JP2001292489A - 骨伝導マイク付きヘッドホン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者の姿勢変更等にかかわらず極力安定な
状態で、携帯電話等による通話やステレオの音楽等の音
情報の聴取が可能となる骨伝導マイク付きヘッドホンを
提供する。 【解決手段】 Ｕ字状に形成されて、両端部が互いに接
近及び離間する方向に移動自在で且つ接近側に弾性付勢
された本体１が、その両端部１ａ，１ｂを人の耳部に当
て付ける状態に装着自在に構成され、その本体１の両端
部１ａ，１ｂ夫々にスピーカ２が備えられ、且つ、その
本体１の両端部１ａ，１ｂの少なくとも一方１ａに、人
の耳部への骨伝導音声を検出する骨伝導マイク３が備え
られている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話の通話に
用いることができ、しかも、ステレオの音等の音情報を
聞くのに用いることができる骨伝導マイク付きヘッドホ
ンに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年において、上記携帯電話の通話やス
テレオの音楽等の音情報の取り扱いを容易にする目的
で、例えば特開平１１−２７７８７号公報や特開平１１
−２７７８８号公報に示されるように、声帯からの音声
を検出する骨伝導マイクを耳部に装着して音情報を聞く
イヤホンに組み込むとともに、その骨伝導マイク付きの
イヤホンを音声信号の入出力を切り換える切換装置に接
続させて、例えばＣＤやＭＤ等から再生されるステレオ
の音楽やラジオで受信した音をイヤホンによって聞くこ
とができる一方、携帯電話で通話する場合は、上記骨伝
導マイクによって自分の声を検出させて相手方に伝える
とともに、相手方の声を上記イヤホンによって聞くよう
にしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、骨伝導マイクを組み込んだイヤホンを耳部
に挿入して、耳部にて保持させるように装着していたの
で、例えば使用者が誤って信号入出力用の接続コードを
引っ張ったようなときに、その耳部への装着状態がずれ
て、骨伝導マイクの耳部への当たり状態が変化したり、
あるいは、イヤホンが外れたりすることがあり、その結
果、骨伝導マイクにて音声を良好に検出できなくなると
ともに、イヤホンの音を良好に聞くことができなくな
り、上記携帯電話での通話や音楽情報の聴取に支障をき
たすおそれがあった。

【０００４】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、上記従来技術の不具合を解消させ
るべく、姿勢変更等にかかわらず極力安定な状態で、携
帯電話等による通話やステレオの音楽等の音情報の聴取
が可能となる骨伝導マイク付きヘッドホンを提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１によれば、Ｕ字
状に形成されて、両端部が互いに接近及び離間する方向
に移動自在で且つ接近側に弾性付勢された本体が、その
両端部を人の耳部に当て付ける状態に装着自在に構成さ
れ、その本体の両端部夫々にスピーカが備えられ、且
つ、その本体の両端部の少なくとも一方に、人の耳部へ
の骨伝導音声を検出する骨伝導マイクが備えられてい
る。即ち、Ｕ字状に形成された本体の両端部を接近側に
弾性付勢する力に抗して離間する方向に移動させて、両
端部を人の耳部に当て付ける状態で本体を頭部に装着
し、本体の両端部夫々に備えられたスピーカから発生す
る音を耳で聞き、本体の両端部の少なくとも一方に備え
られている骨伝導マイクにて、人の耳部への骨伝導音声
が検出される。

【０００６】従って、弾性付勢されて人の耳部に当て付
けられたＵ字状本体の両端部夫々にスピーカを備え、そ
の両端部の少なくとも一方に骨伝導マイクを備えるよう
にしたので、例えば使用者が誤って信号入出力用の接続
コードを引っ張ったようなときでも、上記両端部の耳部
への装着状態がずれたり、外れたりすることを回避させ
て、スピーカの音を良好に聞き且つ骨伝導マイクにて音
声を良好に検出させることができ、もって、極力安定な
状態で携帯電話等による通話やステレオの音楽等の音情
報の聴取が可能となる骨伝導マイク付きヘッドホンが提
供される。

