JP2001302355A - セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体 - Google Patents

セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体

Info

Publication number
JP2001302355A
JP2001302355A JP2000113099A JP2000113099A JP2001302355A JP 2001302355 A JP2001302355 A JP 2001302355A JP 2000113099 A JP2000113099 A JP 2000113099A JP 2000113099 A JP2000113099 A JP 2000113099A JP 2001302355 A JP2001302355 A JP 2001302355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic powder
film
ceramic
powder
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000113099A
Other languages
English (en)
Inventor
Zenichi Akiyama
善一 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000113099A priority Critical patent/JP2001302355A/ja
Publication of JP2001302355A publication Critical patent/JP2001302355A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に強誘電体材料(セラミックス)の膜形成
に関して、条件の適正化を行い、低温合成と強誘電性特
性の両立化を図る。 【解決手段】 セラミックス粉体の膜状形成体は、無極
性溶媒にセラミックス粉体を分散させた第1の液体を、
第2の液体である極性溶媒上に配置させ、第1/第2液
体間で生じる界面上にセラミックス粉体を沈降・充填せ
しめ、基板上に転写した後、焼成することにより得られ
る。本発明では、セラミックス粉体として、強誘電体材
料でかつ比表面積が10〜20m2/gの値を有する粉
体を用いる。またセラミックス粉体は、水熱合成法また
は融材を用いた固相反応により作製することにより物性
の良好な膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス粉体
の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構
造体及びセラミックス粉体、より詳細には、アクチュエ
ータ、センサ等に適用可能な基板とセラミックス膜によ
る強誘電体厚膜との積層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子製品の小型化・高機能化・高集積化
の要請により、各種電子セラミックス材料の膜状形成技
術の実用化がなされている。これら電子セラミックス材
料としては圧電性、強誘電性や誘電性機能を有するも
の、半導性機能や触媒機能を有するものがあり、具体的
にはチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料、チタ
ン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電性、強誘電性材
料、チタニア、チタン酸ストロンチウム等の触媒機能性
材料、酸化錫、及びチタン酸バリウム(半導性)等の材
料が挙げられる。
【0003】これらの中で、特に強誘電体材料は、焦電
性、圧電性、強誘電性の各種特性を一つの材料中に含む
ため、各種機能性素子の実現が期待される。特にこの強
誘電材料をSi基板上に形成することにより、マイクロ
マシーンの主要素子となる可能性を有している。これら
素子の実現にあたっては、Si基板上に優れた特性を示
す強誘電体厚膜の形成が必須である。
【0004】強誘電体材料の膜形成技術として真空成膜
法である真空蒸着、スパッタリング、MOCVD法、レ
ーザアブレーション法、またECRプラズマにて各種成
膜をアシストする複合法などが提案され、主に数μm以
下の膜厚の形成に有効な効果をあげている。しかし数μ
m以上の膜厚の成膜については、成膜速度の向上、また
は長時間にわたる成膜における安定性の確保等の問題が
あり、上記のごとくの膜形成技術は実用化に適さないの
が現状である。
【0005】また真空を用いない方法には、ゾルゲル法
や塗布熱分解法などがあり、高価な真空装置を用いずに
安価にかつ大面積の成膜に効果があるものの、これらの
方法は多数の成膜工程を繰り返す必要があり、これも同
様に数μm以上の成膜には不向きである。従って上述の
