JP2001294744A - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂組成物

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JP2001294744A
JP2001294744A JP2000108284A JP2000108284A JP2001294744A JP 2001294744 A JP2001294744 A JP 2001294744A JP 2000108284 A JP2000108284 A JP 2000108284A JP 2000108284 A JP2000108284 A JP 2000108284A JP 2001294744 A JP2001294744 A JP 2001294744A
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based copolymer
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Minoru Yamaguchi
稔 山口
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性と流動性のバランスに優れ、機械強度が
高く、成形時の臭気や金型汚染のないポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と、N
置換マレイミド単量体および芳香族ビニル単量体を含む
単量体成分を重合してなるマレイミド系共重合体(2)
を含む熱可塑性樹脂組成物であって、マレイミド共重合
体(2)が、下記一般式(1)で示される特定構造の化
合物(3)の含有量が5%以下であるマレイミド系共重
合体である事を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物。より具体的には、N置換マレイミド単量体単
位5-50重量%、芳香族ビニル単量体単95-30重量%、その
他共重合可能な単量体単位0-20重量%からなる単量体成
分を重合してなるマレイミド系共重合体(2)を含む熱
可塑性樹脂組成物でる。 【化5】 (但し上記一般式(1)において、R1はアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリール
基またはハロゲン置換アリール基;R2は水素またはメ
チル基;R3〜R6はそれぞれ独立に水素、アルキル基、
シクロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ルキル置換アリール基またはハロゲン置換アリール基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物に関する。詳しくは、マレイミド系
共重合体が配合され、耐熱性や流動性や成形性に優れ
た、建築部材、家庭用品、自動車部品、電気部品等に適
したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は、耐熱性
が高い反面、流動性が悪く、一般にポリスチレン等のス
チレン系重合体を添加して流動性を改善しているが、ポ
リスチレン自体が耐熱性が低いため、配合した組成物の
耐熱性が低下する問題があった。そこで、特開昭57−
23649号、特開昭61−174249号や特開昭6
3−241058号等でマレイミド系共重合体を添加す
る試みがある。しかしこれら公報で開示されているマレ
イミド系共重合体とポリフェニレンエーテル系樹脂との
組成物は、耐熱性と機械強度と流動性のバランスの点
で、必ずしも満足するものではなかった。また、マレイ
ミド系共重合体は、ポリスチレン系重合体よりも耐熱性
は良好であるが、一方では共重合体に含まれるオリゴマ
ー成分が揮発して成形時に金型に金型を汚染する問題が
ある。また残存するマレイミドモノマーに起因する臭気
や、その他の不純物に起因する金型汚染の問題があっ
た。またマレイミド単量体は毒性が強く、安全衛生の面
での問題があった。一方、マレイミド系共重合体に関し
ても数多くの技術改良がなされており、例えば、 、特
開平6−93044号公報では、特定の不純物が少ない
マレイミド系重合体が開示され、また特開平3−205
411号公報では、残存モノマーが少なく、マレイミド
系共重合体中の芳香族ビニル単量体とマレイミド単量体
の交互共重合体の含有量が少ない共重合体が記載されて
いる。しかし、これらの公報は、 マレイミド系共重合
体を単独で使用する目的や、ABSやAS樹脂、ポリア
ミド等との組成物を目的として使用されており、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂へ配合する事は何ら示唆されてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性と流動性のバランスに優れ、機械強度も高く、更に金
型汚染や臭気がなく、残存マレイミドによる毒性の低
い、マレイミド系共重合体とポリフェニレンエーテル樹
脂の組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め本発明者らは、種々の物性を持つマレイミド共重合体
とポリフェニレンエーテル樹脂の組成物を鋭意研究し
た。その結果、ポリフェニレンエーテル樹脂に対して、
特定の物性を有するマレイミド系共重合体を配合する事
により、従来、ポリフェニレンエーテル樹脂とマレイミ
