JP2001287714A - 発泡ポリウレタン等からなる素材の包装方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡ポリウレタン等の素材を二重袋で圧縮密封
し、これを強化段ボール板で挟持して合成樹脂紐で結束
して、運搬、保管、装着時の作業性、損傷防止、包装用
具の回収再製を良好になし得る。 【解決手段】発泡ポリエチレン等の素材を合成樹脂製内
袋に収容して圧縮密封し、その後、密封素材を更に外袋
に収納し、それから、一対の強化段ボール板で挟持し
て、合成樹脂製紐で結束した包装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は発泡ポリウレタン、
発泡ポリエチレンなどの柔軟な弾性材からなる素材の包
装方法に関し、特に前記素材は直接の使用や加工のため
の搬送、保管、仮貯蔵及び、荷解きの効率性、経済性の
ためコンパクトに圧縮梱包する包装方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来技術】柔軟な弾性素材としての繊維製品、発泡プ
ラスチックなどはコンパクトに圧縮して包装したのち、
装着設備位置や加工製作所に搬送したのち、仮保管、貯
蔵しながら必要に応じて取付けや末端製品を製作加工し
ている。近時、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンな
どは気泡が連通しているので、体積の１／５程度まで圧
縮して運搬し、断熱材、緩衝材、その他各種の用具や部
品として使用するための需要が急速に拡大されてきた。
これらの発泡ポリウレタンなどは小形のもので発注量も
少量であるときは搬送のための包装は従来からの公知の
包装紙と紐の梱包で段ボール箱に収容するのみで事足り
ていた。しかし、工場で生産されて裁断された発泡ポリ
ウレタンが大形で大量の素材であり、これを搬送使用の
ため仮保管をするには包装に使用する用具とその用具が
如何なる順序で処理するかの包装方法につき配慮するこ
とが重要となる。

【０００３】従来から各種のプラント建設には多量の断
熱材、緩衝材が用いられる。特に、石油タンクの浮屋根
を構成するコア材としては縦３５ｃｍ、横１００ｃｍ、
長さ２００ｃｍの長さの直方体状の発泡ポリウレタン、
発泡ポリエチレン材などの直接使用する素材が数百個用
いられる。従って、該素材を包装するには予め最も広い
上下面と同一形状に形成した厚手ベニヤ板の周縁に沿っ
て４５mm木質角材を長方形状に釘打固着し、その長手方
向両側枠部には更に角材からなる補強材を等間隔に配設
した枠付板を配置する。それから、前記ベニヤ板と同形
状の段ボール板と素材を封入するポリエチレン袋及び、
圧縮機を準備する。

【０００４】前記素材の従来の包装方法は先ず、素材を
ポリエチレンなどの合成樹脂製袋に挿入して圧縮機の機
台に載置し、油圧で作動するシリンダのプランジャが押
え板を介して素材を１／５の高さまで圧縮し、機台より
枠台に移動して接着剤により合成樹脂製袋の開口部を密
封する。その後、密封素材は３個から５個を積重してそ
の上下面に通常の段ボール板を介して前記枠付板を配置
する。それから軟鋼性針金で縦横方向に夫々複数箇所に
亘り強く巻回して緊締結束する包装方法が用いられた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
包装方法による従来技術にあっては、荷造り素材の運搬
車輌に対する積み込み、積み下し、倉庫への搬出入の作
業が重労働となり、合成樹脂製袋は移動中の床摩擦や突
起物で損傷破断することが多く、作業中に素材内に外気
が浸入し復元膨張することにより中途の圧縮包装が不可
能であるなどやっかいな事態となる。そして、露出した
素材は汚損して商品価値が低下する。更に、大形の素材
は浮屋根などの装着位置に配置して荷解きをするが、枠
付板や針金の取外し作業は過大な労力と人員を必要とす
る。また、荷解き後の包装用具はリサイクルが不可能な
大量の産業廃棄物となり、使用済み用具の整理労働と廃
棄処理には附加的な高い費用が必要となるなど多くの問
題点があった。

【０００６】本発明は上述した従来技術を格段に改良す
ることにより上記の問題点を解消すると共に、包装作業
が簡易で且つ低コストにしたことを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、前述した大形の直方体状から
なる発泡ポリウレタンなどの素材をポリエチレン製の内
袋に挿入して圧縮機の枠台上に配置し、コンプレッサで
作動するプランジャ下端の押え板を介して原寸高さの１
／３強程度まで均一に押圧して圧縮する。圧縮すると直
ちに内袋の開口縁部を接着剤で密閉。これにより被包物
は連通する気泡内の気体が排出して１／３程度に潰れた
状態に圧縮され、この状態は密封した内袋により外気が
侵入しないので、膨張復元しないが弾性的な膨張力を有
している。

