JP2001281263A - 計測対象可視化装置及び流速計測装置 - Google Patents

計測対象可視化装置及び流速計測装置

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JP2001281263A
JP2001281263A JP2000098210A JP2000098210A JP2001281263A JP 2001281263 A JP2001281263 A JP 2001281263A JP 2000098210 A JP2000098210 A JP 2000098210A JP 2000098210 A JP2000098210 A JP 2000098210A JP 2001281263 A JP2001281263 A JP 2001281263A
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flow velocity
fluid
imaging
virtual particles
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JP2000098210A
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Takashi Shimazu
孝 志満津
Kazuhiro Akihama
一弘 秋濱
Taketoshi Fujikawa
武敏 藤川
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測対象の流れを変化させることなく、計測
対象を可視化することができる計測対象可視化装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 複数のレーザ光を出力し、交点を生成す
る。そして、該交点を含む領域の輝度分布から所定の輝
度値をしきい値として設け、該しきい値以上を画像とし
てディスプレイ22に表示することにより、該交点を仮
想粒子として可視化する。これにより、交点を含む領域
に存在する流体の粒子をレーザ光の交点34によって仮
想的に可視化することができる。また、所定時間内に仮
想粒子が移動する距離より流速を計測することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、計測対象可視化装
置及び流速計測装置にかかり、特に、流体を計測する際
に計測対象を可視化する計測対象可視化装置、及び該対
象可視化装置により可視化された計測対象の流速を計測
する流速計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ誘起蛍光法を利用して
流体の流速計測を行う流速計測装置が提案されており、
例えば、特開平6−337270号公報に記載の流速計
測装置が例に挙げられる。
【0003】特開平6−337270号公報に記載の流
速計測装置は、図18に示すように、YAGレーザ1に
より色素レーザが励起され、波長変換器3により特定波
長のレーザ光5が取り出される。そして、該レーザ光が
反射鏡4を介してプローブ本体2内に導かれ、回転反射
鏡15によりプローブ中心軸と直交する平面内に石英ガ
ラス11及びスリット13を介して計測対象の窒素やア
ルゴンガスに微量のビアセチル等のトレーサが含まれた
気流8中に照射される。このように構成された照明系を
2つ有しており、それぞれの照明系より出力されるレー
ザ光が気流8中で交差され、回転反射鏡15の回転に該
交差点が連続的に変化される構成とされている。
【0004】そして、交差点の連続的変化によって誘起
される蛍光を、2つのレーザ光によりなされる平面と直
交する方向からCCDカメラ6によるカメラ撮影が行わ
れ、撮影によって得られる画像、すなわち、蛍光によっ
て表される線画像の計測対象によって生じる線画像の変
化を解析することによって、計測対象の2次元流速を計
測することができる。
【0005】また、プローブ本体2の外周側には、軸対
称位置に圧力計測孔19a、19bが設けられており、
圧力計測孔19a、19bがそれぞれ等しい圧力となる
ようにプローブ本体2を回転させることによって、計測
対象の流れ方向にプローブを正対させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平6−337270号公報に記載の技術では、計測
対象の流れ方向にプローブを正対し、カメラ撮影された
線画像の変化を解析することによって流速を計測してい
る。すなわち、流速の計測時には、計測対象の流れ方向
が決定されているものとして、流速の計測が行われる
が、プローブ本体を計測対象の流れ中に挿入するので、
プローブ本体によって計測対象の流れが変化する恐れが
あり、正確な計測対象の流れ方向を検出することができ
ない。従って、カメラ撮影で得られる蛍光によって表さ
れる線画の変化を解析する際に計測対象の流れ方向を正
確に検出することができないので、計測対象の正確な流
速を計測することができない、という問題がある。
【0007】また、カメラ撮影の際には、回転反射鏡を
回転させることによって、蛍光によって表される線画を
撮影するが、回転反射鏡を回転させているので、蛍光に
よって表される線画は違う時間の流速を表していること
になる。すなわち、カメラ撮影で得られる蛍光によって
表される線画の変化を解析する際には、線画上の各点は
異なる時間の点となる。従って、計測対象の正確な流速
を計測することができない、という問題がある。
【0008】本発明は、上記問題を解決すべく成された
もので、計測対象の流れを変化させることなく、計測対
象を可視化することができる計測対象可視化装置を提供
することを第1の目的とする。
【0009】また、該計測対象可視化装置によって可視
化された計測対象の流速を正確に計測することができる
流速計測装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、レーザ光が照射されること
により励起発光するトレーサを含む計測対象の雰囲気中
で、高輝度領域が形成されるようにレーザ光を交差させ
て照射する少なくとも1つのレーザ光源と、前記高輝度
領域を少なくとも含む領域を撮像する撮像手段と、前記
撮像手段による撮像画像について、所定輝度以上の領域
を抽出し、抽出した領域を仮想粒子として出力する出力
手段とを備えることを特徴としている。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、複数のレ
