JP2014224686A - 微粒子検出装置および微粒子検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる微粒子検出装置を実現する。【解決手段】特定波長のレーザ光を被検出空間に照射する光照射手段と、被検出空間を撮像し、輝度分布情報を出力する撮像手段と、輝度分布情報から輝点を抽出する画像処理手段と、を備える微粒子検出装置において、撮像手段は、特定波長を輝度分布情報と他の波長の輝度分布情報を出力するものであり、画像処理手段は、輝点に対応する位置の、特定波長の輝度分布情報における輝度値が、少なくとも一つの他の波長の輝度分布情報における輝度値よりも大きい場合に、輝点を微粒子に由来するものと判定することを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、ダスト等の微粒子に光を照射し、微粒子からの散乱光などを検知することによって微粒子の計測を行う技術に関する。
一般に、ダスト等の微粒子の検出は、光を被測定空間に照射し、微粒子からの散乱光・反射光・回折光をカメラなどの受光素子で受光して、輝点を検出することによって行われる。
図5に示した、特許文献1に記載の生物粒子評価装置130は、光源のレーザヘッド132から射出されたレーザ光Lを、反射ミラー133を介してガルバノミラー134に送り込み、レーザライトシートLSを生成して評価対象空間に送り出す。レーザライトシートLS上の被測定粒子Gからの蛍光は、撮像システム136に入射する。
撮像システム136に入射した蛍光は、短波長光と長波長光に分離され、それぞれの波長に対応する2枚の画像が取得される。そして、これら2枚の画像に対し、画像内のピクセル毎に輝度値を判断して、輝度値が所定の閾値以下である場合には背景と推定する。なお、この閾値の値は、バックグラウンドノイズを検知しないレベルとされている。
ここで、蛍光を発する粒子としては、生物粒子に由来するものと洗剤などの蛍光増白剤に由来するものがあるが、両者は蛍光スペクトルが異なるため、短波長光と長波長光の画像それぞれの粒子の輝度値の比が閾値以上かどうかによって、被測定粒子からの蛍光が、生物粒子由来のものか蛍光増白剤由来のものかを判別することができる。
特許文献1の生物粒子評価装置130は、生物粒子の代謝や洗剤などに由来する、蛍光を発する被測定粒子の検出を行っている。しかしながら、ダスト等の微粒子においては、微粒子が小さい場合や蛍光物質を含まない場合に、散乱光の輝度が低くなる。したがって、このような微粒子を検出するためには、散乱光検出のための閾値を低くすることが必要であるが、閾値を低くした場合、外来光が混入する状況においては、散乱光が外来光に埋もれてしまい、微粒子を正確に検出することができない。
そこで本発明は、外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる微粒子検出装置を実現することを目的とする。
本発明の微粒子検出装置は、特定波長のレーザ光を被検出空間に照射する光照射手段と、被検出空間を撮像し、輝度分布情報を出力する撮像手段と、輝度分布情報から輝点を抽出する画像処理手段と、を備える微粒子検出装置において、撮像手段は、特定波長の輝度分布情報と他の波長の輝度分布情報を出力するものであり、画像処理手段は、輝点に対応する位置の、特定波長の輝度分布情報における輝度値が、少なくとも一つの他の波長の輝度分布情報における輝度値よりも大きい場合に、輝点を微粒子に由来するものと判定することを特徴とする。
本発明によれば、外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微粒子検出装置1の使用形態を示した図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微粒子検出装置1の使用形態を示した図である。
微粒子検出装置1は、部屋などの比較的大きな被測定空間に設置されるものであり、単色光を照射するレーザ光照射部2と、レーザ光をシート上に広げてラインビームとするレンチキュラーレンズ3と、微粒子Pからの散乱光を受光するCCDカメラ4と、CCDカメラ4で得られた画像を画像処理し、微粒子の数を測定する画像処理部5からなる。
レーザ光照射部2は、特定波長のレーザ光を発生させる。ここでは、利用者が光軸合わせ等を行うときに視認しやすい色である緑色のレーザ光を用いるものとする。
レンチキュラーレンズ3は、レーザ光照射部2のレーザ照射口付近に設けられる。レンチキュラーレンズ3によって、緑色のレーザ光は平面に広がった光となり、被測定空間に照射される。
