JP2001291268A - 光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置 - Google Patents

光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置

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JP2001291268A
JP2001291268A JP2000106879A JP2000106879A JP2001291268A JP 2001291268 A JP2001291268 A JP 2001291268A JP 2000106879 A JP2000106879 A JP 2000106879A JP 2000106879 A JP2000106879 A JP 2000106879A JP 2001291268 A JP2001291268 A JP 2001291268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意のトラックピッチのディスクに対するラ
ンド/グルーブ判定 【解決手段】 メインビームとサブビームとを出射する
光源部202と、各ビームをディスクD1上に集光する
対物レンズ6と、ディスクD1からの反射光を受光する
光検出器11とを備え、光源部202は、メインビーム
とサブビームの対物レンズ6から集光点までの距離を少
なくともディスクD1のラジアル方向についてずらす回
折光学素子3を有し、光検出器11は、メインビームと
サブビームの各々に対する受光部21〜40を備えると
共に、サブビームに対する受光部29〜40は、当該サ
ブビームのラジアル方向の中央部分と両端部分とをそれ
ぞれ個別に受光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ヘッド装置およ
び光学式情報記録再生装置に係り、特に、ランド/グル
ーブ記録方式の光記録媒体に対して記録や再生を行うた
めの光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学式情報記録再生装置における高密度
化の方法の一つとして、光記録媒体に形成された溝の凹
部であるランドと凸部であるグルーブの両方に対して記
録や再生を行うランド/グルーブ記録が知られている。
【0003】ランド/グルーブ記録を行う光学式情報記
録再生装置においては、光記録媒体のランド(又はグル
ーブ)にアクセスを行う場合、トラックサーボの誤動作
を防ぐため、集光スポットが光記録媒体のランド(又は
グルーブ)上に位置することを確認してからトラックサ
ーボの引き込み動作を行うことが望ましい。このため、
集光スポットが光記録媒体のランド、グルーブのどちら
の上に位置するかを検出する機能(ランド/グルーブの
位置検出機能)が必要とされる。
【0004】図20に、ランド/グルーブの位置検出機
能を有する従来の光ヘッド装置の構成を示す。この光ヘ
ッド装置は、特開平9−288831号公報に記載され
ているものである。半導体レーザ174からの出射光は
コリメータレンズ175で平行光化され、回折光学素子
176により0次光、±1次回折光の3つの光に分割さ
れる。これらの光は偏光ビームスプリッタ177にP偏
光として入射してほぼ100%が透過し、1/4波長板
178を透過して直線偏光から円偏光に変換され、対物
レンズ179でディスクD1上に集光される。
【0005】さらに、ディスクD1からの3つの反射光
は対物レンズ179を逆向きに透過し、1/4波長板1
78を透過して円偏光から往路と偏光方向が直交した直
線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ177にS偏
光として入射してほぼ100%が反射され、円筒レンズ
181、球面レンズ182を透過して光検出器183で
受光される。光検出器183は円筒レンズ181、球面
レンズ182の2つの焦線の中間に設置されている。
【0006】図21にディスクD1上の集光スポットの
配置を示す。集光スポットL185,L186,L18
7は、それぞれ回折光学素子176からの0次光、+1
次回折光、−1次回折光に相当し、集光スポットL18
5はトラック184(例えばランドとする)上、集光ス
ポットL186はトラック184とその左側に隣接する
トラック(グルーブ)の境界上、集光スポットL187
はトラック184とその右側に隣接するトラック(グル
ーブ)の境界上に配置されている。
【0007】図22に、光検出器183の受光部のパタ
ーンと光検出器183上の光スポットの配置を示す。光
スポットL196は回折光学素子176からの0次光に
相当し、光軸を通るディスクD1のタンジェンシャル方
向に平行な分割線およびラジアル方向に平行な分割線で
4つに分割された受光部188〜191で受光される。
【0008】光スポットL197は回折光学素子176
からの+1次回折光に相当し、光軸を通るディスクD1
のタンジェンシャル方向に平行な分割線で2つに分割さ
れた受光部192、193で受光される。光スポットL
198は回折光学素子176からの−1次回折光に相当
し、光軸を通るディスクD1のタンジェンシャル方向に
平行な分割線で2つに分割された受光部194、195
で受光される。
【0009】ここで、ディスクD1上の集光スポットL
185〜L187の列はほぼタンジェンシャル方向であ
るが、円筒レンズ181および球面レンズ182の作用
により、光検出器183上においては光スポットL19
6〜L198はほぼラジアル方向に沿って並ぶ。
【0010】受光部188〜195からの出力をそれぞ
れV188〜V195で表わすと、フォーカス誤差信号
は非点収差法により、{(V188+V191)−(V
189+V190)}の演算から得られる。トラック誤
差信号はプッシュプル法により、{(V188+V19
0)−(V189+V191)}の演算から得られる。
【0011】さらに、ランド/グルーブの判別信号は
{(V192+V195)−(V193+V194)}の
演算から得られる。また、集光スポットL185による
再生信号は(V188+V189+V190+V19
1)の演算から得られる。
【0012】図23に、トラック誤差信号およびランド
/グルーブの判別信号に関わる各種の波形を示す。横軸
は集光スポットL185がディスクD1の溝を図21の
左側から右側へ横断する際の集光スポットと溝の位置ず
れ量であり、aは集光スポットL185がグルーブ上に
位置している状態、bは集光スポットL185がグルー
ブとランドの境界上に位置している状態、cは集光スポ
ットL185がランド上に位置している状態、dは集光
スポットL185がランドとグルーブの境界上に位置し
ている状態にそれぞれ対応している。
【0013】集光スポットL185によるプッシュプル
信号、すなわちトラック誤差信号である{(V188+
V190)−(V189+V191)}の波形は図23
(A)のようになる。
【0014】集光スポットL186は集光スポットL1
85に対してディスクD1の溝の1/4周期分だけ図2
1の左側にずれて配置されているため、集光スポットL
186によるプッシュプル信号である(V192−V1
93)の波形は図23(A)の波形に対して位相がπ/
2だけ遅れて図23(B)のようになる。
【0015】集光スポットL187は集光スポットL1
85に対してディスクD1の溝の1/4周期分だけ図2
1の右側にずれて配置されているため、集光スポットL
187によるプッシュプル信号である(V194−V1
95)の波形は図23(A)の波形に対して位相がπ/
2だけ進んで図23(C)のようになる。
【0016】図23(B)、図23(C)の波形は逆相
であるため、集光スポットL186,L187によるプ
ッシュプル信号の差、すなわちランド/グルーブの判別
信号である{(V192+V195)−(V193+V
194)}の波形は図23(D)のようになる。
【0017】集光スポットL185がディスクD1のグ
ルーブ上に位置している状態では、図23(A)に示す
トラック誤差信号は0であるが、図23(D)に示すラ
ンド/グルーブの判別信号は正の値をとる。一方、集光
スポットL185がディスクD1のランド上に位置して
いる状態では、図23(A)に示すトラック誤差信号は
0であるが、図23(D)に示すランド/グルーブの判
別信号は負の値をとる。従って、ランド/グルーブの判
別信号の符号により、集光スポットL185がディスク
D1のランド、グルーブのどちらの上に位置するかを検
出することが可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】図20に示す従来の光
ヘッド装置においては、ランド/グルーブの位置検出を
行うため、両端の集光スポットL186、L187が中
心の集光スポットL185に対してディスクD1の溝の
1/4周期分(ランド幅又はグルーブ幅の半分)だけ互
いに逆向きにずれて配置されている。しかし、ディスク
D1とトラックピッチの異なるディスクに対しては、3
つの集光スポットL185〜L187をこのように配置
することができないため、ランド/グルーブの位置検出
を行うことができない。
【0019】一方、任意のトラックピッチのディスクに
対してランド/グルーブの位置検出を行うことができる
光ヘッド装置として、特開平11−134677号公報
に記載されている光ヘッド装置がある。しかし、この光
ヘッド装置においては、分割線により複数の領域に分割
されている回折光学素子を用いているため、分割線を入
射光の光軸に対して所定の位置に合わせるための回折光
学素子の面内の位置調整が極めて困難である。
【0020】
【発明の目的】本発明の目的は、ランド/グルーブの位
置検出機能を有する従来の光ヘッド装置における上に述
べた課題を解決し、任意のトラックピッチのディスクに
対してランド/グルーブの位置検出を行うことができる
こと、さらには、光学素子の位置調整が簡単な光ヘッド
装置および光学式情報記録再生装置を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の光ヘッド装置お
よび光学式情報記録再生装置は、メインビームとサブビ
ームとを出射する光源部と、各ビームを光記録媒体上に
集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を受光
する光検出器とを備えている。
【0022】そして、光源部は、メインビームとサブビ
ームの対物レンズから集光点までの距離を少なくとも光
記録媒体のラジアル方向についてずらす光学素子を有し
ている。なお、この光学素子は、集光点を光軸とラジア
ル方向を含む断面内で光軸方向にずらすのであって、ラ
ジアル方向に沿って集光点の位置をずらすものではな
い。
【0023】また、光検出器は、メインビームとサブビ
ームの各々に対する受光部を備えると共に、サブビーム
に対する受光部は、当該サブビームのラジアル方向の中
央部分と両端部分とをそれぞれ個別に受光する。
【0024】上記構成によれば、メインビームの集光ス
ポットは光記録媒体上に焦点を結んでいるため、集光ス
ポットが光記録媒体のグルーブ上に位置している状態で
もランド上に位置している状態でも、光記録媒体で反射
されたメインビームのラジアル方向における強度分布は
同じである。
【0025】これに対し、サブビームは集光点が光記録
媒体上からずれている状態で当該光記録媒体上に集光ス
ポットが形成されているので、集光スポットが光記録媒
体のランド上に位置している状態とグルーブ上に位置し
ている状態では、光記録媒体で反射されたサブビームの
ラジアル方向における強度分布は当該ラジアル方向中央
部と両端部とでは異なっている。すなわち、光記録媒体
よりも遠方又は手前に集光点がある状態では、光記録媒
体のラジアル方向における中心部の強度に対して周辺部
の強度が相対的に強くなり、また或いは光記録媒体のラ
ジアル方向における中心部の強度に対して周辺部の強度
が相対的に弱くなる。そこで、光記録媒体で反射された
サブビームの光記録媒体のラジアル方向における中心部
の強度と周辺部の強度の差からランド/グルーブの判別
信号が得られる。
【0026】上記構成によれば、例えば従来のようにラ
ンド幅又はグルーブ幅の半分だけラジアル方向にずらし
てサブビームを照射する必要がなく、例えば、メインビ
ームとサブビームとを同一のトラック上に照射してもラ
ンド/グルーブの判別が可能であるため、トラックピッ
チにかかわらず多様な光記録媒体に対応することができ
る。
【0027】なお、上述のサブビームについては、メイ
ンビームと比較して、少なくともラジアル方向について
のみ集光点がずれて、タンジェンシャル方向についての
集光点は一致していても良い(例えば、集光スポットが
非点隔差を有する場合)。
【0028】また、上記構成の光ヘッド装置を有する光
学式情報記録再生装置においては、光記録媒体のランド
(又はグルーブ)にアクセスを行う場合、トラックサー
ボの暴走を防ぐため、メインビームの集光スポットが光
記録媒体のランド(又はグルーブ)上に位置することを
確認してからトラックサーボの引き込み動作を行う。
【0029】また、本発明の光ヘッド装置及び光学式情
報記録再生装置においては、サブビームの集光スポット
を光記録媒体上でラジアル方向に僅かにデフォーカスさ
せるための光学素子として、単一の領域からなる光学素
子を用いることができるため、光学素子の面内の位置調
整が簡単である。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1乃至図1
2に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。図1
に、本実施形態たる光学式情報記録再生装置1のブロッ
ク図を示す。この光学式情報記録再生装置1は、光ヘッ
ド装置10と、この光ヘッド装置10を介してフォーカ
シング及びトラッキングを行うヘッド駆動手段(図示
略)と、このヘッド駆動手段の動作制御手段200と、
後述する光検出器11の出力に基づいてトラック誤差信
号,フォーカス誤差信号,ランド/グルーブの判別信号
及び再生信号を生成する信号処理回路201とを備えて
いる。
【0031】上記光ヘッド装置10は、メインビームと
サブビームとを出射する光源部202を備えている。こ
の光源部202は、単一のレーザ光を出射する光源とし
ての半導体レーザ7と、この半導体レーザ7の出射光を
平行光化するコリメータレンズ2と、この平行光をメイ
ンビームである0次光、サブビームである±1次回折光
の3つの光に分割する回折光学素子3とから構成されて
いる。
【0032】さらに、光ヘッド装置10は、各ビームを
透過させる偏光ビームスプリッタ4と、この偏光ビーム
スプリッタ4の透過光を直線偏光から円偏光に変換する
1/4波長板5と、この1/4波長板5の透過光をディスクD
1上に集光する対物レンズ6と、ディスクD1からの反
射光を所定の複数受光部に分割された受光面にて受光し
各光強度を出力する光検出器11と、光検出器の手前に
配設されて反射光を分割し光検出器11の各受光部に導
くホログラム光学素子8とを備えている。
【0033】かかる構成により、光源部202から出射
された各ビームは偏光ビームスプリッタ4にP偏光とし
て入射してほぼ100%が透過し、1/4波長板5を透過
して直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ6でデ
ィスクD1上に集光される。ディスクD1からの3つの
反射光は対物レンズ6を逆向きに透過し、1/4波長板5
を透過して円偏光から往路と偏光方向が直交した直線偏
光に変換され、偏光ビームスプリッタ4にS偏光として
入射してほぼ100%が反射され、ホログラム光学素子
8で+1次回折光として大部分が回折され、レンズ9を
透過して光検出器11で受光される。
【0034】上記回折光学素子3を図2及び図3に基づ
いて詳説する。図2は回折光学素子3の平面図である。
回折光学素子3は、図中に点線の円で示す対物レンズ6
の有効径を含む領域に回折格子が形成された構成であ
る。回折格子における格子の方向はディスクD1の半径
方向R(ラジアル方向)にほぼ平行であり且つ各格子の
パターンは同心の円弧状に設定されている。各円弧の中
心は、回折光学素子3の外部であってディスクD1の接
線方向T(タンジェンシャル方向)の下側に位置してい
る。
【0035】格子のライン部とスペース部の位相差を例
えば0.232πとすると、入射光は0次光として約8
7.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.
