JP2001301501A - 年少者安全座席 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 年少者に対して窮屈感を与えないようにする
とともに、衝突時に安全ベルトから年少者の身体が外れ
てしまうことを未然に防止することのできる構造を有す
る、年少者安全座席を提供する。 【解決手段】 肩ベルト安全パッド１００は、第１肩ベ
ルト１１に取付けられる第１肩部材１０３と、第２肩ベ
ルト１２に取付けられる第２肩部材１０４とを有する。
第１肩部材１０３と第２肩部材１０４との上部側には、
年少者の身体の背面側に配置され、第１肩部材１０３お
よび第２肩部材１０４が延びる方向に沿う肩部連結部材
１０２が設けられている。肩部連結部材１０２の内側に
は、連結パッド１０１が設けられており、この連結パッ
ド１０１が、年少者の後頭部を保護する後頭部保護部材
をなし、肩部連結部材１０２が、年少者の後頭部保護部
材を取囲むように設けられる頭部保護部材を兼用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、年少者安全座席
に関し、より特定的には、年少者に対する快適性の向上
を可能とする、年少者安全座席の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】年少者安全座席の一例として、自動車用
年少者安全座席（以下、チャイルドシートと称する）を
挙げることができる。このチャイルドシートにおいて
は、自動車に備え付けのシートベルトを用いてチャイル
ドシートを固定し、チャイルドシート自体に設けられた
安全ベルトにより年少者（新生児、乳児、幼児、学童を
含む）をサポートする。

【０００３】図４を参照して、従来のチャイルドシー
ト、および、チャイルドシートに設けられた安全ベルト
の概略構成について説明する。チャイルドシートは、ベ
ース１、背もたれ部２および座部３を備える。安全ベル
トは、５点式が採用され、肩ベルト１１，１２、腰ベル
ト１３，１４、股ベルト１５を備え、股ベルト１５の上
端に設けられたバックル１６に、肩ベルトおよび腰ベル
トを挿通するタングプレート１７，１８が着脱可能に設
けられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ここで、上記５点式の
安全ベルトの場合、衝突時には肩ベルトの他端に設けら
れる緊急ロック装置により、肩ベルトの送出しが制限さ
れるが、通常状態においては、年少者に対して窮屈感を
与えないようにするために、安全ベルトと年少者との間
に若干の余裕が生じるようになっている。しかし、実際
の衝突時には緊急ロック装置が作動するまでの間に、年
少者の身体が移動し、安全ベルトから年少者の身体が外
れてしまうおそれがある。

【０００５】したがって、この発明の目的は、年少者に
対して窮屈感を与えないようにするとともに、衝突時に
安全ベルトから年少者の身体が外れてしまうことを未然
に防止することのできる構造を有する、年少者安全座席
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に基づいた年少
者安全座席においては、上記年少者の身体の両側に配置
される第１安全ベルトおよび第２安全ベルトと、上記第
１安全ベルトに取付けられる第１部材と、上記第２安全
ベルトに取付けられる第２部材と、上記年少者の身体の
背面側に配置され、上記第１部材および前記第２部材を
連結する連結部材とを備える。

【０００７】このように、第１部材および第２部材はそ
れぞれ第１安全ベルトおよび第２安全ベルトに装着され
ていることから、第１安全ベルトおよび第２安全ベルト
により年少者の身体の両側の前面側が保持される。一
方、第１部材および第２部材を連結する連結部材が年少
者の身体の背面側に配置されることにより、年少者の身
体の背面側が連結部材により保持されるとともに、第１
安全ベルトおよび第２安全ベルトの広がりが制限され
る。その結果、第１安全ベルト、第２安全ベルトおよび
連結部材により年少者が保持され、第１安全ベルトおよ
び第２安全ベルトによる年少者の保持力が向上し、衝突
時に安全ベルトから年少者の身体が外れてしまうことを
未然に防止することが可能になる。

【０００８】また、上記発明において好ましくは、上記
安全ベルトは、第１肩ベルトおよび第２肩ベルトを備
え、上記第１肩ベルトに取付けられる第１肩部材と、上
記第２肩ベルトに取付けられる第２肩部材と、上記年少
者の身体の背面側に配置され、上記第１肩部材および上
記第２肩部材を連結する肩部連結部材とを備える。

