JP2001282802A - 電子地図提供システム - Google Patents

電子地図提供システム

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JP2001282802A
JP2001282802A JP2000100667A JP2000100667A JP2001282802A JP 2001282802 A JP2001282802 A JP 2001282802A JP 2000100667 A JP2000100667 A JP 2000100667A JP 2000100667 A JP2000100667 A JP 2000100667A JP 2001282802 A JP2001282802 A JP 2001282802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の店舗についての位置を効率的に登録
し、信頼性の高い地図情報を提供する。 【解決手段】 店舗名および住所を含む店舗リストL1
をリスト入力手段11により入力する。実在する個々の
建物について、建物名,住所,経度および緯度のデータ
を集めた住宅地図データベースD1を用い、自動照合手
段12によって、店舗リストL1との自動照合を行い、
店舗リストL1に経度および緯度を付加する。更に、C
D−ROM地図データD2を用いて、手動補填手段13
による補填処理を行い、経度および緯度を修正し、登録
情報格納手段21に登録する。インターネット200を
介して特定の店舗が指定されたら、登録情報格納手段2
1内の店舗リストL3を参照して経度および緯度を認識
し、指定された店舗周辺の地図を地図作成手段23によ
り作成し、地図情報生成送信手段22によって送信す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子地図提供システ
ムに関し、特に、ネットワークを利用して、特定の店舗
の所在地を示す地図情報を、所定の提供先に対して提供
する電子地図提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】インターネットの普及に伴い、Webブ
ラウザ上で閲覧可能な電子地図を提供するサービスが広
まりつつある。最近では、企業の広告形態として、イン
ターネット上で自社の商品やサービスを告知するのが一
般化しつつあるため、各企業の店舗位置を電子地図上で
示すような情報提供サービスも出現している。通常は、
目標となる店舗周辺の地図上に、当該店舗位置を示すア
イコンなどを配置した画像を作成し、この画像をWeb
サーバから提供することにより、一般ユーザに情報提供
を行うことになる。一般ユーザは、パソコンなどのWe
bブラウザ上で、提供された電子地図を閲覧することが
できる。
【0003】このように、店舗周辺の電子地図を提供す
るサービスを行うためには、予め、個々の店舗について
の位置情報を登録しておく必要がある。地図上の位置情
報としては、通常、経度および緯度のデータが用いられ
ており、個々の店舗ごとに、それぞれ経度および緯度の
データを登録しなければならない。もっとも、実用上
は、経度や緯度を示す数値を手作業で入力する必要はな
く、ディスプレイ画面上に表示された地図上の1地点を
マウスなどでクリックして位置指定を行うことにより、
自動的に当該地点の経度および緯度データを登録する機
能をもったプログラムを利用して、各店舗位置の登録を
行うのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インターネットを介し
て店舗の位置情報を提供する電子地図提供システムを運
用する場合、上述したように、予め各店舗位置を登録す
る作業を行う必要があり、この店舗位置の登録作業は、
ディスプレイ画面上に表示させた地図上で、該当する地
点を指定する操作によって行われることになる。比較的
小規模の企業の場合、このような地点指定による登録作
業は大きな負担にはならない。ところが、ある程度の店
舗数を有する企業になると、個々の店舗ごとにディスプ
レイ画面上で位置指定を行う作業は非効率的であり、多
大な労力と時間を要することになる。また、店舗数が増
えれば増えるほど、誤った登録がなされる可能性も高ま
り、信頼性の高い位置情報を提供することが困難になっ
てくる。
【0005】そこで本発明は、多数の店舗についての位
置情報を効率的に登録することが可能な電子地図提供シ
ステムを提供することを目的とし、更に、信頼性の高い
位置情報を提供することが可能な電子地図提供システム
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、ネットワークを利用して、特定の店舗の所在地を
示す地図情報を、所定の提供先に対して提供する電子地
図提供システムを、多数の店舗についてその所在地を登
録する店舗登録部と、この店舗登録部による登録内容に
基づいて店舗の所在地を示す電子地図を提供する地図提
供部と、によって構成し、店舗登録部が、登録対象とな
る個々の店舗について、少なくとも店舗名および住所を
含む店舗リストデータを入力するリスト入力手段と、実
在する個々の建物について、建物名,住所,経度および
緯度のデータを集めた住宅地図データベースと、リスト
入力手段によって入力された店舗リストデータと住宅地
図データベースとを照合し、店舗リストデータに経度お
よび緯度のデータを付加する自動照合手段と、ディスプ
レイ画面上に地図画像を表示し、この地図画像上で指定
された所定位置に対応する経度および緯度のデータを発
生させる機能を有し、オペレータの指示に基づいて、店
舗リストデータに経度および緯度のデータを新たに付加
するか、あるいは、既に付加されている緯度および経度
のデータを確認し、必要に応じてこれに修正を加える補
填処理を実行する手動補填手段と、を有するようにし、
地図提供部が、この手動補填手段による補填処理後に得
られる経度および緯度データ付きの店舗リストデータ
を、登録すべき情報として格納する登録情報格納手段
と、経度および緯度のデータによって所定の地点を指定
することにより、指定地点周辺の地図の画像データを作
成する地図作成手段と、ネットワークを介して特定の店
舗が指定されたときに、経度および緯度データ付きの店
舗リストデータを参照して、指定された店舗についての
経度および緯度データを認識し、認識した経度および緯
度データを地図作成手段に与えて、指定された店舗周辺
の地図の画像データを作成させ、作成された画像データ
を利用して、提供すべき地図情報を生成し、これをネッ
トワークを介して提供先へ送信する地図情報生成送信手
段と、を有するようにしたものである。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、自動照合
手段に、個々の店舗についての照合結果の合致度を示す
複数種類のフラグを設定する機能を設け、手動補填手段
に、補填処理を実行するオペレータに対して、設定され
たフラグを提示する機能を設けるようにしたものであ
る。
【0008】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、自動照合
手段に、店舗リストデータ内の住所と住宅地図データベ
ース内の住所とを照合する住所照合処理と、店舗リスト
データ内の店舗名と住宅地図データベース内の建物名と
を照合する名称照合処理と、を行う機能を設け、これら
2つの照合処理の結果に基づいて経度および緯度のデー
タを付加するようにしたものである。
【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、住所照合
処理および名称照合処理の少なくとも一方において合致
が見られた店舗については、合致が見られた経度および
緯度のデータを付加するようにしたものである。
【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第3
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、住所の上
位部分によって示される広域地区についての代表地点の
経度および緯度のデータを集めた広域地区データベース
を、店舗登録部に設け、住所照合処理および名称照合処
理のいずれについても合致が見られなかった場合には、
この広域地区データベースを用いて、住所の上位部分に
ついてのみを照合する上位照合処理を行い、合致が見ら
れた広域地区の代表地点の経度および緯度のデータを付
加するようにしたものである。
【0011】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第3
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、住所照合
処理と名称照合処理との双方において合致が見られたこ
とを示す第1のフラグと、住所照合処理においてのみ合
致が見られたことを示す第2のフラグと、名称照合処理
においてのみ合致が見られたことを示す第3のフラグ
と、いずれの照合処理においても合致が見られなかった
ことを示す第4のフラグと、を定義し、自動照合手段
に、個々の店舗についての照合結果として、いずれか1
つのフラグを設定する機能を設け、手動補填手段に、補
填処理を実行するオペレータに対して、設定されたフラ
グを提示する機能を設けるようにしたものである。
【0012】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
の態様に係る電子地図提供システムにおいて、第1のフ