1%が回折される。図2の上側に回折される光を+1次
回折光、図2の下側に回折される光を−1次回折光とす
ると、回折光学素子3は+1次回折光に対しては凹レン
ズの働きをし、−1次回折光に対しては凸レンズの働き
をする。
【0036】図3にディスクD1上の集光スポットの配
置を示す。図3(A)はディスクD1にレーザ光を照射
する方向から見た平面図、図3(B)は図3(A)の右
方から見た側方断面図である。集光スポットL12,L
13,L14は、それぞれ回折光学素子3からの0次
光、+1次回折光、−1次回折光に相当し、図3(A)
に示すように、3つの集光スポットL12〜L14は同
一のトラックD2(ここではグルーブとする)上に配置
されている。回折光学素子3がレンズパワーを有してい
るため、図3(B)に示すように、メインビームである
集光スポットL12はディスクD1上に焦点を結んでい
るが、サブビームである集光スポットL13,L14は
ディスクD1上で僅かにデフォーカスしている。
【0037】即ち、前述した回折光学素子3は、各ビー
ムをディスクD1上に集光する際の対物レンズ6から集
光点までの距離を、+1次回折光については0次光より
も長く延ばし、−1次回折光については0次光よりも短
縮する機能を有している。このため、集光スポットL1
3は入射側から見て集光点の手前に位置し、集光スポッ
トL14は入射側から見て集光点よりも遠方に位置して
いる。このメインビームと各サブビームとの対物レンズ
6から集光点までの距離の差は、本実施形態では、0.1
〜1.0[μm]であり、望ましくは0.5[μm]程度である。こ
のように、対物レンズ6から集光点までの距離がずれて
いるので、サブビームである集光スポットL13,L1
4は、メインビームである集光スポットL12に比べて
径がやや大きい。
【0038】なお、図3(A)に示すように、回折光学
素子3は、各集光スポットL12,L13,L14がデ
ィスクD1の同一のトラックD2上に並ぶようにその向
きが設定されている。
【0039】次に、上述したホログラム光学素子8につ
いて詳説する。図4はホログラム光学素子8の平面図で
ある。ホログラム光学素子8は、光が入射する側の面
(入射面)と光が出射する側の面(出射面)の両方に回
折格子が形成された構成である。図4(A)は入射面を
光が入射する側から見た平面図である。入射面に形成さ
れた回折格子は図中に点線の円で示す対物レンズ6の有
効径を含み、ディスクD1の半径方向Rに平行な分割線
で領域15,16の2つに分割されている。
【0040】回折格子における格子の方向は領域15,
16のいずれにおいてもディスクD1の接線方向Tに平
行であり、格子のパターンは領域15,16のいずれに
おいても等間隔の直線状である。また、領域15と領域
16における格子間隔は等しい。
【0041】さらに、格子の断面形状は領域15,16
のいずれにおいても鋸歯状である。鋸歯の上部と下部の
位相差を2πとすると、各領域への入射光は+1次回折
光としてそれぞれほぼ100%が回折される。領域15
における鋸歯の向きは図の左側に回折される光が+1次
回折光になるように設定されており、領域16における
鋸歯の向きは図の右側に回折される光が+1次回折光に
なるように設定されている。
【0042】一方、図4(B)は出射面を光が入射する
側から見た平面図である。出射面に形成された回折格子
は図中に点線の円で示す対物レンズ6の有効径を含み、
ディスクD1の接線方向Tに平行な3本の分割線で領域
17〜20の4つに分割されている。
【0043】回折格子における格子の方向は領域17〜
20のいずれにおいてもディスクD1の接線方向Tに平
行であり、格子のパターンは領域17〜20のいずれに
おいても等間隔の直線状である。領域17と領域20に
おける格子間隔は等しく、また領域18と領域19にお
ける格子間隔は等しい。そして、前者は後者に比べて狭
い。
【0044】さらに、格子の断面形状は領域17〜20
のいずれにおいても鋸歯状である。これら鋸歯の上部と
下部の位相差を2πとすると、各領域への入射光は+1
次回折光としてそれぞれほぼ100%が回折される。領
域17,18における鋸歯の向きは図の左側に回折され
る光が+1次回折光になるように設定されており、領域
19,20における鋸歯の向きは図の右側に回折される
光が+1次回折光になるように設定されている。なお、
ホログラム光学素子8における入射面に形成された回折
格子と出射面に形成された回折格子は互いに入れ換える
ことも可能である。
【0045】次に、上述した光検出器11について詳説
する。図5に、光検出器11の受光部のパターンと光検
出器11上の光スポットの配置を示す。
【0046】光検出器11の受光部の内,受光部21〜
28はメインビームの受光部であり、受光部21〜24
がホログラム光学素子8の領域15による+1次回折光
の受光部であって、受光部25〜28が領域16による
+1次回折光の受光部である。受光部21〜24及び受
光部25〜28は、それぞれ長方形状の受光部が互いに
交差するタンジェンシャル方向Tに沿った分割線とラジ
アル方向Rに沿った分割線とにより四分割されて形成さ
れている。
【0047】これに対して、光スポットL41は回折光
学素子3からの0次光のうちホログラム光学素子8の領
域15からの+1次回折光であって領域17からの+1
次回折光に相当し、受光部21,22の境界線上に集光
される。
【0048】光スポットL42は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域15からの+
1次回折光であって領域18からの+1次回折光に相当
し、受光部21,22の境界線上に集光される。
【0049】光スポットL43は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域15からの+
1次回折光であって領域19からの+1次回折光に相当
し、受光部23、24の境界線上に集光される。
【0050】光スポットL44は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域15からの+
1次回折光であって領域20からの+1次回折光に相当
し、受光部23、24の境界線上に集光される。
【0051】光スポットL45は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域16からの+
1次回折光であって領域17からの+1次回折光に相当
し、受光部25、26の境界線上に集光される。
【0052】光スポットL46は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域16からの+
1次回折光であって領域18からの+1次回折光に相当
し、受光部25、26の境界線上に集光される。
【0053】光スポットL47は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域16からの+
1次回折光であって領域19からの+1次回折光に相当
し、受光部27、28の境界線上に集光される。
【0054】光スポットL48は回折光学素子3からの
0次光のうちホログラム光学素子8の領域16からの+
1次回折光であって領域20からの+1次回折光に相当
し、受光部27、28の境界線上に集光される。
【0055】光検出器11の受光部の内,受光部29〜
34は回折光学素子3による+1次回折光であるサブビ
ームの受光部であり、受光部29〜31がホログラム光
学素子8の領域15による+1次回折光の受光部であっ
て、受光部32〜34が領域16による+1次回折光の
受光部である。受光部29〜31及び受光部32〜34
は、それぞれラジアル方向Rに沿った長方形状の受光部
のラジアル方向両端部をそれぞれタンジェンシャル方向
Tに沿った二本の分割線により分割して形成されてい
る。
【0056】即ち、受光部30は領域15により分割さ
れた+1次回折光のさらにラジアル方向の中央部分を受
光し、各受光部29,31はラジアル方向の両端部分を
それぞれ個別に受光する。また、受光部33は領域16
により分割された+1次回折光のさらにラジアル方向の
中央部分を受光し、各受光部32,34はラジアル方向
の両端部分をそれぞれ個別に受光する。
【0057】一方、光スポットL49は回折光学素子3
からの+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域
15からの+1次回折光であって領域17からの+1次
回折光に相当し、受光部29上に集光される。
【0058】光スポットL50は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域18からの+1次回折光
に相当し、受光部30上に集光される。
【0059】光スポットL51は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域19からの+1次回折光
に相当し、受光部30上に集光される。
【0060】光スポットL52は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域20からの+1次回折光
に相当し、受光部31上に集光される。
【0061】光スポットL53は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域17からの+1次回折光
に相当し、受光部32上に集光される。
【0062】光スポットL54は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域18からの+1次回折光
に相当し、受光部33上に集光される。
【0063】光スポットL55は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域19からの+1次回折光
に相当し、受光部33上に集光される。
【0064】光スポットL56は回折光学素子3からの
+1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域20からの+1次回折光
に相当し、受光部34上に集光される。
【0065】光検出器11の受光部の内,受光部35〜
40は回折光学素子3による−1次回折光であるサブビ
ームの受光部であり、受光部35〜37がホログラム光
学素子8の領域15による+1次回折光の受光部であっ
て、受光部38〜40が領域16による+1次回折光の
受光部である。受光部35〜37及び受光部38〜40
は、それぞれラジアル方向Rに沿った長方形状の受光部
のラジアル方向両端部をそれぞれタンジェンシャル方向
Tに沿った二本の分割線により分割して形成されてい
る。
【0066】即ち、受光部36は領域15により分割さ
れた−1次回折光のさらにラジアル方向の中央部分を受
光し、各受光部35,37はラジアル方向の両端部分を
それぞれ個別に受光する。また、受光部39は領域16
により分割された−1次回折光のさらにラジアル方向の
中央部分を受光し、各受光部38,40はラジアル方向
の両端部分をそれぞれ個別に受光する。
【0067】一方、光スポットL57は回折光学素子3
からの−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域
15からの+1次回折光であって領域17からの+1次
回折光に相当し、受光部35上に集光される。
【0068】光スポットL58は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域18からの+1次回折光
に相当し、受光部36上に集光される。
【0069】光スポットL59は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域19からの+1次回折光
に相当し、受光部36上に集光される。
【0070】光スポットL60は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域15か
らの+1次回折光であって領域20からの+1次回折光
に相当し、受光部37上に集光される。
【0071】光スポットL61は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域17からの+1次回折光
に相当し、受光部38上に集光される。
【0072】光スポットL62は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域18からの+1次回折光
に相当し、受光部39上に集光される。
【0073】光スポットL63は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域19からの+1次回折光
に相当し、受光部39上に集光される。
【0074】光スポットL64は回折光学素子3からの
−1次回折光のうちホログラム光学素子8の領域16か
らの+1次回折光であって領域20からの+1次回折光
に相当し、受光部40上に集光される。