【０００９】このように、第１肩部材および第２肩部材
はそれぞれ第１肩ベルトおよび第２肩ベルトに装着され
ていることから、第１肩ベルトおよび第２肩ベルトによ
り年少者の身体の上半身の両側の前面側が保持される。
一方、第１肩部材および第２肩部材を連結する肩部連結
部材が年少者の身体の背面側に配置されることにより、
年少者の身体の背面側が肩部連結部材により保持される
とともに、第１肩ベルトおよび第２肩ベルトの広がりが
制限される。その結果、第１肩ベルト、第２肩ベルトお
よび肩部連結部材により年少者が保持され、第１肩ベル
トおよび第２肩ベルトによる年少者の保持力が向上し、
衝突時に第１肩ベルトおよび第２肩ベルトから年少者の
身体が外れてしまうことを未然に防止することが可能に
なる。

【００１０】また、上記発明の好ましい形態として、上
記第１肩部材および上記第２肩部材は、上記第１肩ベル
トおよび上記第２肩ベルトを挿通させるための管状部材
からなり、上記肩部連結部材は、上記第１肩部材および
上記第２肩部材が延びる方向に沿って設けられる。ま
た、好ましい形態として、上記肩部連結部材は、上記年
少者の後頭部を保護する後頭部保護部材を含む。また、
好ましい形態として、上記肩部連結部材は、上記年少者
の頭部を保護するため、上記後頭部保護部材を取囲むよ
うに設けられる頭部保護部材をさらに含む。

【００１１】この構成を採用することにより、安全ベル
トによる年少者の身体の保持力を向上させるだけでな
く、年少者の頭部領域をより安全な形態で保護すること
が可能になる。

【００１２】また、上記発明において好ましくは、上記
安全ベルトは、第１腰ベルトおよび第２腰ベルトを備
え、上記第１腰ベルトに取付けられる第１腰部材と、上
記第２腰ベルトに取付けられる第２腰部材と、上記年少
者の身体の背面側に配置され、上記第１腰部材および上
記第２腰部材を連結する腰部連結部材とを備える。

【００１３】このように、第１腰部材および第２腰部材
はそれぞれ第１腰ベルトおよび第２腰ベルトに装着され
ていることから、第１腰ベルトおよび第２腰ベルトによ
り年少者の身体の上半身の両側の前面側が保持される。
一方、第１腰部材および第２腰部材を連結する腰部連結
部材が年少者の身体の背面側に配置されることにより、
年少者の身体の背面側が腰部連結部材により保持される
とともに、第１腰ベルトおよび第２腰ベルトの広がりが
制限される。その結果、第１腰ベルト、第２腰ベルトお
よび腰部連結部材により年少者が保持され、第１腰ベル
トおよび第２腰ベルトによる年少者の保持力が向上し、
衝突時に第１腰ベルトおよび第２腰ベルトから年少者の
身体が外れてしまうことを未然に防止することが可能に
なる。

【００１４】また、上記発明の好ましい形態として、上
記第１腰部材および上記第２腰部材は、上記第１腰ベル
トおよび上記第２腰ベルトを挿通させるための管状部材
からなり、上記腰部連結部材は、上記第１腰部材および
上記第２腰部材が延びる方向に沿って設けられる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、この発明に基づいた実施の
形態における年少者安全座席について、図１を参照して
説明する。なお、年少者安全座席の一例として、自動車
用年少者安全座席（以下、チャイルドシートと称する）
に適用した場合について説明する。このチャイルドシー
ト１は、基本的構造は、図４に示すチャイルドシートと
同じ構造を有しており、５点式の安全ベルトが設けられ
ている。この５点式の安全ベルトの肩ベルトには、肩ベ
ルト安全パッド１００装着され、腰ベルトには、腰ベル
ト安全パッド２００が装着されている。

【００１６】（肩ベルト安全パッド１００の構成および
効果）図２を参照して、肩ベルト安全パッド１００の構
成について説明する。なお、図２は、肩ベルト安全パッ
ド１００の構造を示す正面図である。この肩ベルト安全
パッド１００は、第１肩ベルト１１に取付けられる第１
肩部材１０３と、第２肩ベルト１２に取付けられる第２
肩部材１０４とを有する。

【００１７】第１肩部材１０３は、第１肩ベルト１１を
挿通させるための管状部材からなり、上側開口部１０３
ａと下側開口部１０３ｂが設けられている。同様に、第
２肩部材１０４は、第２肩ベルト１２を挿通させるため
の管状部材からなり、上側開口部１０４ａと下側開口部
１０４ｂが設けられている。