ーザ光によって、計測対象の雰囲気中では、トレーサが
励起発光される。この時、高輝度領域が形成されるよう
に複数のレーザ光を交差させて照射する。すなわち、レ
ーザ光の交差点が高輝度領域となる。そして、撮像手段
では、高輝度領域を少なくとも含む領域が撮像される。
すなわち、撮像手段では、レーザ光の発光及びトレーサ
の励起発光が撮像される。
【0012】また、出力手段では、撮像手段によって撮
像することによって得られる撮像画像について、所定輝
度以上の領域が抽出され、該所定輝度以上の領域が仮想
粒子として出力される。すなわち、高輝度領域を少なく
とも含む領域において、所定輝度以上の励起発光してい
るトレーサが仮想粒子として出力される。
【0013】上述のようにして得られる高輝度領域を少
なくとも含む領域においては、レーザ光の交差点が、ト
レーサの励起発光による発光輝度が最も大きくなる。そ
こで、所定輝度以上の発光を検出することにより、レー
ザ光の交差点を仮想粒子として出力することができる。
【0014】このようにして出力された仮想粒子は、計
測対象の変化状態に応じて変化する。すなわち、仮想粒
子によって計測対象の変化状態を仮想的に可視化するこ
とができる。例えば、計測対象において、所定方向への
流れがある場合には、計測対象の所定方向の流れに基づ
いて仮想粒子が移動するので、仮想粒子によって計測対
象の流れを表現することができる。
【0015】従って、仮想粒子によって計測対象を表現
することができるので、計測対象の流れを変化させるこ
となく、計測対象を可視化することができる また、仮想粒子の大きさの設定は、前記所定輝度(しき
い値)の設定を変えることにより変更することができる
ので、計測対象に関する自由度を向上することができ
る。
【0016】なお、トレーサとしては、レーザ光の励起
による蛍光を発生するものを用いるてもよいし、請求項
2に記載のように、レーザ光の励起による燐光を発生す
るものを用いてもよい。
【0017】また、複数のレーザ光は、請求項3に記載
のように、高輝度領域が格子状の格子点に配置されるよ
うに設けるようにしてもよい。このように、高輝度領域
が格子状の格子点に配置されるようにレーザ光を設ける
ことにより、仮想粒子は格子状の格子点となる。すなわ
ち、高輝度領域を含む平面における連続的な計測対象の
変化状態を可視化することができる。
【0018】なお、格子の間隔については、計測対象に
応じて適宜設定するようにしてもよい。
【0019】請求項4に記載の発明は、光化学反応、光
分解、光改質、及び、光異性化の少なくとも1つの光反
応を生じる媒質を含む計測対象の雰囲気中で、前記光反
応を生じさせる波長のレーザ光を照射する第1のレーザ
光源と、前記第1のレーザ光源より照射されたレーザ光
によって生じた光反応で異性化された媒質上に異なる状
態の発光領域が形成されるように、前記第1のレーザ光
源より照射されるレーザ光に交差させて照射する第2の
レーザ光源と、前記異なる状態の発光領域の光を透過
し、透過した光の領域を仮想粒子として抽出する抽出手
段と、前記異なる状態の発光領域を含む領域を撮像する
撮像手段と、を備えることを特徴としている。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、第1のレ
ーザ光源により出力されるレーザ光によって、媒質が光
反応して、媒質が異性化される。また、第2のレーザ光
源より出力されたレーザ光が第1のレーザ光源より出力
されたレーザ光に交差され、異なる状態の発光領域が形
成される。すなわち、交差点では、異なる状態の発光領
域(例えば、異性化された媒質特有の波長を有する光)
が発生される。
【0021】抽出手段では、該異なる状態の発光領域の
光を透過させ、透過した光を仮想粒子として抽出する。
すなわち、レーザ光の交差点が仮想粒子として生成され
る。そして、撮像手段では、抽出手段によって生成され
た仮想粒子が撮像される。
【0022】このようにして得られる仮想粒子は、計測
対象の変化状態に応じて変化する。すなわち、仮想粒子
によって計測対象の変化状態を仮想的に可視化すること
ができる。例えば、計測対象において、所定方向への流
れがある場合には、計測対象の所定方向の流れに基づい
て仮想粒子が移動する。すなわち、仮想粒子によって計
測対象の流れを表現することができる。
【0023】従って、仮想粒子によって計測対象を表現
することができるので、計測対象の流れを変化させるこ
となく、計測対象を可視化することができる なお、請求項4では、第1及び第2のレーザ光源を用い
るようにしたが、2つのレーザ光源に限ることなく、複
数のレーザ光源を用いるようにしてもよいし、複数のレ
ーザ光源を持ちいて、レーザ光を格子状に交差させるよ
うにしてもよい。
【0024】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の発明において、前記撮像手
段の撮像方向と異なる方向の撮像方向で撮像する補助撮
像手段を更に有することを特徴としている。
【0025】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、撮像
手段の撮像方向と異なる方向の撮像方向で撮像する補助
撮像手段を設けることによって、撮像手段及び補助撮像
手段によって得られる仮想粒子の変化から、3次元的な
仮想粒子の変化を求めることができる。
【0026】例えば、撮像手段によって撮像される平面
と直交する平面を補助撮像手段によって撮像することに
よって、撮像手段及び補助撮像手段から得られる仮想粒
子の変化から、3次元的な仮想粒子の変化を画像上で可
視化することができる。
【0027】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れか1項に記載の計測対象可視化装置と、前
記仮想粒子の状態変化を計測する計測手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0028】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
乃至請求項5の何れか1項に記載の計測対象可視化装置
によって、可視化された計測対象である仮想粒子の状態
変化を計測手段により計測することにより、計測対象の
状態変化(例えば、計測対象の流れ方向や流速等)を計
測することができる。
【0029】例えば、仮想粒子の所定時間当りの移動量
から、計測対象の流速を計測することができる。
【0030】すなわち、請求項1乃至請求項5の何れか
1項に記載の計測対象可視化装置が計測対象の流れを変
