JP2001291631A - 磁性薄膜の製造方法、磁気ヘッド、及び、磁気記憶装置 - Google Patents

磁性薄膜の製造方法、磁気ヘッド、及び、磁気記憶装置

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Sanae Takefusa
さなえ 竹房
Mitsuru Odagiri
充 小田切
Hiroko Miyake
裕子 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性薄膜の製造方法、磁気ヘッド、及び、磁
気記憶装置に関し、電流密度の変化に対する析出磁性薄
膜の組成変動量を抑制し、ウェハ面内において組成分布
の良好な磁性薄膜を形成する。 【解決手段】 Co,Ni,Feを少なくとも含む三元
素以上の磁性薄膜を、各金属イオン濃度の合計が0.4
〜1.6mol/リットルであるメッキ浴から成膜す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性薄膜の製造方
法、磁気ヘッド、及び、磁気記憶装置に関するものであ
り、特に、ハードディスクドライブ(HDD)の誘導型
薄膜磁気ヘッド用上部磁極コアや薄膜トランス等の磁気
デバイスに用いる磁性薄膜の組成変動を抑制するための
製造条件に特徴のある磁性薄膜の製造方法、磁気ヘッ
ド、及び、磁気記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置であ
るハードディスクは、年率倍のスピードで記録密度が向
上し、磁気ヘッドの素子サイズも小さく、記録媒体の高
保磁力化が進んでおり、この様な高保磁力の記録媒体に
対しても十分な書き込み能力を有する磁性材料が要求さ
れている。
【0003】高保磁力の記録媒体に対しても十分な書き
込み能力を有するためには、誘導型薄膜磁気ヘッドを構
成する上部磁極コア、或いは、上部磁極コア及び下部磁
極層として、飽和磁束密度Bs の高い材料を用いること
が必要があり、この様な高飽和磁束密度化の要請に伴っ
て、最も磁束の集中する部分にはBs =1.5〜2.0
Tが必須であるとされている。
【0004】この様な誘導型薄膜磁気ヘッドの書込用磁
極材料としては、NiFe合金薄膜、即ち、パーマロイ
が一般的に用いられているが、従来より用いられている
Ni 80Fe20、即ち、80NiFeの高飽和磁束密度は
s =1.0Tである。しかし、NiFe合金はFe組
成を高めることによって高飽和磁束密度化が可能である
ため、Bs =1.5TのNi50Fe50、即ち、50Ni
Feが実用化されている。
【0005】また、この様な誘導型薄膜磁気ヘッドは、
先端に十分な磁束が発生するように磁極材料は3〜4μ
mの膜厚を有し、且つ、段差を持つ形状であるため、他
の磁性材料堆積方法として多用されているスパッタリン
グ法等の真空成膜技術では成膜レートの効率が悪く、且
つ、有効なエッチング方法が確立されてない。したがっ
て、従来においては、析出効率が高く、且つ、レジスト
フレームを用いることにより選択成膜に優れた電気メッ
キ法によって磁極が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な電気
メッキ法により作製される磁性合金薄膜の組成及び磁気
特性は、メッキ浴に含まれるFeやNi等の各金属のイ
オン濃度、成膜時の浴温度、印加電流により制御可能で
あるものの、NiFe合金は、磁気ヘッドの磁極パター
ンとして成膜する場合、磁極のパターン形状、或いは、
配置位置により生じる電流密度分布の局所的な不均一性
により組成変動が生ずることが知られている。
【0007】特に、NiFe系メッキにおいては、メッ
キ浴中におけるFeイオン濃度比に比べてFeが過剰に
析出するFe変則共析が起こり、その結果、組成変動が
大きくなることが一般に知られており、特に、50Ni
Feでは変則共析するFeが増加するため、従来の80
NiFe以上に十分良好とされる膜厚及び組成分布を確
保することが困難になる。
【0008】因に、硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2
O)及び硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O)に対し、
ほう酸(H3 BO3 )を添加してpHを2.5に調整す
