JP2001305325A - 光ピックアップ装置用光学素子および光学素子 - Google Patents

光ピックアップ装置用光学素子および光学素子

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JP2001305325A
JP2001305325A JP2000126061A JP2000126061A JP2001305325A JP 2001305325 A JP2001305325 A JP 2001305325A JP 2000126061 A JP2000126061 A JP 2000126061A JP 2000126061 A JP2000126061 A JP 2000126061A JP 2001305325 A JP2001305325 A JP 2001305325A
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optical
optical element
pickup device
diffraction
axis direction
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Norikazu Arai
則一 荒井
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回折効果を生じさせる段差等を有する複雑な表
面形状を有する光学素子の大口径化や、回折効果の向上
が可能で、バイトを傷めることが少なく金型の加工精度
を向上可能な光学素子を提供する。 【解決手段】光学素子の金型製造時に、一旦接触させた
バイトの刃先を、離間させることなく、金型に対して一
筆書き的に相対移動させることによって、一筆書き的な
連続溝を形成することが出来るので、バイトの損耗を抑
制し、金型製造工程の短縮化を図ることが出来る。更
に、このようにして形成された金型を用いて、所望の回
折効果を得ることが出来る連続的な段差を備えた光学面
を有する光学素子が製造できる。又、前記光学素子の光
学面に形成された段差を用いて回折効果を適切に発揮さ
せれば、少ない数の光学素子で例えば色消しや球面収差
補正などを行うことが出来るので、前記光学素子は、コ
ンパクト化を図りたい光ピックアップ装置に好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子に関し、
特に光ピックアップ装置用光学素子であって、特に製造
を容易に且つ低コストで行える光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】用途に応じて、種々の形状、種々のパタ
ーンを備えた光学面を有する光学素子が提案されてい
る。特に近年、半導体レーザ等のレーザを使用した光学
機器として、高密度の光情報記録媒体の記録又は再生に
使用される光ピックアップ装置に用いられる集光光学系
や、レーザビームプリンターの走査光学系、光通信装置
における半導体レ―ザとファイバーとの結合光学系、バ
ーコード読取装置の光学系等に使用される光学素子が種
々提案されており、それらの光学系に使用される光学素
子に回折パターンを設け、光学系の波長依存性をコント
ロールして、半導体レーザの波長がモードホップ現象や
発光出力の変化、環境温度変化により変動することによ
って生じる問題を解決しようとする提案がなされつつあ
る。一つの例としては、例えば、レンズの軸上色収差を
コントロールするために回折パターンを設けたレンズが
提案されている。研磨により制作されるガラスレンズの
場合には、このような回折パターンを設けることは困難
であるが、プラスチックレンズの場合には、金型内に樹
脂を射出することにより、安定して精度良く光学面上に
回折パターンを形成することが出来る。
【0003】ところで、平行平板などの光学素子の平面
上に回折パターンを設ける場合には、その光学素子成形
用金型は、フォトリソグラフィー法もしくは電子線直接
描画法で製作することが知られており、それによりサブ
ミクロンオーダーの任意の回折パターンを精度良く描く
ことができる。しかしながら、かかる製作法は、金型の
平面上に回折パターンを刻設するのには適しているが、
金型の球面や非球面上に回折パターンを刻設するには一
般的に不適切であるといえる。
【0004】これに対し、レンズなどの球面や非球面上
に回折パターンを設ける場合には、超精密CNC旋盤
(2軸旋盤)とダイヤモンド工具を使った切削法によっ
て、金型の球面や非球面上に、回転対称の複数輪帯から
なる回折パターンを刻設する方法が知られている。とこ
ろが、輪帯は、その始端及び終端が一致したループ状で
あるため、一つの輪帯を切削する度に、ダイヤモンド工
具(バイト)を金型から離間させ、隣接する輪帯を形成
すべき位置まで移動させ、更に接触させた後切削を行う
