JP2001304226A - ピアスナット - Google Patents
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- JP2001304226A JP2001304226A JP2000118940A JP2000118940A JP2001304226A JP 2001304226 A JP2001304226 A JP 2001304226A JP 2000118940 A JP2000118940 A JP 2000118940A JP 2000118940 A JP2000118940 A JP 2000118940A JP 2001304226 A JP2001304226 A JP 2001304226A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属板に対して強固に固着でき、アルミニウ
ム板のような変形しやすい金属板にも陥没現象を生ずる
ことなく確実にボルトを締結することができるピアスナ
ットを提供すること。 【解決手段】 予め金属板に固着されて使用されるナッ
トであって、ナット主体部10の下面中央部には、ねじ
孔12付きの内筒部11が前記金属板に穴開け可能に突
設され、前記ナット主体部10の下面外周部には、前記
金属板に当接する厚肉の外筒部13が前記内筒部11よ
り短く突設され、前記内筒部11と外筒部13との間の
環状溝16の溝底には環状突起16aが設けられ、この
環状突起16aの内周面または外周面には、逆勾配のテ
ーパ面が前記金属板をかしめ固定可能な係止部として形
成されている。
ム板のような変形しやすい金属板にも陥没現象を生ずる
ことなく確実にボルトを締結することができるピアスナ
ットを提供すること。 【解決手段】 予め金属板に固着されて使用されるナッ
トであって、ナット主体部10の下面中央部には、ねじ
孔12付きの内筒部11が前記金属板に穴開け可能に突
設され、前記ナット主体部10の下面外周部には、前記
金属板に当接する厚肉の外筒部13が前記内筒部11よ
り短く突設され、前記内筒部11と外筒部13との間の
環状溝16の溝底には環状突起16aが設けられ、この
環状突起16aの内周面または外周面には、逆勾配のテ
ーパ面が前記金属板をかしめ固定可能な係止部として形
成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板の
ような変形しやすい金属板にも陥没現象を生じることな
く固着可能なピアスナットに関するものである。
ような変形しやすい金属板にも陥没現象を生じることな
く固着可能なピアスナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のボディーパネルに付設さ
れるブラケット等の金属板と他部材とを締結するための
ナットを前記金属板に固着するのに、下型の上に設けら
れた金属板の上方からナット本体を打ち込み、金属板の
打ち抜きとかしめとを同時に行ってナット本体を金属板
に固着するようにしたピアスナットが広く使用されてい
る。このピアスナットのかしめ強度を大きくするため
に、本出願人は、図5に示すような、円盤状のナット主
体部101の下面中央にねじ孔103付きの内筒部10
2を垂設すると共に、前記ナット主体部101の下面周
縁には前記内筒部102よりも短い外筒部104を垂設
し、前記内筒部102の外周に末広がりのテーパ面10
5を形成し、かつ、前記外筒部104の内周面にセレー
ション106を設けたピアスナットを先に特開平11−
193808号公報に開示している。
れるブラケット等の金属板と他部材とを締結するための
ナットを前記金属板に固着するのに、下型の上に設けら
れた金属板の上方からナット本体を打ち込み、金属板の
打ち抜きとかしめとを同時に行ってナット本体を金属板
に固着するようにしたピアスナットが広く使用されてい
る。このピアスナットのかしめ強度を大きくするため
に、本出願人は、図5に示すような、円盤状のナット主
体部101の下面中央にねじ孔103付きの内筒部10
2を垂設すると共に、前記ナット主体部101の下面周
縁には前記内筒部102よりも短い外筒部104を垂設
し、前記内筒部102の外周に末広がりのテーパ面10
5を形成し、かつ、前記外筒部104の内周面にセレー
ション106を設けたピアスナットを先に特開平11−
193808号公報に開示している。
【0003】しかしながら、前記ピアスナットは、内筒
部102のテーパ面105の周長が比較的短く、金属板
