JP2001288185A - 縮合環式ベンゾイル誘導体及びそれを用いた除草剤組成物 - Google Patents

縮合環式ベンゾイル誘導体及びそれを用いた除草剤組成物

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JP2001288185A
JP2001288185A JP2000102079A JP2000102079A JP2001288185A JP 2001288185 A JP2001288185 A JP 2001288185A JP 2000102079 A JP2000102079 A JP 2000102079A JP 2000102079 A JP2000102079 A JP 2000102079A JP 2001288185 A JP2001288185 A JP 2001288185A
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Masatoshi Saito
雅俊 斉藤
Hironori Sekiguchi
浩紀 関口
Shinichiro Ogawa
新一郎 尾川
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トウモロコシや小麦、水稲などに対する薬害
が少なく、かつ広範囲な雑草を低薬量で防除しうる新規
な化合物、及びそれを用いた除草剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、各記号は明細書で定義したとおりである。)で
表される縮合環式ベンゾイル誘導体、及びこの縮合環式
ベンゾイル誘導体を有効成分として含有する除草剤組成
物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な縮合環式ベ
ンゾイル誘導体と、この縮合環式ベンゾイル誘導体を有
効成分とする除草剤組成物に関する。さらに詳しくは、
栽培植物の育成を阻害する畑地雑草や水田雑草に有効な
除草剤として有用性の高い縮合環式ベンゾイル誘導体と
これを有効成分として含有する除草剤組成物に関するも
のである。
【従来の技術】従来、除草活性を有する単環式ベンゾイ
ル構造をもつ化合物として、各種のものが開発されてお
り、例えば特開昭62−292755号公報には、下記
構造の除草活性を有する化合物が示されている。
【0002】
【化5】
【0003】さらに、下記の式(A)で表されるスルコ
トリオン(sulcotrione, EP137963)、式(B)で表され
るメソトリオン(mesotrione. EP186118),式(C)で表
されるSB−500(開発番号、特開平6−25144
号公報)などの除草剤が開発されている。
【0004】
【化6】
【0005】しかしながら、これらの化合物は、いずれ
も単環式ベンゾイル化合物である。また、特開平7−8
2240号公報には、複素環式基の置換したベンゾイル
サイクリックエノン誘導体が除草活性を有することが記
され、単環式ベンゾイルのサイクリックエノン誘導体に
ついてのみ具体的に除草活性が示されている。さらに、
国際特許公開99/57111号には、複素環式基の置
換した縮合環式ベンゾイル誘導体として、下記の式
(D)及び(E)で表される化合物が示されているが、
これらの化合物の除草活性については示されていない。
【0006】
【化7】
【0007】このように、複素環式基の置換した縮合環
式ベンゾイル誘導体が、雑草防除に有効であることは、
これまで示されていない。除草剤は、栽培植物の育成を
阻害する雑草の防除作業の省力化と、農園芸作物などの
生産性向上にとって重要な薬剤である。そこで、長年に
わたって、人畜に対して安全であり、また選択性に優れ
ていて栽培作物に対する薬害が少なく、しかも広範な雑
草に対して除草効果の高い除草剤の開発が要望されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、栽培作物と
して、特にトウモロコシや小麦、水稲などに対する薬害
が少なく、かつ広範囲な雑草を低薬量で防除することの
できる新規な化学構造を有する縮合環式ベンゾイル誘導
体と、これを有効成分として含有する除草剤組成物を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、複素環式基の
置換した特定の化学構造を有する縮合環式ベンゾイル誘
導体が、トウモロコシや小麦、水稲などの栽培作物に対
する薬害が少なく、広範囲な種類の雑草を低薬量で防除
し得ることを見出し、これら知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、一般式(I)
【0010】
【化8】
【0011】〔式中、R1 〜R6 は、それぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数1〜6のハロアルキル基であり、Zは、O,S,
SO又はSO2 であり、Aは単結合、炭素数1〜6のア
ルキル基若しくは炭素数1〜6のハロアルキル基を有し
ていてもよいメチレン基又はエチレン基であり、Dは炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル
基、オキソ基及び置換基を有する若しくは有しないフェ
ニル基の中から選ばれる少なくとも1つの置換基を有し
ていてもよい5員又は6員の複素環式基である。 一般式(II)
【0012】
【化9】
【0013】で表される基は、下記の置換構造をもつ5
〜7員の飽和又は不飽和の縮合環基である。
【0014】
【化10】
【0015】ただし、環原子Q1 〜Q5 の2個までは、
窒素、酸素及び硫黄から選択される原子であり(Q1
硫黄原子である場合は除く)、また、環原子Q1 〜Q5
は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアル
キル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6
のハロアルコキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト
基、オキソ基、チオキソ基、ヒドロキシイミノ基、炭素
数1〜6のアルコキシイミノ基、ヒドラゾノ基、炭素数
1〜6のモノアルキルヒドラゾノ基、炭素数1〜6のジ
アルキルヒドラゾノ基から選択される1つまたは2つ以
上の置換基を有していてもよく、Qを構成する環形成原
子又は隣接する環形成原子対は、エチレンジオキシ基、
エチレンジチオ基、プロピレンジオキシ基またはプロピ
レンジチオ基からなる群より選ばれた2価の置換基によ
って置換されて環構造を形成してもよく、前記環上には
ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基が置換し
ていてもよい。
【0016】Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、R7 、OR7 、SR7 、SO2 7 又はNR8 9
であり(ただし、R7 は水素原子、直鎖状、分岐状若し
くは環状の、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜
6のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽
和結合を有していてもよい炭素数1〜6のハロアルキル
基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を
有していてもよいベンジル基であり、R8 、R9 は、そ
れぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状
の、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜6のアル
キル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和結合を
有していてもよい炭素数1〜6のハロアルキル基、置換
基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有してい
