JP2001301047A - Frp製品およびその製造装置 - Google Patents

Frp製品およびその製造装置

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JP2001301047A
JP2001301047A JP2000115396A JP2000115396A JP2001301047A JP 2001301047 A JP2001301047 A JP 2001301047A JP 2000115396 A JP2000115396 A JP 2000115396A JP 2000115396 A JP2000115396 A JP 2000115396A JP 2001301047 A JP2001301047 A JP 2001301047A
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impregnation tank
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Masahiko Ebina
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コスト低減を実現でき、かつ機械的特性、耐食
性および電気的特性などの諸特性に優れたFRP製品お
よびその製造装置を得る。 【解決手段】補強繊維材に含浸する樹脂液を満たした予
備含浸槽2と、この予備含浸槽2で含浸された補強繊維
材をさらに含浸する樹脂液bを満たした含浸槽3と、こ
の含浸槽3の上部に設けられ、補強繊維材によって強化
された繊維強化プラスチックを回転により連続的に巻き
とるマンドレル4と、を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維材により補強
した繊維強化プラスチック(以下、FRP(fiber
reinforced plastic)とする。)
製品およびその製造装置に関するものであり、特に平滑
性が高く、かつ含浸基材のボイドを抑制したFRP製品
およびその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機械的特性や電気絶縁性能に優れ
た素材としてFRPが、様々な分野で幅広く利用されて
いる。FRP製品を製造する場合には、手積み(ハンド
レイアップ)法、フィラメントワインディング(以下、
FWと略す)法、引抜き成形法または乾式真空含浸法な
どの製法が知られている。
【0003】これらの方法のうち、FW法は、連続ガラ
ス繊維からなるガラス繊維テープ等の補強繊維材に、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはフェノール
樹脂などの熱硬化性プラスチックの初期縮合物を含浸さ
せた後、それを心型(マンドレル)に連続的かつ均質に
巻き付けて積層することにより球形ないし円筒形状の強
化プラスチック製品を一体成形する方式である。すなわ
ち、補強繊維材の表面に含まれる空気と樹脂とが置換さ
れることにより繊維材に樹脂が含浸され、所定の巻き角
度で補強繊維材を連続的にマンドレルに巻き付ける方法
である。
【0004】また、FW法による樹脂液含浸装置には2
種類の方式があり、樹脂液を満たした含浸槽内に補強繊
維材を通して含浸するディッピング方式と、回転するド
ラム上で補強繊維材に樹脂を含浸するドラム方式とがあ
る。いずれの含浸方式においても、樹脂を含浸した後
は、補強繊維材をマンドレルに巻き付け、巻き付け品を
硬化後脱芯する。
【0005】このようなFW法によれば、最も強度の大
きいFRP製品を得られることから、パイプ類や耐圧容
器類、その他の機械的強度が要求される構造部材として
幅広く利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たFW法では、樹脂を含浸する際に大量に空気を含んだ
補強繊維材が含浸槽内に進入しても十分に空気と樹脂を
置換することができず、成形品に空ほう(泡)、すなわ
ちボイドが発生してしまうという問題を有していた。
【0007】ボイドの存在により引張強さ、破断伸び、
衝撃強さなどが影響を受けることから、最近、ボイドを
低減するための技術が開発され、問題はかなり改善され
てきたが、成形品中の微細なボイドを皆無にする製法は
まだ確立されていない。このため、FW法によるFRP
製品は、高い信頼性が要求される高電圧機器の用途には
まだ一部しか使われていないという状況であった。
【0008】一方、製品中の微細なボイドを無くすため
