JP2001302203A - メタノールの改質方法及びメタノール改質用連続触媒体の製造方法 - Google Patents

メタノールの改質方法及びメタノール改質用連続触媒体の製造方法

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JP2001302203A
JP2001302203A JP2000118875A JP2000118875A JP2001302203A JP 2001302203 A JP2001302203 A JP 2001302203A JP 2000118875 A JP2000118875 A JP 2000118875A JP 2000118875 A JP2000118875 A JP 2000118875A JP 2001302203 A JP2001302203 A JP 2001302203A
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methanol
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alumina layer
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武  哲夫
Hideo Kameyama
秀雄 亀山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良くメタノールを分解すると共に、生成物
中の水素濃度を容易に高くすることのできるメタノール
の改質方法、及び、該方法に用いるメタノール改質用連
続触媒体の製造方法を提供すること。 【解決手段】アルミニウム基体1の表面を陽極酸化して
得られるアルミナ層2もしくはアルミナ層2に酸化物を
コーティングしてなる層にメタノール改質用触媒物質を
担持せしめて、触媒物質を担持したアルミナ層3を有す
る連続触媒体4を製造する方法、及び、該方法によって
製造した連続触媒体を用いるメタノールの改質方法を構
成することによって、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタノールの改質方
法及びメタノール改質用連続触媒体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】水素ガスは石油精製、脱硫、アンモニア合
成、各種化成品の合成等に多く用いられる他、冶金工
業、半導体産業、食品工業用としての需要も多く、最近
では燃料電池等のエネルギー分野への応用も期待されて
いる。
【0003】水素製造法として、従来から行われている
方法としてはLPG、LNG、ナフサ等の炭化水素の水
蒸気改質法がある。しかしながら、この従来の方法は、
大規模な水素ガスの製造に適するものの、一般に反応温
度が高い(800〜1000℃)、脱硫操作が必要であ
る等の問題があり、中規模又は小規模な水素ガスの製造
法としては不適当であるとされている。
【0004】これに対し、メタノールを原料とする水素
ガスの製造は、原料としてのメタノールの輸送や貯蔵が
容易であること、反応が比較的低温で行えること及び脱
硫操作が不要である等の利点があるのみならず、大規模
な装置から小規模な装置に至るまで容易に適応すること
ができる。更に、水素消費装置に隣接させて改質装置を
設置し、無人化運転を行っても生産ラインを一貫体制と
することも可能となることから、メタノール改質による
水素ガス製造への期待は大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このメ
タノールの改質反応は大きな吸熱反応であるため、反応
温度を制御することが難しく、反応効率や反応の選択性
の点で必ずしも満足すべき結果が得られないという欠点
があった。
【0006】一方、一般に触媒活性は触媒の表面の広さ
に比例することから、従来、触媒物質を超微粒子化した
り、触媒担体の表面積を大きくしたりすることが行われ
ている。このような観点から、通常、触媒の形状は粉状
又は粒状であるが、近年熱伝導型触媒体が提案されたこ
とに伴い(特開昭47−33785号公報参照)、反応
器の器壁を触媒表面とする提案(実開昭63−1683
5号公報参照)もなされ、反応熱を少しでも有効に利用
しようとする試みがなされている。