化させることなく、計測対象を可視化することができる
ので、該計測対象可視化装置によって可視化された計測
対象の流速は、計測手段により正確に計測することがで
きる
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は流体
の流速を計測する流速計測装置に本発明を適用したもの
である。 [第1実施形態]図1に第1実施形態に係る流速計測装
置の概略構成のブロック図を示す。第1実施形態に係る
流速計測装置は、CPU12、ROM14、RAM1
6、及び入出力部(I/O)18等の周辺回路からなる
コンピュータ20を備えており、コンピュータ20のC
PU12、ROM14、及びRAM16は、I/O18
に接続されており、I/O18には、ディスプレイ2
2、CCDカメラ24、及び複数のレーザ光入射装置
(以下、レーザ光源という)26(図1では、レーザ光
源26を代表して1つ記載する。ここで、レーザ光入射
装置は、複数のレーザ光源を用いてもよいし、1つのレ
ーザ光源の光を分岐して複数としてもよい。)がそれぞ
れのドライバ28、30、32を介して接続されてい
る。
【0032】複数のレーザ光源26は、第1実施形態に
おいては、図2に示すように、3つのレーザ光源26
A、26B、26Cを備えており、それぞれのレーザ光
源26A、26B、26Cより出力されるレーザ光が1
点(交点34)で交わるように配置されている。
【0033】また、CCDカメラ24は、図2に示すよ
うに、レーザ光の交点34を含む所定の領域を撮像する
位置に配置されており、CCDカメラ24の撮像によっ
て得られる画像データは、ドライバ30を介してコンピ
ュータ20に入力され、所定の画像処理が行われてディ
スプレイ22に画像が表示されるように構成されてい
る。
【0034】続いて、上述の所定の画像処理について説
明する。
【0035】図3には、CCDカメラ24の撮像によっ
て得られる可視化画像が示されている。図3に示すよう
に、上述したように、レーザ光源26より出力されたレ
ーザ光は交点34で交わるように出力される。すなわ
ち、可視化画像は、複数のレーザ光源26より出力され
るレーザ光が可視化され、この時、交点34が最大の高
輝度点となる。
【0036】ここで、図3に示す可視化画像の交点34
を含む領域36の輝度分布を図4に示す。図4に示すよ
うに、領域36における輝度分布はレーザ光の交点34
を最大輝度としたガウス分布となり、所定の輝度値をし
きい値として設け、該しきい値以上を画像としてディス
プレイ22に表示することにより、図5に示すように、
レーザ光の交点34を点として表示することができる。
また、しきい値によっては、ディスプレイ22に表示さ
れる点の大きさを可変することができる。すなわち、領
域36に存在する流体の粒子をレーザ光の交点34によ
って仮想的に可視化することができる仮想粒子38とな
る。例えば、しきい値としては、少なくともレーザ光に
よる線が画像として表示されない値とすることによっ
て、レーザ光の交点34のみをディスプレイ22に表示
することができる。従って、レーザ光の交点34を仮想
粒子38として仮想粒子38の移動を計測することによ
って、流体の流速等を計測することができる。
【0037】計測対象の流体にレーザ光を照射すると、
流体が励起されて発光し、レーザ光の交点34である仮
想粒子38は、流体の移動に伴って移動する。従って、
該移動を計測することにより流体の流速等を計測するこ
とが可能となる。なお、流体がレーザ光により励起発光
しない物質である場合には、トレーサとしてレーザ光が
照射されることによって励起発光する気体等を流体に混
入させる必要がある。
【0038】続いて、上述のように構成された流速計測
装置を用いて、流体の流速を計測する際の作用につい
て、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0039】計測対象の流体における所望の領域に複数
のレーザ光源26より出力されるレーザ光の交点34が
照射されるように流速計測装置を配置する。そして、図
示しないキーボード等の操作手段を操作することによっ
て、流体の流速計測が開始される。
【0040】流速計測装置では、ステップ100で、C
PU12からI/O18及びドライバ32にレーザ光源
26の駆動開始を指示する信号が入力され、ドライバ3
2によってレーザ光源26の駆動が行われる。
【0041】ステップ102では、CPU12からI/
O18及びドライバ30にCCDカメラ24の駆動開始
を指示する信号が入力され、CCDカメラ24の駆動が
開始される。CCDカメラ24は所定の時間をおいて2
回以上駆動される。すなわち、1回目のCCDカメラ2
4の駆動で、レーザ光源26より出力されるレーザ光及
びその交点34が撮像される。
【0042】ステップ104では、ステップ102でC
CDカメラ24の撮像によって得られる画像データがI
/O18を介してCPU12に入力され、上述の所定の
画像処理が行われる。すなわち、計測対象の流体中にお
ける仮想粒子38の生成が行われる。
【0043】ステップ106では、上述した所定の画像
処理が行われた画像データがI/O18及びドライバ2
8を介してディスプレイ22へ出力される。すなわち、
ディスプレイ22に仮想粒子38が表示される。ここ
で、流体にレーザ光が照射されて励起発光した仮想粒子
38は、流体の流れに伴って、図7(A)、(B)に示
すように残像効果で移動する。すなわち、所定の時間を
おいて2回目以降の駆動により仮想粒子を撮像し、これ
によって流体の流れを可視化することができる。
【0044】ステップ108では、流体の移動量が計測
される。流体の移動量の計測は、仮想粒子38が所定時
間内に移動した移動量が計測される。例えば、ディスプ
レイ22で表示される領域に平面座標軸(例えば、X軸
及びY軸)を設定し、仮想粒子の初期位置を0とするこ
とにより、所定時間内に移動した方向及び移動量を計測
することが可能である。
【0045】続いて、ステップ110では、ステップ1
08で計測された所定時間あたりの流体の移動量(仮想
粒子の移動量)からCPU12によって計測対象の流体
の流速が算出され、一連の処理を終了する。
【0046】また、上述したフローチャートでは、所定
時間あたりの計測対象の流体の流速を計測する場合を説
明したが、例えば、図8に示すように、所定時間毎にC
CDカメラ24で撮像することによって得られる仮想粒
子38の画像データを記憶し、該画像データに基づい
て、仮想粒子の移動軌跡を流跡線としてディスプレイ2