てもよいベンジル基であり、R8 とR9 は互いに結合し
て環構造を形成してもよい)、pは0、1又は2であ
る。〕で表される縮合環式ベンゾイル誘導体を提供する
ものである。また、本発明は、上記縮合環式ベンゾイル
誘導体を有効成分として含有する除草剤組成物をも提供
するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の縮合環式ベンゾイル誘導
体は、前記の一般式(I)で表される化学構造を有する
化合物である。一般式(I)において、R1 〜R6 は、
それぞれ独立して、水素原子,ハロゲン原子,炭素数1
〜6のアルキル基,炭素数1〜6のハロアルキル基を示
す。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子,塩素
原子,臭素原子,沃素原子が挙げられ、炭素数1〜6の
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基およ
び各種のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基が挙げられる。各種のプロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基およびヘキシル基は、直鎖状、分岐状または環状の
置換基異性体を含む。また、炭素数1〜6のハロアルキ
ル基の具体例としては、上記アルキル基の一部または全
部の水素原子が塩素原子、フッ素原子、臭素原子または
沃素原子などのハロゲン原子により置換されたハロアル
キル基、例えば、クロロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−
クロロエチル基、2−フルオロエチル基、3−クロロプ
ロピル基、3−フルオロプロピル基などが挙げられる。
このR1 〜R6 は、水素原子であるのが好ましい。
【0018】前記一般式(I)において、Z、すなわち
O,S,SO又はSO2 に結合するAは、単結合、炭素
数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のハロアル
キル基を有していてもよい、メチレン基又はエチレン基
である。ここで、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数
1〜6のハロアルキル基は、上記R1 〜R6 において説
明したものと同様の基が挙げられる。上記Aに結合する
Dは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロア
ルキル基、オキソ基及び置換基を有する若しくは有しな
いフェニル基の中から選ばれる少なくとも1つの置換基
を有していてもよい5員又は6員の複素環式基である。
ここで、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6の
ハロアルキル基は、上記R1 〜R6 において説明したも
のと同様の基が挙げられる。また、フェニル基の環上に
置換基を有する場合、この置換基としては、例えばハロ
ゲン原子,ニトロ基,カルボキシル基,シアノ基,炭素
数1〜4のアルキル基,炭素数1〜4のハロアルキル
基,炭素数1〜4のアルコキシル基,炭素数1〜4のハ
ロアルコキシル基,(炭素数1〜4のアルコキシ)カル
ボニル基,炭素数1〜4のアルキルチオ基,炭素数1〜
4のアルキルスルフィニル基,炭素数1〜4のアルキル
スルホニル基の中から選ばれる1又は2個の基を挙げる
ことができる。
【0019】また、5員又は6員の複素環式基の例とし
ては、ピリジン,ピリミジン,トリアジン,チオフェ
ン,フラン,オキサゾール,チアゾール,イミダゾー
ル,トリアゾール,テトラゾール,オキサジアゾール,
チアジアゾールなどの複素環式化合物の一価の残基、あ
るいは上記複素環式化合物の水素化物の一価の残基を挙
げることができる。これらの中で、環原子として窒素原
子を含む5員の複素環式基であるアゾール残基が好まし
い。前記一般式(I)において、一般式(II)
【0020】
【化11】
【0021】で表される基は、下記の置換構造をもつ5
〜7員の飽和又は不飽和の縮合環基である。
【0022】
【化12】
【0023】上記縮合環基において、環原子Q1 〜Q5
の2個までは、窒素、酸素及び硫黄から選択される原子
であるが、Q1 が硫黄原子である場合は除く。環を形成
する硫黄は−SO−又は−SO2 −を形成してもよい。
環原子Q1 〜Q5 は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル
基、炭素数1〜6のハロアルコキシル基、ヒドロキシル
基、メルカプト基、オキソ基、チオキソ基、ヒドロキシ
イミノ基、炭素数1〜6のアルコキシイミノ基、ヒドラ
ゾノ基、炭素数1〜6のモノアルキルヒドラゾノ基、炭
素数1〜6のジアルキルヒドラゾノ基から選択される1
つまたは2つ以上の置換基を有していてもよい。Qを構
成する環形成原子又は隣接する環形成原子対は、エチレ
ンジオキシ基、エチレンジチオ基、プロピレンジオキシ
基またはプロピレンジチオ基からなる群より選ばれた2
価の置換基によって置換されて環構造を形成してもよ
く、前記環上にはハロゲン原子または炭素数1〜6のア
ルキル基が置換していてもよい。
【0024】上記炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数
1〜6のハロアルキル基は、前記R 1 〜R6 において説
明したものと同様の基が挙げられる。また、炭素数1〜
6のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基および各種のプロポキシ基、ブトキシ基、ペン
チルオキシ基またはヘキシルオキシ基などが挙げられ
る。各種のプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基は、直鎖状、分岐状及び環状の異
性体を含み、これらは不飽和基を有していてもよい。ま
た、炭素数1〜6のハロアルコキシル基としては、例え
ば、クロロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ
基、トリクロロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオ
キシ基、2−クロロエチルオキシ基、2−フルオロエチ
ルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ基、3−フルオ
ロプロピルオキシ基などが挙げられる。また、炭素数1
〜6のアルコキシイミノ基としては、メトキシイミノ
基、エトキシイミノ基および各種のプロポキシイミノ
基、ブトキシイミノ基、ペンチルオキシイミノ基、ヘキ
シルオキシイミノ基などが挙げられる。さらに、炭素数
1〜6のモノアルキルヒドラゾノ基としては、メチルヒ
ドラゾノ基、エチルヒドラゾノ基、および各種のプロピ
ルヒドラゾノ基、ブチルヒドラゾノ基、ペンチルヒドラ
ゾノ基、ヘキシルヒドラゾノ基などが挙げられ、炭素数
1〜6のジアルキルヒドラゾノ基としては、ジメチルヒ
ドラゾノ基、メチルエチルヒドラゾノ基、ジエチルヒド
ラゾノ基、ジ−n−プロピルヒドラゾノ基、ジイソプロ
ピルヒドラゾノ基などが挙げられる。
【0025】Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
沃素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、R
7 、OR7 、SR7 、SO2 7 又はNR8 9 を表
す。R 7 は水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の、
不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル
基、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和結合を有し
ていてもよい炭素数1〜6のハロアルキル基、置換基を
有していてもよいフェニル基又は置換基を有していても
よいベンジル基であり、R8 、R9 は、それぞれ独立