【0007】しかしながら、熱伝導型触媒体はその熱伝
導という機能を発揮させるために反応壁を構成しうる平
面形状を有する熱伝導性担体の表面上に触媒物質を担持
せしめたものとなるので、触媒としての表面積は粉状又
は粒状のものより著しく小さくなり、不利とならざるを
得ない。
【0008】一方、工業的に触媒反応を行う場合、反応
塔に粒状又は粉状触媒を充填すると、反応塔の直径方向
に、反応塔の外層近傍の温度が高く中心部の温度が低く
なるような温度勾配が生ずるため、反応効率や反応の選
択性の点で満足すべき結果を得られない場合があり、特
にメタノールの改質反応においては、水素の収率が低い
という欠点があった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、上記の
問題を解決して、効率良くメタノールを分解すると共
に、生成物中の水素濃度を容易に高くすることのできる
メタノールの改質方法、及び、該方法に用いるメタノー
ル改質用連続触媒体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、伝熱性の良いアルミニ
ウムの表面を陽極酸化することによって、該表面に多孔
質の酸化物層を形成し、該酸化物層に触媒物質を担持せ
しめて、高い伝熱性と広い坦持表面積とを有する連続触
媒体を構成し、該連続触媒体をメタノール改質触媒担体
としてを用いれば、従来の粒状触媒体や粉状触媒体を使
用した場合と比較して、効率よく改質反応を行わせるこ
とができることを見いだし、本発明をなすに至った。す
なわち、本発明は、上記課題を解決するために、請求項
1に記載したように、水蒸気を含む雰囲気下でメタノー
ルを改質するメタノールの改質方法において、アルミニ
ウムの陽極酸化により得られるアルミナ層もしくは該ア
ルミナ層に酸化物をコーティングしてなる層に触媒物質
を担持せしめてなる連続触媒体をメタノール改質用触媒
体として使用することを特徴とするメタノールの改質方
法を構成する。
【0011】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、上記触媒物質が銅及び亜鉛を含有する触媒物質であ
ることを特徴とする請求項1に記載のメタノールの改質
方法を構成する。
【0012】また、本発明は、請求項3に記載したよう
に、酸素を含む雰囲気下でメタノールを部分酸化させた
後に、水蒸気を含む雰囲気下でメタノールを改質するこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載のメタノールの改
質方法を構成する。
【0013】また、本発明は、請求項4に記載したよう
に、アルミニウムの陽極酸化により得られるアルミナ層
もしくは該アルミナ層に酸化物をコーティングしてなる
層に触媒物質を担持せしめることによってメタノール改
質用連続触媒体を製造するメタノール改質用連続触媒体
の製造方法を構成する。
【0014】また、本発明は、請求項5に記載したよう
に、請求項4に記載のメタノール改質用連続触媒体の製
造方法において、硫酸、蓚酸もしくはクロム酸を使用し
て上記アルミニウムの陽極酸化を行うことによって厚さ
50〜200μmの酸化物被膜を得ることを特徴とする
メタノール改質用連続触媒体の製造方法を構成する。
【0015】また、本発明は、請求項6に記載したよう
に、請求項4に記載のメタノール改質用連続触媒体の製
造方法において、上記連続触媒体のBET表面積が該連
続触媒体の見かけ表面積の20000倍よりも大である
ことを特徴とするメタノール改質用連続触媒体の製造方
法を構成する。
【0016】また、本発明は、請求項7に記載したよう
に、請求項4に記載のメタノール改質用連続触媒体の製
造方法において、上記アルミナ層をpHが7〜12であ
り温度が50℃〜120℃である水又は水溶液中に30
分以上浸漬することによって水和処理した後に300〜
600℃の温度において焼成することを特徴とするメタ
ノール改質用連続触媒体の製造方法を構成する。
【0017】また、本発明は、請求項8に記載したよう
に、請求項4、5、6または7に記載のメタノール改質
用連続触媒体の製造方法において、上記触媒物質が銅及
び亜鉛を含有していることを特徴とするメタノール改質
用連続触媒体の製造方法を構成する。
【0018】また、本発明は、請求項9に記載したよう