【０００７】請求項２によれば、請求項１において、前
記骨伝導マイクが、防振材を介して前記本体に取り付け
られている。即ち、本体に伝わった音は防振材によって
遮断されて、骨伝導マイクには伝わらない。従って、例
えばスピーカに近くに骨伝導マイクを配置した場合で
も、本体に伝わったスピーカからの音が骨伝導マイクに
て検出されないので、前述の携帯電話での通話におい
て、スピーカから出た相手方の音声が骨伝導マイクによ
って検出されて相手方に戻る現象（エコーという）の発
生を防止して、良好な通話状態を維持することができ、
もって、請求項１に係る骨伝導マイク付きヘッドホンを
実施する際の好適な手段が得られる。

【０００８】請求項３によれば、請求項１又は２におい
て、前記骨伝導マイクが、人の耳の耳甲介腔部に挿入さ
れる突部状に形成されて、例えばその上面側に、弾性変
形自在な当たり部材が付設されている。即ち、骨伝導マ
イクを備えたＵ字状本体の一端部が人の耳部に当て付け
られると、突部状に形成された骨伝導マイクが人の耳の
耳甲介腔部に挿入され、骨伝導マイクの上面側に付設さ
れている当たり部材が、弾性変形して上記耳甲介腔部の
上部分に当たる。従って、突部状に形成された骨伝導マ
イクの上面側の当たり部材が弾性変形して耳甲介腔部の
上部分に当たることによって、骨伝導マイクが耳甲介腔
部の底部分に押し付けられることになるので、耳甲介腔
部の大きさや形状等に個人差がある各使用者に対して骨
伝導マイクを耳甲介腔部に密着させて、安定した状態を
骨伝導音声を検出することができ、もって、請求項１又
は２に係る骨伝導マイク付きヘッドホンを実施する際の
好適な手段が得られる。

【０００９】

【発明の実施の形態】〔第１実施形態〕以下、本発明に
係る骨伝導マイク付きヘッドホンの第１実施形態につい
て図面に基づいて説明する。骨伝導マイク付きヘッドホ
ンの全体が図１に、その要部が図２及び図３に夫々示さ
れている。この骨伝導マイク付きヘッドホンには、Ｕ字
状に形成されて、両端部１ａ，１ｂが互いに接近及び離
間する方向に移動自在で且つ接近側に弾性付勢された本
体１が、その両端部１ａ，１ｂを人の耳部に当て付ける
状態に装着自在に構成されて設けられている。尚、使用
者が装着した状態を図４に示す。上記本体１は、Ｕ字部
１Ａと、このＵ字部１Ａの両端側に挿入自在な一対の側
部１Ｂとからなり、この各側部１Ｂの下端部が上記両端
部１ａ，１ｂに対応する。そして、Ｕ字部１Ａ及び各側
部１Ｂは樹脂成形にて製作されているので、例えば両側
部１Ｂを手で持って押してＵ字部１Ａ及び各側部１Ｂを
弾性変形させて、両端部１ａ，１ｂを互いに接近する方
向及び離間する方向に移動させることができ、また、頭
部に装着しようとして両側部１Ｂの間隔を広げると、両
端部１ａ，１ｂが接近する方向に弾性付勢力が働くこと
になる。

【００１０】上記本体１の両端部１ａ，１ｂ夫々にスピ
ーカ２が備えられ、且つ、その本体１の両端部１ａ，１
ｂの少なくとも一方の端部１ａに、人の耳部への骨伝導
音声を検出する骨伝導マイク３が備えられている。骨伝
導マイク３を備えている端部１ａの構造を図２に示す。
スピーカ２は、小型のスピーカ本体２０と、このスピー
カ本体２０を支持する支持部材２１と、スピーカ本体２
０の前面側においてゴミの侵入を防ぐ防塵板２２等を備
えている。尚、防塵板２２は、端部１ａに接着された軟
質樹脂からなる環状部材４に接着されて取付けられてい
る。図中、２３は耳当て用の環状縁部であり、この環状
縁部２３には、上記骨伝導マイク３及び後述の当たり部
材６を通す穴を備えた弾性シート２４が被されている。
そして、スピーカ本体２０から生じた音は、防塵板２２
に開けた孔２２ａから前面側に放出される。