ド系共重合体からなる樹脂組成物で問題であった、耐熱
性と流動性のバランスが悪い事、配合されたポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物の機械的強度が低い事、等を改
善できる事を見出した。また、本発明のポリフェニレン
エーテル樹脂組成物を用いることで、金型汚染や成形時
の臭気等の問題のないポリフェニレンエーテル樹脂組成
物を提供できる事を見出した。
【0005】そして、本発明のポリフェニレンエーテル
樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂の良好な物
性と、マレイミド系共重合体が持つ良好な耐熱性がかね
備わった、非常に有用なポリフェニレンエーテル系樹脂
組成物である事がわかった。本発明は、以下で示される
構成を採用する。請求項1として、ポリフェニレンエー
テル樹脂(1)と、N置換マレイミド単量体および芳香
族ビニル単量体を含む単量体成分を重合してなるマレイ
ミド系共重合体(2)を含む熱可塑性樹脂組成物であっ
て、マレイミド共重合体(2)が、下記一般式(1)で
示される特定構造の化合物(3)の含有量が5%以下で
あるマレイミド系共重合体である事を特徴とするポリフ
ェニレンエーテル系樹脂組成物という構成である。
【0006】
【化2】
【0007】(但し上記一般式(1)において、R1
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
置換アリール基またはハロゲン置換アリール基;R2
水素またはメチル基;R3〜R6はそれぞれ独立に水素、
アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルキル置換アリール基またはハロゲン置換
アリール基)である。
【0008】より好ましくは、上記単量体成分が、さら
に必要に応じて共重合可能なその他の単量体を含んでな
り、その単量体成分中の各単量体成分の構成割合が、 N
置換マレイミド単量体5-50重量%、芳香族ビニル単量体9
5-30重量%、その他共重合可能な単量体0-20重量%である
構成である。この構成を採用する事で、金型汚染のない
樹脂組成物となる。また、本発明の別の形態において
は、ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と、N置換マレ
イミド単量体および芳香族ビニル単量体を含む単量体成
分を重合してなるマレイミド系共重合体(2)を含む熱
可塑性樹脂組成物であって、上記マレイミド系共重合体
(2)が、マレイミド系共重合体(2)中に残存する揮
発分が2000ppm以下で、合せて残存するマレイミド単量
体が500ppm以下であるマレイミド系共重合体である事を
特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物という
構成である。特に、臭気、安全性の点で問題である、原
料のマレイミド系モノマーに由来する残存モノマーが少
ない樹脂組成物となり、成形時に発生する臭気や毒性、
また他の揮発成分等が原因のシルバーストリーク等の欠
陥が発生し難い樹脂組成物となる。
【0009】また、本発明の別の形態においては、ポリ
フェニレンエーテル樹脂(1)と、N置換マレイミド単
量体および芳香族ビニル単量体を含む単量体成分を重合
してなるマレイミド系共重合体(2)を含む熱可塑性樹
脂組成物であって、上記マレイミド系共重合体(2)
が、マレイミド系共重合体(2)中に含まれる、アセト
ン/メチルエチルケトン混合溶媒(但し、アセトン/メ
チルエチルケトンの混合比が重量比で50/50の混合
溶媒)に対する不溶分(以下特定不溶分と記載する。)
が10%以下であるマレイミド系共重合体である事を特
徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物という構
成である。
【0010】また本発明においてマレイミド共重合体
(2)として、好ましくは、上記一般式(1)で示され
る特定構造の化合物(3)の含有量が5%以下であるマ
レイミド系共重合体である事と、マレイミド系共重合体
(2)中に残存する揮発分が、2000ppm以下で、合せて
残存するマレイミド単量体が500ppm以下であるマレイミ
ド系共重合体である事である。
【0011】本発明においてマレイミド共重合体(2)
として、さらに好ましくは、マレイミド系共重合体
(2)中に含まれる、アセトン/メチルエチルケトン混
合溶媒(但し、アセトン/メチルエチルケトンの混合比
が重量比で50/50の混合溶媒)に対する不溶分が、
10重量%以下であるマレイミド系共重合体である特徴
を兼ね備えることである。
【0012】上記の、特定不溶分とは、例えば、本発明
のマレイミド系共重合体を製造する時の単量体成分の重
合時に副生してくる場合がある、芳香族ビニル単量体と
マレイミド単量体の交互共重合体の事である。また、こ
の交互共重合体の定義に入らない重合体であるが、その
共重合体構造中で、モル比で換算した、マレイミド単量
体由来の構造単位の割合が、芳香族ビニル単量体由来の
構造単位割合よりも多くなった共重合体等も、本発明の
特定不溶分として定義される。
【0013】よって、本発明の特定不溶分とは、芳香族
ビニル単量体とマレイミド単量体の交互共重合体および
/またはマレイミド単量体由来の構造単位が芳香族ビニ
ル単量体に由来の構造単位よりモル数で多いマレイミド
系共重合体である。
【0014】より具体的には、例えば、芳香族ビニル単
量体とマレイミド単量体の交互共重合体とは、それぞれ