るとともに、塩化アンモニウム(NH4 Cl)を添加し
て導電性を調整し、界面活性剤であるドデシル硫酸ナト
リウムを添加した30℃のメッキ浴から成膜した場合、
金属イオン濃度比でFe2+:Ni2+=1:30とし、金
属イオン合計濃度を1.46mol/リットルとした場
合に得られた80NiFeの組成変動量は3.9wt%
であり、また、飽和磁束密度はBs =1.0Tであっ
た。
【0009】図6参照 図6は、金属イオン濃度比をFe2+:Ni2+=1:30
に一定して成膜した場合の80NiFeにおける組成変
動量の金属イオン合計濃度依存性の説明図であり、金属
イオン合計濃度が1.0mol/リットル近傍におい
て、約2%wt程度の最低値になる傾向が見られ、金属
イオン合計濃度の増加及び減少に伴って組成変動量は二
次関数的に増加することが理解される。
【0010】一方、金属イオン濃度比をFe2+:Ni2+
=1:15とし、金属イオン合計濃度を1.27mol
/リットルとした場合に得られた50NiFeの組成変
動量は30.2wt%であり、また、飽和磁束密度はB
s =1.5Tであり、80NiFeにおいて得られた低
組成変動量は得られなかった。なお、この場合の組成変
動量とは成膜時の電流密度を5〜20mA/cm2 の間
で変化させた場合の各析出膜における金属組成の最大値
と最小値との差を取ったものである。
【0011】したがって、高飽和磁束密度化のためにF
e組成比を大きくした場合に、組成変動量が大きくな
り、特に、電流密度によりばらつくので、パターン形
状、或いは、配置位置により生じる電流密度分布の局所
的な不均一が発生する磁極、特に、上部磁極の成膜方法
として適用した場合には、磁極の組成分布に大きな変動
が発生し、所期の磁気特性を得ることができなくなると
いう問題がある。
【0012】この様なウェハ面内に発生する組成分布の
変動を抑制するため、メッキ装置の改良など種々の工夫
がなされているが、他の条件に拘わらず良好な分布が得
られる装置は確立していないため、その装置毎の条件出
しを行うことが不可欠となる。
【0013】このような各装置毎の条件出しは、従来の
実績より決定されているのが実情であり、装置によらず
分布改善可能な手法を明確な規定を持って設定すること
は困難とされている。
【0014】したがって、本発明は、電流密度の変化に
対する析出磁性薄膜の組成変動量を抑制し、ウェハ面内
において組成分布の良好な磁性薄膜を形成することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は、CoNiFe磁
性薄膜の組成変動量の金属イオン合計濃度依存性を示す
図であり、この図1を参照して本発明における課題を解
決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、Co,Ni,Feを少なくとも含む三
元素以上の磁性薄膜の製造方法において、各金属イオン
濃度の合計が0.4〜1.6mol/リットルであるメ
ッキ浴から成膜することを特徴とする。
【0016】図1から明らかなように、Co,Ni,F
eの各金属イオン濃度の合計が0.4〜1.6mol/
リットルであるメッキ浴から成膜することによって磁性
薄膜の組成変動量を、80NiFeの組成変動量の実測
最低値である2.14wt%以下にすることができ、そ
れによって、ウェハ面内において組成分布の良好な磁性
薄膜を形成することができる。また、Coを添加するこ
とによって飽和磁束密度を50NiFeより大きくする
ことができる。
【0017】なお、各金属イオン濃度の合計は0.5〜
1.5mol/リットルの範囲がより好適であり、それ
によって、組成変動量を2%wt以下にすることができ
る。また、Co,Ni,Fe以外の金属元素としては、
Cr,Mo,W等を添加しても良いものであり、それに
よって、磁気薄膜の比抵抗を高くすることができる。
【0018】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、メッキ浴中におけるFeの2価のイオン濃度が0.
07mol/リットル以下であることを特徴とする。
【0019】メッキ浴中のFeイオンを自然酸化により
2価から3価に変化し、3価のFeイオンは非常にゆっ
くりした反応速度で水に不溶性の水酸化物を形成し、フ
ィルタ目詰まりの原因となるので、メッキ浴の使用状況
を考慮して、約1か月水酸化物の生成が起こらない0.