膜形成技術にて数μm以上のセラミックス膜を得ること
は困難である。
【0006】また上記のごとくの膜形成技術の改善によ
り、将来厚膜形成が可能になったとしても、これら成膜
方法には、投入原料に対するセラミックス膜の生産収率
がきわめて低いという問題点が内在する。スパッタリン
グ法においては膜として得られる量は投入量の30%、
MOCVDにおいては5%、ゾルゲル法においては1%
でしかなく、概ね大半を膜以外の廃棄物として生産して
いることになる。しかも、この廃棄物が全て回収不可能
な状態に形成されるため、きわめて効率が悪いという問
題がある。さらに強誘電体材料の構成元素として鉛等の
環境面からの規制物質が含まれている場合、その例とし
てジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスをこれらの
方法によって形成する場合、環境に与える負荷が増大す
ることは言うまでもない。従って、容易に数μm以上の
膜厚が得られ、かつ投入原料に対して高い収率が得られ
る作製法が望まれる。
【0007】特開平5−29675号公報では、部分安
定化ジルコニアセラミックス基板を用い、機能性セラミ
ックスとして圧電セラミックスであるジルコン酸チタン
酸鉛系材料を用いて、スクリーン印刷法にて厚さ20μ
m程の膜形成に成功しており、この成膜品によって具体
的にはインクジェットプリンタヘッドを実現している。
この手法は、セラミックスの仮焼粉を用い、有機バイン
ダと混練することにより印刷可能なペーストを作製し、
印刷法により所望する部位のみに転写させ、焼成により
セラミックス膜を得るので投入原料のロスを招くことは
ない。さらに、不要物ペーストは洗浄、乾燥を行うこと
で初期の仮焼粉として回収できるので、この点からも好
ましい作製法といえる。
【0008】しかし、印刷法によるセラミックス厚膜の
作製においては、焼成工程で約1200℃程の高温処理
が必要であり、結果として使用できる基板種類に制約を
与え、またより低いエネルギーで作製するための要請に
応えるのが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたものであり、特に強誘電体材料
(セラミックス)の膜形成に関して、条件の適正化を行
い、低温合成と強誘電性特性の両立化をはかったセラミ
ックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/
基板積層構造体及びセラミックス粉体を提供することを
目的とするものである。
【0010】なお、本発明者等は、特願平2000−2
3060号「セラミックス粉体の膜状形成体、その形成
方法、及びセラミックス膜」に於いて、極性/無極性溶
媒界面でのセラミックス粉成形法を用いて、スクリーン
印刷法などの従来法と比較して工程の低温化を図り、使
用できる基板の自由度を高めた。
【0011】請求項1及び6の発明の目的は、極性/無
極性溶媒界面での強誘電体セラミックスの粉体成形法に
好適な粉体を提供することである。請求項2の発明の目
的は、基板にSiウェハを用いて、センサ素子、アクチ
ュエータ素子の基本構造となる強誘電体膜/Si基板積
層構造を形成する方法を提供することである。
【0012】請求項3の発明の目的は、良好な特性を有
する強誘電体膜/Si基板積層構造体を得るのに好適な
強誘電体セラミックス粉体の作製法を提供することであ
る。請求項4の発明の目的は、良好な特性を有する強誘
電体膜/Si基板積層構造体を得るのに好適な強誘電体
セラミックス粉体の作製法を提供することで、特に材料
自身の性能向上のため、複数の構成元素から成る強誘電
体セラミックス粉体の作製法を提供することである。請
求項5の発明の目的は、請求項1ないし4の方法にて作
製されたセラミックス膜/積層構造体を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、無極
性溶媒にセラミックス粉体を分散させた第1の液体を、
第2の液体である極性溶媒上に配置させ、前記第1の液
体と第2液体との間で生じる界面上に前記セラミックス
粉体を沈降・充填せしめ、基板上に転写した後、焼成す
ることにより得られるセラミックス粉体の膜状形成体の
形成方法において、前記セラミックス粉体が強誘電体材
料であり、かつ該セラミックス粉体の比表面積が10〜
20m2/gの値を有することを特徴としたものであ
る。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記基板としてSiウェハを用いることを特徴とし
たものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記セラミックス粉体として、水熱合成法
によって作製されるセラミックス粉体を用いることを特
徴としたものである。
【0016】請求項4の発明は、請求項1または2の発
明において、前記セラミックス粉体は、固相反応にて生
成した仮焼粉を融液材に混合して結晶化反応を進行せし