【0075】次に、信号処理回路201について説明す
る。光検出器11の各受光部21〜40は、それぞれ受
光した光強度に応じた電流を出力する。各受光部21〜
40からの出力をそれぞれV21〜V40で表わすと、
信号処理回路201は、フォーカス誤差信号をフーコー
法により、(V21+V23+V26+V28)−(V
22+V24+V25+V27)の演算から算出し、動
作制御手段200に出力する。また、信号処理回路20
1は、トラック誤差信号をプッシュプル法により、(V
21+V22+V25+V26)−(V23+V24+
V27+V28)の演算から算出し、動作制御手段20
0に出力する。さらに、信号処理回路201は、再生信
号を、V21+V22+V23+V24+V25+V2
6+V27+V28の演算から算出し、例えば、光学式
情報記録再生装置1が接続された上位装置に出力する。
【0076】さらに、信号処理回路201は、光検出器
11における回折光学素子3からの±1次回折光(サブ
ビーム)の各受光部29〜40の出力に基づいてディス
クD1上の回折光学素子3からの0次光(メインビー
ム)の集光スポットL12がランド又はグルーブのいず
れに位置しているかの判別信号を生成する判別信号生成
部203を有している。
【0077】ランド/グルーブの判別信号は、(V29
+V31+V32+V34)−(V30+V33)、
(V35+V37+V38+V40)−(V36+V3
9)、又は(V29+V31+V32+V34+V36
+V39)−(V30+V33+V35+V37+V3
8+V40)のいずれかの演算からも算出することがで
きるが、本実施形態では、判別信号生成部203では、
(V29+V31+V32+V34+V36+V39)
−(V30+V33+V35+V37+V38+V4
0)の演算からランド/グルーブの判別信号を算出す
る。
【0078】以下、ランド/グルーブの判別信号が上記
各式から求められる理由を図6乃至図12に基づいて説
明する。図6にディスクD1上の集光スポットL12に
対するディスクD1からの0次光,±1次回折光の位置
関係を示し、図7に集光スポットL12とトラックD2
の位置ずれに伴うディスクD1からの0次光,±1次回
折光の位相の変化を示す。集光スポットL12は光ビー
ムL65により形成され、ディスクD1上に焦点を結ん
でいる。このため、0次光、±1次回折光の波面(等位
相面)は平面となる。
【0079】図7(A)では、光ビームL65がグルー
ブD3上に照射されている。このとき、図7(B)に示
すように、0次光の位相を0とすると、±1次回折光の
位相は共に−π/2となる。図7(C)では、光ビーム
L65がグルーブD3とランドD4の境界上に照射され
ている。このとき、図7(D)に示すように、図7
(B)の状態に対し+1次回折光の位相はπ/2遅れ、
−1次回折光の位相はπ/2進む。従って、0次光の位
相を0とすると、+1次回折光の位相はπ又は−π、−
1次回折光の位相は0となる。
【0080】図7(E)では、光ビームL65がランド
D4上に照射されている。このとき、図7(F)に示す
ように、図7(D)の状態に対し+1次回折光の位相は
π/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。従っ
て、0次光の位相を0とすると、±1次回折光の位相は
共にπ/2となる。図7(G)では、光ビームL65が
ランドD4とグルーブD3の境界上に照射されている。
このとき、図7(H)に示すように、図7(F)の状態
に対し+1次回折光の位相はπ/2遅れ、−1次回折光
の位相はπ/2進む。従って、0次光の位相を0とする
と、+1次回折光の位相は0、−1次回折光の位相はπ
又は−πとなる。
【0081】上述の如く、光ビームL65の移動に伴
い、0次光と+1次回折光の重なる領域L68と0次光
と−1次回折光の重なる領域L69(図6参照)におけ
る強度は以下のようになる。
【0082】図7(A)の状態では図7(B)に示すよ
うに、0次光と±1次回折光の位相差は共にπ/2であ
るため、領域L68と領域L69における強度は等し
い。図7(C)の状態では図7(D)に示すように、0
次光と+1次回折光の位相差はπで干渉により弱め合
い、0次光と−1次回折光の位相差は0で干渉により強
め合うため、領域L68における強度は領域L69にお
ける強度に比べて弱い。
【0083】図7(E)の状態では図7(F)に示すよ
うに、0次光と±1次回折光の位相差は共にπ/2であ
るため、領域L68と領域L69における強度は等し
い。図7(G)の状態では図7(H)に示すように、0
次光と+1次回折光の位相差は0で干渉により強め合
い、0次光と−1次回折光の位相差はπで干渉により弱
め合うため、領域L68における強度は領域L69にお
ける強度に比べて強い。
【0084】図8にディスクD1上の集光スポットL1
3に対するディスクD1からの0次光,±1次回折光の
位置関係を示し、図9に集光スポットL13とトラック
D2の位置ずれに伴うディスクD1からの0次光,±1
次回折光の位相の変化を示す。集光スポットL13は光
ビームL70により形成され、ディスクD1上で僅かに
デフォーカスしており、入射側から見て集光点の手前に
位置する。このため、0次光、±1次回折光の波面(等
位相面)は下に凸の放物面となり、0次光、±1次回折
光は中心部に比べて周縁部の位相が進む。
【0085】図9(A)では、光ビームL70がグルー
ブD3上に照射されている。このとき、図9(B)に示
すように、0次光の中心部の位相を0とすると、±1次
回折光の中心部の位相は共に−π/2となる。図9
(C)では、光ビームL70がグルーブD3とランドD
4の境界上に照射されている。このとき、図9(D)に
示すように、図9(B)の状態に対し+1次回折光の位
相はπ/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。従
って、0次光の中心部の位相を0とすると、+1次回折
光の中心部の位相はπ又は−π、−1次回折光の中心部
の位相は0となる。
【0086】図9(E)では、光ビームL70がランド
D4上に照射されている。このとき、図9(F)に示す
ように、図9(D)の状態に対し+1次回折光の位相は
π/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。従っ
て、0次光の中心部の位相を0とすると、±1次回折光
の中心部の位相は共にπ/2となる。図9(G)では、
光ビームL70がランドD4とグルーブD3の境界上に
照射されている。このとき、図9(H)に示すように、
図9(F)の状態に対し+1次回折光の位相はπ/2遅
れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。従って、0次光
の中心部の位相を0とすると、+1次回折光の中心部の
位相は0、−1次回折光の中心部の位相はπ又は−πと
なる。
【0087】上述の如く、光ビームL70の移動に伴
い、0次光と+1次回折光の重なる外側の領域L71、
内側の領域L72、0次光と−1次回折光の重なる内側
の領域L73、外側の領域L74における強度は以下の
ようになる。
【0088】図9(A)の状態では図9(B)に示すよ
うに、0次光と±1次回折光の位相差は外側では共にπ
/2よりやや大きく干渉によりやや弱め合い、内側では
共にπ/2よりやや小さく干渉によりやや強め合うた
め、領域L71,L74における強度は領域L72,L
73における強度に比べてやや弱い。
【0089】図9(C)の状態では図9(D)に示すよ
うに、0次光と+1次回折光の位相差は外側ではπより
やや小さく、内側ではやはりπよりやや小さいため、領
域L71と領域L72における強度はほぼ等しく、0次
光と−1次回折光の位相差は外側では0よりやや大き
く、内側ではやはり0よりやや大きいため、領域L73
と領域L74における強度はほぼ等しい。
【0090】図9(E)の状態では図9(F)に示すよ
うに、0次光と±1次回折光の位相差は外側では共にπ
/2よりやや小さく干渉によりやや強め合い、内側では
共にπ/2よりやや大きく干渉によりやや弱め合うた
め、領域L71,L74における強度は領域L72,L
73における強度に比べてやや強い。
【0091】図9(G)の状態では図9(H)に示すよ
うに、0次光と+1次回折光の位相差は外側では0より
やや大きく、内側ではやはり0よりやや大きいため、領
域L71と領域L72における強度はほぼ等しく、0次
光と−1次回折光の位相差は外側ではπよりやや小さ
く、内側ではやはりπよりやや小さいため、領域L73
と領域L74における強度はほぼ等しい。
【0092】図10にディスクD1上の集光スポットL
14に対するディスクD1からの0次光,±1次回折光
の位置関係を示し、図11に集光スポットL14とトラ
ックD2の位置ずれに伴うディスクD1からの0次光,
±1次回折光の位相の変化を示す。集光スポットL14
は光ビームL75により形成され、ディスクD1上で僅
かにデフォーカスしており、入射側から見て集光点より
も遠方に位置する。このため、0次光、±1次回折光の
波面(等位相面)は上に凸の放物面となり、0次光、±
1次回折光は中心部に比べて周縁部の位相が遅れる。
【0093】図11(A)では、光ビームL75がグル
ーブD3上に照射されている。このとき、図11(B)
に示すように、0次光の中心部の位相を0とすると、±
1次回折光の中心部の位相は共に−π/2となる。図1
1(C)では、光ビームL75がグルーブD3とランド
D4の境界上に照射されている。このとき、図11
(D)に示すように、図11(B)の状態に対し+1次
回折光の位相はπ/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/
2進む。従って、0次光の中心部の位相を0とすると、
+1次回折光の中心部の位相はπ又は−π、−1次回折
光の中心部の位相は0となる。
【0094】図11(E)では、光ビームL75がラン
ドD4上に照射されている。このとき、図11(F)に
示すように、図11(D)の状態に対し+1次回折光の
位相はπ/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。
従って、0次光の中心部の位相を0とすると、±1次回
折光の中心部の位相は共にπ/2となる。図11(G)
では、光ビームL75がランドD4とグルーブD3の境
界上に照射されている。このとき、図11(H)に示す
ように、図11(F)の状態に対し+1次回折光の位相
はπ/2遅れ、−1次回折光の位相はπ/2進む。従っ
て、0次光の中心部の位相を0とすると、+1次回折光
の中心部の位相は0、−1次回折光の中心部の位相はπ
又は−πとなる。
【0095】上述の如く、光ビームL75の移動に伴
い、0次光と+1次回折光の重なる外側の領域L76、
内側の領域L77、0次光と−1次回折光の重なる内側
の領域L78、外側の領域L79における強度は以下の
ようになる。図11(A)の状態では図11(B)に示
すように、0次光と±1次回折光の位相差は外側では共
にπ/2よりやや小さく干渉によりやや強め合い、内側
では共にπ/2よりやや大きく干渉によりやや弱め合う
ため、領域L76、L79における強度は領域L77、
L78における強度に比べてやや強い。図11(C)の
状態では図11(D)に示すように、0次光と+1次回
折光の位相差は外側ではπよりやや小さく、内側ではや
はりπよりやや小さいため、領域L76と領域L77に
おける強度はほぼ等しく、0次光と−1次回折光の位相
差は外側では0よりやや大きく、内側ではやはり0より
やや大きいため、領域L78と領域L79における強度
はほぼ等しい。
【0096】図11(E)の状態では図11(F)に示
すように、0次光と±1次回折光の位相差は外側では共
にπ/2よりやや大きく干渉によりやや弱め合い、内側
では共にπ/2よりやや小さく干渉によりやや強め合う
ため、領域L76、L79における強度は領域L77、
L78における強度に比べてやや弱い。図11(G)の
状態では図11(H)に示すように、0次光と+1次回
折光の位相差は外側では0よりやや大きく、内側ではや
はり0よりやや大きいため、領域L76と領域L77に
おける強度はほぼ等しく、0次光と−1次回折光の位相
差は外側ではπよりやや小さく、内側ではやはりπより
やや小さいため、領域L78と領域L79における強度
はほぼ等しい。
【0097】図12に、トラック誤差信号およびランド
/グルーブの判別信号に関わる各種の波形を示す。横軸
は集光スポットL12〜L14がディスクD1の溝を図
3(A)における左側から右側へ横断する際の集光スポ
ットと溝の位置ずれであり、aは集光スポットL12〜
L14がグルーブ上に位置している状態、bは集光スポ
ットL12〜L14がグルーブとランドの境界上に位置
している状態、cは集光スポットL12〜L14がラン
ド上に位置している状態、dは集光スポットL12〜L
14がランドとグルーブの境界上に位置している状態に
