、本発明の陰極線管は、平板に開孔の列が多数配列さ
れたシャドウマスクを備え、隣接する前記開孔の列の間
に、前記開孔の列方向に延びたスリットが形成された領
域を有していることを特徴とする。前記のような陰極線
管によれば、シャドウマスクが熱膨張した場合の、局所
ドーミング現象や初期ドーミング現象による開孔の変位
を抑えることができ、電子ビームのミスランディングに
よる色ずれ、色むら、及び輝度低下を防止することがで
きる。
は、間隙を介して互いに対向する傾斜面を有したスリッ
トを含み、前記傾斜面は、前記シャドウマスクに入射す
る電子ビームの光束を遮光するような傾斜角で形成され
ていることが好ましい。
に対向する傾斜面を有したスリットを含み、前記傾斜面
は、前記シャドウマスクの裏面を起点とすると、前記シ
ャドウマスクの縦中心線側に傾斜していることが好まし
い。前記のようなシャドウマスクに傾斜面を有したスリ
ットを含む陰極線管によれば、スリット形成部分におい
て、電子ビーム光の遮光が確実になるので、電子ビーム
のミスランディングを防止しつつ、電子ビーム光の通過
に関しては、スリットの形成されていないシャドウマス
クと実質的に等価なシャドウマスクとすることができ
る。
士をつなぐ連結部をさらに有することが好ましい。前記
のような陰極線管によれば、スリット形成部分におい
て、電子ビーム光の遮光がより確実になる。
に、複数に分離して形成されていることが好ましい。前
記のようなシャドウマスクによれば、シャドウマスクが
熱膨張した場合の開孔の変位を抑えつつ、上下のスリッ
トをつなぐブリッジが増加するため、シャドウマスクの
強度も確保し易くなり、かつスリットの左右に位置する
シャドウマスク面同士が絡みにくくなる。
て、図面を用いて説明する。図4を用いて説明したカラ
ー陰極線管の各構成は、本実施形態でも同様であるの
で、その説明は省略する。
を示している。マスクフレーム30は、長方形状の枠体
で、長辺フレームである対向する一対の支持体31に短
辺フレームである一対の弾性部材32が固定されてい
る。シャドウマスク1は、支持体31間に保持されてい
る。シャドウマスク1には、電子ビーム通過孔である開
孔2がエッチングにより形成されており、後に具体的に
説明するように、開孔2の列間にはスリット5が形成さ
れている。本図に示したものは、テンション方式が用い
られており、シャドウマスク1は主に矢印Y方向に引張
力が加わった状態で、支持体31間に架張保持されてい
る。
実施形態の一部についての平面図を示している。シャド
ウマスク1には、多数の開孔2が列状に形成されてお
り、シャドウマスク1の縦方向(画面垂直方向)に隣接
する開孔2は、ブリッジ3でつながっている。線4は、
シャドウマスク1の縦中心線を示している。
て右側の領域(以下、「右側領域」という。)にはスリッ
ト5が、左側の領域(以下、「左側領域」という。)には
スリット6が、それぞれ形成されている。スリット5、
6は、隣接する開孔2の列間に形成されている。例えば
右側領域の開孔列2aと開孔列2bとの間には、スリッ
ト5が形成され、左側領域の開孔列2cと開孔列2dと
の間には、スリット6が形成されている。
様にエッチングにより形成することができ、また、レー
ザ加工で形成することもできる。本図に示した例では、
縦方向に隣接するスリット5、6はブリッジ7でつなが
っている。
方向(画面水平方向)における断面図である。図3A
は、図2のI−I線における断面図、すなわち右側領域に
おける断面図を示しており、図3Bは、図2のII−II線
における断面図、すなわち左側領域における断面図を示
している。
ト5は、間隙9を介して互いに対向する傾斜面8と傾斜
面9とを有している。傾斜面8、9の傾斜の方向は、シ
ャドウマスク1の裏面1bから表面1aに行くにつれ
て、縦中心線4側に傾斜する方向である。図3Bに示し
たように、左側領域のスリット6は、間隙13を介して
互いに対向する傾斜面11と傾斜面12とを有してい
る。傾斜面11、12の傾斜の方向は、シャドウマスク
1の裏面1bから表面1aに行くにつれて、縦中心線4
側に傾斜する方向である。
である領域A(図2)は、横方向の両側がブリッジ7で
支持されているので、前記のように、電子ビームの射突
によるシャドウマスク1の熱膨張によって、領域Aには
矢印cで示した方向に応力が加わる。
ット5が形成されているので、このような応力は、スリ
ット5の幅を狭める方向に作用し、スリット5の変形に
より吸収されることになる。
マスクが熱膨張した場合の、局所ドーミング現象や初期