に、繊維材を乾式で巻取りした後、真空下で樹脂を含浸
してボイドレスFRP製品を製造する真空含浸法があ
る。また、ボイドレスの信頼性を高めるため真空含浸
後、オートクレーブで加圧することもある。真空含浸法
により製造されたボイドレスFRP製品は、機械的特性
のみならず耐食性や電気的特性にも優れ、高電圧機器の
部品にも適用されている。
【0009】しかしながら、真空含浸法では、含浸工程
を真空タンクで、硬化工程を加圧タンクで行い、さら
に、乾式巻取り工程、真空含浸工程および加圧硬化工程
などと作業工数も多いことから、ボイドレスで優れたF
RP製品を得られるものの、FRP製品を製造するコス
トが非常に高いものとなっていた。特に、大型のFRP
製品を製造する際には、大掛かりな製造設備を要するこ
とから、経済的にも不利であるという問題を有してい
た。
【0010】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、コスト低減を実現でき、かつ機
械的特性、耐食性および電気的特性などの諸特性に優れ
たFRP製品およびその製造装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を解決するために種々研究を行った結果、本発明に至っ
たものである。
【0012】すなわち、請求項1記載のFRP製品の製
造装置は、補強繊維材に含浸する樹脂液を満たした予備
含浸槽と、この予備含浸槽で含浸された補強繊維材をさ
らに含浸する樹脂液を満たした含浸槽と、この含浸槽の
上部に設けられ、前記補強繊維材によって強化された繊
維強化プラスチックを回転により連続的に巻きとるマン
ドレルと、を備えることを特徴とする。
【0013】本発明によれば、通常の含浸槽である程度
含浸された補強繊維材をマンドレルに直結した含浸槽で
更に含浸しながら巻き付けるため、繊維の含浸状態が良
くなり空気と樹脂の置換を十分行なうことができる。従
って、微細なボイドの発生を抑制解消することが可能と
なり、機械的特性、耐食性、電気的特性に優れ、高電圧
機器にまで適用可能な大型FRP製品を製造できる。
【0014】また、本発明によれば、真空含浸法と比較
すると、真空タンクなどの装置を必要とせず、製造工程
数なども低減できることから、FRP製品を安価に製作
できコスト低減を図れる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載のF
RP製品の製造装置において、補強繊維材は、長繊維
束、テープ状繊維材またはクロス状繊維材であることを
特徴とする。
【0016】従来は、長繊維束またはテープ状繊維材を
用いたフィラメント・ワインディング装置のみ、もしく
はクロスを用いたクロス湿式巻取り装置のみしか使えな
いのが通常であった。本発明によれば、マンドレルの下
に、様々な形状の繊維材が入るサイズの含浸槽を設けた
ことから、補強繊維材が長繊維束のみならず、テープ状
繊維材またはクロス状繊維材、さらには、それらを複合
した形態の繊維材までを1台の製造装置で含浸巻取りす
ることができる。従って、長繊維束、テープ状繊維材、
クロス状繊維材を適宜選択組み合わせて、1台の製造装
置により、機械的特性、耐食性、電気的特性に優れ、高
電圧機器にまで適用可能な大型FRP製品を製造できる
ことから、製造コストを低減できる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載のF
RP製品の製造装置において、含浸槽内の樹脂液の液面
を常に一定の液位に保つ液位調節手段を備えたことを特
徴とする。
【0018】本発明によれば、マンドレル下の含浸槽に
補強繊維材が浸る状態を安定に維持することができ、補
強繊維材の空気および樹脂の置換を確実に行なうことが
できる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1記載のF
RP製品の製造装置において、含浸槽内にタッチロール
を設けたことを特徴とする。
【0020】本発明によれば、マンドレル下の含浸槽中
にタッチロールを設けることで、気泡を押しつぶすと同
時に、FRP製品の表面に平滑性を付与できる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項4記載のF
RP製品の製造装置において、タッチロールは、含浸槽
内の樹脂液の液面とマンドレルとの間に配置されること
を特徴とする。
【0022】本発明によれば、タッチロールをマンドレ
ル下の含浸槽の液面とマンドレルとの間に設置すること
