JP2001297797A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2001297797A
JP2001297797A JP2000110069A JP2000110069A JP2001297797A JP 2001297797 A JP2001297797 A JP 2001297797A JP 2000110069 A JP2000110069 A JP 2000110069A JP 2000110069 A JP2000110069 A JP 2000110069A JP 2001297797 A JP2001297797 A JP 2001297797A
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container
lithium
lithium secondary
secondary battery
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JP2000110069A
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Toshiaki Kojima
敏明 小島
Katsuhiko Okamoto
勝彦 岡本
Makoto Akiyama
誠 秋山
Kazuya Okabe
一弥 岡部
Hiroshi Yufu
宏 油布
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Yuasa Corp
Original Assignee
Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期充電時における不可逆容量分のリチウム
イオンを補給するために、あらかじめ容器内に金属リチ
ウムが収容されていても、次回の充電時に負極の表面に
リチウムがデンドライト析出し難いリチウム二次電池を
提供する。 【解決手段】 リチウム二次電池10は、リチウムイオン
を電気化学的に吸蔵・放出可能な正極20および炭素系の
負極21がセパレータを介して積層された発電要素11と、
発電要素11を収容する容器12と、容器12内に設けられた
金属リチウム製の補給部材13とを有する。補給部材13
は、容器12内において負極21に対して電気的に接触する
ことなく、かつ、容器14の外部に電気的に引き出し可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
係り、特に炭素系材料により負極を形成しても初回充電
時のリチウムイオン損失を少なくできるリチウム二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、リチウム二次電池は、正極およ
び負極がセパレータを介して配置された発電要素と、発
電要素を収容する容器と、容器内部に注液される電解液
とを含んで構成されている場合が多い。ここで、正極お
よび負極としては、リチウムイオンを電気化学的に吸
蔵,放出できる必要がある。近年では、正極として例え
ばリチウムと、コバルト,ニッケル,マンガン等との複
合酸化物が多用され、負極として例えば有機高分子を焼
成した炭素系材料が多用されている。
【0003】このようなリチウム二次電池は、負極が炭
素系材料により形成されているため、例えば金属リチウ
ムにより負極を形成した場合に比較してリチウムのデン
ドライト析出を抑制できるとともに、リチウム合金によ
り負極を形成した場合に比較して良好な成形性が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リチウム二
次電池は、炭素系材料により負極を形成した場合、初期
充電時に正極から負極に移動したリチウムイオンの一部
が、負極の表面で起きる副反応に消費される。このた
め、従来のリチウム二次電池は、初期充電時に正極から
負極に移動するリチウムイオンの量に対して、放電時に
負極から正極に移動するリチウムイオンの量が少ない。
すなわち、不可逆容量が大きいという問題があった。
【0005】この問題に対して、あらかじめ容器に収容
した金属リチウムを負極に対して電気的に接続しておく
非水電解液二次電池が提案されている(特開平8-102333
号公報参照:従来例)。この従来例によれば、あらかじ
め容器内に金属リチウムが収容されているため、この金
属リチウムにより初期充電時における不可逆容量分のリ
チウムイオンを補えるとされている。
【0006】しかしながら、前述した従来例は、負極の
表面における副反応に消費される量より金属リチウムの
量が多い場合、初期充電後に金属リチウムが容器内に残
留することになる。そして、この従来例は、容器の内部
において金属リチウムが負極に対して常時、電気的に接
続されているため、次回の充電時に金属リチウムの残留
分が負極に対して過剰供給され、結果的に負極の表面に
リチウムがデンドライト析出するという問題が生ずる。