という工程を繰り返さねばならないため、バイトの破損
や損耗が多く、精度の高い回折パターンを得ることが難
しかった。特に、回折パターンを大口径レンズに形成し
たり、回折パターンの輪帯数を多くする場合、上記工程
がより多く繰り返されることとなり、それ故バイトの破
損や摩耗が顕著に生ずることとなった。
【0005】更に、光情報記録媒体の記録又は再生に使
用される光ピックアップ装置の集光光学系を例にとって
みると、近年の光ピックアップ装置の光学系は―般に、
半導体レーザからの発散光束の発散度を変換するカップ
リングレンズ(半導体レーザからの発散光束を平行光束
にするコリメートレンズを含む)と対物レンズとで集光
する方式と、半導体レーザからの発散光束の発散度を変
換するカップリングレンズを備えず、半導体レーザから
の発散光束の集光を対物レンズのみで行う方式とが挙げ
られるが、集光光学系の軸上色収差や球面収差の波長依
存性(球面色収差)を補正するよう回折パターンを設け
ることにより、上述の半導体レーザの波長変動による焦
点移動や波面収差の劣化を抑えることができる。
【0006】近年、従来の光情報記録媒体であるCD
(コンパクトディスク)と同サイズで記録密度を高めた
DVD(デジタルバーサタイルディスク)が開発され、
その普及が急速に進んでいる。このDVDを再生するた
めには、一般に光源の波長が635nmまたは660n
mのレーザを使用し、レーザからの発散光束をコリメー
トレンズで一度平行光束にしてから光情報記録媒体側の
開口数(NA)が0.6の対物レンズに入射させ、光情
報記録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光する
ようになされている。CDの記録容量640MB(メガ
バイト)に対してDVDの記録容量は4.7GB(ギガ
バイト)である。
【0007】最近、更なる高NAの対物レンズや更なる
短波長光源を利用して、CDやDVDと同サイズで、1
0〜30GBの記録容量を目指した光情報記録媒体の開
発も盛んである。このような光情報記録媒体を記録又は
再生する光ピックアップ装置の短波長光源として有望視
されているものとして、GaN青色半導体レーザとSH
G青色レーザがある。SHG青色レーザはノイズも少な
く波長変動も少ないが、GaN青色半導体レーザ(発振
波長400nm前後)は、現行の半導体レーザと同様に
発振波長の温度依存性、更にモードホップやレーザ出力
による波長変動があり、また、レーザノイズを低減する
ために高周波重畳が必要であったり、発振波長の単色性
が悪い等の特徴を有し、このGaN青色半導体レーザを
使用した高密度光情報記録媒体用光ピックアップ装置の
集光光学系では、軸上色収差を補正する必要性が増して
いるという状況である。
【0008】ところで、レンズ、プリズム或いはミラー
等の種々の光学素子は、プラスチック材料かガラス材料
か等の素材を問わず、その屈折率nは波長λの関数で表
される。これをn(λ)とすると、単位波長変化に対す
る屈折率変化dn/dλもλの関数であるが、同じ素材
を使用してもレーザ光源の波長λが650nmの場合と
400nmの場合では、400nmの方が単位波長変化
に対する屈折率変化は4〜5倍大きくなる。従って、6
50nmの場合と同程度に軸上色収差を補正するには回
折パターンの輪帯数を4〜5倍に増やす必要が生じる。
また、輪帯数を増やす分、回折効率が低下しないように
光学素子成形用金型を製作する際の切削用バイトに先端
のより尖ったものを使用する必要が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な点に鑑みてなされたもので、回折効果を生じさせる段
差等を有する複雑な表面形状を有する光学素子の大口径
化や、回折効果の向上が可能で、バイトを傷めることが
少なく金型の加工精度を向上可能な光学素子を得ること
を目的とする。
【0010】また、青色半導体レーザを利用した高密度
の光情報記録媒体の記録又は再生に使用される光ピック
アップ装置用光学素子等として高精度が要求される曲面
上に回折効果を生じさせる段差等を有する複雑な表面形
状を備えた光学素子を安価で精度良く得ることをもう一
つの目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記課
題は、光ピックアップ装置内に配置される光学素子であ
って、光軸方向にみたときの段差が、始点と終点が一致
しない一筆書き形状となる光学面を有することを特徴と
する光ピックアップ装置用光学素子によって達成され
る。
【0012】前記光学素子の光学面に段差を金型を用い
て形成する場合には、金型の対応面に、段差に対応する
くぼみを形成する必要がある。従来技術によれば、かか
るくぼみは、段差に対応して同心円状に形成された複数
の周溝であったため、これを形成するに当たっては、バ
