JP2001295001A - 高周波磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板 - Google Patents

高周波磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板

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JP2001295001A
JP2001295001A JP2000107615A JP2000107615A JP2001295001A JP 2001295001 A JP2001295001 A JP 2001295001A JP 2000107615 A JP2000107615 A JP 2000107615A JP 2000107615 A JP2000107615 A JP 2000107615A JP 2001295001 A JP2001295001 A JP 2001295001A
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JP2000107615A
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Yuka Komori
ゆか 小森
Osamu Kondo
修 近藤
Kazumichi Sashi
一道 佐志
Masaki Kono
正樹 河野
Atsuto Honda
厚人 本田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Crを含有させた成分系によって、優れた高周
波磁気特性を獲得した無方向性電磁鋼板において、その
使用時に問題となる溶接性を改善する方途について提案
する。 【構成】 Cr:1.5 mass%以上20mass%以下及びSi:2.
5 mass%以上10mass%以下を含有し、C及びNを合計量
で100 ppm 以下に低減し、残部は鉄及び不可避的不純物
の成分組成に成り、かつ比抵抗が60μΩcm以上である無
方向性電磁鋼板において、3次元表面粗さが中心面平均
粗さ SRaで0.15〜0.50μm 、中心面における切断面面積
率が80%以下、中心面により切断された単位面積1mm2
当たりの凸部の個数が50以上である、鋼板表面に、C量
が0.4 g/m2 以下の絶縁被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気特性に優れ
る無方向性電磁鋼板、特に商用周波数よりも高い周波数
において用いる場合に良好な磁気特性を有し、また溶接
性に優れる無方向性電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Fe−Si合金は、軟質磁気特性に優れる材
料として知られていて、主にSi量が3.5 mass%以下の電
磁鋼板として商用周波数用の各種鉄心を中心に多用され
ている。しかし、使用周波数が商用周波数よりも高い場
合には、かかるSi量3.5 mass%以下の電磁鋼板では鉄損
が大きくなる不利がある。そのため、このような商用周
波数よりも高い周波域での鉄損特性を改善するために
は、更に電気抵抗の高い材料が求められている。
【0003】ここに、鋼中のSi量を増やせば電気抵抗が
増大するから、上記のような高周波域での鉄損を低減す
る上で好都合である。しかし、その一方で、Si量が3.5
mass%を超えると、合金が極めて硬く脆くなり、加工性
が劣ってしまうので圧延による製造、加工が困難とな
る。特にSi量が5.0 mass%を超える場合には、冷間加工
はもちろんのこと、温間加工も不可能になってしまう。
【0004】この高Si鋼の加工性を改良し、6.5 mass%
程度のSiを含有しても工業的に鋼板を製造できる技術と
しては、特開昭61−166923号公報に開示されて
いる低温強圧下の熱間圧延による方法、そして特開昭6
2−227078号公報に開示されているSiの拡散浸透
処理による方法が代表的である。
【0005】しかし、前者の特開昭61−166923
号公報に開示された技術は、合金としての脆性を見かけ
上改善すべく圧延組織の微妙な調整が必要とされ、製造
過程で厳密な制御を行うことから、工業的に安定して生
産するのは困難と推定される。一方、後者の特開昭62
−227078号公報に開示された技術では、特殊な拡
散浸透法を用いるため、工業的な製造を行う場合にはコ
ストにおいて極めて不利と考えられる。しかも、良好な
高周波磁気特性を得るために更に電気抵抗を上げるには
限界があるものの、Si量をこれらの方法で増量しても、
高々80μΩcmの水準までにとどまらざるを得ない。特
に、通常の工業的な圧延法で製造できる3.5 mass%以下
のSi量の場合、50μΩcm台までの比抵抗しか得られなか
った。また、これらのFe−Si合金は、耐食性が劣る点も
鉄心などの用途においては問題とされていた。
【0006】また、Alは磁気特性の観点でSiと同様に電
気抵抗を増大させる効果があり、しかもSi程は加工性を
劣化させないことから、Siの一部をAlで置換することに
