JP2001280870A - 可変コンダクタンスヒートパイプ - Google Patents

可変コンダクタンスヒートパイプ

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JP2001280870A
JP2001280870A JP2000094760A JP2000094760A JP2001280870A JP 2001280870 A JP2001280870 A JP 2001280870A JP 2000094760 A JP2000094760 A JP 2000094760A JP 2000094760 A JP2000094760 A JP 2000094760A JP 2001280870 A JP2001280870 A JP 2001280870A
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heat
gas
gas reservoir
heat pipe
variable conductance
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JP2000094760A
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English (en)
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Kenya Kawabata
賢也 川畑
Hajime Noda
一 野田
Toshiaki Nakamura
敏明 中村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/06Control arrangements therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境温度の変化が、作動流体の蒸気と不凝縮性
ガスの界面の移動に影響を及ぼすことを防止して、放熱
開始温度を所定の温度に維持することができる放熱制御
性に優れた可変コンダクタンスヒートパイプを提供す
る。 【解決手段】蒸発部および凝縮部を備えた密閉容器と、
密閉容器の中に封入された所定量の作動流体および所定
量の不凝縮性ガスと、凝縮部の端部に、凝縮部から放出
される熱に直接曝されないように設けられた、ガスを収
納するためのガス溜め部とを備えた可変コンダクタンス
ヒートパイプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱量の制御性に
優れた可変コンダクタンスヒートパイプ、特に、外部か
らの影響によるガス溜め部の温度上昇を低減することが
できる可変コンダクタンスヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】発熱部品が発生する熱を所定の位置に移
動する手段としてヒートパイプが広く用いられている。
通常のヒートパイプは、内部が中空の容器(コンテナ)
からなっており、コンテナ内は減圧され真空状態であ
り、適量の液体が作動流体として封入されている。ヒー
トパイプは、吸熱部(蒸発部ともいい、被冷却部材等に
よって加熱され、作動流体が蒸発する側)と放熱部(凝
縮部ともいい、作動流体が凝縮して、液相に戻る側)と
を備えている。吸熱部において被冷却部材等によって加
熱されて蒸発し、次いで放熱部において凝縮して液相に
戻った作動流体がウイック等と呼ばれる液体還流機構に
よって吸熱部に戻り、再び吸熱部で加熱され蒸発すると
いう循環を繰り返す。通常のヒートパイプの熱輸送量
は、ヒートパイプの吸熱部と放熱部との間の温度差によ
って決定される。
【0003】しかしながら、被冷却部材等によっては、
所定温度に至るまでは冷却されずに保温したままの状態
で維持され、所定温度を越えて温度が上昇したときに冷
却が開始される状態になることを要求されることがあ
る。このような特定の保温冷却状態が要求される場合
に、ヒートパイプの吸熱部と放熱部との間の温度差によ
って、直ちにヒートパイプの作動が開始されて、冷却が
開始されると、被冷却材を所定の温度に保温する等の冷
却の制御が行えないという問題が生じる。
