JP2001196225A - 軟磁性合金薄膜及びその製造方法 - Google Patents
軟磁性合金薄膜及びその製造方法Info
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- JP2001196225A JP2001196225A JP2000007487A JP2000007487A JP2001196225A JP 2001196225 A JP2001196225 A JP 2001196225A JP 2000007487 A JP2000007487 A JP 2000007487A JP 2000007487 A JP2000007487 A JP 2000007487A JP 2001196225 A JP2001196225 A JP 2001196225A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軟磁性合金薄膜及びその製造方法に関し、高
保磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するための軟
磁性合金薄膜を提供する。 【解決手段】 Co,Ni,Feからなり、Co70Ni
7 Fe23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、
及び、Co70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に
含まれる組成範囲とし、且つ、面心立方晶構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)の全ての回折線が得られる結晶構造、或いは、面心
立方晶構造の(111),(200),(220),
(311),(222)及び体心立方晶構造の(11
0),(211)の全ての回折線が得られる結晶構造の
いずれかの結晶構造を有することを要件とする。
保磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するための軟
磁性合金薄膜を提供する。 【解決手段】 Co,Ni,Feからなり、Co70Ni
7 Fe23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、
及び、Co70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に
含まれる組成範囲とし、且つ、面心立方晶構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)の全ての回折線が得られる結晶構造、或いは、面心
立方晶構造の(111),(200),(220),
(311),(222)及び体心立方晶構造の(11
0),(211)の全ての回折線が得られる結晶構造の
いずれかの結晶構造を有することを要件とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟磁性合金薄膜及び
その製造方法に関するものであり、特に、ハードディス
クドライブ(HDD)等の磁気記録装置等に用いられる
複合型薄膜磁気ヘッドを構成する誘導型薄膜磁気ヘッド
の書込特性を改善するための磁性薄膜の構成に特徴のあ
る軟磁性合金薄膜及びその製造方法に関するものであ
る。
その製造方法に関するものであり、特に、ハードディス
クドライブ(HDD)等の磁気記録装置等に用いられる
複合型薄膜磁気ヘッドを構成する誘導型薄膜磁気ヘッド
の書込特性を改善するための磁性薄膜の構成に特徴のあ
る軟磁性合金薄膜及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置であ
るハードディスクは、年率倍のスピードで記録密度が向
上し、磁気ヘッドの素子サイズも小さく、記録媒体の高
保磁力化が進んでおり、この様な高保磁力の記録媒体に
対しても十分な書き込み能力を有する磁性材料が要求さ
れている。
るハードディスクは、年率倍のスピードで記録密度が向
上し、磁気ヘッドの素子サイズも小さく、記録媒体の高
保磁力化が進んでおり、この様な高保磁力の記録媒体に
対しても十分な書き込み能力を有する磁性材料が要求さ
れている。
【0003】高保磁力の記録媒体に対しても十分な書き
込み能力を有するためには、誘導型薄膜磁気ヘッドを構
成する上部磁極コア、或いは、上部磁極コア及び下部磁
極層として、飽和磁束密度Bs の高い材料を用いること
が必要があり、また、この磁性材料は誘導型薄膜磁気ヘ
ッドを構成するライトコイルに電流を流すことによって
容易に励磁される必要があり、そのためには保磁力Hc
は小さい磁性材料が望ましい。
込み能力を有するためには、誘導型薄膜磁気ヘッドを構
成する上部磁極コア、或いは、上部磁極コア及び下部磁
極層として、飽和磁束密度Bs の高い材料を用いること
が必要があり、また、この磁性材料は誘導型薄膜磁気ヘ
ッドを構成するライトコイルに電流を流すことによって
容易に励磁される必要があり、そのためには保磁力Hc
は小さい磁性材料が望ましい。
【0004】また、高周波記録に対応するためには、磁
性材料の透磁率を高くすることが必要であり、また、透
磁率を高くするためには飽和磁歪定数λs を小さくする
必要がある(必要ならば、松本他著,「磁気記録工
学」,p.179,共立出版刊参照)。
性材料の透磁率を高くすることが必要であり、また、透
磁率を高くするためには飽和磁歪定数λs を小さくする
必要がある(必要ならば、松本他著,「磁気記録工
学」,p.179,共立出版刊参照)。
【0005】また、上述の一連の磁気特性に加えて、ヘ
ッド加工時の腐蝕や、ハードディスク装置内での経時的
な腐蝕は、製造歩留りやハードディスク装置の信頼性を
低下させるために、十分な耐蝕性を有することが必要に
なる。
ッド加工時の腐蝕や、ハードディスク装置内での経時的
な腐蝕は、製造歩留りやハードディスク装置の信頼性を
低下させるために、十分な耐蝕性を有することが必要に
なる。
【0006】近年、Fe,Coを主成分とする磁性薄膜
において、応力を緩和して膜質を改善するためのサッカ
リンナトリウム等の光沢剤を含まないメッキ浴から磁性
薄膜を成膜し、成膜後、100〜200℃の熱処理を行
うことによって、耐蝕性の優れた磁性薄膜が得ることが
提案されている(必要ならば、特開平11−74122
号公報参照)。
において、応力を緩和して膜質を改善するためのサッカ
リンナトリウム等の光沢剤を含まないメッキ浴から磁性
薄膜を成膜し、成膜後、100〜200℃の熱処理を行
うことによって、耐蝕性の優れた磁性薄膜が得ることが