07mol/リットル以下に設定することが好適であ
る。
【0020】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、磁性薄膜の組成が、Co70Ni7 Fe
23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、
Co 70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に含まれ
る組成で表されることを特徴とする。
【0021】磁性薄膜の組成範囲を、Co70Ni7 Fe
23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、
Co70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に含まれ
る組成とすることによって、困難軸方向保磁力Hch<2
Oe、飽和磁束密度Bs >1.9T、飽和磁歪λ<1×
10-5、100MHzまでの実効透磁率μ>700で、
且つ、熱処理無しでNiFeと同等の耐蝕性を有する磁
性薄膜を再現性良く得ることが可能になる。
【0022】(4)また、本発明は、磁気ヘッドにおい
て、誘導型薄膜磁気ヘッドの上部磁極及び下部磁極の少
なくとも一部に上記(1)乃至(3)のいずれかに記載
の磁性薄膜を用いたことを特徴とする。
【0023】この様に、上記(1)乃至(3)のいずれ
かに記載の磁性薄膜を用いることによって、磁気ヘッド
の高性能化及び低コスト化が可能になる。なお、この場
合には、上部磁極及び下部磁極の全体を構成しても良い
し、また、何方か一方を構成しても良いし、或いは、上
部磁極及び下部磁極の少なくとも先端部のチップ状磁極
コアとして用いても良いものである。
【0024】(5)また、本発明は、磁気記憶装置にお
いて、上記(4)の磁気ヘッドを組み込んだことを特徴
とする。
【0025】この様に、上記(4)の磁気ヘッドを用い
ることによって、磁気記録装置の高性能化及び低コスト
化が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図5を参照し
て、本発明の実施の形態の磁性薄膜の製造方法を説明す
る。本発明の実施の形態において用いるメッキ装置は、
従来技術として一般に用いられているパドル装置を用
い、このパドル装置によってメッキ浴を攪拌しながら電
解メッキを行うものであり、パドルの形状、磁性薄膜を
堆積させる基板との距離、即ち、カソードとの距離、及
び、回転速度等は必要に応じて任意に設定するものであ
り、特に限定されるものではない。
【0027】また、本発明の実施の形態に用いるメッキ
浴は、光沢剤を含まないメッキ浴を用いる。即ち、メッ
キ浴として、硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O)、硫
酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O)、及び、硫酸コバ
ルト(CoSO4 ・7H2 O)を、メッキ浴中における
金属イオン濃度比が、Fe2+:Ni2+:Co2+=1:2
0:10になるように混合し、ほう酸を30g/リット
ル添加することによって、pHを2.0〜3.5、例え
ば、2.5に調整するとともに、塩化アンモニウムによ
って導電性を調整し、さらに、界面活性剤であるドデシ
ル硫酸ナトリウムを0.2g/リットル添加したものを
用いる。なお、今回は金属イオン濃度比を固定し、金属
イオン合計濃度のみを変動させているが、金属イオン濃
度比は上記の比に限られるものではなく、所望する膜組
成或いは磁気特性に応じて適宜変更されるものである。
【0028】この様なメッキ浴を用いて電界メッキを行
うことなるが、基板として表面にSiO2 膜を形成した
Si基板を用いるとともに、密着性を改善するために厚
さが、例えば、10nmのTi膜をスパッタリング法に
よって成膜したのち、メッキベース層として厚さが、例
えば、50nmのNiFe膜をスパッタリング法によっ
て成膜する。
【0029】次いで、室温〜40℃、例えば、30℃の
温度で、5〜20mA/cm2 の間の複数の電流密度
で、400〔Oe〕以上の直流磁界、例えば、400
〔Oe〕の直流磁界中で電解メッキを行って下地となる
NiFe膜上にCoNiFe磁性薄膜を成膜した。この
場合の得られたCoNiFe磁性薄膜の組成は、異なっ
た電流密度で成膜した磁性薄膜の平均値として、Co65
Ni12Fe23であった。
【0030】図2参照 図2は、得られたCoNiFe磁性薄膜の組成変動量の
金属イオン合計濃度依存性の説明図であり、図に示すよ
うに、80NiFeより大幅に組成変動量が小さくな
り、0.4〜1.6mol/リットルの範囲で80Ni
Feの組成変動量の実測最低値である2.14wt%以
下にすることができ、0.5〜1.5mol/リットル
の範囲で2%wt以下にすることができる。なお、組成
変動量は、異なった電流密度で成膜した磁性薄膜の重量
の最大値と最小値の差を示している。
【0031】また、この場合のCoNiFe磁性薄膜の
飽和磁束密度は、1.5mol/リットルの金属イオン
合計濃度の場合に、Bs =1.9Tであり、高飽和磁束
密度の磁性薄膜が得られた。
【0032】上述のように、80NiFe磁性薄膜にお