の単量体由来の構造単位が、モル比換算で、1:1の比
率を示す共重合体の事であり、ランダム重合体ではな
く、例えば交互にその構造単位を持つ重合体の事を示
す。この場合、例えば、スチレンとN−フェニルマレイ
ミドの共重合体を例にとれば、交互共重合体では、上記
定義に従えば、N−フェニルマレイミド単量体単位は6
2.5重量%であり、芳香族ビニル単量体単位よりモル
数で上回る共重合とは、N−フェニルマレイミド単量体
単位が62.5重量%を上回る共重合体であることを意
味する。より具体的には、マレイミド系重合体の組成
で、 N−フェニルマレイミド単量体単位が、63重量
%を上回る共重合体である。より具体的には、65重量
%を上回る共重合体である。
【0015】これらは本発明では、特定の混合溶媒を用
いて行われる溶解性テストにおいて溶解しない分(不溶
分)として定義される。この特定不溶分は、特にポリフ
ェニレンエーテル樹脂との相溶性が低く、流動性も非常
に劣るものである。よって、マレイミド系共重合体
(2)中に、特定不溶分が多いと、ポリフェニレンエー
テル樹脂組成物に配合した場合に、得られたポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物の成形品の機械強度が大幅に低
下する。また得られたポリフェニレンエーテル樹脂組成
物の成形時の流動性が大幅に低下する。
【0016】よって、この特定不溶分の含有量は、ポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物に配合するマレイミド系
共重合体が持つ特徴としては非常に重要な物性である。
具体的には、本発明におけるマレイミド共系重合体
(2)中に含まれる、特定不溶分の含有量は、10重量
%以下が好ましく、5重量%以下がさらに好ましく、3重
量%以下が更に好ましく、1重量%以下が特に好ましく、
実質的に含まないことが最も好ましい。
【0017】すなわちより具体的には本発明におけるマ
レイミド共系重合体(2)中に含まれる、特定不溶分の
含有量は、10−0重量%の範囲が好ましく、5−0重
量%の範囲が好ましく、3−0重量%の範囲が更に好まし
く、1−0重量%の範囲が特に好ましい。特定不溶分の含
有量が上記範囲を上回ると、ポリフェニレンエーテル樹
脂との相溶性が低くなり、機械強度が大幅に低下すると
ともに、流動性が低下する恐れがある。以下本発明で用
いられる成分を詳しく説明する。本発明で使用すること
のできるポリフェニレンエーテル樹脂(1)は、例え
ば、下記一般式で示される構造を持つ熱可塑性樹脂であ
る。ポリフェニレンエーテルの主たる単量体成分は、具
体的には、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエ
チルフェノール、2,6−ジブチルフェノール、2,6
−ジプロピルフェノール、2,6−ジラウリルフェノー
ル、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジベンジ
ルフェノール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独
で用いることが出来る他、他のフェノール系単量体と組
み合わせて共重合することも可能である。この中で、工
業的な入手のし易さから、2,6−ジメチルフェノール
がもっとも好ましい。また、2種類またはそれ以上のポ
リフェニレンエーテル樹脂を混合して使用することも出
来る。
【0018】
【化3】
【0019】(但し、上記式において、R1,R2はそれ
ぞれ独立に炭素数1−12のアルキル基、置換アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリ
ール基またはハロゲン置換アリール基)である。本発明
で使用することのできるマレイミド系共重合体(2)
は、マレイミド単量体以外の単量体成分、溶媒分などの
残存する揮発分が2000ppm以下、好ましくは1000ppm以
下、更に好ましくは500ppm以下である。さらに好ましく
は300ppm以下である。残存揮発分が多いと、シルバース
トリークや金型汚染が発生するため好ましくない。ま
た、本発明のマレイミド系共重合体(2)は、さらに好
ましくは、残存するマレイミド単量体の含有量が特定量
以下である事が、臭気、安全性の点で好ましい。具体的
には、マレイミド単量体の含有量としては、500ppm以下
が好ましく、さらに好ましくは、400ppm以下であり、よ
り好ましくは、200ppm以下である。さらに好ましくは15
0ppm以下であり、100ppm以下がより好ましく、70ppm以
下が最も好ましい。また、マレイミド系共重合体(2)
中に含まれる、下記一般式(1)で表わされる特定構造
の不純物は、5重量%以下が好ましく、3重量%以下が更に
好ましく、1重量%以下が更に好ましく、0.7重量%以下
がより好ましく、0.5重量%以下であることが最も好まし
い。一般式(1)で表わされる不純物が上記範囲より多
いと、成形加工時の金型汚染が起る他、機械強度、耐熱
性が低下する恐れがある。
【0020】また、より具体的には本発明におけるマレ
イミド共系重合体(2)中に含まれる、下記一般式
(1)で表わされる特定構造の不純物の含有量は、5−
0重量%の範囲が好ましく、3−0重量%の範囲が更に好
ましく、1−0重量%の範囲が特に好ましい。より好まし
くは0.7−0重量%の範囲が好ましく、0.5−0重