により、タッチロールがドラム含浸方式のドラムと同様
の機能をもち、含浸槽からほぼ一定の樹脂量をマンドレ
ル上の製品に塗工含浸でき、更にボイドレスのレベルを
安定した状態で、FRP製品表面に平滑性を付与するこ
とができる。
【0023】また、タッチロールの加圧力を適正に調整
することにより、気泡を押しつぶしてボイドレスのレベ
ルを高めるのみならず、製品表面を平滑にすることがで
きる。なお、タッチロールを用いて離型フィルムを緻密
に巻き付け固定することもでき、外周の加工コストを低
減することもできる。
【0024】請求項6記載の発明は、請求項1記載のF
RP製品の製造装置において、含浸槽内にガイドロール
を複数個備えたことを特徴とする。
【0025】本発明によれば、マンドレル下の含浸槽の
中にガイドロールを複数個設け補強繊維材が含浸槽内を
通過する時間、すなわち浸漬時間を必要なボイドレスレ
ベルに応じて調整できるため、真空含浸法に匹敵するレ
ベルまでボイドの低減を図れる。従って、FRP製品の
信頼性が向上し、高電圧機器の絶縁部品にまで適用する
ことができる。
【0026】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
のいずれかに記載のFRP製品の製造装置において、含
浸槽内の樹脂液の温度を調節する温度調節手段を備えた
ことを特徴とする。
【0027】本発明によれば、含浸槽内の樹脂液の温度
を一定範囲にコントロールすることにより樹脂の粘度を
適正に維持し含浸を確実なものとすることができる。ま
た、温度調節により、マンドレル上に成形される樹脂の
反応率を精度良く制御できるため、FRP製品の品質向
上を図れる。
【0028】請求項8記載のFRP製品は、請求項1な
いし7までのいずれかのFRP製品の製造装置を用いて
筒状形状またはコア材の外周に成形される。
【0029】本発明によれば、ボイドレスのFRP筒製
品またはコア材の外周にFRP層を形成したFRP製品
を得られる。コア材には、導体または絶縁物のどちらで
も使用でき、接着が良好な形で準備する。いずれにせ
よ、マンドレルと同様取り付けられて含浸巻取りできれ
ば形状は問わない。
【0030】請求項9記載の発明は、請求項8記載のF
RP製品において、インパルス破壊ストレスが140な
いし165kV/cmの範囲であり、ボイド含有率が
0.3%以下であることを特徴とする。
【0031】本発明によれば、ボイドレスで、機械的特
性、耐食性、電気的特性に優れたFRP筒部品またはコ
ア材の外周にFRP層を形成したFRP製品を得られる
ため、このFRP製品を高電圧機器に適用するととも
に、FRP製品を安価に提供できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のFPR製品の製造
装置およびFRP製品について、表1および図1ないし
図5を用いて説明する。
【0033】第1実施形態(図1〜図4) 本実施形態では、FRP製品の製造装置を説明する。
【0034】図1は、FRP製品の製造装置を概略的に
示す断面図である。なお、本製造装置では、補強繊維材
として長繊維束を用いた。
【0035】図1に示すように、FRP製品の製造装置
1は、長繊維束aに樹脂液bを含浸するドラム式の予備
含浸槽2と、さらにこの長繊維束aに樹脂液bを含浸さ
せる含浸槽3とを備える。そして、この含浸槽3の上部
位置には、含浸後の長繊維束aを回転により連続的に巻
きとる円筒形状のマンドレル4を備える。
【0036】含浸槽3は、樹脂液bを一定の温度範囲に
調節する温度調節手段としての温度調整器付きヒータ5
を備え、また、樹脂液b液面の液位を検知して樹脂液b
の液面を調節する液位調節手段6を有する。この液位調
節手段6は、樹脂液bの液位を検出する図示しない液位
検出器と、含浸槽3の下部位置に設けられたシリンダ7
とを備え、液位検出器からの信号に基づきシリンダ7を
制御する図示しない制御装置とを有する。
【0037】このような構成のFRP製品の製造装置1
では、まず、予備含浸槽2で回転するドラム上で長繊維
束aに樹脂液bが含浸され、この長繊維束aはさらに含
浸槽3に導入される。含浸槽3では、液位検出器により
樹脂液bの液面の液位が検出され、樹脂液bの液位が低
い信号が図示しない制御装置に送られると、この制御装
置から信号が送られてシリンダ7が上下に作動し、シリ
ンダ7は、樹脂液bの液面とマンドレル4の最下端が接
触するように、樹脂液bの液位を調節するようになって
いる。そして、長繊維束aは、加温された樹脂液bに含
浸されると同時にマンドレル4に巻き付けられ、硬化し