に、請求項8に記載のメタノール改質用連続触媒体の製
造方法において、銅を0.01〜0.5モル/リットル
含有する溶液と、亜鉛を0.01〜0.5モル/リット
ル含有する溶液とを、上記アルミナ層もしくは該アルミ
ナ層に酸化物をコーティングしてなる層に、交互に繰り
返し含浸させることを特徴とするメタノール改質用連続
触媒体の製造方法を構成する。
【0019】また、本発明は、請求項10に記載したよ
うに、請求項9に記載のメタノール改質用連続触媒体の
製造方法において、上記銅を0.01〜0.5モル/リ
ットル含有する溶液を上記アルミナ層もしくは該アルミ
ナ層に酸化物をコーティングしてなる層に含浸させる時
間が、上記亜鉛を0.01〜0.5モル/リットル含有
する溶液を該アルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物
をコーティングしてなる層に含浸させる時間の3〜9倍
であることを特徴とするメタノール改質用連続触媒体の
製造方法を構成する。
【0020】また、本発明は、請求項11に記載したよ
うに、請求項8に記載のメタノール改質用連続触媒体の
製造方法において、銅及び亜鉛を含有する混合溶液を上
記アルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物をコーティ
ングした層に1回もしくは複数回含浸させることを特徴
とするメタノール改質用連続触媒体の製造方法を構成す
る。
【0021】また、本発明は、請求項12に記載したよ
うに、請求項11に記載のメタノール改質用連続触媒体
の製造方法において、上記混合溶液中の銅のモル濃度が
亜鉛のモル濃度の5〜15倍であることを特徴とするメ
タノール改質用連続触媒体の製造方法を構成する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、アルミニウムの陽極酸
化により得られるアルミナ層もしくはその上に酸化物を
コーティングした層に触媒物質を担持せしめてなる連続
触媒体を使用するメタノールの改質方法及び該連続触媒
体の製造方法を構成する。
【0023】図1は、本発明に係る上記連続触媒体の製
造方法の基本構成を説明する図である。
【0024】図1の(a)において、1は連続触媒体の
基体となるアルミニウム基体である。このアルミニウム
基体1の表面を陽極酸化して、その表面に多孔質のアル
ミナ層2を形成して、図1の(b)の状態とする。次
に、必要に応じて、水又は水溶液によるアルミナ層2の
水和処理あるいはアルミナ層2への酸化物のコーティン
グを行なった後に、アルミナ層2にメタノール改質用の
触媒物質を担持させて、触媒物質を担持したアルミナ層
3を有する連続触媒体4(図1の(c))を得る。
【0025】本発明に係るメタノールの改質方法におい
ては、上記のようにして製造した連続触媒体4を用いて
メタノールの改質を行う。
【0026】本発明で使用する触媒担体となる基体はア
ルミニウムの基体、又は表面にアルミニウム層を少なく
とも80μmの厚さで有する基体を使用することが好ま
しい。 上記アルミナ層の厚さは50〜200μmが適
当である。この範囲を下回る厚さの層においては、触媒
物質の量が不足し、触媒体の触媒機能が低下する。ま
た、この範囲を上回る厚さの層においては、触媒反応に
寄与しない触媒物質が存在するようになり、不経済であ
る。
【0027】上記基体の表面は、担持される触媒物質の
量を増大させるために、陽極酸化によって粗面化されて
いる。
【0028】アルミニウム表面の陽極酸化の技術は周知
であり、処理液として例えばクロム酸水溶液、蓚酸水溶
液、硫酸水溶液等を使用することも周知である。陽極酸
化の条件は、アルミニウムのBET表面積(BET方式
表面積測定法による測定値)が大きくなるように適宜設
定することが好ましく、本発明者等は、陽極酸化の処理
液を蓚酸水溶液とした場合に、陽極酸化の温度を、5〜
50℃、特に10〜40℃とすることが好ましいことを
見いだした。陽極酸化の温度が5℃よりも低いとBET
表面積が小さくなり、一方、50℃を越えると溶解が激
しく、経済的に酸化膜を形成させることが困難となる。
【0029】又、この陽極酸化の処理時間は処理条件に
よって異なるが、例えば4重量%の蓚酸水溶液を処理液
とし、処理浴温度を20℃、電流密度を50〜150A
/m とした場合には30分以上、特に1時間以上とす