それぞれ対応している。すなわち、a〜dは図7,9,
11における(A)〜(D)の状態にそれぞれ対応して
いる。
【0098】前述したホログラム光学素子8により、図
6における領域L68は光検出器11の受光部21、2
2、25、26で受光され、領域L69は光検出器11
の受光部23、24、27、28で受光される。このと
き、(V21+V22+V25+V26)−(V23+
V24+V27+V28)の値は図7(B)によれば
0、図7(D)によれば負、図7(F)によれば0、図
7(H)によれば正となるため、トラック誤差信号であ
る(V21+V22+V25+V26)−(V23+V
24+V27+V28)の波形は図12(A)のように
なる。
【0099】前述したホログラム光学素子8により、図
8における領域L71は光検出器11の受光部29、3
2で受光され、領域L72および領域L73は光検出器
11の受光部30、33で受光され、領域L74は光検
出器11の受光部31、34で受光される。このとき、
(V29+V31+V32+V34)−(V30+V3
3)の値は図9(B)によれば負、図9(D)によれば
ほぼ0、図9(F)によれば正、図9(H)によればほ
ぼ0となるため、第一のランド/グルーブの判別信号で
ある(V29+V31+V32+V34)−(V30+
V33)の波形は図12(B)のようになる。
【0100】前述したホログラム光学素子8により、図
10における領域L76は光検出器11の受光部35、
38、領域L77および領域L78は光検出器11の受
光部36、39、領域L79は光検出器11の受光部3
7、40にそれぞれ対応している。このとき、(V35
+V37+V38+V40)−(V36+V39)の値
は図11(B)によれば正、図11(D)によればほぼ
0、図11(F)によれば負、図11(H)によればほ
ぼ0となるため、第二のランド/グルーブの判別信号で
ある(V35+V37+V38+V40)−(V36+
V39)の波形は図12(C)のようになる。
【0101】図12(B)と図12(C)の波形は逆相
であるため、第一、第二のランド/グルーブの判別信号
の差、すなわち第三のランド/グルーブの判別信号であ
る(V29+V31+V32+V34+V36+V3
9)−(V30+V33+V35+V37+V38+V
40)の波形は図12(D)のようになる。
【0102】集光スポットL12〜L14がディスクD
1のグルーブ上に位置している状態では、図12(A)
に示すトラック誤差信号は0であるが、図12(B)〜
図12(D)に示す第一〜第三のランド/グルーブの判
別信号はそれぞれ負、正、負の値をとる。一方、集光ス
ポットL12〜L14がディスクD1のランド上に位置
している状態では、図12(A)に示すトラック誤差信
号は0であるが、図12(B)〜図12(D)に示す第
一〜第三のランド/グルーブの判別信号はそれぞれ正、
負、正の値をとる。従って、ランド/グルーブの判別信
号の符号により、集光スポットL12〜L14がディス
クD1のランド、グルーブのどちらの上に位置するかを
検出することが可能である。
【0103】光検出器11の受光部30、33は図8に
おける領域L72および領域L73以外にディスクD1
からの0次光のみの領域も含んでいるが、ディスクD1
からの±1次回折光のみの領域は対物レンズ6の有効径
の範囲外であるため、光検出器11の受光部29、32
は図8における領域L71のみを含んでおり、光検出器
11の受光部31、34は図8における領域L74のみ
を含んでいる。
【0104】このため、図12(B)に示す第一のラン
ド/グルーブの判別信号は負の直流成分を有し、ランド
における信号の絶対値がグルーブにおける信号の絶対値
に比べて小さくなり、ランドにおける位置検出のマージ
ンがグルーブにおける位置検出のマージンに比べて狭く
なる。
【0105】また、光検出器11の受光部36、39は
図10における領域L77および領域L78以外にディ
スクD1からの0次光のみの領域も含んでいるが、ディ
スクD1からの±1次回折光のみの領域は対物レンズ6
の有効径の範囲外であるため、光検出器11の受光部3
5、38は図10における領域L76のみを含んでお
り、光検出器11の受光部37、40は図10における
領域L79のみを含んでいる。
【0106】このため、図12(C)に示す第二のラン
ド/グルーブの判別信号は負の直流成分を有し、グルー
ブにおける信号の絶対値がランドにおける信号の絶対値
に比べて小さくなり、グルーブにおける位置検出のマー
ジンがランドにおける位置検出のマージンに比べて狭く
なる。
【0107】これに対し、図12(D)に示す第三のラ
ンド/グルーブの判別信号は第一、第二のランド/グル
ーブの判別信号が有する直流成分が相殺されるため直流
成分を有さず、ランド、グルーブのいずれにおいても十
分な位置検出のマージンが得られる。
【0108】次に、動作制御手段200について説明す
る。この動作制御手段200では、上述した信号処理回
路201から出力されたフォーカス誤差信号又はトラッ
ク誤差信号の値に応じてヘッド駆動手段を駆動し、フォ
ーカシング及びトラッキングを行う。
【0109】さらに、動作制御手段200は、図示しな
いトラックサーボ回路を有し、このトラックサーボ回路
は、集光スポットL12をディスクD1の所望のトラッ
クに追従させるようにヘッド駆動手段の動作制御を行
う。
【0110】また、動作制御手段200は、ディスクD
1の所定のトラックへのアクセスに際して,信号処理回
路からランド/グルーブの判別信号の入力を受けてから
トラックサーボの引き込み動作を行う判定先行機能20
4を有している。従って、予め集光スポットがランド上
又はグルーブ上のどちらに位置しているかが認識されて
いるので、トラックサーボの引き込み動作を安定して行
うことができ、トラックサーボの暴走を有効に回避する
ことが可能である。
【0111】以上のように、光学式情報記録再生装置1
では、0次光の集光スポットL12がディスクD1上に
焦点を結ぶときに±1次回折光の集光スポットL13,
L14をディスクD1上でデフォーカスさせる回折光学
素子3を有しているので、ランド上又はグルーブ上のど
ちらに集光スポットL12〜L14が位置するかによっ
て上記±1次回折光の集光スポットL13,L14の反
射光の中央部と両端部とにディスクD1からの0次光と
±1次回折光の間の位相差を生ぜしめることができ、こ
れに伴いこれらの間で光強度の差異を生ぜしめることが
可能である。
【0112】一方、本発明では、サブビームの反射光を
ラジアル方向中央部と両端部とで個別に受光する受光部
を備える光検出器を有しているので、サブビームの反射
光の中央部と両端部とにおける光強度の差異を観測する
ことが可能であり、これに基づいてサブビームの集光ス
ポットがランド上又はグルーブ上のいずれにあるか判定
することが可能となる。また、予めサブビームとメイン
ビームとの相対的な位置関係を設定しておくことによ
り、サブビームの判定からメインビームの集光スポット
がランド上又はグルーブ上のいずれにあるか判定する判
定信号を得ることが可能である。
【0113】一方、光学式情報記録再生装置1では、回
折光学素子3からの±1次回折光の反射光をラジアル方
向中央部と両端部とで個別に受光する受光部を備える光
検出器11を有しているので、±1次回折光の反射光の
中央部と両端部とにおける光強度の差異を観測すること
が可能であり、これに基づいて各集光スポットL12〜
L14がランド上又はグルーブ上のいずれにあるか判定
することが可能である。
【0114】また、光源部202では、回折光学素子3
は各集光スポットL12〜L14がディスクD1の同一
のトラックD2上に並ぶようにその向きが設定されてい
るので、従来のようにトラックピッチに応じてメインビ
ームとサブビームとの位置関係を設定する必要がなく、
トラックピッチが異なる多種多様の光記録媒体に対して
ランド/グルーブの識別を行うことが可能である。
【0115】また、上記判定は、入射面が単一の領域か
らなりしかも、レンズパワーが非常に弱く、格子のパタ
ーンがほぼ等間隔の直線に近い回折光学素子3によって
も実現可能なので、従来のような複数の領域に分割され
ている回折光学素子を必須とせず、従って、光学素子の
位置調整を容易に行うことが可能である。
【0116】なお、上記光学式情報記録再生装置1で
は、光検出器11が回折光学素子3からの±1次回折光
の双方を受光する受光部を備えると共に、信号処理回路
201ではこれら双方の検出結果から判別信号を生成し
ていたが、特にこれに限定するものではない。例えば、
光検出器が回折光学素子3からの±1次回折光のいずれ
か一方を受光する受光部しか有しないものであって(例
えば受光部35〜40がない光検出器11)、信号処理
回路では(V29+V31+V32+V34)−(V3
0+V33)により判別信号を生成する構成であっても
良い。この場合、ランド又はグルーブのマージンが低く
なるが判別信号を生成することは充分可能である。
【0117】(第2の実施形態)次に、本願発明の第2
の実施形態について図13及び図14に基づいて説明す
る。なお、本実施形態で示す各構成の内、前述した光学
式情報記録再生装置1で示した構成と同一のものについ
ては同符号を付して重複する説明は省略するものとす
る。
【0118】図13に、第2の実施形態たる光学式情報
記録再生装置1Aのブロック図を示す。この光学式情報
記録再生装置1Aは、前述したホログラム光学素子8に
替えて同位置に円筒レンズ80を配設し、光検出器11
に替えて受光部が少ない光検出器81を同位置に配設し
てなる光ヘッド装置10Aを有し、さらに、信号処理回
路201に替えて光検出器81の出力に基づいて各種信
号を生成する信号処理回路201Aを備える点において
光学式情報記録再生装置1と異なっており、他の構成に
ついては同様である。従って、光源部202からの出射
光によるディスクD1上の集光スポットの配置は、光学
式情報記録再生装置1と同じである(図3参照)。
【0119】上記円筒レンズ80とレンズ9とは光軸に
沿った方向においてその2つの焦線が異なる位置に設定
されており、光検出器81はその2つの焦線の中間に設
置されている。
【0120】図14に、光検出器81の受光部のパター
ンと光検出器81上の光スポットの配置を示す。光検出
器81は、回折光学素子3からの0次光を受光する受光
面を光軸を通るディスクD1のラジアル方向に平行な分
割線と当該分割線に交差するタンジェンシャル方向に平
行な分割線とで仕切られてなる四つの受光部82,8
3,84,85と、+1次回折光を受光する受光面を光
軸を通るディスクD1のタンジェンシャル方向に平行な
2つの分割線で仕切られてなる三つの受光部86,8
7,88と、−1次回折光を受光する受光面を光軸を通
るディスクD1のタンジェンシャル方向に平行な2つの
分割線で仕切られてなる三つの受光部89,90,91
とを備えている。
【0121】光スポットL92は回折光学素子3からの
0次光に相当し、各受光部82〜85で受光される。光
スポットL93は回折光学素子3からの+1次回折光に
相当し、受光部86〜88で受光される。光スポットL
94は回折光学素子3からの−1次回折光に相当し、受
光部89〜91で受光される。三つの光スポットL9
2,L93,L94は、ディスクD1上の集光スポット
L12,L13,L14と同じ方向に一列に並んだ状態
となっているが、各光スポットL92,L93,L94
は個別に円筒レンズ80およびレンズ9の作用により9
0度回転した状態で光検出器81に受光されている。従
って、±1次回折光は、前述したように、受光面が光軸
を通るディスクD1のタンジェンシャル方向に平行な2
つの分割線で仕切られてなる三つの受光部で受光されて
いることになる。従って、±1次回折光は、いずれもラ
ジアル方向中央部と両端部とがそれぞれ個別に受光され
ていることになる。
【0122】次に、信号処理回路201Aについて説明
する。光検出器81の各受光部82〜91は、それぞれ
受光した光強度に応じた電流を出力する。各受光部82
〜91からの出力をそれぞれV82〜V91で表わす
と、信号処理回路201Aは、フォーカス誤差信号を非
点収差法により、(V82+V85)−(V83+V8
4)の演算から算出し、動作制御手段200に出力す
る。また、信号処理回路201Aは、トラック誤差信号
をプッシュプル法により、(V82+V84)−(V8
3+V85)の演算から算出し、動作制御手段200に
出力する。さらに、信号処理回路201Aは、再生信号
を、V82+V83+V84+V85の演算から算出
し、例えば、光学式情報記録再生装置1Aが接続された
上位装置に出力する。
【0123】さらに、信号処理回路201Aは、光検出
器81における回折光学素子3からの±1次回折光(サ
ブビーム)の各受光部86〜91の出力に基づいてディ
スクD1上の回折光学素子3からの0次光(メインビー
ム)の集光スポットL12がランド又はグルーブのいず
れに位置しているかの判別信号を生成する判別信号生成