【０００８】内袋に密封された素材は直ちに圧縮機台よ
り引き出されるように移動して、圧縮された大きさと同
一大きさのポリエチレン製外袋内に挿入して、適宜の封
緘をする。これにより素材の復元力による膨張を抑制す
ると共に搬送及び保管のための作業時には外袋が損傷し
ても内袋が損傷しないように配慮したものである。その
後次の工程に移動する。

【０００９】内外二重袋で包装した素材は枠台上にポリ
プロピレン紐やナイロン樹脂紐を交差配置し、その上か
ら強化段ボール板を載置する。そして、その上に素材を
整合配置し、更に前記同様な強化段ボール板を整合配置
して挟持する。それから前記紐を巻回し緊締結束して梱
包する。この強化段ボール板は耐損傷、耐破断性が強
く、更に引張り強さに優れた紐に巻回結束したものとな
す。これにより、搬送、保管作業中に包装用具が破損し
て被包物が膨張したり、荷崩れすることがなく、所定設
置位置に装着したのち、紐を切断して、強化段ボール板
と外袋を引抜く作業も容易である。また、取外した包装
用具は総べてリサイクル可能なものであり環境保護の立
場から好適なものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
いて説明する。前記素材である発泡ポリウレタン、発泡
ポリエチレンは製造後、運搬、取扱い作業可能で装着容
積に応じて規格化され、長さ１８０〜２００ｃｍ、幅８
０〜１２０ｃｍ、高さ３０〜４０ｃｍ程度の直方体形状
に裁断される。一方、該被包物を密封する内袋は透明な
ポリエチレン製で０.０５〜０.２mmの厚さで、素材の長
手方向直交方向に周回する長さと略同長さの胴部の周回
長さを有する。上記素材は手作業で内袋に滑り込むよう
に挿入してもよいが、調整可能に設けた誘導開口部に内
袋を装着して、素材を押し込むと迅速に挿入操作が可能
である。

【００１１】上記の如く内袋に密封した素材は圧縮機の
枠台上に手動または自動的に移動配置され、圧縮機に設
けた一対のプランジャ下端の押え板によって、被包物は
その高さの１／３強程度の高さ位置まで均一に押圧され
てコンパクトに圧縮される。圧縮された状態の内袋の開
口端縁は接着剤で接着密封されるか、または、粘着テー
プを二つ折りにして密着される。内袋で密封された素材
はプランジャを上昇させて圧力を解除したのち次の作業
行程へ移すための枠台上に移送する。前記圧縮機はエア
コンプレッサーで電気的に駆動し、一対の気圧シリンダ
のプランジャが押元板を介して素材の上面を均一に押し
下げで圧縮する。圧縮後に密封されても内袋内部には残
余気体が少量存在する。この残余気体をバキュームノズ
ルで吸引排出を試みたが、生じたひだやしわは硬化して
突条状態を形成し、後述する外袋で包被しても、大形の
段ボール箱などに収容しなければ、搬送、保管作業中の
摩擦や衝突で内袋まで破損して、全体が膨張し、包装が
破壊する欠点がある。従って、残余気体の吸引排出は避
けた方が好ましい。

【００１２】圧縮され密封された素材が移送された枠台
上では手動または機械的操作により広く開口した外袋内
に挿入被包される。そして、適宜の封緘がなされる。該
外袋はポリエチレン製で０.０５〜０.１mm程度の厚さの
ものであり、通常は極薄で長方形状のもので多数枚積重
され、各外袋の胴部は密封内袋の圧縮素材の断面に沿っ
た大きさであって、素材の圧縮大きさの膨張力を抑制保
持しながら、内袋の損傷破断を阻止するものである。

