JP2001297945A - 積層フィルムコンデンサおよびその製造方法、ならびに保護膜形成装置 - Google Patents

積層フィルムコンデンサおよびその製造方法、ならびに保護膜形成装置

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JP2001297945A JP2000114835A JP2000114835A JP2001297945A JP 2001297945 A JP2001297945 A JP 2001297945A JP 2000114835 A JP2000114835 A JP 2000114835A JP 2000114835 A JP2000114835 A JP 2000114835A JP 2001297945 A JP2001297945 A JP 2001297945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層形フィルムコンデンサ素子の切断面を保
護する膜の厚さが薄い積層形フィルムコンデンサを提供
すること。 【解決手段】 金属層が少なくとも片面に形成された誘
電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデンサ
素子10の切断面16に保護膜20が形成された積層形
フィルムコンデンサ100である。保護膜20は、一層
あたりの厚さが0.1μm以上1μm以下である複数の
樹脂層22からなり、複数の樹脂層22のそれぞれは、
電子線硬化樹脂または紫外線硬化樹脂から形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層形フィルムコ
ンデンサ素子の切断面に保護膜が形成された積層形フィ
ルムコンデンサおよびその製造方法、ならびに前記保護
膜を形成する膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化および高密度実
装化に伴って、電子部品の小型化およびチップ化が進め
られている。電子部品の一つであるフィルムコンデンサ
においても小型化およびチップ化が進められており、誘
電体薄膜を積層した積層形フィルムコンデンサ(以下、
「積層形フィルムコンデンサ」と称する。)が開発さ
れ、広く使用されるようになってきている。
【0003】積層形フィルムコンデンサは、金属化フィ
ルム積層体の両端面に外部電極が形成された長尺状のコ
ンデンサ母材を切断して得られる積層形フィルムコンデ
ンサ素子から作製される。コンデンサ母材の切断によっ
て生じる切断面を露出させたままにしておくと、切断面
から水分が侵入して容量変化が生じたり、実装後のリフ
ロー処理時に吸湿した水分の影響によってコンデンサが
破損することがある。このため、従来では、積層形フィ
ルムコンデンサ素子の全体を粉体樹脂によって外装した
り、また、切断面に樹脂を直接塗布することによって切
断面の保護を行っていた(例えば、特公平5−6309
6号公報、特開平3−64012号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では次のような問題があった。すなわち、粉体樹脂
を用いて外装を施す場合、積層形フィルムコンデンサ素
子の切断面だけでなく、積層形フィルムコンデンサ素子
全体に外装を形成するため、積層形フィルムコンデンサ
の外形寸法が大きくなるという欠点があった。
【0005】また、図8に示すように、積層形フィルム
コンデンサ素子110の切断面120にローラ150を
用いて樹脂140を直接塗布する場合、ローラ150に
よって切断面120に物理的な損傷が与えられることが
あり、積層形フィルムコンデンサ素子110のコンデン
サ部112の絶縁構造が破損することがあった。さら
に、ローラ150で樹脂140を塗布すると、樹脂14
0の厚さが数十μm〜100μm程度になるため、樹脂
140の厚さを薄くすることによってさらなる小型化を
図ることが難しかった。
【0006】また、この方法では、ローラーを用いて塗
布するため、より小型化された積層形フィルムコンデン
サ素子(例えば、切断面120の面積が10mm2以下
の積層形フィルムコンデンサ素子)110に塗布する場
合、素子1個1個の切断面に均一に樹脂140を塗布す
るのは技術的に困難であることが多い。さらに、素子の
寸法に対する樹脂140の厚さが相対的に大きくなるこ
とによって、基板への実装不良の問題や樹脂140の剥
がれ落ち等の問題も生じることとなってきた。
【0007】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、より薄い膜で積層形フィルム
コンデンサ素子の切断面を保護した積層形フィルムコン
デンサおよびその製造方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、積層形フィルムコンデンサ素
子の切断面を保護する膜を形成する膜形成装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による積層形フィ
ルムコンデンサは、金属層が少なくとも片面に形成され
た誘電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデ
ンサ素子の切断面に保護膜が形成された積層形フィルム
コンデンサであって、前記保護膜は、一層あたりの厚さ
が0.1μm以上1μm以下である複数の樹脂層からな
り、前記複数の樹脂層のそれぞれは、電子線硬化樹脂ま
たは紫外線硬化樹脂から形成されており、この構成によ
って上記目的を達成する。
【0009】前記電子線硬化樹脂または前記紫外線硬化
樹脂は、ラジカル重合反応で硬化可能なアクリル樹脂で
あることが好ましい。
【0010】前記保護膜は、10層以上の前記樹脂層か
らなることが好ましい。
【0011】好適な実施形態では、前記複数の樹脂層の
それぞれは、真空蒸着法によって形成されている。
【0012】前記保護膜は、前記誘電体フィルムと同一
の材料から形成されていることが好ましい。
【0013】本発明による積層形フィルムコンデンサの
製造方法は、金属層が少なくとも片面に形成された誘電
体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデンサ素
子の切断面に保護膜を形成する工程を含む積層形フィル
ムコンデンサの製造方法であって、前記保護膜を形成す
る工程は、回動可能なロールの外周に、前記切断面が露
出するように複数の積層形フィルムコンデンサ素子を配
置する工程と、前記ロールを回転させながら、前記複数
の積層形フィルムコンデンサ素子のそれぞれの切断面
に、電子線硬化樹脂を真空蒸着させる工程と、真空蒸着
させた前記電子線硬化樹脂に電子線を照射して硬化する
ことにより、厚さが0.1μm以上1μm以下の樹脂層
を前記切断面上に形成する工程と、前記電子線硬化樹脂
を真空蒸着させる工程と前記樹脂層を形成する工程とを
繰り返すことによって、前記切断面上に前記樹脂層を積
層させる工程とを包含する。
【0014】前記電子線硬化樹脂として、ラジカル重合
反応で硬化可能なアクリル樹脂を用いることが好まし
い。
【0015】前記電子線硬化樹脂を真空蒸着させる工程
と前記樹脂層を形成する工程とを繰り返すことによっ
て、10層以上の前記樹脂層を積層させることが好まし
い。
【0016】本発明による他の積層形フィルムコンデン
サの製造方法は、金属層が少なくとも片面に形成された
誘電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデン
サ素子の切断面に保護膜を形成する工程を含む積層形フ
ィルムコンデンサの製造方法であって、前記保護膜を形
成する工程は、回動可能なロールの外周に、前記切断面
が露出するように複数の積層形フィルムコンデンサ素子
を配置する工程と、前記ロールを回転させながら、前記
複数の積層形フィルムコンデンサ素子のそれぞれの切断
面に、紫外線硬化樹脂を真空蒸着させる工程と、真空蒸
着させた前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化す
ることにより、厚さが0.1μm以上1μm以下の樹脂
層を前記切断面上に形成する工程と、前記紫外線硬化樹
脂を真空蒸着させる工程と前記樹脂層を形成する工程と
を繰り返すことによって、前記切断面上に前記樹脂層を
積層させる工程とを包含する。
【0017】前記紫外線硬化樹脂として、ラジカル重合
反応で硬化可能なアクリル樹脂を用いることが好まし
い。
【0018】前記紫外線硬化樹脂を真空蒸着させる工程
と前記樹脂層を形成する工程とを繰り返すことによっ
て、10層以上の前記樹脂層を積層させることが好まし
い。
【0019】前記複数の積層形フィルムコンデンサ素子
を配置する工程は、前記複数の積層形フィルムコンデン
サ素子のそれぞれの切断面を上面にし、次いで前記上面
に対する下面を粘着シートを介して前記ロールの外周に
固着させることによって実行することが好ましい。
【0020】前記複数の積層形フィルムコンデンサ素子
を配置する工程は、前記ロールの外周上に二次元的に複
数の積層形フィルムコンデンサ素子を配列させることに
よって実行することが好ましい。
【0021】本発明による積層形フィルムコンデンサ切
断面保護膜形成装置は、金属層が少なくとも片面に形成
された誘電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコ
ンデンサ素子が複数個外周に配置される回動可能なロー
ルと、前記ロールを囲む真空チャンバと、前記真空チャ
ンバ内に設けられ、前記複数の積層形フィルムコンデン
サ素子に対して真空蒸着させる電子線硬化樹脂の加熱蒸
発を行う樹脂蒸発器と、前記ロールの外周に対して電子
線照射を行う電子線照射器とを備える。
【0022】本発明による他の積層形フィルムコンデン
サ切断面保護膜形成装置は、金属層が少なくとも片面に
形成された誘電体フィルムを積層してなる積層形フィル
ムコンデンサ素子が複数個外周に配置される回動可能な
ロールと、前記ロールを囲む真空チャンバと、前記真空
チャンバ内に設けられ、前記複数の積層形フィルムコン
デンサ素子に対して真空蒸着させる紫外線硬化樹脂の加
熱蒸発を行う樹脂蒸発器と、前記ロールの外周に対して
紫外線照射を行う紫外線ランプとを備える。
【0023】前記樹脂蒸発器は、樹脂を加熱して蒸発さ
せる加熱ヒータと、前記加熱ヒータによって加熱蒸発し
た樹脂を前記ロールの外周に誘導するフードとを備える
