JP2001280342A - センターベアリングサポート - Google Patents

センターベアリングサポート

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JP2001280342A
JP2001280342A JP2000092711A JP2000092711A JP2001280342A JP 2001280342 A JP2001280342 A JP 2001280342A JP 2000092711 A JP2000092711 A JP 2000092711A JP 2000092711 A JP2000092711 A JP 2000092711A JP 2001280342 A JP2001280342 A JP 2001280342A
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Mitsuhiro Yonetani
光博 米谷
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Nok Vibracoustic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内環12とダストカバー31,32との間の
隙間Gから泥水や塵埃が侵入することによるセンターベ
アリング4の損傷や劣化を有効に防止する。 【解決手段】 車体側に固定される外環11の内周に、
エラストマ材料からなる弾性体13を介して内環12が
設けられ、この内環12の内周に、プロペラシャフト3
を回転自在に支持するセンターベアリング4が装着され
る。内環12における第一の金属環121の外端部12
1a,122aには所要数の溝121bが形成され、こ
の溝121bは、プロペラシャフト3に装着されたダス
トカバー31,32との間の隙間Gに、ダストカバー3
1,32の回転によってその外側へ向けて流体の流れを
生じる方向性をもつことによって、センターベアリング
4側への泥水や塵埃の侵入を遮断する螺子シール機構を
なす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のプロペラ
シャフトを回転自在に支持するセンターベアリングを車
体側に弾性的に支持するセンターベアリングサポートに
関する。
【0002】
【従来の技術】センターベアリングサポートは、例えば
自動車のプロペラシャフトの軸方向中間部の外周に装着
されるセンターベアリングを、車体側に弾性的に支持
し、走行中におけるプロペラシャフト側と車体側との間
での振動伝達を低減するものである。そして、この種の
センターベアリングサポートとしては、例えば図5に示
されるようなものがある。
【0003】すなわち図5に示されるセンターベアリン
グサポート100は、外環101と、その内周に配置さ
れた内環102とを、軸方向に屈曲した断面形状のエラ
ストマ材料からなる弾性体103を介して弾性的に連結
した構造を備え、前記外環101が、車体側に取り付け
られる環状のブラケット104に嵌着されると共に、前
記内環102が、プロペラシャフト110の軸方向中間
部の外周面に装着されるセンターベアリング111のア
ウターレース111aに嵌着される。
【0004】内環102の内周におけるセンターベアリ
ング111の両側空間にはグリース105が保持されて
おり、このグリース105によって前記センターベアリ
ング111が潤滑されている。また、プロペラシャフト
110の外周面には、内環102の軸方向両端部外周面
を包囲する一対のダストカバー107が装着され、これ
によって、センターベアリング111が自動車の走行中
に飛来する泥水や塵埃等に直接曝されないようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブラケ
ット104を介して車体側に取り付けられるンターベア
リングサポート100は非回転であるのに対して、ダス
トカバー107はプロペラシャフト110と共に回転す
るため、内環102とダストカバー107との間には必
ず所要の大きさの隙間Gを設けなければならない。この
ため、前記隙間Gを介して、ある程度の泥水や塵埃等が
ダストカバー107の内側空間Sへ侵入することが避け
られず、このため前記泥水や塵埃がグリース105に混
入し、センターベアリング111が損傷を受けたり劣化
するおそれがあった。
【0006】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、内環
とダストカバーとの間の隙間から泥水や塵埃が侵入する
ことによるセンターベアリングの損傷や劣化を有効に防
止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題は、本