ることが好ましい。
【0030】上記の如くして陽極酸化によるアルミナ層
を設けた基体の表面を、更に、50〜120℃の水また
は水溶液中に30分以上浸漬することによって水和処理
して触媒体の表面積を更に増大せしめることが好まし
い。この場合の熱水のpHは7〜12、特に10〜12
とすることが触媒活性を高める上で好ましい。
【0031】水和処理の処理時間は処理液のpHによっ
ても異なるが、1時間以上とすることが好ましく、約2
時間処理することにより、ほぼpH値に関係なく、BE
T表面積を顕著に増大させることができる。又、水和処
理の後には、基体を300〜600℃、特に400〜5
50℃で10分〜3時間焼成することが好ましい。
【0032】本発明においては、上記の如くして調製し
た基体のアルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物をコ
ーティングしてなる層に、含浸法によって触媒物質とな
る金属を含有する化合物を担持せしめて、目的とする高
活性の連続触媒体を得ることができる。特に、前記水和
処理において、触媒物質を含有する70〜90℃、好ま
しくは80〜85℃の熱水を使用した場合には、熱水処
理と同時に触媒物質を基体表面に担持せしめることがで
きるので、連続触媒体製造の工程を簡略化できるのみな
らず、触媒活性の点でも特に優れた連続触媒体を得るこ
とができるので、微粒子触媒を含有する熱水で処理した
後、乾燥し、次いで400〜550℃で焼成する方法
は、特に好ましい。
【0033】この場合、熱水中に含有される超微粒子触
媒物質の量は特に限定されるものではないが、0.00
5〜0.5モル/リットルの範囲が好ましい。濃度が高
すぎると不経済となり、低すぎると必要とする処理時間
が長くなる。
【0034】本発明で使用する触媒物質は特に限定され
るものではないが、例えば白金族金属、白金族金属の合
金、金、金合金、クロム、マンガン、鉄、亜鉛、銅、ニ
ッケル、ニッケル合金、コバルト及びコバルト合金、ル
テニウム等の中から選択することが好ましく、特にメタ
ノールの改質反応に対しては経済性と活性と選択性を考
えると亜鉛と銅の組み合わせを選択することが好まし
い。
【0035】亜鉛と銅の組み合わせを構成成分とする触
媒物質を担持した触媒体を製造する方法として、上記ア
ルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物をコーティング
してなる層に亜鉛及び銅を、溶液に溶解した状態で、含
浸させた後に、焼成によって、触媒物質に変化させる方
法を用いることができる。この場合に、高触媒機能の触
媒体を製造するためには、次のような含浸方法が適当で
ある。
【0036】すなわち、銅を0.01〜0.5モル/リ
ットル含有する溶液と、亜鉛を0.01〜0.5モル/
リットル含有する溶液とを、上記アルミナ層もしくは該
アルミナ層に酸化物をコーティングしてなる層に、交互
に繰り返し含浸させる方法、特に、該銅を0.01〜
0.5モル/リットル含有する溶液を含浸させる時間
を、該亜鉛を0.01〜0.5モル/リットル含有する
溶液を含浸させる時間の3〜9倍とする該方法が適当で
ある。
【0037】また、銅及び亜鉛を含有する混合溶液を上
記アルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物をコーティ
ングした層に1回もしくは複数回含浸させる方法、特
に、該混合溶液中の銅の濃度を亜鉛の濃度の5〜15倍
とする該方法が適当である。上記の含浸は、触媒担持層
である酸化物層を溶液に浸漬して行う。
【0038】尚、触媒物質を坦持する酸化物層の細孔半
径は、20〜200nmの範囲、膜厚は50〜200μ
mの範囲、BET表面積は、金属基体の見かけの表面積
の20000倍よりも大であることが、触媒活性の観点
から好ましい。後述の実施例2におけるように、このよ
うなBET表面積を有する触媒体を作製することができ
る。
【0039】本発明においては、上記の如くして線状、
板状、コルゲート状、リボン状、管状、ハニカム状等の
連続状触媒体を得ることができるので、これらの触媒体
を適宜反応塔に充填し、或いは、これらの触媒体を用い
て反応室を形成せしめて、メタノールの改質反応を行
う。この場合、特に気相反応が好適である。
【0040】反応室内のメタノールの圧力は常圧〜3.