ける組成変動量は3.9wt%で、また、Bs =1.0
Tであり、一方、50NiFe磁性薄膜における組成変
動量は30.2wt%で、また、Bs =1.5Tである
ので、本発明のように、NiFeにCoを添加すること
によって組成変動量が大幅に抑制され、且つ、飽和磁束
密度Bs を80NiFeの2倍程度にすることができ
る。
【0033】図3参照 図3は、成膜速度の金属イオン合計濃度依存性の説明図
であり、CoNiFeも80NiFeも共にある濃度で
極大になり、成膜速度が最速になるのは夫々約0.7m
ol/リットル及び1.2mol/リットルあるが、い
ずれも成膜速度が安定している濃度範囲は略0.10〜
0.12μm(100〜120nm)/分の範囲であ
る。
【0034】この時の、金属イオン合計濃度は、本発明
のCoNiFeの場合には0.1〜1.3mol/リッ
トルであり、80NiFeの場合には0.5〜2.0m
ol/リットルであり、成膜速度を略一定の範囲内に保
てる金属イオン合計濃度範囲は、80NiFeより狭く
なる。
【0035】したがって、本発明における成膜速度も考
慮した場合の組成変動量を抑制するための好適な金属イ
オン合計濃度範囲は、0.4〜1.3mol/リットル
となる。
【0036】図4参照 図4は、上記のメッキ浴を自然放置した場合に沈澱が認
められるまでの経過日数の2価のFeイオン濃度、即
ち、Fe2+濃度依存性を示す図である。即ち、2価のF
eイオン濃度は自然酸化により3価のFeイオンに変化
して減少するとともに、3価のFeイオンは非常にゆっ
くりした反応速度によって水酸化物に変化するが、水酸
化物は水に不溶性であるので沈澱することになる。
【0037】この沈澱物は、フィルタ目詰まりの原因と
なり、メッキ装置が実用上使用不能となるので、沈澱が
発生しないように、即ち、水酸化物が発生しないように
2価のFeイオン濃度範囲を設定することが望ましい。
【0038】この場合、図4から明らかなように理論的
には約1年以上水酸化物の生成が起こらないFeイオン
濃度は約0.02mol/リットルと推測できるが、実
際には、メッキ浴は作製時から連続使用を続けることに
よりFeイオンは消費されているので、作製時のFeイ
オン濃度が1か月以上維持することはほとんど無いと考
えられる。
【0039】したがって、作製時のFeイオン濃度とし
ては、1か月間、水酸化物の生成が起こらないように設
定すれば良く、そのためには、図4から判断して0.0
7mol/リットル以下に設定することが有効になる。
【0040】図5参照 図5は、金属イオン濃度比Fe2+:Ni2+:Co2+を変
化させることによって各種の組成比のCoNiFe膜を
成膜した場合の好適な組成範囲を示すものであり、組成
範囲を、Co70Ni7 Fe23、Co60Ni11Fe29、C
60Ni15Fe 25、及び、Co70Ni10Fe20を頂点と
する四角形の領域に含まれる組成とすることによって、
困難軸方向保磁力Hch<2Oe、飽和磁束密度Bs
1.9T、飽和磁歪λ<1×10-5、100MHzまで
の実効透磁率μ>700で、且つ、熱処理無しでNiF
eと同等の耐蝕性を有する磁性薄膜を再現性良く得るこ
とができる。
【0041】さらに、この四角形の組成領域にあって
も、結晶性が良好でないと所期の特性が得られないの
で、fcc構造の(111),(200),(22
0),(311),(222)の全ての回折線が得られ
る組成領域、或いは、fcc構造の(111),(20
0),(220),(311),(222)とbcc構
造の(110),(211)の全ての回折線が得られる
組成領域であることが必要であり、この様な結晶構造及
び結晶性が得られるように下地膜を含めて成膜条件を設
定する必要がある(必要ならば、特願2000−748
7号公報参照)。
【0042】なお、この場合のメッキ浴の組成として
は、 硫酸コバルト 0.0425〜0.425mol/リットル 硫酸ニッケル 0.1 〜0.438mol/リットル 硫酸第一鉄 0.0075〜0.075mol/リットル の範囲で変更することが望ましい。
【0043】したがって、上記の条件満たす磁性薄膜を
誘導型(インダクティブ)薄膜磁気ヘッドの少なくとも
一部として用いることによって、高保磁力磁気記録媒
体、例えば、保磁力Hc が4000〔Oe〕以上の磁気
記録媒体への記録が可能になる。
【0044】例えば、上下の磁極層がライトコイルの中
心で結合したコ字状のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに
おいては、内側が本発明の軟磁性合金薄膜となる2層構
造で構成しても良いし、或いは、コア幅を狭めるために
上下磁極層の先端部、即ち、ライトポールにおいて上下
に互いに対向する幅細の突起を設けたチップドタイプの
磁極の場合には、この突起を本発明の軟磁性合金薄膜に
よって構成すれば良く、それによって、高保磁力磁気媒
体への記録が可能になり、記録密度の向上が達成され
る。
【0045】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるもの
ではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の実
施の形態においては、メッキ浴の導電性を高めるための
試薬として塩化アンモニウムを用いているが、塩化アン