【0004】上述した問題を解決するために、特開平1
0−122775号公報、特開平11−63867号公
報に開示されているように、コンダクタンスが可変であ
る可変コンダクタンスヒートパイプが提案されている。
【0005】可変コンダクタンスヒートパイプ(VCH
P)は、ヒートパイプの吸熱部の温度に従って、被冷却
部材からの放熱量(即ち、熱輸送量)を可変に制御し、
外部動力やセンサー等を用いることなく、被冷却部材を
所定の温度範囲内に制御することが可能なヒートパイプ
である。換言すれば、可変コンダクタンスヒートパイプ
は、ある温度において所定の熱ダイオード特性を示すも
のであって、吸熱部がある温度に至らない限り、実質的
に作動しないようなヒートパイプを可変コンダクタンス
ヒートパイプという。
【0006】可変コンダクタンスヒートパイプのいくつ
かの方式の中で最も一般的な方式として、従来のヒート
パイプに、作動液と共に所定量のアルゴン・窒素等の不
凝縮性ガスを混入させた可変コンダクタンスヒートパイ
プがある。
【0007】ヒートパイプのコンテナ内に混入された不
凝縮性ガス(例えばアルゴン)は、気体の状態方程式に
従って、温度上昇に比例して圧力が増加する。一方、ヒ
ートパイプのコンテナ内の作動流体(例えば水)は、飽
和蒸気曲線が示すように、温度上昇に対して指数的に圧
力が増加する。この結果、ヒートパイプの温度が上昇す
るに従って、不凝縮性ガスと作動流体の蒸気との間に圧
力増加の差が生じる。このように生じた圧力増加の差に
よって、圧力増加が小さい不凝縮性ガスは、圧力増加が
大きい作動流体の蒸気に押し込まれて、相対的に体積が
減少する。
【0008】従って、不凝縮性ガスと作動流体の蒸気と
の界面が移動する部分をヒートパイプの放熱部(凝縮
部)として設定すると、放熱量が不凝縮性ガスと作動流
体の蒸気との界面の移動によって可変する。即ち、ヒー
トパイプの吸熱部の温度によって放熱量が可変するの
で、吸熱部を所定の温度範囲内に保つことができる。
【0009】このとき、一般に、作動流体の蒸気によっ
て押し込まれた不凝縮性ガスが格納されるガス溜め部
(容積)をヒートパイプの放熱部に隣接して設ける。理
論的には、放熱部に対するガス溜め部の容積が大きいほ
ど、放熱量の制御性が良い(即ち、吸熱部の温度を狭い
温度範囲内に維持することができる)。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】可変コンダクタンスヒ
ートパイプにおいては、上述したように、密閉容器の中
に作動流体の他に不凝縮性ガスが封入される。しかしな
がら、放熱部に隣接して設けられたガス溜め部に、放熱
部から系外に流出した熱が直接当る等の状態が生じる
と、放熱部からの熱によってガス溜め部の温度が上昇す
ることがある。作動流体の蒸気によって押し込まれた不
凝縮性ガスが格納されるガス溜め部の温度が外部からの
熱によって上昇すると、作動流体の飽和圧力と不凝縮性
ガスの圧力との比が小さくなり、ガス溜め部に格納され
る不凝縮性ガスの容量が少なくなって、放熱量の制御性
が劣化して、吸熱部の温度を狭い範囲内で制御すること
が困難になる。即ち、作動流体の飽和圧力と不凝縮性ガ
スの圧力との比が小さくなり、作動流体の蒸気流によっ
て不凝縮性ガスをガス溜め部内に押し込むことが困難と
なり、不凝縮性ガスと作動流体の蒸気との界面の移動が
十分に行われず、温度制御性が劣化するという問題があ
る。
【0011】更に、可変コンダクタンスヒートパイプに
おいては、上述したように、ヒートパイプの温度が上昇
するに従って、不凝縮性ガスと作動流体の蒸気との間に
圧力増加の差が生じ、このように生じた圧力増加の差に
よって、圧力増加が小さい不凝縮性ガスは、圧力増加が
大きい作動流体の蒸気に押し込まれて、相対的に体積が
減少し、従って、不凝縮性ガスと作動流体の蒸気との界
面が移動する部分をヒートパイプの放熱部(凝縮部)と
して設定すると、放熱量が不凝縮性ガスと作動流体の蒸
気との界面の移動によって可変する。
【0012】しかしながら、作動流体の蒸気に押し込ま
れた不凝縮性ガスが格納されるガス溜め部が、被冷却部
材の発生する熱ではなく、環境温度、即ち、ヒートパイ
プの放熱部から放出された熱によって加熱されてその温
度が上昇してしまうと、作動流体の蒸気と不凝縮性ガス