に、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和
結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、直
鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和結合を有していて
もよい炭素数1〜6のハロアルキル基、置換基を有して
いてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいベ
ンジル基である。R8 とR9 は互いに結合して環構造を
形成してもよい。具体的には、R7 はメチル基、エチル
基、各種のプロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキ
シル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリク
ロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチ
ル基、2−フルオロエチル基、3−クロロプロピル基、
3−フルオロプロピル基などであり、NR8 9 はメチ
ルアミノ基、エチルアミノ基および各種のプロピルアミ
ノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルア
ミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、シ
エチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−i−
プロピルアミノ基などである。
【0026】上記フェニル基やベンジル基の環上に置換
基を有する場合、この置換基としては、前記Dの説明に
おいてフェニル基の環上の置換基として例示したものと
同じものを挙げることができる。このXは、ハロゲン原
子,ニトロ基,シアノ基,R 7 ,OR7 ,SR7 ,SO
27 であるのが好ましい。なお、pは 0、1又は2で
ある。上記一般式(II)で表される縮合環基において、
環原子Q5 が硫黄原子、環原子Q1 が炭素原子、あるい
は環原子Q1 〜Q4 が炭素原子であることが好ましく、
そしてQ1 が炭素原子の場合、Q1 上の置換基が水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコ
キシル基,オキソ基,炭素数1〜6のアルコキシイミノ
基であるものが好ましい。Q1 がCH2 であるものがよ
り好ましく、特にQ1 〜Q4 が、いずれもCH2 である
ものが好ましい。本発明の一般式(I)で表される縮合
環式ベンゾイル誘導体としては、一般式(I−a)又は
一般式(I−b)
【0027】
【化13】
【0028】(式中、R1 〜R6 ,A,D,Q1
2 ,Q3 ,Q5 ,X,Z及びpは前記と同じである。
)で表される化合物が好適である。前記一般式(I)で
表される縮合環式ベンゾイル誘導体は、R1 及びR2
うちの少なくとも一方、又はR5 及びR6 のうちの少な
くとも一方が、水素原子である場合には、以下に示すよ
うに互変異性を示す。なお、下記の式は、R1 又はR 6
を水素原子とした例である。
【0029】
【化14】
【0030】(式中、R1 〜R6 ,Q,X,Z,A,D
及びpは前記と同じである。) これらの互変異性体は、同等の除草活性を有し、本発明
の縮合環式ベンゾイル誘導体に含まれる。本発明の縮合
環式ベンゾイル誘導体は、例えば以下に示す方法により
製造することができる。 (1)Z=Oの場合 一般式(I)におけるZがOの場合、下記の反応式
【0031】
【化15】
【0032】(式中、R1 〜R6 ,A,D,Q,X及び
pは前記と同じである。)で示されるように、トリケト
ン化合物(III) をアルコール(IV) と反応させることに
より、一般式(I−c)で示される縮合環式ベンゾイル
誘導体が得られる。この反応においては、トリケトン化
合物(III)をDAST等のフッ素化試剤を等モル以上用
いてフッ素化物とし、アルコール(IV) と反応させる。
反応溶媒としては塩化メチレンのような不活性溶媒が適
している。この反応を行う際には、0℃ないし溶媒沸点
の間の温度において反応が完結するまで攪拌すればよ
い。 (2)Z=Sの場合 一般式(I)におけるZがSの場合、下記の反応式
【0033】
【化16】
【0034】(式中、R1 〜R6 ,A,D,Q,X及び
pは前記と同じである。)で示されるように、クロロ化
合物(V)をチオール (VI) と反応させることにより、
一般式(I−d)で示される縮合環式ベンゾイル誘導体
が得られる。この反応においては、チオール (VI) を水
素化ナトリウム等のアルカリ金属試剤を等モル以上用い
て塩とし、クロロ化合物(V)と反応させる。反応溶媒
としてはテトラヒドロフランのような不活性溶媒が適し
ている。この反応を行う際には、室温ないし溶媒沸点の
間の温度において反応が完結するまで攪拌すればよい。
また、別法として、チオール (VI) とクロロ化合物
(V)を無溶媒あるいは塩化メチレン,1,2−ジクロ
ロエタン,クロロホルムなどの溶媒を用いて、室温ない
し溶媒沸点の間の温度において反応が完結するまで攪拌
すればよい。この反応では、トリエチルアミンのような
有機塩基を触媒量または等モル以上用いてもよい。 (3)Z=SO又はSO2 の場合 一般式(I)におけるZがSO又はSO2 の場合、下記
の反応式
【0035】
【化17】
【0036】(式中、qは1又は2を示し、R1
6 ,A,D,Q,X及びpは前記と同じである。)で
示されるように、スルフィド化合物(I−d)を酸化す
ることにより、一般式(I−e)で示される縮合環式ベ
ンゾイル誘導体が得られる。この反応においては、スル
フィド化合物(I−d)に過酸化水素水、m−クロロ過
安息香酸等の酸化剤を実質上等モル又は2倍モル用い
る。反応溶媒としては過酸化水素を用いる場合は酢酸の
ような極性溶媒が、m−クロロ過安息香酸のような有機
過酸化物を用いる場合は塩化メチレンのような不活性溶
媒が適している。この反応を行う際には、室温ないし溶
媒沸点の間の温度において反応が完結するまで攪拌すれ
ばよい。本発明の除草剤組成物は、上記のようにして得
られた前記一般式(1)で表される縮合環式ベンゾイル
誘導体を有効成分として含むものであり、特に水稲用と
して好適である。縮合環式ベンゾイル誘導体を溶媒など
の液状担体または鉱物質微粉などの固体担体と混合し、
水和剤、乳剤、粉剤または粒剤等の形態に製剤化して使
用することができる。さらに、除草剤組成物の製剤化に
際して、該組成物に乳化性、分散性および展着性などを
付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
【0037】本発明の除草剤組成物を水和剤の形態で使
用する場合、通常、縮合環式ベンゾイル誘導体を5〜5
5重量%、固体担体を40〜93重量%および界面活性
剤を2〜5重量%の割合で配合した組成物を調製し、こ
れを除草に使用すればよい。本発明の除草剤組成物を乳
剤の形態で使用する場合には、通常、縮合環式ベンゾイ
ル誘導体を10〜50重量%、溶剤35〜85重量%お
よび界面活性剤を5〜15重量%の割合で配合した組成
物を調製し、これを除草に使用すればよい。本発明の除
草剤組成物を粉剤の形態で使用する場合には、通常、縮
合環式ベンゾイル誘導体を1〜15重量%、固体担体を
80〜97重量%および界面活性剤を2〜5重量%の割
合で配合した組成物を調製して使用すればよい。さら
に、本発明の除草剤組成物を粒剤の形態で使用する場合
には、通常、縮合環式ベンゾイル誘導体を1〜15重量
%、固体担体を80〜97重量%および界面活性剤を2
〜5重量%の割合で配合した組成物を粒状に成形したも
のを、除草に使用すればよい。
【0038】ここで用いる固体担体としては、例えばケ
イソウ土や消石灰などの酸化物、リン灰石などのリン酸
塩、セッコウなどの硫酸塩、タルク、パイロフェライ
ト、クレー、カオリン、ベントナイト、酸性白土、ホワ
イトカーボン、石英粉末、ケイ石粉などの鉱物質の微粉
などが好適なものとして挙げられる。また、前記溶剤と
しては、例えばベンゼン、トルエンもしくはキシレン等