【0007】本発明は、前述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は初期充電時における不可逆容
量分のリチウムイオンを補給するために、あらかじめ容
器内に金属リチウムが収容されていても、次回の充電時
に負極の表面にリチウムがデンドライト析出し難いリチ
ウム二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、請求項1に記載したように、リチウ
ムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な正極および炭
素系の負極がセパレータを介して積層された発電要素
と、前記発電要素を収容する容器と、前記容器に注液さ
れた電解液とを有し、前記正極に接続された正極端子
と、前記負極に接続された負極端子とが前記容器の外部
に引き出されているリチウム二次電池であって、前記容
器内において前記負極に対して電気的に接触することな
く設けられた金属リチウム製の補給部材を有し、前記補
給部材が前記容器の外部に電気的に引き出し可能である
ことを特徴としている。
【0009】ここで、補給部材は、例えば箔状,帯状,
棒状等に形成しておけばよい。そして、この補給部材
は、例えば容器の内面に密着するように固定しておいて
もよく、あるいは絶縁性を有する適宜な支持部材を介し
て発電要素に固定しておき、容器の外部に電気的に引き
出すようにしてもよい。このような補給部材は、容器が
例えば有底筒状の本体と、本体を密閉する蓋部とから構
成されている場合、本体が導電性を有していれば、本体
の内面に密着するように固定しておけばよい。また、例
えば補給部材を箔状に形成しておくとともに、補給部材
に接続された接続線等を本体に貫通させておく構造等を
採用すれば、容器における導電性の有無は任意である。
【0010】このように構成されたリチウム二次電池に
おいては、容器内に金属リチウム製の補給部材が設けら
れているため、初期充電時に負極と補給部材とを適宜な
手段により電気的に接続すれば、負極と補給部材との間
の電位差により、補給部材から溶出したリチウムイオン
が電解液を介して負極の表面に取り込まれ、皮膜を形成
するために消費されることになる。すなわち、このよう
なリチウム二次電池においては、初期充電時、負極と補
給部材とを接続すれば、あらかじめ減少が予想される金
属リチウムの不可逆容量が補給部材により補えることに
なる。
【0011】なお、本発明においては、初期充電前に負
極および補給部材を電気的に接続しておき、初期充電開
始直前に接続を解除したり、初期充電開始と同時に負極
および補給部材を電気的に接続してもよく、あるいは初
期充電終了後に負極および補給部材を電気的に接続して
もよい。要するに、本発明においては、不可逆容量を補
給部材により補えればよく、その補給時期は初期充電の
前後あるいは初期充電中のいずれでもよい。
【0012】また、本発明においては、通常のサイクル
使用にあたって、任意のサイクル経過後、再充電の前後
あるいは再充電中に負極と補給部材と接続して不可逆容
量を補給部材により補えば、再充電可能なサイクル数が
延びることになる。
【0013】これらの使用形態において、負極と補給部
材との接続時間は、不可逆容量を補えるような所定時間
であればよく、適宜な制御手段により任意、かつ、自動
的に選択してもよい。
【0014】一方、このリチウム二次電池においては、
補給部材が容器内において負極に対して電気的に接触す
ることなく設けられているため、初期充電後に補給部材
が容器内に残留しても、次回の充電時に金属リチウムの
残留分が負極に対して過剰供給される虞れがなく、従来
の問題を回避できることになる。
【0015】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、前記負極と、前記補給部材とを電気的に接続するた
めの接続手段を有していることを特徴としている。ここ
で、接続手段としては、例えば補給部材に導通する補給
端子を負極端子の近傍に突設しておき、補給端子および
負極端子に挿通される導電性カバー部材を介して負極お
よび補給部材を電気的に接続する構造等を採用してもよ
い。その他、接続手段としては、負極および補給部材間
に介在される電線,端子や、これらの組み合わせ等を採
用できる。
【0016】このようなリチウム二次電池においては、
接続手段により負極と補給部材とを任意に接続できるた
め、初期充電時に金属リチウムの不可逆容量を確実に補
えるとともに、次回充電時に負極に対する金属リチウム
の過剰供給を防止できることになる。
【0017】また、本発明においては、請求項3に記載
したように、補給部材が容器の内面に沿って固定されて
いれば、容器内における実質的な有効体積の損失を少な
くでき、これにより発電要素の体積を大きくする必要を
回避できることになる。さらに、本発明においては、請
求項4に記載したように、補給部材が箔状であれば、リ
チウムイオンの溶出面積を広くできるとともに、発電要
素の体積を大きくする必要を回避できることになる。