との界面の移動に影響を及ぼして、放熱開始温度が変化
するなど放熱制御性を変化させる等、ヒートパイプの設
計が困難になるという問題点がある。
【0013】従って、この発明の目的は、環境温度の変
化が、作動流体の蒸気と不凝縮性ガスの界面の移動に影
響を及ぼすことを防止して、放熱開始温度を所定の温度
に維持することができる放熱制御性に優れた可変コンダ
クタンスヒートパイプを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した従
来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、
可変コンダクタンスヒートパイプの凝縮部の端部に、凝
縮部から放出される熱に直接曝されないように、ガスを
収納するためのガス溜め部を設けることによって、環境
温度の変化が、作動流体の蒸気と不凝縮性ガスの界面の
移動に影響を及ぼすことを防止して、放熱開始温度を所
定の温度に維持することができる放熱制御性に優れた可
変コンダクタンスヒートパイプを提供することができる
ことを知見した。
【0015】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明の可変コンダクタンスヒートパ
イプの第1の態様は、下記部材を備えた可変コンダクタ
ンスヒートパイプである蒸発部および凝縮部を備えた密
閉容器と、前記密閉容器の中に封入された所定量の作動
流体および所定量の不凝縮性ガスと、前記凝縮部の端部
に、前記凝縮部から放出される熱に直接曝されないよう
に設けられた、前記ガスを収納するためのガス溜め部。
【0016】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プの第2の態様は、前記凝縮部には熱を放出するための
放熱フィンが取り付けられており、前記ガス溜め部が、
前記放熱フィンを通過した流体に直接的に曝されない所
定位置に設けられていることを特徴とする可変コンダク
タンスヒートパイプである。
【0017】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プの第3の態様は、前記凝縮部には熱を放出するための
放熱フィンが取り付けられており、前記放熱フィンを通
過した流体に前記ガス溜め部が直接的に曝されないよう
に、前記ガス溜め部に前記流体を導くダクトが設けられ
ていることを特徴とする可変コンダクタンスヒートパイ
プである。
【0018】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プの第4の態様は、前記ガス溜め部は、前記凝縮部から
放出される熱を遮断する断熱構造を備えていることを特
徴とする可変コンダクタンスヒートパイプである。
【0019】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プのその他の態様は、下記部材を備えた可変コンダタン
スヒートパイプである蒸発部および凝縮部を備えた密閉
容器と、前記密閉容器の中に封入された所定量の作動流
体および所定量の不凝縮性ガスと、前記凝縮部の端部
に、前記凝縮部から放出される熱を遮断する断熱構造を
備えた、前記ガスを収納するためのガス溜め部。
【0020】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プのその他の態様は、前記凝縮部には熱を放出するため
の放熱フィンが取り付けられており、前記断熱構造は、
前記放熱フィンを通過した流体の熱から前記ガス溜め部
を遮断することを特徴とする可変コンダクタンスヒート
パイプである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の平面型ヒートパイプの態
様について図面を参照しながら詳細に説明する。この発
明の可変コンダクタンスヒートパイプは、蒸発部および
凝縮部を備えた密閉容器と、密閉容器の中に封入された
所定量の作動流体および所定量の不凝縮性ガスと、凝縮
部の端部に、凝縮部から放出される熱に直接曝されない
ように設けられた、上述したガスを収納するためのガス
溜め部を備えている。更に、吸熱部と放熱部との間に断
熱部を更に備えていてもよい。