の芳香族炭化水素、o−クロロトルエン、トリクロロエ
タンもしくはトリクロロエチレンなどの塩素化炭化水
素、シクロキサノール、アミルアルコール、エチレング
リコールなどのアルコール、イソホロン、シクロヘキサ
ノン、シクロヘキセニル−シクロヘキサノンなどのケト
ン、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、メチルエチ
ルエーテルなどのエーテル、酢酸イソプロピル、酢酸ベ
ンジル、フタル酸メチルなどのエステル、ジメチルホル
ムアミドなどのアミド、これらの混合物などの有機溶媒
が好適なものとして挙げられる。
【0039】さらに、前記界面活性剤としては、アニオ
ン型、ノニオン型、カチオン型またはアミノ酸またはベ
タインなどの両性イオン型の界面活性剤のいずれも使用
することができる。本発明の除草剤組成物には、有効成
分として、前記一般式(I)で表される縮合環式ベンゾ
イル誘導体と共に、必要に応じて、他の除草活性を有す
る成分を含有させることができる。このような他の除草
活性成分としては、例えばジフェニルエーテル系、トリ
アジン系、尿素系、カーバメイト系、チオカーバメイト
系、酸アニリド系、ピラゾール系、リン酸系、スルホニ
ルウレア系、オキサジアゾン系などが挙げられ、これら
除草活性成分を適宜選択して併用することができる。さ
らに、本発明の除草剤組成物に、必要に応じて、殺虫
剤、殺菌剤、植物生長調節剤、肥料などを含有させるこ
ともできる。
【0040】本発明の除草剤組成物は、雑草の発芽前ま
たは発芽後に、雑草またはその生育地に施用される。施
用手段としては、栽培植物の種類や使用環境によって異
なるが、たとえば噴霧、散布、散水、注水などの方法を
採用することができる。本発明の化合物の施薬量は、製
剤の形態、散布方法、雑草の種類と量、生育状況など様
々な条件を考慮して決められる。通常0.025〜5kg
/ha、好ましくは0.05〜2kg/haであり、当業
者であれば、必要な除草効果を得るための有効量を容易
に決めることができる。前記栽培植物としては、たとえ
ばイネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、エンバク、
ソルガムなどのイネ科植物や、ダイズ、ワタ、ビート、
ヒマワリ、ナタネなどの広葉作物のほか、果樹、果菜類
や根菜類、葉菜類などの野菜、芝生などが挙げられる。
【0041】本発明の除草剤組成物による防除の対象と
する雑草としては、水田雑草(Paddy weed
s)のヘラオモダカ(Alisma canalicu
latum)、オモダカ(Sagittaria tr
ifolia)、ウリカワ(Sagittaria p
ygmaea)などのオモダカ科(Alismatac
eae)雑草、タマガヤツリ(Cyperus dif
formis)、ミズカヤツリ(Cyperus se
rotinus)、ホタルイ(Scirpusjunc
oides)、クログワイ(Eleocharis k
uroguwai)などのカヤツリグサ科(Cyper
aceae)雑草、アゼナ(Lindernia py
xidaria)などのゴマノハグサ科(Scroph
ulariaceae)雑草、コナギ(Monocho
ria vaginalis)などのミズアオイ科(P
ontenderiaceae)雑草、ヒルムシロ(P
otamogeton distinctus)などの
ミソハギ科(Potamogetonaceae)雑
草、キカシグサ(Rotala indica)等のミ
ソハギ科(Lythraceae)雑草、タイヌビエ
(Echinochloa cruggalli)など
のイネ科(Gramineae)雑草などがある。
【0042】また、畑雑草としては、イヌホウズキ(S
olanum nigrum)、チョウセンアサガオ
(Datura stramonium)などのナス科
(Solanaceae)雑草、イチビ(Abutil
on theophrasti)、アメリカキンゴジカ
(Sida spinosa)などのアオイ科(Mal
vaceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea
purpurea)などのヒルガオ科(Convol
vulaceae)雑草、イヌビユ(Amaranth
us lividus)などのヒユ科(Amarant
haceae)雑草、オナモミ(Xanthium s
trumarium)、ブタクサ(Ambrosia
artemisifolia)、ハキダメギク(Gal
insoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ
(Cirsium arvense)、ノボロギク(S
enecio Vulgaris)、ヒメジヨン(Er
igeron annus)などのキク科(Compo
sitae)雑草、イヌガラシ(Rorippa in
dica)、ノハラガラシ(Sinapis arve
nsis)、ナズナ(Capsella bursa−
pastoris)などのアブラナ科(Brassic
aceae)雑草、イヌタデ(Polygonum b
ulumei)、ソバカズラ(Polygonum c
onvolvulus)などのタデ科(polygon
aceae)雑草、スベリヒユ(Portulaca
oleracea)などのスベリヒユ科(Portul
acaceae)雑草、シロザ(Chenopodiu
m album)、コアカザ(Chenopodium
ficiolium)、ホウキザ(Kochia s
coparia)などのアカザ科(Chenopodi
aceae)雑草、ハコベ(Stellaria me
dia)等のナデシコ科(Caryophyllace
ae)雑草、オオイヌノフグリ(Veronica p
ersica)などのゴマノハグサ科(Scrophu
lariaceae)雑草、ツユクサ(Commeli
na communis)などのツユクサ科(Comm
elinaceae)雑草、ホトケノザ(Lamium
amplexicaule)、ヒメオドニシキソウ
(Euphorbia supina)、オオニシキソ
ウ(Euphorbia maculata)などのト
ウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑草、ト
ゲナシヤエムグラ(Galium spurium)、
ヤエムグラ(Galium aparine)、アカネ
(Rubia akane)などのアカネ科(Rubi
aceae)雑草、スミレ(Viola arvens
is)などのスミレ科(Vilaceae)雑草、アメ
リカツノクサネム(Sesbania exaltat
a)、エビスグサ(Cassia obtusifol
ia)などのマメ科(Leguminosae)雑草な
どの広葉雑草(Broad−leaved weed
s)、野性ソルガム(Sorghumbicolo
r)、オオクサキビ(Panicum dichoto
miflorum)、ジョンソングラス(Sorghu
m haepense)、イヌビエ(Echinoch
loa crus−galli)、メヒシバ(Digi
taria adscendes)、カラスムギ(Av
ena fatua)、オヒシバ(Eleusine
indica)、エノコログサ(Setaria vi
ridis)もしくはスズメノテッポウ(Alopec
urus aequalis)などのイネ科雑草(Gr
aminaceous weeds)、ハマスゲ(Cy
perus rotundus、Cyperus es
culentus)などのカヤツリグサ科雑草(Cyp
eraceous weeds)などがある。
【0043】
【実施例】次に、本発明を製造実施例及び除草剤実施例
により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの
例によってなんら限定されるものではない。 製造例1 4−クロロ−5−オキシカルボニル−2,3−ジヒドロ
ベンゾチオフェン−1,1−ジオキシドの合成 (1)4−カルボキシメチルスルフェニル−2−クロロ
安息香酸エチルエステルの合成 2,4−ジクロロ安息香酸エチルエステル10.0g
と、炭酸カリウム9.44g、ジメチルホルムアミド5
