JP2001303418A - 繊維弾性体成形方法とそれに用いる装置 - Google Patents

繊維弾性体成形方法とそれに用いる装置

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JP2001303418A
JP2001303418A JP2000128172A JP2000128172A JP2001303418A JP 2001303418 A JP2001303418 A JP 2001303418A JP 2000128172 A JP2000128172 A JP 2000128172A JP 2000128172 A JP2000128172 A JP 2000128172A JP 2001303418 A JP2001303418 A JP 2001303418A
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JP
Japan
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mold
fiber
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elastic body
fibrous
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JP2000128172A
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Takayasu Mori
高康 森
Chikanori Kataoka
慎憲 片岡
Masanao Yamaguchi
正直 山口
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Araco Co Ltd
Teijin Ltd
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Araco Co Ltd
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維原料の重量管理などを行うことなく、金
型内に吹き込まれる繊維原料の充填量の過不足を解消し
て弾性繊維の品質向上を図る。 【解決手段】 繊維弾性体の繊維原料を通気性のある金
型12内に空気搬送により供給して充填する形式の繊維
弾性体成形方法であって、前記繊維原料の充填に伴う前
記金型12内の圧力変化に基づき、この繊維原料の正常
な充填量に対する余剰分が前記金型12内に充填されな
いように前記繊維原料の供給を変更する。この繊維原料
の供給を変更するという機能には、その余剰分を金型以
外のところへ送る他、金型に対する繊維原料の供給その
ものを止めることも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
やその他の乗り物用のシートパッドなどに用いる繊維弾
性体の成形方法とそれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の繊維弾性体には、一般にポリエ
ステルやポリプロピレンなどを主成分とする短繊維(マ
トリックス繊維)と、これと同系で低融点の短繊維(バ
インダー繊維)とを一定の比率で均一に混合した繊維原
料(原綿)が用いられる。そして繊維弾性体の成形は、
通気性の高いパンチングメタルなどでつくられた金型内
に前記繊維原料を充填し、この金型内に熱風を通気させ
てバインダー繊維を溶融させた後、冷風(外気)を通気
させてバインダー繊維を固化させている(例えば特開平
10-168724号公報)。また前記金型に対する繊維原料の
充填には、生産性に優れていることから吹き込み方式が
採用される。吹き込み方式では、開繊装置によって細か
い塊状に分散させた繊維原料を前記金型の内部へ空気搬
送によって充填する。
【0003】図4は従来の吹き込み方式を表した模式図
である。この図面で示すように金型40の内部には、そ
の吹き込み口42に連通させた供給路44によって繊維
原料が送り込まれるようになっている。つまり通気性を
有する金型40が収められているチャンバ46の内部を
負圧にして金型40の内部に吸引力を作用させることに
より、繊維原料が前記供給路44を通じて空気搬送さ
れ、金型40の内部に充填される。なお金型40に対す
る繊維原料の充填量は、事前にウェブ状に加工した繊維
原料を一定寸法のブロックに裁断して重量を合わせ、こ
のブロックをすべて金型40の内部に吹き込むことによ
りコントロールしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらカード機
などを主体とした設備によってウェブ状に加工された繊
維原料は、その重量にばらつきをもっている。このばら
つきが大きいと、前記のブロックによる重量管理をよほ
ど慎重に行わない限り、前記金型40に吹き込まれる繊
維原料の充填量に過不足が生じて弾性繊維の形状欠陥を
招く。すなわち充填量が不足した場合は欠肉が生じ、充
填量が超過した場合は前記吹き込み口42の付近にバリ
が生じる。
【0005】なお前記の欠肉は成形後における繊維弾性
体の外形が部分的に欠けていることから、品質上あるい
は意匠上のいずれにおいても好ましくない現象である。
また前記のバリは一般に繊維の高密度化が起きているた
め、品質においては異物感が生じ、意匠上では仕上げ後
の外観にハイライト線が現れるなどの原因となる。
【0006】本発明は前記課題を解決しようとするもの
で、その目的は、繊維原料の重量管理などを行うことな
く、金型内に吹き込まれる繊維原料の充填量の過不足を
解消して弾性繊維の品質向上を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するためのもので、請求項1記載の発明は、繊維弾性体