との接触面積が小さいため、引き抜き抗力および回転抗
力が小さいという問題があった。一方、最近では自動車
の軽量化対策として自動車のボディーパネルおよびこれ
に付設されるブラケット等にアルミニウム板を使用する
場合があり、このような変形しやすい金属板に対して
は、ピアスナットの接触面積を一層広くしてボルトの締
結力を一層増大させることが要望されている。
部102のテーパ面105の周長が比較的短く、金属板
との接触面積が小さいため、引き抜き抗力および回転抗
力が小さいという問題があった。一方、最近では自動車
の軽量化対策として自動車のボディーパネルおよびこれ
に付設されるブラケット等にアルミニウム板を使用する
場合があり、このような変形しやすい金属板に対して
は、ピアスナットの接触面積を一層広くしてボルトの締
結力を一層増大させることが要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためになされたものであって、金属板に対して強
固に固着でき、アルミニウム板のような変形しやすい金
属板にも陥没現象を生ずることなく確実にボルトを締結
することができるピアスナットを提供することを目的と
する。
決するためになされたものであって、金属板に対して強
固に固着でき、アルミニウム板のような変形しやすい金
属板にも陥没現象を生ずることなく確実にボルトを締結
することができるピアスナットを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として、本発明に係るピアスナットは、予め金属板に
固着されて使用されるナットであって、ナット主体部の
下面中央部には、ねじ孔付きの内筒部が前記金属板に穴
開け可能に突設され、前記ナット主体部の下面外周部に
は、前記金属板に当接する厚肉の外筒部が前記内筒部よ
り短く突設され、前記内筒部と外筒部との間の環状溝の
溝底には環状突起が設けられ、この環状突起の内周面ま
たは外周面には、逆勾配のテーパ面が前記金属板をかし
め固定可能な係止部として形成されていることを特徴と
する。
段として、本発明に係るピアスナットは、予め金属板に
固着されて使用されるナットであって、ナット主体部の
下面中央部には、ねじ孔付きの内筒部が前記金属板に穴
開け可能に突設され、前記ナット主体部の下面外周部に
は、前記金属板に当接する厚肉の外筒部が前記内筒部よ
り短く突設され、前記内筒部と外筒部との間の環状溝の
溝底には環状突起が設けられ、この環状突起の内周面ま
たは外周面には、逆勾配のテーパ面が前記金属板をかし
め固定可能な係止部として形成されていることを特徴と
する。
【0006】本発明のピアスナットにおいては、金属板
をかしめ固定可能な係止部としての逆勾配のテーパ面
が、内筒部と外筒部との間の環状溝の溝底に設けた環状
突起の内周面または外周面に形成されるため、そのテー
パ面の周長は、内筒部の外周面に設けられる従来のテー
パ面の周長より長くなる。従って、金属板がかしめ固定
された場合の金属板との係合力が増大する。
をかしめ固定可能な係止部としての逆勾配のテーパ面
が、内筒部と外筒部との間の環状溝の溝底に設けた環状
突起の内周面または外周面に形成されるため、そのテー
パ面の周長は、内筒部の外周面に設けられる従来のテー
パ面の周長より長くなる。従って、金属板がかしめ固定
された場合の金属板との係合力が増大する。
【0007】また、金属板に当接する外筒部が厚肉に形
成されているため、ボルトが締結された場合の金属板に
対する接触面積が増大し、その分、金属板に対する接触
圧力が低減される。従って、金属板が柔らかいアルミニ
ウム板である場合にも、ボルトの締結によりナットが金
属板に陥没することがなく、ボルトとの締結状態の緩み
が防止される。
成されているため、ボルトが締結された場合の金属板に
対する接触面積が増大し、その分、金属板に対する接触
圧力が低減される。従って、金属板が柔らかいアルミニ
ウム板である場合にも、ボルトの締結によりナットが金
属板に陥没することがなく、ボルトとの締結状態の緩み
が防止される。
【0008】本発明のピアスナットにおいて、ねじ孔を
延長して設けたナット延長部がナット主体部の上面中央
部に突設されていると、ボルトとの締結力を増大できる
ので好ましい。
延長して設けたナット延長部がナット主体部の上面中央
部に突設されていると、ボルトとの締結力を増大できる
ので好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るピアスナットの実施