2に表示することもできる。なお、仮想粒子38が移動
に伴って、図8に示すように、流速の異なる部分等によ
ってにじみ(図8のハッチング部分)や変形等が発生す
る場合があるが、この場合には、仮想粒子38の中心位
置や重心位置(なお、にじみの形状変化等によっては重
み平均を用いてもよい)を基準として流跡線を表示すれ
ばよい。更に、この時仮想粒子の移動距離及び時間フレ
ーム間隔から各位置、各時刻における流速情報を算出す
ることもできる。
【0047】また、仮想粒子38を複数生成するように
レーザ光源26を配置してやれば、図9に示すように上
述の流跡線も複数となり、ディスプレイ22に表示され
た流跡線から流体の流れ方向等の分布も計測することが
できる。
【0048】このように、本実施形態に係る流速計測装
置は、流体又はそれに混入する流体(例えば、計測対象
の流体が液体なら液体、計測対象の流体が気体なら気
体)等をトレーサとして用いるので、従来の流速計測装
置のように、計測対象の流体中に粒子状の物理トレーサ
を混入させることがなく、物理トレーサ粒子による問題
点(例えば、壁面近傍への物理トレーサの供給不足や壁
面及び自由界面における光学的散乱ノイズ等)を解決す
ることができる。また、本実施形態に係る流速計測装置
は、流体中にプローブなど流体の流れを変化させるもの
を挿入することなく、計測対象の流体を可視化すること
ができる。すなわち、計測対象の流速を正確に計測する
ことができる。
【0049】なお、上記の実施の形態では、レーザ光源
26(26A、26B、26C)を3つ用いた場合を説
明したが、レーザ光源26は、3つに限るものではな
く、複数のレーザ光源であれば(レーザ光により交点3
4を発生することができれば)、2つ用いても4つ用い
てもよい。この時、レーザ光源の数を増やすことによっ
て、仮想粒子の輝度を増幅することができる。 [第2実施形態]続いて、第2実施形態に係る流速計測
装置について説明する。第1実施形態に係る流速計測装
置がレーザ光源26を3つ用いる構成としたが、第2実
施形態に係る流速計測装置は、図10に示すように、複
数のレーザ光源26より照射されるレーザ光が格子状に
なるように配置されている。なお、複数のレーザ光源2
6は、本実施形態においては、図10に示すように、縦
横それぞれ4個配置された構成として説明するが縦横4
個に限るものではなく、格子状であれば縦横の配置する
レーザ光源26の数及び間隔は必要に応じて(例えば計
測対象の流体に応じて)適宜設定すればよい。また、縦
横それぞれの配置数は、同一でなくてもよい。また、第
2実施形態に係る流速計測装置の構成は、図1で説明し
た第1実施形態に係る流速計測装置の構成と同一である
ため説明を省略する。
【0050】複数のレーザ光源26は、図10に示すよ
うに、それぞれのレーザ光源26より出力されるレーザ
光が格子状に交差するように配置されている。すなわ
ち、複数のレーザ光源26より出力されることによって
発生するレーザ光の交点34が配置されたレーザ光源2
6に応じて複数発生する(本実施形態においては、4×
4=16個の交点34となる)。
【0051】また、CCDカメラ24は、図10に示す
ように、複数の交点34を含む所定の領域を撮像する位
置に配置されており、CCDカメラ24の撮像によって
得られる画像データは、第1実施形態と同様に、ドライ
バ30を介してコンピュータ20に入力され、所定の画
像処理が行われてディスプレイ22に画像が表示され
る。なお、所定の画像処理は、第1実施形態と同一であ
るため説明を省略する。
【0052】続いて、第2実施形態に係る流速計測装置
を用いて、流体の流速を計測する際の作用について説明
する。
【0053】第2実施形態に係る流速計測装置では、複
数のレーザ光源26より出力されるレーザ光の交点34
は、複数存在する。従って、第1実施形態で説明した仮
想粒子も複数生成されることになる。すなわち、複数の
レーザ光の交点34に対して、第1実施形態で説明した
図6のフローチャートの処理をそれぞれ行うことによ
り、複数のレーザ光の交点34より仮想粒子38が生成
される。従って、計測対象の流体の流れに応じて生じる
仮想粒子38が移動するので、それぞれの仮想粒子38
の移動量及び移動方向が計測される。更に、第1実施形
態と同様に、それぞれの仮想粒子の移動量に基づいて、
流体の流速を計測することができる。
【0054】ここで、第2実施形態に係る流速計測装置
では、上述したように、仮想粒子が格子状に生成される
ので、格子状に生成された仮想粒子の流体の移動によっ
て変化する態様から格子状を含む平面における2次元的
な流体の移動量及び移動方向等を計測することができ
る。更に、該移動量から2次元的な流速分布を算出する
ことができる。 [第3実施形態]続いて、第3実施形態に係る流速計測
装置について説明する。第3実施形態に係る流速計測装
置は、図11に示すように、2つのレーザ光源26を備
え、それぞれのレーザ光源26より出力されるレーザ光
が、第1及び第2実施形態と同様に、交差するように
(交点34を持つように)配置されている。また、第3
実施形態に係る流速計測装置の構成は、図1で説明した
第1実施形態に係る流速計測装置の構成と同一であるた
め説明を省略する。
【0055】本実施形態では、所定の波長λ1のレーザ
光を照射することによって、蛍光発光する気体等のトレ
ーサが計測対象の流体中に含まれている、又は、計測対
象の流体中に混入する構成とされている。そして、2つ
のレーザ光源26は、蛍光発光させるための所定の波長
λ1のレーザ光が出力される。
【0056】また、CCDカメラ24は、レーザ光の交
点34を含む領域を撮像する位置に配置されている。そ
して、トレーサのレーザ光による蛍光発光をCCDカメ
ラ24で撮像するために、蛍光波長λ2の光のみを透過
する光学フィルタ40が配置されており、レーザ光によ
って蛍光発光した光は、該光学フィルタ40を透過して
CCDカメラ24に入力されるように構成されている。
【0057】続いて、第3実施形態に係る流速計測装置
を用いて、流体の流速を計測する際の作用について説明
する。
【0058】計測対象の流体における所望の領域にレー
ザ光の交点34が照射されるように流速計測装置を配置
する。そして、第1実施形態と同様に、図示しないキー
ボード等の操作手段を操作することによって、流体の流
速計測が開始される。
【0059】なお、流体計測装置では、第1実施形態で
説明した図6のフローチャートと基本的には同様の処理
が行われるので、図6のフローチャートを参照して流体
計測装置で行われる処理を説明する。
【0060】ステップ100で、CPU12からI/O