発明によって有効に解決することができる。すなわち本
発明は、車体側に固定される外環の内周に、エラストマ
材料からなる弾性体を介して内環が設けられ、この内環
の内周に、シャフトを回転自在に支持するセンターベア
リングが装着されるセンターベアリングサポートにおい
て、前記内環と、これに近接対向した状態で前記シャフ
トに装着されたダストカバーとの間の隙間に、前記ダス
トカバーの回転によってその外側へ向けて流体の流れを
生じる方向性をもった所要数の溝からなる螺子シール機
構を設けたものである。また、この螺子シール機構は、
内環又はダストカバーに被着されたゴム状弾性材料の一
部によって形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るセンターベ
アリングサポート1の好適な実施の形態を示すものであ
る。すなわちこのセンターベアリングサポート1は、図
示されていないマウント等を介して車体側に固定される
環状のブラケット2の内周面に圧入嵌着される外環11
と、この外環11の内周に配置され、プロペラシャフト
3を回転自在に支持するセンターベアリング4を保持す
る内環12と、前記外環11と内環12の間を弾性的に
連結する弾性体13とからなる。
【0009】詳しくは、外環11及び内環12は鋼材等
の金属からなるものであって、このうち内環12は、第
一の金属環121と、その一端内周面に嵌着された第二
の金属環122からなり、両金属環121,122間
に、支持対象のプロペラシャフト3の外周面に装着され
るセンターベアリング4を嵌合保持するようになってい
る。
【0010】弾性体13は、ゴム等のエラストマ材料で
成形されたものであって、その外周端部13aが、外環
11におけるブラケット2との嵌合面と反対側の面に一
体的に加硫接着され、内周端部13bが、内環12にお
ける第一の金属環121の外周面に一体的に加硫接着さ
れ、前記両端部13a,13b間で軸方向へ折り返すよ
うに略U字形に屈曲した断面形状を呈する。
【0011】弾性体13の内周端部13bには、テーパ
状の突出形状の緩衝突起13cが形成されており、その
先端が、前記弾性体13における外周端部13aの内面
に対して、所定の距離をもって径方向に対向している。
すなわち、この緩衝突起13cは、車体側とプロペラシ
ャフト3との相対的な大振幅の振動変位入力の際に、外
環11と内環12との間で変形され、緩衝機能を奏する
ものである。
【0012】センターベアリング4は、基本的には互い
に同心配置されたアウターレース41及びインナーレー
ス42と、その間に円周方向等間隔で回転自在に保持さ
れた多数の鋼球43とからなる既知の構造を有するボー
ルベアリングからなり、前記鋼球43とアウターレース
41及びインナーレース42との間は、グリース14に
より潤滑されている。このセンターベアリング4は、ア
ウターレース41が、内環12に適当な締め代をもって
圧入嵌着され、インナーレース42が、プロペラシャフ
ト3の外周面に嵌合される。
【0013】プロペラシャフト3の外周面には、センタ
ーベアリング4が外部からの泥水や塵埃等に曝されない
ように、鋼材等の金属からなる一対のダストカバー3
1,32が装着されている。このダストカバー31,3
2は、内環12の軸方向両側の位置で前記プロペラシャ
フト3の外周面に固定される固定筒部31a,32a
と、この固定筒部31a,32aから延びて前記内環1
2における第一及び第二の金属環121,122の外端
部121a,122aの外周側に達するカバー本体部3
1b,32bとを有する。
【0014】内環12における第一及び第二の金属環1
21,122の外端部121a,122aは、外周側へ
屈曲してそれぞれダストカバー31,32におけるカバ
ー本体部31b,32bの外周端部内周面に近接対向し
ており、その外周面には、多数の溝121b,122b
が形成されている。この溝121b,122bは、プロ
ペラシャフト3と共に回転されるダストカバー31,3
2の回転によって、前記カバー本体部31b,32bと
前記第一及び第二の金属環121,122の外端部12
1a,122aとの間の隙間Gに、その外部空間へ向け
て矢印F方向の流体の流れを生じる方向性をもって、螺
子シール機構を構成するものであり、すなわち外周側か
ら見た図2に示されるように、円周方向に対して所定の
傾斜角度をなすスパイラル状に形成されている。
【0015】以上の構成を有するセンターベアリングサ
ポート1は、センターベアリング4を介して、プロペラ
シャフト3を、図示されていない車体側に弾性的にかつ
回転自在に支持するもので、回転するプロペラシャフト
3に振動を発生した場合、このプロペラシャフト3側の
内環12と車体側の外環11との相対偏心運動に伴っ
て、弾性体13が反復的に屈伸し、前記車体側への振動
