JP2001291602A - 皮膜抵抗器 - Google Patents

皮膜抵抗器

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JP2001291602A
JP2001291602A JP2000103043A JP2000103043A JP2001291602A JP 2001291602 A JP2001291602 A JP 2001291602A JP 2000103043 A JP2000103043 A JP 2000103043A JP 2000103043 A JP2000103043 A JP 2000103043A JP 2001291602 A JP2001291602 A JP 2001291602A
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resistance
resistance value
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axial direction
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JP2000103043A
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Ryuji Kakehi
龍治 筧
Naoki Mita
尚樹 三田
Kenji Senda
謙治 仙田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矩形波状の通電に対する過負荷特性の優れた
皮膜抵抗器を提供することを目的とする。 【解決手段】 円柱状の絶縁基体11の表面に形成され
た抵抗皮膜12と、前記絶縁基体11の両端部に取り付
けられ、かつ前記抵抗皮膜12と電気的に接続されるキ
ャップ状の金属端子13とを備え、前記抵抗皮膜12
に、未修正部16aが前記絶縁基体11の軸方向の一直
線上に位置するように不連続の抵抗値修正溝16を施
し、かつこの抵抗値修正溝16における絶縁基体11の
軸方向の間隔を隣り合う抵抗値修正溝16の重複長さの
0%〜20%の範囲に設定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗値修正に改良
を加えて、過負荷特性を向上させた皮膜抵抗器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の皮膜抵抗器は、図9に示すよう
に、円柱状の絶縁基体1の表面に抵抗皮膜2を形成し、
かつ前記絶縁基体1の両端部に、前記抵抗皮膜2と電気
的に接続されるキャップ状の金属端子3を取り付け、そ
してこの金属端子3にはリード線4を接続し、さらに前
記キャップ状の金属端子3間に位置する抵抗皮膜2を少
なくとも覆うように保護皮膜5を設けた構成となってい
た。
【0003】そしてこの皮膜抵抗器においては、図10
に示すように、抵抗皮膜2に螺旋状の連続した抵抗値修
正溝6を施したり、図11に示すように絶縁基体1の軸
方向に対して傾斜した直線的な抵抗値修正溝7、すなわ
ちハーフカットを抵抗皮膜2に施すことにより、抵抗値
の修正を行うようにしていた。
【0004】また、不連続の抵抗値修正溝を施した皮膜
抵抗器としては、特開昭55−157203号公報に記
載されたものが知られている。すなわち、図12、図1
3に示すように、抵抗皮膜2に不連続の抵抗値修正溝
8,8aを施すことにより、抵抗値の修正を行うように
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
10に示したように、螺旋状の連続した抵抗値修正溝6
を抵抗皮膜2に施した皮膜抵抗器においては、8倍以下
の抵抗値修正倍率を得ようとした場合には、図14に示
すように螺旋状の抵抗値修正溝6が2回転に満たないた
め、この皮膜抵抗器に通電した場合、電流が図14の矢
印のようにAの部分に集中してこのAの部分が高温にな
り、皮膜抵抗器の過負荷特性を低下させるという問題点
を有していた。
【0006】また上記図11に示したように、絶縁基体
1の軸方向に対して傾斜した直線的な抵抗値修正溝7、
