JP2001279085A - 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成型品および医療用部品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂成型品および医療用部品

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JP2001279085A
JP2001279085A JP2001013748A JP2001013748A JP2001279085A JP 2001279085 A JP2001279085 A JP 2001279085A JP 2001013748 A JP2001013748 A JP 2001013748A JP 2001013748 A JP2001013748 A JP 2001013748A JP 2001279085 A JP2001279085 A JP 2001279085A
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thermoplastic resin
resin composition
compound
weight
aromatic
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JP2001013748A
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English (en)
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Satoshi Kanayama
聡 金山
Tatsuhiko Hatakeyama
達彦 畠山
Kenichi Narita
賢一 成田
Masaru Honma
賢 本間
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で且つ耐薬品性に優れ、しかも、耐電離放
射線性にも優れた、主としてポリカーボネート樹脂など
の透明熱可塑性樹脂と特定の共重合ポリエステル樹脂と
から成る熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】透明芳香族熱可塑性樹脂(a)と、少なく
とも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とから成
り且つジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレン
ジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂(b)
と、電離放射線安定剤(c)とを含有し、上記(a)及
び(b)成分の合計量(100重量部)に対し、上記の
各(a)、(b)及び(c)成分の割合がそれぞれ次の
条件を満足する。 【数1】50重量部<(a)≦99.99重量部 0.01重量部≦(b)<50重量部 0.001重量部≦(c)≦20重量部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物、熱可塑性樹脂成型品および医療用部品に関し、詳し
くは、主としてポリカーボネート樹脂などの透明芳香族
熱可塑性樹脂と特定の共重合ポリエステル樹脂とから成
り、耐電離放射線性を有する熱可塑性樹脂組成物、熱可
塑性樹脂成型品および医療用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にエンジニアリングプ
ラスチックは、優れた機械的強度や耐衝撃強度を有する
ことから、各種用途に使用され、特に、安全性が高い点
を活かして医療用製品に使用されている。しかし、例え
ば、ポリエステル樹脂は耐薬品性などに優れているが耐
熱性の点で必ずしも満足できず、また、ポリカーボネー
ト樹脂は透明性や耐熱性に優れているが耐薬品性が不十
分でありその用途が制限されている。
【0003】また、医療用製品に使用される場合は、通
常、完全滅菌が行われる。具体的には、高圧蒸気滅菌
法、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法、ガンマ
線や電子線などの電離放射線の照射による滅菌法などで
ある。このうち、高圧蒸気滅菌法は、エネルギーコスト
が高く且つ滅菌処理後に乾燥工程が必要である。また、
EOG滅菌法は、EOG自身が毒性を有することや廃棄
処理に関連する環境問題などを有する。従って、最近で
は、比較的安価で且つ低温・乾式で処理可能な電離放射
線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌法がよく使用さ
れるようになっている。しかしながら、ポリカーボネー
ト樹脂などの透明芳香族熱可塑性樹脂は、電離放射線の
照射により黄色く変色し、特に医療用途においての製品
価値を損なうという欠点を有している。
【0004】これまでに、ポリカーボネート樹脂の耐薬
品性を改良する目的で各種の樹脂を配合する提案がなさ
れている。例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリ
カーボネートとを溶融混合した熱可塑性材料が特公昭3
6−14035号公報に記載され、ポリテトラメチレン
ナフタレート及び/又はポリヘキサメチレンナフタレー
トを含有するポリカーボネート組成物が特開昭48−9
6646号公報に記載されているが、透明性が低下する
欠点がある。
【0005】また、ポリカーボネートとポリテトラメチ
レンテレフタレートとの樹脂組成物が特開昭48−54
160号公報に記載されているが、ポリテトラメチレン
テレフタレートの配合量を多くすると耐薬品性は改良さ
れるものの透明性が失われる欠点があり、透明で且つ耐
薬品性や耐熱性などに優れる熱可塑性樹脂組成物を得る
ことは困難である。
【0006】電離放射線照射滅菌の際に黄色く変色する
というポリカーボネート樹脂の欠点を解決する方法とし
て、例えば、ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂を配合
する方法(特開平2−55062号公報)、核臭素化フ
タル酸誘導体を配合する方法(特開平5−179127
号公報)、ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂とポリア
ルキレングリコールを配合する方法(特開平2−238
049号公報)、ハロゲン含有ポリカーボネート樹脂と
ポリアルキレングリコールのカルボン酸エステルを配合
する方法(特開平2−265957号公報)が提案され
ているが、黄変防止効果が不充分であったり、添加剤の
配合量を十分な効果が得られるだけ増やすと他の物性に
悪影響を及ぼす等の不具合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであり、その目的は、透明で且つ耐薬品
性に優れ、しかも、耐電離放射線性にも優れた、主とし
てポリカーボネート樹脂などの透明熱可塑性樹脂と特定
の共重合ポリエステル樹脂とから成る熱可塑性樹脂組成
物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、透明芳香族熱可塑性樹脂(a)と、少なくとも2種
類のジカルボン酸成分とジオール成分とから成り且つジ
カルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレンジカルボ
ン酸成分である共重合ポリエステル樹脂(b)と、電離
放射線安定剤(c)とを含有し、上記(a)及び(b)
成分の合計量(100重量部)に対し、上記の各
(a)、(b)及び(c)成分の割合がそれぞれ次の条
件を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に存
する。
【0009】
【数2】50重量部<(a)≦99.99重量部 0.01重量部≦(b)<50重量部 0.001重量部≦(c)≦20重量部
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。先ず、本発明で使用する透明芳香族熱可塑性樹脂
(a)について説明する。本発明における透明芳香族熱
可塑性樹脂は、分子内に芳香環を有し、可視領域の光線
透過率が高い熱可塑性樹脂を指す。具体的には、厚さ3
mmの成形体とした際のJIS R 3106に記載の
可視光線透過率が80%以上であることを意味する。斯
かる透明芳香族熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂など
が好適に使用されるが、ポリスルホン樹脂、ポリエーテ
ルスルホン樹脂、透明ポリアミド樹脂なども使用し得
る。アクリル樹脂の様な透明脂肪族熱可塑性樹脂の場合
は、後述の共重合ポリエステル樹脂(b)との配合によ
り透明性が低下する。
【0011】ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化
合物をホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることに
よって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリ
カーボネートの重合体または共重合体が挙げられる。
【0012】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示され
るビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等
で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィ
ド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド
類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニ
ルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリール
スルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル
ジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリ
ールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これら
の芳香族ジヒドロキシ化合物は、必要に応じ2種以上混