量%の範囲がさらに好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】(但し上記一般式(1)において、R1
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキル
置換アリール基またはハロゲン置換アリール基;R2
水素またはメチル基;R3〜R6はそれぞれ独立に水素、
アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルキル置換アリール基またはハロゲン置換
アリール基) マレイミド系共重合体(2)を構成するN置換マレイミ
ド単量体および芳香族ビニル単量体を含む単量体成分等
の構成割合としては、 N置換マレイミド単量体および芳
香族ビニル単量体を含む単量体成分が、さらに必要に応
じて共重合可能なその他の単量体を含んでなる場合、そ
の単量体成分の総量を100重量%とした時に、各単量体
成分の構成割合が、 N置換マレイミド単量体5-50重量
%、芳香族ビニル単量体95-30重量%、その他共重合可能
な単量体0-20重量%である事が好ましい。さらに好まし
くは、 N置換マレイミド単量体10-35重量%、芳香族ビニ
ル単量体90-55重量%、その他共重合可能な単量体0-10重
量%である。 さらに好ましくは、N置換マレイミド単量
体18-30重量%、芳香族ビニル単量体82-65重量%、その他
共重合可能な単量体0-5重量%である。言い換えると、本
発明におけるマレイミド系共重合体(2)が持つ構造と
して、N置換マレイミド単量体および芳香族ビニル単量
体を含む単量体成分が、さらに必要に応じて共重合可能
なその他の単量体を含んでなる場合、 各単量体成分由
来の構造単位の割合が、N置換マレイミド単量体単位由
来の構造が5-50重量%、芳香族ビニル単量体単位由来の
構造が95-30重量%、その他共重合可能な単量体単位由来
の構造が0-20重量%である事が好ましい。
【0023】さらに好ましくは、N置換マレイミド単量
体単位由来の構造が10-35重量%、芳香族ビニル単量体単
位由来の構造が90-55重量%、その他共重合可能な単量体
単位由来の構造が0-10重量%である。 さらに好ましく
は、N置換マレイミド単量体単位由来の構造が18-30重量
%、芳香族ビニル単量体単位由来の構造が82-65重量%、
その他共重合可能な単量体単位由来の構造が0-5重量%で
ある。芳香族ビニル単量体の含有量が上記範囲を下回る
場合、ポリフェニレンエーテル樹脂(1)との相溶性が
低下し、機械強度が低下する恐れがある。上記範囲を超
えると、耐熱性が低下する恐れがある。
【0024】また、N置換マレイミド系単量体の含有量
が上記範囲以下であると、耐熱性が低下する恐れがあ
り、上記範囲を超えると流動性が低下する他、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂(1)との相溶性が低下して、機械
強度が低下する恐れがある。その他共重合可能な単量体
の含有量が上記範囲を上回ると、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂(1)との相溶性が低下し、機械強度が低下する
恐れがある。
【0025】上記、芳香族ビニル単量体としては、具体
的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−クロロスチレンなどが挙げられる。これら
芳香族ビニル単量体は、1種または2種以上混合して使
用することも出来る。この中で、工業的入手のし易さ、
及びポリフェニレンエーテル樹脂(1)との相溶性の点
からスチレンが好ましい。上記、 N置換マレイミド単量
体としては、具体的には、フェニルマレイミド、ベンジ
ルマレイミド、ナフチルマレイミド、o−クロロフェニ
ルマレイミドなどの芳香族置換マレイミド、メチルマレ
イミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソ
プロピルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどの
アルキル置換マレイミドが挙げられる。これらマレイミ
ド単量体は、1種または2種以上混合して使用すること
も出来る。このなかで、工業的な入手のし易さ、及び単
量体の毒性が比較的少ないことから、フェニルマレイミ
ド、シクロヘキシルマレイミドが好ましい。更に、シク
ロヘキシルマレイミドには、不純物として、シクロヘキ
シルアミノ無水コハク酸が含まれるため、これが金型汚
染の原因となりうるため、フェニルマレイミドがもっと
も好ましい。シクロヘキシルマレイミドを使用する場合
は、シクロヘキシルアミノ無水コハク酸の含有量を1%
以下に低減した上で使用することが好ましい。マレイミ
ド単量体及び芳香族ビニル単量体以外の、その他共重合
可能な単量体は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に限
定はないが、具体的には、メタクリル酸メチル、メタア
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル、アク
リル酸メチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エス
テル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン
酸無水物等や、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカル
ボン酸が挙げられる。これら、その他共重合可能な単量
体は1種または2種以上混合して使用することも出来
る。これらの中でも、特にシアン化ビニルや無水マレイ
ン酸は、極性が強いために含有量が多いと、ポリフェニ
レンエーテル樹脂(1)との相溶性が低下する恐れがあ
る。そのため、特にシアン化ビニルや無水マレイン酸等
不飽和ジカルボン酸や、不飽和モノカルボン酸の含有量
は0−10重量%が好ましく、さらには0−5%が好ま
い。また0−3%が更に好ましい。マレイミド系共重合
体(2)の分子量は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物として、流動性を発揮させるために、重量平均分子
量が5000−30万が好ましく、5000−10万以
下が更に好ましく、5000−5万が更に好ましく、1
万−3万が最も好ましい。重量平均分子量が上記範囲を
上回ると、流動性が低下する恐れがある上に、相溶性が
低下して機械強度が低下する恐れがある。一方、上記範
囲を下回ると、耐熱性が低下する恐れがある。また、G
PCで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(M
w/Mn)は、3以下が好ましく、2.5以下が好まし
く、2.3以下が最も好ましい。Mw/Mnが3を超え
ると、流動性が悪くなるとともに、機械強度が低下する
恐れがある。マレイミド系共重合体(2)の製造方法と
しては、公知の溶液重合、懸濁重合、乳化重合を採用す
ることが出来るが、懸濁重合、乳化重合では、懸濁剤や
乳化剤が混入するため、金型汚染の原因となる恐れがあ
る。また、懸濁重合、乳化重合では、メチルエチルケト
ン不溶分や、特定不純物(3)が生成する恐れがある
他、成形時の懸濁剤、乳化剤の分解により着色、シルバ
ーストリーク、臭気等が発生する恐れがある。更に、懸
濁重合法、乳化重合法では、水中での分散状態で反応さ
せるため、後述する、本発明に好適な原料モノマーの供
給方法の工夫を行っても、後から供給するモノマーが十
分混合せず、特定混合溶媒不溶分が増加する恐れがあ
る。従って、マレイミド単量体を用いた溶液重合が最も
好ましい。よって、本発明のマレイミド系共重合体
(2)としては、マレイミド単量体を用い溶液重合方法
によって得られた重合体である事が好ましい形態であ
る。重合温度は、使用する重合開始剤等に合わせて設定
すれば良く、特に限定されないが、50℃−200℃が
好ましく、100−150℃が更に好ましい。重合温度
が上記範囲を下回ると、分解温度の低い開始剤を用いる
必要があり、開始剤を冷却保存する設備が必要となるな
ど工業的製造に不利である。上記範囲を上回ると、重合
温度に昇温する途中でモノマーが熱重合を始めるため好
ましくない。使用する溶媒は、特に限定なく、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
など一般的な有機溶媒が使用出来る。重合開始剤は、公
知のラジカル重合開始剤である過酸化物、アゾ化合物が
好適に用いられ、重合温度に応じて適宜決定できる。
【0026】本発明におけるマレイミド系共重合体
(2)の重合方法は、単量体の供給方法に特別なな工夫
をすることが好ましい。例えば、重合を開始する時点
で、所定量以上のマレイミド系単量体と芳香族単量体が
共存状態であり、その状態で重合を開始すると、上記一
般式(1)で示される特定構造を持つ化合物(3)が発
生しやすくなる。すなわち、使用する芳香族ビニル単量
体の少なくとも一部とマレイミド単量体の90%以上を重
合系中に連続的または断続的に添加して重合反応を進行
させ、全てのマレイミド単量体を仕込み終えてから0.
5時間以上反応を継続する事が好ましい。この重合方法
を採用する事により上記の特定混合溶媒への不溶分(つ
まり、芳香族ビニル単量体とマレイミド単量体の交互共
重合体あるいはマレイミド単量体由来の構造単位が芳香
族ビニル単量体由来の構造単位よりモルで上回るマレイ
ミド系共重合体)及び/または上記一般式(1)で示さ
れる特定化合物(3)の生成を防止するとともに、残存
マレイミドを効果的に低減出来る。マレイミド単量体と
芳香族ビニルを重合初期に必要仕込み量の全量が投入さ
れ重合が開始すると、重合初期に交互共重合体が優先的
に生成してしまい易い。
【0027】その後で残ったマレイミド単量体または芳
香族ビニル単量体が単独重合あるいは、そのぞれの単量
体由来の構造単位を多く持つ重合体が生成するため、交
互共重合体と、マレイミド単量体または芳香族ビニル単
量体の単独重合体や、マレイミド単量体由来の構造単位
の多いマレイミド系重合体や、芳香族ビニル単量体由来
の構造単位の多い芳香族ビニル系の共重合体等の混合物
になる。その結果得られた重合体(重合体組成物)は、
組成分布が非常に大きくなり、特定混合溶媒への不溶分
の含有量が多くなる為好ましくない。さらに、マレイミ
ド単量体と芳香族ビニル単量体を予め重合系に仕込んで
重合を開始すると、昇温中及び重合中に、上記一般式
(1)で示される特定化合物(3)が副生しやすくな
る。
【0028】また、全てのマレイミド単量体を仕込み終
えてから0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上重
合反応を継続する事で、残存マレイミド単量体を低減す
ることが出来る。また、マレイミド単量体は、使用する
量の90%以上を、好ましくは95%以上、更に好まし
くは全量を重合系に連続的または断続的に投入する条件
化で重合反応をする必要がある。マレイミド単量体の初