イトの刃先を、周溝の数だけ金型から接触・離間させる
という工程が必要であったが、本発明によれば、一旦接
触させたバイトの刃先を、離間させることなく、金型に
対して一筆書き的に相対移動させることによって、一筆
書き的な連続溝を形成することが出来るので、バイトの
損耗を抑制し、金型製造工程の短縮化を図ることが出来
る。更に、このようにして形成された金型を用いて、所
望の回折効果を得ることが出来る連続的な段差を備えた
光学面を有する光学素子が製造できる。又、前記光学素
子の光学面に形成された段差を用いて回折効果を適切に
発揮させれば、少ない数の光学素子で例えば色消しや球
面収差補正などを行うことが出来るので、前記光学素子
は、コンパクト化を図りたい光ピックアップ装置に好適
である。
【0013】かかる段差を球面もしくは非球面に形成し
た光学素子としては、DVDとCDの如く異なる光情報
記録媒体の記録面に対して、情報の記録又は再生を行う
場合に、共通して情報記録/再生光を結像させることが
できる対物レンズや、プラスチック製の対物レンズにお
ける環境温度の変化に起因して生ずる球面収差の悪化を
緩和するカップリングレンズ(コリメートレンズも含
む)、或いは回折効果によって環境温度変化に起因して
生ずる球面収差悪化を自ら緩和する対物レンズ、更には
回折のパワーを高めて大開口数を実現した対物レンズな
ど、種々のものが考えられる。さらに、かかる光学素子
を、レーザービームプリンタの走査光学系や、光通信装
置における半導体レーザとファイバとの結合光学系や、
バーコードの読み取り光学系の半導体レーザ応用光学系
にも使用可能である。その他、撮影レンズやファインダ
等の可視光を使う光学系に対しても、曲面上に回折効果
を発揮する段差を設ける例は種々提案されているが、半
導体レーザ用の回折光学素子と比較して光学面の有効面
積が大きく、さらに金型の加工性が悪化させることがあ
る。しかしながら本発明を適用することによって、これ
らを改善することもできる。
【0014】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくはその一筆書き形状が、光軸方向に見たときに渦
巻き状である。これによって、製造が容易で低コストと
なり、ダイヤモンド工具の損耗もより低減することが出
来る。
【0015】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは前記段差の始点から終点までの回転角が360
度より大きい。これによってダイヤモンド工具の接触・
離間の回数が減少でき、ダイヤモンド工具の損耗を低減
することが出来る。
【0016】前記課題は、光ピックアップ装置内に配置
される光学素子であって、光学面に、光軸方向に略平行
に延在する面を有する段差が形成されており、前記段差
の面は、光軸回りに360度を超えて連続していること
を特徴とする光ピックアップ装置用光学素子によって達
成される。
【0017】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは光ピックアップ装置内に配置される光学素子で
あって、光軸方向にみたときに、前記段差が渦巻き状に
形成されている。これによって、製造が容易で低コスト
となり、ダイヤモンド工具の損耗もより低減することが
出来る。
【0018】前記光ピックアップ装置用光学素子におい
て、好ましくは前記光学面は、前記段差により回折機能
を備えた回折面である。これによって、回折面を備えた
光学素子を安価に大量に得ることが容易となる。従っ
て、光ピックアップ装置を低コストで得ることが可能と
なる。
【0019】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは対物レンズ、あるいはカップリングレンズであ
る。これによって、種々の機能を兼ね備えたレンズを低
コストで得られる。
【0020】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは前記光学面が、前記段差により色消し機能を備
えた回折面である。これによって、色消し機能を備えた
回折面を有する光学素子を安価に大量に得ることが容易
となる。
【0021】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは前記段差が、前記光学面の略全面にわたって形
成されている。
【0022】前記光ピックアップ装置用光学素子は、好
ましくは前記段差の巻き数が10以上2000以下であ
る。段差の巻き数が10以上であれば、回折効果を効果
的に発揮でき、段差の巻数が2000以下であると、段
差の間隔を確保できるため製造が容易となる。
【0023】また、前記課題は、光軸方向にみたときの
段差が、始点と終点の一致しない一筆書き形状となる光