すなわちハーフカットを抵抗皮膜2に施した皮膜抵抗器
においては、抵抗値修正倍率の範囲が1倍〜1.5倍と
狭いため、目標とする抵抗値を得るために使用できる抵
抗値修正前の皮膜抵抗器の抵抗値範囲が狭いという問題
点を有していた。
【0007】そしてまた、上記図12、図13に示すよ
うな不連続の抵抗値修正溝8,8aを抵抗皮膜2に施し
た従来の皮膜抵抗器においては、上記図10に示した螺
旋状の連続した抵抗値修正溝6あるいは図11に示した
ハーフカットの抵抗値修正溝7では成し得ない、抵抗値
修正倍率の範囲が1.5倍〜8倍で、かつ過負荷特性が
優れている皮膜抵抗器を得ることが可能となる。しかし
ながら、図12に示す不連続の抵抗値修正溝8において
は、絶縁基体の軸方向に沿って隣り合う抵抗値修正溝8
の間隔が広く、かつ隣り合う抵抗値修正溝8の重複長さ
が短いため、この部分の抵抗値が低くなって矢印のよう
に電流が多く流れ込む。また図13に示す不連続の抵抗
値修正溝8aにおいては、未修正部の幅が部分的に狭い
ため、矢印のようにこの狭い部分に多くの電流が流れる
もので、このように比較的大きな電流が多岐に分流され
る不連続の抵抗値修正溝8,8aの構成では、この種の
皮膜抵抗器を採用した電気機器の電源がオンされた場合
などに発生する図15に示すような瞬間的に大きな電流
が皮膜抵抗器に流れることを想定した際に、図16に示
す矩形波状の通電に対する過負荷特性が劣るという問題
点を有していた。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、矩形波状の通電に対する過負荷特性の優れた皮膜抵
抗器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の皮膜抵抗器は、円柱状の絶縁基体の表面に形
成された抵抗皮膜と、前記絶縁基体の両端部に取り付け
られ、かつ前記抵抗皮膜と電気的に接続されるキャップ
状の金属端子と、少なくとも前記キャップ状の金属端子
間に位置する抵抗皮膜を覆うように設けられた保護皮膜
とを備え、前記抵抗皮膜に、未修正部が前記絶縁基体の
軸方向の一直線上に位置するように不連続の抵抗値修正
溝を施し、かつこの抵抗値修正溝における絶縁基体の軸
方向の間隔を隣り合う抵抗値修正溝の重複長さの0%〜
20%の範囲に設定したもので、この構成によれば、矩
形波状の通電に対する過負荷特性の優れた皮膜抵抗器を
得ることができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、円柱状の絶縁基体の表面に形成された抵抗皮膜と、
前記絶縁基体の両端部に取り付けられ、かつ前記抵抗皮
膜と電気的に接続されるキャップ状の金属端子と、少な
くとも前記キャップ状の金属端子間に位置する抵抗皮膜
を覆うように設けられた保護皮膜とを備え、前記抵抗皮
膜に、未修正部が前記絶縁基体の軸方向の一直線上に位
置するように不連続の抵抗値修正溝を施し、かつこの抵
抗値修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣り合う
抵抗値修正溝の重複長さの0%〜20%の範囲に設定し
たもので、この構成によれば、絶縁基体の軸方向に沿っ
て隣り合う抵抗値修正溝の間隔が狭く、かつ隣り合う抵
抗値修正溝の重複長さが長くなるため、この部分の抵抗
値は高くなり、これにより、通電時にこの部分に流れ込
む電流を少なくすることができるため、通電時における
電流は分流されにくくなって未修正部に集中して流れる
ことになり、これにより、矩形波状の通電に対する過負
荷特性を向上させることができるという作用を有するも
のである。
【0011】請求項2に記載の発明は、円柱状の絶縁基
体の表面に形成された抵抗皮膜と、前記絶縁基体の両端
部に取り付けられ、かつ前記抵抗皮膜と電気的に接続さ
れるキャップ状の金属端子と、少なくとも前記キャップ
状の金属端子間に位置する抵抗皮膜を覆うように設けら
れた保護皮膜とを備え、前記抵抗皮膜に、未修正部が前
記絶縁基体の軸方向に対して傾斜するように不連続の抵
抗値修正溝を施し、かつこの抵抗値修正溝における絶縁
基体の軸方向の間隔を隣り合う抵抗値修正溝の重複長さ
の0%〜10%の範囲に設定したもので、この構成によ
れば、未修正部が絶縁基体の軸方向に対して傾斜するよ