03×10kPa(30kgf/cm)であり、好
ましくは常圧〜2.02×10kPa(20kgf/
cm )である。反応温度は150〜500℃であり、
好ましくは180〜350℃である。この場合の生成物
は水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水であるが、反応温
度を約200℃とした場合には、従来の粒状触媒や粉状
触媒を用いた場合に比し、メタノールの改質反応によっ
て生成する水素の収率を大幅に増大させることができ
る。
【0041】本発明の方法によるメタノールの改質反応
の場合に、上記の如く水素の収率が増大する理由につい
ては、次のような推定をすることができる。
【0042】一般に、反応のための加熱は雰囲気中の酸
素による部分酸化もしくは反応管の外壁から行うが、通
常の粒状触媒や粉状触媒を反応管に充填した場合、充填
された触媒の熱伝導度が低いため、部分酸化反応でホッ
トスポットが発生したり、吸熱反応のため反応管の外壁
付近の温度に比べて中心部の温度は低くなり、反応管中
心部分での反応速度が低下したりする。従って、従来に
おいては、事実上かなり広い温度範囲で反応が同時に進
行するので反応の選択性が良くならない。
【0043】これに対し、連続触媒体を、例えばプレー
トフィン型触媒体に加工して使用した場合には、触媒体
の熱伝導性が良いので上記の如き温度分布が生ぜず、反
応が極めて狭い温度範囲で進行するので、反応の選択性
が良好となる。更に、陽極酸化皮膜を水和処理と焼成処
理を組み含わせた多孔質化処理により、見かけ表面積の
20000倍よりも大なる表面積を有する担体に触媒物
質が高分散されるため高い活性が発現するものと推定さ
れる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 (実施例1)連続触媒体(プレートフィン型触媒体)を
使用する本発明の場合と、粒状触媒を使用する従来の固
定層型反応器の場合とについて、以下の如く、コンピュ
ーターによるシミュレーションを行い比較した。
【0045】連続触媒体(プレートフィン型触媒体)を
使用した反応器として、図2の(a)に示すような内部
フィン型管状反応器を用いた。この反応器は、図2の
(b)に示すように、25mmの円管内に、フィン高さ
10mm、フィン間隔1mm、フィン厚さ1mmのフィ
ンを有し、その長さは2mである。この反応器の内表面
には本発明に係る触媒層が形成されており、外表面に
は、加熱のための熱媒が流される。
【0046】一方、従来の反応器として、図3の(b)
に示したように、粒状触媒7を充填した直径25mmの
触媒充填パイプ6を有する長さ2mの固定層型反応器
(図3の(a)における5)を用いた。
【0047】各場合とも、反応ガスの入口の温度は35
0℃とし、ガス流量を0.5Nm/hとして、350
℃の熱媒で反応器外壁から加熱してメタノールの改質反
応を行わせた場合について、反応器の入口からの距離と
メタノール転化率並びに反応器内の平均温度の関係を推
定した。本発明の内部フィン型管状反応器の推定結果は
図4に示した通りであり、従来の固定層型反応器の推定
結果は図5に示した通りである。
【0048】図4及び5において、実線はメタノール転
化率、点線は反応器内の平均温度をそれぞれシミュレー
トしたものである。
【0049】これらの結果から明らかな如く、本発明の
内部フィン型管状反応器の場合には、熱媒温度と反応器
内の温度の温度差が小さいのに比し、従来の固定層型反
応器の場合には、上記温度差が極めて大きいことが判
る。
【0050】また、メタノール転化率は、本発明の内部
フィン型管状反応器の方が従来の固定層型反応器の場合
より大きくなっている。尚、シミュレーションに際して
は、反応速度式としてr=kPを使用した。但し、上
式において、rはメタノールの反応速度(モル/(g-触
媒・時間))、kは速度定数(モル/(g-触媒・kPa
・時間))、Pはメタノールの分圧(kPa)であ
る。 (実施例2)厚さ1mmのアルミニウム基体を5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液で5分間洗浄した後水洗し、
次いで30重量%の硝酸で洗浄し、更に水洗した。上記
の如く前処理した基体を、4重量%の蓚酸水溶液を用い
て液温30℃、電流密度50.0A/mで4時間陽極
酸化を行った。得られた陽極酸化アルミナ表面を有する