たFRP製品8を得る。なお、本実施形態に示す予備含
浸槽2を設けない場合であっても、一般構造部材用のF
RP製品を作ることはできるが、FRP製品のボイド含
有率を下げるために、図1に示すドラム式などの予備含
浸槽2を通した長繊維束aを含浸槽3に導くのが望まし
い。
【0038】図2は、図1に示すFRP製品の製造装置
1に改良を加えた製造装置を示す図である。
【0039】図2に示すように、含浸槽3とマンドレル
4との間にタッチロール9a,9bが配置される。この
タッチロール9a,9bには、樹脂液bに常に一定の深
さでタッチロール9a,9bが浸るように、樹脂液bの
液位を調節する液位調節手段10が設けられる。液位調
節手段10は、タッチロール9a,9bおよび樹脂液b
液面の位置を検知する図示しない液位検出器と、この液
位検出器から検出された信号に基づきシリンダ7を制御
する図示しない制御装置とを備え、この検知信号により
シリンダ7が上下に作動して制御される。なお、タッチ
ロール9a,9bに備えた液位調節手段10は、図1に
示す含浸槽3内の樹脂液bの液位を調節する液位調節手
段6と共用することも可能である。
【0040】この液位調節手段10により、適正な深さ
の樹脂液bに浸されたタッチロール9a,9bは樹脂を
ドラム方式と同じような原理で、長繊維束aに樹脂液b
を含浸することができる。更にタッチロール9a,9b
の押し付け圧は、シリンダ7で調整可能であるため、繊
維に巻き込んだ微少なボイドを押しつぶして解消する機
能をも有する。
【0041】なお、図2には示さないが、タッチロール
9a,9b内にヒータもしくは熱媒体を流す構造とする
こともできる。これにより、更に厳しい温度管理が要求
される場合であっても、一層厳密な温度管理を行える。
【0042】また、タッチロール9a,9bの材質とし
ては、マンドレル4との間隙を一定に保ち撓み等の変形
をきたさずに平滑であれば特に材質は限定されず、一般
には、鉄鋼材にクロムメッキしたものが適している。
【0043】図3は、図2に示すFRP製品の製造装置
1に改良を加えた製造装置を示す図である。
【0044】図3に示すように、含浸槽3内のタッチロ
ール9a,9bの手前に、樹脂液b中に複数個のガイド
ロール11が設けられている。複数個のガイドロール1
1の設置により、長繊維束aが樹脂液b中に浸漬される
長繊維束aの距離が長くなり、これにより長繊維束aが
樹脂液b中にできるだけ長く浸漬される。なお、ガイド
ロール11を設置する数を増やすほど含浸槽3内の長繊
維束aの距離が長くなり、樹脂液bの含浸時間は増え、
その結果ボイドを低減できるが、ガイドロール11の数
を増やすと、含浸槽3が大きくなり材料ロスが大きくな
るため、ボイドレス要求性能と経済性を鑑みて含浸槽3
の大きさとガイドロール11の数や位置を設計すると良
い。また、ガイドロール11の形状は円柱、長円柱など
であって表面が平滑であれば材質は特に制限されない。
【0045】図1ないし図3に示したFRP製品の製造
装置では、補強繊維材として長繊維束aを用いたが、本
実施形態においては、補強繊維材は長繊維束aに限定さ
れるものでなく、テープ状繊維cやクロス状繊維dを適
用することができる。
【0046】図4は、上方から見たFRP製品の製造装
置の概要を模式的に示す鳥瞰図であり、(a)は、補強
繊維材として長繊維束aおよびテープ状繊維cを用いた
場合、(b)は、補強繊維材としてテープ状繊維dを用
いた場合を示す。
【0047】図4の(a)および(b)に示すように、
FRP製品の製造装置に使用できる補強繊維材の形態
は、FW法で一般的に使用される長繊維束aのみなら
ず、要求特性や生産性に応じてテープ状繊維材cやクロ
ス(布)状繊維材dも取り付けられる構造を持ってい
る。これら補強繊維材の基になる単繊維には特に制限は
なく、ガラス繊維全般、カーボン繊維、ポリエステル繊
維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維などを用
いることが可能である。
【0048】また、本実施形態の製造装置において、使
用する樹脂液bの種類も特に制限されることはなく、一
般的には熱硬化性樹脂が使用され、例えば、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂などがある。また、硬化剤
や硬化促進剤は、使用する熱硬化性樹脂の種類によって
任意に選定することができ、また、脱泡剤、湿潤剤、帯
電防止剤または着色剤などの成分を必要に応じて添加配
合することも可能である。
【0049】本実施形態によれば、図1に示すように、