うに不連続の抵抗値修正溝を抵抗皮膜に施しているた
め、未修正部の長さを伸ばすことができ、これにより、
未修正部を一直線上に構成した請求項1に記載の皮膜抵
抗器と同等以上の未修正部幅を確保した上で抵抗値修正
倍率を6倍以上に上げることが可能となり、また抵抗値
修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣り合う抵抗
値修正溝の重複長さの0%〜10%の範囲に設定してい
るため、抵抗値修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔
は請求項1に記載の皮膜抵抗器に比べて狭くなり、これ
により、この部分の抵抗値はさらに高くなるため、通電
時にこの部分に流れ込む電流をさらに少なくすることが
でき、その結果、通電時における電流はさらに分流され
にくくなって未修正部に集中して流れることになるた
め、矩形波状の通電に対する過負荷特性を請求項1に記
載の皮膜抵抗器よりさらに向上させることができるとい
う作用を有するものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、円柱状の絶縁基
体の表面に形成された抵抗皮膜と、前記絶縁基体の両端
部に取り付けられ、かつ前記抵抗皮膜と電気的に接続さ
れるキャップ状の金属端子と、少なくとも前記キャップ
状の金属端子間に位置する抵抗皮膜を覆うように設けら
れた保護皮膜とを備え、前記抵抗皮膜に、未修正部が前
記絶縁基体の軸方向に対して屈曲するように不連続の抵
抗値修正溝を施し、かつこの抵抗値修正溝における絶縁
基体の軸方向の間隔を隣り合う抵抗値修正溝の重複長さ
の0%〜20%の範囲に設定したもので、この構成によ
れば、未修正部が絶縁基体の軸方向に対して屈曲するよ
うに不連続の抵抗値修正溝を抵抗皮膜に施しているた
め、従来のように螺旋状の連続した抵抗値修正溝を施す
ことにより未修正部が傾斜してコイル状になっている皮
膜抵抗器や、請求項2に記載した未修正部が傾斜するよ
うに不連続の抵抗値修正溝を施してなる皮膜抵抗器にお
いて通電時の電流が変化した場合に皮膜抵抗器自体に発
生していた誘導起電力、すなわち自己誘導現象も、屈曲
した未修正部における屈曲した部分の左右で相殺するこ
とができ、これにより、前記自己誘導現象を軽減するこ
とができるという作用を有するものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、円柱状の絶縁基
体の表面に形成された抵抗皮膜と、前記絶縁基体の両端
部に取り付けられ、かつ前記抵抗皮膜と電気的に接続さ
れるキャップ状の金属端子と、少なくとも前記キャップ
状の金属端子間に位置する抵抗皮膜を覆うように設けら
れた保護皮膜とを備え、前記抵抗皮膜に、未修正部の太
さが前記絶縁基体の両端部側より中央部側が太くなるよ
うに不連続の抵抗値修正溝を施し、かつこの抵抗値修正
溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣り合う抵抗値修
正溝の重複長さの0%〜20%の範囲に設定したもの
で、この構成によれば、未修正部の太さが絶縁基体の両
端部側より中央部側が太くなるように不連続の抵抗値修
正溝を抵抗皮膜に施しているため、抵抗値および通電に
よる発熱量が均一である請求項1〜3に記載の皮膜抵抗
器において結果的に発生する絶縁基体の両端部側と中央
部側の温度差は、中央部の未修正部を太くしたことによ
り小さくでき、これにより、通電時における皮膜抵抗器
の表面温度を均一化することができるため、短時間過負
荷特性および断続過負荷特性を向上させることができる
という作用を有するものである。
【0014】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1における皮膜抵抗器について、図面を参照しながら
説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態1における皮膜
抵抗器の断面図、図2は同皮膜抵抗器の斜視図、図3は
同皮膜抵抗器における保護皮膜とリード線がない状態の
斜視図である。
【0016】図1〜図3において、11は円柱状の絶縁