ラグおよび第2のフラグが設定された店舗については、
自動照合手段によって付加された経度および緯度のデー
タをそのまま用い、第3のフラグおよび第4のフラグが
設定された店舗については、手動補填手段による補填処
理後の経度および緯度のデータを用いることにより、経
度および緯度データ付きの店舗リストデータを作成でき
るように構成したものである。
【0013】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1
〜第7の態様に係る電子地図提供システムにおいて、地
図作成手段が、経度および緯度のデータによって指定さ
れた地点を中心とした所定縮尺率の地図を示す画像デー
タを作成する機能を有し、手動補填手段が、オペレータ
の指定した特定の店舗については、当該店舗の本来の位
置を示す経度および緯度のデータに対して、所定量だけ
ずらす補正を行う機能を有し、特定の店舗周辺の地図を
作成する際に、当該特定の店舗が地図の中心から所定量
だけずれた位置に表示される地図が作成されるようにし
たものである。
【0014】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1
〜第8の態様に係る電子地図提供システムにおいて、地
図提供部が、個々の店舗ごとに地図情報の提供時期を設
定する機能を有し、この設定内容に応じた提供時期に、
地図情報の提供を行うようにしたものである。
【0015】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
9の態様に係る電子地図提供システムにおいて、複数種
類の提供先群を定義し、個々の提供先群ごとにそれぞれ
提供時期の設定を行い、この設定内容に応じて、特定の
提供先群には特定の提供時期についてのみ地図情報の提
供を行うようにしたものである。
【0016】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第
10の態様に係る電子地図提供システムにおいて、複数
の店舗からなるグループを定義し、提供時期もしくは提
供先群を各グループごとに設定するとともに、個々の店
舗ごとにも設定できるようにし、グループについての設
定内容と店舗についての設定内容とが異なる場合には、
提供開始時に関してはより遅い時点を優先し、提供中止
時に関してはより早い時点を優先する取り扱いを行うよ
うにしたものである。
【0017】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第
10または第11の態様に係る電子地図提供システムに
おいて、複数n台のサーバ装置を用意し、第i番目(1
≦i≦n)のサーバ装置が第i番目の提供先群に対する
地図情報の提供を担当するようにし、個々の店舗につい
ての登録情報を、当該店舗について設定されている提供
時期に相当する期間だけ、当該店舗について設定されて
いる提供先群を担当するサーバ装置に格納する制御を行
うようにしたものである。
【0018】(13) 本発明の第13の態様は、特定の店
舗の所在地を示す地図情報を生成するために、多数の店
舗をそれぞれ経度および緯度のデータとともに登録する
処理を行う地図用店舗登録装置において、登録対象とな
る個々の店舗について、少なくとも住所を含む店舗リス
トデータを入力するリスト入力手段と、実在する個々の
建物について、少なくとも住所ならびに経度および緯度
のデータを集めた住宅地図データベースと、リスト入力
手段によって入力された店舗リストデータと住宅地図デ
ータベースとを照合し、店舗リストデータに経度および
緯度のデータを付加する自動照合手段と、を設けるよう
にしたものである。
【0019】(14) 本発明の第14の態様は、コンピュ
ータを用いて、特定の店舗の所在地を示す地図情報を生
成するために、多数の店舗をそれぞれ経度および緯度の
データとともにコンピュータ読取り可能な記録手段に登
録する地図用店舗登録方法において、登録対象となる個
々の店舗について、少なくとも住所を含む店舗リストデ
ータを準備する段階と、実在する個々の建物について、
少なくとも住所ならびに経度および緯度のデータを集め
た住宅地図データベースを準備する段階と、コンピュー
タを用いて、店舗リストデータから各店舗に関する情報
を読取り、住所の情報に基づいて住宅地図データベース
を検索し、各店舗について経度および緯度のデータを認
識し、認識した経度および緯度のデータと店舗リストデ
ータとをコンピュータ読取り可能な記録手段に記録する
段階と、を行うようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0021】§1.本発明に係るシステムを用いたサー
ビス形態 はじめに、本発明に係る電子地図提供システムを用いた
サービス形態の一例を、図1のブロック図を用いて説明
する。このブロック図において、電子地図提供システム
100は本発明に係るシステムであり、実際には、We
bサーバを含む複数のコンピュータによって構成されて
いる。この電子地図提供システム100は、インターネ
ット200を介して、多数のユーザ310,320,3
30(実際には、ユーザの利用するパソコンなどの情報
端末機器)に対して、地図情報を提供するサービスを行
う機能を有する。ここに示すサービス形態では、更に、
顧客Webサーバ400がインターネット200に接続
されている。ここで、顧客Webサーバ400の「顧
客」の意味は、電子地図提供システム100を用いて地
図を提供するサービスを行う事業体にとっての「顧客」
を意味する。すなわち、この例では、地図提供元となる
事業体が、顧客となる事業体からの委託を受け、一般ユ
ーザを提供先として、地図情報の提供サービスを実施す
ることになる。ここで、提供される地図情報は、顧客と
なる事業体の店舗位置を示す情報である。
【0022】このサービス形態を、より具体的な実例に
ついて説明すると次のとおりである。たとえば、顧客と
なる事業体が「○○銀行」なる名称をもって銀行業務を
行っている事業体であったとしよう。電子地図提供シス
テム100を利用してこのサービス事業を実施する地図
提供元は、顧客となる○○銀行からの委託を受け、一般
のユーザ(銀行の一般利用者)に対して、○○銀行の各
支店の位置情報を、インターネット200を介して提供
する業務を行うことになる。このサービスは、ユーザ側
から見ると、次のようになる。まず、ユーザは、インタ
ーネット200を利用して、○○銀行のホームページを
閲覧する。図2(a) は、このようなホームページの一例
を示す画面図である。このようなホームページは、○○
銀行が一般ユーザ向けに開設したWebページであり、
ユーザは、パソコンなどに組み込まれたWebブラウザ
を用いて閲覧することができる。ここで、ユーザが、こ
のホームページ上に表示されている「拠点情報」なる文
字列をマウスでクリックすると、リンクが張られた図2
(b) に示すようなWebページが表示されることにな
る。このWebページは、○○銀行の拠点、すなわち、
支店の一覧を示すページである。ここで、ユーザが更に
「虎ノ門支店」なる文字列をマウスでクリックすると、
リンクが張られた図2(c) に示すようなWebページが
表示されることになる。このWebページは、○○銀行
虎ノ門支店の詳細な情報を示すページであり、支店の概
要や建物の写真とともに、周辺の地図(図の下半分の部
分)が表示されることになる。図では、地図上の「丸
B」なるアイコンが虎の門支店の位置を示している。
【0023】図2(a) に示す○○銀行のホームページ
は、顧客Webサーバ400によって提供される。この
ようなホームページを提供するためには、HTML形式
で記述されたデータを顧客Webサーバ400内に用意
しておく必要があるが、現在、多くの企業が自社のホー
ムページをWeb上で公開しており、顧客Webサーバ
400は、既存の設備として既に稼働しているのが通常
である。これに対して、図2(b) および図2(c) に示す
ようなWebページは、電子地図提供システム100に
よって提供される。したがって、○○銀行としては、既
存のホームページ上に「拠点情報」なる文字列からなる
リンクボタンを用意するだけの処理を行えば、このサー
ビスを利用することが可能になる。別言すれば、図2
(b) および(c) に示すようなWebページを提供する作
業は、すべて地図提供元となる事業体が行ってくれるこ
とになる。
【0024】もっとも、図2(b) および(c) に示すよう
なWebページを表示するために必要な情報は、○○銀
行側で予め用意し、これを地図提供元に提供する必要が
ある。具体的には、各支店ごとに、支店名や住所、概要
説明や建物の写真、地図上に表示するアイコン画像など
の情報を用意し、地図提供元に提供する必要がある。地
図提供元は、これらの情報を電子地図提供システム10
0内に登録し、上述したサービスの運用に供することに
なる。このとき、支店名、住所、概要説明、建物の写
真、アイコン画像などは、○○銀行側に、所定のフォー
マットで記述したデジタルデータとして用意してもらえ
ば、電子地図提供システム100への登録作業は比較的
簡単にできる。しかしながら、図2(c) の下半分に示す
ような店舗周辺の地図を表示するためには、当該店舗の
地理的な位置情報、すなわち、経度および緯度のデータ
を登録する必要がある。このように、各店舗についての
経度および緯度のデータを登録する場合、従来は、ディ
スプレイ画面上に地図を表示させながら、各店舗の位置
をマウスなどで指定する操作を行っていた。しかしなが
ら、銀行のような大企業の場合、その店舗は全国に数百
も点在し、これらの各店舗の位置を、ディスプレイ画面