の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発
明に係るピアスナットの第1実施の形態を示す縦断面
図、図2は、本発明に係るピアスナットの第2実施の形
態を示す縦断面図、図3は、本発明に係るピアスナット
の第3実施の形態を示す縦断面図、図4は、図2および
図3に示すピアスナットのテーパ面を加工する前の原型
の縦断面図である。最初に、図1を参照して、本発明に
係るピアスナットの第1実施の形態を説明する。本発明
に係る第1実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔1
2を有するナット主体部10の下面中央部に突設されて
前記ねじ孔12が連続する内筒部11と、前記ナット主
体部10の下面外周部に前記内筒部11より短く突設さ
れて金属板に当接する厚肉の外筒部13と、前記外筒部
13と内筒部11の間に設けられた環状溝16の溝底1
6bの全周に渡って設けられ、内筒部11の軸心に向か
って同じ下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および
外周面に有する環状突起16aと、から主要部が構成さ
れる。
の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発
明に係るピアスナットの第1実施の形態を示す縦断面
図、図2は、本発明に係るピアスナットの第2実施の形
態を示す縦断面図、図3は、本発明に係るピアスナット
の第3実施の形態を示す縦断面図、図4は、図2および
図3に示すピアスナットのテーパ面を加工する前の原型
の縦断面図である。最初に、図1を参照して、本発明に
係るピアスナットの第1実施の形態を説明する。本発明
に係る第1実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔1
2を有するナット主体部10の下面中央部に突設されて
前記ねじ孔12が連続する内筒部11と、前記ナット主
体部10の下面外周部に前記内筒部11より短く突設さ
れて金属板に当接する厚肉の外筒部13と、前記外筒部
13と内筒部11の間に設けられた環状溝16の溝底1
6bの全周に渡って設けられ、内筒部11の軸心に向か
って同じ下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および
外周面に有する環状突起16aと、から主要部が構成さ
れる。
【0010】ナット主体部10の上面中央部には、ナッ
ト主体部10の上端面より上に突出したねじ孔12付き
のナット延長部11aが設けられている。ナット延長部
11aの形状は、円錐台形が好ましいが円柱でも良い。
内筒部11の下面は外筒部13の下面15よりも下方に
位置しており、内筒部11の外周は円柱面14に形成さ
れている。ねじ孔12は、内筒部11およびナット延長
部11aの中央部を貫通しており、下方からボルトで締
結できるように設けられている。外筒部13は、全体の
形状が円筒形をしており、図5に示す従来の外筒部の肉
厚をさらに厚くしたものである。外筒部13の下面15
の面積は、図5に示す従来の外筒部の下面の面積よりも
広く設けられる。外筒部13の下面15は、ピアスナッ
トを固着する金属板と当接する。外筒部13と内筒部1
1の間には、ねじ孔12を中心とした環状溝16が設け
られており、外筒部13の内周面17の形状はストレー
ト形状である。外筒部13の内周面17は傾斜面として
も良い。内周面17には、従来と同様にセレーションを
設けても良い。環状溝16の溝底16bには、内筒部1
1の軸心に向かって同じ下り勾配となる平行なテーパ面
を内周面および外周面に有する環状突起16aが全周に
渡って設けられる。このように形成することにより、環
状突起16aの内周面に逆勾配のテーパ面を形成して、
金属板をかしめ固定する係止部とする。環状突起16a
の数は、図1では1つであるが複数個設けても良い。環
状突起16aの下面は、外筒部13の下面15と同一面
をなしている。
ト主体部10の上端面より上に突出したねじ孔12付き
のナット延長部11aが設けられている。ナット延長部
11aの形状は、円錐台形が好ましいが円柱でも良い。
内筒部11の下面は外筒部13の下面15よりも下方に
位置しており、内筒部11の外周は円柱面14に形成さ
れている。ねじ孔12は、内筒部11およびナット延長
部11aの中央部を貫通しており、下方からボルトで締
結できるように設けられている。外筒部13は、全体の