部203Aを有している。
【0124】ランド/グルーブの判別信号は、(V86
+V88)−V87、(V89+V91)−V90、又
は(V86+V88+V90)−(V87+V89+V
91)のいずれの演算からも算出することができるが、
本実施形態では、判別信号生成部203Aは、(V86
+V88+V90)−(V87+V89+V91)の演
算からランド/グルーブの判別信号を算出する。
【0125】前述の図6〜図11で説明したディスクD
1上の集光スポットL12〜L14とトラックD2の位
置ずれとこれに伴うディスクD1からの0次光、±1次
回折光の位相の変化の関係は、各光スポットL92〜L
94についても同様に適用される。
【0126】即ち、図6における領域L68は光検出器
81の受光部82,84で受光され、領域L69は光検
出器81の受光部83,85で受光される。このとき、
(V82+V84)−(V83+V85)の値は図7
(A)では0、図7(C)では負、図7(E)では0、
図7(G)では正となるため、トラック誤差信号である
(V82+V84)−(V83+V85)の波形は図1
2(A)のようになる。
【0127】図8における領域L71は光検出器81の
受光部86で受光され、領域L72および領域L73は
光検出器81の受光部87で受光され、領域L74は光
検出器81の受光部88で受光される。このとき、(V
86+V88)−V87の値は図9(A)では負、図9
(C)ではほぼ0、図9(E)では正、図9(G)では
ほぼ0となるため、第一のランド/グルーブの判別信号
である(V86+V88)−V87の波形は図12
(B)のようになる。
【0128】図10における領域L76は光検出器81
の受光部89で受光され、領域L77および領域L78
は光検出器81の受光部90で受光され、領域L79は
光検出器81の受光部91で受光される。このとき、
(V89+V91)−V90の値は図11(A)では
正、図11(C)ではほぼ0、図11(E)では負、図
11(G)ではほぼ0となるため、第二のランド/グル
ーブの判別信号である(V89+V91)−V90の波
形は図12(C)のようになる。図12(B),図12
(C)の波形は逆相であるため、第一、第二のランド/
グルーブの判別信号の差、すなわち第三のランド/グル
ーブの判別信号である(V86+V88+V90)−
(V87+V89+V91)の波形は図12(D)のよ
うになる。
【0129】集光スポットL12〜L14がディスクD
1のグルーブ上に位置している状態では、図12(A)
に示すトラック誤差信号は0であるが、図12(B)〜
図12(D)に示す第一〜第三のランド/グルーブの判
別信号はそれぞれ負、正、負の値をとる。一方、集光ス
ポットL12〜L14がディスクD1のランド上に位置
している状態では、図12(A)に示すトラック誤差信
号は0であるが、図12(B)〜図12(D)に示す第
一〜第三のランド/グルーブの判別信号はそれぞれ正、
負、正の値をとる。従って、ランド/グルーブの判別信
号の符号により、集光スポットL12〜L14がディス
クD1のランド、グルーブのどちらの上に位置するかを
検出することが可能である。
【0130】光検出器81の受光部87は図8における
領域L72および領域L73以外にディスクD1からの
0次光のみの領域も含んでいるが、ディスクD1からの
±1次回折光のみの領域は対物レンズ6の有効径の範囲
外であるため、光検出器81の受光部86は図8におけ
る領域L71のみを含んでおり、光検出器81の受光部
88は図8における領域L74のみを含んでいる。この
ため、図12(B)に示す第一のランド/グルーブの判
別信号は負の直流成分を有し、ランドにおける信号の絶
対値がグルーブにおける信号の絶対値に比べて小さくな
り、ランドにおける位置検出のマージンがグルーブにお
ける位置検出のマージンに比べて狭くなる。
【0131】また、光検出器81の受光部90は図10
における領域L77および領域L78以外にディスクD
1からの0次光のみの領域も含んでいるが、ディスクD
1からの±1次回折光のみの領域は対物レンズ6の有効
径の範囲外であるため、光検出器81の受光部89は図
10における領域L76のみを含んでおり、光検出器8
1の受光部91は図10における領域L79のみを含ん
でいる。このため、図12(C)に示す第二のランド/
グルーブの判別信号は負の直流成分を有し、グルーブに
おける信号の絶対値がランドにおける信号の絶対値に比
べて小さくなり、グルーブにおける位置検出のマージン
がランドにおける位置検出のマージンに比べて狭くな
る。
【0132】これに対し、図12(D)に示す第三のラ
ンド/グルーブの判別信号は第一、第二のランド/グル
ーブの判別信号が有する直流成分が相殺されるため直流
成分を有さず、ランド、グルーブのいずれにおいても十
分な位置検出のマージンが得られる。
【0133】また、上記第2の実施形態においては、サ
ブビームの集光スポットをディスク上でラジアル方向に
僅かにデフォーカスさせるための光学素子として、図2
に示す回折光学素子3が用いられている。回折光学素子
3は単一の領域からなりしかも、レンズパワーが非常に
弱く、格子のパターンはほぼ等間隔の直線であると見な
せるため、面内の位置調整が不要である。
【0134】以上のように、光学式情報記録再生装置1
Aは前述した光学式情報記録再生装置1と同様の効果を
上げることが可能である。
【0135】(第3の実施形態)次に、本願発明の第3
の実施形態について図15及び図16に基づいて説明す
る。なお、本実施形態で示す各構成の内、前述した光学
式情報記録再生装置1で示した構成と同一のものについ
ては同符号を付して重複する説明は省略するものとす
る。図15に、本実施形態たる光学式情報記録再生装置
1Bのブロック図を示す。
【0136】この光学式情報記録再生装置1Bは、光ヘ
ッド装置10Bと、この光ヘッド装置10Bを介してフ
ォーカシング及びトラッキングを行うヘッド駆動手段
(図示略)と、このヘッド駆動手段の動作制御手段20
0と、信号処理回路201とを備えている。
【0137】上記光ヘッド装置10Bは、メインビーム
とサブビームとを出射する光源部202Bを備えてい
る。この光源部202Bは、単一のレーザ光を出射する
光源としての半導体レーザ96と、この半導体レーザ9
6の出射光を平行光化するコリメータレンズ2と、この
平行光をメインビームである0次光、サブビームである
±1次回折光の3つの光に分割する偏光性回折光学素子
98とから構成されている。
【0138】さらに、光ヘッド装置10Bは、偏光性回
折光学素子98の透過光をそのまま透過させる偏光性ホ
ログラム光学素子99と、この偏光性ホログラム光学素
子99からの透過光を直線偏光から円偏光に変換する1/
4波長板5と、この1/4波長板5の透過光をディスクD1
上に集光する対物レンズ6と、ディスクD1からの反射
光を所定の複数受光部に分割された受光面にて受光し各
光強度を出力する光検出器97と、を備えている。
【0139】上記光ヘッド装置10Bは、上述した各構
成要素が半導体レーザ96からディスクD1までの間で
一列に配設されており、従って、前述した偏光ビームス
プリッタ4が不要な構成となっている。さらに、半導体
レーザ96と光検出器97とがモジュール95内に一体
的に設置されている。
【0140】上述した偏光性回折光学素子98は、半導
体レーザ96からの出射光は異常光として一部を回折
し、1/4波長板5を往路と復路とで透過したディスク
D1からの反射光は常光としてほぼ100%透過させ
る。また、偏光性ホログラム光学素子99は、半導体レ
ーザ96からの出射光は常光としてほぼ100%透過さ
せ、1/4波長板5を往路と復路とで透過したディスク
D1からの反射光は異常光として大部分を回折する。そ
して、偏光性ホログラム光学素子99で回折された反射
光は、コリメータレンズ2を透過して光検出器97で受
光される。
【0141】上記偏光性回折光学素子98の平面図は、
図2に示した回折光学素子3の平面図と同じである。従
って、以下の説明では回折光学素子3の各領域と同じ符
号を使用して説明する。但し、偏光性回折光学素子98
は、図2中に点線で示す対物レンズ6の有効径を含む領
域に、例えば複屈折性を有するニオブ酸リチウム基板上
にプロトン交換領域と誘電体膜から成る2層の回折格子
が形成された構成である。プロトン交換領域の深さと誘
電体膜の厚さを適切に設計することにより、格子のライ
ン部とスペース部の位相差を常光、異常光に対して独立
に規定することができる。往路の異常光に対しては、格
子のライン部とスペース部の位相差を例えば0.232
πとすると、入射光は0次光として約87.3%が透過
し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折され
る。一方、復路の常光に対しては、格子のライン部とス
ペース部の位相差を0とすると、入射光は0次光として
ほぼ100%が透過する。
【0142】かかる偏光性回折光学素子98により分割
されたレーザ光によるディスクD1上の集光スポットの
配置は、図3に示すディスクD1上の集光スポットL1
2,L13,L14の配置と同じである。
【0143】上記偏光性ホログラム光学素子99の平面
図は、図4に示したホログラム光学素子8の平面図と同
じである。従って、以下の説明ではホログラム光学素子
8の各領域と同じ符号を使用して説明する。但し、偏光
性ホログラム光学素子99は、光が入射する側の面(入
射面)と光が出射する側の面(出射面)の両方に、例え
ば複屈折性を有するニオブ酸リチウム基板上にプロトン
交換領域と誘電体膜から成る2層の回折格子が形成され
た構成である。入射面に形成された回折格子における格
子の断面形状は領域15、16のいずれにおいても2層
の鋸歯状であり、出射面に形成された回折格子における
格子の断面形状は領域17〜20のいずれにおいても2
層の鋸歯状である。プロトン交換領域の深さと誘電体膜
の厚さを適切に設計することにより、鋸歯の上部と下部
の位相差を常光、異常光に対して独立に規定することが
できる。往路の常光に対しては、鋸歯の上部と下部の位
相差を0とすると、各領域への入射光は0次光としてそ
れぞれほぼ100%が透過する。一方、復路の異常光に
対しては、鋸歯の上部と下部の位相差を2πとすると、
各領域への入射光は+1次回折光としてそれぞれほぼ1
00%が回折される。なお、偏光性ホログラム光学素子
99における入射面に形成された回折格子と出射面に形
成された回折格子は互いに入れ換えることも可能であ
る。
【0144】次に、上述した光検出器97について詳説
する。図16に、光検出器97の受光部のパターンと光
検出器97上の光スポットの配置を示す。
【0145】光検出器97の受光部の内,受光部101
〜108はメインビームの受光部であり、受光部101
〜104が偏光性ホログラム光学素子99の領域15に
よる+1次回折光の受光部であって、受光部105〜1
08が領域16による+1次回折光の受光部である。受
光部101〜104及び受光部105〜108は、それ
ぞれ長方形状の受光部が互いに交差するタンジェンシャ
ル方向Tに沿った分割線とラジアル方向Rに沿った分割
線とにより四分割されて形成されている。
【0146】これに対して、光スポットL121は偏光
性回折光学素子98からの0次光のうち偏光性ホログラ
ム光学素子99の領域15からの+1次回折光であって
領域17からの+1次回折光に相当し、受光部101,
102の境界線上に集光される。
【0147】光スポットL122は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域15からの+1次回折光であって領域18からの
+1次回折光に相当し、受光部101,102の境界線
上に集光される。
【0148】光スポットL123は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域15からの+1次回折光であって領域19からの
+1次回折光に相当し、受光部103、104の境界線
上に集光される。
【0149】光スポットL124は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域15からの+1次回折光であって領域20からの
+1次回折光に相当し、受光部103、104の境界線
上に集光される。
【0150】光スポットL125は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域16からの+1次回折光であって領域17からの
+1次回折光に相当し、受光部105、106の境界線
上に集光される。
【0151】光スポットL126は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域16からの+1次回折光であって領域18からの
+1次回折光に相当し、受光部105、106の境界線
上に集光される。