撮像手段としてのCCDカメラ4は、ラインビームの平面に対して直行する方向や斜め方向に配置され、これによってレーザからの直接光や被測定粒子以外からの反射光などが入射しにくいようになっている。CCDカメラ4は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3チャンネルの輝度値を検出するものである。微粒子からの散乱光はレーザ光線と同一波長、すなわち緑色の光となるため、被測定領域に微粒子が存在すると、微粒子によって散乱された散乱光は、CCDカメラ4のGチャンネルで検出されることとなる。この散乱光も含めた撮像結果は、カラー画像などの形で、輝度分布情報として出力される。なお、以降の説明においては、輝度分布情報はカラー画像や各チャンネルの画像によって示されるものとして説明を行う。
画像処理部5は、CCDカメラ4と接続されており、CCDカメラ4が出力したカラー画像などの輝度分布情報を解析するものである。まず、画像処理部5は、CCDカメラ4から得たカラー画像を、Rチャンネル画像、Gチャンネル画像、Bチャンネル画像の3つの画像に分解する。そして、Gチャンネル画像に対して、所定の閾値により白黒の二値化を行い、輝度値が閾値より大きくなる領域を抽出する。これにより、微粒子による散乱光や外来光による輝点が、画像上で白色領域として抽出される。なお、抽出された白色領域は、二値化画像において連続する領域に一つの識別番号を割り当てるラベリング処理等を行うことで、輝点として数えられるように認識される。この際、所定の大きさよりも大きな白色領域は、輝点ではないものとして除外される。
Gチャンネル画像で抽出された輝点には、微粒子Pからの散乱光による輝点と、外来光の白色光に由来する輝点が含まれる。そこで、Gチャンネル画像内の各輝点について、Rチャンネル、Bチャンネルの画像内の対応する位置の輝度値と比較する。具体的には、Gチャンネル画像内の輝点の座標を(x,y)とし、座標(x,y)におけるRチャンネル画像、Gチャンネル画像、Bチャンネル画像の輝度をそれぞれR(x,y)、G(x,y)、B(x,y)とした場合に、G(x,y)とR(x,y)、G(x,y)とB(x,y)の値を比較する。なお、この比較の際に用いるGチャンネルの画像は、二値化される前の画像である。
微粒子が緑色レーザ光を散乱することによって生じる輝点は、Gチャンネルの輝度値が、RチャンネルやBチャンネルの輝度値と比べて大きくなるため、
G(x,y)>R(x,y)かつG(x,y)>B(x,y) :式(1)
である場合は、その輝点は微粒子が緑色レーザ光を散乱したものとして判定する。
G(x,y)>R(x,y)かつG(x,y)>B(x,y) :式(1)
である場合は、その輝点は微粒子が緑色レーザ光を散乱したものとして判定する。
一方で、外来光に起因する輝点は、一般にR、G、Bの各輝度値が同じ値を示すため、上述の式(1)を満たさない。したがって、式(1)を満たさない場合は、外来光による輝点と判定する。
このようにすることで、外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる。
図2は、上述の微粒子検出の流れを示したフロー図である。
まず、ステップS101において、CCDカメラ4によって被検出空間の撮影を行い、ステップS102において、カラー画像の取得を行う。続けて、ステップS103において、画像処理部5がカラー画像をR、G、Bの各チャンネルに分解する。なお、CCDカメラから直接R、G、Bの各輝度分布情報を得ることができる場合には、ステップS102、S103は省略してもよい。
次に、ステップS104において、Gチャンネル画像の二値化を行って、輝点を白色領域として抽出する。二値化においては、0〜255で表された輝度値において、たとえば240を閾値として、0か255かの二値化を行う。これによって、Gチャンネル画像における輝点が検出される。なお、被検出空間に緑色や白色などの、Gチャンネルにおける輝度値が大きい物体が存在する場合は、二値化の際の閾値を大きくするようにしてもよい。
次に、ステップS105において、Gチャンネル画像における輝点のそれぞれについて、二値化前の各チャンネル画像を用いて、Rチャンネル画像とBチャンネル画像の同じ位置の輝度と比較する。そして、ステップS106において、Gチャンネル画像における輝点の輝度が、Rチャンネル画像とBチャンネル画像の、対応する位置の輝度よりも大きいと判定された場合は、ステップS107に移り、輝点を微粒子によるものと判定する。一方で、Gチャンネル画像における輝点の輝度が、Rチャンネル画像とBチャンネル画像の少なくとも一方の値以下であると判定された場合は、ステップS108に移り、輝点を外来光などによるノイズと判定する。