形状が円筒形をしており、図5に示す従来の外筒部の肉
厚をさらに厚くしたものである。外筒部13の下面15
の面積は、図5に示す従来の外筒部の下面の面積よりも
広く設けられる。外筒部13の下面15は、ピアスナッ
トを固着する金属板と当接する。外筒部13と内筒部1
1の間には、ねじ孔12を中心とした環状溝16が設け
られており、外筒部13の内周面17の形状はストレー
ト形状である。外筒部13の内周面17は傾斜面として
も良い。内周面17には、従来と同様にセレーションを
設けても良い。環状溝16の溝底16bには、内筒部1
1の軸心に向かって同じ下り勾配となる平行なテーパ面
を内周面および外周面に有する環状突起16aが全周に
渡って設けられる。このように形成することにより、環
状突起16aの内周面に逆勾配のテーパ面を形成して、
金属板をかしめ固定する係止部とする。環状突起16a
の数は、図1では1つであるが複数個設けても良い。環
状突起16aの下面は、外筒部13の下面15と同一面
をなしている。
【0011】このように構成されるピアスナットの金属
板への固着方法について図1を参照して説明する。 (1)図示しない下型の上に設けられた金属板の上方か
ら、打ち込み工具でピアスナット(例えば鉄製のナッ
ト)を金属板(例えばアルミニウム板)に打ち込む。 (2)最初に内筒部11の下端部の縁を使ってせん断力
により金属板を打ち抜き、円形穴を開ける。 (3)その時、同時に金属板が塑性変形して前記環状溝
16に入り、環状突起16aの内周面に形成された逆勾
配のテーパ面をなす係止部により、金属板がかしめられ
る。 (4)ピアスナットが金属板に固着される。
板への固着方法について図1を参照して説明する。 (1)図示しない下型の上に設けられた金属板の上方か
ら、打ち込み工具でピアスナット(例えば鉄製のナッ
ト)を金属板(例えばアルミニウム板)に打ち込む。 (2)最初に内筒部11の下端部の縁を使ってせん断力
により金属板を打ち抜き、円形穴を開ける。 (3)その時、同時に金属板が塑性変形して前記環状溝
16に入り、環状突起16aの内周面に形成された逆勾
配のテーパ面をなす係止部により、金属板がかしめられ
る。 (4)ピアスナットが金属板に固着される。
【0012】このようにナット主体部10の上面中央部
より上に、ねじ孔12を設けたナット延長部11aを一
体化してねじ孔12を長く形成し、外筒部13の肉厚を
厚くして、内筒部11の下面を外筒部13の下面15よ
りも下方に位置させると共に、外筒部13と内筒部11
の間にねじ孔12を中心とした環状溝16を設け、環状
溝16の溝底16bに、内筒部11の軸心に向かって同
じ下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および外周面
に有する環状突起16aを設けることにより、 1.ナット延長部11aによりねじ孔12が長くなるこ
とにより、ピアスナットとボルトとの締結力を強くでき
る。 2.また、外筒部13の肉厚を厚くしたことにより、外
筒部13の下面15の面積を広くできる。その結果、ボ
ルトとの締結力を広い面積で受けられるのでピアスナッ
トが金属板へ陥没するのを防止できる。その結果、ボル
トとの締結状態の緩みも防止できる。 3.環状突起16aの内周面に周長の長い逆勾配のテー
パ面を形成することにより、金属板との引き抜き抗力・
回転抗力を強くすることができる。 4.環状突起16aを設けることにより、ピアスナット
と金属板との接触面積が増えるので、ピアスナットとボ
ルトとの締結力を強くできる。
より上に、ねじ孔12を設けたナット延長部11aを一
体化してねじ孔12を長く形成し、外筒部13の肉厚を
厚くして、内筒部11の下面を外筒部13の下面15よ
りも下方に位置させると共に、外筒部13と内筒部11
の間にねじ孔12を中心とした環状溝16を設け、環状
溝16の溝底16bに、内筒部11の軸心に向かって同
じ下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および外周面
に有する環状突起16aを設けることにより、 1.ナット延長部11aによりねじ孔12が長くなるこ
とにより、ピアスナットとボルトとの締結力を強くでき
る。 2.また、外筒部13の肉厚を厚くしたことにより、外
筒部13の下面15の面積を広くできる。その結果、ボ
ルトとの締結力を広い面積で受けられるのでピアスナッ
トが金属板へ陥没するのを防止できる。その結果、ボル