【0152】光スポットL127は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域16からの+1次回折光であって領域19からの
+1次回折光に相当し、受光部107、108の境界線
上に集光される。
【0153】光スポットL128は偏光性回折光学素子
98からの0次光のうち偏光性ホログラム光学素子99
の領域16からの+1次回折光であって領域20からの
+1次回折光に相当し、受光部107、108の境界線
上に集光される。
【0154】光検出器97の受光部の内,受光部109
〜114は偏光性回折光学素子98による+1次回折光
であるサブビームの受光部であり、受光部109〜11
1が偏光性ホログラム光学素子99の領域15による+
1次回折光の受光部であって、受光部112〜114が
領域16による+1次回折光の受光部である。受光部1
09〜111及び受光部112〜114は、それぞれラ
ジアル方向Rに沿った長方形状の受光部のラジアル方向
両端部をそれぞれタンジェンシャル方向Tに沿った二本
の分割線により分割して形成されている。
【0155】即ち、受光部110は領域15により分割
された+1次回折光のさらにラジアル方向の中央部分を
受光し、各受光部109,111はラジアル方向の両端
部分をそれぞれ個別に受光する。また、受光部113は
領域16により分割された+1次回折光のさらにラジア
ル方向の中央部分を受光し、各受光部112,114は
ラジアル方向の両端部分をそれぞれ個別に受光する。
【0156】一方、光スポットL129は偏光性回折光
学素子98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム
光学素子99の領域15からの+1次回折光であって領
域17からの+1次回折光に相当し、受光部109上に
集光される。
【0157】光スポットL130は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域18
からの+1次回折光に相当し、受光部110上に集光さ
れる。
【0158】光スポットL131は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域19
からの+1次回折光に相当し、受光部110上に集光さ
れる。
【0159】光スポットL132は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域20
からの+1次回折光に相当し、受光部111上に集光さ
れる。
【0160】光スポットL133は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域17
からの+1次回折光に相当し、受光部112上に集光さ
れる。
【0161】光スポットL134は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域18
からの+1次回折光に相当し、受光部113上に集光さ
れる。
【0162】光スポットL135は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域19
からの+1次回折光に相当し、受光部113上に集光さ
れる。
【0163】光スポットL136は偏光性回折光学素子
98からの+1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域20
からの+1次回折光に相当し、受光部114上に集光さ
れる。
【0164】光検出器97の受光部の内,受光部115
〜120は偏光性回折光学素子98による−1次回折光
であるサブビームの受光部であり、受光部115〜11
7が偏光性ホログラム光学素子99の領域15による+
1次回折光の受光部であって、受光部118〜120が
領域16による+1次回折光の受光部である。受光部1
15〜117及び受光部118〜120は、それぞれラ
ジアル方向Rに沿った長方形状の受光部のラジアル方向
両端部をそれぞれタンジェンシャル方向Tに沿った二本
の分割線により分割して形成されている。
【0165】即ち、受光部116は領域15により分割
された−1次回折光のさらにラジアル方向の中央部分を
受光し、各受光部115,117はラジアル方向の両端
部分をそれぞれ個別に受光する。また、受光部119は
領域16により分割された−1次回折光のさらにラジア
ル方向の中央部分を受光し、各受光部118,120は
ラジアル方向の両端部分をそれぞれ個別に受光する。
【0166】一方、光スポットL137は偏光性回折光
学素子98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム
光学素子99の領域15からの+1次回折光であって領
域17からの+1次回折光に相当し、受光部115上に
集光される。
【0167】光スポットL138は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域18
からの+1次回折光に相当し、受光部116上に集光さ
れる。
【0168】光スポットL139は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域19
からの+1次回折光に相当し、受光部116上に集光さ
れる。
【0169】光スポットL140は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域15からの+1次回折光であって領域20
からの+1次回折光に相当し、受光部117上に集光さ
れる。
【0170】光スポットL141は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域17
からの+1次回折光に相当し、受光部118上に集光さ
れる。
【0171】光スポットL142は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域18
からの+1次回折光に相当し、受光部119上に集光さ
れる。
【0172】光スポットL143は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域19
からの+1次回折光に相当し、受光部119上に集光さ
れる。
【0173】光スポットL144は偏光性回折光学素子
98からの−1次回折光のうち偏光性ホログラム光学素
子99の領域16からの+1次回折光であって領域20
からの+1次回折光に相当し、受光部120上に集光さ
れる。
【0174】また、光検出器97正面中央部には半導体
レーザ96およびミラー100が設置されている。半導
体レーザ96からの出射光はミラー100で反射されて
ディスクD1に向かう。
【0175】各受光部101〜120からの出力をそれ
ぞれV101〜V120で表わすと、信号処理回路20
1は、フォーカス誤差信号をフーコー法により、(V1
01+V103+V106+V108)−(V102+
V104+V105+V107)の演算から算出し、動
作制御手段200に出力する。また、信号処理回路20
1は、トラック誤差信号をプッシュプル法により、(V
101+V102+V105+V106)−(V103
+V104+V107+V108)の演算から算出し、
動作制御手段200に出力する。さらに、信号処理回路
201は、再生信号を、V101+V102+V103
+V104+V105+V106+V107+V108
の演算から算出し、例えば、光学式情報記録再生装置1
Bが接続された上位装置に出力する。
【0176】さらに、ランド/グルーブの判別信号は、
(V109+V111+V112+V114)−(V1
10+V113)、(V115+V117+V118+
V120)−(V116+V119)、又は(V109
+V111+V112+V114+V116+V11
9)−(V110+V113+V115+V117+V
118+V120)のいずれの演算からも算出すること
ができるが、信号処理回路201の判別信号生成部20
3は、(V109+V111+V112+V114+V
116+V119)−(V110+V113+V115
+V117+V118+V120)の演算からランド/
グルーブの判別信号を算出する。
【0177】ディスクD1上の集光スポットL12〜L
14とトラックD2の位置ずれに伴うディスクD1から
の0次光、±1次回折光の位相の変化は図6〜11に示
す通りである。
【0178】光学式情報記録再生装置1Bにおいては、
光学式情報記録再生装置1において図6〜12を参照し
て説明した方法と同様の方法により、集光スポットL1
2〜L14がディスクD1のランド、グルーブのどちら
の上に位置するかを検出することが可能である。
【0179】また、上記第3の実施形態においては、サ
ブビームの集光スポットをディスク上でラジアル方向に
僅かにデフォーカスさせるための光学素子として、偏光
性回折光学素子98が用いられている。偏光性回折光学
素子98は単一の領域からなりしかも、レンズパワーが
非常に弱く、格子のパターンはほぼ等間隔の直線である
と見なせるため、面内の位置調整が不要である。
【0180】(第4の実施形態)次に、本願発明の第4
の実施形態について図17乃至図19に基づいて説明す
る。なお、本実施形態で示す各構成の内、前述した光学
式情報記録再生装置1Bで示した構成と同一のものにつ
いては同符号を付して重複する説明は省略するものとす
る。
【0181】図17に、第4の実施形態たる光学式情報
記録再生装置1Cのブロック図を示す。この光学式情報
記録再生装置1Cは、前述した偏光性ホログラム光学素
子99に替えて同位置に他の偏光性ホログラム光学素子
147を配設し、光検出器97に替えて受光部が少ない
光検出器146を同位置に配設してなる光ヘッド装置1
0Cを有し、さらに、信号処理回路201に替えて光検
出器146の出力に基づいて各種信号を生成する信号処
理回路201Cを備える点において光学式情報記録再生
装置1Bと異なっており、他の構成については同様であ
る。従って、光源部202Bからの出射光によるディス
クD1上の集光スポットの配置は、光学式情報記録再生
装置1Bと同じである(図3参照)。また、上記半導体
レーザ96と光検出器146とがモジュール145内に
一体的に設置されている。
【0182】上述の偏光性ホログラム光学素子147
は、半導体レーザ96からの出射光は常光としてほぼ1
00%透過させ、1/4波長板5を往路と復路とで透過
したディスクD1からの反射光は異常光として大部分を
回折する。そして、偏光性ホログラム光学素子147で
回折された反射光は、コリメータレンズ2を透過して光
検出器146で受光される。なお、光検出器146は偏
光性ホログラム光学素子147とコリメータレンズ2の
2つの焦線の中間に設置されている。
【0183】図18は偏光性ホログラム光学素子147
の平面図である。偏光性ホログラム光学素子147は、
図中に点線で示す対物レンズ6の有効径を含む領域に、
例えば複屈折性を有するニオブ酸リチウム基板上にプロ
トン交換領域と誘電体膜から成る2層の回折格子が形成
された構成である。回折格子における格子の方向はディ
スクD1の接線方向(タンジェンシャル方向)にほぼ平
行であり、格子のパターンはディスクD1の接線方向
(タンジェンシャル方向)および半径方向(ラジアル方
向)を漸近線とする双曲線状である。
【0184】プロトン交換領域の深さと誘電体膜の厚さ
を適切に設計することにより、格子のライン部とスペー
ス部の位相差を常光、異常光に対して独立に規定するこ
とができる。往路の常光に対しては、格子のライン部と
スペース部の位相差を0とすると、入射光は0次光とし
てほぼ100%が透過する。一方、復路の異常光に対し
ては、格子のライン部とスペース部の位相差をπとする
と、入射光は±1次回折光としてそれぞれ約40.5%
が回折される。偏光性ホログラム光学素子147は±1
次回折光に対して円筒レンズの働きをし、+1次回折光
における母線および−1次回折光における母線は、ディ
スクD1の半径方向に対してそれぞれ+45°および−
45°の角度を成している。
【0185】次に、上述した光検出器146について詳
説する。図19に、光検出器146の受光部のパターン
と光検出器146上の光スポットの配置を示す。
【0186】光検出器146の受光部148〜151が
偏光性回折光学素子98の0次光であって偏光性ホログ
ラム光学素子147による+1次回折光である光スポッ
トL168の受光部であって、受光部152〜155が
偏光性回折光学素子98の0次光であって偏光性ホログ
ラム光学素子147による−1次回折光である光スポッ
トL169の受光部である。これら受光部148〜15
1及び受光部152〜155は、それぞれ正方形状の受
光面が光軸を通るディスクD1のタンジェンシャル方向
Tに沿った分割線とラジアル方向Rに沿った分割線とに
より四分割されて形成されている。
【0187】また、光検出器146の受光部156〜1
58が偏光性回折光学素子98の+1次回折光であって
偏光性ホログラム光学素子147による+1次回折光で