【００１８】第１肩部材１０３と第２肩部材１０４との
上部側には、年少者の身体の背面側に配置され、第１肩
部材１０３および第２肩部材１０４が延びる方向に沿う
略半円形状の肩部連結部材１０２が設けられている。ま
た、略半円形状の肩部連結部材１０２の内側には、連結
パッド１０１が設けられており、この連結パッド１０１
が、年少者の後頭部を保護する後頭部保護部材をなし、
肩部連結部材１０２が、年少者の後頭部保護部材を取囲
むように設けられる頭部保護部材を兼用する。

【００１９】連結パッド１０１、肩部連結部材１０２、
第１肩部材１０３、および第２肩部材１０４は、いずれ
も、年少者に対して不快感を与えないように、クッショ
ン部材や、肌触りの良い部材から構成されていることが
好ましい。

【００２０】このように、第１肩部材１０３および第２
肩部材１０４はそれぞれ第１肩ベルト１１および第２肩
ベルト１２に装着されていることから、第１肩ベルト１
１および第２肩ベルト１２により年少者の身体の上半身
の両側の前面側が保持される。一方、第１肩部材１０３
および第２肩部材１０４を連結する肩部連結部材１０２
が年少者の身体の背面側に配置されることにより、年少
者の身体の背面側が肩部連結部材１０２により保持され
るとともに、第１肩ベルト１１および第２肩ベルト１２
の広がりが制限される。その結果、第１肩ベルト１１、
第２肩ベルト１２および肩部連結部材１０２により年少
者が保持され、第１肩ベルト１１および第２肩ベルト１
２による年少者の保持力が向上し、衝突時に第１肩ベル
ト１１および第２肩ベルト１２から年少者の身体が外れ
てしまうことを未然に防止することが可能になる。

【００２１】（腰ベルト安全パッド２００の構成および
効果）図３を参照して、腰ベルト安全パッド２００の構
成について説明する。なお、図３は、腰ベルト安全パッ
ド２００の構造を示す縦断面図である。この腰ベルト安
全パッド２００は、第１腰ベルト１３に取付けられる第
１腰部材２０１と、第２腰ベルト１４に取付けられる第
２腰部材２０２とを有する。

【００２２】第１腰部材２０１は、第１腰ベルト１３を
挿通させるための管状部材からなり、上側開口部２０１
ａと下側開口部２０１ｂが設けられている。同様に、第
２腰部材２０２は、第２腰ベルト１４を挿通させるため
の管状部材からなり、上側開口部２０２ａと下側開口部
２０２ｂが設けられている。

【００２３】第１腰部材２０１と第２腰部材２０２との
下端部側には、年少者の身体の背面側に配置され、第１
腰部材２０１および第２腰部材２０２が延びる方向に沿
う腰部連結部材２０３が設けられている。

【００２４】腰部連結部材２０３、第１腰部材２０１お
よび第２腰部材２０２は、いずれも、年少者に対して不
快感を与えないように、クッション部材や、肌触りの良
い部材から構成されていることが好ましい。

【００２５】このように、第１腰部材２０１および第２
腰部材２０２はそれぞれ第１腰ベルト１３および第２腰
ベルト１４に装着されていることから、第１腰ベルト１
３および第２腰ベルト１４により年少者の身体の上半身
の両側の前面側が保持される。一方、第１腰部材２０１
および第２腰部材２０２を連結する腰部連結部材２０３
が年少者の身体の背面側に配置されることにより、年少
者の身体の背面側が腰部連結部材２０３により保持され
るとともに、第１腰ベルト１３および第２腰ベルト１４
の広がりが制限される。その結果、第１腰ベルト１３、
第２腰ベルト１４および肩部連結部材２０３により年少
者が保持され、第１腰ベルト１３および第２腰ベルト１
４による年少者の保持力が向上し、衝突時に第１腰ベル
ト１３および第２腰ベルト１４から年少者の身体が外れ
てしまうことを未然に防止することが可能になる。

【００２６】なお、上記実施の形態においては、略半円
形状の肩部連結部材１０２の内側には、連結パッド１０
１が設けられており、この連結パッド１０１が、年少者
の後頭部を保護する後頭部保護部材をなし、肩部連結部
材１０２が、年少者の後頭部保護部材を取囲むように設
けられる頭部保護部材を兼用する形態を採用したが、こ
の形態に限られることなく、肩部連結部材、後頭部保護
部材および頭部保護部材をそれぞれ別々の構成にする形
態を採用することも可能である。