ことが好ましい。
【0024】前記樹脂蒸発器と連結され、前記樹脂蒸発
器に樹脂を供給する樹脂供給器をさらに備えられていて
もよい。
【0025】以下、本発明の作用を説明する。
【0026】本発明の積層形フィルムコンデンサでは、
積層形フィルムコンデンサ素子の切断面を保護する保護
膜が、一層あたりの厚さが0.1μm以上1μm以下で
ある複数の樹脂層からなるため、従来技術と比較して保
護膜を任意な厚さにすることが可能となる。このため、
従来技術よりも保護膜の厚さを薄くすることができ、そ
の結果、積層形フィルムコンデンサのさらなる小型化を
図ることができる。
【0027】複数の樹脂層のそれぞれを形成する電子線
硬化樹脂または紫外線硬化樹脂として、ラジカル重合反
応で硬化可能なアクリル樹脂を用いることができる。一
層あたりの樹脂層の厚さが0.1μm以上1μm以下と
比較的に薄いので、10層以上の樹脂層を形成しても、
切断面の周囲に保護膜が回り込み難い構成にすることが
できる。なお、複数の樹脂層のそれぞれは、真空蒸着法
によって形成されたものを用いればよい。積層形フィル
ムコンデンサが有するコンデンサ部に含まれるフィルム
と同一の材料から保護膜が形成されているときには、コ
ンデンサ部と接着性の良い保護膜を有する積層形フィル
ムコンデンサを提供することができる。
【0028】本発明の積層形フィルムコンデンサの製造
方法では、ロールの外周に配置した複数の積層形フィル
ムコンデンサ素子のそれぞれの切断面に電子線硬化樹脂
を真空蒸着させる工程と、真空蒸着させた電子線硬化樹
脂を電子線照射によって硬化させる工程とを繰り返すこ
とによって、切断面上に樹脂層を積層させるため、従来
技術と比較して任意の厚さの保護膜を形成することが可
能である。また、樹脂硬化速度が速い電子線硬化樹脂を
用いるので、短時間で樹脂層を形成することが可能であ
る。電子線硬化樹脂としては、ラジカル重合反応で硬化
可能なアクリル樹脂を用いることができる。
【0029】10層以上の樹脂層を積層させた場合で
も、一層当たりの樹脂層の厚さが0.1μm以上1μm
以下と比較的薄いので、切断面の周囲に保護膜が回り込
まないようにして保護膜を形成することができる。電子
線硬化樹脂に代えて、紫外線硬化樹脂を用いることも可
能であり、紫外線硬化樹脂として、ラジカル重合反応で
硬化可能なアクリル樹脂を用いることができる。粘着シ
ートを介してロールの外周に積層形フィルムコンデンサ
素子を固着させれば、効率良く作業を行うことができ
る。また、ロールの外周上に二次元的に複数の積層形フ
ィルムコンデンサ素子を配列させると、大量の積層形フ
ィルムコンデンサ素子を処理することができ、スループ
ットを向上させることができる。
【0030】本発明の膜形成装置は、複数の積層形フィ
ルムコンデンサ素子に対して真空蒸着させる紫外線硬化
樹脂の加熱蒸発を行う樹脂蒸発器と、ロールの外周に対
して電子線照射を行う電子線照射器とを備えているの
で、切断面に物理的な損傷を与えずに保護膜を形成する
ことができる。その結果、積層形フィルムコンデンサ素
子のコンデンサ部の絶縁構造が破損することを防止する
ことができ、積層形フィルムコンデンサの歩留まりを向
上させることができる。また、切断面の面積が小さい積
層形フィルムコンデンサ素子に対しても、技術的な困難
性なく保護膜を形成することができる。電子線照射器に
代えて、紫外線ランプを用いた構成にすることも可能で
ある。
【0031】樹脂蒸発器としては、樹脂を加熱して蒸発
させる加熱ヒータと、加熱ヒータによって加熱蒸発した
樹脂をロールの外周に誘導するフードとを備えたものを
用いることができ、樹脂蒸発器には、樹脂を供給する樹
脂供給器が連結されたものを用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。以下の図面においては、説明を
簡潔にするために、実質的に同一の機能を有する構成要
素を同一の参照符号で示す。 (実施形態1)図1および図2を参照しながら、本発明
に係る積層形フィルムコンデンサを説明する。図1は、
本発明に係る積層形フィルムコンデンサ100の全体を
模式的に示しており、図2は、積層形フィルムコンデン
サ100の断面を模式的に示している。
【0033】本発明に係る積層形フィルムコンデンサ1
00は、積層形フィルムコンデンサ素子10の切断面1
6上に形成された保護膜20を有している。積層形フィ
ルムコンデンサ素子10は、誘電体薄膜(フィルム)と
金属層とが交互に積層された構造を有するコンデンサ部
12と、コンデンサ部12の両側面に形成された外部電
極(メタリコン)14とを備えており、積層形フィルム
コンデンサ素子10の切断面16は、コンデンサ部の上
面12aに対して正面および裏面に位置している。切断
面16は、長尺状のコンデンサ母材を切断して積層形フ
ィルムコンデンサ素子10を得る際に生成する(例え
ば、特開平4−332111号公報の図2を参照のこ
と)。
【0034】本発明では、コンデンサの大容量化を図る
観点から、コンデンサ部12の誘電体薄膜(フィルム)
がアクリル樹脂から形成されていることが好ましい。ま
た、誘電体薄膜を挟む金属層としてアルミニウムを用
い、外部電極14は亜鉛から構成している。なお、誘電
体薄膜は、アクリル樹脂に限定されず、ポリエステルフ