トとの締結状態の緩みも防止できる。 3.環状突起16aの内周面に周長の長い逆勾配のテー
パ面を形成することにより、金属板との引き抜き抗力・
回転抗力を強くすることができる。 4.環状突起16aを設けることにより、ピアスナット
と金属板との接触面積が増えるので、ピアスナットとボ
ルトとの締結力を強くできる。
【0013】次に、図2を参照して、本発明に係るピア
スナットの第2実施の形態を説明する。本発明に係る第
2実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔22を有す
るナット主体部20の下面中央部に突設されて前記ねじ
孔22が連続する内筒部21と、前記ナット主体部20
の下面外周部に前記内筒部21より短く突設されて金属
板に当接する厚肉の外筒部23と、前記外筒部23と内
筒部21の間に設けられた環状溝26の溝底26bの全
周に渡って設けられ、内筒部21の軸心に向かって同じ
下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および外周面に
有する環状突起26aと、から主要部が構成される。
尚、第2実施の形態であるピアスナットの構成は、外筒
部23と内筒部21との間に設けた環状溝26の深さD
を深くし、かつ、溝底26bに設けられた環状突起26
aの高さをより低くし、環状突起26aの幅をより広く
した以外は、第1実施の形態の構成と同じ構成なので、
環状溝26に関する以外の部分の詳細な説明は省略す
る。
スナットの第2実施の形態を説明する。本発明に係る第
2実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔22を有す
るナット主体部20の下面中央部に突設されて前記ねじ
孔22が連続する内筒部21と、前記ナット主体部20
の下面外周部に前記内筒部21より短く突設されて金属
板に当接する厚肉の外筒部23と、前記外筒部23と内
筒部21の間に設けられた環状溝26の溝底26bの全
周に渡って設けられ、内筒部21の軸心に向かって同じ
下り勾配となる平行なテーパ面を内周面および外周面に
有する環状突起26aと、から主要部が構成される。
尚、第2実施の形態であるピアスナットの構成は、外筒
部23と内筒部21との間に設けた環状溝26の深さD
を深くし、かつ、溝底26bに設けられた環状突起26
aの高さをより低くし、環状突起26aの幅をより広く
した以外は、第1実施の形態の構成と同じ構成なので、
環状溝26に関する以外の部分の詳細な説明は省略す
る。
【0014】第2実施の形態のピアスナットの外筒部2
3と内筒部21の間に設けた環状溝26の溝底26bに
は、内筒部21の軸心に向かって同じ下り勾配となる平
行なテーパ面を内周面および外周面に有する環状突起2
6aが全周に設けられている。環状溝26の深さDは、
図1に示す第1実施の形態のピアスナットの環状溝の深
さよりも深く設けられる。また、環状突起26aの高さ
は、第1実施の形態のピアスナットよりもより低く、環
状突起26aの幅は、第1実施の形態のピアスナットよ
りもより広く設けられる。環状突起26aの数は、図2
では1つであるが複数個設けても良い。環状突起26a
の下面は、外筒部23の下面25より上方に位置してい
る。外筒部23の内周面27には、従来と同様にセレー
ションを設けても良い。
3と内筒部21の間に設けた環状溝26の溝底26bに
は、内筒部21の軸心に向かって同じ下り勾配となる平
行なテーパ面を内周面および外周面に有する環状突起2
6aが全周に設けられている。環状溝26の深さDは、
図1に示す第1実施の形態のピアスナットの環状溝の深
さよりも深く設けられる。また、環状突起26aの高さ
は、第1実施の形態のピアスナットよりもより低く、環
状突起26aの幅は、第1実施の形態のピアスナットよ
りもより広く設けられる。環状突起26aの数は、図2
では1つであるが複数個設けても良い。環状突起26a
の下面は、外筒部23の下面25より上方に位置してい
る。外筒部23の内周面27には、従来と同様にセレー
ションを設けても良い。
【0015】このように、第2実施の形態のピアスナッ
トは、第1実施の形態の内筒部と外筒部の間に設けられ
る環状溝の溝の深さをより深くして、溝底に設けられる
環状突起の形状を、より幅を広く、より高さの低い環状
突起26aとしたことにより、環状溝26に嵌入してか
しめ固定される金属板の部分との接触面積が増大し、第
1実施の形態のピアスナットと比較して、金属板と固着
したときのピアスナットの金属板に対する回転抗力を増