通常の含浸槽3である程度含浸された長繊維束aをマン
ドレル4に直結した含浸槽3でさらに含浸しながら巻き
付けているため、繊維の含浸状態が良くなり微細なボイ
ドの発生を防止し、機械的特性、耐食性および電気的特
性に優れたFRP製品を得ることができる。
【0050】また、図2に示すように、タッチロール9
a,9bを配置することにより含浸性の向上のみなら
ず、FRP製品8の外周を平滑にすることができ機械加
工の工数を低減することも可能である。なお、補強繊維
材を巻取り後、タッチロール9a,9bと巻取り品の間
に離型フィルムを巻き付かせ、巻取り品表面に離型フィ
ルムを寸法精度良く緻密に巻き取ることにより外周加工
を省略することも可能である。
【0051】さらに、図3に示すように、ガイドロール
11を設置することにより、より補強繊維材に樹脂の含
浸を行うことができ、ボイドを低減して、含浸性および
生産性を向上できる。
【0052】第2実施形態(表1、図3、図5) 本実施形態においては、第1実施形態の図3に示すFR
P製品の製造装置を用い、補強繊維材としてガラスクロ
スを適用して、ボイドレスのFRP筒製の絶縁筒を作製
し、このFRP筒製の絶縁筒の評価を行った。
【0053】まず、図3に示すFRP製品の製造装置1
に、外径Φ50×全長L1200mmのマンドレル4と
ガラスクロス11KS−2810(鐘紡製平織)をセッ
トし、含浸槽3にはエポキシ系含浸樹脂3TCR622
(樹脂温度80℃、20cP)を満たした。クロスの巻
取りスピードを4m/分、タッチロール9a,9bの押
し付け圧力を150kgf/L1200mmとして、製
品の外径Φ70まで巻き取った。その後、外周にポリエ
ステル製離型フィルム75ミクロン厚を巻き付け、回転
させながら80℃の電気炉で20h加熱硬化後、脱芯し
て130℃×20hのアフターキュアーを行った。
【0054】その後、得られたFRP製品を超音波探傷
試験に供し、層間剥離やクラックまたはボイドがないこ
とを確認した。
【0055】更に端面を全長500mm長さの絶縁筒2
本に機械加工し、AC460KV×1分、Imp750
KV×3回を印加後、AC460KVまでノーコロナで
あることを確認した。
【0056】コロナ試験後、15mm厚さの輪切りサン
プルを10個切り出し、油中インパルス破壊ストレス
(Imp)試験を行った。また、JIS−K−7053
に準じたボイド含有率(%)を測定した。
【0057】なお、上述したFRP製品と同様の材料を
用い、真空含浸法により作製したFRP製品を比較例と
し、フィラメントワインディング(FW)法により作製
したFRP製品を従来例として、同様に試験を行った。
この結果を図5および表1に示す。
【0058】図5に示すように、従来例のFW品が、イ
ンパルス破壊ストレスの平均値が90.2kV/cmで
あるのと比べて、本発明のFRP製品の製造装置を用い
て製造したサンプルのインパルス破壊ストレスの平均値
は、150.2kV/cmと高い値を示しており、真空
含浸法で製造された比較例の155.6kV/cmと同
等レベルであった。
【0059】
【表1】
【0060】また、表1に示すように、従来例のFW品
では、ボイド含有率が約5%程度であるのに対し、本発
明のボイド含有率は0.3%となっており、格段にボイ
ドを低減でき、真空含浸法のボイド含有率0.1%以下
により近づいていることも裏付けられた。なお、本発明
のFRP製品のガラスコンテントは70.0%であっ
た。
【0061】本実施形態によれば、フィラメントワイン
ディング(FW)法を用いた場合であっても、作製され
たFRP製品8は、真空含浸法と同程度にボイドの発生
を低減でき優れたFRP製品8を得られるとともに、コ
スト低減を図ることができる。
【0062】また、FRP製品の製造装置をガラス繊維
等の電気絶縁繊維材と熱硬化性樹脂に適用して絶縁筒そ
の他の成形品に応用することにより、真空含浸法と遜色
ない電気絶縁性能、機械的特性、耐食性を兼ね、大型絶
縁部品を安価に得ることができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP製
品の製造装置よれば、大気圧中でも真空含浸法に匹敵す
るボイド含有率のFRP成形品を製造でき、かつ製造コ
ストを低減できることから、高い信頼性が要求される高
電圧機器等にFRP製品を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における、FRP製品の
製造装置の構成を概略的に示す断面図。
【図2】図2は、図1の製造装置に改良を加えた装置を