を見ながらの手作業で登録してゆくことは、オペレータ
に多大な作業負担を課すことになり好ましくない。本発
明に係る電子地図提供システム100は、このような作
業負担を大幅に軽減する特徴を有している。以下、この
特徴について述べることにする。
【0025】§2.電子地図提供システム100の基本
構成 図3は、本発明に係る電子地図提供システム100の基
本構成を示すブロック図である。既に述べたように、こ
の電子地図提供システム100は、実際には、Webサ
ーバを含む複数のコンピュータによって構成されるシス
テムであるが、ここでは説明の便宜上、図示のような機
能ブロックの集合として、電子地図提供システム100
の構成を示すことにする。この電子地図提供システム1
00の機能は、既に述べたように、ネットワークを介し
て、特定の店舗の所在地を示す地図情報を、所定の提供
先に対して提供することである。図示のとおり、電子地
図提供システム100の大きな構成要素は、店舗登録部
10と地図提供部20とである。店舗登録部10は、多
数の店舗についてその所在地を登録する機能を有し、地
図提供部20は、この登録内容に基づいて店舗の所在地
を示す電子地図を提供する機能を有する。
【0026】店舗登録部10は、リスト入力手段11、
自動照合手段12、手動補填手段13、住宅地図データ
ベースD1、CD−ROM地図データD2によって構成
されている。リスト入力手段11は、登録対象となる個
々の店舗について、少なくとも店舗名および住所を含む
店舗リストデータL1を入力する機能を有する。ここ
で、店舗リストデータL1は、顧客(§1の例の場合、
○○銀行)側にデジタルデータとして用意してもらうよ
うにする。店舗名や住所といった一般的な書誌的事項に
ついては、この店舗リストデータL1として顧客側に用
意してもらうことができるが、経度および緯度データと
いう特殊な情報については、一般顧客に用意してもらう
ことは困難である。したがって、入力した店舗リストデ
ータL1には、個々の店舗について、少なくとも店舗名
と住所を示す情報は含まれているが、当該店舗の位置に
関する経度および緯度のデータは含まれていない。そこ
で、店舗登録部10において店舗を登録するためには、
個々の店舗に経度および緯度データを付加する処理を行
う必要がある。自動照合手段12および手動補填手段1
3は、この経度および緯度データを付加する処理を行う
構成要素である。
【0027】後の§3で詳述するように、自動照合手段
12は、自動的に経度および緯度データを付加する機能
を有し、手動補填手段13は、この自動処理による結果
を、手動で補填する機能を有する。自動照合手段12に
よる自動処理は、住宅地図データベースD1を用いた照
合作業によって実行される。住宅地図データベースD1
は、実在する個々の建物について、建物名,住所,経度
および緯度のデータを集めたデータベースである。な
お、ここでは慣習上、「住宅」なる文言を用いている
が、住宅地図データベースD1はいわゆる住居用の建物
だけではなく、オフィスなどの営業用の建物のデータも
含んだデータベースである。自動照合手段12は、リス
ト入力手段11によって入力された店舗リストデータL
1と住宅地図データベースD1とを照合し、店舗リスト
データL1に経度および緯度のデータを付加する処理を
行うことになる。後述するように、このような自動処理
だけでは、必ずしも完全な結果が得られるとは限らな
い。そこで、手動補填手段13による補填処理が必要に
なる。補填処理後の店舗リストデータは登録情報格納手
段14に格納される。ここでは、リスト入力手段11に
よって入力されたままの店舗リストデータを「L1」、
自動照合手段12による自動処理が施された店舗リスト
データを「L2」、手動補填手段13による補填処理が
施された店舗リストデータを「L3」と呼ぶことにす
る。
【0028】手動補填手段13は、ディスプレイ画面上
に地図画像を表示し、この地図画像上で指定された所定
位置に対応する経度および緯度のデータを発生させる機
能を有し、オペレータの指示に基づいて、店舗リストデ
ータL2に、経度および緯度のデータを新たに付加する
か(自動照合手段12によって経度および緯度データを
自動的に付加することができなかった店舗の場合)、あ
るいは、既に付加されている経度および緯度のデータを
確認し、必要に応じてこれに修正を加える(自動照合手
段12によって自動付加された経度および緯度のデータ
が正しくなかった店舗の場合)補填処理を実行する。こ
の実施形態では、ディスプレイ画面上に地図画像を表示
し、この地図画像上で指定された所定位置に対応する経
度および緯度のデータを発生させる処理は、CD−RO
M地図データD2を用いて行っている。もちろん、手動
補填手段13は、必ずしもCD−ROM地図データD2
を利用するものである必要はなく、何らかの形式で用意
された地図データを利用できるものであればよい。この
ような補填処理を実行することにより、店舗リストデー
タL3は、すべての店舗に関して、経度および緯度デー
タが付加された店舗リストデータとなる。店舗登録部1
0の目的は、このように、顧客から与えられた店舗リス
トデータL1に基づいて、できるだけ効率的に、経度お
よび緯度データ付きの店舗リストデータL3を作成し、
これを登録すべき情報として登録情報格納手段21内に
格納する処理を行うことにある。
【0029】一方、地図提供部20は、登録情報格納手
段21と地図情報生成送信手段22と地図作成手段23
とによって構成されている。登録情報格納手段21内に
は、店舗登録部10によって用意された経度および緯度
データ付きの店舗リストデータL3が格納される。地図
作成手段23は、経度および緯度のデータによって所定
の地点を指定することにより、指定地点周辺の地図の画
像データを作成する機能をもった構成要素である。この
実施形態では、地図作成手段23内には、日本全国の地
図の情報をベクトル形式のデータとして格納したデータ
ベースが用意されており、日本国内の任意の経度および
緯度データと、所定の縮尺率とを与えると、当該経度お
よび緯度で示される地点を中心とした所定の縮尺率の地
図を示す画像を描画する処理が行われ、当該地図の画像
データが作成されることになる。もちろん、日本全国の
地図の情報をラスター形式のデータとして格納したデー
タベースを用意し、このラスター形式のデータの一部を
抽出する処理を行うことにより、与えられた経度および
緯度で示される地点周辺の画像データを抽出する機能を
もった地図作成手段23を用いてもかまわない。
【0030】これに対し、地図情報生成送信手段22
は、ネットワーク(図示の例では、インターネット20
0)を介して特定の店舗が指定されたときに、登録情報
格納手段21内に格納されている経度および緯度データ
付きの店舗リストデータL3を参照して、指定された店
舗についての経度および緯度データを認識し、認識した
経度および緯度データを地図作成手段23に与えて、指
定された店舗周辺の地図の画像データを作成させ、作成
された画像データを利用して、提供すべき地図情報を生
成し、これをネットワークを介して提供先(ユーザ)へ
送信する機能を果たす。たとえば、図2(a) に示すホー
ムページから、拠点情報へのリンク指示が与えられた場
合、地図情報送信手段22は、登録情報格納手段21内
の情報に基づいて、図2(b) に示すようなWebページ
を提供先(ユーザ)へ送信する。そしてこの図2(b) に
示すWebページ上において、ユーザが「虎ノ門支店」
なる文字列をクリックすると、インターネット200を
介して、「虎ノ門支店」を指定するデータが地図情報生
成送信手段22に与えられる。そこで、地図情報生成送
信手段22は、経度および緯度データ付きの店舗リスト
データL3を参照して、「虎ノ門支店」についての経度
および緯度データを認識し、これを地図作成手段23に
与える。その結果、図2(c) の下半分に示す地図のよう
な画像データが作成されるので、この地図の画像データ
に、その他の情報(「丸B」のアイコン画像や、図2
(c) の上半分に示されているような「虎ノ門支店」に関
する詳細情報)を組み合わせて地図情報を生成し、これ
をユーザへと送信する処理が行われる。
【0031】以上が、電子地図提供システム100の基
本構成およびその動作である。このような動作により、
§1で述べたようなサービス業務が可能になる。
【0032】§3.店舗登録部10による登録処理 続いて、店舗登録部10による登録処理の詳細を、具体
例に即して説明する。ここでは、山梨県を中心にレジャ
ー施設を提供している顧客から、図4に示すような店舗
リストデータL1が提供された場合の具体的な登録処理
を述べる。図4の例は、合計6個の店舗について、それ
ぞれシリアル番号、店舗名、住所を記述した店舗リスト
データである。前述したように、顧客に対しては、この
ような店舗リストデータL1を、所定のフォーマットで
記述したデジタルデータとして用意してくれるように依
頼しておく。なお、図示の例では、シリアル番号は単純
な4桁の数字から構成されているが、実用上は、多数の
顧客から多数の店舗リストデータL1を受け取ることを
考慮して、顧客コードなどをも含めた詳細なシリアル番
号を設定しておくようにするのが好ましい。また、ここ
では説明を簡素化するために、店舗リストデータL1
が、シリアル番号、店舗名、住所のみから構成されてい
る例を示すが、実用上は、この他にも、各店舗の説明
文、建物の写真、地図上に表示するアイコン画像、など
の情報が含まれているのが一般的である。
【0033】一方、店舗登録部10内に用意される住宅
地図データベースD1の一例を図5に示す。図5には、