【００２７】また、第１肩部材１０３、第２肩部材１０
４、第１腰部材２０１および第２腰部材２０２として、
管状部材を用いた場合について説明しているが、安全ベ
ルトに対して取付けることができる形態であれば、巻付
ける形態、面ファスナを用いた着脱式等の形態を採用す
ることが可能である。

【００２８】また、上記実施の形態においては、年少者
安全座席の一例として、チャイルドシートに適用した場
合について説明したが、その他の年少者安全座席とし
て、たとえば、特開平７−１０００４０号公報に開示さ
れる「椅子」、特開平８−５８５９９号公報に開示され
る「乳母車」等に適用することも可能である。

【００２９】以上、今回開示された各実施の形態はすべ
ての点で例示であって制限的なものではないと考えられ
るべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて
特許請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲と均
等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれること
が意図される。

【００３０】

【発明の効果】この発明に基づいた年少者安全座席によ
れば、年少者の身体の背面側が連結部材により保持され
るとともに、第１安全ベルトおよび第２安全ベルトの広
がりが制限される。その結果、第１安全ベルト、第２安
全ベルトおよび連結部材により年少者が保持され、第１
安全ベルトおよび第２安全ベルトによる年少者の保持力
が向上し、衝突時に安全ベルトから年少者の身体が外れ
てしまうことを未然に防止することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態におけるチャイルドシートの全体
構成を示す斜視図である。

【図２】 肩ベルト安全パッド１００の構造を示す正面
図である。

【図３】 腰ベルト安全パッド２００の構造を示す縦断
面図である。

【図４】 従来の技術におけるチャイルドシートの全体
構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ チャイルドシート、１１ 第１肩ベルト、１２ 第
２肩ベルト、１３ 第１腰ベルト、１４ 第２腰ベル
ト、１００ 肩ベルト安全パッド、１０１ 連結パッ
ド、１０２ 肩部連結部材、１０３ 第１肩部材、１０
４ 第２肩部材、１０３ａ，１０４ａ 上側開口部、１
０３ｂ，１０４ｂ 下側開口部、２００ 腰ベルト安全
パッド、２０１ 第１腰部材、２０２ 第２腰部材、２
０１ａ，２０２ａ 上側開口部、２０１ｂ，２０２ｂ
下側開口部、２０３ 腰部連結部材。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前記年少者の身体の両側に配置される第
   １安全ベルトおよび第２安全ベルトと、 前記第１安全ベルトに取付けられる第１部材と、 前記第２安全ベルトに取付けられる第２部材と、 前記年少者の身体の背面側に配置され、前記第１部材お
   よび前記第２部材を連結する連結部材と、を備える、年
   少者安全座席。
2. 【請求項２】 前記安全ベルトは、第１肩ベルトおよび
   第２肩ベルトを備え、 前記第１肩ベルトに取付けられる第１肩部材と、 前記第２肩ベルトに取付けられる第２肩部材と、 前記年少者の身体の背面側に配置され、前記第１肩部材
   および前記第２肩部材を連結する肩部連結部材と、を備
   える、請求項１に記載の年少者安全座席。
3. 【請求項３】 前記第１肩部材および前記第２肩部材
   は、前記第１肩ベルトおよび前記第２肩ベルトを挿通さ
   せるための管状部材からなり、 前記肩部連結部材は、前記第１肩部材および前記第２肩
   部材が延びる方向に沿って設けられる、請求項２に記載
   の年少者安全座席。
4. 【請求項４】 前記肩部連結部材は、 前記年少者の後頭部を保護する後頭部保護部材を含む、
   請求項２または３に記載の年少者安全座席。
5. 【請求項５】 前記肩部連結部材は、 前記年少者の頭部を保護するため、前記後頭部保護部材
   を取囲むように設けられる頭部保護部材をさらに含む、
   請求項４に記載の年少者安全座席。
6. 【請求項６】 前記安全ベルトは、第１腰ベルトおよび
   第２腰ベルトを備え、 前記第１腰ベルトに取付けられる第１腰部材と、 前記第２腰ベルトに取付けられる第２腰部材と、 前記年少者の身体の背面側に配置され、前記第１腰部材
   および前記第２腰部材を連結する腰連結部材と、を備え
   る、請求項１に記載の年少者安全座席。
7. 【請求項７】 前記第１腰部材および前記第２腰部材
   は、前記第１腰ベルトおよび前記第２腰ベルトを挿通さ
   せるための管状部材からなり、 前記腰部連結部材は、前記第１腰部材および前記第２腰
   部材が延びる方向に沿って設けられる、請求項６に記載
   の年少者安全座席。