JP2001281192A - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサInfo
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Abstract
択性及び感度が十分に高く、アンモニアガス及びアミン
系ガスの検知に有用なガスセンサを提供する。 【解決手段】 キャビティ1b1が形成されたシリコン
基板1b等の半導体基板上に、導電性有機膜3と、この
導電性有機膜と接する検知電極2とが形成されたガスセ
ンサを得る。導電性有機膜は、(1)導電性重合体と、
(2)この導電性重合体にドーピングされる、アクリ
ロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方を有す
るスルホン基含有化合物、このスルホン基含有化合物
からなる構成単位を有する重合体の少なくとも一方と、
を有する。導電性有機膜の厚さは10nm以上、5μm
以下であることが好ましい。また、導電性有機膜を加熱
するためのヒータ5が窒化珪素等からなる絶縁層43に
埋設されて付設されており、検知電極2が導電性有機膜
3に埋設されていることが好ましい。
Description
る。更に詳しくは、環境における特定のガス濃度の測
定、それに基づく安全対策等の他、プロセス制御、食品
の鮮度管理、生化学的分析、更には介護等、多くの分野
で用いることができ、特に、アンモニアガス又はアミン
系ガスの検知用として有用なガスセンサに関する。
するためのガスセンサは、上記の各種の分野の他、更に
多くの用途における利用が期待されている。このように
各種の用途において用いられるガスセンサとして、金属
酸化物半導体方式のセンサが実用に供されている。ま
た、ポリアニリンを感応膜としたアンモニアセンサが、
特開平2−304340号公報、特開平3−37559
号公報及び特開平3−89156号公報等に開示されて
いる。
ルアミンは、魚類の腐敗臭として知られ、この臭いを検
知することにより食品の鮮度を管理することができる。
そのため、冷蔵庫内等においても使用することができる
加熱を必要としない高感度なアミン系ガス検知用センサ
の開発が望まれている。更に、介護の分野においては、
おむつ交換の必要性を介護者に知らせるセンサとして、
尿によるおむつの濡れを検知するセンサが一部で実用化
されている。
導体方式のセンサでは、(1)ガス選択性が低い、
(2)使用時にセンサを加熱する必要があるため使用環
境が制限される、及び(3)センサ特性の経時変化が大
きい等の問題がある。また、ポリアニリンを感応膜とし
たアンモニアセンサは、感度及び応答速度が未だ不十分
である。例えば、特開平2−304340号公報に記載
されたアンモニアセンサの、特定の濃度におけるセンサ
抵抗値/ベース抵抗値で表される感度は、50ppmの
高濃度においても1.2以下であり、実用性の面から改
善の必要がある。
ンサは、非常に高価であり、大型で取り扱い難い、及び
使用ごとに洗浄する必要がある等の問題もあり、これら
が、需要が多いにもかかわらず、その普及を阻む要因と
なっている。そのため、安価で、取り扱い易く、使用ご
とに洗浄する必要もないセンサが強く望まれており、濡
れではなく、臭いにより、おむつ交換の必要性を検知す
ることができるガスセンサによって、そのようなセンサ
を開発することが望まれている。
するものであり、使用時に必ずしも加熱を必要とせず、
ガス選択性に優れ、特に、アンモニアガス等に対する十
分な感度と応答速度とを有するガスセンサを提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、特に、介護の分野に
おいて、おむつ交換の必要性を検知するための、安価
で、取り扱い易く、小型、軽量なガスセンサを提供する
ことを目的とする。
重合体に、特定の官能基を有するスルホン基含有化合物
からなる重合体等のドーパントがドーピングされてなる
導電性有機膜をガス感応部とし、このガス感応部と接
し、ガス検知部となる検知電極を備えるガスセンサを、
アンモニアガス及びアミン系ガス等の検知に用いた場
合、常温において作動させることができ、ガス選択性に
優れ、感度及び応答速度も十分に高いことが見出され
た。本発明は、このような知見に基づいてなされたもの
である。
と、該導電性有機膜と接する検知電極とを備えるガスセ
ンサであって、該導電性有機膜は、(1)導電性重合体
と、(2)該導電性重合体にドーピングされた前記及
びの少なくとも一方と、を有することを特徴とする。
ン、チオフェン、ピロール、アセチレン、チアジル、パ
ラフェニリンビニレン及びシラン等、並びにこれらの誘
導体から選ばれる少なくとも1種からなる重合体を使用