の繊維原料を通気性のある金型内に空気搬送により供給
して充填する形式の繊維弾性体成形方法であって、前記
繊維原料の充填に伴う前記金型内の圧力変化に基づき、
この繊維原料の正常な充填量に対する余剰分が前記金型
内に充填されないように前記繊維原料の供給を変更す
る。
【0008】この発明によれば、前記の圧力変化に基づ
いて前記金型内に対する前記繊維原料の充填量が過不足
のないようにコントロールされる。したがって、この繊
維原料をその充填前に重量管理するといったような煩わ
しい工程を要することなく、充填量の過不足による弾性
繊維の欠肉やバリなどの形状欠陥を解消して品質の向上
を図ることができる。なお正常な充填量に対する余剰分
が前記金型内に充填されないように繊維原料の供給を変
更するという機能には、その余剰分を金型以外のところ
へ送る他、金型に対する繊維原料の供給そのものを止め
ることも含む。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の繊
維弾性体成形方法であって、前記金型内に前記繊維原料
を空気搬送する供給路に常時はバルブで閉ざされた分岐
路があり、このバルブを前記繊維原料の充填に伴う前記
金型内の圧力変化に基づいて開放させ、この繊維原料の
正常な充填量に対する余剰分を前記分岐路により前記金
型以外のところへ空気搬送する。このように前記金型内
の圧力変化に基づく前記バルブの開放によって繊維原料
の余剰分を分岐路に流すように切り替えることで、この
切り替えが自動的で、かつタイミングよく行われる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の繊
維弾性体成形方法であって、前記バルブを前記金型内の
圧力変化を直接作用させて開放させる。この場合には、
前記バルブを制御するための複雑な開閉機構や圧力検出
器などが不要になる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載の繊
維弾性体成形方法であって、前記繊維原料の正常な充填
量に対する余剰分を、この繊維原料の形成工程に空気搬
送する。これにより、繊維弾性体の成形によって生じた
繊維原料の余剰分を、そのまま次の成形に再利用して無
駄をなくすることができる。
【0012】また請求項5記載の発明は、チャンバ内に
配置された通気性のある金型内に、繊維弾性体の繊維原
料が前記チャンバ内を負圧にすることに伴う空気搬送に
より供給路を通じて充填される形式の繊維弾性体成形装
置であって、前記供給路には前記繊維原料の形成工程に
通じる分岐路があり、この分岐路はバルブによって閉ざ
されているとともに、このバルブは前記金型内に対する
繊維原料の充填に伴い、この金型内の圧力が負圧から正
圧になったときの圧力を受けて開放するように設定され
ている。この構成の装置によって請求項1〜4記載の発
明を実施できるとともに、前記バルブを金型内が負圧か
ら正圧になったときの圧力によって開放させていること
から、このバルブの制御がより確実に行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1〜3は本発明の実施の形態を示し、これらの
各図の(a)は繊維弾性体の成形設備を模式的に表した
平断面図、各図の(b)は同じく成形設備を模式的に表
した側断面図である。これらの図面で示されているよう
にチャンバ10の内部には、繊維弾性体を成形するため
の金型12が配置されている。この金型12は、その内
部に位置する上型14および下型16とともに通気性を
有するパンチングメタルによって構成されている。なお
上型14および下型16は各図の(b)において個々に
上下方向へスライドできるようになっており、これら相
互間に構成されているキャビティー17の容積(厚み)
を、成形しようとする繊維弾性体の寸法に合わせて調整
できるようになっている。
【0014】前記金型12は、前記キャビティー17に
連通し、かつ前記チャンバ10の外で開口した吹き込み
口18を備えており、この吹き込み口18には繊維弾性
体の繊維原料を供給するための供給路20が接続されて
いる。この供給路20は繊維原料の形成工程である開繊
装置(図示外)に通じる供給口20aと、空気の取り入
れが可能な供給口20bとを備えている。また供給路2
0は前記吹き込み口18に近い個所において分岐路22
を備えており、この分岐路22の入り口にはバルブ24
が組み込まれている。このバルブ24は図1,2の
(b)で示すように常時は分岐路22の入り口を閉ざし
た状態にあり、供給路20の側から所定の力を受けるこ
とによって図3の(b)で示すように開放する。なお分
岐路22は、好ましくは繊維原料の形成工程である開繊
装置に連通させる。
【0015】前記繊維弾性体の繊維原料は、すでに説明
したようにポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂材
を主成分とするマトリックス繊維と、これと同系の樹脂
材で融点の低いバインダー繊維とが均一に混合されたも
ので、通常は前もってウェブ状に加工されている。そし
てこの繊維原料は開繊装置によってウェブ状から細かい
塊状に分散されるとともに、開繊装置の回転シリンダー
(表面に多数の刃があり、高速回転するシリンダー)の
回転駆動で生じる随伴流によって供給口20aから供給
路20に送り込まれる。
【0016】このように供給路20に送り込まれた繊維
原料は、前記供給口20bから空気を送り込みつつ、こ
れと並行して前記チャンバ10の空気を吸引口11から
吸引することで生じる空気の搬送力により、通気性を有
する金型12のキャビティー17に供給されて充填され
る。そして図1は金型12に対する繊維原料の充填初期