め、反応終了後に過剰融液材を分離することにより得る
ことを特徴としたものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれか1に記載のセラミックス粉体の膜状形成体の形成
方法によって得られるセラミックス膜/基板積層構造体
である。
【0018】請求項6の発明は、無極性溶媒にセラミッ
クス粉体を分散させた第1の液体を、第2の液体である
極性溶媒上に配置させ、前記第1の液体と第2液体との
間で生じる界面上に前記セラミックス粉体を沈降・充填
せしめ、基板上に転写した後、焼成することにより得ら
れるセラミックス粉体の膜状形成体の形成に用いるセラ
ミックス粉体であって、前記セラミックス粉体は、強誘
電体材料であり、かつ該セラミックス粉体の比表面積が
10〜20m2/gの値を有することを特徴としたもの
である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、基板上に積層されるセ
ラミックス粉体の膜状成形体の形成方法及び該方法によ
り得られるセラミックス膜/基板積層構造体に関するも
のであり、具体的には無極性溶媒にセラミックス粉体を
分散させた第1の液体を、第2の液体である極性溶媒上
に配置させ、第1/第2液体間で生じる界面上に上記の
セラミックス粉体を沈降・充填せしめ、基板上に転写す
ることによりセラミック膜状形成体を得るものである。
【0020】本発明においては、上述のごとくに極性溶
媒と無極性溶媒とにより形成される界面を利用する。具
体的には容器底部側に水等の極性溶媒を配置させ、その
上に無極性溶媒を滴下して、極性溶媒と無極性溶媒との
界面を形成する。このとき、無極性溶媒に強誘電体セラ
ミックス仮焼粉を懸濁させて極性溶媒上に滴下すると、
界面上部の無極性溶媒層で仮焼粉の沈降が生じる。また
無極性溶媒として低沸点溶媒を用いることにより、室温
状態にて溶媒の蒸発が進行する。
【0021】無極性溶媒層は、極性溶媒からの反発力に
より、その2次元的な表面積が最低になるように斥力を
受け、懸濁液から沈降してくる仮焼粉も、結果として充
填化するような力を受ける。このときに沈降してくる仮
焼粉の自由度が比較的高く、また準平衡状態にて充填が
進行する等の好条件が満たされるため、従来の一軸成形
の強制加圧とは異なり、容易に高い充填割合のセラミッ
クス粉体の膜状成形体が得られるのがこの手法の特徴で
ある。
【0022】高い充填率のセラミックス粉体では、焼成
温度の低下が見込まれる。この膜を、予め容器底部に配
置した基板に移す(転写させる)ことにより、基板上に
セラミックス粉体膜状成形物を積層することができる。
【0023】焼成温度の低温化には、他に、セラミック
ス仮焼粉の微粉化が挙げられる。セラミックスの焼成処
理における粒子間の焼結工程においては、その第1の工
程で粒子表面から熱エネルギーによる物質の移動が行わ
れるが、微粉化は表面積の相対的な増加をもたらし、具
体的には物質の易動度低下に寄与する。
【0024】セラミックス粒子の寸法は、一般に、比表
面積にて固有化される。比表面積とは粒子1g当たりの
総粒子表面積の割合で、単位はm2/gとして定義され
る。またこの比表面積は、BET法にて測定する。
【0025】Si基板に強誘電体膜を形成する場合、こ
の強誘電体膜には、電界印加用(または発生電荷検出
用)の電極を配置する必要がある。従って、Si基板上
には第1の電極膜、強誘電体膜、第2の電極膜なる積層
構造を形成する必要がある。電極膜は、全工程における
最高温度に対して十分な耐熱性を有する必要があり、こ
のため、Pt金属類を第1の電極として膜状形成するの
が好ましい。またSi基板とPt膜は一般に密着力が乏
しいので、Ti、Taなどの密着膜を中間に配置する。
さらに、電気的な絶縁を考慮する場合には、予めSi基
板を熱酸化処理し、表面にSiO2膜を形成して絶縁処
理をしておくこともある。
【0026】このようにSi基板に電極膜処理を施し、
先述の界面沈降法により膜状に粉体成形した場合、概ね
850℃前後の熱処理にて膜は緻密化し、積層構造体を
得ることが可能になる。
【0027】しかし、膜の緻密化と強誘電特性は必ずし
も一致しないという問題が発生した。強誘電体としてジ
ルコン酸鉛(PZ)、チタン酸鉛(PT)からなる固溶
体:ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)で、組成0.52
PZ−0.48PT(PZT(52/48))を例に示
す。
【0028】上記のPZT(52/48)の各酸化物材
料を秤量混合し、複数回の仮焼、粉砕を行って、PZT
仮焼粉を作製する。このときの仮焼の最高温度は850
℃程度である。この粉体をXRD評価した場合、ペロブ
スカイト構造に起因した回折ピークのみが得られるが、
PZT(52/48)本来の正方晶に帰属されるべき構
造を有していない。しかし、仮焼粉を成形し、1250
℃の焼成(本焼成)を行うと正方晶の回折ピークが出現