提案されている(必要ならば、特開平11−74122
号公報参照)。
【0007】例えば、メッキ浴として、 硫酸コバルト 8.4〜24.6g/リットル 硫酸ニッケル 52.6g/リットル 硫酸第一鉄 1.4〜12.5g/リットル ほう酸 15.0g/リットル ドデシル硫酸ナトリウム 0.01g/リットル からなるメッキ浴を用い、pHを2.8とした状態で、
15.0mA/cm2 の電流密度で電解メッキを行って
磁性薄膜を成膜するものである。なお、ほう酸はメッキ
浴のpHを調整するためのものであり、また、ドデシル
硫酸ナトリウムは界面活性剤である。
15.0mA/cm2 の電流密度で電解メッキを行って
磁性薄膜を成膜するものである。なお、ほう酸はメッキ
浴のpHを調整するためのものであり、また、ドデシル
硫酸ナトリウムは界面活性剤である。
【0008】この様に得られた磁性薄膜は、40wt%
<Co<70wt%,20wt%<Fe<40wt%,
10wt%<Ni<20wt%の範囲の組成で、体心立
方晶(bcc)構造のγ相と面心立方晶(fcc)構造
のα層の混晶である結晶構造を有したCoNiFeにお
いて、飽和磁束密度Bs >1.9Tで、且つ、困難軸方
向保持力Hch<2.5Oeという優れた特性が得られる
ことが知られている。また、この場合、一次光沢剤とし
てサッカリンナトリウム等の有機添加剤を添加した通常
のメッキ浴から成膜した磁性薄膜に比べて、孔食電位が
貴にシフトし、耐蝕性が優れていることが報告されてい
る。
<Co<70wt%,20wt%<Fe<40wt%,
10wt%<Ni<20wt%の範囲の組成で、体心立
方晶(bcc)構造のγ相と面心立方晶(fcc)構造
のα層の混晶である結晶構造を有したCoNiFeにお
いて、飽和磁束密度Bs >1.9Tで、且つ、困難軸方
向保持力Hch<2.5Oeという優れた特性が得られる
ことが知られている。また、この場合、一次光沢剤とし
てサッカリンナトリウム等の有機添加剤を添加した通常
のメッキ浴から成膜した磁性薄膜に比べて、孔食電位が
貴にシフトし、耐蝕性が優れていることが報告されてい
る。
【0009】この様にして得られた磁性薄膜の結晶構造
は、体心立方晶(bcc)構造のγ相と面心立方晶(f
cc)構造のα層の混晶であり、X線回折によりfcc
構造の(111),(200),(220)からの回折
線は得られるものであるが、(311),(222)の
回折線については報告されていない。
は、体心立方晶(bcc)構造のγ相と面心立方晶(f
cc)構造のα層の混晶であり、X線回折によりfcc
構造の(111),(200),(220)からの回折
線は得られるものであるが、(311),(222)の
回折線については報告されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の提案に
係る磁性薄膜において限定されてる組成範囲内において
は、必ずしも飽和磁束密度Bs >1.9Tの値が得られ
ないものであり、一方、高保磁力記録媒体用の磁気記録
ヘッドに適用するためにはBs >1.9Tが必須である
ので、限定されている組成範囲内においては再現性良く
高性能の磁気ヘッドを構成することができないという問
題がある。
係る磁性薄膜において限定されてる組成範囲内において
は、必ずしも飽和磁束密度Bs >1.9Tの値が得られ
ないものであり、一方、高保磁力記録媒体用の磁気記録
ヘッドに適用するためにはBs >1.9Tが必須である
ので、限定されている組成範囲内においては再現性良く
高性能の磁気ヘッドを構成することができないという問
題がある。
【0011】また、困難軸方向保磁力Hchに関しても、
高保磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するために
はHch<2.0Oeであることが必要であり、Hch<
2.5Oeでは不十分であるという問題がある。
高保磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するために
はHch<2.0Oeであることが必要であり、Hch<
2.5Oeでは不十分であるという問題がある。
【0012】また、磁気ヘッド用の材料特性としては、
飽和磁束密度Bs ,困難軸方向保磁力Hchと同じく耐蝕
性も大切であるが、上記の提案においては、どのような
組成範囲において優れた耐蝕性が得られるかについては
明確な言及が無いものであり、この点においても再現性
に欠けるものである。さらに、この様な耐蝕性について
は、熱処理によって向上する旨が記載されているが、こ
のような熱処理は、磁気ヘッドに使用されている他の材
料の特性劣化を引き起こす可能性があるとともに、熱処
理工程を余分に必要とするためコストアップや製造歩留
りの低下を引き起こすという可能性がある。
飽和磁束密度Bs ,困難軸方向保磁力Hchと同じく耐蝕
性も大切であるが、上記の提案においては、どのような
組成範囲において優れた耐蝕性が得られるかについては
明確な言及が無いものであり、この点においても再現性
に欠けるものである。さらに、この様な耐蝕性について
は、熱処理によって向上する旨が記載されているが、こ
のような熱処理は、磁気ヘッドに使用されている他の材
料の特性劣化を引き起こす可能性があるとともに、熱処
理工程を余分に必要とするためコストアップや製造歩留
りの低下を引き起こすという可能性がある。
【0013】したがって、本発明は優れた特性の得られ
る組成範囲及び結晶構造を特定することによって、高保
磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するための軟磁
性合金薄膜を提供することを目的とする。
る組成範囲及び結晶構造を特定することによって、高保
磁力記録媒体用の磁気記録ヘッドに適用するための軟磁
性合金薄膜を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の実施の形
態の組成範囲を表す相図であり、この図1を参照して本
発明における課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、軟磁性合金薄膜において、Co,N
i,Feからなり、Co 70Ni7 Fe23、Co60Ni11
Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni 10Fe
20を頂点とする四角形の領域に含まれる組成で表され、
且つ、面心立方晶構造の(111),(200),(2
20),(311),(222)の全ての回折線が得ら
れる結晶構造、或いは、面心立方晶構造の(111),