「山梨県南都留郡足和田町長浜1941〜1947」に
相当する部分のレコードしか示されていないが、実際に
は、住宅地図データベースD1には、日本全国について
の同様のデータすべてがデータベースとして用意されて
いる。この例では、データベースの各レコードについ
て、住所番号(1つのレコードを特定するために付した
番号)、建物名、住所、経度、緯度なる5つのフィール
ドが定義されている。この住宅地図データベースD1で
は、基本的には、1つの建物ごとに1つのレコードが構
成されており、当該建物に付与された名称が「建物名」
なるフィールドに記載されている。住宅地図データは、
通常、電子化されたデータベースとして管理されている
ため、このようなサービスに利用することが可能であ
る。
【0034】自動照合手段12は、図4に示す店舗リス
トデータL1と図5に示す住宅地図データベースD1と
を照合し、店舗リストデータL1に経度および緯度デー
タを付加する処理を実行することになる。このとき、個
々の店舗についての照合結果の合致度を示す複数種類の
フラグを設定しておくと、手動補填手段13を用いて補
填処理を行う際に参考にすることができる。すなわち、
照合により十分なる合致が見られたために付加した経度
および緯度データと、ある程度の合致が見られたために
付加した経度および緯度データとでは、その信頼性に差
がある。そこで、十分なる合致を示すフラグか、ある程
度の合致を示すフラグかを、合致度に応じて設定してお
き、手動補填手段13を用いて補填処理を実行するオペ
レータに対して、このフラグを提示するようにすれば、
補填処理が必要か否かの判断材料を提供することができ
るようになる。なお、より具体的なフラグ設定について
は、後に詳述する。
【0035】さて、自動照合手段12は、次の2通りの
照合処理を行う機能を有している。第1の照合処理は、
店舗リストデータL1内の住所と住宅地図データベース
D1内の住所とを照合する住所照合処理である。たとえ
ば、図4に示す店舗リストデータL1に掲載されている
第2の店舗「パテントライフ」の住所は、「山梨県南都
留郡足和田町長浜1942」となっており、この住所
は、図5に示す住宅地図データベースD1の第2レコー
ドの住所に合致している。第2の照合処理は、店舗リス
トデータL1内の店舗名と住宅地図データベースD1内
の建物名とを照合する名称照合処理である。たとえば、
図4に示す店舗リストデータL1に掲載されている第2
の店舗「パテントライフ」なる店舗名は、図5に示す住
宅地図データベースD1の第2レコードの建物名に合致
している。
【0036】このような照合処理は、文字列が一致する
か否かを調べる検索処理によって行うことになるが、実
用上は、文字列の完全一致をみるだけではなく、ある程
度の自由度をもたせた緩い検索を行うようにするのが好
ましい。たとえば、半角文字と全角文字とは同一に取り
扱うとか、「1−2−3」と「1の2の3」と「一丁目
2番3号」とは同一に取り扱う、といった基準で検索を
行うようにする。また、店舗リストデータL1を用意す
る顧客に対しては、上述したように、所定のフォーマッ
トでデータを記録してもらうように依頼しておくと、こ
の照合処理を円滑に行うことができる。自動照合手段1
2は、これら2つの照合処理の結果に基づいて経度およ
び緯度のデータを付加する機能を有する。この実施形態
では、住所照合処理および名称照合処理の少なくとも一
方において合致が見られた店舗については、合致が見ら
れた経度および緯度のデータを付加するようにしてい
る。
【0037】たとえば、図4に示す店舗リストデータL
1に掲載されている第2の店舗「パテントライフ」の場
合、住所照合処理と名称照合処理との双方において合致
が見られるので、図4に示す店舗リストデータL1の第
2の店舗について、図5の第2レコードの経度および緯
度データである「138.43.25.60/35.29.52.60 」が付加
されることになる。もし、住所照合処理または名称照合
処理の一方だけについて合致が見られた場合であって
も、同様の経度および緯度データが付加されることにな
る。ただ、住所照合処理と名称照合処理との双方におい
て合致が見られた場合と、いずれか一方だけについて合
致が見られた場合とでは、同じ経度および緯度データで
あってもその信頼性に差が生じることになる。そこで、
この信頼性を示す目安として、フラグを設定するように
している。具体的には、この実施形態の場合、住所照合
処理と名称照合処理との双方において合致が見られたこ
とを示す第1のフラグIと、住所照合処理においてのみ
合致が見られたことを示す第2のフラグIIと、名称照合
処理においてのみ合致が見られたことを示す第3のフラ
グIII と、いずれの照合処理においても合致が見られな
かったことを示す第4のフラグIVと、を定義しており、
自動照合手段12が、個々の店舗についての照合結果と
して、いずれか1つのフラグを設定する処理を行うよう
にしている。
【0038】この4種類のフラグI〜IVは、I>II>II
I >IVの順に信頼性が高いことを示している。第1のフ
ラグIは、住所と名称との双方で合致が見られたことを
示すため、最も高い信頼性を有する。たとえば、前述し
た店舗「パテントライフ」の場合、住所と名称とがとも
に合致しており、第1のフラグIが設定されることにな
る。住所照合処理のみが合致したことを示す第2のフラ
グIIの信頼性の方が、名称照合処理のみが合致したこと
を示す第3のフラグIII の信頼性よりも高いのは、住所
が行政区画に従って付与される要素であるのに対し、店
舗名あるいは建物名がある程度恣意的に付与される要素
であるためである。たとえば、「山梨県南都留郡足和田
町」なる住所は日本全国に唯一であるのに対し、「パテ
ントライフ」なる建物名あるいは店舗名は日本全国に複
数存在する可能性がある。したがって、住所のみが合致
した場合に付加される経度および緯度データの信頼性は
かなり高いが、名称のみが合致した場合に付加される経
度および緯度データの信頼性はそれほど高くはない。な
お、本明細書では、住宅地図データベースD1に収録さ
れているものを慣習上「建物名」と呼び(住宅地図デー
タベースD1がもともと建物ごとのデータベースとして
用意されたものであるため)、店舗リストデータL1に
収録されているものを事業体の拠点としての店舗として
とらえる上で「店舗名」と呼んで区別しているが、その
実体は同じものである。
【0039】図6は、このような照合処理により、図4
に示す店舗リストデータL1に経度および緯度データを
自動的に付加した結果を示す図であり、このデータは、
自動照合手段12から出力される店舗リストデータL2
となる。フラグの欄に記載されたI〜IVの記号は、上述
した4種類のフラグI〜IVを示している。上述したよう
に、住所照合処理および名称照合処理の少なくとも一方
において合致が見られた店舗については、合致が見られ
た経度および緯度のデータが付加されるので、フラグI
〜III が設定された店舗については、何らかの経度およ
び緯度データが付加されている。ただ、この実施形態で
は、フラグIVが設定された店舗についても、一応、何ら
かの経度および緯度データを付加するようにしている。
図6のリストにおける第5番目の店舗「Tickle(ティッ
クル)」には、第4のフラグIVが設定されている(すな
わち、住所照合処理および名称照合処理のいずれについ
ても合致が見られない)にもかかわらず、経度および緯
度データが付加されているのは、このためである。
【0040】もっとも、第4のフラグIVが設定された店
舗について、全くデタラメな経度および緯度データを付
加しても意味がない。そこで、本実施形態では、第4の
フラグIVが設定された店舗については、上位照合処理な
る付加的な照合処理を更に実行するようにしている。こ
の上位照合処理は、住所の上位部分についてのみ照合す
る処理である。この処理を行うためには、住宅地図デー
タベースD1とは別に、住所の上位部分によって示され
る広域地区についての代表地点の経度および緯度のデー
タを集めた広域地区データベースを用意しておくように
する。たとえば、「山梨県南都留郡河口湖町」なる住所
は、「山梨県南都留郡河口湖町河口2909−2」のよ
うな正確な住所の上位部分のみからなる大まかな住所で
あり、広域地区を示す住所ということになる。広域地区
データベースとして、このような住所の上位部分のみか
らなる広域地区についてのデータを用意しておき、個々
の広域地区について、それぞれ代表地点を定めておく
(たとえば、当該広域地区を構成する閉領域の外接矩形
の中心点といったように幾何学的に定義しておいてもよ
いし、当該広域地区内の主要都市の中心位置のように個
別に定めてもよい)。そして、各代表地点の経度および
緯度データを用意しておくようにし、第4のフラグIVが
設定された店舗については、上位照合処理を行った結
果、合致が見られた広域地区の代表地点の経度および緯
度のデータを付加するようにすればよい。
【0041】たとえば、図4に示す店舗リストデータL
1における第5の店舗「Tickle(ティックル)」につい
ては、住所照合処理および名称照合処理のいずれについ
ても合致が見られなかったため、第4のフラグIVが設定
されたとしよう。この場合、上位住所である「山梨県南
都留郡河口湖町」について、広域地区データベースを用
いた上位照合処理を行うようにする。その結果、「山梨
県南都留郡河口湖町」なるレコードが検索され、このレ
コードに対して、代表地点の経度および緯度データ「13
8.46.34.47/35.30.44.76 」が設定されていたとすれ
ば、この経度および緯度データを第5の店舗「Tickle