より、加工性が改善されることが知られている。AlはSi
よりコスト高であり、磁束密度の減少が大きいなどの弱
点があるが、例えばSi:3 mass%、Al:0.7 mass%の組
成の鋼は、Si:3.7 mass%の組成の鋼よりも加工性、冷
延性が良好であり、磁気特性がほぼ同等である。
【0007】しかし、Si:3 mass%以上の鋼において、
SiとAlとの合計量が4mass%以上になると、冷間圧延が
不能となり、更に、SiとAlとの合計量が6mass%を超え
る場合には、温間圧延も困難になっていた。しかも、こ
の場合も結局、工業的には60μΩcm未満の比抵抗しか得
られていなかった。
【0008】いずれにしても、単なるSiやAlの増加によ
り高周波域での鉄損低減を図るよりも、本質的に加工性
の改善された新たな成分系に従う合金によって、高周波
域にわたる磁気特性と共に、加工性をも確保し、更に、
耐食性と低廉性を満たすことが望ましい。
【0009】そこで、発明者らは、Fe−Si合金やFe−Si
−Al合金について、高い固有抵抗と合金の良好な加工性
の両立を達成すべく研究開発を行った末に、Crを共存さ
せることが有効であることの知見を得て、その成果を特
開平11−343544号公報に開示した。すなわち、
これまでは、Fe−Si合金やFe−Si−Al合金において、Cr
を添加するほど靱性は劣化すると考えられてきたが、Si
が3 mass%以上の含有量であっても、C及びNの含有量
を十分に低減した上で、一定量以上のCrを含有させるこ
とにより、むしろ高い靱性が得られること、またCrをSi
やAlとともに含有させることにより、電気抵抗の増大に
起因して高周波域での鉄損低減が実現されること、をそ
れぞれ見出した。これらは、特開平11−343544
号公報に開示している。特に、製造時の加工性が改善さ
れるならば、板厚の薄い鋼板とすることが可能となるか
ら、更なる高周波磁気特性の改善が期待できるのであ
る。
【0010】かように電磁鋼板に必要とされる基本的な
性能の向上が実現したが、無方向性電磁鋼板にはさらに
様々な性能が必要とされ、中でも無方向性電磁鋼板を回
転機器の鉄心として使用する場合、該鋼板を積層して端
面溶接を行う際の溶接性の改善が重要な課題となってい
る。すなわち、回転機器の鉄心として使用される無方向
性電磁鋼板は、磁気特性に優れるだけでなく、量産性の
観点から良好な打抜性も要求され、この要請を満たすた
めに一般に有機樹脂を含む絶縁被膜が被成される。しか
しながら、この被膜は、溶接時に有機樹脂から発生する
多量のガスに起因してブローホールが発生するなど溶接
性の点に問題を残していた。
【0011】この点を解消するものとして、鋼板表面に
20 Hr.m.s.μinch以上の表面粗さを付与したのち、有機
質被膜を被成する方法(特公昭49−6744号公報) や有機
質被膜自体に粗さを与え、溶接時に発生するガスを逃散
させることによりブローホールの発生を防止する方法
(特公昭49-19078号公報) 等が提案されている。しかし
ながらこれらの方法では、必然的に占積率が97〜98%ま
で低下するので好ましくない。
【0012】そこで、特開昭54−134043号公報におい
て、表面粗さを中心線平均粗さRaで0.35〜0.6 μm とし
た鋼板上に被膜厚み1〜2.5 g/m2の有機質被膜を被成す
る方法が提案された。しかしながらこの方法でも、溶接
箇所によってはブローホールの発生が見られ、必ずしも
良好な溶接性が安定して得られるとは限らず、そのため
打抜性の向上を目指して被膜厚を厚くするといった処置
を施すことができないという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、溶
接性向上のために表面粗さRaを大きくした場合には占積
率の低下を招き、また必ずしも被膜厚を十分厚くするこ
とができない等の不都合があった。
【0014】そこで、この発明は、Crを含有させた成分
系によって、優れた高周波磁気特性を獲得した無方向性
電磁鋼板において、その使用時に問題となる溶接性を改
善する方途について提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の問題
を解決するものとして、電磁鋼板の表面粗さを3次元表
面粗さで評価して規制することにより、従来両立するこ
とが困難とされた溶接性と占積率の両者を併せて改善で
きることを新たに見出し、この発明を完成するに到っ
た。
【0016】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 (1) Cr:1.5 mass%以上20mass%以下及びSi:2.5 mass
%以上10mass%以下を含有し、C及びNを合計量で100
ppm 以下に低減し、残部は鉄及び不可避的不純物の成分
組成に成り、かつ比抵抗が60μΩcm以上である無方向性
電磁鋼板において、3次元表面粗さが中心面平均粗さ S
Raで0.15〜0.50μm 、中心面における切断面面積率が80
%以下、中心面により切断された単位面積1mm2 当たり
の凸部の個数が50以上である、鋼板表面に、C量が0.4
g/m2 以下の絶縁被膜を形成したことを特徴とする高