合して使用してもよい。これらの中では特に2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好適に使用さ
れる。
【0013】また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹
脂を得るには、フロログルシン、2,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−
ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−
トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェノール、α,α’,α”−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、3,
3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール
(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビ
スフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノー
ル、5−ブロムイサチンビスフェノール等を使用すれば
よい。
【0014】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤または分子量調節剤を使用してもよい。末端停止
剤または分子量調節剤としては、一価のフェノール性水
酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p
−t−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他
に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロラ
イド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキ
シ安息香酸アルキルエステル、アルキルエーテルフェノ
ール等が例示される。本発明で使用されるポリカーボネ
ート樹脂の場合、末端停止剤または分子量調節剤は、必
要に応じ2種以上混合して使用してもよい。
【0015】ポリカーボネート樹脂の分子量は、メチレ
ンクロライド溶媒中25℃で測定された溶液粘度より換
算した粘度平均分子量として、通常10,000〜10
0,000であり、好ましくは15,000〜50,0
00である。
【0016】ポリアリレートは、芳香族ジカルボン酸と
二価フェノールから成る全芳香族ポリエステル樹脂であ
る。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸およびこれらの混合フタル酸などが挙げられ、
二価フェノールとしては、ビスフェノールAなどが挙げ
られる。ポリアリレートとしては、好ましくは、テレフ
タール酸/イソフタール酸とビスフェノールAから成る
全芳香族ポリエステルが挙げられる。
【0017】ポリスチレン系樹脂としては、スチレン単
量体を重合してなる単独重合体、炭素−炭素二重結合を
有する化合物との共重合体などが挙げられる。炭素−炭
素二重結合を有する化合物としては、具体的には、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸系化合物、無水マレイン酸、マレイミド
系化合物、ブタジエン、イソプレン等が挙げられ、これ
らは、単独で使用しても二種以上を混合して使用しても
よい。斯かるポリスチレン系樹脂の製造方法としては、
乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法など
が挙げられる。当該ポリスチレン系樹脂の重量平均分子
量は、通常100,000〜500,000程度であ
る。重量平均分子量は例えば光散乱法により求めること
が出来る。
【0018】透明芳香族熱可塑性樹脂(a)として特に
ポリカーボネート樹脂が好適に使用される。
【0019】次に、本発明で使用する共重合ポリエステ
ル樹脂(b)について説明する。本発明においては、少
なくとも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とか
ら成り且つ全ジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフ
タレンジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂
を使用する。共重合ポリエステル樹脂を得る方法として
は、例えば、ナフタレンジカルボン酸およびナフタレン
ジカルボン酸以外のジカルボン酸とジオールとを使用し
て共重合する方法が挙げられる。ナフタレンジカルボン
酸やナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸の代わ
りにそれらのエステル形成性誘導体を使用することも出
来る。
【0020】ナフタレンジカルボン酸としては、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナ
フタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン
酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレン
ジカルボン酸などの各種異性体が挙げられる。これらの
ナフタレンジカルボン酸異性体は、必要に応じ2種以上
混合して使用してもよい。これらの中では特に2,6−
ナフタレンジカルボン酸が好適に使用される。
【0021】ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン
酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸およびオキシ酸などが挙げら
れ、好ましくは芳香族ジカルボン酸である。芳香族ジカ
ルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などが挙げられる。
【0022】脂環族ジカルボン酸としては、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの上記
の芳香族ジカルボン酸の核水添化合物が挙げられる。脂
肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸などが挙げられる。オキシ酸としては、
ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシカプロン酸などが挙げ
られる。これらのジカルボン酸成分は、必要に応じ2種
以上混合して使用してもよい。これらのジカルボン酸の
中では、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸が
好ましく、テレフタル酸が更に好ましい。
【0023】ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環
族ジオール、芳香族ジオール、芳香族ジオールのエチレ
ンオキサイド付加物などが挙げられ、好ましくは脂肪族
ジオールである。脂肪族ジオールとしては、エチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−デカ
ンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチル
グリコールの他、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリア
ルキレングリコールが挙げられる。
【0024】脂環族ジオールとしては、1,2−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等が挙げられる。芳香族ジオール
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0025】芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加
物としては、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)スルホン等が挙げられる。これらのジオ
ール成分は、必要に応じ2種以上混合して使用してもよ
い。これらの中では、エチレングリコール及び1,4−
ブタンジオールが好ましく、エチレングリコールが更に
好ましい。
【0026】共重合ポリエステル樹脂(b)におけるジ
カルボン酸成分中のナフタレンジカルボン酸成分の割合
は1〜50モル%である。1モル%未満であると耐薬品
性の改良効果が不充分であり、50モル%を超えると透
明性が低下する。ジカルボン酸成分中のナフタレンジカ
ルボン酸の割合の下限は、好ましくは2モル%以上であ
り、更に好ましくは4モル%以上であり、特に好ましく
は6モル%以上である。ジカルボン酸成分中のナフタレ
ンジカルボン酸の割合の上限は、好ましくは40モル%
以下であり、更に好ましくは25モル%以下である。
【0027】本発明における共重合ポリエステル樹脂
(b)の分子量は、特に限定されないが、テトラクロロ
エタン/フェノール=5/5混合溶媒中30℃で測定さ
れた極限粘度として、通常0.3〜2.0dl/g、好
ましくは0.4〜1.5dl/g、更に好ましくは0.
5〜1.4dl/gである。
【0028】次に、本発明で使用する電離放射線安定剤
(c)について説明する。本発明において電離放射線安
定剤とは、γ線や電子線などの電離放射線照射滅菌の
際、熱可塑性樹脂組成物の変色などの物性の低下を抑え
る作用を有する化合物のことである。本発明で使用し得
る電離放射線安定剤としては、例えば次の表1に列記す
る様な化合物が挙げられる。これらは、単独で使用して
も二種以上を混合して使用してもよい。
【0029】
【表1】(1)ハロゲン化芳香族化合物 (2)ポリアルキレングリコール又はその誘導体 (3)芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂 (4)オキシ基またはカルボニル基を有する芳香族化合
物 (5)環状アセタール基を有する化合物 (6)オキシメチレン単位を有する化合物、置換オキシ
メチレン単位を有する化合物または置換環状エーテル化
合物 (7)スルホン化合物 (8)スルホキシド化合物 (9)スルホン酸系化合物 (10)スルフィド化合物 (11)スルホンアミド化合物 (12)炭素炭素二重結合含有芳香族化合物 (13)紫外線または可視光線により活性ラジカル又は活