ステップS107またはS108に続けて、ステップS109において、Gチャンネル画像内の全ての輝点の判定が完了したか否かを判定する。Gチャンネル画像内の全ての輝点の判定が完了した場合は、ステップS110において、微粒子と判定された輝点を数える。ステップS109において、全ての輝点の判定が完了していない場合は、ステップS105に戻り、未判定の輝点について輝度値の比較を行う。
このようにすることで、外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる。
なお、ステップS105およびS106において、Gチャンネルにおいて抽出された輝点についてRチャンネル画像とBチャンネル画像の2つと比較するようにしたが、いずれか片方の画像と輝度値の比較を行うことで、輝点が微粒子によるものかどうかを判定するようにしてもよい。ただし、この場合においては、微粒子の誤検出が増えることが考えられるため、検出の精度を高くするために、輝度値の差が所定の閾値Thより大きいかどうかによって判定するようにしてもよい。すなわち、G(x,y)−R(x,y)>Thである場合は微粒子であると判定し、G(x,y)−R(x,y)≦Thである場合はノイズと判定する。
また、Gチャンネル画像の輝度値をRチャンネル画像とBチャンネル画像の両者と比較する場合においても、上述のような閾値を設けるようにしてもよい。これにより、被測定空間の環境によっては、検出の精度をより向上させることができる。
また、画像内の物体認識など、その他の画像処理と合わせて輝点の抽出を行うような場合などにおいては、二値化前のGチャンネル画像をRチャンネル画像やBチャンネル画像と比較し、Gチャンネル画像の輝度が相対的に高い点の分布を示す輝度分布情報を取得した後、二値化を行って微粒子由来の輝点を検出するようにしてもよい。
本実施形態においては、微粒子の検出に用いる特定波長の光を緑色(G)のレーザ光とし、CCDカメラ4での検出および画像処理部5での処理において、R、G、Bの3色を用いるものとしたが、これに限るものではない。例えば、特定波長の光を赤色(R)や青色(B)としてもよいし、R、G、B以外の波長の光を用いるようにしてもよい。R、G、B以外の波長の光を用いる場合は、CCDカメラ4や画像処理部5は、フィルタ等を用いて、その波長の光と、他の波長の光を区別できるような仕組みを用いればよい。
また、撮像手段は、CCDカメラに限るものではなく、各種の撮像装置を適宜用いることができる。
本実施形態で説明した微粒子に由来する輝点の検出は、自然光などの外来光が混入する状況下だけではなく、蛍光灯下や電球下においても同様に適用することができる。また、外来光の種類に応じて、照射する特定波長や、二値化や輝度値の比較に用いる閾値を変更するようにしてもよい。これは、後述の第2、3の実施形態においても同様である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態においては、カメラによって取得した輝度分布情報の時間差分処理を行うことによって、微粒子の検出を行う。
本発明の第2の実施形態においては、カメラによって取得した輝度分布情報の時間差分処理を行うことによって、微粒子の検出を行う。
図3は、本実施形態の処理の流れを示したフロー図である。
ステップS201〜S203については、第1の実施形態で説明したステップS101〜103と同様である。第2の実施形態においては、ステップS204において、Gチャンネルについて時間差分画像を生成する。時間差分画像は、CCDカメラ4が所定のフレームレートで撮影する画像において、前のフレームとの差分をとった輝度分布情報である。したがって、Gチャンネル画像内のある場所の輝度値がフレーム前後で例えば120から255に変化したとき、時間差分画像におけるその場所の輝度値は135となる。
ダスト等の微粒子は、被測定空間を浮遊するという特徴を有するため、微粒子の散乱光による輝点は、時間の経過によって移動する。したがって、時間差分画像をとり、輝度が急激に増加した場所を検出することで、ダスト等の微粒子を検出することができる。