【００１１】上記骨伝導マイク３には、圧電素子３０、
圧電素子３０全体を覆うシールドケース３１、そのシー
ルドケース３１の外側を覆って保護及び保持を行うマイ
クケース３２、及び、圧電素子３０に生じた電気信号の
検出等を行う信号回路基板３３が備えられて、前記防塵
板２２の中心位置に取付けられている。従って、骨伝導
マイク３が、防振材としての前記環状部材４を介して前
記本体１に取り付けられている。そして、圧電素子３０
はバイモルフ型の圧電素子を直列に接続して構成され、
その圧電素子３０による骨伝導音声信号が信号回路基板
３３にて処理されて出力されている。図中、５は上記ス
ピーカ２に対する音信号出力用及び骨伝導マイク３から
の音声信号入力用の信号線コードを示す。前記骨伝導マ
イク３は、人の耳の耳甲介腔部に挿入される突部状に形
成されて、その上面側に、軟質ゴム等にて形成されて弾
性変形自在な当たり部材６が付設されている。従って、
図５に示すように、突部状に形成された骨伝導マイク３
が耳甲介腔部６０に挿入されると、骨伝導マイク３の上
面側に付設されている当たり部材６が、弾性変形して耳
甲介腔部６０の上部分に当たり、これによって、骨伝導
マイク３のマイクケース３２が耳甲介腔部６０の底部に
押し付けられて密着状態で接触し、声帯から伝わってく
る微細な音声振動を電気信号に変換する。

【００１２】骨伝導マイク３を備えていない端部１ｂの
構造を図３に示すが、前述の図２において骨伝導マイク
３を除いた構造に相当する。尚、この端部１ｂの耳当て
用の環状縁部２３には、弾性シート２４が被せられてい
る。

【００１３】次に、上記骨伝導マイク付きヘッドホンの
使用形態について説明する。図６に示すように、前記信
号線コード５の端部に備えた接続用プラグ５ａが、携帯
電話ＫＤで通話するときの音声情報、及び、再生機ＳＫ
で再生されたＣＤやＭＤ等の記憶媒体Ｄからのステレオ
音楽情報を切り換える切換機１０に接続されている。
又、切換機１０は、携帯電話ＫＤの入出力端子との間を
両端に接続用プラグ１２ａ，１２ｂを備えた信号線コー
ド１２にて接続され、再生機ＳＫの出力端子との間を両
端に接続用プラグ１３ａ，１３ｂを備えた信号線コード
１３にて接続されている。

【００１４】切換機１０には、携帯電話ＫＤによって通
話するための電話モードと、再生機ＳＫからの音楽情報
を聞くためのオーディオモードとに切り換える切換スイ
ッチ１１と、オーディオモードのときに携帯電話ＫＤに
相手側から電話がかかってきたことを示す着信ランプ１
４とが設けられている。尚、上記切換スイッチ１１にて
上記両モードの切換作動を行う切換回路等が内蔵されて
いる。従って、前記骨伝導マイク付きヘッドホンを装着
した状態で、上記切換スイッチ１１によって、電話モー
ドに切り換えて、携帯電話ＫＤによって相手側と通話す
ることができ、オーディオモードとに切り換えて、音楽
情報を聴いて楽しむことができ、さらに、そのオーディ
オモードに切り換えているときに、着信ランプ１４の発
光作動によって電話がかかってきたことが判ると、切換
スイッチ１１によって、電話モードに切り換えて携帯電
話ＫＤによって相手側と通話することができる。

【００１５】〔第２実施形態〕次に、本発明に係る骨伝
導マイク付きヘッドホンの第２実施形態について説明す
る。この第２実施形態では、骨伝導マイク３を前記本体
１に取付ける際に用いる防振材が第１実施形態と異なる
点を除いて、上記第１実施形態と同様に構成されてい
る。具体的には、図７に示すように、骨伝導マイク３が
防振材としての軟質樹脂材７を介して前記防塵板２２に
取り付けられている。尚、軟質樹脂材７は接着材によっ
て防塵板２２に接着され、さらに、骨伝導マイク３が軟
質樹脂材７に接着されている。

【００１６】〔別実施形態〕上記第１及び第２実施形態
では、既存の携帯電話ＫＤや、ＣＤやＭＤ等の音楽再生
機ＳＫにおける音情報を、切換機１０によって切り換え
ながら、本発明に係る骨伝導マイク付きヘッドホンを用
いて通話及び聴取するようにしたが、図８に例示するよ
うに、音楽再生部４１、電話通話部４２及び切換部４３
を１つの筐体ＢＤに組み込んだ専用の切換装置ＭＶに、
本発明に係る骨伝導マイク付きヘッドホンを接続するよ
うにしてもよい。