伝達を有効に絶縁することができる。
【0016】また、センターベアリングサポート1は車
体側のブラケット2に取り付けられるため、非回転であ
るのに対して、ダストカバー31,32はプロペラシャ
フト3と共に回転するため、内環12とダストカバー3
1,32との間には所要の大きさの隙間Gを設けてある
が、この隙間Gを介してダストカバー31,32の内側
空間(センターベアリング4の両側空間)Sへ侵入しよ
うとする泥水や塵埃等は、溝121bによる矢印F方向
の螺子ポンプ作用によって侵入が阻止される。また、プ
ロペラシャフト3の停止時等にいったん侵入した泥水や
塵埃も、前記螺子ポンプ作用によって外部へ排出され
る。したがって、センターベアリング4を潤滑するグリ
ース14に泥や塵埃が混入して、このセンターベアリン
グ4が損傷したり劣化するのを有効に防止できる。
【0017】上述のような螺子シール機構は、内環12
における第一及び第二の金属環121,122が、図1
のような外周側へ屈曲した外端部121a,122aを
有さず、図3に示されるように、内周に保持したオイル
シール15,16を軸方向外側から覆う内向きフランジ
121c,122cが形成されている場合であっても設
けることができる。
【0018】すなわち、図3は、本発明に係るセンター
ベアリングサポート1の好ましい第二の実施の形態を示
すもので、基本的には図1と同様に、車体側の環状のブ
ラケット2の内周面に圧入嵌着される外環11と、この
外環11の内周に配置されセンターベアリング4を保持
する内環12と、前記外環11と内環12の間を弾性的
に連結する弾性体13とからなる。
【0019】内環12は、第一の金属環121と、その
一端内周面に嵌着された第二の金属環122からなり、
両金属環121,122間に、プロペラシャフト3の外
周面に装着されるセンターベアリング4を嵌合保持する
ものである。また、前記第一及び第二の金属環121,
122の内周面には、前記センターベアリング4の軸方
向両側に配置したオイルシール15,16をそれぞれ嵌
合保持するようになっている。このオイルシール15,
16は、リップ状の内周端部がプロペラシャフト3の外
周面と摺動可能に密接することによって、前記センター
ベアリング4を潤滑するグリース14を密封するもので
ある。
【0020】内環12における第一及び第二の金属環1
21,122は、そのオイルシール保持部121e,1
22eから延びる外端部に、オイルシール15,16を
軸方向外側から覆うように屈曲形成されて、内径がプロ
ペラシャフト3の外周面と近接対向する内向きフランジ
121c,122dを有する。
【0021】ゴム等のエラストマ材料で成形された弾性
体13は、内環12における第一の金属環121の、ベ
アリング保持部121dの外周面に一体的に加硫接着さ
れた内周端部13bから、前記第一の金属環121にお
けるオイルシール保持部121eの外周面に被着された
膜状部131が、連続して形成されている。この膜状部
131の端部には、前記第一の金属環121における内
向きフランジ121cの外周側に位置して、円周方向に
連続して延びる環状突起132が形成されている。この
環状突起132の先端は、プロペラシャフト3の外周面
に装着されたダストカバー31におけるカバー本体部3
1bの内周面と近接対向される。
【0022】一方、内環12における第二の金属環12
2には、その内向きフランジ122cの外周側に位置し
て、ゴム等のエラストマ材料からなる環状突起133
が、円周方向に連続して形成されている。この環状突起
132の先端は、プロペラシャフト3の外周面に装着さ
れたダストカバー32におけるカバー本体部32bの内
周面と近接対向される。
【0023】環状突起132,133の外周面には、多
数の溝132a,133aが形成されている。この溝1
32a,133aは、プロペラシャフト3と共に回転さ
れるダストカバー31,32の回転によって、そのカバ
ー本体部31b,32bと前記環状突起132,133
の外周面との間の隙間Gに、その外部空間へ向けて矢印
F方向の流体の流れを生じる方向性をもつ螺子シール機
構を構成するものであり、すなわち外周側から見た図4
に示されるように、円周方向に対して所定の傾斜角度を
なすスパイラル状に形成されている。
【0024】以上の構成を有するセンターベアリングサ
ポート1は、先に説明した図1の形態のものと同様の振
動吸収機能を奏するものである。
【0025】そして、ダストカバー31,32のカバー
本体部31b,32bと、内環12側の環状突起13
2,133との間の隙間Gを介して、外部からダストカ
バー31,32の内周空間Sへ侵入しようとする泥水や
塵埃等は、前記環状突起132に形成されたスパイラル
状の溝132a,133aによる矢印F方向の螺子ポン
プ作用によって侵入が阻止される。また、プロペラシャ