モニウムに限られるものではなく、塩化ナトリウム、或
いは、硫酸アンモニウムを添加しても良いものである。
【0046】また、上記の実施の形態においては、サッ
カリンナトリウム等の有機添加剤、即ち、光沢剤を含ま
ないメッキ浴を用いているが、サッカリンナトリウム等
の有機添加剤を添加した場合にも適用されるものであ
る。
【0047】また、上記の実施の形態の説明において
は、磁性薄膜をCo、Ni、及び、Feのみによって構
成しているが、このような3元のCoNiFe膜に限ら
れるものではなく、3元のCoNiFe膜にCr、M
o、或いは、W等の非磁性金属元素を添加しても良く、
それによって磁性薄膜の比抵抗を高めることができる。
【0048】なお、非磁性金属元素の添加によって、飽
和密度Bs は1.9Tより若干低下するものの、50N
iFeの飽和密度、Bs =1.5Tより大きくすること
ができ、且つ、添加量は少ないので、組成変動量も、非
磁性金属元素を添加しない場合とほぼ同程度にすること
ができる。
【0049】また、上記の実施の形態の説明において
は、誘導型の薄膜磁気ヘッドの上部磁極層或いは下部磁
極層に用いることを前提に説明しているが、本発明はこ
の様な用途に限られるものではなく、再生専用の単独の
MRヘッドの上下の磁気シールド層として用いても良い
ものであり、更には、誘導型の薄膜磁気ヘッドとMRヘ
ッドを積層させた複合型薄膜磁気ヘッドの上下の磁気シ
ールド層及び上下の磁極層の全体若しくはその一部とし
て用いても良いものである。
【0050】さらに、本発明は磁気ヘッドに用いる磁性
材料に限られるものではなく、例えば、磁気測定装置等
における磁気シールド材或いは磁気トランス等として用
いることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともCo,N
i,Feを含む磁性薄膜を成膜する際に、メッキ浴にお
ける金属イオン合計濃度を限定することによって組成変
動量を大幅に低減することができ、それによって、段差
やパターン形状により組成変動が発生し易い上部磁極の
製造工程に適用した場合に、安定し且つ優れた磁気特性
を有する上部磁極を製造することができ、ひいては、薄
膜磁気ヘッドの高周波化、高記録密度化に寄与し、さら
には、高性能HDD装置等を組み込んだ磁気記憶装置の
普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態における組成変動量の金属
イオン合計濃度依存性の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における成膜速度の金属イ
オン合計濃度依存性の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における沈澱が発生するま
での経過日数のFeイオン濃度依存性の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の磁性薄膜の好適な組成範
囲の説明図である。
【図6】80NiFeにおける組成変動量の金属イオン
合計濃度依存性の説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 三宅 裕子 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA03 DA04 5E049 AA04 AA09 BA12 LC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co,Ni,Feを少なくとも含む三元
    素以上の磁性薄膜の製造方法において、各金属イオン濃
    度の合計が0.4〜1.6mol/リットルであるメッ
    キ浴から成膜することを特徴とする磁性薄膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記メッキ浴中におけるFeの2価のイ
    オン濃度が0.07mol/リットル以下であることを
    特徴とする請求項1記載の磁性薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記磁性薄膜の組成が、Co70Ni7
    23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、及
    び、Co70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に含
    まれる組成で表されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の磁性薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 誘導型薄膜磁気ヘッドの上部磁極及び下
    部磁極の少なくとも一部に請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の磁性薄膜を用いたことを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気ヘッドを組み込ん
    だことを特徴とする磁気記憶装置。
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