【００１７】上記装置ＭＶについて補足説明すると、音
楽再生部４１には、記憶媒体Ｄの情報を読み取るピック
アップユニット、音声再生ユニット等が内蔵され、その
音声再生ユニットに対して再生動作を指示する再生スイ
ッチ４１ａと、再生動作の停止を指示する停止スイッチ
４１ｂと、記憶媒体Ｄ中の曲を選ぶ選曲スイッチ４１ｃ
とが備えられている。電話通話部４２には、電話中継基
地との間の送受信用アンテナ４２ａと、通話の相手方の
電話番号を入力するための番号ボタン４２ｂと、相手か
らの電話を取るとき及び相手に電話を掛けるときに押す
通話スイッチ４２ｃと、通話を終了するときに押す終了
スイッチ４２ｄと、電話番号等を表示する液晶表示パネ
ル４２ｅが備えられ、さらに、上記アンテナ４２ａが受
信した相手方の音声情報の入力及び骨伝導マイク３から
の音声情報の出力を行う送受信回路等が内蔵されてい
る。切換部４３には、音楽再生部４１で再生された音楽
情報を聞くオーディオモードと電話モードとを切り換え
る切換スイッチ４３ａが備えられ、この切換スイッチ４
３ａにて作動する切換回路等が内蔵されている。尚、４
４は電源スイッチであり、４５は音量調整スイッチであ
る。

【００１８】上記実施形態では、骨伝導マイク３を、本
体１の両端部１ａ，１ｂのうちの一方の端部１ａにだけ
備えさせたが、両方の端部１ａ，１ｂに備えさせるよう
にしてもよい。

【００１９】上記実施形態では、本願発明に係る骨伝導
マイク付きヘッドホンに入出力させる音情報として、電
話における通話情報と、ＣＤやＭＤ等から再生された音
楽情報とに切り換えるようにしたが、かかるＣＤやＭＤ
等からの再生情報の代わりに、ＦＭやＡＭ等の電波を受
信したラジオからの音情報でもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】骨伝導マイク付きヘッドホンの全体を示す斜視
図

【図２】第１実施形態の骨伝導マイク付きヘッドホンの
要部を示す正面図と断面図

【図３】第１実施形態の骨伝導マイク付きヘッドホンの
要部を示す断面図

【図４】骨伝導マイク付きヘッドホンの装着状態を示す
側面図

【図５】骨伝導マイクの耳部への挿入状態を示す断面図

【図６】骨伝導マイク付きヘッドホンの使用形態を示す
構成図

【図７】第２実施形態の骨伝導マイク付きヘッドホンの
要部を示す断面図

【図８】別実施形態の骨伝導マイク付きヘッドホンの使
用形態を示す構成図

【符号の説明】

１ 本体 １ａ，１ｂ 両端部 ２ スピーカ ３ 骨伝導マイク ４ 防振材 ６ 当たり部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 十倉 広樹 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目２番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 ▲まつ▼田 宗浩 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目２番47号 株式会社クボタ内 Ｆターム(参考） 5D004 AA04 AA10 DD03 FF08 5D017 BA02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｕ字状に形成されて、両端部が互いに接
   近及び離間する方向に移動自在で且つ接近側に弾性付勢
   された本体が、その両端部を人の耳部に当て付ける状態
   に装着自在に構成され、 その本体の両端部夫々にスピーカが備えられ、且つ、そ
   の本体の両端部の少なくとも一方に、人の耳部への骨伝
   導音声を検出する骨伝導マイクが備えられている骨伝導
   マイク付きヘッドホン。
2. 【請求項２】 前記骨伝導マイクが、防振材を介して前
   記本体に取り付けられている請求項１記載の骨伝導マイ
   ク付きヘッドホン。
3. 【請求項３】 前記骨伝導マイクが、人の耳の耳甲介腔
   部に挿入される突部状に形成されて、その上面側に、弾
   性変形自在な当たり部材が付設されている請求項１又は
   ２記載の骨伝導マイク付きヘッドホン。