18及びドライバ32にレーザ光源26の駆動開始を指
示する信号が入力され、ドライバ32によってレーザ光
源26の駆動が行われる。
【0061】ステップ102では、CPU12からI/
O18及びドライバ30にCCDカメラ24の駆動開始
を指示する信号が入力され、CCDカメラ24の駆動が
開始される。すなわち、レーザ光源26より波長λ1の
レーザ光が照射され、レーザ光によって計測対象の流体
が励起され、レーザ光の交点34を含む領域にレーザ光
により励起された流体が蛍光発光する。そして、レーザ
光の交点を含む領域が光学フィルタ40を介してCCD
カメラ24によって撮像される。
【0062】ステップ104では、ステップ102でC
CDカメラ24の撮像によって得られる画像データがI
/O18を介してCPU12に入力され、所定の画像処
理が行われる。なお、所定の画像処理は、第1実施形態
と同一であるため、説明を省略する。
【0063】所定の画像処理が行われることによって計
測対象の流体中における仮想粒子の生成が行われると、
所定の画像処理が行われた画像データがI/O18及び
ドライバ28を介してディスプレイ22へ出力される。
すなわち、ディスプレイ22に仮想粒子38が表示され
る。ここで、第3実施形態では、仮想粒子38は、波長
λ1のレーザ光が照射されて励起された流体の蛍光発光
であり、流体の流れに伴って残像効果で図7(A)、
(B)に示したように移動する。すなわち、仮想粒子3
8によって流体の流れを可視化することができる。
【0064】ステップ108では、流体の移動量が計測
される。流体の移動量の計測は、仮想粒子が所定時間内
に移動した移動量が計測される。例えば、第1実施形態
で説明したように、ディスプレイ22で表示される領域
に平面座標軸(例えば、X軸及びY軸)を設定し、仮想
粒子の初期位置を0とすることにより、所定時間内に移
動した方向及び移動量を計測することが可能である。
【0065】続いて、ステップ110では、ステップ1
08で計測された所定時間あたりの流体の移動量(仮想
粒子の移動量)からCPU12によって計測対象の流体
の流速が算出され、一連の処理を終了する。
【0066】このように、本実施形態では、流体の蛍光
発光を用いて仮想粒子を生成することにより、流体を可
視化することができる。また、該仮想粒子は、蛍光発光
の残像効果で、流体の移動に伴って移動するので、仮想
粒子の移動を計測することによって、流体の流速を計測
することができる。また、従来の流体計測装置では、レ
ーザ光によって蛍光発光する粒子状の物理トレーサを混
入するタイミングをとるのが非常に困難であったが、本
実施形態では、仮想粒子生成タイミングを容易に制御す
ることが可能であり、計測対象を選ぶことなく流体の計
測を行うことができる。 [第4実施形態]続いて、第4実施形態に係る流速計測
装置について説明する。なお、第4実施形態の流速計測
装置は、第3実施形態の流速計測装置と概念的には同一
であるため、図11を参照して説明する。第4実施形態
に係る流速計測装置は、図11に示すように、2つのレ
ーザ光源26を備え、それぞれのレーザ光源26より出
力されるレーザ光が、第1〜第3実施形態と同様に、交
差するように(交点34を持つように)配置されてい
る。また、第4実施形態に係る流速計測装置の構成は、
図1で説明した第1実施形態に係る流速計測装置の構成
と同一であるため説明を省略する。
【0067】本実施形態では、所定の波長λ1のレーザ
光を照射することによって、燐光発光する気体等のトレ
ーサが計測対象の流体中に含まれている、又は、計測対
象の流体中に混入する構成とされている。そして、2つ
のレーザ光源26は、燐光発光させるための所定の波長
λ1のレーザ光が出力される。
【0068】また、CCDカメラ24は、レーザ光の交
点34を含む領域を撮像する位置に配置されている。そ
して、トレーサ粒子のレーザ光による燐光発光をCCD
カメラ24で撮像するために、燐光波長λ2の光のみを
透過する光学フィルタ42が配置されており、レーザ光
によって燐光発光した光は、該光学フィルタ42を透過
してCCDカメラ24に入力されるように構成されてい
る。
【0069】第4実施形態に係る流速計測装置を用いて
の流体の流速計測は、基本的には、第3実施形態と同一
であり、第3実施形態では蛍光発光を用いて流体を仮想
粒子38として可視化したが、第4実施形態では燐光発
光を用いて流体を仮想粒子38として可視化することの
みが異なり、その他については、同一であるため説明を
省略する。
【0070】第4実施形態に係る流速計測装置は、蛍光
発光ではなく、燐光発光を用いて仮想粒子として流体を
可視化するので、発光寿命の長い仮想粒子を生成するこ
とができる。発光寿命は、仮想粒子の抽出範囲、時間に
大きく寄与する。特に、長寿命化により、移動距離を大
きく設定できることにより、流体の流速計測における空
間分解能を向上することができると共に、流速計測の精
度を向上することができる。
【0071】更に、流体の拡散による高輝度領域のにじ
みを考慮した場合でも、発光寿命の延長は領域特定時間
の延長に直接寄与するパラメータとして用いることがで
きる。
【0072】なお、第3及び第4実施形態では、レーザ
光源を2つ用いる構成としたが、これに限るものではな
く、例えば、第2実施形態のように格子状にレーザ光が
出力されるように複数のレーザ光源を用いるようにして
もよい。 [第5実施形態]続いて、第5実施形態に係る流速計測
装置について説明する。第5実施形態に係る流速計測装
置は、図12に示すように、2つのレーザ光源26を備
え、それぞれのレーザ光源26より出力されるレーザ光
が、第1〜第4実施形態と同様に、交差するように(交
点34を持つように)配置されている。また、第5実施
形態に係る流速計測装置の構成は、図1で説明した第1
実施形態に係る流速計測装置の構成と同一であるため説
明を省略する。
【0073】本実施形態では、所定の波長λ1のレーザ
光を照射することによって、光反応により異性化する物
質(以下、光反応物質と称する)が計測対象の流体中に
含まれている、又は、計測対象の流体中に混入する構成
とされている。そして、2つのレーザ光源26のうち何
れか一方のレーザ光源26aは、光反応させるための所
定の波長λ1のレーザ光が出力される。また、他方のレ
ーザ光源26bは、光反応によって異性化された物質に
レーザ光を照射することによって励起発光させるための
所定の波長λ2のレーザ光が出力される構成とされてい
る。
【0074】また、CCDカメラ24は、レーザ光の交