することができ、2種以上の重合体を併用することもで
きる。これらのうちでは、導電性有機膜の化学的及び経
時的な安定性、並びにセンサ作動時の抵抗値及びその変
化率などの観点から、第2発明のように、アニリン及び
その誘導体の少なくとも一方からなる重合体が好まし
い。
アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方
を有するスルホン基含有化合物」、及び上記「該スル
ホン基含有化合物からなる構成単位を有する重合体」
(以下、これら及びをドーパントということもあ
る。)としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、メタリルスルホン酸又は3−スルホプ
ロピルメタクリレート等の化合物、及びこれらの化合物
からなる構成単位を有する重合体が挙げられる。これら
は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用すること
もできる。これらのうちでは、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸及びこの化合物からなる構
成単位を有する重合体のうちの少なくとも一方を使用す
ることが好ましい。
スルホン酸は、種々の単量体と共重合させてドーパント
として使用することができる。共重合させる単量体とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類
等を使用することができる。これらは1種のみを用いて
もよいし、2種以上を併用することもできる。また、ス
チレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル等を用いる
こともできる。具体例としては、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸と、iso−ブチルメタ
クリレート及びn−ブチルメタクリレートの少なくとも
一方との共重合体等が挙げられる。尚、この共重合は、
水系及び有機溶剤系のいずれにおいても行うことができ
る。
が、上記「導電性有機膜」の安定性及び感度の観点か
ら、導電性重合体の基本骨格に対して10〜90モル
%、特に20〜60モル%であることが好ましい。ま
た、導電性有機膜がアニリン及びその誘導体の少なくと
も一方の重合体からなる場合は、そのドープ量は、基本
骨格を構成するアニリン等の窒素原子に対して10〜9
0モル%、特に20〜60モル%であることが好まし
い。
ング法、バーコーティング法及びスピンコーティング法
などの各種の方法により行うことができる。成膜し、乾
燥した後の塗膜の膜厚は、第3発明のように、10nm
以上、5μm以下とすることが好ましく、特に0.25
μm以上、2μm以下とすることがより好ましい。この
範囲の膜厚であれば、感度に優れ、応答速度の大きい導
電性有機膜とすることができる。
検知は、センサを被検ガスを含むガスに曝した状態で、
導電性有機膜の表面に形成された、或いは導電性有機膜
に埋設された検知電極に通電し、電極間の抵抗率(導電
率)の変化量を測定することにより行うことができる。
また、この変化量に基づいて被検ガスの濃度を算出する
ことができる。
ず、この種のセンサにおける一般的な材質及び形状等と
することができる。材質としては、白金、金、ニッケル
等が挙げられ、形状は、平行電極及び櫛形電極等とする
ことができる。この検知電極は、導電性有機膜の表面に
形成されていてもよいが、通常、導電性有機膜に埋設さ
れて形成される。このようにすれば、被検ガスと導電性
有機膜及び検知電極との接触面積を大きくすることがで
き、より感度を高めることができる。
室温で被検ガス、即ち、アンモニアガス及びアミン系ガ
ス等の検知に使用することができる。しかし、一旦、導
電性有機膜に吸着した被検ガスが自然に離脱するには数
分から十数分程度の時間を要する。そのため、第4発明
のように、導電性有機膜を加熱するためのヒータを付設
することが好ましい。このヒータによって導電性有機膜
を加熱し、吸着された被検ガスを強制的に離脱させるこ
とにより、センサを早期に初期状態にする(リセットす
る)ことができる。導電性有機膜の加熱温度は、その耐
熱性にもよるが、通常、100〜180℃とすることが
でき、特に100〜150℃とすれば被検ガスの離脱が
十分に促進される。
容易に昇温させることができるものであればよく特に限
定はされないが、白金、金、ルテニウム等の金属からな
るヒータ或いはシリコンヒータなどを使用することがで
きる。このヒータは導電性有機膜及び検出電極とは絶縁
層により絶縁されて付設される。この絶縁層の材質等は
特に限定されず、シリカ、窒化珪素及びアルミナ等の少