大することができる。
トは、第1実施の形態の内筒部と外筒部の間に設けられ
る環状溝の溝の深さをより深くして、溝底に設けられる
環状突起の形状を、より幅を広く、より高さの低い環状
突起26aとしたことにより、環状溝26に嵌入してか
しめ固定される金属板の部分との接触面積が増大し、第
1実施の形態のピアスナットと比較して、金属板と固着
したときのピアスナットの金属板に対する回転抗力を増
大することができる。
【0016】次に、図3を参照して、本発明に係るピア
スナットの第3実施の形態を説明する。本発明に係る第
3実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔32を有す
るナット主体部30の下面中央部に突設されて前記ねじ
孔32が連続する内筒部31と、前記ナット主体部30
の下面外周部に前記内筒部31より短く突設されて金属
板に当接する厚肉の外筒部33と、前記外筒部33と内
筒部31の間に設けられた環状溝36の溝底36bの全
周に渡って設けられ、下方に向かって逆勾配のテーパ面
が内周面および外周面に形成される環状突起36aと、
から主要部が構成される。尚、第3実施の形態であるピ
アスナットにおいて、前記環状突起36a以外の部分
は、第2実施の形態の構成と同様であるから詳細な説明
は省略する。
スナットの第3実施の形態を説明する。本発明に係る第
3実施の形態であるピアスナットは、ねじ孔32を有す
るナット主体部30の下面中央部に突設されて前記ねじ
孔32が連続する内筒部31と、前記ナット主体部30
の下面外周部に前記内筒部31より短く突設されて金属
板に当接する厚肉の外筒部33と、前記外筒部33と内
筒部31の間に設けられた環状溝36の溝底36bの全
周に渡って設けられ、下方に向かって逆勾配のテーパ面
が内周面および外周面に形成される環状突起36aと、
から主要部が構成される。尚、第3実施の形態であるピ
アスナットにおいて、前記環状突起36a以外の部分
は、第2実施の形態の構成と同様であるから詳細な説明
は省略する。
【0017】第3実施の形態のピアスナットの外筒部3
3と内筒部31の間の環状溝36の溝底36bには、逆
勾配のテーパ面が内周面および外周面に形成された環状
突起36aが全周に渡って設けられている。このように
形成することにより、環状突起36aの内周面および外
周面に逆勾配のテーパ面を形成して金属板をかしめ固定
する係止部とする。環状突起36aの数は図3では1つ
であるが複数個設けても良い。環状突起36aの下面
は、外筒部33の下面35より上方に位置している。外
筒部33の内周面37には、従来と同様にセレーション
を設けても良い。このように、環状突起36aを形成す
ることにより、環状突起36aと内筒部31との間およ
び環状突起36aと外筒部33との間に金属板をかしめ
固定することができる。
3と内筒部31の間の環状溝36の溝底36bには、逆
勾配のテーパ面が内周面および外周面に形成された環状
突起36aが全周に渡って設けられている。このように
形成することにより、環状突起36aの内周面および外
周面に逆勾配のテーパ面を形成して金属板をかしめ固定
する係止部とする。環状突起36aの数は図3では1つ
であるが複数個設けても良い。環状突起36aの下面
は、外筒部33の下面35より上方に位置している。外
筒部33の内周面37には、従来と同様にセレーション
を設けても良い。このように、環状突起36aを形成す
ることにより、環状突起36aと内筒部31との間およ
び環状突起36aと外筒部33との間に金属板をかしめ
固定することができる。
【0018】このように第3実施の形態のピアスナット
においては、環状突起36aの内周面および外周面に、
下方に向かって逆勾配のテーパ面を形成したことによ
り、第2実施の形態のピアスナットと比較して、テーパ
面の周長をさらに長くすることができるので、ピアスナ
ットと金属板との接触面積がさらに増える。その結果、
ピアスナットと金属板との引き抜き抗力・回転抗力も強
くすることができる。
においては、環状突起36aの内周面および外周面に、
下方に向かって逆勾配のテーパ面を形成したことによ
り、第2実施の形態のピアスナットと比較して、テーパ
面の周長をさらに長くすることができるので、ピアスナ
ットと金属板との接触面積がさらに増える。その結果、
ピアスナットと金属板との引き抜き抗力・回転抗力も強
くすることができる。
【0019】ここで、第2実施の形態のピアスナットお
よび第3実施の形態のピアスナットのテーパ面の製造方