点34を含む領域を撮像する位置に配置されている。そ
して、上述のようの励起発光をCCDカメラ24で撮像
するために、励起発光波長λ3の光のみを透過する光学
フィルタ44が配置されており、2つのレーザ光源26
(26a、26b)より出力される異なる波長のレーザ
光によって励起発光した光は、該光学フィルタ44を透
過してCCDカメラ24に入力されるように構成されて
いる。
【0075】続いて、第5実施形態に係る流速計測装置
を用いて、流体の流速を計測する際の作用について説明
する。
【0076】計測対象の流体における所望の領域にレー
ザ光の交点34が照射されるように流速計測装置を配置
する。そして、第1実施形態と同様に、図示しないキー
ボード等の操作手段を操作することによて、流体の流速
計測が開始される。
【0077】流体計測装置では、CPU12からI/O
18及びドライバ32にレーザ光源26の駆動開始を指
示する信号が入力され、ドライバ32によってレーザ光
源26の駆動が行われる。すなわち、2つのレーザ光源
26のうち、一方のレーザ光源26aより波長λ1のレ
ーザ光が光反応物質が混入された計測対象の流体に照射
されると共に、他方のレーザ光源26bより波長λ2の
レーザ光が同様に、光反応物質が混入された計測対象の
流体に照射される。従って、波長λ1のレーザ光によっ
て、光反応物質が光反応によって異性化し、異性化され
た所定の物質によって構成されるラインが形成され、波
長λ2のレーザ光によって、該ライン上の物質が励起発
光される。すなわち、レーザ光の交点34が点発光する
ので、これを上記実施例と同様に仮想粒子38とするこ
とができる。
【0078】そして、該励起発光された仮想粒子38を
CCDカメラ24で第1実施形態と同様に撮像すること
によって、流体を可視化することができる。
【0079】例えば、光反応物質として水蒸気(H
2O)を用いた場合には、所定の波長λ1のレーザ光を
レーザ光源26aより出力することによって水蒸気が光
反応を起こし、H2O→OH+Hに分解される。波長λ
1のレーザ光により形成されるラインは、OHラジカル
によるラインとして形成される。ここで、OHラジカル
を励起発光させる波長λ2のレーザ光を他方のレーザ光
源26bより出力することにより、レーザ光の交点34
は励起発光により点発光することになる。この点発光を
CCDカメラ24で撮像することによって、ディスプレ
イ22に点発光を仮想粒子38として表示することがで
きる。
【0080】また、このようにして得られる仮想粒子3
8は、計測対象の流体に混入された光反応物質が異性化
したものであるので、計測対象の流体の流れに伴って移
動する。従って、該仮想粒子38は流体の移動に伴って
移動するので、仮想粒子38によって流体を可視化した
ことになる。従って、仮想粒子38の移動を計測するこ
とによって、流体の流速計測を行うことができる。な
お、流速計測については、第1実施形態と同一であるた
め説明を省略する。
【0081】本実施の形態では、このように、CCDカ
メラ24により撮像することによって得られる画像デー
タに対して、第1実施形態のように所定の画像処理を行
うことなく、仮想粒子38を生成することができる。 [第6実施形態]続いて、第6実施形態に係る流速計測
装置について説明する。第6実施形態に係る流速計測装
置は、第4実施形態の流速計測装置の仮想粒子生成を用
いて、仮想粒子38を3つ生成して流速計測を行うもの
である。なお、第4実施形態でなく、第1、第3、及び
第5実施形態の流速計測装置でもよいが、第4実施形態
を用いた場合を例に説明する。
【0082】第6実施形態に係る流速計測装置は、第4
実施形態における流速計測装置において、図13に示す
ように、レーザ光の交点34が所定の三角形になるよう
にレーザ光源26が複数(本実施形態では、3個)配置
されている。なお、仮想粒子38の生成は、上述の実施
形態で説明した方法で3つ生成することが可能である。
また、その他の構成については、第4実施形態と同一で
あるため説明を省略する。
【0083】なお、本実施形態では、第4実施形態の仮
想粒子生成方法を用いるので、計測対象の流体中にレー
ザ光による励起によって燐光発光するトレーサが混入さ
れているものとする。
【0084】次に、第6実施形態に係る流速計測装置の
作用について説明する。
【0085】計測対象の流体における所望の領域に複数
のレーザ光源26より出力されるレーザ光の交点34が
照射されるように流速計測装置を配置する。そして、図
示しないキーボード等の操作手段を操作することによっ
て、流体の流速計測が開始される。
【0086】流速計測装置では、第1実施形態で説明し
たフローチャート(図6参照)のステップ100〜ステ
ップ110と同様にして、レーザ光源26の駆動、CC
Dカメラ24の駆動と撮像、及び、CCDカメラ24の
撮像によって得られる画像データに対する所定の画像処
理が行われ、ディスプレイ22に流体が燐光発光するこ
とによって生成される仮想粒子38(本実施形態では、
3つの仮想粒子)として可視化される。
【0087】ここで、3つの仮想粒子38は、残像効果
により流体の移動に伴って移動する。この時、流体の流
れが異なる領域がある場合には、3つの仮想粒子38の
間隔や3つの仮想粒子38によって形成される三角形の
形状が変化する。ここで、図14に示すように3つの仮
想粒子38によって形成される三角形の中心位置や重心
位置(なお、にじみの形状変化等によっては重み平均を
用いてもよい)をディスプレイ22上でトレース(上述
の実施形態で説明した流跡線のように重心位置等の移動
軌跡を算出)することによって、仮想粒子38の移動距
離及び時間フレーム間隔から各位置、各時刻における流
速情報(流速や流れ方向等)を算出することができる。
また、それぞれの仮想粒子38の流跡線を上述の実施形
態で説明したように算出するようにしてもよい。
【0088】さらに、本実施形態では、3つの仮想粒子
38によって形成される三角形の形状を時間毎に監視す
ることによって、流速の異なる領域や流体の流れが異な
る領域等を可視化することができると共に、該領域の流
速を算出することが可能である。
【0089】また、本実施形態では、3つの仮想粒子に
よって構成される平面の2次元的な流速情報の計測だけ
ではなく、例えば、3次元的な流体の流れがある場合に
は、3つの仮想粒子38によって形成される三角形の形
状やそれぞれの仮想粒子38の間隔等が変化するので、
3次元的な流速情報を含んだ流速情報についても計測す
ることが可能である。
【0090】なお、本実施形態では、図14に示すよう
に、3つの仮想粒子38(交点34)を生成し、これら