期仕込み量が10%を超えた条件で重合を開始すると、
芳香族ビニル単量体とマレイミド単量体の交互共重合体
の生成量が多くなり、特定不溶分が増加する恐れがある
からである。またマレイミドと芳香族ビニルは、混合せ
ず別々に重合系に供給することが望ましい。混合供給す
ると、混合液中で特定不純物(3)が副生しやすくな
る。一方、マレイミド系共重合体の別の製造方法とし
て、芳香族ビニルと無水マレイン酸を共重合させたの
ち、アミン化合物でイミド化する方法も採用できるが、
この場合、残存するアミン化合物やイミド化触媒のため
に、成形加工時の金型汚染、臭気が発生する恐れがあ
る。また、イミド化されない無水マレイン酸成分の残存
量が多くなると、ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と
の相溶性が低下し、機械強度が低下する恐れがある。こ
の意味からも、本発明のマレイミド系共重合体(2)と
しては、マレイミド単量体を用い溶液重合方法によって
得られた重合体である事が好ましい形態である。重合反
応終了後の溶液から揮発分を除去して共重合体を分離す
る方法としては、真空下で加熱する方法、貧溶媒中に投
入して共重合体を沈殿させ、濾別する方法等を採用する
ことが出来るが、貧溶媒に投入して濾別する方法は、設
備が過大になり工業的には不向きであり、真空下の加熱
により溶媒及び残存モノマーを揮発除去することが好ま
しい。。加熱溶媒回収設備としては、脱揮槽での真空加
熱、二軸押出機での脱溶媒などが好ましく用いられる。
また、脱揮槽で予め予備濃縮を行い、二軸押出機で脱溶
媒を完結させることも出来る。
【0029】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成
物における、ポリフェニレンエーテル樹脂(1)とマレ
イミド系共重合体(2)の組成物における(1)と
(2)の配合の割合、即ち、本発明の本発明のポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物における、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(1)とマレイミド系共重合体(2)の含有
量は特に限定されない。例えば、本発明のポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を100重量%として、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂(1)は99−1重量%、マレイミ
ド系共重合体(2)は1重量%−99重量%が好まし
い。より好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂
(1)は95−5重量%、マレイミド系共重合体(2)
は5重量%−95重量%が好ましい。より好ましくは、
ポリフェニレンエーテル樹脂(1)は90−40重量
%、マレイミド系共重合体(2)は10重量%−60重
量%が好ましい。より好ましくは、ポリフェニレンエー
テル樹脂(1)は90−70重量%、マレイミド系共重
合体(2)は10−30重量%が好ましい。より好まし
くは、ポリフェニレンエーテル樹脂(1)は85−60
重量%、マレイミド系共重合体(2)は15−40重量
%が好ましい。この範囲は、本発明のフェニレンエーテ
ル樹脂組成物が良好な耐熱性や成形性を保有するために
好ましい範囲である。
【0030】また、本発明のポリフェニレンエーテル樹
脂組成物の得られる効果である、耐熱性や成形性等に支
障がなければ、以下に記載する他の熱可塑性樹脂を配合
することもできる。その配合量は特に限定されないが、
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物中の樹脂成
分を100重量%として、その他の熱可塑性樹脂の含有
量は、50−0重量%が好ましく、より好ましくは、4
0−0重量%であり、さらに好ましくは、20−0重量
%である。さらに好ましくは、10−0重量%である。
【0031】ポリフェニレンエーテル樹脂(1)やマレ
イミド系共重合体(2)の含有量が上記範囲を外れる
と、流動性が低下する恐れや、機械強度が低下する恐れ
がある。
【0032】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂
(1)とマレイミド系共重合体(2)の組成物は、必要
に応じ、上記のその他の熱可塑性樹脂である、ゴム変性
および/または未変性ポリスチレン樹脂を配合すること
が出来る。また、AS樹脂、ポリスチレン、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
エーテルサルファイド樹脂、PBT樹脂など他の熱可塑性
樹脂を配合してもよい。さらに、ガラス繊維、カーボン
ブラック、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの無機充填剤、ハロゲン系及び/またはリ
ン系の難燃剤、ステアリン酸塩等の成形助剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染料および/または顔
料等の着色剤、発泡剤などの各種添加剤を、使用目的に
応じて添加することが出来る。これらの添加量は、目的
に応じて適宜設定する事が可能であり、一般文献等の公
知の使用量を採用することができる。ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(1)とマレイミド系共重合体(2)の組成