【0018】そして、本発明においては、請求項5に記
載したように、容器が導電性を有しているため、例えば
補給部材を容器の内面に密着させておけば、接続線等を
介して負極端子と容器の外面とを接続すれば、負極と補
給部材とが電気的に接続されることになる。従って、こ
のリチウム二次電池においては、補給部材に接続した接
続線を容器の外部に引き出す構造を採用することなく負
極と補給部材とを電気的に接続できるため、容器に良好
な密閉性が得られることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、本発
明の第1実施形態であるリチウム二次電池10は、発電要
素11と、発電要素11を収容する容器12と、容器12に注液
された有機電解液(図示せず)と、容器12内に複数設け
られた金属リチウム製の補給部材13とを含んで構成さ
れ、15Ahの容量を有している。図2に示すように、発電
要素11は、正極20および負極21が微多孔膜フィルムから
なるセパレータ22を介して多積層されている。
【0020】正極20は、アルミニウム箔製の正極集電体
23と、正極集電体23の両面に塗布された正極合剤24,24
とを有し、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可
能とされている。正極合剤24,24は、正極活物質である
マンガン酸リチウム(LiMn2O4)と、導電剤としてアセ
チレンブラック(AB)と、結着剤としてポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)とが重量比で88:6:6で混合された
後、N−メチル−2ピロリドン(NMP)が加えられてペ
ースト状となっている。これらの正極合剤24,24は、正
極集電体23の両面に塗布された後、NMP除去の為に乾燥
されてから圧延されている。
【0021】負極21は、銅箔製の負極集電体25と、負極
集電体25の両面に塗布された負極合剤26,26とを有し、
リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能とされて
いる。負極合剤26,26は、負極活物質であるカーボン
(C)と、結着剤としてPVDFとが重量比で90:10で混合
された後、NMPが加えられてペースト状となっている。
これらの負極合剤26,26は、負極集電体25の両面に塗布
された後、 NMP除去の為に乾燥されてから圧延されてい
る。
【0022】図1に戻って、容器12は、導電性を有する
例えばステンレス(SUS)等の適宜な金属により有底角
筒状に形成された本体14と、本体14の開口に取り付けら
れる平面略長方形の蓋部15と、蓋部15に設けられた防爆
部16とを有している。蓋部15は、正極20および負極21に
それぞれ接続された正極端子28および負極端子27が絶縁
部材17,17を介して突設されている。
【0023】防爆部16は、蓋部15を貫通する連通孔18が
薄肉部材19により閉鎖されている。薄肉部材19は、例え
ば0.1mm 程度の厚み寸法を有するステンレス箔とされ、
容器11の内圧が一定以上に達したときに破断するように
なっている。
【0024】補給部材13は、合計3Ah分の容量を有す
る金属リチウム箔とされ、容器12を構成する本体14の内
側面および内底面に沿って貼付されている。このため、
これらの補給部材13は、導電性を有する本体14を介して
外部に電気的に引き出し可能とされている。そして、こ
れらの補給部材13は、接続手段30により容器11の外部に
おいて、負極に対して任意に接続可能とされている。
【0025】接続手段30は、負極端子27に挿通されると
ともに導電性を有する環状部材31と、負極端子27に螺合
される固定ナット32と、環状部材31に接続されていると
ともに本体14の外側面に接触可能な接続線33とを備えて
いる。この接続手段30は、固定ナット32により環状部材
31を負極端子27に固定するとともに、接続線33の端部を
本体14の外側面に接触させることにより、本体14,接続
線33,環状部材32および負極端子27を介して、負極21お
よび各補給部材13を電気的に接続できるようになってい
る。
【0026】以上のようなリチウム二次電池10によれ
ば、容器12内に金属リチウム製の補給部材13が設けられ
ているため、初期充電時に接続手段30を介して負極21と
各補給部材13とを電気的に接続すれば、負極21と各補給
部材13との間に電位差が生じ、これにより各補給部材13
から溶出したリチウムイオンが有機電解液を介して負極
21の表面に取り込まれて負極21の表面に皮膜を形成する
ために消費される。すなわち、このようなリチウム二次
電池10によれば、初期充電時、負極21と各補給部材13と
を接続すれば、あらかじめ減少が予想される金属リチウ
ムの不可逆容量が補給部材により補える。
【0027】そして、このリチウム二次電池10によれ
ば、各補給部材13が容器12内において負極21に対して電
気的に接触することなく設けられているため、初期充電