の仮想粒子38をCCDカメラ24で撮像することによ
って、3つの仮想粒子の配置された平面における流速を
計測するようにしたが、図15に示すように、CCDカ
メラ24の撮像方向と直交する方向を撮像するCCDカ
メラ25を更に設けることにより、3次元的に流体の流
速情報(流速や流れ方向等)を計測することが可能とな
る。また、第1〜第5実施形態についても同様に、CC
Dカメラ24の撮像方向と直交する方向を撮像するCC
Dカメラ25を設けることによって、3次元的に流体の
流速情報を計測することができることは言うまでもな
い。また、CCDカメラ24の撮像方向と直交する方向
を撮像するCCDカメラ25は、CCDカメラ24とは
異なる方向から撮像するCCDカメラ25としても同様
に、3次元的に流体の流速情報を計測することができ
る。 [第7実施形態]続いて、第7実施形態に係る流速計測
装置について説明する。仮想粒子38を3つ生成する例
を第6実施形態で説明したが、第7実施形態では、生成
された3つの仮想粒子38からなる平面と異なる平面
に、更に3つの仮想粒子38を生成するものである。
【0091】第7実施形態に係る流速計測装置は、図1
6に示すように、レーザ光の交点34が所定の三角形に
なるようにレーザ光源26が複数配置されている。ま
た、前記所定の三角形からなる平面とは、別の平面に同
様に、レーザ光の交点34が所定の三角形になるように
レーザ光源26が複数配置されている。すなわち、図1
6に示すように、レーザ光の交点34によって形成され
る三角形が異なる平面に2つ形成される。
【0092】また、2つの平面のうち、一方の平面を撮
像するCCDカメラ24と該CCDカメラ24の撮像方
向と直交する方向の平面を撮像するCCDカメラ25が
設けられていると共に、同様に、他方の平面を撮像する
CCDカメラ24と該CCDカメラ24の撮像方向と直
交する方向の平面を撮像するCCDカメラ25が設けら
れている。すなわち、第7実施形態の流速計測装置は4
つのCCDカメラが設けられており、2つの平面はそれ
ぞれ2つのCCDカメラ24、25によって別方向から
撮像される構成とされている。
【0093】また、それぞれのCCDカメラ24、25
の撮像によって得られる画像データに上述の実施形態で
説明した所定の画像処理を行うことによって、ディスプ
レイ22にレーザ光の交点34から生成された仮想粒子
38が表示される。
【0094】なお、流速計測装置のその他の基本的な構
成については、図1で説明した第1実施形態の流速計測
装置の構成と同一であるため説明を省略する。
【0095】続いて、第7実施形態に係る流速計測装置
の作用について説明する。
【0096】計測対象の流体における所望の領域に複数
のレーザ光源26より出力されるレーザ光の交点34が
照射されるように、言い換えれば、3つの交点34から
なる2つの平面が生成されるように、流速計測装置を配
置する。そして、図示しないキーボード等の操作手段を
操作することによって、流体の流速計測が開始される。
【0097】流速計測装置では、第1実施形態で説明し
たフローチャート(図6参照)のステップ100〜ステ
ップ110と同様にして、レーザ光源26の駆動、CC
Dカメラ24、25の駆動と撮像、及び、CCDカメラ
24、25の撮像によって得られる画像データに対する
所定の画像処理が行われる。ここで、本実施形態では、
CCDカメラ24、25を4つ備えているので、それぞ
れのCCDカメラの撮像によって得られる画像データに
対してそれぞれ所定の画像処理が行われる。そして、デ
ィスプレイ22に流体が燐光発光することによって生成
される仮想粒子38(本実施形態では、3つの仮想粒子
が2組)として可視化される。ディスプレイ22への仮
想粒子38の表示は、CCDカメラを4つ備えているの
で、それぞれのCCDカメラで撮像した画像を別々に表
示するようにしてもよいし、1組の仮想粒子38(3
つ)を撮像する2つのCCDカメラ24、25で撮像し
た仮想粒子38をそれぞれ(3つ)の仮想粒子38を対
応させて、3次元的にディスプレイ22に表示するよう
にしてもよい。
【0098】ここで、3つの仮想粒子38は、残像効果
により流体の移動に伴って移動する。この時、流体の流
れが異なる領域がある場合等では、3つの仮想粒子38
の間隔や3つの仮想粒子38によって形成された三角形
の形状が変化する。ここで、2組の3つの仮想粒子38
によって形成された三角形の重心位置をディスプレイ2
2上でトレース(上述の実施形態で説明した流跡線のよ
うに重心位置の移動軌跡を算出)することによって、仮
想粒子38の移動距離及び時間フレーム間隔から各位
置、各時刻における流速情報(流速や流れ方向等)を算
出することができる。また、それぞれの仮想粒子38の
流跡線を上述の実施形態で説明したように算出するよう
にしてもよい。
【0099】ところで、本実施形態では、2組の3つの
仮想粒子38を撮像する際、異なる方向を撮像するCC
Dカメラ24、25によってそれぞれの仮想粒子が撮像
されるので、3つの仮想粒子で形成される平面だけでは
なく、3次元的な流体の流速情報を計測することができ
る。また、2組の3つの仮想粒子38を別々の平面(異
なる位置)に生成し、該仮想粒子の移動を計測すること
によって、流体の流速情報を計測するので、第1〜第6
実施形態の流速計測装置よりも更に詳細な流速情報の計
測を行うことができる。
【0100】なお、上記実施形態では、2組の3つの仮
想粒子38を生成するようにしたが、2組に限るもので
はなく、3組の3つの仮想粒子38をそれぞれ異なる平
面上に生成するようにしてもよい。
【0101】続いて、第7実施形態の変形例について説
明する。
【0102】第7実施形態の変形例は、燐光発光するト
レーサを2種類(波長λ2、λ3のレーザ光でそれぞれ
波長λ4、λ5の燐光発光するトレーサ)を混入し、図
17に示すように、2つのCCDカメラ24を並べて配
置する。そして、それぞれのCCDカメラ24は、それ
ぞれ波長λ4、λ5の光のみを透過する光学フィルタ4
6、48及びプリズム50を介して2組の3つの仮想粒
子38を撮像する。また、第7実施形態と同様に、CC
Dカメラ24の撮像方向と直交する方向を撮像するよう
に2つのCCDカメラ25を並べて配置し、上述のよう
に、それぞれ波長λ4、λ5の光のみを透過する光学フ
ィルタ46、48及びプリズム50を介して2組の3つ
の仮想粒子38をCCDカメラ25で撮像する。このよ
うに構成することによって、それぞれ2つのCCDカメ
ラ24、25の撮像方向から重なる位置(同一空間内)