(200),(220),(311),(222)及び
体心立方晶構造の(110),(211)の全ての回折
線が得られる結晶構造のいずれかの結晶構造を有してい
ることを特徴とする。
態の組成範囲を表す相図であり、この図1を参照して本
発明における課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、軟磁性合金薄膜において、Co,N
i,Feからなり、Co 70Ni7 Fe23、Co60Ni11
Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni 10Fe
20を頂点とする四角形の領域に含まれる組成で表され、
且つ、面心立方晶構造の(111),(200),(2
20),(311),(222)の全ての回折線が得ら
れる結晶構造、或いは、面心立方晶構造の(111),
(200),(220),(311),(222)及び
体心立方晶構造の(110),(211)の全ての回折
線が得られる結晶構造のいずれかの結晶構造を有してい
ることを特徴とする。
【0015】この様に、Co70Ni7 Fe23、Co60N
i11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni10
Fe20を頂点とする四角形の領域に含まれる組成で、且
つ、上記の結晶構造・結晶性を有するCoNiFeを選
択することによって、困難軸方向保磁力Hch<2Oe、
飽和磁束密度Bs >1.9T、飽和磁歪λ<1×1
0 -5、100MHzまでの実効透磁率μ>700で、且
つ、熱処理無しでNiFeと同等の耐蝕性を有する軟磁
性合金薄膜を再現性良く得ることができ、磁気ヘッドの
高性能化及び低コスト化が可能になる。
i11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni10
Fe20を頂点とする四角形の領域に含まれる組成で、且
つ、上記の結晶構造・結晶性を有するCoNiFeを選
択することによって、困難軸方向保磁力Hch<2Oe、
飽和磁束密度Bs >1.9T、飽和磁歪λ<1×1
0 -5、100MHzまでの実効透磁率μ>700で、且
つ、熱処理無しでNiFeと同等の耐蝕性を有する軟磁
性合金薄膜を再現性良く得ることができ、磁気ヘッドの
高性能化及び低コスト化が可能になる。
【0016】(2)また、本発明は軟磁性合金薄膜の製
造方法において、上記(1)の軟磁性合金薄膜を製造す
る際に、光沢剤を含まないメッキ浴を用い、20nm/
分以上の成膜速度で成膜することを特徴とする。
造方法において、上記(1)の軟磁性合金薄膜を製造す
る際に、光沢剤を含まないメッキ浴を用い、20nm/
分以上の成膜速度で成膜することを特徴とする。
【0017】この様に、上記(1)の構成の軟磁性合金
薄膜を製造する場合には、耐蝕性を向上させるためにメ
ッキ浴として光沢剤を含まないメッキ浴を用いると共
に、困難軸方向保磁力Hchをより小さくするために、2
0nm/分以上の成膜速度で成膜することが重要とな
る。なお、メッキ膜のラフネスRa を改善するために、
界面活性剤を通常よりも多量に添加することが望まし
い。
薄膜を製造する場合には、耐蝕性を向上させるためにメ
ッキ浴として光沢剤を含まないメッキ浴を用いると共
に、困難軸方向保磁力Hchをより小さくするために、2
0nm/分以上の成膜速度で成膜することが重要とな
る。なお、メッキ膜のラフネスRa を改善するために、
界面活性剤を通常よりも多量に添加することが望まし
い。
【0018】(3)また、本発明は、上記(2)におい
て、導電性下地膜として、0.9T以上の飽和磁束密度
を有し、且つ、投影平均結晶粒径が20nm以下の軟磁
性膜を用いることを特徴とする。
て、導電性下地膜として、0.9T以上の飽和磁束密度
を有し、且つ、投影平均結晶粒径が20nm以下の軟磁
性膜を用いることを特徴とする。
【0019】この様に、優れた軟磁性特性を有する軟磁
性合金薄膜を得るためには、下地となる導電性下地膜と
してもパーマロイ以上の軟磁性特性を有することが必要
であり、また、導電性下地膜の投影平均結晶粒径が20
nmを越えると、メッキ膜、即ち、目的とする軟磁性合
金薄膜の初期成膜層の結晶粒径も大きくなり磁気特性が
低下するので、20nm以下であることが必要である。
なお、「投影平均結晶粒径」とは、透過型電子顕微鏡写
真から測定した平均粒径を意味する。
性合金薄膜を得るためには、下地となる導電性下地膜と
してもパーマロイ以上の軟磁性特性を有することが必要
であり、また、導電性下地膜の投影平均結晶粒径が20
nmを越えると、メッキ膜、即ち、目的とする軟磁性合
金薄膜の初期成膜層の結晶粒径も大きくなり磁気特性が
低下するので、20nm以下であることが必要である。
なお、「投影平均結晶粒径」とは、透過型電子顕微鏡写
真から測定した平均粒径を意味する。
【0020】
【発明の実施の形態】ここで、図1乃至図6を参照し
て、本発明の実施の形態の磁性薄膜の製造方法を説明す
る。本発明の実施の形態において用いるメッキ装置は、
従来技術として一般に用いられているパドル装置を用
い、このパドル装置によってメッキ浴を攪拌しながら電
解メッキを行うものであり、パドルの形状、磁性薄膜を
堆積させる基板との距離、即ち、カソードとの距離、及
び、回転速度等は必要に応じて任意に設定するものであ
り、特に限定されるものではない。
て、本発明の実施の形態の磁性薄膜の製造方法を説明す
る。本発明の実施の形態において用いるメッキ装置は、
従来技術として一般に用いられているパドル装置を用
い、このパドル装置によってメッキ浴を攪拌しながら電
解メッキを行うものであり、パドルの形状、磁性薄膜を
堆積させる基板との距離、即ち、カソードとの距離、及
び、回転速度等は必要に応じて任意に設定するものであ
り、特に限定されるものではない。
【0021】また、本発明の実施の形態に用いるメッキ
浴は、上述のサッカリンナトリウム等の有機添加剤、即
ち、光沢剤を含まないメッキ浴を用いる。即ち、メッキ
浴として、 硫酸コバルト(CoSO4 ・7H2 O) 0.204mol/リットル 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O) 0.48 mol/リットル 硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O) 0.036mol/リットル ほう酸(H3 BO3 ) 0.4 mol/リットル 塩化アンモニウム(NH4 Cl) 0.28 mol/リットル ドデシル硫酸ナトリウム 2g/リットル からなるメッキ浴を用い、pHをほう酸によって、2.