基体で、この絶縁基体11の表面には酸化錫等の導電材
料からなる抵抗皮膜12を形成している。13は前記抵
抗皮膜12と電気的に接続されるキャップ状の金属端子
で、この金属端子13は前記絶縁基体11の両端部に取
り付けられている。14は金属端子13に接続されたリ
ード線、15は少なくとも前記キャップ状の金属端子1
3間に位置する抵抗皮膜12を覆うように設けられた保
護皮膜である。16は絶縁基体11の両端部に位置する
金属端子13間に位置する抵抗皮膜12の抵抗値を調整
するための不連続の抵抗値修正溝で、この不連続の抵抗
値修正溝16は未修正部16aが絶縁基体11の軸方向
の一直線上に位置するように抵抗皮膜12に施されるも
のである。そしてこの抵抗値修正溝16における絶縁基
体11の軸方向の間隔は隣り合う抵抗値修正溝16の重
複長さの0%〜20%の範囲に設定しているものであ
る。
【0017】上記したように本発明の実施の形態1にお
いては、抵抗皮膜12に施した不連続の抵抗値修正溝1
6における絶縁基体11の軸方向の間隔を隣り合う抵抗
値修正溝16の重複長さの0%〜20%の範囲に設定し
ているため、絶縁基体11の軸方向に沿って隣り合う抵
抗値修正溝16の間隔は狭く、かつ隣り合う抵抗値修正
溝16の重複長さは長くなり、これにより、この部分の
抵抗値が高くなって、通電時にこの部分に流れ込む電流
を少なくすることができるため、電流は分流されにくく
なって未修正部16aに集中して流れることになり、こ
れにより、矩形波状の通電に対する過負荷特性を向上さ
せることができるものである。
【0018】(表1)は本発明の実施の形態1における
皮膜抵抗器の矩形波状の通電に対する過負荷特性と、従
来の皮膜抵抗器の矩形波状の通電に対する過負荷特性を
比較して示したものである。なお、この(表1)におけ
る限界電力は、個々の皮膜抵抗器に、印加時間/msの
矩形波状の通電を10秒間隔で1000回繰り返した
後、その電力を段階的に上昇させ、皮膜抵抗器の抵抗値
変化率が±5%を越えた時の矩形波状電力を測定したも
のである。
【0019】また上記矩形波状電力による皮膜抵抗器の
抵抗値変化は、図4に示す不連続の抵抗値修正溝16に
おける絶縁基体11の軸方向の間隔Wと隣り合う抵抗値
修正溝16の重複長さLで示す領域へ流れ込む電流が、
その領域の抵抗皮膜断面積に比例した許容電流値を越え
たために発生する抵抗皮膜破壊を示すものである。
【0020】
【表1】
【0021】(表1)から明らかなように、本発明の実
施の形態1における皮膜抵抗器は、電流の分流、すなわ
ち図4に示す不連続の抵抗値修正溝16における絶縁基
体11の軸方向の間隔Wと隣り合う抵抗値修正溝16の
重複長さLで示す領域へ流れ込む電流が少なく、電流は
未修正部16aに集中して流れるため、矩形波状の通電
に対する過負荷特性の点で従来のハーフカットの皮膜抵
抗器と同等の優れた特性を有している。
【0022】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2における皮膜抵抗器について、図面を参照しながら
説明する。
【0023】図5は本発明の実施の形態2における皮膜
抵抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図を示し
たもので、図3に示した本発明の実施の形態1における
皮膜抵抗器と同一部品については同一番号を付し、その
説明は省略する。
【0024】図5に示した本発明の実施の形態2におけ
る皮膜抵抗器が図3に示した本発明の実施の形態1にお
ける皮膜抵抗器と異なる点は、抵抗皮膜12に、未修正
部16bが絶縁基体11の軸方向に対して傾斜するよう
に不連続の抵抗値修正溝16を施し、かつこの抵抗値修
正溝16における絶縁基体11の軸方向の間隔を隣り合
う抵抗値修正溝16の重複長さの0%〜10%の範囲に
設定したものである。
【0025】上記したように本発明の実施の形態2にお
いては、未修正部16bが絶縁基体11の軸方向に対し
て傾斜するように不連続の抵抗値修正溝16を抵抗皮膜
12に施しているため、未修正部16bの長さを伸ばす
ことができ、これにより、未修正部16aを一直線上に
構成した本発明の実施の形態1における皮膜抵抗器と同
等以上の未修正部幅を確保した上で抵抗値修正倍率を6