0ミリリットルおよびメルカプト酢酸3.8ミリリット
ルを、80℃において4時間加熱して反応させた。つい
で、得られた反応混合物を氷水に注ぎ込み、酢酸エチル
により抽出した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。さら
に、濾別した後に濃縮して、粗反応生成物12.3gを
得た。
【0044】(2)4−クロロ−5−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェンの
合成 上記(1)で得られた4−カルボキシメチルスルフェニ
ル−2−クロロ安息香酸エチルエステル12.3gと、
1,2−ジクロロエタン36ミリリットルおよび塩化チ
オニル3.9ミリリットルを、1時間にわたり、加熱還
流した。得られた反応混合物を濃縮して得た酸塩化物
を、ジクロロメタン36ミリリットルに溶解した。そし
て、この溶液を、先に調製しておいた塩化アルミニウム
14.3g(107ミリモル)とジクロロメタン150
ミリリットルの溶液に、氷温で1時間かけて滴下し、さ
らに室温で2時間反応した。得られた反応混合物を氷水
に注ぎ込み、ジクロロメタンにより抽出した後、硫酸ナ
トリウムで乾燥した。ついで、濾別した後に濃縮して、
粗反応生成物の茶褐色オイル12.3gを得た。さら
に、この粗反応生成物をカラムクロマトグラフィーによ
り精製することによって、目的物の茶色オイル5.3g
(収率23%)を得た。
【0045】(3)4−クロロ−5−エトキシカルボニ
ル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ンの合成 上記(2)で得られた4−クロロ−5−エトキシカルボ
ニル−3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
5.3gと、ジクロロメタン25ミリリットル、および
エタノール25ミリリットルの溶液を、氷浴で冷却し、
これに水素化ホウ素ナトリウム0.26gを加え、一晩
放置した。ついで、得られた反応溶液を氷水に注ぎ込
み、ジクロロメタンにより抽出した後、硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾別、濃縮することにより、目的物5.3g
(収率98%)を得た。
【0046】(4)4−クロロ−5−エトキシカルボニ
ルベンゾチオフェンの合成 上記(3)で得られた4−クロロ−5−エトキシカルボ
ニル−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾチオフ
ェン5.3gと、トルエン50ミリリットルおよびp−
トルエンスルホン酸0.2gを、1時間にわたり共沸脱
水した。得られた反応溶液をトルエンで希釈し、飽和炭
酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、濾別した後、濃縮して目的物の茶色オイル4.6g
(収率95%)を得た。
【0047】(5)4−クロロ−5−エトキシカルボニ
ルベンゾチオフェン 1,1−ジオキシドの合成 上記(4)で得られた4−クロロ−5−エトキシカルボ
ニルベンゾチオフェン4.6gと、酢酸30ミリリット
ルおよび30重量%濃度の過酸化水素水5.4ミリリッ
トルを80℃において、2時間攪拌下に反応させた。つ
いで、反応生成物を室温まで冷却し、反応溶液を水で希
釈した後、生成した固体を濾別した。得られた固体を乾
燥後、カラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の無
色結晶3.7g(収率95%)を得た。
【0048】(6)4−クロロ−5−エトキシカルボニ
ル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオ
キシドの合成 上記(5)で得られた4−クロロ−5−エトキシカルボ
ニルベンゾチオフェン1,1−ジオキシド3.7gを5
%パラジウム/カーボンの存在下でテトラヒドロフラン
40ミリリットル中、水素ガス雰囲気下、常圧常温にお
いて、8時間水素添加した。ついで、得られた反応混合
物を濾別して濃縮することにより、目的物の淡黄色オイ
ル3.44g(収率91%)を得た。
【0049】(7)4−クロロ−5−オキシカルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン1,1−ジオキシ
ドの合成 上記(6)で得られた4−クロロ−5−エトキシカルボ
ニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジ
オキシド3.44gをエタノール35ミリリットルに溶
解した溶液に、20重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶
液5ミリリットルを加えて、一晩放置した。ついで、こ
の反応混合物を濃縮し、5重量%濃度の塩酸水溶液を加
えて酸性にし、生成した沈殿を濾別した後、乾燥して目
的物の無色結晶2.6g(収率84%)を得た。
【0050】得られた無色結晶を 1H−NMR(アセト
ン−d6 ;TMS標準)分析した結果、3.4〜3.8
(m,4H)、7.85(1H,d)、8.06(1
H,d)に吸収が観測された。また、赤外線スペクトル
分析においては、3080cm -1,3010cm-1,1
690cm-1,1410cm-1,1400cm-1,13
10cm-1,1290cm-1,1250cm-1,119
0cm-1,1130cm -1に吸収ピークが観測された。
これら結果より、得られた結晶は、4−クロロ−5−オ
キシカルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシドであることを確認した。また、この
化合物の融点は、232〜233℃であった。
【0051】製造例2 4−クロロ−5−(1,3−ジオキソシクロヘキサ−2
−イル)カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ン 1,1−ジオキシドの合成 製造例1で得られた4−クロロ−5−オキシカルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シド1.0gと、塩化チオニル0.54gの1,2−ジ
クロロエタン懸濁液4ミリリットルを、1時間にわた
り、加熱還流下に反応させた。得られた反応生成物から
減圧下に溶媒を留去し酸塩化物を得た。酸塩化物と1,
3−シクロヘキサンジオン0.47gを溶媒のアセトニ
トリル10ミリリットルに溶解させた溶液に、室温にお
いて、トリエチルアミン0.82gをアセトニトリル5
ミリリットルに溶解させた溶液を滴下した。ついで、こ
の混合液を室温で2時間攪拌した後、これに、アセトン
シアンヒドリン0.01gを加え、室温において20時
間攪拌した。
【0052】つぎに、この反応混合物に、酢酸エチルを
加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液で抽出した。水層に1
0%濃度の塩酸を加えてpH値を1とし、酢酸エチルに
より抽出した。得られた有機層を、水および飽和食塩水
により洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。こ
のようにして得られた反応混合物から、減圧下に溶媒を
留去して、生成物1.24g(収率90%)を得た。得
られた生成物を 1H−NMR分析した結果、1.9〜
2.3(m,2H)、2.3〜2.7(m,2H)、
2.6〜3.0(m,2H)、3.1〜3.8(m,4
H)、7.32(1H,d)、7.69(1H,d)に
吸収が観測された。また、赤外線スペクトル分析におい
ては、1675cm-1,1575cm-1,1550cm
-1,1400cm-1,1295m-1,1125cm-1
吸収ピークが観測された。これら結果より、得られた生
成物は、4−クロロ−5−(1,3−ジオキソシクロヘ
キサ−2−イル)カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾ
チオフェン 1,1−ジオキシドであることが確認され
た。また、この化合物の融点は、156.0〜159.