0〜3.5、例えば、2.3に調整するとともに、塩化
アンモニウムによって導電性を調整する。なお、このメ
ッキ浴には光沢剤が含まれていないので、界面活性剤で
あるドデシル硫酸ナトリウム、即ち、ラウリル硫酸ナト
リウムを通常よりも大量に添加してメッキ膜の凹凸、即
ち、ラフネスRa が小さくなるようにしている。
浴は、上述のサッカリンナトリウム等の有機添加剤、即
ち、光沢剤を含まないメッキ浴を用いる。即ち、メッキ
浴として、 硫酸コバルト(CoSO4 ・7H2 O) 0.204mol/リットル 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O) 0.48 mol/リットル 硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O) 0.036mol/リットル ほう酸(H3 BO3 ) 0.4 mol/リットル 塩化アンモニウム(NH4 Cl) 0.28 mol/リットル ドデシル硫酸ナトリウム 2g/リットル からなるメッキ浴を用い、pHをほう酸によって、2.
0〜3.5、例えば、2.3に調整するとともに、塩化
アンモニウムによって導電性を調整する。なお、このメ
ッキ浴には光沢剤が含まれていないので、界面活性剤で
あるドデシル硫酸ナトリウム、即ち、ラウリル硫酸ナト
リウムを通常よりも大量に添加してメッキ膜の凹凸、即
ち、ラフネスRa が小さくなるようにしている。
【0022】この様なメッキ浴を用いて電界メッキを行
うことなるが、基板としてAl2 O 3 −TiC基板を用
いるとともに、密着性を改善するために厚さが、例え
ば、10nmのTi膜をスパッタリング法によって成膜
したのち、メッキベース層として厚さが、例えば、50
nmの導電性軟磁性膜をスパッタリング法によって成膜
する。
うことなるが、基板としてAl2 O 3 −TiC基板を用
いるとともに、密着性を改善するために厚さが、例え
ば、10nmのTi膜をスパッタリング法によって成膜
したのち、メッキベース層として厚さが、例えば、50
nmの導電性軟磁性膜をスパッタリング法によって成膜
する。
【0023】この様なメッキベース層となる導電性軟磁
性膜としては、NiFe(Bs 〜0.9T)以上の飽和
磁束密度を有することが望ましいので、本発明の実施の
形態においては、飽和磁束密度Bs ≒1.7TのCo65
Ni20Fe15膜を用いた。また、この下地となる導電性
軟磁性膜の結晶粒径が大きいと、メッキ膜の初期層も下
地膜の結晶性に追随して結晶粒径が大きくなり、保磁力
Hc が大きくなって磁気特性が低下するので、導電性軟
磁性膜の結晶粒径を投影平均結晶粒径として20nm以
下にする必要があり、ここでは約10nmとしている。
性膜としては、NiFe(Bs 〜0.9T)以上の飽和
磁束密度を有することが望ましいので、本発明の実施の
形態においては、飽和磁束密度Bs ≒1.7TのCo65
Ni20Fe15膜を用いた。また、この下地となる導電性
軟磁性膜の結晶粒径が大きいと、メッキ膜の初期層も下
地膜の結晶性に追随して結晶粒径が大きくなり、保磁力
Hc が大きくなって磁気特性が低下するので、導電性軟
磁性膜の結晶粒径を投影平均結晶粒径として20nm以
下にする必要があり、ここでは約10nmとしている。
【0024】次いで、室温〜40℃、例えば、30℃の
温度で、5〜25mA/cm2 、例えば、10.0mA
/cm2 の電流密度で、400〔Oe〕以上の直流磁
界、例えば、400〔Oe〕の直流磁界中で電解メッキ
を行って下地となる導電性軟磁性膜上にCoNiFe軟
磁性合金薄膜を成膜した。即ち、インダクティブ薄膜磁
気ヘッドの磁極パターン幅が狭くなるほど強い磁場強度
を必要とするため、成膜時における直流磁界としては4
00〔Oe〕以上が必要となる。
温度で、5〜25mA/cm2 、例えば、10.0mA
/cm2 の電流密度で、400〔Oe〕以上の直流磁
界、例えば、400〔Oe〕の直流磁界中で電解メッキ
を行って下地となる導電性軟磁性膜上にCoNiFe軟
磁性合金薄膜を成膜した。即ち、インダクティブ薄膜磁
気ヘッドの磁極パターン幅が狭くなるほど強い磁場強度
を必要とするため、成膜時における直流磁界としては4
00〔Oe〕以上が必要となる。
【0025】図2参照 図2は、得られたCoNiFe軟磁性合金薄膜の保磁力
Hc の成膜速度組成依存性の説明図であり、図に示すよ
うに、困難軸方向保磁力Hchが2.0〔Oe〕以下にす
るためには、20nm/分以上にする必要があり、Hch
<1.0〔Oe〕にするためには、成膜速度を30nm
/分以上にする必要がある。即ち、成膜速度が20nm
/分以下にした場合には、成膜速度が遅いと成膜時に結
晶粒径が大きくなるためと考えられる。
Hc の成膜速度組成依存性の説明図であり、図に示すよ
うに、困難軸方向保磁力Hchが2.0〔Oe〕以下にす
るためには、20nm/分以上にする必要があり、Hch
<1.0〔Oe〕にするためには、成膜速度を30nm
/分以上にする必要がある。即ち、成膜速度が20nm
/分以下にした場合には、成膜速度が遅いと成膜時に結
晶粒径が大きくなるためと考えられる。
【0026】したがって、本発明の実施の形態において
は、20nm/分以上の成膜速度になるように、電流密
度、pH、メッキ浴温度を上記のように設定して成膜を
行うことになるが、この様な条件に設定することによっ
て、結晶成長が抑制されて微結晶となり、光沢性、即
ち、ラフネスRa と軟磁気特性が良好な磁性薄膜を得る
ことができる。
は、20nm/分以上の成膜速度になるように、電流密
度、pH、メッキ浴温度を上記のように設定して成膜を
行うことになるが、この様な条件に設定することによっ
て、結晶成長が抑制されて微結晶となり、光沢性、即
ち、ラフネスRa と軟磁気特性が良好な磁性薄膜を得る
ことができる。
【0027】上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜したの
ち、VSM(振動試料型磁化測定装置)を用いて飽和磁
束密度Bs 、困難軸方向保磁力Hchを測定するととも
に、光てこ法によって飽和磁歪λs を測定した。また、
電子線回折とX線回折によって、軟磁性合金薄膜の結晶
構造及び結晶性を評価し、また、アノード分極法によっ
て耐蝕性を評価した。
ち、VSM(振動試料型磁化測定装置)を用いて飽和磁
束密度Bs 、困難軸方向保磁力Hchを測定するととも
に、光てこ法によって飽和磁歪λs を測定した。また、
電子線回折とX線回折によって、軟磁性合金薄膜の結晶
構造及び結晶性を評価し、また、アノード分極法によっ
て耐蝕性を評価した。
【0028】図3参照 図3は、上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜した場合に
おける、飽和磁束密度Bs の組成依存性の説明図であ
り、Co76Ni 5Fe19からCo55Ni16Fe29へ斜め
に飽和磁束密度Bs =1.9Tのラインが走っており、
ラインより左下側、即ち、Feリッチな組成領域におい
てBs >1.9Tであることが理解される。
おける、飽和磁束密度Bs の組成依存性の説明図であ
り、Co76Ni 5Fe19からCo55Ni16Fe29へ斜め
に飽和磁束密度Bs =1.9Tのラインが走っており、
ラインより左下側、即ち、Feリッチな組成領域におい
てBs >1.9Tであることが理解される。
【0029】図4参照 図4は、上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜した場合に
おける、困難軸方向保磁力Hchの組成依存性の説明図で
あり、59wt%<Co<72wt%,6wt%<Ni
<16wt%,22.5wt%<Fe<28wt%の範
囲で、Hch<2〔Oe〕が満たされていることが理解さ
れる。
おける、困難軸方向保磁力Hchの組成依存性の説明図で
あり、59wt%<Co<72wt%,6wt%<Ni
<16wt%,22.5wt%<Fe<28wt%の範
囲で、Hch<2〔Oe〕が満たされていることが理解さ
れる。
【0030】図5参照 図5は、上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜した場合に
おける、飽和磁歪λsの組成依存性の説明図であり、F
e=19wt%に零磁歪ラインがあり、また、Co72N
i 5Fe23からCo55Ni14Fe31へ斜めにかけてλs
=1×10-5の磁歪ラインがある。磁気ヘッド材料の飽
和磁歪はできるだけ小さい方が望ましく、磁気ヘッドと
しての実績のあるNi50Fe50は、λs =2×10-5で
あり、これより小さければ適用可能であるので、λs =
1×10-5の磁歪ラインより右上の領域、即ち、Niリ
ッチの領域においてλs <1×10-5であることが理解
される。
おける、飽和磁歪λsの組成依存性の説明図であり、F
e=19wt%に零磁歪ラインがあり、また、Co72N
i 5Fe23からCo55Ni14Fe31へ斜めにかけてλs
=1×10-5の磁歪ラインがある。磁気ヘッド材料の飽
和磁歪はできるだけ小さい方が望ましく、磁気ヘッドと
しての実績のあるNi50Fe50は、λs =2×10-5で
あり、これより小さければ適用可能であるので、λs =
1×10-5の磁歪ラインより右上の領域、即ち、Niリ
ッチの領域においてλs <1×10-5であることが理解
される。
【0031】図6参照 図6は、上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜した場合に
おける、軟磁性合金薄膜の結晶構造及び結晶性の説明図
であり、fcc構造の(111),(200),(22
0),(311),(222)の全ての回折線が得られ
る組成領域、fcc構造の(111),(200),
(220),(311),(222)とbcc構造の
(110),(211)の全ての回折線が得られる組成
領域、及び、bcc回折線のみからなる、または、fc
cの低角の回折線とbcc回折線 からなる組成領域と
は明確に分かれている。なお、図において□のbcc
は、bcc回折線のみ、または、fccの低角の回折線
とbcc回折線とが見られる試料を表している。
おける、軟磁性合金薄膜の結晶構造及び結晶性の説明図
であり、fcc構造の(111),(200),(22
0),(311),(222)の全ての回折線が得られ
る組成領域、fcc構造の(111),(200),
(220),(311),(222)とbcc構造の
(110),(211)の全ての回折線が得られる組成
領域、及び、bcc回折線のみからなる、または、fc
cの低角の回折線とbcc回折線 からなる組成領域と
は明確に分かれている。なお、図において□のbcc
は、bcc回折線のみ、または、fccの低角の回折線
とbcc回折線とが見られる試料を表している。
【0032】これを、図3の困難軸方向保磁力Hchと合
わせて解釈すると、fcc構造の(111),(20
0),(220),(311),(222)の全ての回
折線が得られる組成領域、或いは、fcc構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)とbcc構造の(110),(211)の全ての回
折線が得られる組成領域であることが必要であり、fc
c構造の(311),(222)の回折線が見られない
結晶は結晶性が低いので優れた磁気特性が得られないも
のと考えられる。
わせて解釈すると、fcc構造の(111),(20
0),(220),(311),(222)の全ての回
折線が得られる組成領域、或いは、fcc構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)とbcc構造の(110),(211)の全ての回
折線が得られる組成領域であることが必要であり、fc
c構造の(311),(222)の回折線が見られない
結晶は結晶性が低いので優れた磁気特性が得られないも