後に各補給部材13が容器12内に残留しても、次回の充電
時に金属リチウムの残留分が負極21に対して過剰供給さ
れる虞れがなく、従来の問題を回避できる。
【0028】また、前述したリチウム二次電池10によれ
ば、接続手段30により負極21と各補給部材13とを任意に
接続できるため、初期充電時に金属リチウムの不可逆容
量を確実に補えるとともに、次回充電時に負極13に対す
る金属リチウムの過剰供給を防止できる。
【0029】そして、このようなリチウム二次電池10に
よれば、接続手段30を構成する固定ナット32により接続
線33の一端部が負極端子27に対して確実、かつ、着脱可
能に固定されるため、各補給部材13に対して接続線33の
他端部を直接的あるいは間接的に接続するという極めて
簡単な作業を行えば、初期充電時に金属リチウムの不可
逆容量を補え、かつ、接続線33の他端部を接続個所から
離反させるという極めて簡単な作業を行えば、金属リチ
ウムの過剰供給を確実に防止できる。
【0030】また、前述したリチウム二次電池10によれ
ば、各補給部材13が本体14の内側面および内底面に沿っ
て固定されているため、容器12内における実質的な有効
体積の損失を少なくでき、これにより発電要素11の体積
を大きくする必要を回避できる。特に、このリチウム二
次電池10によれば、各補給部材13が箔状であるため、リ
チウムイオンの溶出面積を広くできるとともに、発電要
素11の体積を大きくする必要を一層回避できる。
【0031】そして、このようなリチウム二次電池10に
よれば、容器12の本体14が導電性を有しているため、接
続線33を介して本体14の外側面に接続すれば、負極21と
各補給部材13とが電気的に接続できる。従って、このリ
チウム二次電池10によれば、例えば補給部材13に接続し
た接続線を容器12の外部に引き出す等の構造が必要な
く、これにより容器12に良好な密閉性が得られる。
【0032】また、前述したリチウム二次電池10によれ
ば、初期充電後に容器12内に残存した各補給部材13が電
池性能に影響を与えないため、各補給部材13の総量を比
較的多くでき、これにより常にリチウム電位に晒されて
いる容器12が腐食しにくくなるという効果も得られる。
特に、容器12の本体14が鉄製である場合、正極20の活物
質が脱落しても、本体14の内側面および内底面に貼付さ
れた各補給部材13により本体14に接触する虞れが少な
い。この場合、金属リチウムが活物質と反応して消費さ
れるが、これにより本体14が孔食される虞れを回避でき
る。
【0033】図3には、本発明の第2実施形態が示され
ている。なお、この第2実施形態は、基本的に前述した
第1実施形態と同様な構造を有しているため、以下の第
2実施形態において、第1実施形態と異なる接続手段に
ついてのみ説明し、他の部材等については、図中に同一
符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あ
るいは省略する。
【0034】第2実施形態のリチウム二次電池10Aは、
容器12を構成する蓋部15が導電性を有し、接続手段30A
は負極端子27に螺合される筒状の導電性カバー部34を有
している。導電性カバー部34は、導電性を有する適宜な
金属製とされ、雌ネジ部35を負極端子27に螺合すること
により、一端が蓋部15に接触した状態で固定可能とされ
ている。この接続手段30Aは、導電性カバー部34を負極
端子27に螺合して固定することにより、本体14,蓋部1
5,導電性カバー部34および負極端子27を介して、負極2
1および各補給部材13を電気的に接続できるようになっ
ている。
【0035】このようなリチウム二次電池10Aによれ
ば、基本的に前述した第1実施形態と同様な構造を有し
ているため、初期充電時に金属リチウムの不可逆容量が
補給部材13により補え、かつ、初期充電後に補給部材13
が容器内に残留しても、次回の充電時に金属リチウムの
残留分が負極21に対して過剰供給される虞れを回避でき
るという第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0036】そして、このリチウム二次電池10Aによれ
ば、導電性カバー部34を負極端子27に螺合して固定する
という極めて簡単な作業を行うだけで、負極21および各
補給部材13を電気的に接続できるため、前述した第1実
施形態に比較して負極21および各補給部材13の接続作業
を簡略化できるとともに、別途固定ナットが必要ないた
め第1実施形態に比較して構成部品を少数化できる。
【0037】次に、本発明に基づいて補給部材を容器内
に設けたリチウム二次電池と、補給部材を容器内に設け
ない従来のリチウム二次電池とを製作し、容器を構成す
る本体と負極端子とを電気的に接続して約12時間放置し
た後、 0.1時間率(1.5A),4.2Vで15時間定電圧充電し
た。なお、比較例2は、基本的に実施例1と同様な構造
を有し、初回充電が終了した後も負極と補充部材とを電
気的に接続した状態に維持された。