する。即ち、強誘電性は正方晶の結晶構造にて出現する
ものであり、トータルのプロセス温度の低温化は不完全
な結晶構造を有する膜の形成をもたらすにすぎず、結果
として十分な強誘電性の出現には至らないことが判明し
た。
【0029】この対策として、結晶性を高めた仮焼粉を
本プロセスに用いれば、目的とする特性が得られるはず
である。水熱合成法とは、強アルカリ性水溶液に、各種
金属イオンを存在させ、高圧、300℃以下の高温にて
酸化物を合成する方法である。この方法の特徴は、反応
系の制御により結晶性の高い、かつ微粒子が得られる点
に在る。他の方法として、鉛系強誘電体セラミックスに
於いては、酸化鉛を融材として仮焼粉を作製する方法が
ある。この場合、強誘電体材料を構成する元素が増えた
場合にも組成制御性に優れたセラミックス粉が得られ
る。
【0030】(実施例1):請求項1、6に対応 無極性溶媒としてヘキサン10mlを用い、その中にP
ZT仮焼粉0.1g(先述)を分散させる。解膠剤とし
てスパン80等の界面活性剤1×10-4mol以下を用
い、超音波分散機にて懸濁状態を得る。この懸濁液を無
極性溶媒の水に滴下し、静止・沈降させる。これをアル
ミナシートに転写し、2段階の乾燥工程を経て、600
℃で熱処理を行う。第1の乾燥工程では、湿度70%の
雰囲気中6時間の乾燥を行い、第2の乾燥工程では、湿
度35%の雰囲気中6時間の乾燥を行った。この方法に
より膜厚18μm以上の膜が得られる。膜厚制御は懸濁
液中のセラミックス粉体の量、また用いる容器の低面の
面積から単純な計算にて制御できる。膜厚が5μm以上
であれば安定した製膜が可能である。
【0031】また、PZTセラミックスのような環境汚
染物質に該当する鉛元素を含む材料において、投入した
量の全てが膜として回収されるため、真空成膜やゾルゲ
ル法と比較し、環境負荷の低減がはかれ、この点でも好
ましい。
【0032】堺化学社製チタン酸バリウム粉末(比表面
積20m2/g)を用い、加熱、粒成長させ、表1に示
す種々の比表面積の異なる粉体を調整した。膜堆積基板
にはアルミナシート上にPtの焼き付け電極を配置した
ものを用い、チタン酸バリウムキャパシタを形成する。
膜の比誘電率がバルク試料(1350℃焼成品)の60
%に至る焼成温度を求め、比表面積との対応を調べた。
その結果を以下の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すごとくに、焼成温度は、比表面
積が10m2/gまでは一定であるが、7m2/g以下で
は、低温化が望めない。
【0035】(実施例2):請求項2に対応 Siウェハを熱酸化し、1μmのSiO2膜を形成し
た。そして密着層としてTa膜50nm、電極膜として
Ir膜150nm及びPt膜150nmを順次スパッタ
リング成膜した。この基板を用いてセラミックス膜積層
構造を形成した。用いた強誘電体粉体は蓚酸塩法にて合
成したPZT(52/48)、比表面積17m2/gの
粉体である。焼成温度800℃にて処理したものは、比
誘電率600で、微弱ではあるが強誘電性ヒステリシス
特性を示した。
【0036】(実施例3):請求項3に対応 上述した蓚酸塩法によるPZT(52/48)粉体と水
熱合成法によるPZT(52/48)、比表面積14m
2/gの両者を用い、実施例2に記載の方法にて積層素
子を作製した。このときの焼成温度は850℃とした。
両者の特性を表2に示す。この様に、比表面積では同等
の微粒であるが、水熱合成法によるセラミックス粉体の
方が、良好な特性を与える。すなわち、水熱合成粉体を
用いることで、ほぼバルク体に等しい特性の出現に至っ
た。
【0037】
【表2】
【0038】(実施例4):請求項4に対応 セラミックス組成にPNN−PZ−PT:0.5Pb(N
1/3Nb2/3)O3−0.35PbZrO3−0.15Pb
TiO3を用いる。この様な多成分組成は、水熱合成法
では調整が困難な組成である。
【0039】化学式に基づき、各金属酸化物を秤量し、
固相反応を行い、PNN−PZ−PT仮焼粉を作製す
る。次に、仮焼粉と等量の酸化鉛を融材として混合し、
1100℃で熱処理を行う。この時、加えた酸化鉛は液
状に変態し、酸化鉛融液中で、PNN−PZ−PTの結
晶化反応が進行する。熱処理後、ボールミル、遊星ミル
粉砕し、融材である酸化鉛を0.3N酢酸溶液にて溶
解、分離処理を行う。この様にして得られたセラミック
ス粉につき、同様の積層構造を作製して特性評価を行っ
た。比誘電率2600、抗電界14kV/cm、残留分
極28μC/cm2の値を示した。
【0040】
【発明の効果】請求項1及び6の発明に対する効果(実
施例1対応) 極性/無極性溶媒界面での強誘電体セラミックスの膜状
形成体の形成において好適なセラミックス粉体を提供で
きる。
【0041】請求項2の発明に対する効果(実施例2対
応) 基板にSiウェハを用ることにより、センサ素子、アク
チュエータ素子の基本構造となる強誘電体膜/Si基板
積層構造を形成する方法が提供できる。
【0042】請求項3の発明に対する効果(実施例3対
