JP2001298635A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

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JP2001298635A
JP2001298635A JP2000109539A JP2000109539A JP2001298635A JP 2001298635 A JP2001298635 A JP 2001298635A JP 2000109539 A JP2000109539 A JP 2000109539A JP 2000109539 A JP2000109539 A JP 2000109539A JP 2001298635 A JP2001298635 A JP 2001298635A
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deflection
individual
deflecting
ray tube
cathode ray
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JP2000109539A
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Yuji Haraguchi
雄次 原口
Hirotaka Murata
弘貴 村田
Koji Nishimura
孝司 西村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回路規模および製造コストを低減でき調整が容
易な分割走査型の陰極線管装置を提供することにある。 【解決手段】真空外囲器の2つのネックには、電子ビー
ムにより蛍光体スクリーンを2つの走査領域に分割して
走査する電子銃がそれぞれ配置されている。ネックの周
囲には、電子ビームを偏向する個別偏向装置26がそれ
ぞれ設けられている。偏向出力回路32は、2つの個別
偏向装置26の個別フィールド偏向部26aを別々に駆
動する2つの個別フィールド偏向出力回路34a、34
bと、個別偏向装置の2つの個別ライン偏向部26bを
駆動する共通のライン偏向出力回路35と、を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は陰極線管装置に関
し、特に、実質的に切れ目のない1つの蛍光体スクリー
ンを複数の電子銃から放出される電子ビームにより複数
の表示領域に分割して走査し、各表示領域に描かれる画
像を合成して1つの画像を表示する陰極線管装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子銃より放出される電子ビームを走査
して、蛍光体スクリーンに画像を表示する陰極線管装置
では、近年、大画面化、および高解像度化が要求されて
いることに伴い、様々な検討がおこなわれている。
【0003】一般に、陰極線管装置は大型になるにした
がって電子銃から蛍光体スクリーンまでの距離が長くな
り、陰極線管の奥行きが増大してしまう問題がある。こ
の問題に対して、1つの連続した蛍光体スクリーンを複
数の走査領域に分割して走査することにより画像を表示
する分割走査方式の陰極線管装置が提案されている。
【0004】このような陰極線管装置では、複数の電子
銃から放出された電子ビームを、電子銃ごとに配置され
た複数の個別偏向装置によってそれぞれ偏向し、蛍光体
スクリーンを複数の走査領域に分割して走査する。その
ため、同一サイズの表示画面を有した通常の陰極線管装
置、つまり、蛍光体スクリーン全体を1つの電子銃から
放出された電子ビームにより走査する陰極線管装置、と
比較すると、分割走査方式の陰極線管装置では、各電子
銃から放出された電子ビームによって走査する走査領域
が小さいため、電子ビームの偏向角を通常の陰極線管と
同一にした場合、電子銃と蛍光体スクリーンとの距離を
短くし陰極線管の奥行きを短縮することができる。従っ
て、大画面であっても実用的な奥行きを持った陰極線管
装置を実現することが可能となる。
【0005】また、奥行きを多少犠牲にして偏向角度を