周波磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
【0017】(2) Cr:1.5 mass%以上20mass%以下、S
i:2.5 mass%以上10mass%以下及びAl:5 mass%以下
を含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以下に低減し、
残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に成り、かつ比
抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼板において、
3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.15〜0.50μ
m、中心面における切断面面積率が80%以下、中心面に
より切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の個数が50
以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/m2 以下の絶
縁被膜を形成したことを特徴とする高周波磁気特性およ
び溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
【0018】(3) Cr:1.5 mass%以上20mass%以下及び
Si:2.5 mass%以上10mass%以下を含み、Mn及びPのい
ずれか1種又は2種のそれぞれを1mass%以下で含有
し、C及びNを合計量で100 ppm 以下に低減し、残部は
鉄及び不可避的不純物の成分組成に成り、かつ比抵抗が
60μΩcm以上である無方向性電磁鋼板において、3次元
表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.15〜0.50μm 、中心
面における切断面面積率が80%以下、中心面により切断
された単位面積1mm2 当たりの凸部の個数が50以上であ
る、鋼板表面に、C量が0.4 g/m2 以下の絶縁被膜を
形成したことを特徴とする高周波磁気特性および溶接性
に優れる無方向性電磁鋼板。
【0019】(4) Cr:1.5 mass%以上20mass%以下、S
i:2.5 mass%以上10mass%以下及びAl:5 mass%以下
を含み、Mn及びPのいずれか1種又は2種のそれぞれを
1mass%以下で含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以
下に低減し、残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に
成り、かつ比抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼
板において、3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.
15〜0.50μm 、中心面における切断面面積率が80%以
下、中心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸
部の個数が50以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/
2 以下の絶縁被膜を形成したことを特徴とする高周波
磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
【0020】(5) 上記(1) ないし(4) のいずれかにおい
て、板厚が0.01〜0.7mm であることを特徴とする高周波
磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
【0021】ここに、中心面平均粗さSRa とは、粗さ曲
面からその中心面上に面積SM を抜き取り、この抜き取
り部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸をおき、中
心面に直交する軸をZ軸として粗さ曲面をZ=f(X,
Y)で表したとき、次の数式
【数1】 で与えられる値のことである(単位μm )。
【0022】また、中心面における切断面面積率は、単
位面積SM における中心面で切断された面積S′の面積
率S′/SM ×100 (単位%)で与えられる。
【0023】さらに、凸部の個数とは、単位面積SM
おける中心面で切断されたパーティクルの数(突起形状
個数)Nであり、データ採取した凸部についての中心面
で切断された面積をDOTとしたとき、 N=S′/DOT として求めたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の無方向性電磁鋼
板について、まず、その成分組成の各成分範囲の限定理
由を説明する。 Cr:1.5 mass%以上20.0mass%以下 Crは、Siまたは/及びAlとの相乗効果によって電気抵抗
を大幅に向上させて高周波域での鉄損を低減し、更には
耐食性を向上させる基本的な合金成分であり、特に、3.