のと考えられる。
【0033】図7参照 図7は、上記の条件で軟磁性合金薄膜を成膜した場合に
おける、軟磁性合金薄膜の耐蝕性の説明図であり、優れ
た耐蝕性を有するNiFeを基準として耐蝕性の良否を
示した。なお、この場合の耐蝕性の試験は、アノード分
極法に用いる電解液として、0.01NのKCl溶液
と、2.5wt%のNaCl水溶液の二つを用いて行っ
たが、ほぼ同様の結果が得られた。
おける、軟磁性合金薄膜の耐蝕性の説明図であり、優れ
た耐蝕性を有するNiFeを基準として耐蝕性の良否を
示した。なお、この場合の耐蝕性の試験は、アノード分
極法に用いる電解液として、0.01NのKCl溶液
と、2.5wt%のNaCl水溶液の二つを用いて行っ
たが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0034】即ち、Co<70wt%の組成領域で、N
iFeと同等或いはそれ以上の孔食電位を示し、良好な
耐蝕性が得られていることが理解される。また、この組
成領域は、図4の低困難軸方向保磁力の組成領域、或い
は、図5の低飽和磁歪の組成領域と重なっている。
iFeと同等或いはそれ以上の孔食電位を示し、良好な
耐蝕性が得られていることが理解される。また、この組
成領域は、図4の低困難軸方向保磁力の組成領域、或い
は、図5の低飽和磁歪の組成領域と重なっている。
【0035】再び、図1参照 図1は、図3乃至図7に基づいて、飽和磁束密度Bs >
1.9T,困難軸方向保磁力Hch<2.0〔Oe〕,飽
和磁歪λs <1×10-5の良好な軟磁気特性を示し、且
つ、NiFe並以上の良好な耐蝕性を示す範囲を定めた
ものであり、各頂点は、Co70Ni7 Fe23、Co60N
i11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni10
Fe20となる。
1.9T,困難軸方向保磁力Hch<2.0〔Oe〕,飽
和磁歪λs <1×10-5の良好な軟磁気特性を示し、且
つ、NiFe並以上の良好な耐蝕性を示す範囲を定めた
ものであり、各頂点は、Co70Ni7 Fe23、Co60N
i11Fe29、Co60Ni15Fe25、及び、Co70Ni10
Fe20となる。
【0036】また、この様な組成領域にあって、上記の
優れた特性を得るためには、図6に示した結晶構造及び
結晶性を有することが必須となる。即ち、この四角形の
組成領域にあっても、結晶性が良好でないと所期の特性
が得られないので、fcc構造の(111),(20
0),(220),(311),(222)の全ての回
折線が得られる組成領域、或いは、fcc構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)とbcc構造の(110),(211)の全ての回
折線が得られる組成領域であることが必要であり、この
様な結晶構造及び結晶性が得られるように下地膜を含め
て成膜条件を設定する必要があることが理解される。
優れた特性を得るためには、図6に示した結晶構造及び
結晶性を有することが必須となる。即ち、この四角形の
組成領域にあっても、結晶性が良好でないと所期の特性
が得られないので、fcc構造の(111),(20
0),(220),(311),(222)の全ての回
折線が得られる組成領域、或いは、fcc構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)とbcc構造の(110),(211)の全ての回
折線が得られる組成領域であることが必要であり、この
様な結晶構造及び結晶性が得られるように下地膜を含め
て成膜条件を設定する必要があることが理解される。
【0037】図8参照 図8は、上記の条件を全て満たした膜厚が0.66μm
の軟磁性合金薄膜の高周波透磁率の説明図であり、10
0MHzまでの実効透磁率μ′>700を達成し、優れ
た特性が得られていることが理解される。なお、図にお
けるμ″は、無効透磁率である。
の軟磁性合金薄膜の高周波透磁率の説明図であり、10
0MHzまでの実効透磁率μ′>700を達成し、優れ
た特性が得られていることが理解される。なお、図にお
けるμ″は、無効透磁率である。
【0038】したがって、上記の条件を全て満たす軟磁
性合金薄膜を誘導型(インダクティブ)薄膜磁気ヘッド
の少なくとも一部として用いることによって、高保磁力
磁気記録媒体、例えば、保磁力Hc が4000〔Oe〕
以上の磁気記録媒体への記録が可能になる。
性合金薄膜を誘導型(インダクティブ)薄膜磁気ヘッド
の少なくとも一部として用いることによって、高保磁力
磁気記録媒体、例えば、保磁力Hc が4000〔Oe〕
以上の磁気記録媒体への記録が可能になる。
【0039】また、上記の提案(特開平11−7412
2号公報)に比べて、成膜後に熱処理を行わなくてもN
iFe(パーマロイ)並以上の優れた耐蝕性が得られる
ので、インダクティブ薄膜磁気ヘッドの磁極の一部を本
発明の軟磁性合金薄膜と優れた耐蝕性を有するパーマロ
イ等の磁性薄膜との複合構造によって構成した場合に
も、耐蝕性が問題になることはない。
2号公報)に比べて、成膜後に熱処理を行わなくてもN
iFe(パーマロイ)並以上の優れた耐蝕性が得られる
ので、インダクティブ薄膜磁気ヘッドの磁極の一部を本
発明の軟磁性合金薄膜と優れた耐蝕性を有するパーマロ
イ等の磁性薄膜との複合構造によって構成した場合に
も、耐蝕性が問題になることはない。
【0040】例えば、上下の磁極層がライトコイルの中
心で結合したコ字状のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに
おいては、内側が本発明の軟磁性合金薄膜となる2層構
造で構成しても良いし、或いは、コア幅を狭めるために
上下磁極層の先端部、即ち、ライトポールにおいて上下
に互いに対向する幅細の突起を設けたチップドタイプの
磁極の場合には、この突起を本発明の軟磁性合金薄膜に
よって構成すれば良く、それによって、高保磁力磁気媒