小さくすることも可能であり、この場合、画面周辺での
デフレクションデフォーカスを小さくすることができ
る。このような点から、分割走査方式の陰極線管装置
は、大画面で高解像度化を図る場合に有利である。
【0006】また、このような陰極線管装置の偏向装置
は、複数の電子銃毎に対応した複数の個別偏向装置で構
成され、これらの個別偏向装置は共通の偏向出力回路に
よって駆動される。そのため、画像振幅あるいは歪調整
等の補正においては、全ての個別偏向装置を同時に補正
することができる。
【0007】従って、偏向装置の調整については、ま
ず、歪バランス等の調整として個別偏向装置毎に分割画
像特性が最適となるような位置へ個別偏向装置を調整す
る。次に、画像歪量、リニアリティ、画像サイズ等の補
正として、偏向出力回路の補正回路部分を調整する。
【0008】なお、個別偏向装置毎の誤差によっては上
述のような調整でも分割画面の境界部で視覚的な違和感
が生じる場合がある。この場合には、個別偏向装置毎に
設けられた補正手段によって最適な調整をおこなう方法
が提案されている。
【0009】偏向装置を以上のように調整することによ
り、複数の走査領域に描かれた複数の分割画像を走査領
域間の境界部でも切れ目がなく、視覚的に違和感のない
連続的な1つの画像として表示することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、偏向装置が、複数の電子銃に対応した個別偏向
装置を有し、これらの個別偏向装置を共通の偏向出力回
路で駆動する構成とした場合、種々の利点が得られる反
面、次のような問題点が発生する。
【0011】まず、第1に、従来の通常の陰極線管装置
における偏向装置の走査領域と、複数の分割走査領域の
それぞれを走査する個別偏向装置の走査領域と、は相違
していることが挙げられる。
【0012】また、第2に、共通の偏向出力回路で補正
できる項目(歪、リニアリティ等)が全ての個別偏向装
置でほぼ共通の補正量を持つことになるものの、個別偏
向装置毎の誤差量(製造誤差による偏向感度の誤差等)
や電子銃等の製造誤差により発生する分割画面毎の誤
差、例えば、電子ビーム位置の変動等については、それ
ぞれ個別偏向装置毎に補正をしなければならないことで
ある。
【0013】第1の問題については、同一サイズで通常
の陰極線管と、横方向に2分割された分割画面を持つ陰
極線管とを比較した場合、分割画面の縦横比はやや縦方
向が大きくなる。このため、通常の陰極線管ではライン
偏向角が約45度、フィールド偏向角が約31度である
のに対し、分割画面では、例えば、ライン偏向角が約3
7度、フィールド偏向角が約43度になってしまう。
【0014】従って、ライン偏向については偏向角が減
るため、2つの個別偏向装置を共通のライン偏向出力回
路で駆動することが可能であるが、フィールド偏向につ
いては、通常の陰極線管に比較して偏向角が増える上
に、2つの個別偏向装置を共通のフィールド偏向出力回
路で駆動しなければならない。この結果、例えば、フィ
ールド偏向出力回路の偏向電力は、通常の陰極線管に比
較して3倍以上となり、共通の偏向出力回路とするため
には、抵抗の増大分だけ従来に比べて高電圧の電源が必
要となる。
【0015】偏向出力回路をライン偏向出力回路とフィ
ールド偏向出力回路とに分けて考えると、特に、フィー
ルド偏向装置は、ライン偏向装置に比べてインピーダン
スが高いことから、フィールド偏向出力回路に様々な問
題が生じる。
【0016】例えば、2つの個別偏向装置を共通のフィ
ールド偏向出力回路に接続した場合、偏向電力の増大分
と同様に、電源電圧は、通常の陰極線管の偏向出力回路
に対して3倍以上が必要となる。これは、フィールド偏
向装置の偏向電力の増大に伴う抵抗成分の増大によっ
て、回路損失が増大してしまうためである。このため、
耐圧などの規格が大きな素子でフィールド偏向出力回路
を構成する必要があるとともに、放熱板等も大きな規格
のものが要求されることになる。
【0017】また、回路内の補正部分に関しても、電源
電圧が高い分だけ素子規格の大きな補正回路構成が必要
であり、結果的にフィールド偏向出力回路の規模および