学面を有することを特徴とする光学素子によって達成さ
れる。
【0024】前記光学素子を金型を形成する場合には、
前記光学素子の前記光学面に対応する面に、前記段差に
相補する形状を切削することが必要となる。従って、前
記光学素子の光学面に段差を形成する場合には、金型の
対応面に、段差に対応するくぼみを形成する必要があ
る。従来技術によれば、かかるくぼみは、段差に対応し
て同心円状に形成された複数の周溝であったため、これ
を形成するに当たっては、バイトの刃先を、周溝の数だ
け金型から接触・離間させるという工程が必要であった
が、本発明によれば、一旦接触させたバイトの刃先を、
離間させることなく、金型に対して一筆書き的に相対移
動させることによって、一筆書き的な連続溝を形成する
ことが出来るので、バイトの損耗を抑制し、金型製造工
程の短縮化を図ることが出来る。更に、このようにして
形成された金型を用いて、所望の回折効果を得ることが
出来る連続的な段差を備えた光学面を有する光学素子が
製造できる。
【0025】前記光学素子は、好ましくは前記一筆書き
形状は、光軸方向に見たときに渦巻き状である。これに
よって、製造が容易で低コストとなり、ダイヤモンド工
具の損耗もより低減することが出来る。
【0026】前記光学素子は、好ましくは前記段差の始
点から終点までの回転角が360度より大きい。これに
よってダイヤモンド工具の接触・離間の回数が減少で
き、ダイヤモンド工具の損耗を低減することが出来る。
【0027】前記課題は、光学面に、光軸方向に略平行
に延在する面を有する段差が形成されており、前記段差
の面は、光軸回りに360度を超えて連続していること
を特徴とする光学素子によって達成される。尚、「連続
する」とは、滑らかな曲面で面を接合している場合の
他、角を付けて面同士が接合されている場合も含むもの
とする。
【0028】前記光学素子において、好ましくは、光軸
方向にみたときに、前記段差が渦巻き状に形成されてい
る。これによって、製造が容易で低コストとなり、ダイ
ヤモンド工具の損耗もより低減することが出来る。
【0029】前記光学素子において、好ましくは前記光
学面は、前記段差により回折機能を備えた回折面であ
る。これによって、回折面を備えた光学素子を安価に大
量に得ることが容易となる。
【0030】前記光学素子は、好ましくは前記光学面
が、前記段差により色消し機能を備えた回折面である。
これによって、色消し機能を備えた回折面を有する光学
素子を安価に大量に得ることが容易となる。
【0031】前記光学素子は、好ましくは前記段差が、
前記光学面の略全面にわたって形成されている。
【0032】前記光学素子は、好ましくは前記段差の巻
き数が10以上2000以下である。段差の巻き数が1
0以上であれば、回折効果を効果的に発揮でき、段差の
巻数が2000以下であると、段差の間隔を確保できる
ため製造が容易となる。
【0033】本明細書中で用いる段差とは、回折によっ
て光束を偏向させる作用を持つ段差のみならず、光路長
に実質的な変化が生じる程度以上の段差も含むものであ
る。好ましくは、回折部を形成するために設けた部分で
あり、より好ましくは光軸に対して略平行に延在する面
を有するものである。本発明では、段差は、一筆書き状
のごとく一つなぎになって形成されている。この段差の
形状は、例えば渦巻き状、或いは、同軸に形成された異
なる径の輪帯の一部同士が半径方向に接合されるような
形状であって良い。
【0034】本明細書中で用いる色消し機能とは、当業
者に良く知られている技術であるので詳細な説明は省略
するが、別の光学素子や光学系全体の軸上色収差や球面
収差の色収差成分を低減する機能であったり、その光学
素子自体のそれら色収差を低減するものであって良い。
【0035】本明細書中において、対物レンズとは、狭
義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した
状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと
対向すべく配置される集光作用を有するレンズを指し、
広義にはそのレンズと共に、アクチュエータによって少
なくともその光軸方向に作動可能なレンズ群を指すもの
とする。ここで、かかるレンズ群とは、少なくとも1枚
以上のレンズを指すものである。
【0036】本明細書中において、光情報記録媒体(光
ディスク)としては、例えば、CD-R, CD-RW, CD-Video,
CD-ROM等の各種CD、DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD-
RW,DVD-Video等の各種DVD、或いはMD等のディスク
状の現在の光情報記録媒体および次世代の記録媒体など
も含まれる。
【0037】本明細書中において、情報の記録および再