性イオンを発生する化合物 (14)芳香族アミン系化合物 (15)窒素を含有する飽和型複素環を有する化合物
【0030】<(1)ハロゲン化芳香族化合物>本発明
においてハロゲン化芳香族化合物は、分子にハロゲン原
子が結合している化合物である。ハロゲン原子として
は、臭素原子、塩素原子、沃素原子などが挙げられる
が、好ましくは、臭素原子および塩素原子、更に好まし
くは臭素原子である。
【0031】ハロゲン化芳香族化合物としては、例え
ば、ハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレン
オキサイド付加物、ハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合
物型エポキシ化合物、ハロゲン化ポリカーボネート等が
挙げられるが、好ましくは、ハロゲン化芳香族ジヒドロ
キシ化合物から誘導される構成単位を分子鎖中に含む化
合物である。
【0032】上記のハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合
物としては、例えば、2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモ
ビスフェノールA)、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−ブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラブロモジフェニルスルフィド、等が挙げら
れるが、好ましくは、2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモ
ビスフェノールA)である。これらのハロゲン化芳香族
ジヒドロキシ化合物は、単独で使用しても二種以上を混
合して使用してもよい。
【0033】上記のハロゲン化ポリカーボネートとして
は、ハロゲン化ポリカーボネートのポリマー、オリゴマ
ー等が挙げられるが、好ましくは、ハロゲン化芳香族ジ
ヒドロキシ化合物から誘導される構成単位を分子鎖中に
含むハロゲン化ポリカーボネートのポリマー及びオリゴ
マーである。
【0034】ハロゲン化ポリカーボネートの製造方法と
しては、二価フェノール化合物とホスゲン又は炭酸ジエ
ステルとを反応させる際、二価フェノール化合物の一部
あるいは全部としてハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合
物類を使用する方法が挙げられる。ハロゲン化ポリカー
ボネートの例としては、(1)ハロゲン化芳香族ジヒド
ロキシ化合物類を芳香族ジヒドロキシ化合物の一部とし
て使用したハロゲン化ポリカーボネートコポリマー、
(2)ハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合物類のみを芳
香族ジヒドロキシ化合物として使用したハロゲン化ポリ
カーボネートホモオリゴマー、(3)ハロゲン化芳香族
ジヒドロキシ化合物類を芳香族ジヒドロキシ化合物の一
部として使用したハロゲン化ポリカーボネートコオリゴ
マー等が挙げられる。
【0035】ホスゲン法によりハロゲン化ポリカーボネ
ートを製造する場合、末端停止剤や分子量調節剤を使用
することが出来る。末端停止剤および分子量調節剤とし
ては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げ
られ、フェノール、p−t−ブチルフェノール、トリブ
ロモフェノール等の他に、長鎖アルキルフェノール、脂
肪族カルボン酸クロライド、芳香族カルボン酸、脂肪族
カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ア
ルキルエーテルフェノール、ハロゲン化フェノール、ハ
ロゲン化芳香族カルボン酸、ハロゲン化脂肪族カルボン
酸などが例示される。これらの末端停止剤および分子量
調節剤は、単独で使用しても二種以上を混合して使用し
てもよい。
【0036】上記のハロゲン化ポリカーボネートの粘度
平均分子量は、メチレンクロライド溶媒中25℃で測定
された溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、通
常1,000〜100,000である。粘度平均分子量
が1,000未満であると成形時に成形品からブリード
アウトし易く、100,000を超えると流動性および
外観特性が低下する。ハロゲン化ポリカーボネートの粘
度平均分子量は、好ましくは2,000〜50,000
であり、更に好ましくは3,000〜40,000であ
る。
【0037】上記のハロゲン化ポリカーボネート成分の
具体例としては、(1)2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(=ビスフェノールA)と2,2,
−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)とを使用
した共重合ポリカーボネート、(2)ビスフェノールA
を用いたポリカーボネート樹脂および前記(1)の共重
合ポリカーボネートの組成物、(3)ビスフェノールA
を使用したポリカーボネート樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールAを使用したポリカーボネートオリゴマーの組
成物、(4)ビスフェノールAを使用したポリカーボネ
ート樹脂およびテトラブロモビスフェノールAとビスフ
ェノールAとを使用した共重合ポリカーボネートオリゴ
マーの組成物などが挙げられる。
【0038】上記のハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合
物のアルキレンオキサイド付加物としては、前記のハロ
ゲン化芳香族ジヒドロキシ化合物とアルキレンオキサイ
ドから得られる化合物であり、具体的には、テトラブロ
モビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加
物、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド4モル付加物などが市販されている。
【0039】上記のハロゲン化芳香族ジヒドロキシ化合
物型エポキシ化合物としては、前記のハロゲン化芳香族
ジヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンとの縮合物で
あり、一般にはハロゲン化フェノキシ樹脂またはハロゲ
ン化ビスフェノール型エポキシ樹脂として市販されてい
る。
【0040】<(2)ポリアルキレングリコール又はそ
の誘導体>本発明においてポリアルキレングリコール又
はその誘導体とは、ポリアルキレングリコール、ポリア
ルキレングリコールのエーテルまたはポリアルキレング
リコールのエステルである。
【0041】上記のポリアルキレングリコール又はその
誘導体の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレング
リコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールド
デシルエーテル、ポリエチレングリコールベンジルエー
テル、ポリエチレングリコールジベンジルエーテル、ポ
リエチレングリコール−4−ノニルフェニルエーテル、
ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
メチルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールドデシルエーテル、
ポリプロピレングリコールベンジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジベンジルエーテル、ポリプロピレン
グリコール−4−ノニルフェニルエーテル、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリエチレングリコールジ酢酸エ
ステル、ポリエチレングリコール酢酸プロピオン酸エス
テル、ポリエチレングリコールジ酪酸エステル、ポリエ
チレングリコールジステアリン酸エステル、ポリエチレ
ングリコールジ安息香酸エステル、ポリエチレングリコ
ールジ−2、6−ジメチル安息香酸エステル、ポリエチ
レングリコールジ−p−tert−ブチル安息香酸エス
テル、ポリエチレングリコールジカプリル酸エステル、
ポリプロピレングリコールジ酢酸エステル、ポリプロピ
レングリコール酢酸プロピオン酸エステル、ポリプロピ
レングリコールジ酪酸エステル、ポリプロピレングリコ
ールジステアリン酸エステル、ポリプロピレングリコー
ルジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジ−
2、6−ジメチル安息香酸エステル、ポリプロピレング
リコールジ−p−tert−ブチル安息香酸エステル、
ポリプロピレングリコールジカプリル酸エステル等が挙
げられる。これらのポリアルキレングリコール、ポリア
ルキレングリコールのエーテル又はポリアルキレングリ
コールのエステルは、単独で使用しても二種以上を混合
して使用してもよい。
【0042】<(3)芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂
>本発明において芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂と
は、芳香族炭化水素と、アルデヒドとを酸触媒の存在下
に反応させて得られる樹脂である。
【0043】上記の芳香族炭化水素の具体例としては、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メチ
ルエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチル
ベンゼン、クメン等の単環芳香族炭化水素化合物、ナフ
タレン、メチルナフタレン、エチルナフタレン、ジメチ
ルナフタレン、アセナフテン、アントラセン等の多環芳
香族炭化水素化合物が挙げられる。これらの芳香族炭化
水素化合物は、単独で使用しても二種以上を混合して使
用してもよい。これらの中では、特に、トルエン、キシ
レン、メシチレン、プソイドクメン、ナフタレンが好適
に使用される。
【0044】上記のアルデヒドの具体例としては、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレル
アルデヒド、ラウリンアルデヒド、ステアリンアルデヒ
ド等で例示される飽和脂肪族アルデヒド類;グルオキサ