【0022】更に、この発明の可変コンダクタンスヒー
トパイプにおいては、熱を放出するための放熱フィンが
凝縮部に取り付けられており、ガス溜め部が、放熱フィ
ンを通過した流体に直接的に曝されない所定位置に設け
られている。即ち、放熱フィンを通過し、温度が上昇し
た流体の流れから外れた位置にガス溜め部を設置して、
ガス溜め部の温度上昇を防止する。
【0023】図1は、この発明の可変コンダクタンスの
1つの態様を示す図である。図1(a)は、可変コンダ
クタンスを上からみた概略図である。図1(b)は、可
変コンダクタンスの断面図である。図1(b)に示すよ
うに、可変コンダクタンス1は、蒸発部2および凝縮部
3を備えた密閉容器、および、ガス溜め部6を備えてい
る。密閉容器の中には所定量の作動流体および作動流体
の密度よりも小さい密度を有する所定量のガスが封入さ
れている。ヒートパイプの熱を放出するための放熱フィ
ン5が凝縮部3に取り付けられている。図1(a)、図
1(b)から明らかなように、ガス溜め部6が、放熱フ
ィン5を通過した流体に直接的に曝されない位置、即
ち、放熱フィン5を通過した流体、例えば空気、が温度
差による上昇気流となって垂直方向に上方に移動した場
合に、ガス溜め部6が空気流の中に入らないように密閉
容器から間隔を隔てて設けられている。
【0024】更に、この発明の可変コンダクタンスヒー
トパイプにおいては、熱を放出するための放熱フィンが
凝縮部に取り付けられており、放熱フィンを通過した流
体にガス溜め部が直接的に曝されないように、ガス溜め
部に流体を導くダクトを設けてもよい。即ち、放熱フィ
ンを通過し、温度が上昇した流体の流れを所定方向に導
いて、ガス溜め部に流体が直接曝されないようにして、
ガス溜め部の温度上昇を防止する。
【0025】図2は、この発明の可変コンダクタンスの
他の1つの態様を示す図である。図2に示すように、可
変コンダクタンス1は、蒸発部2および凝縮部3を備え
た密閉容器、および、ガス溜め部6を備えている。密閉
容器の中には所定量の作動流体および作動流体の密度よ
りも小さい密度を有する所定量のガスが封入されてい
る。ヒートパイプの熱を放出するための放熱フィン5が
凝縮部3に取り付けられている。
【0026】更に、放熱フィンの上方には、放熱フィン
を通過した流体例えば空気流を所定の方向9に導くダク
ト7がガス溜め部に設けられている。図2から明らかな
ように、凝縮部3に設けられた放熱フィン5を通過し
た、温度が上昇した空気流は、ガス溜め部の下部に取り
付けられたダクト7によって、図中に矢印9で示すよう
に所定の方向に導かれて、ガス溜め部には直接吹き付け
られない。即ち、ガス溜め部の位置を昇温した空気流か
ら離隔するのではなく、ガス溜め部にダクトを設けて、
空気流を強制的に所定の方向に流して、ガス溜め部の温
度が上昇しないようにする。
【0027】更に、この発明の可変コンダクタンスヒー
トパイプにおいては、ガス溜め部は、凝縮部から放出さ
れる熱を遮断する断熱構造を備えていてもよい。即ち、
図1または図2に示したこの発明の可変コンダクタンス
ヒートパイプにおいて、ガス溜め部は更に断熱構造を備
えていてもよい。
【0028】更に、この発明の可変コンダクタンスヒー
トパイプのは、蒸発部および凝縮部を備えた密閉容器
と、前記密閉容器の中に封入された所定量の作動流体お
よび所定量の不凝縮性ガスと、前記凝縮部の端部に、前
記凝縮部から放出される熱を遮断する断熱構造を備え
た、前記ガスを収納するためのガス溜め部を備えてい
る。
【0029】図3は、この発明の可変コンダクタンスの
別の1つの態様を示す図である。図3に示すように、可
変コンダクタンス1は、蒸発部2および凝縮部3を備え
た密閉容器、および、ガス溜め部6を備えている。密閉
容器の中には所定量の作動流体および作動流体の密度よ
りも小さい密度を有する所定量のガスが封入されてい
る。ヒートパイプの熱を放出するための放熱フィン5が
凝縮部3に取り付けられている。更に、ガス溜め部6
は、凝縮部3から放出される熱を遮断する断熱構造8を
備えている。図3から明らかなように、凝縮部3に設け
られた放熱フィン5を通過した、温度が上昇した空気流
が、ガス溜め部に吹き付けられる位置に配置されていて
も、ガス溜め部6の周りを断熱材等の断熱構造8によっ