ィルム(例えば、PETフィルム)、PPSフィルムな
どから形成されていてもよい。また、金属層を構成する
材料としてアルミニウムに代えて、例えば、Niを用い
てもよい。
【0035】なお、積層形フィルムコンデンサ素子10
の寸法は特に限定されないが、外部電極14間の間隔は
例えば0.5〜5mm程度であり、切断面16間の間隔
は例えば1.0〜5.0mm程度であり、切断面の面積
は例えば1.0〜10mm2程度である。本実施形態で
は、外部電極14間の間隔1.6mm、切断面16間の
間隔3.2mm、および切断面の面積5.12mm2
積層形フィルムコンデンサ素子10を使用した。
【0036】図2に示すように、積層形フィルムコンデ
ンサ素子10の切断面16に形成された保護膜20は、
複数の樹脂層22を有しており、樹脂層22の一層あた
りの厚さは、約0.1μm〜約1μmである。樹脂層2
2のそれぞれは、電子線硬化樹脂または紫外線硬化樹脂
から形成されている。電子線硬化樹脂または紫外線硬化
樹脂を使用する理由は、樹脂の硬化時間が速いからであ
る。本実施形態では、電子線硬化樹脂または紫外線硬化
樹脂として、ラジカル重合反応で硬化可能なアクリル樹
脂を用いた。なお、ここでいう「アクリル樹脂」には、
アクリル酸からなる樹脂だけでなく、アクリレートから
なる樹脂も含まれる。
【0037】保護膜20は、一層あたりの厚みを非常に
薄くできる樹脂層22を任意の総数だけ積層して構成さ
れるため、保護層20の厚さLを高い精度で制御するこ
とができる。このため、従来技術よりも保護膜の厚さを
薄くすることが可能となる。保護層20の厚さLは、要
求される条件に応じて適宜決定すればよいため特に限定
はされないが、例えば、1〜10μm程度、切断面保護
の観点から、5μm程度であることが好ましい。
【0038】保護膜20を例えば10層以上の樹脂層2
2から構成した場合でも、1層あたりの厚さが薄い複数
の樹脂層22が積層された構成にしているので、切断面
16の周囲に保護膜20が回り込み難いという利点があ
る。このため、保護膜20によって、互いに隣接する積
層形フィルムコンデンサ同士が強固に接着してしまうよ
うなことを防止することができる。樹脂層22の層数
は、要求される条件に応じて適宜決定すればよく特に限
定はされないが、例えば、2層〜100層程度、保護層
強度の観点から、30層〜80層程度であることが好ま
しい。樹脂層22は、例えば、真空蒸着法によって形成
することができる。
【0039】本発明では、コンデンサ部12が有するフ
ィルム(誘電体薄膜)と同一の材料(アクリル樹脂)か
ら保護膜20を形成することが好ましい。このようにす
ると、コンデンサ部12と保護膜20との接着性を向上
させることができる。また、アクリル樹脂からなるフィ
ルムを含むコンデンサ部12の使用は、大容量化の観点
からは好ましいが、防湿性の観点から問題が生じること
が多い。本発明によれば、このような場合でも切断面1
6からコンデンサ部12への吸湿を効果的に防止するこ
とが可能となる。なお、コンデンサ部12のフィルム
(例えば、ポリエステル)と異なる材料(アクリル樹
脂)を用いて保護膜20を形成してもよい。
【0040】本実施形態では、一層あたり0.3μmの
樹脂層22が20層程度積層された保護膜20を有する
積層形フィルムコンデンサ100を作製した。このよう
な保護膜20を有する積層形フィルムコンデンサ100
を調べた結果、防湿性に優れており、また十分な機械的
強度を有していることがわかった。
【0041】本発明に係る積層形フィルムコンデンサ1
00によると、積層形フィルムコンデンサ素子10の切
断面16に、複数の樹脂層22を有する保護膜20が形
成されている。このため、従来技術よりも保護膜の厚さ
を薄くすることができ、その結果、より小型化された積
層形フィルムコンデンサを提供することが可能となる。
なお、積層形フィルムコンデンサ100は、外部電極1
4にさらに外部リードを取り付けたディスクリート型
(リード型)の構成にされてもよいし、面実装可能なよ
うに外部電極14にさらなる外部電極を形成してチップ
型の構成にされてもよい。また、機械的強度を高める等
の目的から、得られた積層形フィルムコンデンサに外装
を施してもよい。
【0042】次に、図3から図5を参照しながら、本発
明に係る積層形フィルムコンデンサ100の製造方法お
よびそれに用いられる切断面保護膜形成装置の説明をす
る。
【0043】まず、積層形フィルムコンデンサ100の
製造方法の説明をする前に、積層形フィルムコンデンサ
100の保護膜20を形成する膜形成装置500の説明
をする。図3は、本実施形態にかかる膜形成装置500
の内部構造を模式的に示している。
【0044】図3に示す膜形成装置500は、ロール5
0と、このロール50を囲む真空チャンバ60と、この
真空チャンバ60内に設けられた樹脂蒸発器70と、ロ
ール50の外周52に対して電子線照射を行う電子線照
射器80とを備えている。
【0045】ロール50は、複数の積層形フィルムコン
デンサ素子10を外周52に配置することができ、矢印
54の方向に連続して回転することができる(勿論、矢
印54の逆方向にも回転できるようにしてもよい)。ロ
ール50は、所定の速度で回転可能であり、例えば、1