ール、スクシンジアルデヒド等で例示される脂肪族多価
アルデヒド類;アクロレイン、クロトンアルデヒド、プ
ロピオールアルデヒド等で例示される不飽和脂肪族アル
デヒド類;ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、サリチ
ルアルデヒド、シンナムアルデヒド、ナフトアルデヒド
等で例示される芳香族アルデヒド類;フルフラール等で
例示される複素環式アルデヒド類;メチラール、ジオキ
ソラン、トリオキサン、テトラオキサン、パラホルムア
ルデヒド、パラアルデヒド、メタアルデヒド等で例示さ
れるアルデヒド誘導体などが挙げられる。これらのアル
デヒドは、単独で使用しても二種以上を混合して使用し
てもよい。これらの中では、特に、ホルムアルデヒド、
トリオキサン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ドが好適に使用される。
【0045】上記の芳香族炭化水素ーアルデヒド樹脂
は、多くの種類が存在し、それらは、市販品として容易
に入手することが可能である。具体的には、三菱ガス化
学株式会社から「ニカノ−ルDS」、「ニカノール
S」、「ニカノールK」、「ニカノールH」、「ニカノ
ールL」、「ニカノールG」、「ニカノールY」の商品
名で提供されるもの、ゼネラル石油化学株式会社から
「ゼネライト6010」、「ゼネライト5100」の商
品名で提供されるものが挙げられる。また、例えば、特
開昭60−51133号、特開昭61−223016
号、特開昭61−213216号、特開昭63−196
616号、特開平4−224825号、特開平4−33
5014号、特開平5−186544号、特開平6−1
36081号などの各公報に記載された方法によって製
造することも出来る。これらの芳香族炭化水素ーアルデ
ヒド樹脂は、単独で使用しても二種以上を混合して使用
してもよい。
【0046】<(4)オキシ基またはカルボニル基を有
する芳香族化合物>本発明におけるオキシ基あるいはカ
ルボニル基を有する芳香族化合物とは、具体的には、芳
香環に直接または一つの炭素原子を介し、オキシ基また
はカルボニル基が結合した構造を有する化合物である。
【0047】上記のオキシ基またはカルボニル基を有す
る芳香族化合物の具体例としては、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコール、p−メチルベンジルアルコ
ール、1,4−ビスヒドロキシメチルベンゼン、ジフェ
ニルエーテル、ジベンジルエーテル、ベンジルメチルエ
ーテル、ベンジルフェニルエーテル、ベンジルナフチル
エーテル、1,4−ベンゾジオキサン、1,2ーメチレ
ンジオキシベンゼン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンズヒドロール、ヒドロベンゾイン、1,4
−ビスメトキシメチルベンゼン、ピペロニルアルコー
ル、ベンゾフェノン、ジベンジルケトン、ベンジルメチ
ルケトン、ベンジルフェニルケトン、ベンジルトリルケ
トン、ベンジルナフチルケトン、ジベンゾイル、ベンゾ
イルシクロブタン、ベンゾイルプロパン、ベンゾインエ
チルエーテル、1,2ージベンゾイルベンゼン、1,4
ービスメトキシメチルベンゼン、フェニル酢酸ベンジル
エステル、安息香酸ベンジルエステル、フタル酸ベンジ
ルブチルエステル、フタル酸ジシクロヘキシルエステ
ル、ベンジルジメチルケタール、ジベンゾイルメタン、
ジベンゾイルプロパン、1,2ージベンジロキシエタ
ン、ヒドロキノンジベンジルエーテル、o−キシリレン
オキシド等が挙げられる。これらのオキシ基またはカル
ボニル基を有する芳香族化合物は、単独で使用しても二
種以上を混合して使用してもよい。
【0048】<(5)環状アセタール基を有する化合物
>本発明において環状アセタール基を有する化合物と
は、複素環化合物の一種であり、同一環内で二つのオキ
シ基が一つの炭素原子を介して結合している構造を有す
る化合物である。
【0049】上記の環状アセタール基を有する化合物の
具体例としては、2,2’−エチレンビス−1,3−ジ
オキソラン、2,2’−トリメチレンビス−1,3−ジ
オキソラン、2,2’−フェニレンビス−1,3−ジオ
キソラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3
−ジオキソラン、2−メチル−4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、2−ペンチル−4−メチル−1,3−ジオ
キソラン、2−n−ヘキシル−1,3−ジオキソラン、
2−オクチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2
−メトキシ−1,3−ジオキソラン、2−クロロメチル
−1,3−ジオキソラン、2−ブロモメチル−1,3−
ジオキソラン、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジ
オキソラン、2−アミノメチル−1,3−ジオキソラ
ン、2−(2−アミノエチル)−1,3−ジオキソラ
ン、2−フェニル−1,3−ジオキソラン、2−フェニ
ル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4−フェニル
−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチル)
−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチル)
−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−
1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−メチル−
1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4,4−ジメチ
ル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−ヒドロ
キシメチル−1,3−ジオキソラン、2−{2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ}−1,3−ジオキソラ
ン、2−ベンジル−4,4−ジメチル−1,3−ジオキ
サン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、2−ベンジ
ル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン等が挙げら
れる。これらの環状アセタール基を有する化合物は、単
独で使用しても二種以上を混合して使用してもよい。
【0050】<(6)オキシメチレン単位を有する化合
物、置換オキシメチレン単位を有する化合物または置換
環状エーテル化合物>本発明においてオキシメチレン単
位を有する化合物または置換オキシメチレン単位を有す
る化合物または置換環状エーテル化合物とは、少なくと
も三個の酸素原子と二個の炭素原子が交互に結合した構
造を有する化合物である。
【0051】上記のオキシメチレン単位を有する化合物
または置換オキシメチレン単位を有する化合物または置
換環状エーテル化合物の具体例としては、トリオキサ
ン、パラアルデヒド、メタアクロレイン、メタアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、ポリアセタール、2、5−
ジメトキシテトラヒドロフラン、2,5−ジエトキシテ
トラヒドロフラン、2,5−ジフェノキシテトラヒドロ
フラン、2,5−ジメトキシ−3−ホルミルテトラヒド
ロフラン、2,5−ジメトキシ−2,5−ジヒドロフラ
ン、2,6−ジメトキシテトラヒドロピラン、2,6−
ジエトキシテトラヒドロピラン等が挙げられる。これら
のオキシメチレン単位を有する化合物または置換オキシ
メチレン単位を有する化合物または置換環状エーテル化
合物は、単独で使用しても二種以上を混合して使用して
もよい。
【0052】<(7)スルホン化合物>本発明において
スルホン化合物とは、分子内に二酸化硫黄構造を有する
化合物である。
【0053】上記のスルホン化合物の具体例としては、
ジメチルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスル
ホン、ジヒドロキシフェニルスルホン、ジトリルスルホ
ン、ジキシリルスルホン、ジメシチルスルホン、ジニト
ロフェニルスルホン、ジアミノフェニルスルホン、ジク
ロロフェニルスルホン、ジメトキシフェニルスルホン、
ジビニルスルホン、ジシクロヘキシルスルホン、ジベン
ジルスルホン、1−プロペニルメチルスルホン、メチル
フェニルスルホン、メチルトリルスルホン、メチルシク
ロヘキシルスルホン、メチルメトキシフェニルスルホ
ン、メチルクロロフェニルスルホン、メチルアリルスル
ホン、メチルベンジルスルホン、フェニルアリルスルホ
ン、フェニルトリルスルホン、フェニルキシリルスルホ
ン、フェニルメトキシフェニルスルホン、フェニルビニ
ルスルホン、フェニルベンジルスルホン、フェニルスチ
リルスルホン、フェニルシンナミルスルホン、トリメチ
ル−3−(フェニルスルホニル)オルソプロピオネー
ト、フェニルメトキシメチルスルホン、フェニルフェノ
キシメチルスルホン、フェニルアセトニルスルホン、フ
ェニルフェナシルスルホン、フェニルシクロヘキシルス
ルホン、フェニルメチルベンゼンスルホン、フェニルメ
トキシカルボニルスルホン、トリルアリルスルホン、ト
リルブチルスルホン、トリルフェナシルスルホン、トリ
ルベンジルスルホン、トリルアミノフェニルスルホン、
トリルクロロベンジルスルホン、4−(トルエンスルホ
ニル)ブタン−2−オン、ベンジルアリルスルホン、ト
リメチレンスルホン、テトラメチレンスルホン、ペンタ
メチレンスルホン、ベンゾチオフェンジオキシド、ジベ
ンゾチオフェンジオキシド、チオキサンセン−9,9−
ジオキシド、2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキシド、4−ブチルチアンー1,1−ジオキシド、ビ
ス(メチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(メチル
スルホニル)プロパン、ビス(フェニルスルホニル)メ
タン、1,2−ビス(フェニルスルホニル)エタン、
1,2−ビス(フェニルスルホニル)エチレン、フェニ
ルスルホニルベンジルスルホニルフェニルメタン、1,
4−チオキサン−1、1−ジオキシド等が挙げられる。
これらのスルホン化合物は、単独で使用しても二種以上