(ティックル)」についての経度および緯度データとし
て付加する処理を行うようにすればよい。図6に示すリ
ストにおいて、第5の店舗「Tickle(ティックル)」に
対して付加されている経度および緯度データは、このよ
うな上位照合処理によって付加されたものである。もち
ろん、このような上位照合処理によって付加された経度
および緯度データは、多少位置がずれている可能性が高
く、実際には、修正処理を行わないと利用できないデー
タであるが、このようなデータであっても、ある程度近
傍の経度および緯度を示しているデータであり、後に補
填処理を行う際に、いくらか役立つことになる。
【0042】かくして、自動照合手段12による自動処
理によって、図6に示すような店舗リストデータL2が
出力されることになる。ここでは、一応、各店舗に経度
および緯度データが付加されているが、これらのデータ
の信頼性は、それぞれ異なる。すなわち、第1のフラグ
Iが設定された店舗や、第2のフラグIIが設定された店
舗については、かなり信頼性の高い経度および緯度デー
タが付加されていると判断することができるが、第3の
フラグIII が設定された店舗に付加された経度および緯
度データの信頼性は低く、第4のフラグIVが設定された
店舗に付加された経度および緯度データに至っては、ほ
とんど信頼性がない(別言すれば、非常に大きな誤差を
含んでいる)ということができる。
【0043】オペレータは、手動補填手段13を用い
て、自動照合手段12から出力された店舗リストデータ
L2の経度および緯度データに対する補填処理を実行す
ることになる。このとき、各店舗について設定されたフ
ラグをオペレータに提示するようにすれば、オペレータ
は、各フラグを参考にして、各店舗ごとに補填処理が必
要か否かを判断することができる。
【0044】このように、補填処理が必要か否かの判断
をすべてオペレータに委ねてもかまわないが、本実施形
態では、第1のフラグIおよび第2のフラグIIが設定さ
れた店舗については、自動照合手段12によって付加さ
れた経度および緯度のデータをそのまま用い、第3のフ
ラグIII および第4のフラグIVが設定された店舗につい
てのみ、手動補填手段13による補填処理を行うように
している。これは、第1のフラグIおよび第2のフラグ
IIが設定された店舗については、自動照合手段12によ
ってほぼ完全に正しい経度および緯度データが付加され
るものと予想されるためである。このように、オペレー
タによる補填処理を、第3のフラグIIIおよび第4のフ
ラグIVが設定された店舗のみに絞ることにより、オペレ
ータの作業負担を大幅に軽減することができる。
【0045】手動補填手段13を利用した具体的な補填
処理は、次のような手順により行うことができる。たと
えば、図6の店舗リストデータL2の第3番目の店舗
「○○レイクホテル」については、第3のフラグIII が
設定されている。そこで、CD−ROM地図データD2
を用いて、ディスプレイ画面上に、自動照合手段12で
付加された経度および緯度データ「138.46.24.99/35.3
0.00.54 」の位置の地図を表示させ、正しいか否かを確
認する。もし、CD−ROM地図データD2の情報だけ
では確認ができない場合には、「○○レイクホテル」に
直接電話で問い合わせたり、パンフレットで確認したり
する作業を行えばよい。付加されていた経度および緯度
データが誤っていた場合は、やはり何らかの手段で正し
い位置を認識し、CD−ROM地図データD2を用いて
ディスプレイ画面上に表示させた地図上で正しい位置を
指定することにより、正しい経度および緯度データの入
力を行えばよい。
【0046】こうして、手動補填手段13による補填処
理を経ることにより、最終的に、正確な経度および緯度
データ付きの店舗リストデータL3が作成されることに
なる。作成された店舗リストデータL3は、前述したよ
うに、登録情報格納手段21に登録され、地図提供部2
0の利用に供される。
【0047】図7は、自動照合手段12における照合処
理の手順を示す流れ図である。まず、ステップS1にお
いて、店舗リストデータL1内から1店舗分のデータを
抽出する。たとえば、図4に示すような店舗リストデー
タL1が与えられた場合、まず、シリアル番号0001
の「河口湖特許記念館」のデータが抽出される。
【0048】続くステップS2では、抽出されたデータ
に対する住所照合処理が行われ、合致した場合には、ス
テップS3を経てステップS4へと進み、名称照合処理
(ステップS2において住所が合致したレコードについ
ての建物名と、照合対象となる店舗名とを照合する処
理)が行われる。ここでも合致した場合には、住所と名
称との双方が合致したことになるので、ステップS5を
経てステップS6へと進み、第1のフラグIを設定した
後、ステップS7において、合致した経度および緯度デ
ータを付加する処理を行う。もし、ステップS4の名称
照合処理において合致しなかった場合には、住所のみが
合致したことになるので、ステップS5からステップS
8へと分岐し、第2のフラグIIを設定した後、ステップ
S9において、住所が合致した経度および緯度データを
付加する処理を行う。
【0049】一方、ステップS2の住所照合処理におい
て合致しなかった場合には、ステップS3からステップ
S10へと分岐し、名称照合処理が行われる。ここで合
致した場合には、名称のみが合致したことになるので、
ステップS11を経てステップS12へと進み、第3の
フラグIII を設定した後、ステップS13において、名
称が合致した経度および緯度データを付加する処理を行
う。また、ステップS10の名称照合処理において合致
しなかった場合には、住所も名称も合致しなかったこと
になるので、ステップS11からステップS14へと分
岐し、第4のフラグIVを設定した後、ステップS15に
おいて、上位照合処理が実行される。通常は、この上位
照合処理において合致が得られるので、ステップS16
を経てステップS17へと進み、上位住所が合致した広
域地区についての代表地点の経度および緯度データが付
加されるが、もし合致が得られなかった場合(店舗リス
トデータL1に収録された上位住所に誤記があったよう
な場合)は、当該店舗については、何ら経度および緯度
データが付加されないことになる。このような処理を、
ステップS18を経て、全店舗について実行すれば、自
動照合手段12による照合処理は完了である。
【0050】前述したように、この後、第3のフラグII
I または第4のフラグIVが設定された店舗に限り、手動
補填手段13による補填処理が実行され、オペレータの
手作業で経度および緯度データが正しいか否かが確認さ
れ、必要に応じて、正しい経度および緯度データが入力
される。このような手順により、正しい経度および緯度
データが付加された店舗リストデータL3が得られた
ら、これを登録情報格納手段21に登録すればよい。
【0051】以上述べた手順では、実在する店舗の経度
および緯度を正確に登録することが前提であるが、実用
上は、実際の経度および緯度とは若干ずれた経度および
緯度を登録しておいた方が好ましい場合もありうる。た
とえば、図8に示すような地図を考えてみる。ここで、
中央部分に描かれた「丸B」なるアイコンの位置が、実
際の店舗の位置であるものとし、この店舗の位置を正確
に示す経度および緯度を登録したものとしよう。既に述
べたように、本発明に係るシステムにおける地図作成手
段23は、経度および緯度のデータによって指定された
地点周辺の地図を作成する機能を有している。この場
合、指定された地点を中心とした所定縮尺率の地図を作
成するような設定を行っておくのが一般的である。そこ
で、地図作成手段23が、図9(a) に示すような縮尺率
の地図を作成するように設定されていたものとすると、
実際に作成される地図は、同図のとおり、「丸B」なる
アイコンの位置が中心となるような地図になる。このよ
うに、「常に店舗位置が中心となるように周辺地図を作
成する」というように決めておけば、一般的には満足す
る周辺地図を得ることができる。しかしながら、実際に
は、このような一義的な作業によって作成される周辺地
図は、必ずしも最良の地図になるとは限らない。
【0052】これは、図9(a) と図9(b) とを比較すれ
ば明らかである。図9(a) は、「常に店舗位置が中心と
なるように周辺地図を作成する」という規則で作成した
地図であり、「丸B」なるアイコンの位置が中心となっ
ている。しかしながら、図8に示すように、この店舗の
近傍には、鉄道および駅(St. と記された部分)が存在
し、駅からのアクセスという点を考慮すれば、明らかに
図9(b) の地図の方が好ましい地図である。このよう
に、店舗の近傍に大きな目標物が存在する場合には、店
舗の表示位置を敢えて地図の中心からずらしても、当該
目標物を地図内に入れる方が好ましい。もちろん、その
ような総合的な判断は、一般的には、オペレータの裁量
よって行う必要がある。そこで、本実施形態では、手動
補填手段13に、このようなオペレータの判断を加味し
た補填処理を行う機能をもたせるようにしている。すな
わち、手動補填手段13は、オペレータの指定した特定
の店舗については、当該店舗の本来の位置を示す緯度お
よび経度のデータに対して、所定量だけずらす補正を行
うことができる。
【0053】たとえば、図9(b) に示す例の場合、「丸
B」なるアイコンで示される店舗についての経度および
緯度データとしては、実際の店舗位置から所定量だけず
れた地点Qの経度および緯度データを与えるようにす
る。こうしておけば、この店舗の周辺の地図を地図作成
手段23に作成させる場合、地点Qの緯度および経度の
データが与えられるので、図9(b) に示すように、地点