倍以上に上げることが可能となるものである。
【0026】また抵抗皮膜12に施した不連続の抵抗値
修正溝16における絶縁基体11の軸方向の間隔を隣り
合う抵抗値修正溝16の重複長さの0%〜10%の範囲
に設定しているため、抵抗値修正溝16における絶縁基
体11の軸方向の間隔は、上記した本発明の実施の形態
1における皮膜抵抗器より狭くなり、これにより、この
部分の抵抗値はさらに高くなるため、通電時にこの部分
に流れ込む電流をさらに少なくすることができ、その結
果、電流はさらに分流されにくくなって未修正部16b
に集中して流れることになるため、矩形波状の通電に対
する過負荷特性を本発明の実施の形態1よりさらに向上
させることができるものである。
【0027】図6は本発明の実施の形態1および2にお
ける皮膜抵抗器の矩形波状の通電に対する過負荷特性
(印加電力)と、図4に示す不連続の抵抗値修正溝16
における絶縁基体11の軸方向の間隔Wと隣り合う抵抗
値修正溝16の重複長さLの比率W/Lの関係とを、抵
抗値修正倍率6倍と8倍を例にとってグラフ化したもの
である。
【0028】上記図6に示したグラフにおける印加電力
は、上記(表1)と同様に、個々の皮膜抵抗器に印加時
間/msの矩形波状の通電を10秒間隔で1000回繰
り返した後、その電力を段階的に上昇させ、皮膜抵抗器
の抵抗値変化率が±5%を越えた時の矩形波状電力を測
定したものである。
【0029】上記図6から明らかなように、W/L比が
小さい程、矩形波状の通電に対する過負荷特性(印加電
力)は上昇する傾向にあるもので、すなわち本発明の実
施の形態2における皮膜抵抗器のようにW/L比が0%
〜10%である皮膜抵抗器は、W/L比が10%〜20
%の領域で抵抗値修正倍率が6倍〜8倍の皮膜抵抗器に
比べて通電時における電流の分流がさらに少なくなり、
これにより、電流は未修正部に集中して流れるため、矩
形波状の通電に対する過負荷特性をさらに向上させるこ
とができるものである。
【0030】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3における皮膜抵抗器について、図面を参照しながら
説明する。
【0031】図7は本発明の実施の形態3における皮膜
抵抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図を示し
たもので、図3に示した本発明の実施の形態1における
皮膜抵抗器と同一部品については同一番号を付し、その
説明は省略する。
【0032】図7に示した本発明の実施の形態3におけ
る皮膜抵抗器が図3に示した本発明の実施の形態1にお
ける皮膜抵抗器と異なる点は、抵抗皮膜12に、未修正
部16cが絶縁基体11の軸方向に対して屈曲するよう
に不連続の抵抗値修正溝16を施し、かつこの抵抗値修
正溝16における絶縁基体11の軸方向の間隔を隣り合
う抵抗値修正溝16の重複長さの0%〜20%の範囲に
設定したものである。
【0033】上記したように本発明の実施の形態3にお
いては、未修正部16cが絶縁基体11の軸方向に対し
て屈曲するように不連続の抵抗値修正溝16を抵抗皮膜
12に施しているため、従来のように螺旋状の連続した
抵抗値修正溝を施すことにより未修正部が傾斜してコイ
ル状になっている皮膜抵抗器や、本発明の実施の形態2
のように未修正部16bが傾斜するように不連続の抵抗
値修正溝16を施している皮膜抵抗器において通電時の
電流が変化した場合に皮膜抵抗器自体に発生していた誘
導起電力、すなわち自己誘導現象も、屈曲した未修正部
16cにおける屈曲した部分の左右で相殺することがで
き、これにより、前記自己誘導現象を軽減することがで
きるという効果を有するものである。
【0034】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4における皮膜抵抗器について、図面を参照しながら
説明する。
【0035】図8は本発明の実施の形態4における皮膜
抵抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図を示し
たもので、図3に示した本発明の実施の形態1における
皮膜抵抗器と同一部品については同一番号を付し、その
説明は省略する。