を混合して使用してもよい。
【0054】<(8)スルホキシド化合物>本発明にお
いてスルホキシド化合物とは、分子内に一酸化硫黄構造
を有する化合物である。
【0055】上記のスルホキシド化合物の具体例として
は、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホキシド、ジヒドロキシフェニルスルホキ
シド、ジトリルスルホキシド、ジベンジルスルホキシ
ド、ジビニルスルホキシド、ジキシリルスルホキシド、
ジメシチルスルホキシド、ジニトロフェニルスルホキシ
ド、ジアミノフェニルスルホキシド、ジクロロフェニル
スルホキシド、ジメトキシフェニルスルホキシド、ジシ
クロヘキシルスルホキシド、1−プロペニルメチルスル
ホキシド、メチルシクロヘキシルスルホキシド、メチル
フェニルスルホキシド、メチルトリルスルホキシド、メ
チルメトキシフェニルスルホキシド、メチルクロロフェ
ニルスルホキシド、メチルカルボキシフェニルスルホキ
シド、メチルアリルスルホキシド、メチルベンジルスル
ホキシド、フェニルアリルスルホキシド、フェニルトリ
ルスルホキシド、フェニルキシリルスルホキシド、フェ
ニルメトキシフェニルスルホキシド、フェニルビニルス
ルホキシド、フェニルベンジルスルホキシド、フェニル
スチリルスルホキシド、フェニルシンナミルスルホキシ
ド、トリメチル−3−(フェニルスルフィニル)オルソ
プロピオネート、フェニルメトキシメチルスルホキシ
ド、フェニルフェノキシメチルスルホキシド、フェニル
アセトニルスルホキシド、フェニルフェナシルスルホキ
シド、フェニルシクロヘキシルスルホキシド、フェニル
メチルベンジルスルホキシド、フェニルメトキシカルボ
ニルスルホキシド、トリルベンジルスルホキシド、トリ
ルブチルスルホキシド、トリルフェナシルスルホキシ
ド、トリルブトキシスルホキシド、トリルアリルスルホ
キシド、トリルアミノフェニルスルホキシド、トリルク
ロロベンジルスルホキシド、4−(トルエンスルフィニ
ル)ブタン−2−オン、ベンジルアリルスルホキシド、
2−ピリジルベンジルスルホキシド、アセトニルニトロ
フェニルスルホキシド、トリメチレンスルホキシド、テ
トラメチレンスルホキシド、ペンタメチレンスルホキシ
ド、ベンゾチオフェン−1−オキシド、ジベンゾチオフ
ェン−1−オキシド、チオキサンセン−9−オキシド、
2,5−ジヒドロチオフェン−1−オキシド、4−ブチ
ルチアン−1−オキシド、ビス(メチルスルフィニル)
メタン、2,2−ビス(メチルスルフィニル)プロパ
ン、ビス(フェニルスルフィニル)メタン、1,2−ビ
ス(フェニルスルフィニル)エタン、1,2−ビス(フ
ェニルスルフィニル)エチレン、フェニルスルフィニル
ベンジルスルフィニルフェニルメタン、1,4−ジチア
ン−1,4−ジオキシド、ポリテトラメチレンスルホキ
シド、ポリヘキサメチレンスルホキシド等が挙げられ
る。これらのスルホキシド化合物は、単独で使用しても
二種以上を混合して使用してもよい。
【0056】<(9)スルホン酸系化合物>本発明にお
いてスルホン酸系化合物とは、分子内に三酸化硫黄構造
を有する化合物である。
【0057】上記のスルホン酸系化合物の具体例として
は、ベンゼンスルホン酸メチルエステル、ベンゼンスル
ホン酸フェニルエステル、トルエンスルホン酸メチルエ
ステル、トルエンスルホン酸エチルエステル、トルエン
スルホン酸ブチルエステル、トルエンスルホン酸フェニ
ルエステル、トルエンスルホン酸ベンジルエステル、ト
ルエンスルホン酸フェネチルエステル、トルエンスルホ
ン酸ナフチルエステル、キシレンスルホン酸メチルエス
テル、キシレンスルホン酸フェニルエステル、メシチレ
ンスルホン酸メチルエステル、メシチレンスルホン酸フ
ェニルエステル、ベンゼンジスルホン酸メチルエステ
ル、ベンゼンジスルホン酸フェニルエステル、ジフェニ
ルスルホン−3−スルホン酸メチルエステル、ジフェニ
ルスルホン−3−スルホン酸フェニルエステル、ベンゼ
ンスルホン酸メトキシエチルエステル、トルエンスルホ
ン酸メトキシメチルエステル、トルエンスルホン酸メト
キシエチルエステル、トルエンスルホン酸エトキシエチ
ルエステル、トルエンスルホン酸ブトキシエチルエステ
ル、トルエンスルホン酸フェノキシエチルエステル、ト
ルエンスルホン酸ベンジロキシエチルエステル、キシレ
ンスルホン酸メトキシエチルエステル、メシチレンスル
ホン酸メトキシエチルエステル、トルエンスルホン酸ブ
トキシエトキシエチルエステル、トルエンスルホン酸フ
ェノキシエトキシエチルエステル、トルエンスルホン酸
ベンジロキシエトキシエチルエステル、ビストシルオキ
シメタン、1,2−ビストシルオキシエタン、ジエチレ
ングリコールジ−パラ−トシレ−ト、テトラエチレング
リコールジ−パラ−トシレ−ト、ナフタレンスルホン酸
メチルエステル、ナフタレンスルホン酸フェニルエステ
ル、ナフタレンジスルホン酸ジフェニルエステル、1,
8ーナフチスルトン、ベンゼンスルホン酸テトラメチル
ホスホニウム、ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホ
ニウム、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム、ベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム、
ベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム、ベン
ゼンスルホン酸テトラデシルホスホニウム、トルエンス
ルホン酸テトラメチルホスホニウム、トルエンスルホン
酸テトラエチルホスホニウム、トルエンスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム、トルエンスルホン酸テトラヘキ
シルホスホニウム、トルエンスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム、トルエンスルホン酸テトラデシルホスホ
ニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルホス
ホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホ
スホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキ
シルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
オクチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラデシルホスホニウム、ベンゼンスルホン酸テトラメ
チルアンモニウム、ベンゼンスルホン酸テトラデシルア
ンモニウム、ベンゼンスルホン酸トリメチルベンジルア
ンモニウム、トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニ
ウム、トルエンスルホン酸テトララウリルアンモニウ
ム、トルエンスルホン酸トリエチルベンジルアンモニウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラプロピルアンモ
ニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルベン
ジルアンモニウム等が挙げられる。これらのスルホン酸
エステル基を有する化合物は、単独で使用しても二種以
上を混合して使用してもよい。
【0058】<(10)スルフィド化合物>本発明におい
てスルフィド化合物とは、一つ以上の硫黄原子を介して
炭素原子が結合している構造を有する化合物である。
【0059】上記のスルフィド化合物の具体例として
は、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメ
チルトリスルフィド、ジエチルスルフィド、ジビニルス
ルフィド、ジフェニルスルフィド、ジフェニルジスルフ
ィド、ジフェニルトリスルフィド、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ジトリルスルフィド、ジトリルジ
スルフィド、ビス(ニトロフェニル)スルフィド、ビス
(アミノフェニル)スルフィド、ビス(クロロフェニ
ル)スルフィド、ビス(メトキシフェニル)スルフィ
ド、ジベンゾイルスルフィド、ジベンゾイルジスルフィ
ド、ジベンジルスルフィド、ジベンジルジスルフィド、
ジベンジルトリスルフィド、ジベンジルテトラスルフィ
ド、ジベンジルペンタスルフィド、ジベンジルヘキサス
ルフィド、ジベンジルヘプタスルフィド、ジベンジルオ
クタスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド、ジシク
ロヘキシルジスルフィド、メチルシクロヘキシルスルフ
ィド、メチルフェニルスルフィド、メチルアリルスルフ
ィド、メチルベンジルスルフィド、フェニルアリルスル
フィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルベンジル
スルフィド、フェニルスチリルスルフィド、フェニルシ
ンナミルスルフィド、フェニルベンゾイルスルフィド、
フェニルフェナシルスルフィド、フェニルシクロヘキシ
ルスルフィド、トリルベンジルスルフィド、ベンジルア
リルスルフィド、トリメチレンスルフィド、トリメチレ
ンジスルフィド、テトラメチレンスルフィド、テトラメ
チレンジスルフィド、ペンタメチレンスルフィド、チオ
フェン、4H−チイン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチ
オフェン、チアクロマン、チアキサンテン、ジエチルチ
オアセタール、α−フェニル−ジエチルチオアセター
ル、1、1−ビス(エチルチオ)プロパン、1、1−ビ
ス(エチルチオ)プロペン、1、4−ビス(メチルジチ
オ)シクロヘキサン、1,3−ジチオラン、1,3−ジ
チアン、1,4−ジチアン、1,4−ジチエン、1,4
−ジチアジエン、チアントレン、1,3,5−トリチア
ン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これら
のスルフィド化合物は、単独で使用しても二種以上を混
合して使用してもよい。
【0060】<(11)スルホンアミド化合物>本発明に
おいてスルホンアミド化合物とは、スルホン酸とアミン
から誘導される二酸化硫黄と窒素原子が結合した構造を
有する化合物である。
【0061】上記のスルホンアミド化合物の具体例とし
ては、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル−
N−メチルアミド、o−ベンゾイック−スルホイミド、