なくとも1種により形成することができる。
に、又は基板の表面に形成された絶縁層の表面に形成さ
れる。この基板としては、アルミナ等のセラミック、ガ
ラス又はシリコン等の半導体などからなるものを使用す
ることができ、特に限定されない。これらのうちでは、
一般的な半導体技術を応用して容易に小型化することが
できるシリコン等からなる半導体基板が特に好ましい。
とし、第5発明のように、少なくとも一方の表面側に開
口するキャビティを有する半導体基板の他方の表面に絶
縁層が形成され、ヒータが絶縁層に埋設されて形成さ
れ、検知電極が絶縁層の表面に形成され、且つ導電性有
機膜に埋設されているガスセンサとすることが特に好ま
しい。キャビティはシリコンエッチング等の技術を応用
して形成することができ、このようにキャビティを設け
た場合は、室温と所定温度との間の昇温、降温を1秒未
満に行うことができ、ヒータの消費電力も小さいため特
に好ましい。
類により、各種の被検ガスを選択的に検知することがで
きるが、塩基性のガスを効率よく検知することができ、
第6発明のように、アンモニアガス及びアミン系ガスの
少なくとも一方の検知に特に有用である。このアミン系
ガスとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等
のトリアルキルアミン、ベンジルアミン等の芳香族アミ
ン及びピリジン等のガスを挙げることができ、トリメチ
ルアミンガスの検知により好適に使用することができ
る。
有機膜と、アンモニアガス及びアミン系ガスとの相互作
用については完全に明らかになってはいない。しかし、
特定のドーパントをドープした導電性有機膜、特に、ポ
リアニリン等の重合体からなる有機膜に、アンモニアガ
ス及びアミン系ガスが選択的に吸着され、この有機膜の
抵抗率(導電率)が変化するためガスセンサとして機能
するものと推察される。また、ドープされた特定のドー
パントにより、アンモニアガス及びアミン系ガスと有機
膜との相互作用、吸脱着速度等が制御され、それによっ
て、ガス選択性、感度及び応答速度が向上したものと考
えられる。
て実施例により更に詳しく説明する。 実施例1(アルミナ基板を用いたガスセンサの作製) (1)検知電極の形成 複数のガスセンサを作製することができる大きさを有
し、一表面に5mm間隔で溝が形成されているアルミナ
基板(寸法;50×50×0.5mm)を洗浄し、乾燥
した後、溝が形成されている側の表面に、フォトリソグ
ラフィ法により検知電極パターン及び検知電極部コンタ
クト用パターンを形成した後、リフトオフ法によりPt
/Tiからなる櫛形の検知電極及び検知電極部コンタク
ト(構成及び膜厚:膜厚25nmのTi膜上に、膜厚2
00nmのPt膜を積層、線幅;120μm)を形成し
た。
の成膜 (1)において形成した電極上に、ドーパントとして2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を5
0質量%ドープしたポリアニリンからなる導電性有機膜
をバーコーティング法により成膜した。この有機膜の厚
さを接触式段差計及び走査型電子顕微鏡により測定した
ところ150nmであった。その後、この電極と有機膜
とが形成された基板を溝に沿って割り、図1のように、
アルミナ基板1aの表面に検知電極2と導電性有機膜3
とが形成された5×5mmの大きさのガスセンサを作製
した。
示すガスセンサと電源(V)とコンデンサとが直列に接
続された回路によって各種のガスを検知する感度を評価
した。測定条件は下記の通りである。 印加電圧;2V、センサ温度;25℃、被検ガス流量;
15リットル/分、ベースガス;20質量%のO2ガス
を含む窒素ガス、被検ガス及びベースガス温度;25
℃、被検ガス種類;NH3、N(CH3)3、CH3OH、
キシレン、トルエン、H2S、NO、CO及びCH4の各
ガス、被検ガス濃度;50ppm、各々の被検ガスでの
測定時間;20分 結果を表1に示す。表1において感度(Rg/Ra)は
下記の式より算出したものである。Rg/Ra=センサ
を各々の被検ガスに曝した場合の抵抗値/センサをベー
スガスに晒した場合の抵抗値
サは、アンモニアガスに対する感度が非常に高く、トリ
メチルアミンガスに対する感度も他のガスの場合に比べ
高いことが分かる。このように、実施例1のガスセンサ
は、アンモニアガス又はアミン系ガス、特に、アンモニ
アガスに対する選択性に非常に優れていることが分か
る。
ィを有するシリコン基板を用い、ヒータを付設したガス
センサの作製) 以下、図3を参照しながら説明する。 (1)ヒータの形成 所定数のガスセンサを作製することができる大きさを有
するシリコン基板1b(寸法;直径10.16cm、厚
さ400μm)を洗浄し、乾燥した。その後、基板両面