ある光スポットL170の受光部であって、受光部15
9〜161が偏光性回折光学素子98の+1次回折光で
あって偏光性ホログラム光学素子147による−1次回
折光である光スポットL171の受光部である。これら
受光部156〜158及び受光部159〜161は、そ
れぞれ正方形状の受光面が光軸を通るディスクD1のタ
ンジェンシャル方向Tに平行な二本の分割線により三分
割されて形成されている。
【0188】また、光検出器146の受光部162〜1
64が偏光性回折光学素子98の−1次回折光であって
偏光性ホログラム光学素子147による+1次回折光で
ある光スポットL172の受光部であって、受光部16
5〜167が偏光性回折光学素子98の−1次回折光で
あって偏光性ホログラム光学素子147による−1次回
折光である光スポットL173の受光部である。これら
受光部162〜164及び受光部165〜167は、そ
れぞれ正方形状の受光面が光軸を通るディスクD1のタ
ンジェンシャル方向Tに平行な二本の分割線により三分
割されて形成されている。
【0189】なお、上記各光スポットL168〜L17
3は個別に偏光性ホログラム光学素子147及びコリメ
ータレンズ2の作用により90度回転した状態で光検出
器146に受光されている。従って、偏光性回折光学素
子98による各±1次回折光(光スポットL170〜L
173)は、前述したように、受光面が光軸を通るディ
スクD1のタンジェンシャル方向に平行な2つの分割線
で仕切られてなる三つの受光部で受光されていることに
なる。従って、各±1次回折光は、いずれもラジアル方
向中央部と両端部とがそれぞれ個別に受光されているこ
とになる。
【0190】また、偏光性ホログラム光学素子147の
±1次回折光における2つの母線は互いに直交している
ため、光スポットL168、L170、L172と光ス
ポットL169、L171、L173は、上下および左
右の強度分布が互いに逆になる。
【0191】また、光検出器97正面中央部には半導体
レーザ96およびミラー100が設置されている。半導
体レーザ96からの出射光はミラー100で反射されて
ディスクD1に向かう。
【0192】各受光部148〜167からの出力をそれ
ぞれV148〜V167で表わすと、信号処理回路20
1Cは、フォーカス誤差信号を非点収差法により、(V
148+V151+V153+V154)−(V149
+V150+V152+V155)の演算から算出し、
動作制御手段200に出力する。また、信号処理回路2
01Cは、トラック誤差信号をプッシュプル法により、
(V148+V150+V153+V155)−(V1
49+V151+V152+V154)の演算から算出
し、動作制御手段200に出力する。さらに、信号処理
回路201Cは、再生信号を、V148+V149+V
150+V151+V152+V153+V154+V
155の演算から算出し、例えば、光学式情報記録再生
装置1Cが接続された上位装置に出力する。
【0193】さらに、ランド/グルーブの判別信号は、
(V156+V158+V159+V161)−(V1
57+V160)、(V162+V164+V165+
V167)−(V163+V166)、又は(V156
+V158+V159+V161+V163+V16
6)−(V157+V160+V162+V164+V
165+V167)のいずれの演算からも算出すること
ができるが、信号処理回路201Cの判別信号生成部2
03Cは、(V156+V158+V159+V161
+V163+V166)−(V157+V160+V1
62+V164+V165+V167)の演算からラン
ド/グルーブの判別信号を算出する。
【0194】ディスクD1上の集光スポットL12〜L
14とトラックD2の位置ずれに伴うディスクD1から
の0次光、±1次回折光の位相の変化は図6〜図11に
示す通りである。
【0195】光学式情報記録再生装置1Cにおいては、
光学式情報記録再生装置1において図6〜12を参照し
て説明した方法と同様の方法により、集光スポットL1
2〜L14がディスクD1のランド、グルーブのどちら
の上に位置するかを検出することが可能である。
【0196】また、上記第4の実施形態においては、サ
ブビームの集光スポットをディスク上でラジアル方向に
僅かにデフォーカスさせるための光学素子として、偏光
性回折光学素子98が用いられている。偏光性回折光学
素子98は単一の領域からなりしかも、レンズパワーが
非常に弱く、格子のパターンはほぼ等間隔の直線である
と見なせるため、面内の位置調整が不要である。
【0197】前述した各光学式情報記録再生装置1,1
A,1B,1Cにおいては、+1次回折光に対しては凹
レンズの働きをし、−1次回折光に対しては凸レンズの
働きをする回折光学素子又は偏光性回折光学素子によ
り、+1次回折光に相当する集光スポットを入射側から
見て集光点の手前に形成し、−1次回折光に相当する集
光スポットを入射側から見て集光点より遠方に形成して
いる。
【0198】これに対し、+1次回折光に対しては母線
がディスクのタンジェンシャル方向に平行な円筒凹レン
ズの働きをし、−1次回折光に対しては母線がディスク
のタンジェンシャル方向に平行な円筒凸レンズの働きを
する回折光学素子又は偏光性回折光学素子により、+1
次回折光に相当する集光スポットを入射側から見てディ
スクのタンジェンシャル方向に平行な集光線の手前に形
成し、−1次回折光に相当する集光スポットを入射側か
ら見てディスクのタンジェンシャル方向に平行な集光線
より遠方に形成する形態も考えられる。
【0199】サブビームの集光スポットをディスク上で
ラジアル方向に僅かにデフォーカスさせるための光学素
子であるこのような回折光学素子又は偏光性回折光学素
子は、単一の領域からなり、しかもレンズパワーが非常
に弱く、格子のパターンはほぼ等間隔の直線であると見
なせるため、面内の位置調整が不要である。
【0200】また、前述した各光学式情報記録再生装置
1,1A,1B,1Cにおいては、半導体レーザからの
出射光を回折光学素子又は偏光性回折光学素子により0
次光、±1次回折光の3つの光に分割し、0次光をメイ
ンビーム、±1次回折光をサブビームとして用いてい
る。これに対し、半導体レーザからの出射光を回折光学
素子又は偏光性回折光学素子により0次光と+1次回折
光又は−1次回折光のいずれかの2つの光に分割し、0
次光をメインビーム、+1次回折光又は−1次回折光の
どちらか一方のみをサブビームとして用いる形態も考え
られる。
【0201】また、1個の半導体レーザからの出射光を
回折光学素子又は偏光性回折光学素子により2つ又は3
つの光に分割してメインビーム、サブビームとして用い
る代わりに、2個又は3個の半導体レーザからの出射光
をそれぞれメインビーム、サブビームとして用いる形態
も考えられる。
【0202】この場合、サブビームの集光スポットをデ
ィスク上でラジアル方向に僅かにデフォーカスさせるこ
とは、サブビームの半導体レーザの位置がコリメータレ
ンズの焦点の前方又は後方にずらされているか、コリメ
ータレンズと対物レンズの間のサブビームの光路中に、
凹レンズ又は凸レンズ、あるいは母線がディスクのタン
ジェンシャル方向に平行な円筒凹レンズ又は円筒凸レン
ズがさらに挿入されている構成とすることにより実現で
きる。
【0203】上述の如く、サブビームの半導体レーザの
位置をコリメータレンズの焦点の前方又は後方にずらす
場合、サブビームの集光スポットをディスク上でラジア
ル方向に僅かにデフォーカスさせるための光学素子は不
要である。一方、コリメータレンズと対物レンズの間の
サブビームの光路中に、凹レンズ若しくは凸レンズ又は
母線がディスクのタンジェンシャル方向に平行な円筒凹
レンズ若しくは円筒凸レンズをさらに挿入する場合、サ
ブビームの集光スポットをディスク上でラジアル方向に
僅かにデフォーカスさせるための光学素子であるこのよ
うな凹レンズ若しくは凸レンズ、又は円筒凹レンズ若し
くは円筒凸レンズは、単一の領域からなり、しかもレン
ズパワーが非常に弱く、表面はほぼ平面であると見なせ
るため、面内の位置調整が不要である。
【0204】
【発明の効果】本発明にかかる光ヘッド装置及び光学式
情報記録再生装置は、光源からの出射光からメインビー
ムとサブビームを生成すると共に、メインビームの集光
スポットがディスク上に焦点を結ぶときにサブビームの
集光スポットをディスク上でデフォーカスさせる光学素
子を有しているので、ランド上又はグルーブ上のどちら
に集光スポットが位置するかによって上記サブビームの
反射光の中央部と両端部とにディスクからの0次光と±
1次回折光の間の位相差を生ぜしめることができ、これ
に伴いこれらの間で光強度の差異を生ぜしめることが可
能である。
【0205】一方、本発明では、サブビームの反射光を
ラジアル方向中央部と両端部とで個別に受光する受光部
を備える光検出器を有しているので、サブビームの反射
光の中央部と両端部とにおける光強度の差異を観測する
ことが可能であり、これに基づいてサブビームの集光ス
ポットがランド上又はグルーブ上のいずれにあるか判定
することが可能となる。また、予めサブビームとメイン
ビームとの相対的な位置関係を設定しておくことによ
り、サブビームの判定からメインビームの集光スポット
がランド上又はグルーブ上のいずれにあるか判定する判
定信号を得ることが可能である。
【0206】また、本発明はメインビームとサブビーム
の相対的な位置関係が明確であれば、従来のようにトラ
ックピッチに応じてメインビームとサブビームとの位置
関係を設定する必要がないので、トラックピッチが異な
る多種多様の光記録媒体に対してランド/グルーブの識
別を行うことを可能とする。
【0207】また、本発明は、メインビームとサブビー
ムの対物レンズから各集光点までの距離に所定の差を設
ける光学素子で実現可能なので、従来のように複数の領
域に分割されている回折光学素子を必須とせず、従っ
て、光学素子の位置調整の困難性を排除することが可能
である。
【0208】また、本発明にかかる光学式情報記録再生
装置であって、動作制御手段がランド/グルーブの判定
信号を受けてからトラックサーボの引き込み動作を行わ
しめる判定先行機能を備える構成の場合には、予め集光
スポットがランド上又はグルーブ上のどちらに位置して
いるかが認識されているので、トラックサーボの引き込
み動作を安定して行うことができ、トラックサーボの暴
走を有効に回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に開示した回折光学素子の平面図である。
【図3】図1に開示した光ヘッド装置によるディスク上
の集光スポットの配置を示し、図3(A)はディスク面
上から見た図であり、図3(B)は図3(A)をラジア
ル方向にそった視線で見た図である。
【図4】図4(A)は図1に開示したホログラム光学素
子の平面図であり、図4(B)は背面図である。
【図5】図1に開示した光検出器とその受光部に対する
光スポットの配置を示す正面図である。
【図6】メインビームに対するディスクからの0次光,
±1次回折光の位置関係を示す説明図である。
【図7】ディスク上のメインビームの集光スポットとト
ラックの位置ずれに伴うディスクからの0次光,±1次
回折光の位相の変化を示す図であって、図7(A)は光
ビームがグルーブ上に照射されている状態を示し、図7
(B)はそのときの0次光及び±1次回折光の等位相面
のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿った断面図を
示し、図7(C)は光ビームがグルーブとランドの境界
に照射されている状態を示し、図7(D)はそのときの
0次光及び±1次回折光の等位相面のディスク面に垂直
且つラジアル方向に沿った断面図を示し、図7(E)は
光ビームがランド上に照射されている状態を示し、図7
(F)はそのときの0次光及び±1次回折光の等位相面
のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿った断面図を
示し、図7(G)は光ビームがランドとグルーブの境界
に照射されている状態を示し、図7(H)はそのときの
0次光及び±1次回折光の等位相面のディスク面に垂直
且つラジアル方向に沿った断面図を示す。
【図8】一方のサブビームに対するディスクからの0次
光,±1次回折光の位置関係を示す説明図である。
【図9】ディスク上の一方のサブビームの集光スポット
とトラックの位置ずれに伴うディスクからの0次光,±
1次回折光の位相の変化を示す図であって、図9(A)
は光ビームがグルーブ上に照射されている状態を示し、
図9(B)はそのときの0次光及び±1次回折光の等位
相面のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿った断面
図を示し、図9(C)は光ビームがグルーブとランドの
境界に照射されている状態を示し、図9(D)はそのと
きの0次光及び±1次回折光の等位相面のディスク面に
垂直且つラジアル方向に沿った断面図を示し、図9