o−ベンゾイック−N−メチルスルホイミド、o−ベン
ゾイック−N−エチルスルホイミド、o−ベンゾイック
−N−フェニルスルホイミド、o−ベンゾイック−N−
ベンジルスルホイミド、o−ナフタレンカルボキシリッ
ク−スルホイミド、o−ナフタレンカルボキシリック−
N−メチルスルホイミド、o−ナフタレンカルボキシリ
ック−N−エチルスルホイミド、o−ナフタレンカルボ
キシリック−N−フェニルスルホイミド、o−ナフタレ
ンカルボキシリック−N−ベンジルスルホイミド、トル
エンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホンアニリ
ド、トルエンスルホニル−N−ブチルアミド、トルエン
スルホニル−N−ジエチルアミド、トルエンスルホニル
−N−エチルアミド、1−(p−トルエンスルホニル)
ピロール、1−(p−トルエンスルホニル)イミダゾー
ル等が挙げられる。これらのスルホンアミド系化合物
は、単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよ
い。
【0062】<(12)炭素炭素二重結合含有芳香族化合
物>本発明において炭素炭素二重結合含有芳香族化合物
とは分子内に芳香環と炭素炭素二重結合を有する化合物
である。
【0063】上記の炭素炭素二重結合含有芳香族化合物
の具体例としては、シンナミルアルコール、シンナムア
ルデヒド、メトキシシンナムアルデヒド、シンナミルメ
チルエーテル、シンナミルエチルエーテル、シンナミル
アリルエーテル、シンナミルフェニルエーテル、シンナ
ミルベンジルエーテル、シンナミルナフチルエーテル、
シンナミルメチルケトン、シンナミルエチルケトン、シ
ンナミルアリルケトン、シンナミルフェニルケトン、シ
ンナミルベンジルケトン、酢酸シンナミルエステル、プ
ロピオン酸シンナミルエステル、酪酸シンナミルエステ
ル、安息香酸シンナミルエステル、ケイ皮酸メチルエス
テル、メチルケイ皮酸メチルエステル、ケイ皮酸エチル
エステル、ケイ皮酸ビニルエステル、ケイ皮酸アリルエ
ステル、ケイ皮酸フェニルエステル、ケイ皮酸ベンジル
エステル、ケイ皮酸シンナミルエステル、ケイ皮酸ナフ
チルエステル、炭酸シンナミルメチル、炭酸シンナミル
フェニル、アリルベンゼン、アリルフェニルエーテル、
安息香酸アリルエステル、フェニル酢酸アリルエステル
等が挙げられる。これらの炭素炭素二重結合含有芳香族
化合物は、単独で使用しても二種以上を混合して使用し
てもよい。
【0064】<(13)紫外線または可視光線により活性
ラジカルまたは活性イオンを発生する化合物>本発明に
おいて紫外線または可視光線により活性ラジカルまたは
活性イオンを発生する化合物とは、波長100〜600
nmの光を吸収して活性ラジカル種や活性イオン種を発
生する化合物であり、一般に、光重合における開始剤と
して使用される化合物である。光の波長としては、通常
200〜500nmであり、好ましくは250〜450
nmである。紫外線または可視光線により活性ラジカル
または活性イオンを発生する化合物としては、好ましく
は、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、チオキサントン系化合物、リン系化合物、アクリド
ン系化合物およびジカルボニル系化合物等が挙げられ
る。これらの紫外線または可視光線により活性ラジカル
または活性イオンを発生する化合物は、単独で使用して
も二種以上を混合して使用してもよい。
【0065】上記のアセトフェノン系化合物とは、芳香
環と炭化水素基がカルボニル基を介して結合した構造を
有する化合物でり、その具体例としては、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−
(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−
ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノ
フェニル)−1−ブタノン、2−ヒドロキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、アニソイン、4,4’−ジメチル
ベンゾイン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−
プロポキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソブ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。
【0066】上記のベンゾフェノン系化合物とは、二つ
の芳香環がカルボニル基を介して結合した構造を有する
化合物であり、その具体例としては、2−メチルベンゾ
フェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベン
ゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,5−ジ
メチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノ
ン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、2,4,6−
トリメチルベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベ
ンゾエート、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
サルファイド等が挙げられる。
【0067】上記のチオキサントン系化合物とは、二つ
の芳香環がカルボニル基とチオエーテル基を介して結合
した複素環構造を有する化合物であり、その具体例とし
ては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオ
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げ
られる。
【0068】上記のリン系化合物とは、二つの芳香環が
直接に又は一つの芳香環がカルボニル基を介してリン原
子に結合した一酸化リン化合物であり、その具体例とし
ては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキサイド等が挙げられる。
【0069】上記のアクリドン系化合物とは二つの芳香
環がカルボニル基と窒素原子を介して結合した複素環構
造を有する化合物であり、その具体例としては、9(1
0H)−アクリドン等が挙げられる。
【0070】上記のジカルボニル系化合物とは分子内に
二つ以上のカルボニル基を有する化合物であり、その具
体例としては、メチル−ベンゾイルフォルメート、エチ
ル−ベンゾイルフォルメート、ベンジル、アンスラキノ
ン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンス
レンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
【0071】紫外線または可視光線により活性ラジカル
または活性イオンを発生する化合物は、増感剤と共に使
用することも出来る。斯かる増感剤としては、例えば、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ト
リイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジメチルパラトルイジン、メチル−4−ジ
メチルアミノベンゾエート、エチル−4−ジメチルアミ
ノベンゾエート、イソアミル−4−ジメチルアミノベン
ゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベ
ンゾエート、2−ジメチルアミノエチル−ベンゾエー
ト、2−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエ
ート、エチル−2−ジメチルアミノベンゾエート、4−
ジメチルアミノベンゾイン、4−ジメチルアミノアセト
フェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,
4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2ージ
メチルアミノ−9−フルオレノン等が挙げられる。
【0072】<(14)芳香族アミン系化合物>本発明に
おいて芳香族アミン系化合物とはカルボニル基および/
またはカルボキシ基を有する三級アミン類化合物であ
る。
【0073】上記の芳香族アミン系化合物の具体例とし
ては、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノ−1
−ナフトアルデヒド、3−ジメチルアミノ安息香酸、4
−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジエチルアミノ安息香
酸、メチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル
−4−ジメチルアミノベンゾエート、イソアミル−4−
ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4
−ジメチルアミノベンゾエート、2−ブトキシエチル−
4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−2−ジメチ
ルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノベンゾイ
ン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、4−ジメチル
アミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、2ージメチルアミノ−9−フルオ
レノン等が挙げられる。これらの芳香族アミン系化合物
は、単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよ
い。
【0074】<(15)窒素を含有する飽和型複素環を有
する化合物>本発明において窒素を含有する飽和型複素
環を有する化合物とは、ピペリジン環、ピペラジン環、
モルホリン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環またはイ
ミダゾリジン環を一つ以上有する化合物が挙げられる。
【0075】本発明における窒素を含有する飽和型複素
環を有する化合物の具体例としては、ピペリジン、4−