体への記録が可能になり、記録密度の向上が達成され
る。
心で結合したコ字状のインダクティブ薄膜磁気ヘッドに
おいては、内側が本発明の軟磁性合金薄膜となる2層構
造で構成しても良いし、或いは、コア幅を狭めるために
上下磁極層の先端部、即ち、ライトポールにおいて上下
に互いに対向する幅細の突起を設けたチップドタイプの
磁極の場合には、この突起を本発明の軟磁性合金薄膜に
よって構成すれば良く、それによって、高保磁力磁気媒
体への記録が可能になり、記録密度の向上が達成され
る。
【0041】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるもの
ではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の実
施の形態におけるメッキ浴の組成は一例であり、必要と
するCo,Ni,Feの組成比に応じて硫酸コバルト、
硫酸ニッケル、及び、硫酸第一鉄の添加量は適宜変更す
るものであり、例えば、 硫酸コバルト(CoSO4 ・7H2 O)0.0425〜
0.425mol/l 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O)0.1 〜
0.438mol/l 硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O)0.0075〜
0.075mol/l の範囲で変更することが望ましい。
が、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるもの
ではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記の実
施の形態におけるメッキ浴の組成は一例であり、必要と
するCo,Ni,Feの組成比に応じて硫酸コバルト、
硫酸ニッケル、及び、硫酸第一鉄の添加量は適宜変更す
るものであり、例えば、 硫酸コバルト(CoSO4 ・7H2 O)0.0425〜
0.425mol/l 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O)0.1 〜
0.438mol/l 硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2 O)0.0075〜
0.075mol/l の範囲で変更することが望ましい。
【0042】また、本発明の実施の形態に用いるメッキ
浴には光沢剤が含まれていないので、界面活性剤である
ドデシル硫酸ナトリウムを通常よりも大量に添加してメ
ッキ膜の凹凸、即ち、ラフネスRa が小さくなるように
しているが、添加量は実施の形態に示した量の限られる
ものではなく、必要に応じて適宜決定すれば良いもので
ある。
浴には光沢剤が含まれていないので、界面活性剤である
ドデシル硫酸ナトリウムを通常よりも大量に添加してメ
ッキ膜の凹凸、即ち、ラフネスRa が小さくなるように
しているが、添加量は実施の形態に示した量の限られる
ものではなく、必要に応じて適宜決定すれば良いもので
ある。
【0043】また、上記の実施の形態においては、メッ
キ浴の導電性を高めるための試薬として塩化アンモニウ
ムを用いているが、塩化アンモニウムに限られるもので
はなく、塩化ナトリウム、或いは、硫酸アンモニウムを
添加しても良いものである。
キ浴の導電性を高めるための試薬として塩化アンモニウ
ムを用いているが、塩化アンモニウムに限られるもので
はなく、塩化ナトリウム、或いは、硫酸アンモニウムを
添加しても良いものである。
【0044】また、上記の各実施の形態の説明において
は、誘導型の薄膜磁気ヘッドの上部磁極層或いは下部磁
極層に用いることを前提に説明しているが、本発明はこ
の様な用途に限られるものではなく、再生専用の単独の
MRヘッドの上下の磁気シールド層として用いても良い
ものであり、更には、誘導型の薄膜磁気ヘッドとMRヘ
ッドを積層させた複合型薄膜磁気ヘッドの上下の磁気シ
ールド層及び上下の磁極層の全体若しくはその一部とし
て用いても良いものである。
は、誘導型の薄膜磁気ヘッドの上部磁極層或いは下部磁
極層に用いることを前提に説明しているが、本発明はこ
の様な用途に限られるものではなく、再生専用の単独の
MRヘッドの上下の磁気シールド層として用いても良い
ものであり、更には、誘導型の薄膜磁気ヘッドとMRヘ
ッドを積層させた複合型薄膜磁気ヘッドの上下の磁気シ
ールド層及び上下の磁極層の全体若しくはその一部とし
て用いても良いものである。
【0045】さらに、本発明は磁気ヘッドに用いる磁性
材料に限られるものではなく、例えば、磁気測定装置等
における磁気シールド材或いは磁気トランス等として用
いることができる。
材料に限られるものではなく、例えば、磁気測定装置等
における磁気シールド材或いは磁気トランス等として用
いることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、Co,Ni,Feから
なる軟磁性合金薄膜の組成範囲を限定すると共に、結晶
構造及び結晶性を限定しているので、光沢剤を添加する
ことなく、優れた磁気特性及び耐蝕性を有する軟磁性合
金薄膜を再現性良く得ることができ、それによって、磁
気記録能力を向上することができ、薄膜磁気ヘッドの高
周波化、高記録密度化に寄与し、ひいては、高性能HD
D装置の普及に寄与するところが大きい。
なる軟磁性合金薄膜の組成範囲を限定すると共に、結晶
構造及び結晶性を限定しているので、光沢剤を添加する
ことなく、優れた磁気特性及び耐蝕性を有する軟磁性合
金薄膜を再現性良く得ることができ、それによって、磁
気記録能力を向上することができ、薄膜磁気ヘッドの高
周波化、高記録密度化に寄与し、ひいては、高性能HD
D装置の普及に寄与するところが大きい。
【図1】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の組成範
囲を示す説明図である。