応) セラミックス膜/基板積層構造体を得るのに好適な強誘
電体セラミックス粉体を、水熱合成粉を用いて作製する
ことにより、良好な特性をもった上記積層構造体を製作
できる方法が得られる。
【0043】請求項4の発明に対する効果(実施例4対
応) 特に材料自身の性能向上のため、複数の構成元素から成
る強誘電体セラミックス粉を提供し、これにより良好な
特性をもったセラミックス膜/基板積層構造体を製作で
きる方法が得られる。
【0044】請求項5の発明に対する効果 良好な強誘電特性を有するセラミックス膜をもったセラ
ミックス膜/基板積層構造体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/24 H01L 41/22 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無極性溶媒にセラミックス粉体を分散さ
    せた第1の液体を、第2の液体である極性溶媒上に配置
    させ、前記第1の液体と第2液体との間で生じる界面上
    に前記セラミックス粉体を沈降・充填せしめ、基板上に
    転写した後、焼成することにより得られるセラミックス
    粉体の膜状形成体の形成方法において、前記セラミック
    ス粉体が強誘電体材料であり、かつ該セラミックス粉体
    の比表面積が10〜20m2/gの値を有することを特
    徴とするセラミックス粉体の膜状形成体の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記基板としてSiウェハを用いること
    を特徴とする請求項1に記載のセラミックス粉体の膜状
    形成体の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス粉体として、水熱合成
    法によって作製されるセラミックス粉体を用いることを
    特徴とする請求項1または2に記載のセラミックス粉体
    の膜状形成体の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス粉体は、固相反応にて
    生成した仮焼粉を融液材に混合して結晶化反応を進行せ
    しめ、反応終了後に過剰融液材を分離することにより得
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミッ
    クス粉体の膜状形成体の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1に記載の
    セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法によって得ら
    れるセラミックス膜/基板積層構造体。
  6. 【請求項6】 無極性溶媒にセラミックス粉体を分散さ
    せた第1の液体を、第2の液体である極性溶媒上に配置
    させ、前記第1の液体と第2液体との間で生じる界面上
    に前記セラミックス粉体を沈降・充填せしめ、基板上に
    転写した後、焼成することにより得られるセラミックス
    粉体の膜状形成体の形成に用いるセラミックス粉体であ
    って、前記セラミックス粉体は、強誘電体材料であり、
    かつ該セラミックス粉体の比表面積が10〜20m2
    gの値を有することを特徴とするセラミックス粉体。
JP2000113099A 2000-04-14 2000-04-14 セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体 Withdrawn JP2001302355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000113099A JP2001302355A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000113099A JP2001302355A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001302355A true JP2001302355A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18625136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000113099A Withdrawn JP2001302355A (ja) 2000-04-14 2000-04-14 セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001302355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113522053A (zh) * 2021-06-15 2021-10-22 南京工业大学 一种陶瓷膜、化学接枝改性方法以及用途