0〜100m/分程度で回転させることができる。な
お、外周52だけを回転可能なように構成してもよい
し、ロール50全体を回転可能なように構成してもよ
い。また、樹脂蒸着時の熱影響を防止し、樹脂硬化時間
を速くするために、ロール50は冷却器(不図示)によ
って冷却されていてもよい。
【0046】再び図3を参照する。ロール50の外周5
2には、例えば、図4に示すように、複数の積層形フィ
ルムコンデンサ素子10を配置することができる。すな
わち、複数の積層形フィルムコンデンサ素子10のそれ
ぞれの切断面16が上面となるようにして、上面に対す
る下面を粘着シート56を介してロール50の外周52
に固着させる。このようにすれば、上面側の各切断面1
6を真空チャンバ60内で効率良く露出させることがで
きる。また、ロール50の外周52に、マトリックス状
に(二次元的に)隙間無く複数の積層形フィルムコンデ
ンサ素子10を配列させて、その周囲をマスキングテー
プ58で覆うようにしているので、大量の積層形フィル
ムコンデンサ素子10の処理を行うことができると共
に、切断面16以外が露出しないようにすることができ
る。
【0047】ロール50を囲む真空チャンバ60は、減
圧装置(不図示)に連結されており、減圧装置によって
内部62を減圧状態にすることができる。例えば、1×
10 -1〜1×10-3Pa程度にすることが可能である。
真空チャンバ60内に設けられた樹脂蒸発器70は、供
給される樹脂を加熱して蒸発させる加熱ヒータ72と、
加熱ヒータ72によって加熱蒸発した樹脂をロール50
の外周52に誘導するフード74とを備えている。
【0048】樹脂蒸発器70には、樹脂を供給する樹脂
供給器90が連結されていてもよい。本実施形態で用い
た樹脂供給器90は、樹脂蒸発器70に供給する樹脂
(例えば、アクリル樹脂)98が入れられる容器を有す
る外部タンク92と、この外部タンク92と樹脂蒸発器
70とを連結するパイプ94と、このパイプ94の一部
に設けられ樹脂98の供給量を調節するバルブ96とを
備えている。パイプ94の一端は樹脂98中に配置され
ているので、外部タンク92の内圧を上げれば、パイプ
95を介して外部タンク92から樹脂98を樹脂蒸発器
70に供給することが可能となる。
【0049】樹脂供給器70によって真空蒸着された樹
脂を硬化させるために、ロール50の外周52に対して
電子線照射を行う電子線照射器80が設けられている。
本実施形態では、真空度、およびコンタミネーション、
すなわち不純物を真空チャンバ60内に混入させ難くす
るという観点から、ロール50を挟んで加熱ヒータ72
に対向するように電子線照射器80が設けられている。
電子線照射器80は、フィラメント82とアノード84
と、これらに電気的に接続された高圧電源86とを有し
ており、例えば、−1kV〜−10kVの間で加速した
電子線を照射することができる。
【0050】次に、さらに図5を加えて、積層形フィル
ムコンデンサ100の製造方法を説明する。図5は、本
実施形態の製造方法を説明するためのフローチャートを
示している。
【0051】まず、公知の方法を用いて、複数枚積層さ
れた金属化フィルムの両端面に外部電極14が形成され
た長尺状のコンデンサ母材を切断することによって積層
形フィルムコンデンサ素子10を作製する。
【0052】次に、例えば図4に示すようにして複数の
積層形フィルムコンデンサ素子10を、膜形成装置50
0のロール50の外周52に配置する(工程S10
1)。
【0053】次に、真空チャンバ60の内部62の真空
度を例えば5×10-2Pa程度にして、ロール50を回
転させる。ロール50の回転速度を例えば80m/分程
度にして、冷却器(不図示)によってロール50の温度
を例えば20℃程度にする。次いで、ロール50を回転
させながら、樹脂蒸発器70によって加熱蒸発させた電
子線硬化樹脂(例えば、アクリル樹脂)を、複数の積層
形フィルムコンデンサ素子10のそれぞれの切断面16
に真空蒸着させる(工程S102)。本実施形態では、
電子線硬化樹脂として、ラジカル重合反応で硬化可能な
アクリル樹脂を用いた。樹脂蒸発器70の樹脂蒸発速度
は、例えば、0.1μm/層程度にした。
【0054】次に、ロール50が矢印54の方向に回転
していくと、真空蒸着した電子線硬化樹脂は、電子線照
射器80からの電子線(例えば、5kV程度)によって
照射されて硬化することになる(工程S103)。この
ようにして、厚さ0.1μm〜1μm程度(例えば、
0.3μm程度)の樹脂層22が切断面16上に形成す
る。
【0055】次に、ロール50がさらに回転すると、切
断面16上に形成された樹脂層22の上に、加熱蒸発さ
せた電子線硬化樹脂が再び真空蒸着することになる(工
程S102)。次いで、ロール50の回転にしたがっ
て、真空蒸着した電子線硬化樹脂は電子線照射器80か
らの電子線によって硬化し、第2層の樹脂層22が形成
する(工程S103)。
【0056】その後、工程S102と工程S103とを
繰り返すことによって、複数層の樹脂層22が積層し
て、切断面26上に保護膜20が形成する(工程S10
4)。このようにすれば、例えば10層以上の樹脂層2
2から構成された保護膜20を得ることができる。この
後、複数の積層形フィルムコンデンサ素子10をロール