コストの増大を招いてしまう。更に、電源電圧の増大に
伴い、帰線期間短縮のために使用されるポンプアップ回
路も高電圧出力が要求され、さらなる回路規模とコスト
の増大を招いてしまう。
【0018】次に、第2の問題では、例えば補正手段に
よって個別偏向装置の偏向振幅誤差を偏向電流の分流に
よって補正する場合、補正手段による最大補正量および
補正分解能は個別偏向装置毎のインピーダンス等で制約
される。これは、補正手段に大きな補正量が必要となっ
た場合、補正手段にも高いインピーダンス等が必要であ
ることを意味しており、補正手段の規模およびコストの
増大につながる可能性がある。
【0019】また、電子銃等の製造誤差により電子ビー
ム位置が分割画面毎で異なる場合を考えると、個別偏向
装置毎に偏向位置が異なることになるが、偏向出力回路
による偏向位置の調整は各個別偏向装置について同一方
向にしか補正できないために、それぞれ独立した補正手
段により個別偏向装置毎に補正する必要がある。このよ
うな補正をおこなうための補正手段は、例えば、フィー
ルド偏向コイルに別コイルを追加して設け、直流電流で
制御する方法を用いることが考えられるが、このコイル
は、前述した偏向振幅誤差を補正する補正手段とは別の
ものとなる。従って、補正の目的に応じて各個別偏向装
置に複数の補正手段が必要となる可能性があるととも
に、調整が複雑なものとなる。
【0020】また、共通の偏向出力回路に複数の個別偏
向装置および補正手段を接続した場合、ある1つの個別
偏向装置を対応する補正手段によって調整したとして
も、個別偏向装置と補正手段とを含めたインピーダンス
が変化するために、個別偏向装置全体としてのインピー
ダンスも変化する。従って、多くの場合、1つの個別偏
向装置を調整することにより、他の個別偏向装置にも何
らかの影響を与えてしまう。これは個別偏向装置の接続
方法に依らず発生する問題である。このために、偏向装
置の調整が収束しなくなる可能性があるとともに、調整
が非常に困難なものとなる恐れがある。
【0021】更に、上述した説明は、通常の陰極線管装
置と同様に、水平方向の偏向がライン偏向であり、垂直
方向の偏向がフィールド偏向となる分割走査型の陰極線
管装置の場合であるが、近年、陰極線管装置には、水平
方向の偏向がフィールド偏向で、垂直方向の偏向がライ
ン偏向となるものがある。
【0022】このような陰極線管装置においても、蛍光
体スクリーンを水平方向に2分割して走査する場合、各
分割画面の偏向角は水平、垂直方向でほぼ同じであるた
めに、フィールド偏向の偏向角が増大し、偏向電力が増
大するという問題が生じる。
【0023】また、複数の分割走査領域に描かれた画像
を合成して1つの表示画面とする陰極線管装置の場合、
フリッカ等の視覚的違和感を抑制するために、隣接する
走査領域間の境界部分近傍では画像を表示するタイミン
グをほぼ同じにする必要がある。このため、蛍光体スク
リーンを水平方向に2分割して走査する陰極線管装置の
場合、水平方向の走査方向が2つの走査領域間で左右逆
になる。そのため、これらの分割走査領域に対応する2
つの個別偏向装置を共通の偏向出力回路によって駆動し
た場合、画像歪等の補正方向も2つの走査領域間で左右
逆になるという問題がある。
【0024】この発明は、上記問題点に鑑みなされたも
ので、その目的は、回路規模および製造コストを低減で
きるとともに調整が容易な分割走査型の陰極線管装置を
提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る陰極線管装置は、それぞれ蛍光体ス
クリーンに向けて電子ビームを放出する複数の電子銃
と、上記複数の電子銃に対応して設けられた複数の個別
偏向装置と、上記個別偏向装置を駆動する偏向出力回路
と、を有し、各個別偏向装置により対応する電子銃から
放出された電子ビームをライン偏向およびフィールド偏
向して上記蛍光体スクリーンを複数の走査領域に分割し
て走査する偏向装置と、 を備え、上記偏向出力回路
は、上記複数の個別偏向装置の個別フィールド偏向部を
それぞれ駆動する複数の個別フィールド偏向出力回路
と、複数の個別偏向装置の個別ライン偏向部を駆動する