に2組の3つの仮想粒子38を生成することができ、装
置の小型化が可能となる。なお、2組の3つの仮想粒子
38は、異なる空間に生成するようにしてもよいし、複
数組の3つの仮想粒子38を異なる空間に生成するよう
にしてもよい。異なる空間に設けることにより、1度に
複数の空間における流体の流速計測が可能となる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、計
測対象の流れを変化させることなく、計測対象を可視化
することができる、という効果がある。
【0104】また、該計測対象可視化装置によって可視
化された計測対象の流速を正確に計測することができる
流速計測装置を提供することができる、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る流速計測装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る流速計測装置の概略を示す
図である。
【図3】レーザ光によって可視化される画像を示す図で
ある。
【図4】レーザ光の交点を含む領域の輝度分布を示す図
である。
【図5】ディスプレイに表示された仮想粒子を示す図で
ある。
【図6】本発明の実施の形態に係る流速計測装置で行わ
れる処理を示すフローチャートである。
【図7】流体の流れに伴って移動する仮想粒子を示す図
である。
【図8】仮想粒子の移動軌跡の例を示す図である。
【図9】複数の仮想粒子における移動軌跡の例を示す図
である。
【図10】第2実施形態に係る流速計測装置の概略を示
す図である。
【図11】第3及び第4実施形態に係る流速計測装置の
概略を示す図である。
【図12】第5実施形態に係る流速計測装置の概略を示
す図である。
【図13】第6実施形態に係る流速計測装置の概略を示
す図である。
【図14】3つの仮想粒子の移動軌跡の例を示す図であ
る。
【図15】第6実施形態に係る流速計測装置の変形例の
概略を示す図である。
【図16】第7実施形態に係る流速計測装置の概略を示
す図である。
【図17】第7実施形態に係る流速計測装置の変形例の
概略を示す図である。
【図18】従来の流速計測装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
20 コンピュータ 22 ディスプレイ 24、25 CCDカメラ 26 レーザ光源 34 交点 38 仮想粒子 40、42、44、46、48 光学フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 武敏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F034 AA02 AA03 AB01 AB02 AB03 AC01 AC14 DA01 DA07 DA15 DB01 DB07 DB14 2F065 AA00 AA09 AA19 AA31 BB30 CC00 FF04 FF31 GG04 GG09 GG13 HH04 HH13 HH14 JJ05 JJ26 LL22 QQ13 QQ24 QQ28 SS01 SS02 SS13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光が照射されることにより励起発
    光するトレーサを含む計測対象の雰囲気中で、高輝度領
    域が形成されるようにレーザ光を交差させて照射する少
    なくとも1つのレーザ光源と、 前記高輝度領域を少なくとも含む領域を撮像する撮像手
    段と、 前記撮像手段による撮像画像について、所定輝度以上の
    領域を抽出し、抽出した領域を仮想粒子として出力する
    出力手段と、 を備えた計測対象可視化装置。
  2. 【請求項2】 前記トレーサは、前記レーザ光の交差照
    射により燐光を発生する高輝度領域を形成させることを
    特徴とする請求項1に記載の計測対象可視化装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光は、前記高輝度領域が格子
    状の格子点に配置されるように設けられることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の計測対象可視化装
    置。
  4. 【請求項4】 光化学反応、光分解、光改質、及び、光
    異性化の少なくとも1つの光反応を生じる媒質を含む計
    測対象の雰囲気中で、前記光反応を生じさせる波長のレ
    ーザ光を照射する第1のレーザ光源と、 前記第1のレーザ光源より照射されたレーザ光によって
    生じた光反応で異性化された媒質上に異なる状態の発光
    領域が形成されるように、前記第1のレーザ光源より照
    射されるレーザ光に交差させて照射する第2のレーザ光
    源と、 前記異なる状態の発光領域の光を透過し、透過した光の
    領域を仮想粒子として抽出する抽出手段と、 前記異なる状態の発光領域を含む領域を撮像する撮像手
    段と、 を備えた計測対象可視化装置。
  5. 【請求項5】 前記撮像手段の撮像方向と異なる方向の
    撮像方向で撮像する補助撮像手段を更に有することを特
    徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の計
    測対象可視化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記
    載の計測対象可視化装置と、 前記仮想粒子の状態変化を計測する計測手段と、 を備えた流速計測装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051910A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Kajima Corp レーザー光を用いる三次元座標計測または墨出し方法および位置決め方法
JP2010503832A (ja) * 2006-09-15 2010-02-04 エムティーユー エアロ エンジンズ ゲーエムベーハー 三次元の流れ測定装置及び測定方法
CN109030296A (zh) * 2018-08-08 2018-12-18 清华大学 一种磷光颗粒示踪多点测量系统及方法
CN109031243A (zh) * 2018-08-15 2018-12-18 北京大汉正源科技有限公司 一种激光雷达发射装置及发射方法

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