て覆われているので、ガス溜め部の温度は上昇しないよ
うになっている。
【0030】この発明の可変コンダクタンスヒートパイ
プにおいて、上述した作動流体の密度よりも小さい密度
を有するガスがヘリウムまたはヘリウムとの混合物から
なっている。更に、この発明の可変コンダクタンスヒー
トパイプにおいて、上述したガスの所定量は、所定制御
温度範囲の上限温度における内圧でガス溜め部が上述し
たガスによって満たされる量からなっている。
【0031】図1を参照して、この発明の可変コンダク
タンスヒートパイプの作動の概要を説明する。図1に示
すように、密閉容器の凝縮部3の端部に接続してガス溜
め部(即ち、ガス溜め容器)6が備えられている。密閉
容器1には蒸発部2側に作動流体としての(図示しな
い)水が、そして、凝縮部3側およびガス溜め容器内
に、作動流体の密度よりも小さい密度を有するガスとし
ての(図示しない)ヘリウムが封入されている。ガスの
量は、所定制御温度範囲の上限温度における内圧でガス
溜め部がガスによって満たされる量である。
【0032】ヒートパイプが作動すると、蒸発部は外部
から加熱されて作動流体が蒸発する。このとき、蒸気は
圧力の低い凝縮部に向かう。この流れによって、途中に
停滞していた不凝縮性ガスは凝縮部端に移動する。可変
コンダクタンスヒートパイプはこの部分に接続されたガ
ス溜め容器があり、不凝縮性ガスが格納されるようにな
っている。ガス溜め部が所定温度(例えば環境温度)付
近に維持されておれば、不凝縮性ガスの温度変化による
体積膨張(単位体積での圧力増加)が少なく、作動流体
の飽和圧力の増加にともなって、小さい温度範囲で、凝
縮部に存在していた不凝縮性ガスがガス溜め容器に収容
される。
【0033】即ち、ヒートパイプの発熱部2が外部から
加熱されると、コンテナ内部における作動流体としての
水が蒸発する。この時、蒸発した作動流体はコンテナ内
部の圧力が低い凝縮部3に向かって流れる。この蒸発し
た作動流体の流れによって、コンテナ内部の凝縮部3側
に滞留していた不凝縮ガスとしてのヘリウムは、蒸発し
た作動流体に押されてガス溜め容器6内に押し込まれ
る。この際、ヘリウムの密度が蒸発した水のそれよりも
小さいので、ヘリウムと蒸発した水が混在することはほ
とんどない。
【0034】可変コンダクタンスヒートパイプ(VCH
P)においては、上述したように、凝縮部3の端部に接
続してガス溜め容器6が備えられており、蒸発した作動
流体に押されたヘリウムがその中に格納されるようにな
っている。凝縮部3には放熱フィン5が取り付けられて
いるので、上述したように、凝縮部3に達した作動流体
は凝縮、放熱して液状に戻り、圧力が低下して、ガス溜
め容器6内に押し込められた不凝縮性ガスによって押し
戻され、凝縮部は不凝縮性ガスによって再び充たされ
て、凝縮部における放熱が停止する。
【0035】ヒートパイプの発熱部が引き続き外部から
加熱されて、所定の温度に達すると、コンテナ内部にお
ける作動流体としての水の蒸発、蒸発した作動流体によ
るヘリウムの押し込み、放熱部へ到達した作動流体の凝
縮、放熱、ガス溜め容器内に押し込まれたヘリウムの放
熱部への移動が繰り返され、放熱制御が行われる。ヘリ
ウムを作動流体と共に密閉容器内に封入するのが好まし
い理由は、水の分子量18に対してヘリウムの分子量は
4と小さいので、作動流体としての水と、不凝縮性ガス
としてのヘリウムが密度差によって混合することは無視
できるほどであるので、界面が比較的明確になり、放熱
制御性が向上するからである。
【0036】従来の可変コンダクタンスヒートパイプに
よると、凝縮部に取り付けられた放熱フィンによって熱
交換された冷却媒体(例えば空気)によって、凝縮部よ
り上方に設けられたガス溜め部が温度上昇し、不凝縮性
ガスをガス溜め部内に収容することができなくなり、そ
の結果、温度制御範囲が大きくなる。この発明の可変コ
ンダクタンスヒートパイプにおいては、放熱フィンを通
過し流体(例えば空気)が直接ガス溜め部に当らないよ
うに設置することにより、放熱フィンを通過した上昇気
流はガス溜め部に直接当らないので、ガス溜め部の温度
上昇は低減する。また凝縮部あ垂直に設置されている場
合は、放熱フィンの上方にガス溜め部を設けなければ、
ガス溜め部の温度上昇は抑制される。