物の調整方法は、特に限定されないが、それぞれの樹脂
の所定量を高速混合機等を用いて予備混合したのち、単
軸押出機、二軸押出機等を用いて溶融混練する方法、共
通溶媒に溶解させ混合した後貧溶媒に投入して析出、濾
過する方法、ポリフェニレンエーテル樹脂を溶媒に溶解
または分散させた状態でマレイミド系共重合体を重合さ
せ、脱溶媒と混練を同時にする方法などが考えられる。
これらの中で、単軸押出機、二軸押出機等で溶融混練す
る方法が工業的には最も好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0034】本発明における、マレイミド系共重合体
の、芳香族ビニル単量体単位、マレイミド単量体単位の
含有量は、元素分析法から求めた。また、マレイミド系
共重合体中の残存揮発分、残存マレイミド単量体量は、
ガスクロマトグラフィーにより測定した。また、重量平
均分子量(Mw)や数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラ
ンを溶媒にしたゲルパーミエーションクロマトグラフィ
の溶出曲線からポリスチレンの標準重合体を規準として
算出した。マレイミド系共重合体中の、一般式(1)で
示される、特定化合物(3)は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィ:GPC測定での面積比から含有量を求
めた。また、GPCにより特定化合物(3)を分取し、質
量分析であるMASSスペクトル、IRスペクトル、1H−NMR
および13C−NMRスペクトルでその構造を確認した。
【0035】NMR分析は、重水素化クロロホルム(C
DCl3)中でテトラメチルシランを標準物質として測
定を行い、1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペ
クトルを得た。使用したNMR装置は、VXR−300
S(バリアン株式会社製)であった。IR分析は、臭化
カリウム錠剤法により赤外分析装置(FT/IR-3、島津製
作所株式会社製)を用いて行った。質量分析は、M-2000
A質量分析装置(日立製作所株式会社製)を用いて行っ
た。
【0036】マレイミド系共重合体中の、特定混合溶媒
不溶分は、該共重合体10gをメチルエチルケトン10
0gに溶解させたのち、アセトン100gを滴下し、不
溶物の有無を目視判定した。不溶物が認められる場合、
濾別してその含有量を求めた。マレイミド系共重合体の
ガラス転移点(Tg)は、DSCにより中点法で測定を
行った。すなわち、理学電気株式会社製のDSC-8230を用
い、窒素気流下、α−アルミナをリファレンスとして昇
温速度5℃/分で測定したDSC曲線から算出した。ポリ
フェニレンエーテル樹脂(1)とマレイミド系共重合体
(2)の組成物の、各種物性は以下の通りに測定した。
すなわち、耐熱性(HDT)は、ASTM D648に従い
測定した。耐衝撃性(Izod)は、ASTM D25
6に従い測定を行った。流動性(MI)は、JIS−K
7210に従い、265℃で10kg荷重で測定を行っ
た。成形時の臭気、金型汚染性は、300℃に設定した
射出成形機にて、金型温度80℃で10ショット成形を
行い、臭気の確認及び金型へのタール状の汚染の有無を
確認した。
【0037】マレイミド系共重合体の製造例 <製造例1>20Lフラスコを窒素置換し、キシレン4
0部を仕込み、重合系を140℃に昇温した。そこへ、滴
下(A)としてスチレン40部と、t-ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート1.5部を、滴下(B)としてN-フ
ェニルマレイミド(PMI)10部をキシレン10部
で、60℃で溶解したものを3時間かけて連続的に供給
し、さらに2時間重合を継続した。その重合液を200
℃に設定した2軸押出機で、20torrで脱溶媒を行い、
マレイミド系共重合体を得た。得られたマレイミド系共
重合体の物性を表1に示す。
【0038】<製造例2>スチレンを35部、PMIを
15部に変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、
マレイミド系共重合体を得た。得られたマレイミド系共
重合体の物性を表1に示す。
【0039】<製造例3>溶媒としてトルエンを行い、
重合系への仕込みを表1に記載する通りに変更し、11
0℃で重合反応を行った以外は製造例1と同じ操作を行
い、マレイミド系共重合体を得た。得られたマレイミド
系共重合体の物性を表1に示す。
【0040】<製造例4>PMIのかわりに、N−シク
ロヘキシルマレイミドを使用した以外は製造例3と同じ
操作を行い、マレイミド系共重合体を得た。得られたマ
レイミド系共重合体の物性を表1に示す。
【0041】<比較製造例5(懸濁重合による製造例)
>懸濁重合法による製造例として、懸濁剤としてポリビ
ニルアルコールを0.5%添加した水75部中に、スチ
レン20部、PMI5部、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート0.4部を懸濁させ、100℃で5
時間重合反応を継続した。その後、共重合体を濾過し、
100℃で真空乾燥を行い、マレイミド系共重合体を得
た。得られたマレイミド系共重合体の物性を表1に示
す。
【0042】<比較製造例6>スチレンとPMIを予め
混合して滴下した以外は、製造例1と同様の操作を行
い、マレイミド系共重合体を得た。得られたマレイミド