法について図4を参照して簡単に説明する。図4は、第
2実施の形態のピアスナットおよび第3実施の形態のピ
アスナットのテーパ面を加工する前の原型を示す縦断面
図である。前記原型の構成は、環状突起46a以外は第
2実施の形態のピアスナットおよび第3実施の形態のピ
アスナットの構成と同じである。図4の環状突起46a
の形状は、断面形状が矩形の環状突起である。図2に示
す第2実施の形態のピアスナットの環状突起26aを形
成するときは、打ち込み工具である例えばポンチを使っ
て、環状突起46aの中心から内筒部41側に打点を偏
心させて図4の環状突起46aの頭を打つことにより、
軸心に向かって同じ下り勾配となる平行テーパ面を内周
面および外周面に形成することができる。図3に示す第
3実施の形態のピアスナットの環状突起36aは、打ち
込み工具である例えばポンチを使って、環状突起46a
の中心を打つようにすることにより、下方に向かって逆
勾配のテーパ面を環状突起46aの内周面および外周面
に形成することができる。
よび第3実施の形態のピアスナットのテーパ面の製造方
法について図4を参照して簡単に説明する。図4は、第
2実施の形態のピアスナットおよび第3実施の形態のピ
アスナットのテーパ面を加工する前の原型を示す縦断面
図である。前記原型の構成は、環状突起46a以外は第
2実施の形態のピアスナットおよび第3実施の形態のピ
アスナットの構成と同じである。図4の環状突起46a
の形状は、断面形状が矩形の環状突起である。図2に示
す第2実施の形態のピアスナットの環状突起26aを形
成するときは、打ち込み工具である例えばポンチを使っ
て、環状突起46aの中心から内筒部41側に打点を偏
心させて図4の環状突起46aの頭を打つことにより、
軸心に向かって同じ下り勾配となる平行テーパ面を内周
面および外周面に形成することができる。図3に示す第
3実施の形態のピアスナットの環状突起36aは、打ち
込み工具である例えばポンチを使って、環状突起46a
の中心を打つようにすることにより、下方に向かって逆
勾配のテーパ面を環状突起46aの内周面および外周面
に形成することができる。
【0020】尚、本発明のピアスナットは、本発明の技
術的範囲を逸脱しない限り必要に応じて適宜変更して実
施可能である。例えば、金属板に対する締結力、回転抗
力、引き抜き抗力は、金属板の機械的性質のうちの例え
ば、許容引張り強度、許容圧縮強度、板圧、面積、摩擦
係数、硬さ等に基づいて一義的に決定すべきものであ
り、これらに基づいてピアスナットの大きさ、形状、溝
の幅、溝の深さ、垂設する角度等が決定される。
術的範囲を逸脱しない限り必要に応じて適宜変更して実
施可能である。例えば、金属板に対する締結力、回転抗
力、引き抜き抗力は、金属板の機械的性質のうちの例え
ば、許容引張り強度、許容圧縮強度、板圧、面積、摩擦
係数、硬さ等に基づいて一義的に決定すべきものであ
り、これらに基づいてピアスナットの大きさ、形状、溝
の幅、溝の深さ、垂設する角度等が決定される。
【0021】
【発明の効果】以上述べた構成と作用から明らかなよう
に、本発明のピアスナットによれば、金属板をかしめ固
定可能な係止部としての逆勾配のテーパ面が、内筒部と
外筒部との間の環状溝の溝底に設けた環状突起の内周面
または外周面に形成されるため、そのテーパ面の周長
は、内筒部の外周面に設けられる従来のテーパ面の周長
より長くなる。従って、金属板がかしめ固定された場合
の金属板との係合力が増大し、金属板に対して強固に固
着することができる。また、金属板に当接する外筒部が
厚肉に形成されているため、ボルトが締結された場合の
金属板に対する接触面積が増大し、その分、金属板に対
する接触圧力が低減される。従って、金属板が柔らかい
アルミニウム板である場合にも、ボルトの締結によりナ
ットが金属板に陥没することがなく、ボルトを緩みなく
確実に締結することができる。本発明のピアスナットに
おいて、ねじ孔を延長して設けたナット延長部がナット
主体部の上面中央部に突設されている場合、ボルトとの
締結力を一層増大することができる。
に、本発明のピアスナットによれば、金属板をかしめ固
定可能な係止部としての逆勾配のテーパ面が、内筒部と
外筒部との間の環状溝の溝底に設けた環状突起の内周面
または外周面に形成されるため、そのテーパ面の周長
は、内筒部の外周面に設けられる従来のテーパ面の周長
より長くなる。従って、金属板がかしめ固定された場合
の金属板との係合力が増大し、金属板に対して強固に固
着することができる。また、金属板に当接する外筒部が