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113522053A (zh) * 2021-06-15 2021-10-22 南京工业大学 一种陶瓷膜、化学接枝改性方法以及用途
CN113522053B (zh) * 2021-06-15 2022-07-12 南京工业大学 一种陶瓷膜、化学接枝改性方法以及用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9543501B2 (en) Metal oxide
US9362482B2 (en) Method of producing piezoelectric device using Be, Fe and Co under excess oxygen atmosphere
JP2010021512A (ja) 圧電/電歪膜型素子及びその製造方法
WO2006095716A1 (ja) 圧電/電歪磁器組成物及びその製造方法
CN110312693B (zh) 展现源自可逆相变的电场诱导应变的陶瓷材料的识别方法、制备方法和由其可得的陶瓷材料
WO2011111643A1 (en) Piezoelectric material and devices using the same
EP2417063B1 (en) Process for the preparation of niobium compounds
CN101490316A (zh) 压电物质、压电元件及使用压电元件的液体排出头和液体排出设备
JP3770096B2 (ja) チタン酸バリウム粉末の製造方法、誘電体セラミック、ならびに積層セラミックコンデンサ
Malič et al. Review of methods for powder-based processing
Hayashi et al. Low-temperature sintering of LiBiO2-coated Pb (Mg1/3Nb2/3) O3-PbZrO3-PbTiO3 powders prepared by surface chemical modification method and their piezoelectric properties
JP2002193663A (ja) 結晶配向ペロブスカイト型化合物の焼結体、該焼結体の製造方法、該化合物に用いられるセラミックス粉体の成形体、及び板状結晶配向ペロブスカイト型化合物
JP2000169223A (ja) 圧電磁器組成物及びその製造方法
Futakuchi et al. Preparation of PbZrO3–PbTiO3–Pb (Mg1/3Nb2/3) O3 thick films by screen printing
Ohno et al. Low-temperature processing of Pb (Zr0. 53, Ti0. 43) O3 thin films by sol-gel casting
KR20080094301A (ko) 무연 압전 세라믹막 및 그 제조방법
JP2001302355A (ja) セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法、セラミックス膜/基板積層構造体及びセラミックス粉体
Isaza-Ruiz et al. Elaboration of lead-free Na0. 5Bi0. 5TiO3–BaTiO3 (NBT-BT) thick films by aerosol deposition method (ADM)
JP3974734B2 (ja) セラミックス粉体の膜状形成体の形成方法
JP5770344B2 (ja) 圧電/電歪膜型素子の製造方法
KR100294850B1 (ko) 부분용융물질을이용한pzt후막의제조방법
GB2548377A (en) A piezoelectric thin film element
JP2020140976A (ja) 圧電薄膜、圧電薄膜素子、圧電アクチュエータ、圧電センサ、ヘッドアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、ハードディスクドライブ、プリンタヘッド、及びインクジェットプリンタ装置
JP2010077011A (ja) セラミックス粉体の製造方法、セラミックス膜の製造方法、圧電素子の製造方法および液滴噴射装置の製造方法
Maliˇc et al. 1Joˇzef Stefan Institute, Ljubljana, Slovenia, 2Technische Universitat Darmstadt, Darmstadt, Germany

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050113

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070803