ドーミング現象による開孔の変位を抑えることができる
ので、電子ビームのミスランディングによる、色ずれ、
色むら、及び輝度低下を防止することができる。
おいては電子ビームの光束は、矢印a方向に進む。この
場合、光束14は開孔2を通過するが、光束15はスリ
ット5の傾斜面9によって、遮光されることになる。こ
のことは、左側領域においても同様であり、電子ビーム
の光束は、図3Bに示したように、矢印b方向に進むこ
とになるが、光束16は開孔2を通過し、光束17はス
リット6の傾斜面12によって遮光される。すなわち、
本実施形態では、開孔の列間にスリットが形成されてい
るが、スリット形成部では、電子ビームの光束は遮光さ
れるので、光束の通過に関しては、スリットの形成され
ていないシャドウマスクと実質的に等価である。
板厚tは0.05−0.25mmの範囲が好ましく、開
孔の寸法Cは0.7t−2tの範囲が好ましく、寸法D
は1.2C−2.5Cの範囲が好ましい。また、スリッ
トの寸法Eは0.1t−0.8tの範囲が好ましい。
ャドウマスクの表面から裏面にかけて完全に貫通してい
る場合で説明したが、図3Cに示したように対向する傾
斜面間の間隙に連結部である微小なつながり部分23が
あってもよい。このような場合であっても、応力の吸収
効果を発揮することができ、遮光がより確実になる。こ
の場合、つながり部分23は、画面垂直方向についてみ
ると、スリット全体に亘り連続的に形成されていてもよ
く、部分的、断続的に形成されていてもよく、応力の吸
収効果と遮光効果とを両立できる範囲で適宜決定すれば
よい。
ものに限るものではなく、応力を吸収し、電子ビームを
遮光できる範囲で適宜決定すればよい。例えば、縦中心
線4の近傍であれば、スリットの傾斜方向は図3の例と
は逆に、斜面の傾斜方向は、シャドウマスク1の裏面1
bから表面1aに行くにつれて、縦中心線4側とは逆に
傾斜する方向でもよい。また、垂直面同士が対向して形
成されたスリットでもよい。
ジでつながっており、スリットが開孔の列方向に、複数
に分離して形成されている場合について説明したが、各
列が1本のスリットで形成されていてもよい。
を架張保持することを前提に説明したが、架張保持を行
なわない場合であっても、前記のような応力の吸収効果
が得られる。したがって、プレス成形により曲面を形成
した架張保持を行なわないシャドウマスクについても本
実施形態は有効である。
開孔2の列間に形成されているが、両側の開孔2の列と
シャドウマスクの左右辺との間に、さらにスリット5を
設けてもよい。
ば、平板に開孔の列が多数配列されたシャドウマスクに
おいて、隣接する開孔の列の間に、スリットを形成する
ことにより、シャドウマスクが熱膨張した場合の、局所
ドーミング現象や初期ドーミング現象による開孔の変位
を抑えることができ、電子ビームのミスランディングに
よる色ずれ、色むら、及び輝度低下を防止することがで
きる。
面図
‐II線における断面図C スリットに連結部分を有する
実施形態の断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 平板に開孔の列が多数配列されたシャド
ウマスクを備え、隣接する前記開孔の列の間に、前記開
孔の列方向に延びたスリットが形成された領域を有して
いることを特徴とする陰極線管。 - 【請求項2】 前記スリットは、間隙を介して互いに対
向する傾斜面を有したスリットを含み、前記傾斜面は、
前記シャドウマスクに入射する電子ビームの光束を遮光
するような傾斜角で形成されている請求項1に記載の陰
極線管。 - 【請求項3】 前記スリットは、間隙を介して互いに対
向する傾斜面を有したスリットを含み、前記傾斜面は、
前記シャドウマスクの裏面を起点とすると、前記シャド
ウマスクの縦中心線側に傾斜している請求項1に記載の
陰極線管。 - 【請求項4】 前記互いに対向する傾斜面の一部同士を
つなぐ連結部をさらに有している請求項2又は3に記載
の陰極線管。 - 【請求項5】 前記スリットは、前記開孔の列方向に、
複数に分離して形成されている請求項1から4のいずれ
かに記載の陰極線管。
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---|---|---|---|
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JP2000-40007 | 2000-02-17 | ||
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