そこで、ステップS204で得たGチャンネルの時間差分画像について、ステップS205において、例えば35の閾値によって二値化を行う。これによって、Gチャンネル画像において急激に明るくなった場所を輝点として抽出することができる。しかし、単に時間差分画像を二値化するだけでは、外来光の影響によるノイズも抽出される可能性がある。
そこで、ダスト等の微粒子の検出精度をより高くするため、このようにして抽出したGチャンネル画像における輝点について、第1の実施形態のステップS105以降の説明と同様に、ステップS206以降において、Rチャンネル画像およびBチャンネル画像の輝度値との比較を行う。なお、比較に用いるGチャンネル画像は、時間差分画像化や二値化を行う前の、現在時刻の輝度分布情報を示すものである。この比較において、Gチャンネルで検出された輝点の輝度値が、現在時刻のRチャンネル画像およびBチャンネル画像の対応する位置の輝度値よりも大きかった場合は微粒子と判定し、そうでなかった場合はノイズと判定する。
このようにすることで、外来光が混入する状況においてもダスト等の微粒子を正確に検知することができる。
なお、ステップS204での時間差分画像の生成においては、一つ前のフレームとの差分をとるものに限らず、二つ以上前のフレームとの差分をとるようにしてもよいし、複数のフレームとの差分を用いるようにしてもよい。
また、被測定空間に照射するレーザ光が緑色に限られないことや、輝度値の比較における変形例が存在することは、第1の実施形態で示した通りである。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態においては、使用者が被検出空間内の微粒子の分布を確認できるようにする処理について説明を行う。
本発明の第3の実施形態においては、使用者が被検出空間内の微粒子の分布を確認できるようにする処理について説明を行う。
図4は、本実施形態の微粒子検出装置1の処理の流れを示したフロー図である。
第1の実施形態のステップS110または第2の実施形態のステップS211に続けて、本実施形態のステップS301では、出力する画像の領域を、例えば横20×縦15のブロックに分割する。そして、ステップS302において、ステップS110またはステップS211で計数された各ブロック内の微粒子の数に基づいて、微粒子の数が多いところがより明るくなるように各ブロックを塗りつぶす。そして、ステップS303において、画像全体に平滑化処理をかけ、空間分布画像を得る。
このように可視化を行うことで、利用者が微粒子による輝点の分布をより直感的に認識することができる。また、可視化を行うことによって、照射する光の波長や二値化の際の閾値などを利用者が手動で変更した際に、その変化を観察することが容易となる。
P 微粒子
1 微粒子検出装置
2 レーザ光照射部
3 レンチキュラーレンズ
4 CCDカメラ
5 画像処理部
1 微粒子検出装置
2 レーザ光照射部
3 レンチキュラーレンズ
4 CCDカメラ
5 画像処理部
Claims (3)
- 特定波長のレーザ光を被検出空間に照射する光照射手段と、
前記被検出空間を撮像し、輝度分布情報を出力する撮像手段と、
前記輝度分布情報から輝点を抽出する画像処理手段と、
を備える微粒子検出装置において、
前記撮像手段は、前記特定波長の輝度分布情報と他の波長の輝度分布情報を出力するものであり、
前記画像処理手段は、前記輝点に対応する位置の、前記特定波長の輝度分布情報における輝度値が、少なくとも一つの他の波長の輝度分布情報における輝度値よりも大きい場合に、前記輝点を微粒子に由来するものと判定することを特徴とする微粒子検出装置。 - 前記画像処理手段は、前記特定波長について、現在と過去の輝度分布情報の時間差分処理を行うことによって輝点を抽出することを特徴とする、請求項1に記載の微粒子検出装置。
- 特定波長のレーザ光を被検出空間に照射する光照射ステップと、
前記被検出空間を撮像し、輝度分布情報を出力する撮像ステップと、
前記輝度分布情報から輝点を抽出する画像処理ステップと、
を含む微粒子検出方法において、
前記撮像ステップは、前記特定波長の輝度分布情報と他の波長の輝度分布情報を出力するものであり、
前記画像処理ステップは、前記輝点に対応する位置の、前記特定波長の輝度分布情報における輝度値が、少なくとも一つの他の波長の輝度分布情報における輝度値よりも大きい場合に、前記輝点を微粒子に由来するものと判定することを特徴とする微粒子検出方法。
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2013
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