囲を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の保磁力
Hc の成膜速度依存性の説明図である。
Hc の成膜速度依存性の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の飽和磁
束密度Bs の組成依存性の説明図である。
束密度Bs の組成依存性の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の困難軸
方向保磁力Hchの組成依存性の説明図である。
方向保磁力Hchの組成依存性の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の飽和磁
歪λs の組成依存性の説明図である。
歪λs の組成依存性の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の結晶構
造及び結晶性の組成依存性の説明図である。
造及び結晶性の組成依存性の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の耐蝕性
の組成依存性の説明図である。
の組成依存性の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の軟磁性合金薄膜の高周波
透磁率の説明図である。
透磁率の説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 竹房 さなえ 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA03 CA06 DA04 5E049 AA04 AA09 BA12 LC01
Claims (3)
- 【請求項1】 Co,Ni,Feからなり、Co70Ni
7 Fe23、Co60Ni11Fe29、Co60Ni15Fe25、
及び、Co70Ni10Fe20を頂点とする四角形の領域に
含まれる組成で表され、且つ、面心立方晶構造の(11
1),(200),(220),(311),(22
2)の全ての回折線が得られる結晶構造、或いは、面心
立方晶構造の(111),(200),(220),
(311),(222)及び体心立方晶構造の(11
0),(211)の全ての回折線が得られる結晶構造の
いずれかの結晶構造を有していることを特徴とする軟磁
性合金薄膜。 - 【請求項2】 請求項1記載の軟磁性合金薄膜を製造す
る際に、光沢剤を含まないメッキ浴を用い、20nm/
分以上の成膜速度で成膜することを特徴とする軟磁性合
金薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 上記導電性下地膜として、0.9T以上
の飽和磁束密度を有し、且つ、投影平均結晶粒径が20
nm以下の軟磁性膜を用いることを特徴とする軟磁性合
金薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000007487A JP2001196225A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 軟磁性合金薄膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000007487A JP2001196225A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 軟磁性合金薄膜及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001196225A true JP2001196225A (ja) | 2001-07-19 |
Family
ID=18535872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000007487A Withdrawn JP2001196225A (ja) | 2000-01-17 | 2000-01-17 | 軟磁性合金薄膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001196225A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100640221B1 (ko) | 2005-03-08 | 2006-10-31 | 한국과학기술연구원 | 전기도금된 고특성 CoFeNi연자성합금 박막 및 그 제조방법 |
WO2010005168A2 (ko) * | 2008-07-11 | 2010-01-14 | (주)노바마그네틱스 | 자기유도형 비파괴 센서를 위한 코발트-니켈-철 삼원계 합금박막의 조성물 |
-
2000
- 2000-01-17 JP JP2000007487A patent/JP2001196225A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100640221B1 (ko) | 2005-03-08 | 2006-10-31 | 한국과학기술연구원 | 전기도금된 고특성 CoFeNi연자성합금 박막 및 그 제조방법 |
WO2010005168A2 (ko) * | 2008-07-11 | 2010-01-14 | (주)노바마그네틱스 | 자기유도형 비파괴 센서를 위한 코발트-니켈-철 삼원계 합금박막의 조성물 |
WO2010005168A3 (ko) * | 2008-07-11 | 2010-03-04 | (주)노바마그네틱스 | 자기유도형 비파괴 센서를 위한 코발트-니켈-철 삼원계 합금박막의 조성물 |
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Legal Events
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