【0038】そして、これらのリチウム二次電池におけ
る放電容量を測定するとともに、不可逆容量および充電
効率を算出した。ここで、不可逆容量=充電容量−放電
容量として算出した。その結果を表1に示すので、実施
例1を比較例1および比較例2とともに説明する。
【0039】
【表1】
【0040】この表1によれば、実施例1および比較例
2は不可逆容量が 0.9Ahであるのに対して、比較例1は
不可逆容量が 1.8Ahであり、実施例1および比較例2に
おける負極の不可逆容量が補給部材により補われたこと
が判る。
【0041】次に、実施例1,比較例1および比較例2
に対して15A,4.2Vの定電圧充電を1.5時間行った後、3
Vに低下するまで30Aの放電を行う充放電サイクル試験
を反復して行い、充電容量が初期の放電容量(表1参
照)に対する80%に低下するまでのサイクル数を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】この表2によれば、実施例1はサイクル数
が 700回であるのに対して、比較例1はサイクル数が30
回であり、初期充電後に負極と補給部材とを電気的に切
り離せる構造が有効であることが判る。
【0044】なお、本発明者は、実施例1のサイクル寿
命が大幅に改善された作用を以下のように考察した。た
だし、以下の考察は多分に推定を含んでおり、その作用
が正しいかは否かは本発明を制限するものではない。す
なわち、実施例1の効果の一つとして、金属リチウムが
容器内に設けられているため、容器内の水分や不純物等
が金属リチウムと反応することによって、消費されたた
めではないかと考えられる。
【0045】通常、これらの不純物は負極の表面におい
て反応し、電気抵抗の高いLiF やMnF2等の不良な被膜を
形成するが、本発明電池の場合、不純物が容器内の金属
リチウムと反応したため、不良被膜形成が抑えられたも
のと考えられる。なお、比較例2は、負極と補給部材と
を電気的に接続したままであるため、充電時に過剰供給
された金属リチウムが負極表面においてデンドライト析
出し、サイクル数に応じてデンドライト析出を成長させ
た結果、30サイクル時に内部短絡が発生して容量が低下
したため、試験を中止した。
【0046】以上の結果、金属リチウムを容器内に設
け、有機電解液を容器内に注液した直後から初期充電時
まで容器の外部において負極と補給部材とを電気的に接
続させれば、不可逆容量分が容器内の金属リチウムから
供給されることにより高い充電容量が得られ、サイクル
経過による劣化に対しても改善が見られることが判っ
た。
【0047】なお、本発明は、前述した各実施形態に限
定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であ
り、例えば初回充放電に限らず、 0.1時間率以下の比較
的低い充放電率で充放電を行う場合など、数サイクルの
充放電の後、金属リチウムが貼り付けられた電槽と負極
を電気的に切り離す事によっても前述した各実施形態と
同様の効果が得られる。その他、前述した各実施形態に
おいて例示した正極,負極,セパレータ,発電要素,容
器,正極端子,負極端子,補給部材,接続手段等の材
質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成
できるものであれば任意であり、限定されない。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、請求項1に記載したように、容器内に金属リチウム
製の補給部材が設けられているため、初期充電時、負極
と補給部材と接続すれば、あらかじめ減少が予想される
金属リチウムの不可逆容量が補給部材により補え、か
つ、補給部材が容器内において負極に対して電気的に接
触することなく設けられているため、初期充電後に補給
部材が容器内に残留しても、次回の充電時に金属リチウ
ムの残留分が負極に対して過剰供給される虞れを回避で
きる。
【0049】また、本発明によれば、請求項2に記載し
たように、接続手段により負極と補給部材とを任意に接
続できるため、初期充電時に金属リチウムの不可逆容量
を確実に補えるとともに、次回充電時に負極に対する金
属リチウムの過剰供給を防止できる。また、本発明によ
れば、請求項3に記載したように、補給部材が容器の内
面に沿って固定されているため、容器内における実質的
な有効体積の損失を少なくでき、これにより発電要素の
体積を大きくする必要を回避できる。
【0050】さらに、本発明によれば、請求項4に記載
したように、補給部材が箔状であるため、リチウムイオ
ンの溶出面積を広くできるとともに、発電要素の体積を
大きくする必要を回避できる。そして、本発明によれ
ば、請求項5に記載したように、容器が導電性を有して
いるため、補給部材に接続した接続線を容器の外部に引
き出す等の構造が必要なく、負極と補給部材とを電気的
に接続でき、これにより容器に良好な密閉性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のリチウム二次電池