基体を、80℃の水溶液中で3時間水和処理を行い50
0℃で2時間焼成して多孔質担体(陽極酸化プレート)
を得た。
【0051】担体(陽極酸化プレート)を0.5モル/
リットルの銅を含有する溶液に3時間浸漬して該溶液を
含浸させた後に、0.5モル/リットルの亜鉛を含有す
る溶液に0.5時間浸漬して該溶液を含浸させた後、溶
液から基体を取り出して乾燥し、次いで550℃で2時
間焼成して、触媒体(陽極酸化プレート状触媒)を得
た。この操作を3回繰り返して行った。
【0052】得られた触媒体(陽極酸化プレート状触
媒)の見掛けの表面積に対するBET表面積の比は27
000、銅と亜鉛の担持量はそれぞれ13.1g/m
と3.9g/mであった。
【0053】得られた触媒体(陽極酸化プレート状触
媒)0.33gを40cm/分で流れる水素気流中、
400℃で1時間前処理した後、窒素ガスが1.34ミ
リモル/分流れる反応器中に置き、メタノールを2.1
8ミリモル/分、水蒸気3.27ミリモル/分となるよ
うに調整して改質反応を行った。
【0054】反応温度を220℃、250℃及び350
℃としたときの改質結果は表1に示した通りである。
【0055】
【表1】 (比較例)酸化銅/酸化亜鉛の混合ペレット、見掛け表
面積1.27×10−3/g、BET表面積250
/g、酸化銅と酸化亜鉛の比率が1対1の粒状触媒
を使用した。実施例1で使用したプレート状触媒の代り
に上記粒状触媒0.33gを使用した他は実施例1と全
く同様にして表2の結果を得た。
【0056】
【表2】 実施例2及び比較例の結果は、本発明のメタノール改質
反応においてはメタノールから水素への転化率が従来の
粒状触媒と比較してきわめて高く、反応器の小型化が可
能なこと、また触媒の耐久性に優れていることがわか
る。
【0057】
【発明の効果】本発明の実施により、効率良くメタノー
ルを分解すると共に、生成物中の水素濃度を容易に高く
することのできるメタノールの改質方法、及び、該方法
に用いるメタノール改質用連続触媒体の製造方法を提供
することができ、本発明の実施によって得られる反応生
成物は、高濃度で高純度の水素を含有するので、高付加
価値有機物の合成や燃料電池等において極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を説明する図である。
【図2】本発明に係る、円管内にフィンを有する内部フ
ィン型管状反応器を示す図である。
【図3】従来タイプの固定層型反応器の概念を示す図で
ある。
【図4】本発明に係る、連続触媒体(プレートフィン型
触媒体)を使用した場合の、反応器入口からの距離に対
するメタノール転化率並びに反応器内の平均温度の変化
を示す図である。
【図5】従来の固定層型反応器を使用した場合の、反応
器入口からの距離に対するメタノール転化率並びに反応
器内の平均温度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1…アルミニウム基体、2…アルミナ層、3…触媒物質
を担持したアルミナ層、4…連続触媒体、5…反応器、
6…触媒充填パイプ、7…粒状触媒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/02 301 B01J 37/02 301J Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EB01 EC01 EC07 4G069 AA03 AA08 AA09 AA11 BA01A BA01B BA21C BB02A BB02B BB10C BB20C BC31A BC31B BC35A BC35B BC58C BE08C CC25 CC32 EA06 EB03 EB15X EB15Y EC01X EC01Y FA04 FB14 FB17 FB18 FB19 FB30 FB42 FC04 FC07 FC08 FC09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水蒸気を含む雰囲気下でメタノールを改質
    するメタノールの改質方法において、アルミニウムの陽
    極酸化により得られるアルミナ層もしくは該アルミナ層
    に酸化物をコーティングしてなる層に触媒物質を担持せ
    しめてなる連続触媒体をメタノール改質用触媒体として