50の外周52から取り外した後、同様の工程を、もう
一方の切断面26(まだ保護膜20が形成されていない
切断面)に対しても行えばよい。
【0057】本実施形態によると、10層以上(例え
ば、20層程度)の樹脂層22を積層した場合でも、保
護層20は、隣接する積層形フィルムコンデンサの保護
膜20と強固に接着することはなく、個々の積層形フィ
ルムコンデンサにした場合でも保護膜20が積層形フィ
ルムコンデンサ素子10から剥離するようなことは生じ
なかった。一方、従来の切断面に直接塗布する方法で
は、一度に数十μm程度以上の厚さの樹脂の塗布を行っ
た場合、隣接する積層形フィルムコンデンサ素子の切断
面上の樹脂同士が接触し、その結果、個々の積層形フィ
ルムコンデンサにするときに、保護膜の剥離が生じるこ
とを本発明者は実験により確認した。
【0058】本実施形態によれば、切断面に直接樹脂を
塗布する従来技術とは異なり、真空蒸着法によって保護
膜20を形成するため、切断面16に物理的な損傷を与
えることを回避することができる。その結果、積層形フ
ィルムコンデンサ素子10のコンデンサ部12の絶縁構
造が破損することを防止することができ、積層形フィル
ムコンデンサの製造歩留まりを向上させることができ
る。また、真空蒸着法によるため、切断面16の面積が
小さい積層形フィルムコンデンサ素子10に対しても、
技術的な困難性なく保護膜20を形成することが可能と
なる。
【0059】また、厚さ0.1μm〜1μm程度の樹脂
層22を積層させることによって保護膜を形成するた
め、従来技術と比較して、保護膜20の厚さの制御が容
易であり、厚さの薄い保護膜20を形成することが可能
である。その結果、より小型の積層形フィルムコンデン
サを製造することができ、加えて、保護膜20の材料コ
ストを低下させることもできる。 (実施形態2)図6および図7を参照しながら、本発明
による実施形態2を説明する。
【0060】本実施形態は、上記実施形態1で使用した
電子線硬化樹脂および電子線照射器の組み合わせに代え
て、紫外線硬化樹脂および紫外線ランプの組み合わせを
用いる点が実施形態1と異なる。本実施形態の説明を簡
明にするため、以下では、実施形態1と異なる点を主に
説明し、実施形態1と同様の点の説明は省略する。
【0061】図6は、本実施形態にかかる膜形成装置6
00の内部構造を模式的に示している。本実施形態の膜
形成装置600には、膜形成装置500の電子線照射器
80に代えて、紫外線ランプ40が設けられている。紫
外線ランプ40は、樹脂蒸発器70で加熱蒸発されて切
断面16に真空蒸着する紫外線硬化樹脂(例えば、アク
リル樹脂)99を硬化させる機能を有している。紫外線
ランプ40の照射条件は、例えば、400W程度であ
る。
【0062】実施形態1の電子線照射と比較して、紫外
線照射では樹脂の硬化速度が遅くなるため、本実施形態
では、ロール50の回転速度を実施形態1よりも遅く
し、樹脂蒸発器70による樹脂の蒸発速度も遅くする。
【0063】図7は、本実施形態の製造方法を説明する
ためのフローチャートを示している。まず、実施形態1
の工程S101と同様にして、複数の積層形フィルムコ
ンデンサ素子10をロール50の外周52に配置する
(工程S201)。次に、ロール50を回転させながら
(回転速度は40m/分程度)、樹脂蒸発器70によっ
て加熱蒸発させた紫外線硬化樹脂(例えば、アクリル樹
脂)を、複数の積層形フィルムコンデンサ素子10のそ
れぞれの切断面16に真空蒸着させる(工程S20
2)。本実施形態では、紫外線硬化樹脂として、ラジカ
ル重合反応で硬化可能なアクリル樹脂を用いた。樹脂蒸
発器70の樹脂蒸発速度は、例えば、0.1μm/層程
度にした。
【0064】次に、真空蒸着した電子線硬化樹脂を紫外
線ランプ40の紫外線によって硬化させる(工程S20
3)。このようにして、厚さ0.1μm〜1μm程度
(例えば、0.3μm程度)の樹脂層22を切断面16
上に形成させる。以下、工程S202と工程S203を
繰り返すことによって、複数層の樹脂層22から構成さ
れた保護膜20を切断面26上に形成する(工程S20
4)。このような製造方法によっても保護膜20を有す
る積層形フィルムコンデンサ100を製造することがで
きる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、一層あたりの厚さが
0.1μm以上1μm以下である複数の樹脂層からなる
保護膜によって、積層形フィルムコンデンサ素子の切断
面が保護されているため、従来技術と比較して保護膜を
任意な厚さにすることが可能となる。このため、従来技
術よりも厚さの薄い保護膜を有する積層形フィルムコン
デンサを提供することができ、その結果、積層形フィル
ムコンデンサのさらなる小型化を図ることができる。ま
た、本発明によれば、一層あたりの厚さが0.1μm以
上1μm以下である複数の樹脂層から構成された保護膜
を形成する膜形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる積層形フィルムコンデンサ
100を模式的に示す斜視図である。
【図2】実施形態1にかかる積層形フィルムコンデンサ
100を模式的に示す断面図である。
【図3】実施形態1にかかる膜形成装置500の内部構
造を模式的に示す断面図である。