共通のライン偏向出力回路と、を有していることを特徴
としている。
【0026】また、この発明に係る陰極線管装置によれ
ば、上記各個別偏向装置の個別フィールド偏向部は、対
応する上記電子銃から放出された電子ビームを垂直方向
に偏向し、上記各個別偏向装置の個別ライン偏向部は、
上記電子ビームを水平方向に偏向することを特徴として
いる。
【0027】更に、この発明に係る陰極線管装置によれ
ば、上記各個別偏向装置の個別フィールド偏向部は、対
応する上記電子銃から放出された電子ビームを水平方向
に偏向し、上記各個別偏向装置のライン偏向部は、上記
電子ビームを垂直方向に偏向することを特徴としてい
る。
【0028】上記構成の陰極線管装置によれば、偏向出
力回路のフィールド偏向出力回路を複数の個別偏向装置
毎に構成し、ライン偏向出力回路を共通とすることで、
偏向出力回路の低コスト化および回路規模縮小が可能と
なる。また、フィールド偏向では偏向出力回路で個々の
分割画面に対応した調整が可能となることから、従来は
個別偏向装置毎に必要であった補正手段が不要となり、
偏向装置および陰極線管装置全体の低コスト化が可能と
なる。また、完全に他の個別偏向装置と独立した調整が
可能となることで、調整が容易な陰極線管装置を提供す
ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態に係るカラー陰極線管装置について詳
細に説明する。図1および図2に示すように、カラー陰
極線管装置は真空外囲器10を備え、この真空外囲器
は、ガラスからなるパネル12と、パネルに対向して設
けられているとともに2個のファンネル16を有したガ
ラス製の後部外囲器14と、を備えている。パネル12
はその中心を通りパネルに対してほぼ垂直な管軸と、こ
の管軸を通って互いに直交する水平軸(長軸)Hおよび
垂直軸(短軸)Vとを有している。
【0030】パネル12の内面には蛍光体スクリーン1
5が形成されている。この蛍光体スクリーン15は、垂
直軸V方向に延びているとともに青、緑、赤に発光する
多数のストライプ状の3色蛍光体層と、これらの3色蛍
光体層間に設けられたブラックストライプと、で構成さ
れている。そして、蛍光体スクリーン15は、全画面領
域で一体であり、繋ぎ目がなく連続して形成されてい
る。
【0031】2つのファンネル16の小径端にはガラス
からなるネック22がそれぞれ接合されている。各ネッ
ク22内には、蛍光体スクリーン15に向けて電子ビー
ムを放出する電子銃24が配置されている。また、各フ
ァンネル16の外側には、電子銃24から放出された電
子ビームを水平および垂直に偏向する個別偏向装置26
が装着されている。これら2つの個別偏向装置は、この
発明における偏向装置を構成している。
【0032】また、真空外囲器10内には、多数の電子
ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャドウマスク
30が配設され、蛍光体スクリーン15と対向して位置
している。このシャドウマスク30は、図示しないホル
ダを、パネル12の内面に突設されたスタッドピンに係
合させることにより、パネル12に脱着自在に支持され
ている。
【0033】本実施の形態において、蛍光体スクリーン
15は、水平軸H方向に並んだ2つの分割走査領域A、
Bを有し、隣接する2つの分割走査領域間の境界Dは、
パネル12の垂直軸Vと平行に延びている。これらの分
割走査領域A、Bは互いに同一の矩形状を成している。
そして、2つのネック22および電子銃24は、その中
心軸が対応する分割走査領域A、Bのほぼ中心を通る法
線と一致するように配置されている。
【0034】上記構成のカラー陰極線管装置によれば、
2つの電子銃24から放出された電子ビームをそれぞれ
対応する個別偏向装置26の発生する磁界により偏向
し、シャドウマスク30を介して、蛍光体スクリーン1
5の2つの分割走査領域A、Bをそれぞれ水平、垂直方
向に走査する。この分割走査により蛍光体スクリーン1
5の各分割走査領域A、B上に描かれる画像はそれぞれ
別個であるが、電子銃24や個別偏向装置26に印加さ
れる信号を制御することにより境界Dで繋がり、蛍光体