厚肉に形成されているため、ボルトが締結された場合の
金属板に対する接触面積が増大し、その分、金属板に対
する接触圧力が低減される。従って、金属板が柔らかい
アルミニウム板である場合にも、ボルトの締結によりナ
ットが金属板に陥没することがなく、ボルトを緩みなく
確実に締結することができる。本発明のピアスナットに
おいて、ねじ孔を延長して設けたナット延長部がナット
主体部の上面中央部に突設されている場合、ボルトとの
締結力を一層増大することができる。
【図1】本発明に係るピアスナットの第1実施の形態を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図2】本発明に係るピアスナットの第2実施の形態を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図3】本発明に係るピアスナットの第3実施の形態を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図4】図3および図4に示すピアスナットのテ―パ面
を加工する前の原型の縦断面図である。
を加工する前の原型の縦断面図である。
【図5】従来のピアスナットの縦断面図である。
10,20,30 ナット主体部 11,21,31 内筒部 11a,21a,31a ナット延長部 12,22,32 ねじ孔 13,23,33 外筒部 14,24,34 円柱面 15,25,35 下面 16,26,36 環状溝 16a,26a,36a 環状突起 16b,26b,36b 溝底 17,27,37 内周面
Claims (2)
- 【請求項1】 予め金属板に固着されて使用されるナッ
トであって、ナット主体部の下面中央部には、ねじ孔付
きの内筒部が前記金属板に穴開け可能に突設され、前記
ナット主体部の下面外周部には、前記金属板に当接する
厚肉の外筒部が前記内筒部より短く突設され、前記内筒
部と外筒部との間の環状溝の溝底には環状突起が設けら
れ、この環状突起の内周面または外周面には、逆勾配の
テーパ面が前記金属板をかしめ固定可能な係止部として
形成されていることを特徴とするピアスナット。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたピアスナットであ
って、前記ナット主体部の上面中央部には、前記ねじ孔
を延長して設けたナット延長部が突設されていることを
特徴とするピアスナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000118940A JP2001304226A (ja) | 2000-04-20 | 2000-04-20 | ピアスナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000118940A JP2001304226A (ja) | 2000-04-20 | 2000-04-20 | ピアスナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001304226A true JP2001304226A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18629996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000118940A Pending JP2001304226A (ja) | 2000-04-20 | 2000-04-20 | ピアスナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001304226A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103851056A (zh) * | 2012-12-06 | 2014-06-11 | 株式会社青山制作所 | 穿透型螺母 |
-
2000
- 2000-04-20 JP JP2000118940A patent/JP2001304226A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103851056A (zh) * | 2012-12-06 | 2014-06-11 | 株式会社青山制作所 | 穿透型螺母 |
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