生とは、上記のような情報記録媒体の情報記録面上に情
報を記録すること、情報記録面上に記録された情報を再
生することをいう。本発明の光ピックアップ装置は、記
録だけ或いは再生だけを行うために用いられるものであ
ってもよいし、記録および再生の両方を行うために用い
られるものであってもよい。また、或る情報記録媒体に
対しては記録を行い、別の情報記録媒体に対しては再生
を行うために用いられるものであってもよいし、或る情
報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の情報
記録媒体に対しては記録及び再生を行うために用いられ
るものであってもよい。なお、ここでいう再生とは、単
に情報を読み取ることを含むものである。
【0038】本発明の光ピックアップ装置は、各種のプ
レーヤまたはドライブ等、あるいはそれらを組み込んだ
AV機器、パソコン、その他の情報端末等の音声および
/または画像の記録および/または再生装置に搭載する
ことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施
の形態にかかる光ピックアップ装置の概略構成図であ
る。図1において、第1の光情報記録媒体(光ディス
ク)に対して記録および/または再生を行う第1光源1
1と、第2の光情報記録媒体(光ディスク)に対して記
録および/または再生を行う第1光源11とは波長の異
なる第2光源12とを備え、それぞれの光源から射出さ
れる発散光束の発散角を所望の発散角に変換するカップ
リングレンズ21,22と、上記光束をほぼ一つの方向
に進むように合成する光合成手段であるビームスプリッ
タ62と、ビームスプリッタ62からの光束を光情報記
録媒体の情報記録面5に集光する対物レンズ3と、光情
報記録媒体からの反射光を受光する光検出器41、42
とを備えている。図中、8は絞り、9はシリンドリカル
レンズ、71,72は1/4波長板、15は光源11か
らの発散光速の発散度を小さくするためのカップリング
レンズ、16は凹レンズ、17は反射光束を分離するた
めのホログラムである。対物レンズ3は、後述の実施例
1、2を用いる。第1光源11は波長λ1=405nm
程度のレーザ光を射出し、第2光源12は波長λ2=6
50nm程度のレーザ光を射出する。
【0040】図2は、対物レンズの斜視図である。対物
レンズ3は、樹脂製レンズであり、その光学面に形成さ
れた光軸方向に略平行に延在する面3dを有する段差3
aによって回折効果を生じさせ、それにより色収差補正
や球面収差補正を行っている。尚、段差3aのサイズ
は、理解しやすいように実際より大きく描かれ、またそ
の巻数も同理由により実際より少なく描かれている。
【0041】図3は、対物レンズを光軸方向に見た図で
ある。図3(a)においては、本実施の形態にかかる対
物レンズ3は、光軸方向に見て、一筆書きで渦巻き状に
形成された段差3aを有している。図3(b)において
は、変形例に係る対物レンズ3’は、同軸に形成された
隣接する段差3aの一部同士を連結してなるようにして
一筆書き状に形成された段差3a’を有し、それぞれ始
点3b、3b’から終点3c、3c’までは、回転角が
360度を超えている。すなわち、段差3a、3a’の
面は光軸回りに360度を超えて連続している。
【0042】かかる対物レンズ3,3’を製造する場
合、超精密CNC旋盤とダイヤモンド工具を使った切削
法によって、金型の球面や非球面上に、対物レンズ3,
3’に相補する形状(段差3a、3a’に対応するくぼ
みを含む)を形成し、かかる金型内に樹脂材を射出し固
化させることにより形成できる。射出成形に関しては良
く知られているので、以下に詳細は記載しない。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、回折パターン等の複雑
な表面形状を有する光学素子の大口径化や回折パターン
等における輪帯数の増加が可能で、バイトを傷めること
が少なく金型の加工精度を向上可能な光学素子を得るこ
とができる。
【0044】また、青色半導体レーザを利用した高密度
の光情報記録媒体の記録又は再生に使用される光ピック
アップ装置用光学素子等として高精度が要求される曲面
上に回折パターン等の複雑な表面形状を備えた光学素子
を安価で精度良く得ることが出来る。また、従来は製造
が困難であるため少ない本数の段差しか形成できず回折
効果もそれなりに薄かったが、本発明を適用することに
より、容易に高い回折効果を得ることが出来る光学素子
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概
略構成図である。
【図2】対物レンズの斜視図である。
【図3】対物レンズを光軸方向に見た図である。
【符号の説明】