にLPCVD法により膜厚100nmの窒化珪素からな
る絶縁層を形成した。次いで、一方の絶縁層上にPCV
D法により更に400nm厚さの窒化珪素を堆積し、膜
厚500nmの絶縁層42とした。その後、絶縁層42
の表面にフォトリソグラフィ法によりヒータ用パターン
及びヒータ部コンタクト用パターンを形成した。次い
で、リフトオフ法によりPt/Tiからなる個数分のヒ
ータ5及びヒータ部コンタクト51a、51b(構成及
び膜厚;膜厚25nmのTi膜に、膜厚200nmのP
t膜を積層、線幅;40μm)を形成した。その後、絶
縁層42上にPCVD法により膜厚1000nmの窒化
珪素からなる絶縁層43を更に形成した。次いで、この
絶縁層43のヒータ部コンタクトに対応する部位の窒化
珪素をドライエッチングにより除去してヒータ部コンタ
クトを露出させた。
ティの形成 (1)において形成した絶縁層43の表面にフォトリソ
グラフィ法により検知電極用パターン及び検知電極部コ
ンタクト用パターンを形成した。その後、リフトオフ法
によりPt/Tiからなる個数分の検知電極2及び検知
電極部コンタクト21a、21b(構成及び膜厚;膜厚
25nmTi膜に、膜厚200nmのPt膜を積層、線
幅;40μm)を形成した。次いで、(1)において基
板の他方の面に形成された絶縁層41の表面にフォトリ
ソグラフィ法によりキャビティ用パターンを形成し、同
時に絶縁層41の表面に10mm間隔で溝を形成した。
その後、絶縁層41のキャビティに対応する部位をドラ
イエッチングにより除去した。次いで、85℃に加熱さ
れた22容量%TMAH溶液に10〜14時間浸漬し、
シリコンの異方性エッチングによりキャビティ1b1
(ダイヤフラム)を形成した。その後、超純水で洗浄
し、自然乾燥させた。
の成膜 以下、スピンコーティング法により種々のドーパントを
ド−プしたポリアニリンからなる導電性有機膜の成膜
を、成膜、脱ドープ及び再ドープの工程順に説明する。
先ず、一般的な溶解性に優れる3,6−ジノニル−1−
ナフチルスルホン酸をドーパントとしたポリアニリンを
調製し、これをキシレンとエチレングリコールモノブチ
ルエーテル混合液に溶解させた。その後、成膜領域以外
をポリ塩化ビニルフィルムでマスクし、3,6−ジノニ
ル−1−ナフチルスルホン酸をドーパントとするポリア
ニリン溶液を滴下し、スピンコータで成膜した。
乾燥させた後、脱ドープ溶液に3分間含浸し、メチルア
ルコールで洗浄して脱ドープした。その後、ドーパント
として、(a)2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸の重合体、(b)2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸とiso−ブチルメタクリ
レートとの共重合体、又は(c)2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸とn−ブチルメタクリレ
ートとの共重合体、を含む溶液に含浸した。このように
して(a)、(b)及び(c)のいずれかのドーパント
を導電性有機膜に導入した後、メチルアルコールで洗浄
し、再度、150℃で10分間オーブンにて乾燥させ
た。次いで、マスクを剥離し、実施例1と同様にして膜
厚を測定したところ250〜300nmであった。その
後、10mm間隔の溝に沿って割り、ガスセンサとし
た。
示す。厚さ400μmのシリコン基板1bの表面には厚
さ500nmの窒化珪素からなる絶縁層42、裏面には
厚さ100nmの窒化珪素からなる絶縁膜41が形成さ
れている。表面側の絶縁層42の表面にはヒータ5が形
成されており、このヒータは厚さ1000nmの窒化珪
素からなる絶縁層43により被覆されている。絶縁層4
2の両端側にはヒータ部コンタクト51a、51bが形
成されており、ヒータに電力が供給される。絶縁層43
の表面には検知電極2が形成されており、両端側には検
知電極に通電するための検知電極部コンタクト21a、
21bが形成されている。この検知電極は導電性有機膜
3により被覆されており、吸着された被検ガスによる導
電性有機膜の抵抗値の変化が検出され、出力される。
し、その濃度を5〜100ppmと変化させた他は、実
施例1と同様にして感度を測定した。結果を図4に示
す。
トを用いた場合を、それぞれ実施例2、実施例3及び実
施例4とする。また、比較例1は、特開平2−3043
40号公報に記載された実施例1のアニリン、炭酸プロ
ピレン及び過塩素酸を含む重合浴を電解することによっ
て得たポリアニリン膜を使用し、同様に評価したもので
ある。比較例2は、特開平2−37559号公報に記載
された実施例1のアニリン、炭酸プロピレン及び過塩素
酸を含む重合浴を電解することによって得たポリアニリ