ベンジルピペリジン、N−メチルピペリジン、1−エチ
ルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシピペリジ
ン、1−フェニルピペリジン、1−ピペリジンエタノー
ル、1−(2,2−ジエトキシエチル)ピペリジン、
4’−ピペリジノアセトフェノン、3−ピペリジノ−
1,2−プロパンジオール、エチル−1−メチル−3−
ピペリジンカルボキシレート、エチル−1−メチル−2
−ピペリジンカルボキシレート、エチル−3−メチル−
1−ピペリジンプロピオネート、エチル−4−ピペリジ
ンカルボキシレート、エチル−3−ピペリジンカルボキ
シレート、エチル−2−ピペリジンカルボキシレート、
エチル−1−ピペリジンアセテート、エチル−1−ピペ
リジンプロピオネート、1−アセチルピペリジン、1−
アセチル−3−メチルピペリジン、1−ホルミルピペリ
ジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリ
ン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメ
チルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、N−メ
チルピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、N−
(ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−ベンジルピペラ
ジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジ
ン、1−アセチルピペラジン、t−ブチル−1−ピペラ
ジンカルボキシレート、エチル−1−ピペラジンカルボ
キシレート、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリ
ン、4−メチルモルホリン、4−フェニルモルホリン、
4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、4’−モル
ホリノアセトフェノン、4−モルホリノベンゾフェノ
ン、フォモカイン、4−(2,5−ジエトキシ−4−ニ
トロフェニル)モルホリン、メチルモルホリンプロピオ
ネート、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モルホリ
ノプロピオフェノン、4−ホルミルモルホリン、1−ア
セチルモルホリン、1−アセトアセチルモルホリン、ピ
ロリジン、1−ブチルピロリジン、t−ブチル−1−ピ
ロリジンカルボキシレート、1−エチルピペリジン、1
−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、1−アセチル
ピロリジン、2−ピペリドン、1−ベンジル−4−ピペ
リドン、1−カルボエトキシ−4−ピペリドン、1−ベ
ンジル−2−ピロリジノン、1−ベンジル−3−ピロリ
ジノン、1−エチル−2−ピロリジノン、1−オクチル
−2−ピロリジノン、エチル−1−アゼチジンプロピオ
ネート、デカハイドロキノリン、5−エチル−1−アザ
−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、
ピラゾリジン、イミダゾリジン、1,3−ジ(4−ピペ
リジル)プロパン、1,1’−メチレンビス(3−メチ
ルピペリジン)、ジピペリジノメタン、4,4’−トリ
メチレンビス(1−メチルピペリジン)、ビス(ペンタ
メチレン)ウレア、1,1’−カルボニルジピロリジン
等が挙げられる。また、窒素を含有する飽和型複素環を
有する化合物としては、HALSとして一般に知られて
いる各種のヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられ
る。これらの窒素を含有する飽和型複素環を有する化合
物は、単独で使用しても二種以上を混合して使用しても
よい。
【0076】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
前記(a)及び(b)成分の合計量(100重量部)に
対し、前記(a)及び(b)成分の割合がそれぞれ次の
条件を満足する必要がある。
【0077】
【数3】50重量部<(a)≦99.99重量部 0.01重量部≦(b)<50重量部
【0078】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物に
おいては、透明芳香族熱可塑性樹脂(a)が50重量部
を超えるリッチ成分でなければならない。また、共重合
ポリエステル樹脂(b)の割合が0.01重量部未満で
あると耐薬品性の改良効果が不充分であり、50重量部
以上の場合は耐熱性が不充分となる。透明芳香族熱可塑
性樹脂(a)の割合の下限は、好ましくは55重量部、
更に好ましくは60重量部、特に好ましくは65重量部
である。透明芳香族熱可塑性樹脂(a)の割合の上限
は、好ましくは99.9重量部、更に好ましくは99.
8重量部、特に好ましくは99.5重量部である。
【0079】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
ては、前記(a)及び(b)成分の合計量(100重量
部)に対し、前記(c)成分の割合が次の条件を満足す
る必要がある。
【0080】
【数4】0.001重量部≦(c)≦20重量部
【0081】電離放射線安定剤(c)の割合(ハロゲン
化芳香族化合物の場合はそれに由来するハロゲン原子の
割合)が0.001重量部未満であると電離放射線に対
する黄変度の改良効果が不十分であり、20重量部を超
えると機械物性や耐熱性が低下する。電離放射線安定剤
(c)の割合の下限は、好ましくは0.01重量部、更
に好ましくは0.05重量部、特に好ましくは0.1重
量部である。電離放射線安定剤(c)の割合の上限は、
好ましくは15重量部、更に好ましくは10重量部であ
る。
【0082】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方
法としては、最終成形品を成形する直前までの任意の段
階で、当業者に周知の種々の方法によって配合し混練す
る方法が挙げられる。配合方法としては、例えば、タン
ブラー、ヘンシェルミキサー等を使用する方法、フィー
ダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合する
方法などが挙げられる。混練方法としては、一軸押出
機、二軸押出機などを使用する方法が挙げられる。
【0083】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その目
的に応じ、所望の特性を付与する他のポリマー、難燃
剤、耐衝撃改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発
泡剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭
素繊維、繊維状マグネシウム、チタン酸カリウムウィス
カー、セラミックウィスカー、マイカ、タルク等の補強
剤、充填剤、染顔料などの一種または二種以上を含有さ
せてもよい。
【0084】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、ブロー成形など、慣用の成形方法に従って、所望の
成形品とすることが出来る。本発明の熱可塑性樹脂組成
物から成る成型品の用途としては、例えば、シート、フ
ィルム、雑貨、家電部品、自動車部品、建築材料、中空
容器などが挙げられる。更に具体的には、アーケード、
カーポート、屋内プール等の屋根用パネル、表示板カバ
ー、スイッチボタン、表示ボタン、表示パネル、メータ
ーパネル等の透過光式成型品、デリニエーター、信号
灯、遮音壁、自動車のサイドウィンドー、リアクオータ
ーウィンドー、サンルーフ、リアパネルガーニッシュ、
ヘッドランプレンズ、テールランプ等の自動車部品、鉄
道用灯具カバー、カメラレンズ、電話ジャック、リレー
カバー、端子台カバー、太陽電池ハウジング、アイロン
水タンク、コントロールボックス、パチンコ用玉入れケ
ース、飾り治具、スキー用などのゴーグル、保護眼鏡、
保護面体、人口透析器、人口肺ケース及びそのキャップ
並びにコネクター、ミネラルウォーターボトル、街灯カ
バー等が挙げられる。
【0085】特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物を適用
することが望まれている医療用成形品としては、具体的
には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入装置、静脈用コ
ネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウル、外科用具、手
術室用具、酸素を血液に供給するチューブ、チューブの
接続具、心臓プローブ、注射器、外科用具、手術室器
具、静脈注射液などを入れる容器などが挙げられる。
【0086】本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる
成形品のヘーズは、厚さ3mmの試験片での測定値とし
て、通常17%以下、好ましくは15%以下、更に好ま
しくは10%以下である。本発明の熱可塑性樹脂組成物
から得られる成形品の荷重撓み温度は、通常90℃以上
であり、好ましくは100℃以上である。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用
した原材料および評価方法は次の通りである。
【0088】<透明熱可塑性樹脂> (1)ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリングプ
ラスチックス株式会社製「ユーピロン S−2000」
(粘度平均分子量25,000)
【0089】<ポリエステル樹脂(実施例用)> (1)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「ノバペックス NC102Z」:ナフタレンジカルボ
ン酸8モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、
極限粘度0.81 (2)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「N31PET」:ナフタレンジカルボン酸31モル%
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、極限粘度0.