【0036】図8に示した本発明の実施の形態4におけ
る皮膜抵抗器が図3に示した本発明の実施の形態1にお
ける皮膜抵抗器と異なる点は、抵抗皮膜12に、未修正
部16dの太さが絶縁基体11の両端部側より中央部側
が太くなるように不連続の抵抗値修正溝16を施し、か
つこの抵抗値修正溝16における絶縁基体11の軸方向
の間隔を隣り合う抵抗値修正溝16の重複長さの0%〜
20%の範囲に設定したものである。
【0037】上記したように本発明の実施の形態4にお
いては、未修正部16dの太さが絶縁基体11の両端部
側より中央部側が太くなるように不連続の抵抗値修正溝
16を抵抗皮膜12に施しているため、上記した本発明
の実施の形態1〜3のように抵抗値および通電による発
熱量が均一である皮膜抵抗器において結果的に発生する
絶縁基体11の両端部側と中央部側の温度差は、中央部
側の未修正部16dを太くしたことにより小さくでき、
これにより、通電時における皮膜抵抗器の表面温度を均
一化することができるため、短時間過負荷特性および断
続過負荷特性を向上させることができるという効果を有
するものである。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の皮膜抵抗器は、円
柱状の絶縁基体の表面に形成された抵抗皮膜と、前記絶
縁基体の両端部に取り付けられ、かつ前記抵抗皮膜と電
気的に接続されるキャップ状の金属端子と、少なくとも
前記キャップ状の金属端子間に位置する抵抗皮膜を覆う
ように設けられた保護皮膜とを備え、前記抵抗皮膜に、
未修正部が前記絶縁基体の軸方向の一直線上に位置する
ように不連続の抵抗値修正溝を施し、かつこの抵抗値修
正溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣り合う抵抗値
修正溝の重複長さの0%〜20%の範囲に設定したもの
で、この構成によれば、絶縁基体の軸方向に沿って隣り
合う抵抗値修正溝の間隔が狭く、かつ隣り合う抵抗値修
正溝の重複長さが長くなるため、この部分の抵抗値は高
くなり、これにより、通電時にこの部分に流れ込む電流
を少なくすることができるため、通電時における電流は
分流されにくくなって未修正部に集中して流れることに
なり、これにより、矩形波状の通電に対する過負荷特性
を向上させることができるという効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における皮膜抵抗器の断
面図
【図2】同皮膜抵抗器の斜視図
【図3】同皮膜抵抗器における保護皮膜とリード線がな
い状態の斜視図
【図4】同皮膜抵抗器における不連続の抵抗値修正溝の
間隔と隣り合う抵抗値修正溝の重複長さを表わす平面図
【図5】本発明の実施の形態2における皮膜抵抗器の保
護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図6】同皮膜抵抗器の矩形波状の通電に対する過負荷
特性(印加電力)と、不連続の抵抗値修正溝の間隔Wと
隣り合う抵抗値修正溝の重複長さLの比率W/Lの関係
を示すグラフ
【図7】本発明の実施の形態3における皮膜抵抗器の保
護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図8】本発明の実施の形態4における皮膜抵抗器の保
護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図9】従来の皮膜抵抗器の断面図
【図10】螺旋状の抵抗値修正溝を施した従来の皮膜抵
抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図11】ハーフカットの抵抗値修正溝を施した従来の
皮膜抵抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図12】不連続の抵抗値修正溝を施した従来の皮膜抵
抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図13】不連続の抵抗値修正溝を施した従来の皮膜抵
抗器の保護皮膜とリード線がない状態の斜視図
【図14】抵抗値修正倍率が8倍以下の螺旋状の抵抗値
修正溝を施した従来の皮膜抵抗器の保護皮膜とリード線