5 mass%以上のSiを含有する場合、又は3mass%以上の
Siかつ1mass%を超えるAlを含有する場合であっても、
温間圧延可能な程度の靱性を得るのに極めて有効であ
り、その観点からは2mass%以上を要する。なお、Si量
やAl量が上記範囲よりも少ない場合には、Cr量が2mass
%未満でも加工性が確保できるが、Crの加工性向上効果
を発揮させ、かつ合金の比抵抗を60μΩcm以上とするた
めには、1.5 mass%以上のCrが必須である。一方、Cr量
が20mass%を超えると靱性向上の効果が飽和するととも
に、コスト上昇を招くため、Crの含有量は1.5 mass%以
上20mass%以下、好ましくは10mass%以下と規定する。
【0025】Si:2.5 mass%以上10mass%以下 Siは、Crとの相乗効果によって電気抵抗を大幅に上昇さ
せ、高周波域での鉄損を低減するのに有効な成分であ
る。しかし、Si量が2.5 mass%未満ではCrやAlを併用し
ても磁束密度をあまり犠牲にせずに60μΩcm以上の比抵
抗を得るには至らない。一方、10mass%を超えるとCrを
含有させても温間圧延可能なまでの靱性が確保できない
ため、Siの含有量は2.5 mass%以上10mass%以下、好ま
しくは7mass%以下、より好ましくは3.5 mass%以上7
mass%以下とする。
【0026】Al:5 mass%以下 Alは、Siと同様、Crとの相乗効果によって電気抵抗を大
幅に向上させ、高周波域での鉄損を低減するのに有効な
成分であり、また溶接性の改善にも有効であるため、こ
の発明では必要に応じてAlを含有させることができる。
しかし、Al量が5mass%を超えるとコスト上昇を招く上
に、Crの含有によっても温間圧延可能なまでの靱性が確
保できなくなるため、Alは5mass%以下の下で含有させ
る必要がある。一方、Alの下限は特に限定する必要はな
いが、脱酸や結晶粒成長性の改善を所期する場合は、0.
005 〜0.3 mass%程度を含有させ、またAlを積極的に電
気抵抗の増大のために活用する場合は、0.5 mass%以上
の範囲で含有させることが好ましい。したがって、Alは
0.005 mass%以上で含有させることが好ましく、より好
ましくは0.5 mass%以上3mass%以下とする。
【0027】C及びN:合計量で100 ppm 以下 C及びNは、Fe−Cr−Si系合金の靱性を劣化させるため
にできる限り低減する必要があり、この発明に従うCr
量、Si量及びAl量の下で高靱性を確保するためには、合
計量で100 ppm 以下に抑えることが肝要である。好まし
くは、C及びNの各々が50 ppm以下、より好ましくは各
30 ppm以下とする。
【0028】なお、C及びN以外の不純物量は特に限定
されないが、例えばSについては20ppm 以下、好ましく
は10ppm 以下、より好ましくは5ppm 以下に、Oについ
ては50ppm 以下、好ましくは30ppm 以下、より好ましく
は15ppm 以下に、又は、不純物C+S+N+Oの合計量
で120 ppm 以下、好ましくは50ppm 以下に、規制するこ
とが推奨される。
【0029】Mn及びPのいずれか1種又は2種のそれぞ
れを1mass%以下 Mn及びPは、Fe−Cr−Si系合金に更に添加することによ
り、一層の電気抵抗の上昇を与えることができる。これ
らの成分の添加により、この発明の趣旨が損なわれるこ
となく、更なる鉄損の低減が達成できる。しかし、これ
らの成分を大量に添加するとコスト上昇を招くため、そ
れぞれの添加量は1mass%を上限とする。より好ましく
は、それぞれ0.5 mass%以下とする。
【0030】なお、この発明において、磁気特性、耐食
性、加工性などを更に向上させる目的で、従来知られて
いる合金成分を追加添加することは、この発明の効果を
損なうものではなく、それらの成分を含有させることも
可能である。それらの成分の代表例を以下に列記する。
【0031】すなわち、5mass%以下のNiは、耐食性改
善成分であるとともに、延性−脆性遷移温度を下げ、加
工性を向上させるほか、結晶粒を微細にさせ易いため、
渦電流損を抑制し、高周波鉄損の低減にも効果がある。
1mass%以下のCuにもNiと同様の効果がある。5mass%
以下のMoやWは耐食性を改善する。1mass%以下のLa、
VやNb、0.1 mass%以下のTi、YやZr、0.1 mass%以下
のBは、靱性を高めて加工性を向上させる効果がある。
5mass%以下のCoは、磁束密度を向上させ、ひいては鉄
損低減に効果がある。0.1 mass%以下のSbやSnは、集合
組織を改善し、ひいては鉄損低減に効果がある。
【0032】ちなみに、この発明の磁性材料に優れる高
加工性Fe−Cr−Si系合金薄板を製造するには、原料とし
て純度99.9mass%以上の高純度の電解鉄、電解クロム、
金属Si、金属Alを用いることが好ましい。Mn、Pを添加
する場合には、これらも高純度原料を用いる。あるい
は、転炉法で製造する場合には、所定の純度にまで十分
に精錬し、かつ後工程での汚染を受けないように注意が
必要である。溶製に際しては、転炉法の他、例えば、高
真空(10-3Torr以下の圧力)の真空溶解炉を用いること
が好ましい。
【0033】次いで、熱間圧延は、極力薄くまで圧延す
ることによって、次工程の冷間圧延ないしは温間圧延に
おける加工性、すなわち圧延性を良好にすることができ
る。これは、この発明のFe−Cr−Si系合金組成の場合に
は、熱延板の表面部分の方が中心部分よりも靱性が高
く、加工性が優れているとの新知見に基づくものであ
る。そのための熱延板の厚みは3mm以下、好ましくは2.