7℃であった。
【0053】製造例3 4−クロロ−5−(3−クロロ−1−オキソ−2−シク
ロヘキセン−2−イル)カルボニル−2,3−ジヒドロ
ベンゾチオフェン 1,1−ジオキシドの合成 製造例2で得られた4−クロロ−5−(1,3−ジオキ
ソシクロヘキサ−2−イル)カルボニル−2,3−ジヒ
ドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシド1.00g
を溶媒の1,2−ジクロロエタン5ミリリットルに溶解
させた。ついで、この溶液に、室温においてオキサリル
クロリド0.36gおよびジメチルホルムアミド0.0
1gを加え、1時間にわたり加熱還流下に反応させた。
ついで、この反応混合物から、減圧下に溶媒を留去して
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精
製することにより、生成物0.99g(収率94%)を
得た。
【0054】得られた生成物を 1H−NMR分析した結
果、2.0〜2.4(m,2H)、2.4〜2.7
(m,2H)、2.8〜3.0(m,2H)、3.3〜
3.7(m,4H)、7.70(1H,d)、7.82
(1H,d)に吸収が観測された。また、赤外線スペク
トル分析においては、1683cm-1,1605c
-1,1390cm-1,1300cm-1,1175
-1,1125cm-1に吸収ピークが観測された。これ
ら結果より、得られた生成物は、4−クロロ−5−(3
−クロロ−1−オキソ−2−シクロヘキセン−2−イ
ル)カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシドであることが確認された。また、こ
の化合物の融点は、83.8〜85.4℃であった。
【0055】実施例1 4−クロロ−5−[1−オキソ−3−(2−ピリジニル
チオ)−2−シクロヘキセン−2−イル]カルボニル−
2,3−ジヒドロベンゾチオフェン1,1−ジオキシド
(化合物No.1) 製造例3で得られた4−クロロ−5−(3−クロロ−1
−オキソ−2−シクロヘキセン−2−イル)カルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シド0.5gと2−メルカプトピリジン0.16gの塩
化メチレン5ミリリットル溶液に、室温でトリエチルア
ミン0.14gを加え、一晩放置した。反応溶媒を減圧
下留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し、目的物0.54g (収率90%)を得
た。この生成物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル
分析結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表
に示す。これらの測定結果により、ここで得られた生成
物は、4−クロロ−5−[1−オキソ−3−(2−ピリ
ジンチオ)−2−シクロヘキセン−2−イル]カルボニ
ル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオ
キシド(化合物No.1)であると認められた。
【0056】実施例2 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(N−オキソピ
リジン−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−
イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.2) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、2
−メルカプトピリジンN−オキシドを用いた他は、実施
例1と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化
合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、
化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例3 4−クロロ−5−[1−オキソ−3−(2−ピリミジニ
ルチオ)−2−シクロヘキセン−2−イル]カルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シド(化合物No.3) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、2
−メルカプトピリミジンを用いた他は、実施例1と同様
にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物の1
−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学構造式
ならびに融点の測定結果を第1表に示す。
【0057】実施例4 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(4−メチルピ
リミジン−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−2
−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ン 1,1−ジオキシド(化合物No.4) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、4
−メチルピリミジン−2−チオールを用いた他は、実施
例1と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化
合物の1 H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、
化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例5 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(4,6−ジメ
チルピリミジン−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセ
ン−2−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチ
オフェン 1,1−ジオキシド(化合物No.5) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、
4,6−ジメチルピリミジン−2−チオールを用いた他
は、実施例1と同様にして、目的化合物を得た。得られ
た目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分
析結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に
示す。
【0058】実施例6 4−クロロ−5−[1−オキソ−3−(2−チオフェニ
ルチオ)−2−シクロヘキセン−2−イル]カルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シド(化合物No.6) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、チ
オフェン−2−チオールを用いた他は、実施例1と同様
にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物の 1
−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学構造式
ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例7 4−クロロ−5−[1−オキソ−3−(2−チオフェン
スルホニル)−2−シクロヘキセン−2−イル]カルボ
ニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジ
オキシド(化合物No.7) 実施例6で得られた4−クロロ−5−[1−オキソ−3
−(2−チオフェニルチオ)−2−シクロヘキセン−2
−イル]カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ン 1,1−ジオキシド1.00gの塩化メチレン10
ミリリットル溶液に室温でm−クロロ過安息香酸1.9
6gを加え、一晩放置した。反応液を濾過し、5重量%
亜硫酸ナトリウム水溶液、5重量%炭酸カリウム水溶液
で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、
溶媒を留去後、目的化合物0.86g(収率80%)を
得た。得られた目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線
スペクトル分析結果、化学構造式ならびに融点の測定結
果を第1表に示す。
【0059】実施例8 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(1,3−チア
ゾール−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−
イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.8) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、
1,3−チアゾール−2−チオールを用いた他は、実施
例1と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化
合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、
化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例9 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−メチルフ
ラン−3−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−イ
ル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.9) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、2
−メチルフラン−3−チオールを用いた他は、実施例1
と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物
1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学
構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。
【0060】実施例10 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(4,5−ジフ
ェニル−1,3−オキサゾール−2−イル)チオ]−2
−シクロヘキセン−2−イル}カルボニル−2,3−ジ
ヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシド(化合物
No.10) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、
4,5−ジフェニル−1,3−オキサゾール−2−チオ
ールを用いた他は、実施例1と同様にして、目的化合物
を得た。得られた目的化合物の 1H−NMRおよび赤外
線スペクトル分析結果、化学構造式ならびに融点の測定
結果を第1表に示す。 実施例11 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(1−メチルイ
ミダゾール−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−
2−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフ
ェン 1,1−ジオキシド(化合物No.11) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、1
−メチルイミダゾール−2−チオールを用いた他は、実
施例1と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的
化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結
果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示
す。
【0061】実施例12 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−フラニル
メチル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−イル}カル
ボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン1,1−ジ
オキシド(化合物No.12) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、2
−フラニルメタンチオールを用いた他は、実施例1と同
様にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物の 1
H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学構造
式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例13 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−チオフェ
ニルメチル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−イル}
カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,
1−ジオキシド(化合物No.13) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、2
−チオフェニルメタンチオールを用いた他は、実施例1
と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物
1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学
構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。
【0062】実施例14 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−フラニル
メタン)スルホニル]−2−シクロヘキセン−2−イ
ル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.14) 実施例7で用いた4−クロロ−5−[1−オキソ−3−
(2−チオフェニルチオ)−2−シクロヘキセン−2−
イル]カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシドに代えて、4−クロロ−5−{1
−オキソ−3−[(2−フラニルメチル)チオ]−2−
シクロヘキセン−2−イル}カルボニル−2,3−ジヒ
ドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシドを用いた他
は、実施例7と同様にして、目的化合物を得た。得られ
た目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分
析結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に
示す。 実施例15 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−チオフェ
ニルメタン)スルホニル]−2−シクロヘキセン−2−
イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.15) 実施例7で用いた4−クロロ−5−[1−オキソ−3−
(2−チオフェニルチオ)−2−シクロヘキセン−2−
イル]カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシドに代えて、4−クロロ−5−{1
−オキソ−3−[(2−チオフェニルメチル)チオ]−
2−シクロヘキセン−2−イル}カルボニル−2,3−
ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシドを用い
た他は、実施例7と同様にして、目的化合物を得た。得
られた目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクト
ル分析結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1
表に示す。
【0063】実施例16 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−チオフェ
ニル)メトキシ]−2−シクロヘキセン−2−イル}カ
ルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン1,1−
ジオキシド(化合物No.16) 製造例2で得られた4−クロロ−5−(1,3−ジオキ
ソシクロヘキサ−2−イル)カルボニル−2,3−ジヒ
ドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシド1.0gの
塩化メチレン10ミリリットル溶液に氷冷下ジエチルア
ミノサルファートリフルオリド0.52ミリリットルを
加え、室温で1時間撹拌した。反応後に2−チオフェニ
ルメタノール2ミリリットルを加え、さらに1時間撹拌
した。反応液を塩化メチレンで薄め、飽和重曹水溶液で
洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別し、溶
媒を留去後、租生成物をメタノールで再結晶し、目的化
合物0.64g(収率50%)を得た。得られた目的化
合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、
化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。 実施例17 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(2−テトラヒ
ドロフラニル)メトキシ]−2−シクロヘキセン−2−
イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.17) 実施例16で用いた2−チオフェニルメタノールに代え
て2−テトラヒドロフラニルメタノールを用いた他は、
実施例16と同様にして、目的化合物を得た。得られた
目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析
結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示
す。
【0064】実施例18 4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(テトラヒドロ
フラン−3−イル)オキシ]−2−シクロヘキセン−2
−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェ
ン 1,1−ジオキシド(化合物No.18) 実施例16で用いた2−チオフェニルメタノールに代え
て3テトラヒドロフラノールを用いた他は、実施例16
と同様にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物
1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学
構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。
【0065】実施例19 〔1〕4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(1,
2,4−トリアゾール−3−イル)チオ]−2−シクロ
ヘキセン−2−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベ
ンゾチオフェン1,1−ジオキシド(化合物No.1
9) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、
1,2,4−トリアゾール−3−チオールを用いた他
は、実施例1と同様にして、目的化合物を得た。得られ
た目的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分
析結果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に
示す。
【0066】実施例20 〔1〕4−クロロ−5−{1−オキソ−3−[(イミダ
ゾール−2−イル)チオ]−2−シクロヘキセン−2−
イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン
1,1−ジオキシド(化合物No.20) 実施例1で用いた2−メルカプトピリジンに代えて、イ
ミダゾール−2−チオールを用いた他は、実施例1と同
様にして、目的化合物を得た。得られた目的化合物の 1
H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結果、化学構造
式ならびに融点の測定結果を第1表に示す。
【0067】実施例21 〔1〕4−クロロ−7−{1−オキソ−3−[(1−メ
チルイミダゾール−2−イル)チオ]−2−シクロヘキ
セン−2−イル}カルボニル−2,3−ジヒドロベンゾ
チオフェン1,1−ジオキシド(化合物No.21) 実施例11で用いた4−クロロ−5−(3−クロロ−1
−オキソ−2−シクロヘキセン−2−イル)カルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シドに代えて、4−クロロ−7−(3−クロロ−1−オ
キソ−2−シクロヘキセン−2−イル)カルボニル−
2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキシ
ドを用いた他は、実施例11と同様にして、目的化合物
を得た。得られた目的化合物の 1H−NMRおよび赤外
線スペクトル分析結果、化学構造式ならびに融点の測定
結果を第1表に示す。
【0068】実施例22 〔1〕5,8−ジメチル−6−{1−オキソ−3−
[(1−メチルイミダゾール−2−イル)チオ]−2−
シクロヘキセン−2−イル}カルボニルチオクロマン
1,1−ジオキシド(化合物No.22) 実施例11で用いた4−クロロ−5−(3−クロロ−1
−オキソ−2−シクロヘキセン−2−イル)カルボニル
−2,3−ジヒドロベンゾチオフェン 1,1−ジオキ
シドに代えて、5,8−ジメチル−6−(3−クロロ−
1−オキソ−2−シクロヘキセン−2−イル)カルボニ
ルチオクロマン 1,1−ジオキシドを用いた他は、実
施例11と同様にして、目的化合物を得た。得られた目
的化合物の 1H−NMRおよび赤外線スペクトル分析結
果、化学構造式ならびに融点の測定結果を第1表に示
す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】除草剤実施例 〔1〕除草剤組成物の調製 担体としてタルク57重量部およびベントナイト40重
量部を用い、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム3重量部を用い、これらを均一に粉砕混
合して、水和剤用の担体を得た。ついで、この水和剤用
担体90重量部に、製造実施例で得られた各縮合環式ベ
ンゾイル誘導体10重量部を加えて、均一に粉砕混合す
ることにより、除草剤組成物を得た。 〔2〕除草試験 (1)畑地土壌処理試験 畑地土壌を充填した1/5000アールのワグネルポッ