示し、含浸槽とマンドレルとの間にタッチロールを配置
したFRP製品の製造装置の構成を示す断面図。
【図3】図3は、図2の製造装置に改良を加えた装置を
示し、含浸槽内の樹脂液中に複数個のガイドロールを設
けたFRP製品の製造装置の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第1実施形態における、FRP製品の
製造装置の概要を模式的に示す鳥瞰図であり、(a)
は、補強繊維材として長繊維束およびテープ状繊維を用
いた図であり、(b)は、補強繊維材としてテープ状繊
維を用いた図を示す。
【図5】本発明の第2実施形態を説明する図で、本発
明、比較例および従来例のインパルス破壊試験結果を示
すグラフ図。
【符号の説明】
1 FRP製品の製造装置 2 予備含浸槽 3 含浸槽 4 マンドレル 5 温度調節器付きヒータ 6 液位調節手段 7 シリンダ 8 FRP製品 9a,9b タッチロール 10 液位調節手段 11 ガイドロール a 長繊維束 b 樹脂液 c テープ状繊維材 d クロス状繊維材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB05 AB06 AB08 AB09 AB10 AB22 AB28 AB29 AD12 AD13 AD23 AD38 AG06 AG14 AH04 AH13 AH22 AH53 AJ03 AJ20 AJ34 AJ37 AK05 AK06 AK11 AL11 4F205 AA36 AD16 AG08 AH33 HA02 HA06 HA23 HA33 HA37 HA46 HB01 HC02 HE21 HF01 HK22 HK31 HL03 HL12 HL13 HM03 HM16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強繊維材に含浸する樹脂液を満たした
    予備含浸槽と、この予備含浸槽で含浸された補強繊維材
    をさらに含浸する樹脂液を満たした含浸槽と、この含浸
    槽の上部に設けられ、前記補強繊維材によって強化され
    た繊維強化プラスチックを回転により連続的に巻きとる
    マンドレルと、を備えることを特徴とするFRP製品の
    製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のFRP製品の製造装置に
    おいて、補強繊維材は、長繊維束、テープ状繊維材また
    はクロス状繊維材であることを特徴とするFRP製品の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のFRP製品の製造装置に
    おいて、含浸槽内の樹脂液の液面を常に一定の液位に保
    つ液位調節手段を備えたことを特徴とするFRP製品の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のFRP製品の製造装置に
    おいて、含浸槽内にタッチロールを設けたことを特徴と
    するFRP製品の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のFRP製品の製造装置に
    おいて、タッチロールは、含浸槽内の樹脂液の液面とマ
    ンドレルとの間に配置されることを特徴とするFRP製
    品の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のFRP製品の製造装置に
    おいて、含浸槽内にガイドロールを複数個備えたことを
    特徴とするFRP製品の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のF
    RP製品の製造装置において、含浸槽内の樹脂液の温度
    を調節する温度調節手段を備えたことを特徴とするFR
    P製品の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7までのいずれかのFR
    P製品の製造装置を用いて筒状形状またはコア材の外周
    に成形されたFRP製品。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のFRP製品において、イ
    ンパルス破壊ストレスが140ないし165kV/cm
    の範囲であり、ボイド含有率が0.3%以下であること
    を特徴とするFRP製品。
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