Qを中心とした周辺地図が作成されることになる。な
お、「丸B」なるアイコン表示を行うためには、店舗本
来の位置を示す緯度および経度データも合わせて登録し
ておくようにすればよい。
【0054】§4.地図提供部20による地図提供処理 図3に示す地図提供部20による地図提供処理は、既に
述べたとおりである。すなわち、地図情報生成送信手段
22は、インターネット200を介して特定の店舗が指
定されたときに、登録情報格納手段21内に格納されて
いる経度および緯度データ付きの店舗リストデータL3
を参照して、指定された店舗についての経度および緯度
データを認識し、認識した経度および緯度データを地図
作成手段23に与えて、指定された店舗周辺の地図の画
像データを作成させ、作成された画像データを利用して
生成した地図情報をネットワークを介して提供先(ユー
ザ)へ送信する機能を果たす。この機能により、ユーザ
がたとえば、図2(b) に示すWebページ上において、
「虎ノ門支店」なる文字列をクリックすると、図2(c)
に示すような周辺地図付きのWebページが表示される
ことになる。
【0055】この図2(c) に示すように、特定の店舗に
ついての周辺地図付きのWebページは、個々のユーザ
にとって非常に便利な情報を与えてくれるWebページ
である反面、万一、その内容に誤りがあった場合、社会
的な影響は甚大である。特に、銀行のように、信頼性を
売り物のひとつとする企業にとっては、Webページ上
に誤った情報を公開するような事態は絶対に避けなけれ
ばならない。そこで、本発明に係る電子地図提供システ
ムでは、信頼性の高い位置情報を提供することができる
ように、地図提供部20に、個々の店舗ごとに地図情報
の提供時期を設定する機能を設けるようにし、この設定
内容に応じた提供時期に、地図情報の提供を行うことが
できるようにしている。より具体的には、地図の提供先
として、複数種類の提供先群を定義し、個々の提供先群
ごとにそれぞれ提供時期の設定を行い、この設定内容に
応じて、特定の提供先群には特定の提供時期についての
み地図情報の提供を行うことができるようにしている。
【0056】これを具体例に即して説明する。いま、図
1に示すようなサービスをビジネスとして実施するため
に、地図提供元が電子地図提供システム100を設置
し、代理店に営業を依頼したとしよう。代理店は、顧客
となるべき多数の企業を訪問し、店舗の地図情報を提供
するサービスの概要を説明し、当該サービスへの加入を
勧めることになる。ここでは、ある代理店が○○銀行か
らの加入の申し込みを受けたものとしよう。この代理店
は、○○銀行に対して、所定のフォーマットで記述した
店舗リストデータL1が必要であることを説明し、たと
えば、フロッピディスクなどの媒体に記録した形で、店
舗リストデータL1を提出してくれるように要求する。
○○銀行から要求どおりの店舗リストデータL1が提出
されたら、この店舗リストデータL1に基づいて、§3
で述べたような登録処理が行われることになる。
【0057】ここでは、この登録処理を、代理人自身が
行う場合の例を述べておこう。このように、代理店自身
によって登録を行わせるような運用を行う場合には、代
理店の事務所に設置されたパソコンから、インターネッ
ト200を介して、電子地図提供システム100にアク
セスできるようにシステムを構築しておくと便利であ
る。たとえば、代理店は、○○銀行から受け取ったフロ
ッピディスクを、事務所のパソコンに挿入するととも
に、このパソコンをインターネット200を介して電子
地図提供システム100に接続し、リスト入力手段11
によって、フロッピディスク内の店舗リストデータL1
を電子地図提供システム100内に入力する操作を行
い、自動照合手段12による照合処理を実行させる。そ
の後、必要に応じて、手動補填手段13を用いた補填処
理を遠隔操作で行えばよい。あるいは、代理店の事務所
のパソコンに、手動補填手段13として機能するプログ
ラムを用意しておき、このパソコンにCD−ROM地図
データD2を挿入するようにすれば、補填処理を、代理
店のパソコン上で行うことも可能である。
【0058】さて、こうして、登録情報格納手段21内
には、○○銀行の各支店についての店舗リストデータL
3(経度および緯度データが付加されたもの)が用意さ
れることになり、地図提供部20によって、任意の提供
先に地図情報を提供する準備が整ったことになる。しか
しながら、この時点で、一般ユーザに対して直ちに地図
情報の提供を行うことは好ましくない。上述したよう
に、万一、提供情報の内容に誤りがあった場合、企業の
信頼性を損なうおそれがあるからである。そこで、店舗
リストデータL3が用意できた当初は、しばらく試験的
な運用を行うのが好ましい。この試験的な運用は、地図
の提供先として、複数種類の提供先群を定義し、個々の
提供先群ごとにそれぞれ提供時期の設定を行い、この設
定内容に応じて、特定の提供先群には特定の提供時期に
ついてのみ地図情報の提供を行うことによって実現でき
る。
【0059】たとえば、図10に示すように、ある企業
(この例では、○○銀行)の6か所の拠点A〜F(この
例では、○○銀行の各支店)に関して、店舗リストデー
タL3が登録されたものとしよう。この場合、この6か
所の拠点についての地図情報が、ネットワークを介して
提供されることになるが、提供先として、図10に示す
ような3つの群を定義する。すなわち、提供先群Xとし
て代理店、提供先群Yとして企業(この例では、○○銀
行)、提供先群Zとして一般ユーザ、という3種類の提
供先群が定義される。ここで、提供先群Yは提供先群X
を含み、更に、提供先群Zは提供先群Yを含んでいる。
そして、まず、第1次試験運用の期間を設定し、この期
間内には、提供先群Xについてのみの提供を行うように
する(すなわち、代理店のコンピュータに対してのみ、
○○銀行の各支店の地図情報を提供するようにする)。
この代理店は、実際に○○銀行と折衝した営業担当であ
るため、第一義的に、○○銀行に関する地図情報に誤り
がないかをチェックする責任を有する。そこで、この第
1次試験運用の期間内に、必要なチェックを済ませ、万
一誤りがあった場合には、電子地図提供システム100
にアクセスして、手動補填手段13を用いて誤りを修正
する処理を行うようにする。
【0060】続いて、第2次試験運用の期間を設定し、
この期間内には、提供先群Yについてのみの提供を行う
ようにする(すなわち、代理店のコンピュータおよび○
○銀行のコンピュータに対してのみ、○○銀行の各支店
の地図情報を提供するようにする)。この段階では、○
○銀行の社員によるチェックが期待できるため、代理店
によって見落とされた誤りが発見される可能性がある。
万一、誤りが発見されたら、代理店が修正処理を行うこ
とになる。なお、第1次試験運用および第2次試験運用
に際しては、インターネット200を介して地図情報を
提供せずに、たとえば、社内イントラネットなどの閉じ
たネットワークを利用して提供を行うようにするのが好
ましい。
【0061】こうして、試験運用が完了したら、いよい
よ一般公開を行うことになる。一般公開の際には、提供
先群Zについての提供が行われる。すなわち、代理店、
○○銀行を含め、広く一般ユーザへの公開が行われる。
具体的には、インターネット200を利用した一般のW
ebページとして公開すればよい。このように、代理店
向けの第1次試験運用期間、企業向けの第2次試験運用
期間、一般ユーザ向けの一般公開期間、というように、
提供先群ごとに提供時期を変えて、段階的に公開を行う
手法を採れば、より信頼性の高い情報公開が可能にな
る。
【0062】図11は、このような段階的公開の具体例
を示すタイムチャートである。この例では、代理店提供
時期として、2000年3月1日から2000年4月1
0日までが設定され、企業提供時期として、2000年
3月10日から2000年4月30日までが設定され、
一般提供時期として、2000年4月1日から2001
年3月31日までが設定されている。この場合、200
0年3月1日から3月9日までの期間が第1次試験運用
の期間となり、2000年3月10日から3月31日ま
での期間が第2次試験運用の期間となり、2000年4
月1日から2001年3月31までの期間が一般公開期
間となる。代理店提供時期の期末(2000年4月10
日)や企業提供時期の期末(2000年4月30日)
を、一般提供時期の期末(2001年3月31日)に揃
えるようにしてもかまわないが、この例では、図10に
示すように、提供先群X(代理店)や提供先群Y(企
業)は、提供先群Z(一般ユーザ)に含まれるような構
成にしてあるため、図11に示すような設定にしてあっ
ても、代理店や企業は一般ユーザと同様の情報提供を受
けることができるので問題はない。
【0063】なお、銀行のように全国に多数の拠点をも
つ企業の場合、拠点によっては、営業開始日が遅れるよ
うな場合も少なくない。このような場合に対応できるよ
うにするためには、複数の店舗からなるグループを定義
し、提供時期もしくは提供先群を各グループごとに設定
するとともに、個々の店舗ごとにも設定できるようにし
ておくとよい。たとえば、図10に示す「○○銀行」を
1つのグループとして定義すれば、拠点A〜Fまでの各
支店は、いずれも同一グループに所属する店舗というこ
とになる。もし、別な企業である「××保険」がこのサ
ービスに加入しているとすれば、この「××保険」の各
店舗が別なグループを構成することになる。そして、公
開日および公開停止日を示すテーブルとして、図12
(a) に示すような企業テーブルと、図12(b) に示すよ
うな拠点テーブルとを用意する。ここで、図12(a) に