を示し、図2は同じく充填中期を、また図3は繊維原料
の充填終期を示している。なお繊維原料の供給量は、キ
ャビティー17の充填量に不足を生じることのない充分
な量とする。
【0017】さて図1の充填初期から図2の充填中期へ
と繊維原料の充填が進むに連れ、金型12の内部(キャ
ビティー17)では繊維原料の蓄積に伴う通気性の低下
(圧力損失)によって負圧レベルが次第に下がってく
る。そして図3の充填終期、つまり繊維原料の充填量が
正規の量に達した時点では金型12内の圧力が正圧に転
じ、前記吹き込み口18に近い供給路20の内部も正圧
となる。この圧力が前記分岐路22のバルブ24に作用
し、このバルブ24が分岐路22の入り口を開放して供
給路20と分岐路22とを連通させる。この結果、キャ
ビティー17の正規の充填量に対する繊維原料の余剰分
は、もはや金型12に向けて供給されることはなく、分
岐路22を通じて繊維原料の開繊装置に向けて空気搬送
される。
【0018】なおキャビティー17に対する繊維原料の
充填工程が完了したら金型12の吹き込み口18を蓋
(図示外)で塞いだ後、チャンバ10に熱風を送り込
む。この熱風は基本的に下型16の側から上型14の側
へ流れて金型12内を通気し、これによって繊維原料が
加熱されて融点の低いバインダー繊維が溶融する。その
後の冷却によってバインダー繊維が固化し、繊維弾性体
の成形が完了する。
【0019】前記のように繊維原料の充填工程において
は、前記金型12内の圧力が負圧から正圧に変化したと
きに前記バルブ24が自動開放して繊維原料の正常な充
填量に対する余剰分を分岐路22に流しているので、金
型12に対する繊維原料の充填量は常に過不足が生じな
いように自動調整される。したがって充填量の不足によ
る弾性繊維の欠肉あるいは充填量の超過によるバリなど
の形状欠陥が解消される。また正規の充填量に対する繊
維原料の余剰分は開繊装置に戻されてそのまま次の成形
に再利用されるので、繊維原料の無駄がない。
【0020】以上説明した実施の形態では、前記金型1
2内の圧力を前記バルブ24に直接作用させてこのバル
ブ24を開放させているが、金型12内の圧力を圧力検
出器などで検出し、この検出に基づいてバルブ24を開
放制御することもできる。また圧力検出器を用いた場合
は、金型12に対する繊維原料の充填量が正規の量に達
したときの検出信号により、繊維原料の供給そのものを
止めることも可能である。ただし、これらの場合には圧
力検出器はもちろんのこと、バルブ24を制御するため
の機構や繊維原料の供給制御機構などを要し、コスト面
で新たな対策が必要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維弾性体の成形設備における繊維原料の充填
初期を表した模式図。
【図2】繊維弾性体の成形設備における繊維原料の充填
中期を表した模式図。
【図3】繊維弾性体の成形設備における繊維原料の充填
終期を表した模式図。
【図4】従来の繊維弾性体の成形設備を表した模式図。
【符号の説明】
12 金型 20 供給路 22 分岐路 24 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 慎憲 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 山口 正直 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 4L047 AA28 AB02 BA09 CC09 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維弾性体の繊維原料を通気性のある金
    型内に空気搬送により供給して充填する形式の繊維弾性
    体成形方法であって、 前記繊維原料の充填に伴う前記金型内の圧力変化に基づ
    き、この繊維原料の正常な充填量に対する余剰分が前記
    金型内に充填されないように前記繊維原料の供給を変更
    する繊維弾性体成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維弾性体成形方法であ
    って、 前記金型内に前記繊維原料を空気搬送する供給路に常時
    はバルブで閉ざされた分岐路があり、このバルブを前記
    繊維原料の充填に伴う前記金型内の圧力変化に基づいて
    開放させ、この繊維原料の正常な充填量に対する余剰分
    を前記分岐路により前記金型以外のところへ空気搬送す
    る繊維弾性体成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の繊維弾性体成形方法であ
    って、 前記バルブを前記金型内の圧力変化を直接作用させて開
    放させる繊維弾性体成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の繊維弾性体成形方法であ
    って、 前記繊維原料の正常な充填量に対する余剰分をこの繊維
    原料の形成工程に空気搬送する繊維弾性体成形方法。
  5. 【請求項5】 チャンバ内に配置された通気性のある金
    型内に、繊維弾性体の繊維原料が前記チャンバ内を負圧
    にすることに伴う空気搬送により供給路を通じて充填さ
    れる形式の繊維弾性体成形装置であって、 前記供給路には前記繊維原料の形成工程に通じる分岐路
    があり、この分岐路はバルブによって閉ざされていると
    ともに、このバルブは前記金型内に対する繊維原料の充
    填に伴い、この金型内の圧力が負圧から正圧になったと
    きの圧力を受けて開放するように設定されている繊維弾
    性体成形装置。
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