スクリーンの全面に切れ目のない1つの大きな画像を再
生する。
【0035】次に、偏向装置の構成について詳細に説明
する。図3に示すように、偏向装置は、上述した2つの
個別偏向装置26と、これらの個別偏向装置を駆動する
偏向出力回路32と、を備えている。各個別偏向装置2
6は、電子ビームをフィールド偏向する個別フィールド
偏向部26a、および電子ビームをライン偏向する個別
ライン偏向部26bを有している。
【0036】本実施の形態において、フィールド偏向は
垂直軸Vと平行な方向であり、個別偏向装置26の個別
フィールド偏向部26aは垂直偏向コイルにより構成さ
れている。また、ライン偏向は水平軸Hと平行な方向で
あり、個別偏向装置26の個別ライン偏向部26bは水
平偏向コイルにより構成されている。
【0037】また、偏向出力回路32は、フィールド偏
向出力回路34とライン偏向出力回路35とで構成さ
れ、更に、フィールド偏向出力回路34は、2つの個別
フィールド偏向部26aをそれぞれ独立して駆動する2
つの個別フィールド偏向出力回路34a、34bを備え
ている。なお、フィールド同期信号回路36および同期
偏向信号処理回路37は、2つの個別フィールド偏向出
力回路34a、34bに対して共通であり、2つの個別
フィールド偏向出力回路34a、34bには同じ同期偏
向信号が入力される。
【0038】個別フィールド偏向出力回路34a、34
bの各々では、入力された同期偏向信号とランプ信号発
生回路40とにより、同期偏向信号基準の鋸波形を発生
する。この鋸波形から、偏向波形発生回路42はフィー
ルド偏向出力波形を発生し、対応する個別偏向装置26
の個別フィールド偏向部26aに出力する。これによ
り、2つの個別フィールド偏向出力回路34a、34b
は、2つの個別フィールド偏向部26aを別々に駆動
し、各個別フィールド偏向部26aは電子ビームのフィ
ールド偏向をおこなう。
【0039】また、個別フィールド偏向出力回路34
a、34bの各々において、偏向波形出力回路42には
偏向位置補正回路44およびリニアリティ補正回路45
が接続され、これらの回路44、45によりフィールド
偏向出力波形を補正可能となっている。
【0040】一方、ライン偏向出力回路35は、2つの
個別偏向装置26に対して共通であり、2つの個別ライ
ン偏向部26bを駆動する。すなわち、ライン偏向出力
回路35において、ライン同期信号回路48および同期
偏向信号処理回路50から入力された共通の同期偏向信
号に基づき、ランプ信号発生回路52は鋸波形を発生す
る。この鋸波形から、偏向波形発生回路54はフィール
ド偏向出力波形を発生し、2つの個別ライン偏向部26
bに出力する。これにより、1つの個別ライン偏向出力
回路35により2つの個別ライン偏向部26bを共通し
て駆動し、各個別ライン偏向部によって電子ビームのラ
イン偏向をおこなう。
【0041】また、偏向波形出力回路54には偏向位置
補正回路56およびリニアリティ補正回路58が接続さ
れ、これらの回路56、58によりライン偏向出力波形
を補正可能となっている。
【0042】以上のように構成されたカラー陰極線管装
置によれば、偏向装置の偏向出力回路32は、2つの個
別偏向装置26の個別フィールド偏向部26aを別々に
駆動する2つの個別フィールド偏向出力回路34a、3
4bを備えていることから、フィールド偏向出力回路が
共通である場合に比較して、電源電圧を半分以下にする
ことができる。これにより、偏向出力回路において、耐
圧等の問題でIC化が困難であった部分をlC化するこ
とが可能となり、同時に、出カトランジスタ等も素子規
格が小さいものを使用することが可能となる。また、回
路損失の減少によって放熱板も小型のもので対応可能と
なる。更に、電源電圧の低下に伴い、ポンプアップ回路
の削減が可能となる。もちろん、補正回路の部分につい
ても同様である。この結果、回路規模が小さく、低コス
トなフィールド偏向出力回路を構成することができる。
【0043】また、上記のように個別にフィールド偏向
出力回路34a、34bを構成することにより、複数の
個別フィールド偏向部26aを独立して調整することが
でき、共通のフィールド偏向出力回路で構成する場合に