示す企業テーブルは、グループ全体についての設定を示
すテーブルであり、この例の場合、「○○銀行」の店舗
全体に適用するためのテーブルである。図示の日付は、
図11の例に対応した日付となっており、図12(a)に
記載された各公開日の日付は、図11に示す各提供時期
の始期を示し、図12(a) に記載された各公開停止日の
日付は、図11に示す各提供時期の期末を示している。
これに対して、図12(b) に示す拠点テーブルは、個々
の拠点ごとの設定を示すテーブルであり、実際には、6
つの拠点A〜Fのそれぞれについて、別個の拠点テーブ
ルが設定される。図12(b) に示す例は、拠点C、すな
わち、虎ノ門支店についてのテーブルである。
【0064】通常は、企業テーブルの設定と、拠点テー
ブルの設定とは同一にしておく(あるいは、企業テーブ
ルと同一の設定の拠点テーブルについては省略してもか
まわない)。ただし、特定の拠点について、営業開始日
が遅延する、という事情がある場合には、当該拠点に関
する拠点テーブルには、独自の設定を行うようにする。
たとえば、図12(b) に示す例は、虎ノ門支店の営業開
始が半年ほど遅延する場合の例であり、各公開日および
各公開停止日が、図12(a) に示す企業テーブルの設定
に比べて、それぞれ半年ずつ遅れて設定されている。こ
の例の場合、虎ノ門支店以外の拠点についての地図情報
は、2000年4月1日から一般公開されることになる
が、虎ノ門支店の地図情報は、2000年10月1日か
ら一般公開されることになる。
【0065】このように、グループについての設定内容
(たとえば、図12(a) の企業テーブルの設定内容)と
店舗についての設定内容(たとえば、図12(b) の拠点
テーブルの設定内容)とが異なる場合には、提供開始時
(図示の例では公開日)に関してはより遅い時点を優先
し、提供中止時(図示の例では公開停止日)に関しては
より早い時点を優先する取り扱いを行うように決めてお
けばよい。このような取り扱いにすれば、拠点テーブル
を設定することにより、特定の拠点については、企業テ
ーブルの公開日よりも遅い公開日を設定することはでき
るが、企業テーブルの公開日よりも早い公開日を設定す
ることはできない(実際には設定は可能だが、企業テー
ブルに設定された遅い方の公開日が優先されてしまうた
め無意味になる)。同様に、拠点テーブルを設定するこ
とにより、特定の拠点については、企業テーブルの公開
停止日よりも早い公開停止日を設定することはできる
が、企業テーブルの公開日よりも遅い公開停止日を設定
することはできない(実際には設定は可能だが、企業テ
ーブルに設定された早い方の公開日が優先されてしまう
ため無意味になる)。結局、上述のような取り扱いを行
うと、企業テーブルによって、たとえば、図11に示す
ような提供時期が定められている場合、個々の拠点ごと
の提供時期を、この図11に示されている提供時期の始
期および期末を越えない範囲内の自由度をもって、任意
に設定できることになる。
【0066】最後に、個々の店舗についての地図情報の
提供を行う際に、ある特定の提供時期に、ある特定の提
供先群についてのみ提供を行うために適した具体的な手
法を述べておく。この手法の基本概念は、複数n台のサ
ーバ装置を用意し、第i番目(1≦i≦n)のサーバ装
置が第i番目の提供先群に対する地図情報の提供を担当
するようにし、個々の店舗についての登録情報を、当該
店舗について設定されている提供時期に相当する期間だ
け、当該店舗について設定されている提供先群を担当す
るサーバ装置に格納する制御を行うことにある。これ
を、n=3の具体例について述べてみよう。
【0067】いま、図13に示すように、3台のWeb
サーバSx,Sy,Szを用意する。ここで、各Web
サーバには、図3に示す登録情報格納手段21、地図情
報生成送信手段22、地図作成手段23に相当する機能
が備わっているものとし、所定の登録情報に基づいて、
店舗の地図情報をネットワークを介して提供する働きを
するものとする。しかも、WebサーバSxは、提供先
群X(代理店)に対する地図情報の提供を担当するサー
バであり、WebサーバSyは、提供先群Y(企業)に
対する地図情報の提供を担当するサーバであり、Web
サーバSzは、提供先群Z(一般ユーザ)に対する地図
情報の提供を担当するサーバであるものとする。各サー
バには、それぞれ担当する提供先群にのみ接続するため
のルータが接続されている。この3台のサーバを用い
て、図11に示すような運用による段階的な公開を行う
のであれば、提供対象となる店舗の登録情報が、代理店
提供時期の期間中は、WebサーバSxに格納された状
態となり、企業提供時期の期間中は、WebサーバSy
に格納された状態となり、一般提供時期の期間中は、W
ebサーバSzに格納された状態となるような制御を行
えばよい。具体的には、図12(a) ,(b) に示すテーブ
ルに記載された公開日や公開停止日を参照しながら、所
定の時点ごとに、サーバ間における登録情報ファイルの
コピー処理や、削除処理を行うようにすればよい。たと
えば、WebサーバSyには、2000年3月10日の
時点で必要な登録情報ファイルがコピーされ、2000
年4月30日の時点でこのファイルが削除されるように
すればよい。
【0068】以上、本発明を図示する実施形態に基づい
て説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定される
ものではなく、この他にも種々の形態で実施可能であ
る。たとえば、図1および図2に示す例では、顧客We
bサーバ400から提供されるホームページからのリン
クに基づいて、電子地図提供システム100からの地図
情報の提供が行われるサービス形態を示したが、本発明
に係る電子地図提供システムは、このようなサービス形
態での利用に限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る電子地図提供
システムによれば、多数の店舗についての位置情報を効
率的に登録することが可能になり、しかも、信頼性の高
い位置情報を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子地図提供システムを用いたサ
ービス形態の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示すサービス形態による地図表示のプロ
セスを示す画面図である。
【図3】本発明に係る電子地図提供システム100の基
本構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す店舗リストデータL1の具体例を示
す図である。
【図5】図3に示す住宅地図データベースD1の具体例
を示す図である。
【図6】図3の自動照合手段12から出力される店舗リ
ストデータL2の具体例を示す図である。
【図7】図3の自動照合手段12における照合処理の手
順を示す流れ図である。
【図8】図3の地図作成手段23によって作成可能な地
図の一例を示す図である。
【図9】図8に示す地図からその一部を切り出す態様を
示す図である。
【図10】地図提供部20による地図情報の提供態様の
一例を示すブロック図である。
【図11】3通りの提供先群について、それぞれ異なる
提供時期を設定した例を示すタイムチャートである。
【図12】3通りの提供先群について、それぞれ異なる
提供時期を設定するためのテーブルを示す図である。
【図13】複数のサーバを利用して、特定の提供時期に
特定の提供先群についてのみ情報提供を行う方法を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10…店舗登録部 11…リスト入力手段 12…自動照合手段 13…手動補填手段 14…登録情報格納手段 20…地図提供部 21…登録情報格納手段 22…地図情報生成送信手段 23…地図作成手段 100…電子地図提供システム 200…インターネット 310〜330…ユーザ(パソコン) 400…顧客Webサーバ D1…住宅地図データベース D2…CD−ROM地図データ L1〜L3…店舗リストデータ Sx,Sy,Sz…Webサーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C032 HB11 5B075 KK03 ND20 ND35 NK10 NK37 NK48 PP13 PQ02 PQ10 PR08 UU14 9A001 FF03 HH23 JJ11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワークを利用して、特定の店舗の
    所在地を示す地図情報を、所定の提供先に対して提供す
    る電子地図提供システムであって、 多数の店舗についてその所在地を登録する店舗登録部
    と、この店舗登録部による登録内容に基づいて店舗の所
    在地を示す電子地図を提供する地図提供部と、を備え、 前記店舗登録部は、 登録対象となる個々の店舗について、少なくとも店舗名
    および住所を含む店舗リストデータを入力するリスト入
    力手段と、 実在する個々の建物について、建物名,住所,経度およ
    び緯度のデータを集めた住宅地図データベースと、 前記リスト入力手段によって入力された店舗リストデー
    タと前記住宅地図データベースとを照合し、前記店舗リ
    ストデータに経度および緯度のデータを付加する自動照
    合手段と、 ディスプレイ画面上に地図画像を表示し、この地図画像
    上で指定された所定位置に対応する経度および緯度のデ
    ータを発生させる機能を有し、オペレータの指示に基づ