トに、イヌビエ、エノコログサ、ノスズメノテッポウ、
イチビ、ブタクサおよびハコベの畑地雑草種子および栽
培作物としてトウモロコシ,コムギ,ダイズ,ビートの
種子を播種し、覆土した。上記〔1〕で調製した除草剤
組成物の所定量を水に懸濁して、これを土壌表面に均一
に散布した。その後、このポットを温室内に載置して播
種した植物を育成した。除草剤による処理後20日目
に、除草効果および栽培作物への薬害を観察した。これ
ら結果を第2表に示す。
【0075】(2)畑地茎葉処理試験 畑地土壌を充填した1/5000アールのワグネルポッ
トに、イヌビエ、エノコログサ、ノスズメノテッポウ、
イチビ、ブタクサおよびハコベの畑地雑草種子および栽
培作物としてトウモロコシ,コムギ,ダイズ,ビートの
種子を播種し、覆土した。このように処理したポットを
温室内に載置して播種した植物を育成した。つぎに、こ
れら植物の3〜4葉期に、上記〔1〕で調製した除草剤
組成物を所定量水に懸濁し、これを2000リットル/
ヘクタール相当の液量で、これら植物の茎葉部に均一に
スプレー散布した。その後、これら植物を温室内で育成
し、除草剤による処理後30日目に、除草効果および栽
培作物への薬害を観察した。これら結果を第3表に示
す。
【0076】(3)湛水試験/移植3日後処理試験 1/2000アールのワグナルポットに、水田土壌を充
填してその表層に、タイヌビエおよびイヌホタルイの種
子を播種し、さらに、この土壌に2.5葉期の稲苗を移
植した。つぎに、このポット内の湛水深さを3cmとし
て、ポットを20〜25℃に温度調節されている温室内
に入れ、植物の生育条件下にこれらを育成した。そし
て、稲苗の移植後3日目に、上記〔1〕で調製した除草
剤組成物を所定量加えて処理をした。この薬剤処理をし
た後30日目に、除草効果および水稲への薬害をを観察
した。結果を第4表に示す。
【0077】(4)湛水試験/移植10日後処理試験 1/2000アールのワグネルポットに、水田土壌を充
填してその表層に、タイヌビエおよびイヌホタルイの種
子を播種し、さらに、この土壌に2.5葉期の稲苗を移
植した。つぎに、このポット内の湛水深さを3cmとし
て、ポットを20〜25℃に温度調節されている温室内
に入れ、植物を育成した。そして、稲苗の移植後10日
目に、上記〔1〕で調製した除草剤組成物を所定量加え
て処理をした。この薬剤処理をした後30日目に、除草
効果および水稲への薬害を観察した。結果を第4表に示
す。
【0078】上記除草試験(1)〜(4)における除草
効果及び薬害は、下記の基準にしたがって求めた。 (a)殺草率 薬剤処理区の地上部生草重量と、無処理区の地上部生草
重量を測定し、殺草率(%)=〔1−(薬剤処理区の地
上部生草重量)/(無処理区の地上部生草重量)〕×1
00の式によって、殺草率(%)を算出した。
【0079】(b)除草効果 下記の判定基準にしたがって、除草効果を求めた。除草効果 殺草率 0 5%未満(ほとんど効果なし) 1 5%以上〜20%未満 2 20%以上〜40%未満 3 40%以上〜70%未満 4 70%以上〜90%未満 5 90%以上(ほとんど完全枯死)
【0080】(c)薬害 下記の判定基準にしたがって、薬害を求めた。薬害 薬害の程度 0 薬害は認められず 1 薬害はほとんど認められず 2 薬害が若干認められる 3 薬害が認められる 4 薬害が顕著に認められる 5 ほとんど完全枯死
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【発明の効果】本発明の縮合環式ベンゾイル誘導体は、
除草剤の有効成分として使用すると、畑作物や水稲など
の栽培作物に対する薬害が少なく、かつ広範囲な雑草を
低薬量で防除することができるという優れた効果が得ら
れる。該縮合環式ベンゾイル誘導体を含む本発明の除草
剤組成物は、特に水稲用として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/653 A01N 43/653 N 43/76 43/76 43/78 43/78 C C07D 417/12 C07D 417/12 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB08 CC94 DD12 DD25 DD29 DD41 DD52 DD62 DD75 DD92 EE03 4H011 AB01 AB02 BA01 BB08 BB09 BB10 BC07 BC20 DA15 DC03 DC05 DD03 DD04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 〜R6 は、それぞれ独立して水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6
    のハロアルキル基であり、Zは、O,S,SO又はSO
    2 であり、Aは単結合、炭素数1〜6のアルキル基若し
    くは炭素数1〜6のハロアルキル基を有していてもよい
    メチレン基又はエチレン基であり、Dは炭素数1〜6の
    アルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、オキソ基
    及び置換基を有する若しくは有しないフェニル基の中か
    ら選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい
    5員又は6員の複素環式基である。 一般式(II) 【化2】 で表される基は、下記の置換構造をもつ5〜7員の飽和
    又は不飽和の縮合環基である。 【化3】 ただし、環原子Q1 〜Q5 の2個までは、窒素、酸素及
    び硫黄から選択される原子であり(Q1 が硫黄原子であ
    る場合は除く)、また、環原子Q1 〜Q5 は炭素数1〜
    6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素
    数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のハロアルコ
    キシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキソ基、
    チオキソ基、ヒドロキシイミノ基、炭素数1〜6のアル
    コキシイミノ基、ヒドラゾノ基、炭素数1〜6のモノア
    ルキルヒドラゾノ基、炭素数1〜6のジアルキルヒドラ
    ゾノ基から選択される1つまたは2つ以上の置換基を有
    していてもよく、Qを構成する環形成原子又は隣接する
    環形成原子対は、エチレンジオキシ基、エチレンジチオ
    基、プロピレンジオキシ基またはプロピレンジチオ基か
    らなる群より選ばれた2価の置換基によって置換されて
    環構造を形成してもよく、前記環上にはハロゲン原子ま
    たは炭素数1〜6のアルキル基が置換していてもよい。
    Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、R7 、OR
    7 、SR7 、SO2 7 又はNR8 9 であり(ただ
    し、R7 は水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の、
    不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル
    基、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和結合を有し
    ていてもよい炭素数1〜6のハロアルキル基、置換基を
    有していてもよいフェニル基又は置換基を有していても
    よいベンジル基であり、R8 、R9 は、それぞれ独立
    に、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和
    結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、直
    鎖状、分岐状若しくは環状の、不飽和結合を有していて
    もよい炭素数1〜6のハロアルキル基、置換基を有して
    いてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいベ
    ンジル基であり、R8 とR9 は互いに結合して環構造を
    形成してもよい)、pは0、1又は2である。〕で表さ
    れる縮合環式ベンゾイル誘導体。
  2. 【請求項2】 環原子Q5 が硫黄原子である請求項1記
    載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  3. 【請求項3】 環原子Q1 が炭素原子である請求項2記
    載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  4. 【請求項4】 環原子Q2 〜Q4 が炭素原子である請求
    項2又は3記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  5. 【請求項5】 環原子Q1 上の置換基が水素原子、炭素
    数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル
    基、オキソ基又は炭素数1〜6のアルコキシイミノ基で
    ある請求項3又は4記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(I−a)又は一般式(I−b) 【化4】 (式中、R1 〜R6 ,A,D,Q1 ,Q2 ,Q3
    5 ,X,Z及びpは前記と同じである。)で表される
    請求項1ないし5のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイ
    ル誘導体。
  7. 【請求項7】 Xがハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、R7 、OR7 、SR7 、SO2 7 である請求項1
    ないし6のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘導
    体。
  8. 【請求項8】 R1 〜R6 が、いずれも水素原子である
    請求項1ないし7のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイ
    ル誘導体。
  9. 【請求項9】 Q1 が、CH2 である請求項1ないし8
    のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  10. 【請求項10】Q1 〜Q4 がいずれもCH2 である請求
    項1ないし8のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘
    導体。
  11. 【請求項11】ZがS又はSO2 である請求項1ないし
    10のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  12. 【請求項12】Aが単結合である請求項1ないし11の
    いずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  13. 【請求項13】Dがアゾール残基(環原子として窒素原
    子を含む5員の複素環式基)である請求項1ないし12
    のいずれかに記載の縮合環式ベンゾイル誘導体。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13のいずれかに記載の
    縮合環式ベンゾイル誘導体を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする除草剤組成物。
  15. 【請求項15】水稲用である請求項14記載の除草剤組
    成物。
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