必要であった個別偏向装置毎補正手段を設ける必要性が
低減する。従って、1つの個別フィールド偏向部を調整
した際に、他の個別フィールド偏向部に影響を与えるこ
とがなく、装置全体の調整を比較的簡単に行なうことが
可能となる。
【0044】本実施の形態において、フィールド偏向は
垂直軸Vと平行な方向であり、2つのフィールド偏向部
26aを個別に駆動することにより、垂直方向の振幅お
よび偏向リニアリティを個別に調整することができ、分
割走査領域A、B間の境界D部分での画像の微調整が可
能となる。
【0045】なお、個別フィールド偏向出力回路34
a、34bの補正回路44、45については、上述の補
正回路だけでなく、例えば、台形歪補正回路等の様々な
補正項目に対応した補正回路を追加することが可能であ
る。
【0046】一方、ライン偏向出力回路35に使用され
るパルストランスやドライブバランス回路は高価な部材
であり、個別ライン偏向部26bに対応した複数のライ
ン偏向出力回路を設けることには回路コストの点で実用
的ではない。また、ライン偏向の場合、各個別ライン偏
向部26bの偏向電力は通常の陰極線管装置と比較して
もほとんど変わらないため、ライン偏向出力回路を構成
する上で、電源電圧の増大も小さくて済む。
【0047】従って、ライン偏向出力回路35は、一般
的に使用されているライン偏向出力回路とほぼ同じ回路
構成とすることができる。以上のことから、個別偏向装
置26のライン偏向部26bに関しては共通のライン偏
向出力回路35とすることが望ましい。なお、本実施の
形態において、ライン偏向は水平方向であり、画像を出
力する際のタイミングをライン単位で変えるデジタル補
正をおこなうことができるため、水平方向の微調整は画
像信号の補正でおこなうことができる。
【0048】また、個別偏向装置それぞれに対応した補
正回路を設ける構成としたが、個別偏向装置の個体差お
よび陰極線管の製造誤差が非常に小さい場合には、補正
回路をなくすることも可能である。
【0049】上述した実施の形態において、蛍光体スク
リーン15を構成するストライプ状の3色蛍光体層は垂
直軸Vと平行に延びている構成としたが、図4に示すよ
うに、水平軸Hと平行に延びた構成としてもよい。この
場合、偏向装置の各個別偏向装置26において、フィー
ルド偏向が水平方向、ライン偏向が垂直方向となる。そ
のため、図3において、各個別偏向装置26の個別フィ
ールド偏向部26aは水平偏向コイルにより構成され、
個別ライン偏向部26bは垂直偏向コイルにより構成さ
れる。偏向装置の他の構成は、上述した実施の形態と同
様である。
【0050】このような水平方向に延びる蛍光体層を備
えたカラー陰極線管装置においても、前述した実施の形
態と同様に、フィールド偏向出力回路を個別とすること
により、偏向電力を実用的なものとすることができると
ともに、回路コストを抑えることが可能となる。
【0051】また、フィールド偏向が水平方向の偏向で
あるため、左右の分割走査領域A、Bではフィールド偏
向方向が左右逆になり、画像歪等の補正方向も左右の分
割画面で逆方向になるが、フィールド偏向出力回路が個
別に構成されているため、個別の調整により左右で同一
方向の補正が可能となり、最適なフィールド偏向調整を
行なうことが出来る。
【0052】なお、垂直方向の補正に関しては、前述し
た実施の形態と同様に、信号のタイミングを変えること
で対応できる。一般に、分割走査領域間の境界D部分に
おける画像を調整する際には、垂直方向よりも水平方向
の調整が重要となる。水平方向がライン偏向である場合
は、信号のタイミングによってライン毎のデジタル変調
をおこなうことになるが、この方法では調整範囲が狭
い。また、高分解能を得るためには、信号出力回路のコ
ストアップを招いてしまう。一方、本実施の形態のよう
に、水平方向がフィールド偏向である場合、分割画面毎
に偏向出力をアナログ変調することが可能であるため、
調整範囲の広い、高分解能な調整が可能となる。
【0053】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、蛍光体スクリーンの分割走査領域の数は