【図4】複数の積層形フィルムコンデンサ素子10がロ
ール50の外周52上に配置された状態の一例を示す斜
視図である。
【図5】実施形態1にかかる積層形フィルムコンデンサ
100の製造方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図6】実施形態2にかかる膜形成装置600の内部構
造を模式的に示す断面図である。
【図7】実施形態2にかかる積層形フィルムコンデンサ
100の製造方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】従来の積層形フィルムコンデンサを示す斜視図
である。
【符号の説明】
100 積層形フィルムコンデンサ 10 積層形フィルムコンデンサ素子 12 コンデンサ部 14 外部電極(メタリコン) 16 切断面 20 保護膜 22 樹脂層 40 紫外線ランプ 50 ロール 52 外周 54 回転方向 56 粘着シート 58 マスキングテープ 60 真空チャンバ 62 真空チャンバの内部 70 樹脂蒸発器 72 加熱ヒータ 74 フード 80 電子線照射器 82 フィラメント 84 アノード 90 樹脂供給器 92 外部タンク 94 パイプ 96 バルブ 98 樹脂 110 積層形フィルムコンデンサ素子 112 コンデンサ部 120 切断面 130 外装 140 樹脂 150 ローラ 500、600 膜形成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 周山 寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 内藤 清 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石倉 祥一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森脇 正志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 福光 賢児 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB03 BC39 EE05 EE07 EE11 EE23 EE37 FF05 FG03 FG06 FG34 FG37 FG60 GG10 HH25 HH47 HH49 MM06 PP08 PP09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属層が少なくとも片面に形成された誘
    電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデンサ
    素子の切断面に保護膜が形成された積層形フィルムコン
    デンサであって、 前記保護膜は、一層あたりの厚さが0.1μm以上1μ
    m以下である複数の樹脂層からなり、 前記複数の樹脂層のそれぞれは、電子線硬化樹脂または
    紫外線硬化樹脂から形成されている、積層形フィルムコ
    ンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記電子線硬化樹脂または前記紫外線硬
    化樹脂は、ラジカル重合反応で硬化可能なアクリル樹脂
    である、請求項1に記載の積層形フィルムコンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記保護膜は、10層以上の前記樹脂層
    からなる、請求項1または2に記載の積層形フィルムコ
    ンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記複数の樹脂層のそれぞれは、真空蒸
    着法によって形成されている、請求項1から3までの何
    れか一つに記載の積層形フィルムコンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記保護膜は、前記誘電体フィルムと同
    一の材料から形成されている、請求項1から4までの何
    れか一つに記載の積層形フィルムコンデンサ。
  6. 【請求項6】 金属層が少なくとも片面に形成された誘
    電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデンサ
    素子の切断面に保護膜を形成する工程を含む積層形フィ
    ルムコンデンサの製造方法であって、 前記保護膜を形成する工程は、 回動可能なロールの外周に、前記切断面が露出するよう
    に複数の積層形フィルムコンデンサ素子を配置する工程
    と、 前記ロールを回転させながら、前記複数の積層形フィル
    ムコンデンサ素子のそれぞれの切断面に、電子線硬化樹
    脂を真空蒸着させる工程と、 真空蒸着させた前記電子線硬化樹脂に電子線を照射して
    硬化することにより、厚さが0.1μm以上1μm以下
    の樹脂層を前記切断面上に形成する工程と、 前記電子線硬化樹脂を真空蒸着させる工程と前記樹脂層
    を形成する工程とを繰り返すことによって、前記切断面
    上に前記樹脂層を積層させる工程とを包含する、積層形
    フィルムコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電子線硬化樹脂として、ラジカル重
    合反応で硬化可能なアクリル樹脂を用いる、請求項6に
    記載の積層形フィルムコンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電子線硬化樹脂を真空蒸着させる工
    程と前記樹脂層を形成する工程とを繰り返すことによっ
    て、10層以上の前記樹脂層を積層させる、請求項6ま
    たは7に記載の積層形フィルムコンデンサ。
  9. 【請求項9】 金属層が少なくとも片面に形成された誘
    電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデンサ
    素子の切断面に保護膜を形成する工程を含む積層形フィ
    ルムコンデンサの製造方法であって、 前記保護膜を形成する工程は、 回動可能なロールの外周に、前記切断面が露出するよう
    に複数の積層形フィルムコンデンサ素子を配置する工程
    と、 前記ロールを回転させながら、前記複数の積層形フィル
    ムコンデンサ素子のそれぞれの切断面に、紫外線硬化樹
    脂を真空蒸着させる工程と、 真空蒸着させた前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して
    硬化することにより、 厚さが0.1μm以上1μm以下の樹脂層を前記切断面
    上に形成する工程と、 前記紫外線硬化樹脂を真空蒸着させる工程と前記樹脂層
    を形成する工程とを繰り返すことによって、前記切断面
    上に前記樹脂層を積層させる工程とを包含する、積層形
    フィルムコンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記紫外線硬化樹脂として、ラジカル
    重合反応で硬化可能なアクリル樹脂を用いる、請求項9
    に記載の積層形フィルムコンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記紫外線硬化樹脂を真空蒸着させる
    工程と前記樹脂層を形成する工程とを繰り返すことによ
    って、10層以上の前記樹脂層を積層させる、請求項9
    または10に記載の積層形フィルムコンデンサ。
  12. 【請求項12】 前記複数の積層形フィルムコンデンサ
    素子を配置する工程は、前記複数の積層形フィルムコン
    デンサ素子のそれぞれの切断面を上面にし、次いで前記
    上面に対する下面を粘着シートを介して前記ロールの外
    周に固着させることによって実行する、請求項6から1
    1の何れか1つに記載の積層フィルムコンデンサの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の積層形フィルムコンデンサ
    素子を配置する工程は、前記ロールの外周上に二次元的
    に複数の積層形フィルムコンデンサ素子を配列させるこ
    とによって実行する、請求項6から12の何れか1つに
    記載の積層形フィルムコンデンサの製造方法。
  14. 【請求項14】 金属層が少なくとも片面に形成された
    誘電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデン
    サ素子が複数個外周に配置される回動可能なロールと、 前記ロールを囲む真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記複数の積層形フィ
    ルムコンデンサ素子に対して真空蒸着させる電子線硬化
    樹脂の加熱蒸発を行う樹脂蒸発器と、 前記ロールの外周に対して電子線照射を行う電子線照射
    器とを備える、積層形フィルムコンデンサ切断面保護膜
    形成装置。
  15. 【請求項15】 金属層が少なくとも片面に形成された
    誘電体フィルムを積層してなる積層形フィルムコンデン
    サ素子が複数個外周に配置される回動可能なロールと、 前記ロールを囲む真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記複数の積層形フィ
    ルムコンデンサ素子に対して真空蒸着させる紫外線硬化
    樹脂の加熱蒸発を行う樹脂蒸発器と、 前記ロールの外周に対して紫外線照射を行う紫外線ラン
    プとを備える、積層形フィルムコンデンサ切断面保護膜
    形成装置。
  16. 【請求項16】 前記樹脂蒸発器は、樹脂を加熱して蒸
    発させる加熱ヒータと、前記加熱ヒータによって加熱蒸
    発した樹脂を前記ロールの外周に誘導するフードとを備
    える、請求項14または15に記載の、積層形フィルム
    コンデンサ切断面保護膜形成装置。
  17. 【請求項17】 前記樹脂蒸発器と連結され、前記樹脂
    蒸発器に樹脂を供給する樹脂供給器をさらに備える請求
    項14から16までの何れか一つに記載の、積層形フィ
    ルムコンデンサ切断面保護膜形成装置。
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