を示す断面図である。
【図2】発電要素を示す模式図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態のリチウム二次電池
を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10A リチウム二次電池 11 発電要素 12 容器 13 補給部材 20 正極 21 負極 22 セパレータ 27 負極端子 28 正極端子 30,30A 接続手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月9日(2000.5.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】次に、本発明に基づいて補給部材を容器内
に設けたリチウム二次電池と、補給部材を容器内に設け
ない従来のリチウム二次電池とを製作し、容器を構成す
る本体と負極端子とを電気的に接続して約12時間放置し
た後、10時間率(1.5A),4.2Vで15時間定電圧充電し
た。なお、比較例2は、基本的に実施例1と同様な構造
を有し、初回充電が終了した後も負極と補充部材とを電
気的に接続した状態に維持された。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】なお、本発明は、前述した各実施形態に限
定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であ
り、例えば初回充放電に限らず、10時間率(0.1
C)以下の比較的低い充放電率で充放電を行う場合な
ど、数サイクルの充放電の後、金属リチウムが貼り付け
られた電槽と負極を電気的に切り離す事によっても前述
した各実施形態と同様の効果が得られる。その他、前述
した各実施形態において例示した正極,負極,セパレー
タ,発電要素,容器,正極端子,負極端子,補給部材,
接続手段等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等
は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定さ
れない。
フロントページの続き (72)発明者 岡部 一弥 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 (72)発明者 油布 宏 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 5H029 AJ14 AK03 AL06 AM02 BJ01 BJ11 DJ02 DJ06 DJ12 EJ01 HJ12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放
    出可能な正極および炭素系の負極がセパレータを介して
    積層された発電要素と、前記発電要素を収容する容器
    と、前記容器に注液された電解液とを有し、 前記正極に接続された正極端子と、前記負極に接続され
    た負極端子とが前記容器の外部に引き出されているリチ
    ウム二次電池であって、 前記容器内において前記負極に対して電気的に接触する
    ことなく設けられた金属リチウム製の補給部材を有し、 前記補給部材が前記容器の外部に電気的に引き出し可能
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記負極と、前記補給部材とを電気的に
    接続するための接続手段を有していることを特徴とする
    請求項1に記載したリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記補給部材が前記容器の内面に沿って
    固定されていることを特徴とする請求項1に記載したリ
    チウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記補給部材が箔状であることを特徴と
    する請求項1に記載したリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記容器が導電性を有していることを特
    徴とする請求項1に記載したリチウム二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013021432A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 トヨタ自動車株式会社 固体電池及びその製造方法
CN107681214A (zh) * 2017-08-02 2018-02-09 东莞市迈科科技有限公司 一种锂离子电芯补锂方法
WO2021174443A1 (zh) * 2020-03-04 2021-09-10 宁德新能源科技有限公司 电化学装置和包含其的电子装置

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