2つに限らず3つ以上としても良く、この場合、分割走
査領域に応じた数の個別偏向装置、および個別フィール
ド偏向出力回路が設けられる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、偏向出力
回路のフィールド偏向出力回路を複数の個別偏向装置毎
に構成し、ライン偏向出力回路を共通とすることで、偏
向出力回路の低コスト化および回路規模縮小が可能とな
り、実用的な偏向装置を備えた陰極線管装置を提供する
ことができる。更に、フィールド偏向では偏向出力回路
で個別の調整が可能となることから、従来は個別偏向装
置毎に必要であった補正手段が不要となり、偏向装置お
よび陰極線管装置全体の低コスト化が可能となる。ま
た、完全に他の個別偏向装置と独立した調整が可能とな
ることで、調整が容易な陰極線管装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る陰極線管装置を示
す断面図。
【図2】上記陰極線管装置のパネル内面を示す平面図。
【図3】上記陰極線管装置の偏向装置を示すブロック
図。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る陰極線管装置
のパネル内面を示す平面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器 12…パネル 15…蛍光体スクリーン 16…ファンネル 24…電子銃 26…個別偏向装置 26a…個別フィールド偏向部 26b…個別ライン偏向部 32…偏向出力回路 34…フィールド偏向出力回路 34a、34b…個別フィールド偏向出力回路 35…ライン偏向出力回路 A、B…分割走査領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 孝司 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 5C068 AA01 AA06 AA17 BA07 BA08 BA16 BA23 JA05 JB00 KA11 KA15 LA08 MA01 MA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ蛍光体スクリーンに向けて電子ビ
    ームを放出する複数の電子銃と、 上記複数の電子銃に対応して設けられた複数の個別偏向
    装置と、上記個別偏向装置を駆動する偏向出力回路と、
    を有し、各個別偏向装置により対応する電子銃から放出
    された電子ビームをライン偏向およびフィールド偏向し
    て上記蛍光体スクリーンを複数の走査領域に分割して走
    査する偏向装置と、 を備え、 上記偏向出力回路は、上記複数の個別偏向装置の個別フ
    ィールド偏向部をそれぞれ駆動する複数の個別フィール
    ド偏向出力回路と、複数の個別偏向装置の個別ライン偏
    向部を駆動する共通のライン偏向出力回路と、を有して
    いることを特徴とする陰極線管装置。
  2. 【請求項2】上記各個別偏向装置の個別フィールド偏向
    部は、対応する上記電子銃から放出された電子ビームを
    垂直方向に偏向し、上記各個別偏向装置の個別ライン偏
    向部は、上記電子ビームを水平方向に偏向することを特
    徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
  3. 【請求項3】上記各個別偏向装置の個別フィールド偏向
    部は、対応する上記電子銃から放出された電子ビームを
    水平方向に偏向し、上記各個別偏向装置のライン偏向部
    は、上記電子ビームを垂直方向に偏向することを特徴と
    する請求項1に記載の陰極線管装置。
  4. 【請求項4】上記個別フィールド偏向出力回路の各々
    は、偏向出力を補正する補正回路を備えていることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の陰極
    線管装置。
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