ン膜を使用して、同様に評価したものである。比較例3
は、特開平3−89156号公報に記載された実施例1
のアニリン及び過塩素酸中で電解することによって得た
ポリアニリン膜を使用し、同様に評価したものである。
る導電性有機膜の成膜の際に、溶液の濃度を3〜40質
量%、スピンコータの回転数を1000〜5000rp
mに変化させて、導電性有機膜の厚さを2〜25μmの
範囲で制御し、アンモニアガスの濃度を50ppmとし
て、同様に感度を測定し、導電性有機膜の厚さと感度と
の相関を検討した。この結果を図5に示す。また、実施
例3において、ヒータに通電せず、室温で感度を測定
し、センサとアンモニアガスとの接触を遮断した後の抵
抗値の低下の傾向を、アンモニアに晒した後、150℃
でヒータ制御して測定した場合と比較してヒータの効果
を確認した。この結果を図6に示す。
によるアンモニアガス濃度と感度との相関 図4によれば、特定のドーパントがドーブされたポリア
ニリンからなる導電性有機膜を有する実施例2〜4のガ
スセンサでは、アンモニアガスの濃度によらず感度が高
く、特に、高濃度域においては非常に感度が高いことが
分かる。一方、従来技術である比較例1〜3のセンサで
は、アンモニアガスの濃度によらず感度が低く、特に、
高濃度域では非常に劣っていることが分かる。
では特に十分な感度を有するセンサが得られていること
が分かる。また、導電性有機膜の厚さが5μmを越えて
25μmと厚くなっても感度に大きな変化はなく、5μ
mを越えて厚くする必要はないことが分かる。尚、この
図5では、導電性有機膜が薄くなるとともに感度が向上
しているが、厚さを9.8nmとした場合は、抵抗値が
高くなって却って感度が低下する傾向にあり、導電性有
機膜の厚さは10nm以上とすることが好ましい。これ
らは第3発明に特定される膜厚が好ましいことを裏付け
るものである。
点から、ヒータにより導電性有機膜を150℃に加熱し
て制御した場合は、速やかに抵抗値が初期状態にまで低
下し、直ちに次の測定が可能であることが分かる。一
方、ヒータを使用せず、アンモニアガスを導電性有機膜
から自然に離脱させた場合は、容易に離脱せず、抵抗の
低下に長時間を要する。このことから、ヒータ制御をし
ない場合は、抵抗が確実に初期状態にまで低下し、次の
測定を行うことができるまでには相当な時間が必要であ
ることが推察される。
効率よく測定することができ、環境におけるガス濃度の
測定及び制御、食品の鮮度管理及び介護等、各種の分野
において使用することができる、選択性に優れ、感度の
高いガスセンサとすることができる。また、第2〜5発
明によれば、より選択性に優れ、感度の高いガスセンサ
とすることができる。これらのガスセンサは、第6発明
のように、アンモニアガス及びアミン系ガスの測定にお
いて特に有用である。
る。
ある。
との相関を表すグラフである。
フである。
め、測定終了後の抵抗変化の様子を比較して示すグラフ
である。
ャビティ、2;検知電極、21a、21b;検知電極部
コンタクト、3;導電性有機膜、41、42、43;窒
化珪素からなる絶縁層、5;ヒータ、51a、51b;
ヒータ部コンタクト。
Claims (6)
- 【請求項1】 導電性有機膜と、該導電性有機膜と接す
る検知電極とを備えるガスセンサであって、該導電性有
機膜は、(1)導電性重合体と、(2)該導電性重合体
にドーピングされた下記及びの少なくとも一方と、
を有することを特徴とするガスセンサ。 アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一
方を有するスルホン基含有化合物 該スルホン基含有化合物からなる構成単位を有する重
合体 - 【請求項2】 上記導電性重合体が、アニリン及びその
誘導体の少なくとも一方の重合体である請求項1記載の
ガスセンサ。 - 【請求項3】 上記導電性有機膜の厚さが10nm以
上、5μm以下である請求項1又は2に記載のガスセン
サ。 - 【請求項4】 上記導電性有機膜を加熱するためのヒー
タが付設されている請求項1乃至3のうちのいずれか1
項に記載のガスセンサ。 - 【請求項5】 少なくとも一方の表面側に開口するキャ
ビティを有する半導体基板の他方の表面に絶縁層が形成
され、上記ヒータが該絶縁層に埋設されて形成され、上
記検知電極が該絶縁層の表面に形成され、且つ該検知電
極は上記導電性有機膜に埋設されている請求項4記載の
ガスセンサ。 - 【請求項6】 アンモニアガス又はアミン系ガスの検知
に用いられる請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記
載のガスセンサ。
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