5 mm以下、より好ましくは2.0 mm以下とする。
【0034】熱延板の靱性が改善されているため、更に
温間や冷間で圧延して0.4 mm以下の厚みの薄板とするこ
とができる。一般に、板厚を減じると、とりわけ高周波
において渦電流損が有利に抑制され、低鉄損になること
は周知である。しかし、これまでは高電気抵抗の材料は
圧延性が悪く、通常の圧延法によっては0.5 mm程度まで
しか減厚されていなかった。また、単に厚みを減じても
ヒステリシス損失のために、十分な鉄損低減ができない
とされてきた。この点、この発明では、成分系と純度を
選ぶことにより、減厚した場合の高周波鉄損特性の効果
を促進し得ることを見出したのである。かかる減厚の効
果を得るためには、板厚を0.4 mm以下とすることが有効
である。ただし、0.01mmよりも薄くするには、コスト
上、工業的に無理があるため、板厚の範囲を0.01〜0.4
mm、好ましくは0.02〜0.25mmと規定する。
【0035】このような減厚のための圧延においては、
材料の加工性が優れているため、特に従来のように熱延
板を焼鈍したり、冷間圧延ないし温間圧延の途中で中間
焼鈍したりして圧延性を確保することが必ずしも必要で
なく、熱延板焼鈍や中間焼鈍を省略して作業能率向上、
省エネルギー化、コスト低減を図ることができる。その
後の焼鈍は、通常の電磁鋼板や電磁ステンレス鋼板と同
様の工程が適用できる。
【0036】次いで、鋼板表面を、3次元表面粗さが中
心面平均粗さ SRaで0.15〜0.50μm、中心面における切
断面面積率が80%以下、中心面により切断された単位面
積1mm2 当たりの凸部の個数が50以上の条件下に、仕上
げることが肝要である。
【0037】この鋼板表面の表層に有機樹脂含有の絶縁
被膜を施す。ここで、Cr含有の場合、打抜性確保のため
に被膜中にCを含有するのが好ましい。しかしながら、
Cの含有は溶接性の低下原因となることから、発明者ら
は、各種の表面粗さを有する有機樹脂含有絶縁被膜付き
鋼板を用い、これらをそれぞれ積層したのち、断面を溶
接し、その溶接性について調査した。その結果、従来使
用されてきた2次元表面粗さの評価では、同一の表面粗
さとされたものでも溶接性にばらつきが生じ、必ずしも
2次元表面粗さでは溶接性を正確に評価できないことが
判明した。
【0038】そこで、新たに3次元表面粗さによる評価
に想到し、改めて3次元粗さを測定して再検討を行っ
た。得られた結果を、中心面平均粗さSRa と中心面にお
ける切断面面積率との関係で図1に示す。
【0039】同図より明らかなように、表面粗さが中心
面平均粗さSRa で0.50μm を超えると占積率が劣化し、
またSRa が0.15μm に満たないと溶接不良が生じた。か
かる表面粗さの影響は従来どおりであったが、同一粗さ
でも溶接性に相違が見られた。すなわち、SRa が0.15〜
0.50μm の範囲であっても中心面における切断面面積率
が80%を超えると溶接性の急激な劣化がみられたのであ
る。
【0040】図1に示したような結果が得られた理由
は、まだ明確に解明されたわけではないが、次のとおり
と推定される。すなわち、切断面面積率が80%を超える
ということは、鋼板表面に凹部が多くなることを表して
いる。そしてかかる鋼板表面に絶縁被膜を塗布、焼き付
けた場合に、この凹部は被膜で埋まる。このような材料
を溶接した場合、局部的に発生ガス量が増大し、また発
生ガスの逃散がスムーズには進行しない。特に、電磁鋼
板の溶接に多用されているTIG溶接などの高速溶接の
場合、溶接の熱によって被膜中や鋼中から低分子のガス
が発生し易く、この発生ガスが大量であると溶融池が固
化するまでに該ガスが抜けきれずにブローホールとして
残り、溶接性が阻害されるのである。
【0041】しかしながら、SRa が0.15〜0.50μm で、
かつ切断面面積率を80%以下とした場合であっても、溶
接欠陥が発生する場合が散見された。そこで、さらに種
々の3次元パラメーターについて検討した結果、中心面
により切断された単位面積当たりの凸部の個数が溶接性
と強い相関があることが判明した。
【0042】すなわち、図2に、中心面により切断され
た単位面積1mm2 当たりの凸部の個数と溶接性との関係
について調べた結果を示す。同図より明らかなように、
中心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の
個数が50に満たない場合、良好な溶接性は得られなかっ
たのに対し、凸部の個数が50になるとブローホールの発
生なしに溶接を実施することができた。
【0043】以上述べたとおり、鋼板の表面粗さを、3
次元表面粗さで評価し、中心面平均粗さ SRa:0.15〜0.
50μm 、中心面における切断面面積率:80%以下、中心
面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の個
数:50以上とすることにより、良好な溶接性を得ること
ができる。
【0044】さらに、上記の3次元表面粗さに従う鋼板
の表面上に被成する絶縁被膜としては、そのC含有量を