    いて、前記店舗リストデータに経度および緯度のデータ
    を新たに付加するか、あるいは、既に付加されている緯
    度および経度のデータを確認し、必要に応じてこれに修
    正を加える補填処理を実行する手動補填手段と、 を有し、 前記地図提供部は、 前記手動補填手段による補填処理後に得られる経度およ
    び緯度データ付きの店舗リストデータを、登録すべき情
    報として格納する登録情報格納手段と、 経度および緯度のデータによって所定の地点を指定する
    ことにより、指定地点周辺の地図の画像データを作成す
    る地図作成手段と、 ネットワークを介して特定の店舗が指定されたときに、
    前記経度および緯度データ付きの店舗リストデータを参
    照して、指定された店舗についての経度および緯度デー
    タを認識し、認識した経度および緯度データを前記地図
    作成手段に与えて、指定された店舗周辺の地図の画像デ
    ータを作成させ、作成された画像データを利用して、提
    供すべき地図情報を生成し、これをネットワークを介し
    て提供先へ送信する地図情報生成送信手段と、 を有することを特徴とする電子地図提供システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子地図提供システム
    において、 自動照合手段に、個々の店舗についての照合結果の合致
    度を示す複数種類のフラグを設定する機能を設け、 手動補填手段に、補填処理を実行するオペレータに対し
    て、前記フラグを提示する機能を設けたことを特徴とす
    る電子地図提供システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子地図提供システム
    において、 自動照合手段に、店舗リストデータ内の住所と住宅地図
    データベース内の住所とを照合する住所照合処理と、店
    舗リストデータ内の店舗名と住宅地図データベース内の
    建物名とを照合する名称照合処理と、を行う機能を設
    け、これら2つの照合処理の結果に基づいて経度および
    緯度のデータを付加するようにしたことを特徴とする電
    子地図提供システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子地図提供システム
    において、 住所照合処理および名称照合処理の少なくとも一方にお
    いて合致が見られた店舗については、合致が見られた経
    度および緯度のデータを付加するようにしたことを特徴
    とする電子地図提供システム。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の電子地図提供システム
    において、 住所の上位部分によって示される広域地区についての代
    表地点の経度および緯度のデータを集めた広域地区デー
    タベースを、店舗登録部に設け、 住所照合処理および名称照合処理のいずれについても合
    致が見られなかった場合には、前記広域地区データベー
    スを用いて、住所の上位部分についてのみを照合する上
    位照合処理を行い、合致が見られた広域地区の代表地点
    の経度および緯度のデータを付加するようにしたことを
    特徴とする電子地図提供システム。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の電子地図提供システム
    において、 住所照合処理と名称照合処理との双方において合致が見
    られたことを示す第1のフラグと、住所照合処理におい
    てのみ合致が見られたことを示す第2のフラグと、名称
    照合処理においてのみ合致が見られたことを示す第3の
    フラグと、いずれの照合処理においても合致が見られな
    かったことを示す第4のフラグと、を定義し、 自動照合手段に、個々の店舗についての照合結果とし
    て、いずれか1つのフラグを設定する機能を設け、 手動補填手段に、補填処理を実行するオペレータに対し
    て、前記フラグを提示する機能を設けたことを特徴とす
    る電子地図提供システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子地図提供システム
    において、 第1のフラグおよび第2のフラグが設定された店舗につ
    いては、自動照合手段によって付加された経度および緯
    度のデータをそのまま用い、第3のフラグおよび第4の
    フラグが設定された店舗については、手動補填手段によ
    る補填処理後の経度および緯度のデータを用いることに
    より、経度および緯度データ付きの店舗リストデータを
    作成できるように構成したことを特徴とする電子地図提
    供システム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の電子地
    図提供システムにおいて、 地図作成手段が、経度および緯度のデータによって指定
    された地点を中心とした所定縮尺率の地図を示す画像デ
    ータを作成する機能を有し、 手動補填手段が、オペレータの指定した特定の店舗につ
    いては、当該店舗の本来の位置を示す経度および緯度の
    データに対して、所定量だけずらす補正を行う機能を有
    し、 前記特定の店舗周辺の地図を作成する際に、当該特定の
    店舗が地図の中心から前記所定量だけずれた位置に表示
    される地図が作成されるようにしたことを特徴とする電
    子地図提供システム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の電子地
    図提供システムにおいて、 地図提供部が、個々の店舗ごとに地図情報の提供時期を
    設定する機能を有し、この設定内容に応じた提供時期
    に、地図情報の提供を行うことを特徴とする電子地図提
    供システム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電子地図提供システ
    ムにおいて、 複数種類の提供先群を定義し、個々の提供先群ごとにそ
    れぞれ提供時期の設定を行い、この設定内容に応じて、
    特定の提供先群には特定の提供時期についてのみ地図情
    報の提供を行うことを特徴とする電子地図提供システ
    ム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の電子地図提供シス
    テムにおいて、 複数の店舗からなるグループを定義し、提供時期もしく
    は提供先群を各グループごとに設定するとともに、個々
    の店舗ごとにも設定できるようにし、グループについて
    の設定内容と店舗についての設定内容とが異なる場合に
    は、提供開始時に関してはより遅い時点を優先し、提供
    中止時に関してはより早い時点を優先する取り扱いを行
    うことを特徴とする電子地図提供システム。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の電子地
    図提供システムにおいて、 複数n台のサーバ装置を用意し、第i番目(1≦i≦
    n)のサーバ装置が第i番目の提供先群に対する地図情
    報の提供を担当するようにし、個々の店舗についての登
    録情報を、当該店舗について設定されている提供時期に
    相当する期間だけ、当該店舗について設定されている提
    供先群を担当するサーバ装置に格納する制御を行うこと
    を特徴とする電子地図提供システム。
  13. 【請求項13】 特定の店舗の所在地を示す地図情報を
    生成するために、多数の店舗をそれぞれ経度および緯度
    のデータとともに登録する処理を行う地図用店舗登録装
    置であって、 登録対象となる個々の店舗について、少なくとも住所を
    含む店舗リストデータを入力するリスト入力手段と、 実在する個々の建物について、少なくとも住所ならびに
    経度および緯度のデータを集めた住宅地図データベース
    と、 前記リスト入力手段によって入力された店舗リストデー
    タと前記住宅地図データベースとを照合し、前記店舗リ
    ストデータに経度および緯度のデータを付加する自動照
    合手段と、 を備えることを特徴とする地図用店舗登録装置。
  14. 【請求項14】 コンピュータを用いて、特定の店舗の
    所在地を示す地図情報を生成するために、多数の店舗を
    それぞれ経度および緯度のデータとともにコンピュータ
    読取り可能な記録手段に登録する地図用店舗登録方法で
    あって、 登録対象となる個々の店舗について、少なくとも住所を
    含む店舗リストデータを準備する段階と、 実在する個々の建物について、少なくとも住所ならびに
    経度および緯度のデータを集めた住宅地図データベース
    を準備する段階と、 コンピュータを用いて、前記店舗リストデータから各店
    舗に関する情報を読取り、住所の情報に基づいて前記住
    宅地図データベースを検索し、各店舗について経度およ
    び緯度のデータを認識し、認識した経度および緯度のデ
    ータと前記店舗リストデータとをコンピュータ読取り可
    能な記録手段に記録する段階と、 を有することを特徴とする地図用店舗登録方法。
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