3、3’ 対物レンズ 8 絞り 9 シリンドリカルレンズ 11 第1光源 12 第2光源 15 カップリングレンズ 16 凹レンズ 17 ホログラム 21、22 カップリングレンズ 41,42 光検出器 62 ビームスプリッタ 71,72 1/4波長板

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ピックアップ装置内に配置される光学
    素子であって、光軸方向にみたときの段差が、始点と終
    点が一致しない一筆書き形状となる光学面を有すること
    を特徴とする光ピックアップ装置用光学素子。
  2. 【請求項2】 前記一筆書き形状は、光軸方向に見たと
    きに渦巻き状であることを特徴とする請求項1に記載の
    光ピックアップ装置用光学素子。
  3. 【請求項3】 前記段差の始点から終点までの回転角が
    360度より大きいことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  4. 【請求項4】 光ピックアップ装置内に配置される光学
    素子であって、光学面に、光軸方向に略平行に延在する
    面を有する段差が形成されており、前記段差の面は、光
    軸回りに360度を超えて連続していることを特徴とす
    る光ピックアップ装置用光学素子。
  5. 【請求項5】 光軸方向にみたときに、前記段差が渦巻
    き状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載
    の光ピックアップ装置用光学素子。
  6. 【請求項6】 前記光学面は、前記段差により回折機能
    を備えた回折面であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  7. 【請求項7】 前記光学素子が対物レンズであることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ピックア
    ップ装置用光学素子。
  8. 【請求項8】 前記光学素子がカップリングレンズであ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光
    ピックアップ装置用光学素子。
  9. 【請求項9】 前記光学面は、前記段差により色消し機
    能を備えた回折面であることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  10. 【請求項10】 前記段差は、前記光学面の略全面にわ
    たって形成されていることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  11. 【請求項11】 前記段差の巻き数が10以上2000
    以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    に記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  12. 【請求項12】 光軸方向にみたときの段差が、始点と
    終点の―致しない一筆書き形状となる光学面を有するこ
    とを特徴とする光学素子。
  13. 【請求項13】 前記一筆書き形状は、光軸方向に見た
    ときに渦巻き状であることを特徴とする請求項12に記
    載の光学素子。
  14. 【請求項14】 前記段差の始点から終点までの回転角
    が360度より大きいことを特徴とする請求項12又は
    13に記載の光ピックアップ装置用光学素子。
  15. 【請求項15】 光学面に、光軸方向に略平行に延在す
    る面を有する段差が形成されており、前記段差の面は、
    光軸回りに360度を超えて連続していることを特徴と
    する光学素子。
  16. 【請求項16】 光軸方向に見たときに、前記段差が渦
    巻き状に形成されていることを特徴とする請求項15に
    記載の光学素子。
  17. 【請求項17】 前記光学面は、前記段差により回折機
    能を備えた回折面であることを特徴とする請求項12〜
    16のいずれかに記載の光学素子。
  18. 【請求項18】 前記光学面は、前記段差により色消し
    機能を備えた回折面であることを特徴とする請求項12
    〜17のいずれかに記載の光学素子。
  19. 【請求項19】 前記段差は、前記光学面の略全面にわ
    たって形成されていることを特徴とする請求項12〜1
    7のいずれかに記載の光学素子。
  20. 【請求項20】 前記段差の巻き数が10以上2000
    以下であることを特徴とする請求項12〜19のいずれ
    かに記載の光学素子。
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