0.4 g/m2 以下にする必要がある。なぜなら、C含有
量を0.4 g/m2 をこえると、上記した溶接時のガス抜
けが阻害される結果、ブローホールの発生をまねくから
である。
【0045】なお、絶縁被膜は、打抜性を良好にする目
的から、有機樹脂系のものを用いることが好ましい。含
有する有機樹脂としては、特に規定するものではない
が、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、
アミノ樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、
ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂及びフッ素樹脂ある
いはそれらの混合物等が有利に適合する。
【0046】絶縁被膜は、有機樹脂単独でもよいが、歪
取焼鈍を施す場合など、耐熱性を必要とする場合は、無
機成分との複合被膜とすればよい。無機成分としては、
各種のものが適用可能であるが、例えばクロム酸系、り
ん酸系、無機コロイド系及びその他金属塩系、またはこ
れらの複合系等が挙げられる。必要に応じて、被膜性能
を向上させる成分を添加してもよい。また、混合する有
機樹脂としては、どのような形態のものでもよいが、水
に相溶する水溶性エマルジョンタイプディスパーション
等が無機成分と混合する場合に有利である。
【0047】さらに、絶縁被膜は、2層被膜とすること
もできる。例えば、上記したクロム酸系及びりん酸系の
1種又は2種の被膜を被成したのち、その上に重ねて有
機樹脂被膜を被成する等の方法が挙げられる。かかる絶
縁被膜の付着量は 0.1〜5.0 g/m2(片面当たり)とする
ことが好ましい。というのは付着量が0.1 g/m2に満たな
いと均一な被膜形成が困難になり、一方5.0 g/m2を超え
ると密着性の急激な劣化を招くからである。
【0048】また、絶縁被膜中に含まれるC量は、0.4
g/m2以下とする必要がある。これは、C量が0.4 g/m2
になると急激な溶接性劣化をまねくためである。C量の
下限は特に規定するものではないが、良好な打抜性確保
のためにはC量0.03g/m2以上であることが好ましい。
【0049】なお、この発明に従う表面粗さを得る手法
は、とくに限定されることはないが、ロール表面に予め
圧延後の表面粗さがこの発明範囲となるような表面加工
を施しておく方法はその一つである。さらに、圧延速度
の変更又は圧延時に使用する圧延油の変更により、所定
の表面粗さとなるように処理することもできる。
【0050】
【実施例】表1に示す成分組成に成る無方向性電磁鋼板
について、その表面粗さを表2に示すところに従って種
々に変化させて表面を仕上げた後、表2に示す絶縁被膜
を形成した。かくして得られた絶縁被膜付き電磁鋼板の
溶接性について調べた結果を、表2に併記する。なお、
鋼板をエプスタイン試料に切り出しJIS C2550
(1975年)に準じて磁性を測定するとともに、四端
子法によって比抵抗を測定した結果については、表1に
併記する。
【0051】ここで、溶接性は、鋼板を積層して溶接速
度を変化させてTIG溶接を行い、積厚20mmの間でブロ
ーホールの発生が3個以内の場合を溶接可能速度とし、
その限界溶接速度を測定し、該速度が20cm/min 未満は
「×」、同20〜30cm/min は「△」、同30〜60cm/min
は「〇」および同60cm/min 超は「◎」として評価し
た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、従来のSi量6.5 mass
%までのFe−Si合金やFe−Al合金に比べて同等以上の高
周波磁気特性を、良好な加工性に併せて獲得した無方向
性電磁鋼板において、その使用時に問題となる溶接性を
有利に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶接性に及ぼす SRaと切断面面積率の影響を
示したグラフである。
【図2】 溶接性に及ぼす単位面積当たりの凸部個数と
切断面面積率の影響を示したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 佐志 一道 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 河野 正樹 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 本田 厚人 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 5E041 AA02 AA19 BC01 CA02 NN01 NN05 NN06 NN15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr:1.5 mass%以上20mass%以下及び Si:2.5 mass%以上10mass%以下 を含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以下に低減し、