がない状態の斜視図
【図15】瞬間的に大きな電流が流れる状態を示す電力
波形図
【図16】矩形波状の通電に対する電力波形図
【符号の説明】
11 絶縁基体 12 抵抗皮膜 13 キャップ状の金属端子 15 保護皮膜 16 不連続の抵抗値修正溝 16a,16b,16c,16d 未修正部 W 抵抗値修正溝の間隔 L 抵抗値修正溝の重複長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仙田 謙治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E032 BA03 BB01 CA13 TA15 5E033 BB03 BC01 BD01 BF01 BG05 BH04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の絶縁基体の表面に形成された抵
    抗皮膜と、前記絶縁基体の両端部に取り付けられ、かつ
    前記抵抗皮膜と電気的に接続されるキャップ状の金属端
    子と、少なくとも前記キャップ状の金属端子間に位置す
    る抵抗皮膜を覆うように設けられた保護皮膜とを備え、
    前記抵抗皮膜に、未修正部が前記絶縁基体の軸方向の一
    直線上に位置するように不連続の抵抗値修正溝を施し、
    かつこの抵抗値修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔
    を隣り合う抵抗値修正溝の重複長さの0%〜20%の範
    囲に設定した皮膜抵抗器。
  2. 【請求項2】 円柱状の絶縁基体の表面に形成された抵
    抗皮膜と、前記絶縁基体の両端部に取り付けられ、かつ
    前記抵抗皮膜と電気的に接続されるキャップ状の金属端
    子と、少なくとも前記キャップ状の金属端子間に位置す
    る抵抗皮膜を覆うように設けられた保護皮膜とを備え、
    前記抵抗皮膜に、未修正部が前記絶縁基体の軸方向に対
    して傾斜するように不連続の抵抗値修正溝を施し、かつ
    この抵抗値修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣
    り合う抵抗値修正溝の重複長さの0%〜10%の範囲に
    設定した皮膜抵抗器。
  3. 【請求項3】 円柱状の絶縁基体の表面に形成された抵
    抗皮膜と、前記絶縁基体の両端部に取り付けられ、かつ
    前記抵抗皮膜と電気的に接続されるキャップ状の金属端
    子と、少なくとも前記キャップ状の金属端子間に位置す
    る抵抗皮膜を覆うように設けられた保護皮膜とを備え、
    前記抵抗皮膜に、未修正部が前記絶縁基体の軸方向に対
    して屈曲するように不連続の抵抗値修正溝を施し、かつ
    この抵抗値修正溝における絶縁基体の軸方向の間隔を隣
    り合う抵抗値修正溝の重複長さの0%〜20%の範囲に
    設定した皮膜抵抗器。
  4. 【請求項4】 円柱状の絶縁基体の表面に形成された抵
    抗皮膜と、前記絶縁基体の両端部に取り付けられ、かつ
    前記抵抗皮膜と電気的に接続されるキャップ状の金属端
    子と、少なくとも前記キャップ状の金属端子間に位置す
    る抵抗皮膜を覆うように設けられた保護皮膜とを備え、
    前記抵抗皮膜に、未修正部の太さが前記絶縁基体の両端
    部側より中央部側が太くなるように不連続の抵抗値修正
    溝を施し、かつこの抵抗値修正溝における絶縁基体の軸
    方向の間隔を隣り合う抵抗値修正溝の重複長さの0%〜
    20%の範囲に設定した皮膜抵抗器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7974359B2 (en) 2004-12-22 2011-07-05 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus for mitigating multi-antenna correlation effect in communication systems

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