【0037】あるいは、放熱フィンの上方にガス溜め部
を避けるようにして移動させる流路(ダクト)を設ける
ことによって、放熱フィンを通過した流体はガス溜め部
を迂回して上昇するため、ガス溜め部の温度上昇が抑制
される。また、ガス溜め部の周囲に断熱構造を設けるこ
とによって、ガス溜め部の外部からの影響による温度上
昇を低減することもできる。ガス溜め部の周囲に断熱構
造を設けることは、他の手段と組み合わせても、外部か
らの入熱を抑制することができる。
【0038】なお、密閉容器の材質として、銅、アルミ
ニウム、ステンレス等を使用することができる。更に、
作動流体として、水、代替フロン、アルコール、アセト
ン、フッ化炭素、ダウサムA等を使用することができ
る。本発明において、使用される密閉容器(コンテナ)
の材質、作動流体の種類は上記に限られるものではな
く、ヒートパイプの作動温度範囲、相互の適合性、用途
によって適宜選択することができる。また、コンテナ、
ガス溜め容器の形状は、冷却対象物によって適宜設定す
ることができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を更に詳細に
説明する。 実施例1 図1に示す形状のこの発明の可変コンダクタンスヒート
パイプを、次の通り製作した。即ち、密閉容器(コンテ
ナ)は、図1に示すように、直径15.88mm、長さ1
mからなる銅製のパイプ状のコンテナである。コンテナ
の一端(下端)から400mmの部分が温度制御を必要
とする蒸発部である。蒸発部に隣接して200mmの断
熱部(即ち、蒸発・凝縮に直接関係しない部分である)
があり、更に、残りの400mmが凝縮部である。凝縮
部には幅300mm、奥行50mm、長さ350mmの
放熱フィンが取り付けられ、空気中に放熱する構造にな
っている。
【0040】凝縮部の側面から、直径6.35mmの銅
管が取り付けられ、銅管の先には、コンテナの軸線方向
から横方向に100mm隔てて、ガスが収納される直径
78mm、高さ120mmのガス溜め容器が設けられて
いる。凝縮部の接合部よりガス溜め容器の接合部が10
mm高くなっている。この容器内に所定量の作動流体
(水)と所定量の不凝縮性ガス(ヘリウム)が封入され
ている。
【0041】放熱が開始されると放熱フィンから系外へ
熱が放出されるが、放熱フィンを通過した空気がガス溜
め部に直接当ることなく上昇するので、ガス溜め部は不
必要に温度上昇することがなく、その結果、温度制御範
囲を小さくすることができた。
【0042】実施例2 図2に示す形状のこの発明の可変コンダクタンスヒート
パイプを、次の通り製作した。即ち、密閉容器(コンテ
ナ)は、図1に示すように、直径22.2mm、長さ1m
からなるステンレス製のパイプ状のコンテナである。コ
ンテナは鉛直に設置される。コンテナの一端(下端)か
ら400mmの部分が温度制御を必要とする蒸発部であ
る。蒸発部に隣接して200mmの断熱部(即ち、蒸発
・凝縮に直接関係しない部分である)があり、更に、残
りの400mmが凝縮部である。凝縮部には幅300m
m、奥行50mm、長さ350mmの放熱フィンが取り
付けられ、空気中に放熱する構造になっている。
【0043】凝縮部の側面から、直径6.35mmのス
テンレス管が取り付けられ、ステンレス管の先には、直
径89.1mm、長さ400mmのガス溜め部が横向き
に設けられている。凝縮部の接合部よりガス溜め容器の
接合部が10mm高くなっている。放熱フィンとガス溜
め容器との間には放熱フィンを通過した空気を直接ガス
溜め容器に当てないように、それを回避させるための流
路(ダクト)が設けられている。この容器内に所定量の
作動流体(ビフェニールとビフェニールエーテルの混合
物)と所定量の不凝縮性ガス(アルゴン)が封入されて
いる。
【0044】放熱が開始されると放熱フィンから系外へ
熱が放出されるが、放熱フィンを通過した空気はダクト
に沿ってガス溜め容器を回避するように流れるので、ガ
ス溜め容器の外部からの温度上昇は低減され、その結
果、温度制御範囲を小さくすることができた。
【0045】実施例3 図3に示す形状のこの発明の可変コンダクタンスヒート
パイプを、次の通り製作した。即ち、可変コンダクタン
スヒートパイプの形状は実施例2と同様である。ガス溜