系共重合体の物性を表1に示す。なお、表中の製造例
5、6は、比較製造例5,6の事である。
【0043】
【表1】
【0044】<実施例1>ポリフェニレンエーテル(P
PE)樹脂として、クロロホルム中30℃での固有粘度
が0.5dl/gのポリ(2,6−ジメチルフェノー
ル)と、製造例1で得られたマレイミド系共重合体を、
表2に示す配合比で混合し、単軸押出機で300℃で溶融
混練を行い、ペレット状のポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を得た。得られた組成物を300℃で射出成形を
行った。各種物性値を表2に示す。
【0045】<実施例2−5>製造例1〜4で得られた
マレイミド系共重合体とPPE樹脂の配合比を表2の通
りとした以外は実施例1と同様の操作を行った。各種物
性値を表2に示す。
【0046】<比較例1>比較製造例5で得られたマレ
イミド系共重合体を用いた以外は実施例1と同じ操作を
行った。各種物性を表2に示す。得られた組成物は、マ
レイミド系共重合体中の特定混合溶媒の不溶分が多く、
実施例1と比較して流動性、耐熱性のバランスが劣って
いるほか、耐衝撃性も低い。更に未反応のマレイミド単
量体残存量及び特定の混合溶媒不溶解分が多く、かつ成
形時の臭気が強く、金型汚染も顕著である。
【0047】<比較例2>比較製造例6で得られたマレ
イミド系共重合体を用いた以外は実施例1と同じ操作を
行った。マレイミド系共重合体中の特定構造の不純物
(3)が多いため、流動性は優れているものの、耐熱性
が低く、金型汚染も顕著である。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明は、ポリフェニレンエーテル樹脂
とマレイミド系共重合体を含む樹脂組成物において、流
動性と耐熱性のバランスが従来の公知に比べて非常に優
れ、かつ成形加工時の金型汚染や臭気が少なく、残存マ
レイミド単量体による安全衛生面の問題も少ない組成物
を提供するものであり、実用性の高い熱可塑性樹脂組成
物である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と、N
    置換マレイミド単量体および芳香族ビニル単量体を含む
    単量体成分からなるマレイミド系共重合体(2)を含む
    熱可塑性樹脂組成物であって、マレイミド共重合体
    (2)が、下記一般式(1)で示される特定構造の化合
    物(3)の含有量が5%以下であるマレイミド系共重合
    体である事を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂
    組成物。 【化1】 (但し上記一般式(1)において、R1はアルキル基、
    シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリール
    基またはハロゲン置換アリール基;R2は水素またはメ
    チル基;R3〜R6はそれぞれ独立に水素、アルキル基、
    シクロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
    ルキル置換アリール基またはハロゲン置換アリール基)
    である。
  2. 【請求項2】上記、N置換マレイミド単量体および芳香
    族ビニル単量体を含む単量体成分が、さらに必要に応じ
    て共重合可能なその他の単量体を含んでなり、その単量
    体成分中の各単量体成分の構成割合が、 N置換マレイミ
    ド単量体5-50重量%、芳香族ビニル単量体95-30重量%、
    その他共重合可能な単量体0-20重量%である事を特徴と
    する請求項1記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と、N
    置換マレイミド単量体および芳香族ビニル単量体を含む
    単量体成分を重合してなるマレイミド系共重合体(2)
    を含む熱可塑性樹脂組成物であって、上記マレイミド系
    共重合体(2)が、マレイミド系共重合体(2)中に残
    存する揮発分が2000ppm以下で、合せて残存するマレイ
    ミド単量体が500ppm以下であるマレイミド系共重合体で
    ある事を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】ポリフェニレンエーテル樹脂(1)と、N
    置換マレイミド単量体および芳香族ビニル単量体を含む
    単量体成分を重合してなるマレイミド系共重合体(2)
    を含む熱可塑性樹脂組成物であって、上記マレイミド系
    共重合体(2)が、マレイミド系共重合体(2)中に含
    まれる、アセトン/メチルエチルケトン混合溶媒(但
    し、アセトン/メチルエチルケトンの混合比が重量比で
    50/50の混合溶媒)に対する不溶分が10%以下で
    あるマレイミド系共重合体である事を特徴とするポリフ
    ェニレンエーテル系樹脂組成物。
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WO2009060917A1 (ja) 2007-11-09 2009-05-14 Asahi Kasei Chemicals Corporation 熱可塑性樹脂組成物、並びに該組成物からなる成形体及びシート
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