    残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に成り、かつ比
    抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼板において、
    3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.15〜0.50μm
    、中心面における切断面面積率が80%以下、中心面に
    より切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の個数が50
    以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/m2 以下の絶
    縁被膜を形成したことを特徴とする高周波磁気特性およ
    び溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】Cr:1.5 mass%以上20mass%以下、 Si:2.5 mass%以上10mass%以下及び Al:5 mass%以下 を含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以下に低減し、
    残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に成り、かつ比
    抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼板において、
    3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.15〜0.50μm
    、中心面における切断面面積率が80%以下、中心面に
    より切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の個数が50
    以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/m2 以下の絶
    縁被膜を形成したことを特徴とする高周波磁気特性およ
    び溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
  3. 【請求項3】Cr:1.5 mass%以上20mass%以下及び Si:2.5 mass%以上10mass%以下 を含み、Mn及びPのいずれか1種又は2種のそれぞれを
    1mass%以下で含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以
    下に低減し、残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に
    成り、かつ比抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼
    板において、3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.
    15〜0.50μm 、中心面における切断面面積率が80%以
    下、中心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸
    部の個数が50以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/
    2 以下の絶縁被膜を形成したことを特徴とする高周波
    磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
  4. 【請求項4】Cr:1.5 mass%以上20mass%以下、 Si:2.5 mass%以上10mass%以下及び Al:5 mass%以下 を含み、Mn及びPのいずれか1種又は2種のそれぞれを
    1mass%以下で含有し、C及びNを合計量で100 ppm 以
    下に低減し、残部は鉄及び不可避的不純物の成分組成に
    成り、かつ比抵抗が60μΩcm以上である無方向性電磁鋼
    板において、3次元表面粗さが中心面平均粗さ SRaで0.
    15〜0.50μm 、中心面における切断面面積率が80%以
    下、中心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸
    部の個数が50以上である、鋼板表面に、C量が0.4 g/
    2 以下の絶縁被膜を形成したことを特徴とする高周波
    磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおい
    て、板厚が0.01〜0.7mm であることを特徴とする高周波
    磁気特性および溶接性に優れる無方向性電磁鋼板。
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