フト3の停止時等にいったん侵入した泥水や塵埃も、前
記螺子ポンプ作用によって外部へ排出される。
【0026】したがって、プロペラシャフト3の外周面
におけるオイルシール15,16との摺接部に泥や塵埃
が付着・蓄積してオイルシール15,16が破損した
り、これによってグリース14に前記泥や塵埃が混入し
て、センターベアリング4が損傷したり劣化するのを有
効に防止できる。
【0027】なお、図示の例においては、螺子シール機
構をセンターベアリング4の軸方向両側に設けたが、車
両走行中の泥水等の侵入は、主に前方から行われるの
で、センターベアリング4の軸方向前方となる側にのみ
設けることもできる。
【0028】また、図示の例においては、螺子シール機
構を奏するスパイラル状の溝を、内環12又はその外周
面に被着した環状突起132,133に形成したが、こ
の内環12又は環状突起132,133と対向するダス
トカバー31,32のカバー本体部31b,32bの内
周面に形成しても、隙間Gに、泥水や塵埃の侵入を阻止
又は外部へ排除する矢印F方向の螺子ポンプ作用を与え
て、上述と同様の効果を発揮することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセンター
ベアリングサポートによれば、内環に直接あるいは弾性
体の一部によって形成した溝が、螺子ポンプ作用によっ
て、外部からの泥水や塵埃等の侵入を阻止するので、セ
ンターベアリングの損傷や劣化を有効に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンターベアリングサポートの好
ましい第一の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して
示す半断面図である。
【図2】上記第一の実施の形態における溝を外周側から
見た部分的な外観図である。
【図3】本発明に係るセンターベアリングサポートの好
ましい第二の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して
示す半断面図である。
【図4】上記第二の実施の形態における溝を外周側から
見た部分的な外観図である。
【図5】従来構造に係るセンターベアリングサポート
を、軸心を通る平面で切断して示す半断面図である。
【符号の説明】
1 センターベアリングサポート 11 外環 12 内環 121 第一の金属環 121a,122a 外端部 121b,122b 溝 121c,122c 内向きフランジ 121d ベアリング保持部 121e,122d オイルシール保持部 122 第二の金属環 13 弾性体 131 膜状部 132,133 環状突起 132a,133a 溝 14 グリース 15,16 オイルシール 2 ブラケット 3 プロペラシャフト 31,32 ダストカバー 311 固定筒部 312 カバー本体部 4 センターベアリング 41 アウターレース 42 インナーレース 43 鋼球 G 隙間 S 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D042 AA07 AA09 AB01 DC02 DC04 DC05 DC08 3J012 AB01 AB07 AB13 BB01 CB03 DB08 DB13 DB20 FB10 GB01 3J016 AA02 BB02 BB14 BB17 CA02 CA06 CA07 CA08 3J042 AA03 BA01 CA08 DA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に固定される外環(11)の内周
    に、エラストマ材料からなる弾性体(13)を介して内
    環(12)が設けられ、この内環(12)の内周に、シ
    ャフト(3)を回転自在に支持するセンターベアリング
    (4)が装着されるセンターベアリングサポート(1)
    において、 前記内環(12)と、これに近接対向した状態で前記シ
    ャフト(3)に装着されたダストカバー(31,32)
    との間の隙間(G)に、前記ダストカバー(31)の回
    転によってその外側へ向けて流体の流れを生じる方向性
    をもった、所要数の溝(121b,122b,132
    a,133a)からなる螺子シール機構を設けたことを
    特徴とするセンターベアリングサポート。
  2. 【請求項2】 螺子シール機構が、内環(12)又はダ
    ストカバー(31,32)に被着されたゴム状弾性材料
    の一部によって形成されたことを特徴とする請求項1に
    記載のセンターベアリングサポート。
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