50
【0090】<ポリエステル樹脂(比較例用)> (1)ポリエチレンテレフタレート樹脂:三菱化学株式
会社製「ノバペックスGS400」極限粘度0.70 (2)共重合ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製
「ノバペックス NC900Z」:ナフタレンジカルボ
ン酸92モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹
脂、極限粘度0.61 (3)ポリエステル樹脂:三菱化学株式会社製「ノバペ
ックス FS405Z」:ポリエチレンナフタレート樹
脂、極限粘度0.70
【0091】<電離放射線安定剤> (1)ハロゲン化ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニ
アリングプラスチックス株式会社製「ユーピロン N−
3」(臭素含有量4.46重量%、粘度平均分子量2
5,000) (2)ハロゲン化ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニ
アリングプラスチックス株式会社製「ユーピロン FR
−53」(臭素含有量58.8%、粘度平均分子量7,
300) (3)ポリアルキレングリコール類化合物:日本油脂株
式会社製「ユニオールD−2000」(ポリプロピレン
グリコール;ジオール型) (4)ポリアルキレングリコール類化合物:日本油脂株
式会社製「ユニセーフNKL−9520」(ポリプロピ
レングリコール;ジステアレート型) (5)芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂:三菱ガス化学
株式会社製「ニカノールDS」(アセタール基は検出さ
れず) (6)芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂:三菱ガス化学
株式会社製「ニカノールL」(酸素含有量10重量%) (7)芳香族炭化水素−アルデヒド樹脂:三菱ガス化学
株式会社製「ニカノールY−50」(酸素含有量18重
量%) (8)その他の薬品:試薬メーカーより入手
【0092】<評価方法> (1)透明性:厚さ3mmの試験片を使用してヘーズを
測定した。 (2)耐薬品性:厚さ3.2mmの引張試験片に変形率
1%の撓みを負荷した状態で試験薬品を塗布し、48時
間後の破断エネルギーの保持率(試験薬品を塗布しない
ものに対する比率)により評価した。◎は破断エネルギ
ー保持率が80%以上である場合を◎、破断エネルギー
保持率が60%以上である場合を○、破断エネルギー保
持率が20%未満である場合を×で表した。試験薬品と
しては次の薬品を使用した。試験薬品としては次の薬品
を使用した。
【0093】(a)DOP:ジ゛オクチルフタレート
(フタル酸ジ(2−エチルヘキシル))(東京化成工業
(株)製)
【0094】(3)耐γ線性:50mmφ×3mm厚さ
の試験片を使用しコバルト60γ線を25キログレイ
(kGy)照射し、JIS K7103に従って、照射
前後の黄色度をスガ試験機(株)製の色差計「SM−3
−CH」にて測定し、黄変度(ΔYI)を求めた。
【0095】実施例1〜45及び比較例1〜5 ポリカーボネート樹脂(「S−2000」)と表2〜5
に示すポリエステル樹脂、電離放射線安定剤および酸化
防止剤としてのトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトを同表に記載の比率でタンブラーにて
混合し、直径65mmの一軸ベント式押出機を使用し、
バレル温度280℃で押出してペレットを得た。このペ
レットを熱風乾燥器中で120℃にて5時間以上乾燥し
た後、樹脂温度280℃、金型温度80℃にて、物性測
定用試験片を射出成形し、評価を行った。結果を表6〜
9に示す。なお、表2〜5中、電離放射線安定剤および
酸化防止剤の割合は、透明熱可塑性樹脂およびポリエス
テル樹脂の合計量を100重量部とした場合に対する各
々の配合割合(重量部)を表す。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】
【表7】
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】
【発明の効果】以上説明した本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、耐薬品性がポリカーボネート樹脂に比べ非常に優
れており、ヘーズの値が小さく透明性に優れており、し
かも、電離放射線照射滅菌の際の黄変防止性能も格段に
向上しており、透明性を要し且つ耐薬品性と耐電離放射
線性が必要な各種用途、特に医療用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 69/00 (C08L 69/00 67:02) 67:02) B29K 67:00 B29K 67:00 69:00 69:00 B29L 31:00 B29L 31:00 (72)発明者 畠山 達彦 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 成田 賢一 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 本間 賢 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)と、少な
    くとも2種類のジカルボン酸成分とジオール成分とから
    成り且つジカルボン酸成分の1〜50モル%がナフタレ
    ンジカルボン酸成分である共重合ポリエステル樹脂
    (b)と、電離放射線安定剤(c)とを含有し、上記
    (a)及び(b)成分の合計量(100重量部)に対
    し、上記の各(a)、(b)及び(c)成分の割合がそ
    れぞれ次の条件を満足することを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物。 【数1】50重量部<(a)≦99.99重量部 0.01重量部≦(b)<50重量部 0.001重量部≦(c)≦20重量部
  2. 【請求項2】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)がポリカ
    ーボネート樹脂である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 透明芳香族熱可塑性樹脂(a)の粘度平
    均分子量が、メチレンクロライド溶媒中25℃で測定さ
    れた溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、1
    0,000〜100,000である請求項1又は2に記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ジカルボン酸成分の2〜40モル%がナフタレンジカル
    ボン酸成分である請求項1〜3の何れかに記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ナフタレンジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分が
    芳香族ジカルボン酸成分である請求項1〜4の何れかに
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 芳香族ジカルボン酸成分が、フタル酸成
    分、イソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分
    である請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 共重合ポリエステル樹脂(b)における
    ジオール成分が脂肪族ジオール成分である請求項1〜6
    の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 脂肪族ジオール成分がエチレングリコー
    ル成分または1,4−ブタンジオール成分である請求項
    7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 共重合ポリエステル樹脂(b)の極限粘
    度が、テトラクロロエタン/フェノール=5/5混合溶
    媒中30℃での測定値として、0.3〜2.0dl/g
    である請求項1〜8の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の何れかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物を成形して成ることを特徴とする電離放射線
    滅菌可能な熱可塑性樹脂成型品。
  11. 【請求項11】請求項1〜9の何れかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物から成ることを特徴とする医療用部品。
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