(E)は光ビームがランド上に照射されている状態を示
し、図9(F)はそのときの0次光及び±1次回折光の
等位相面のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿った
断面図を示し、図9(G)は光ビームがランドとグルー
ブの境界に照射されている状態を示し、図9(H)はそ
のときの0次光及び±1次回折光の等位相面のディスク
面に垂直且つラジアル方向に沿った断面図を示す。
【図10】他方のサブビームに対するディスクからの0
次光,±1次回折光の位置関係を示す説明図である。
【図11】ディスク上の他方のサブビームの集光スポッ
トとトラックの位置ずれに伴うディスクからの0次光,
±1次回折光の位相の変化を示す図であって、図11
(A)は光ビームがグルーブ上に照射されている状態を
示し、図11(B)はそのときの0次光及び±1次回折
光の等位相面のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿
った断面図を示し、図11(C)は光ビームがグルーブ
とランドの境界に照射されている状態を示し、図11
(D)はそのときの0次光及び±1次回折光の等位相面
のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿った断面図を
示し、図11(E)は光ビームがランド上に照射されて
いる状態を示し、図11(F)はそのときの0次光及び
±1次回折光の等位相面のディスク面に垂直且つラジア
ル方向に沿った断面図を示し、図11(G)は光ビーム
がランドとグルーブの境界に照射されている状態を示
し、図11(H)はそのときの0次光及び±1次回折光
の等位相面のディスク面に垂直且つラジアル方向に沿っ
た断面図を示す。
【図12】図12(A)は信号処理回路で生成されるト
ラック誤差信号を示す図であり、図12(B)は一方の
サブビームのみから求まるランド/グルーブの判別信号
を示す図であり、図12(C)は他方のサブビームのみ
から求まるランド/グルーブの判別信号を示す図であ
り、図12(D)は図12(B)と図12(C)の判別
信号の減算値から求められたランド/グルーブの判別信
号を示す図である。
【図13】第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図14】図13に開示した光検出器とその受光部に対
する光スポットの配置を示す正面図である。
【図15】第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図16】図15に開示した光検出器とその受光部に対
する光スポットの配置を示す正面図である。
【図17】第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図18】図17に開示した偏光性ホログラム光学素子
の平面図である。
【図19】図17に開示した光検出器とその受光部に対
する光スポットの配置を示す正面図である。
【図20】従来例のブロック図である。
【図21】従来例によるディスク上の集光スポットの配
置を示す説明図である。
【図22】図20に開示した光検出器とその受光部に対
する光スポットの配置を示す正面図である。
【図23】図23(A)は従来の信号処理回路で生成さ
れるトラック誤差信号を示す図であり、図23(B)は
一方のサブビームのみから求まるランド/グルーブの判
別信号を示す図であり、図23(C)は他方のサブビー
ムのみから求まるランド/グルーブの判別信号を示す図
であり、図23(D)は図23(B)と図23(C)の
判別信号の減算値から求められたランド/グルーブの判
別信号を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 光学式情報記録再生装置 3 回折光学素子 6 対物レンズ 7,96 半導体レーザ(光源) 8 ホログラム光学素子 10,10A,10B,10C 光ヘッド装置 11,81,97,146 光検出器 21〜40,82〜91,101〜120,148〜1
67 受光部 98 偏光性回折光学素子 99,147 偏光性ホログラム光学素子 200 動作制御手段 201,201A,201C 信号処理回路 202,202B 光源部 203,203A,203C 判別信号生成部 204 判定先行機能 D1 ディスク(光記録媒体) D2 トラック D3 グルーブ D4 ランド L12,L13,L14 集光スポット L41〜L64,L92〜L94,L121〜L14
4,L168〜L173光スポット(反射光)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインビームとサブビームとを出射する
    光源部と、前記各ビームを光記録媒体上に集光する対物
    レンズと、前記光記録媒体からの反射光を受光する光検
    出器とを備え、 前記光源部は、前記メインビームと前記サブビームの前
    記対物レンズから集光点までの距離を少なくとも前記光
    記録媒体のラジアル方向についてずらす光学素子を有
    し、 前記光検出器は、前記メインビームと前記サブビームの
    各々に対する受光部を備えると共に、前記サブビームに
    対する受光部は、当該サブビームの前記ラジアル方向の
    中央部分と両端部分とをそれぞれ個別に受光することを
    特徴とする光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 前記光源部は、前記メインビームと前記
    サブビームとを前記光記録媒体の同一のトラック上に各
    々の集光スポットが形成されるように出射することを特
    徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 前記光源部は、単一のレーザ光を出射す
    る光源と、この光源と前記対物レンズの間に配設され,
    前記光源からの出射光を複数の光に分割する回折光学素
    子又は偏光性回折光学素子とを有し、 該回折光学素子又は該偏光性回折光学素子の0次光によ
    り前記メインビームを形成し、±1次回折光のいずれか
    一方により前記サブビームを形成することを特徴とする
    請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 前記光源部は、単一のレーザ光を出射す
    る光源と、この光源と前記対物レンズの間に配設され,
    前記光源からの出射光を複数の光に分割する回折光学素
    子又は偏光性回折光学素子とを有し、 該回折光学素子又は該偏光性回折光学素子の0次光によ
    り前記メインビームを形成し、±1次回折光の双方によ
    り二つの前記サブビームを形成すると共に、 前記光検出器は、前記各サブビームごとに前記受光部を
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の光ヘッド
    装置。
  5. 【請求項5】 前記回折光学素子又は前記偏光性回折光
    学素子は、前記+1次回折光に対して凹レンズとして働
    く機能と、前記−1次回折光に対して凸レンズとして働
    く機能とを備えることを特徴とする請求項4記載の光ヘ
    ッド装置。
  6. 【請求項6】 前記回折光学素子又は前記偏光性回折光
    学素子は、前記各ビームを前記光記録媒体上に集光する
    際の前記対物レンズから集光点までの距離を、前記+1
    次回折光については前記0次光よりも長く延ばし、前記
    −1次回折光については前記0次光よりも短縮する機能
    を有することを特徴とする請求項5記載の光ヘッド装
    置。
  7. 【請求項7】 前記回折光学素子又は前記偏光性回折光
    学素子は、その格子のパターンを同心の円弧状に設定し
    たことを特徴とする請求項6記載の光ヘッド装置。
  8. 【請求項8】 前記回折光学素子又は前記偏光性回折光
    学素子は、前記+1次回折光に対して母線が前記光記録
    媒体のタンジェンシャル方向に平行な円筒凹レンズとし
    て働く機能と、前記−1次回折光に対して母線が前記光
    記録媒体のタンジェンシャル方向に平行な円筒凸レンズ
    として働く機能とを備えることを特徴とする請求項4記
    載の光ヘッド装置。
  9. 【請求項9】 前記回折光学素子又は前記偏光性回折光
    学素子は、前記各ビームを前記光記録媒体上に集光する
    際の前記対物レンズから前記タンジェンシャル方向の集
    光線までの距離を、前記+1次回折光については前記0
    次光よりも長く延ばし、前記−1次回折光については前
    記0次光よりも短縮する機能を有することを特徴とする
    請求項8記載の光ヘッド装置。
  10. 【請求項10】 前記光源部は、前記メインビームと前
    記サブビームとを個別に出射する複数の光源を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
  11. 【請求項11】 前記光源部と前記対物レンズの間にコ
    リメータレンズを配設し、前記サブビームの光源を前記
    コリメータレンズの焦点よりも前方又は後方にずらして
    配置したことを特徴とする請求項10記載の光ヘッド装
    置。
  12. 【請求項12】 前記光源部と前記対物レンズの間にコ
    リメータレンズを配設し、前記サブビームの光路中に、
    凹レンズ又は凸レンズを介挿したことを特徴とする請求
    項10記載の光ヘッド装置。
  13. 【請求項13】 前記光源部と前記対物レンズの間にコ
    リメータレンズを配設し、前記サブビームの光路中に、
    母線が前記光記録媒体のタンジェンシャル方向に平行な
    円筒凹レンズ又は円筒凸レンズを介挿したことを特徴と
    する請求項10記載の光ヘッド装置。
  14. 【請求項14】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12又は13記載の光ヘッド装置
    と、この光ヘッド装置のフォーカシング及びトラッキン
    グを行うヘッド駆動手段と、このヘッド駆動手段の動作
    制御手段と、前記光検出器の出力に基づいてフォーカス
    誤差信号,トラック誤差信号及び再生信号を生成する信
    号処理回路とを備え、 前記信号処理回路は、前記サブビームに対する受光部の
    出力に基づいて前記光記録媒体上の前記メインビームの
    集光スポットがランド又はグルーブのいずれに位置して
    いるかの判別信号を生成する判別信号生成部を有するこ
    とを特徴とする光学式情報記録再生装置。
  15. 【請求項15】 前記判別信号生成部は、前記サブビー
    ムの前記ラジアル方向の中央部分を受光する受光部の出
    力に対する両端部分を受光する受光部の出力の減算値か
    ら前記判別信号を生成することを特徴とする請求項14
    記載の光学式情報記録再生装置。
  16. 【請求項16】 請求項4,5,6,7,8又は9記載
    の光ヘッド装置と、この光ヘッド装置のフォーカシング
    及びトラッキングを行うヘッド駆動手段と、このヘッド
    駆動手段の動作制御手段と、前記光検出器の出力に基づ
    いてフォーカス誤差信号,トラック誤差信号及び再生信
    号を生成する信号処理回路とを備え、 前記信号処理回路は、前記各サブビームに対する受光部
    の出力に基づいて前記光記録媒体上の前記メインビーム
    の集光スポットがランド又はグルーブのいずれに位置し
    ているかの判別信号を生成する判別信号生成部を有し、 前記+1次回折光の前記ラジアル方向の中央部分を受光
    する受光部の出力に対する両端部分を受光する受光部の
    出力の減算値と、前記−1次回折光の前記ラジアル方向
    の中央部分を受光する受光部の出力に対する両端部分を
    受光する受光部の出力の減算値との差に基づいて前記判
    別信号を生成することを特徴とする光学式情報記録再生
    装置。
  17. 【請求項17】 前記動作制御手段は、前記光記録媒体
    の所定のトラックへのアクセスに際して,前記信号処理
    回路から前記判別信号の入力を受けてからトラックサー
    ボの引き込み動作を行う判定先行機能を有することを特
    徴とする請求項14,15又は16記載の光学式情報記
    録再生装置。
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JP2002170273A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Sony Corp 光ヘッド、受発光素子、及び光記録媒体記録再生装置、ならびにトラック判別信号検出方法
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