め容器の周囲には断熱材が施されている。この容器内に
所定量の作動流体(ナフタレン)と所定量の不凝縮性ガ
ス(ヘリウム)が封入されている。
【0046】放熱が開始されると放熱フィンから系外へ
熱が放出されるが、放熱フィンを通過した空気はガス溜
め容器の周囲に施された断熱材に当るが、断熱材の効果
によって周囲からのガス溜め容器への入熱は低減され、
その結果、温度制御範囲を小さくすることができた。
【0047】なお、本発明において、使用されるコンテ
ナ材、作動流体、不凝縮性ガスは上述した材料に限定さ
れるものでなく、作動温度、適合性、用途によって適宜
選択することができる。また、コンテナ、ガス溜め容器
の形状は、対象物によって適宜設定することができる。
また、断熱構造、断熱材の材料は対象に合わせて自由に
選択することができる。
【0048】
【発明の効果】上述したように、この発明によると、環
境温度の変化が、作動流体の蒸気と不凝縮性ガスの界面
の移動に影響を及ぼすことを防止して、放熱開始温度を
所定の温度に維持することができる放熱制御性に優れた
可変コンダクタンスヒートパイプを提供することがで
き、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の可変コンダクタンスヒート
パイプの一つの態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明の可変コンダクタンスヒート
パイプの他の一つの態様を示す図である。
【図3】図3は、この発明の可変コンダクタンスヒート
パイプの別の一つの態様を示す図である。
【符号の説明】
1.可変コンダクタンスヒートパイプ 2.蒸発部 3.凝縮部 4.断熱部 5.放熱フィン 6.ガス溜め部 7.ダクト 8.断熱材 9.空気流

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記部材を備えた可変コンダクタンスヒー
    トパイプ蒸発部および凝縮部を備えた密閉容器と、 前記密閉容器の中に封入された所定量の作動流体および
    所定量の不凝縮性ガスと、 前記凝縮部の端部に、前記凝縮部から放出される熱に直
    接曝されないように設けられた、前記ガスを収納するた
    めのガス溜め部。
  2. 【請求項2】前記凝縮部には熱を放出するための放熱フ
    ィンが取り付けられており、前記ガス溜め部が、前記放
    熱フィンを通過した流体に直接的に曝されない所定位置
    に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の
    可変コンダクタンスヒートパイプ。
  3. 【請求項3】前記凝縮部には熱を放出するための放熱フ
    ィンが取り付けられており、前記放熱フィンを通過した
    流体に前記ガス溜め部が直接的に曝されないように、前
    記ガス溜め部に前記流体を導くダクトが設けられている
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の可変コン
    ダクタンスヒートパイプ。
  4. 【請求項4】前記ガス溜め部は、前記凝縮部から放出さ
    れる熱を遮断する断熱構造を備えていることを特徴とす
    る、請求項1から3の何れか1項に記載の可変コンダク
    タンスヒートパイプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3611769A1 (en) * 2018-08-08 2020-02-19 Universidade do Minho System for heat recovery
CN112665070A (zh) * 2021-01-14 2021-04-16 河北工程大学 一种基于可变导热管的矿井回风余热回收用换热器

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EP3611769A1 (en) * 2018-08-08 2020-02-19 Universidade do Minho System for heat recovery
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