    使用することを特徴とするメタノールの改質方法。
  2. 【請求項2】上記触媒物質が銅及び亜鉛を含有する触媒
    物質であることを特徴とする請求項1に記載のメタノー
    ルの改質方法。
  3. 【請求項3】酸素を含む雰囲気下でメタノールを部分酸
    化させた後に、水蒸気を含む雰囲気下でメタノールを改
    質することを特徴とする請求項1又は2に記載のメタノ
    ールの改質方法。
  4. 【請求項4】アルミニウムの陽極酸化により得られるア
    ルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物をコーティング
    してなる層に触媒物質を担持せしめることによってメタ
    ノール改質用連続触媒体を製造するメタノール改質用連
    続触媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のメタノール改質用連続触
    媒体の製造方法において、硫酸、蓚酸もしくはクロム酸
    を使用して上記アルミニウムの陽極酸化を行うことによ
    って厚さ50〜200μmの酸化物被膜を得ることを特
    徴とするメタノール改質用連続触媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のメタノール改質用連続触
    媒体の製造方法において、上記連続触媒体のBET表面
    積が該連続触媒体の見かけ表面積の20000倍よりも
    大であることを特徴とするメタノール改質用連続触媒体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4に記載のメタノール改質用連続触
    媒体の製造方法において、上記アルミナ層をpHが7〜
    12であり温度が50℃〜120℃である水又は水溶液
    中に30分以上浸漬することによって水和処理した後に
    300〜600℃の温度において焼成することを特徴と
    するメタノール改質用連続触媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4、5、6または7に記載のメタノ
    ール改質用連続触媒体の製造方法において、上記触媒物
    質が銅及び亜鉛を含有していることを特徴とするメタノ
    ール改質用連続触媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のメタノール改質用連続触
    媒体の製造方法において、銅を0.01〜0.5モル/
    リットル含有する溶液と、亜鉛を0.01〜0.5モル
    /リットル含有する溶液とを、上記アルミナ層もしくは
    該アルミナ層に酸化物をコーティングしてなる層に、交
    互に繰り返し含浸させることを特徴とするメタノール改
    質用連続触媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のメタノール改質用連続
    触媒体の製造方法において、上記銅を0.01〜0.5
    モル/リットル含有する溶液を上記アルミナ層もしくは
    該アルミナ層に酸化物をコーティングしてなる層に含浸
    させる時間が、上記亜鉛を0.01〜0.5モル/リッ
    トル含有する溶液を該アルミナ層もしくは該アルミナ層
    に酸化物をコーティングしてなる層に含浸させる時間の
    3〜9倍であることを特徴とするメタノール改質用連続
    触媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項8に記載のメタノール改質用連続
    触媒体の製造方法において、銅及び亜鉛を含有する混合
    溶液を上記アルミナ層もしくは該アルミナ層に酸化物を
    コーティングした層に1回もしくは複数回含浸させるこ
    とを特徴とするメタノール改質用連続触媒体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のメタノール改質用連
    続触媒体の製造方法において、上記混合溶液中の銅のモ
    ル濃度が亜鉛のモル濃度の5〜15倍であることを特徴
    とするメタノール改質用連続触媒体の製造方法。
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