【００１３】内外の袋に密封された素材は包装作業場の
床面に多数配置された梱包用紐と強化段ボール板上に一
個乃至３個宛整合配置する。そして、その上から更に強
化段ボール板を整合載置する。それから、素材の長手方
向中央部と長手方向直交方向で均等間隔を有して２個所
に前記紐を緊締結束して梱包することにより包装する。
ところで、前記強化段ボール板は通常、複両面段ボール
が用いられ、波形（段）の中心原紙にはケミカルパルプ
や半晒しクラフトパルプで段数が多くて段の高さの低い
ものが用いられる。ライナにはジュートや繊維の長いク
ラフトパルプが一般的に使用されている。このような強
化段ボール板は平面圧縮に強い素材を良好に保護する。
一方、梱包用の紐はポリプロピレン製のものからなる
が、また、ナイロン樹脂製ロープでもよい。

【００１４】包装されたポリウレタンなどの素材は大型
のリフター付トラック等輸送車で多くは遠隔地の建設現
場や加工所に配送されるが、素材は強化段ボール板を設
けていない両側面や両端面の何れかを床面側にして積載
される。これは広い面を上下にして積重すると相互に加
圧されて、内外の袋が破損のおそれがあるからである。
また、積み下ろし作業の手作業中に袋面の摩擦や衝撃に
耐え、しかも、設備に取付けるための仮保管中も膨張力
に耐える包装構造とされている。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような方法によ
って包装されているので、以下に記載されるような効果
を奏する。

【００１６】発泡ポリウレタンなどの素材を圧縮状態で
内袋で密封し、コンパクトの素材に沿う大きさな外袋で
封入しているので、外袋は素材の復元膨張力を容易に抑
制して、コンパクトな体積を保持可能である。更に、素
材を搬送、保管、手作業による移動中に外袋が摩擦、衝
撃で損傷しても内袋は殆ど破損することがなく、迅速で
円滑な前記作業を遂行することが可能である。

【００１７】密封素材の膨張力を防止し、且つ、外力に
よる損傷を阻止する強化段ボール板は従来の木製角材の
枠付ベニヤ板の如き高強度の材料を使用することなく、
搬送、保管の作業中の充分に素材の保護用外装材として
耐えることでき、然も、軽量で作業性が良く、従来用い
た緩衝用に介在した通常段ボールをも省略可能である。

【００１８】密封素材を搬送、保管時に起立状態で配置
したとき、素材を挟持する両強化段ボール板は、外力に
対する保型強度があり、その両下端縁で素材を支持し
て、内外袋が負荷される荷重も軽減して損傷が発生しな
いように保護するので、搬送、保管、取り付作業を円滑
になすことが可能である。

【００１９】素材の圧縮の程度は従来方法は１／５の厚
さまで圧縮したものに比して本発明に用いた素材は１／
３強の厚さに圧縮するが、従来品は圧縮すると包装を解
いたとき膨張復元に時間を要するので後の装着処理に支
障があるが、本発明による圧縮の程度では包装を解いた
のち直ちに元の形状に復元するので、被包物の裁断加工
や一定容積の構築設備に隙間や過度の押圧力を負荷する
ことなく装着して配設可能であり、安全簡易な作業を遂
行することができる。

【００２０】本発明方法による素材の圧縮後の肉厚は従
来品に比して厚肉であるが、素材両面を保護するものは
薄い二枚の合成樹脂製シートと強化段ボール板の嵩張ら
ない材料からなり、従来の素材包装品も本発明包装方法
による包装品も圧縮しない素材の搬送車両の略三倍の量
が積載可能である。しかし、本発明は包装用具が柔軟な
弾性材で、しかも、全体が弾性的に伸縮するので、より
多量に車両積載が可能であり、倉庫への収容保管もその
分だけ増量して収納配置することが可能である。

【００２１】本発明の包装方法に用いる包装用具は封入
用袋も強化段ボール板も梱包用紐類も総べて、簡易な軽
作業と低コストにより回収して再製品となすことがで
き、従来包装用具の如く高額な費用を掛け、産業廃棄物
として処理する必要がなく、環境保護に資することがで
きるなど多くの有益な効果を奏する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発泡ポリウレタンや発泡ポリエチレンな
   どの柔軟な弾性材からなる素材を合成樹脂製内袋に収容
   し、その後圧縮機で１／３強の体積に圧縮して合成樹脂
   製内袋の開口部を密封し、それから、圧縮密封した素材
   に沿う大きさの合成樹脂製外袋に該素材を収容して封緘
   し、その後、素材を挟持するようにその両面に強化段ボ
   ール板を配置し、それからポリエチレン製の紐やナイロ
   ン樹脂製ロープなどの紐類で緊締結束したことを特徴と
   する発泡ポリウレタン等からなる素材の包装方法。 【０００１】