JP2001278610A - 高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法 - Google Patents

高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法

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Shinichi Miyake
新一 三宅
Kimio Iino
公夫 飯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煤の発生を抑制し、酸素を使用した際の爆発
の危険性も回避しながら、高温迅速浸炭用雰囲気ガスと
して好適な一酸化炭素を高濃度に含む変成ガスを安定し
て発生させることができる高温迅速浸炭用雰囲気ガスの
発生方法を提供する。 【解決手段】 炭化水素と酸素と、必要に応じて二酸化
炭素と水蒸気とをノズルから燃焼室内に噴出させて混合
気体を形成し、該混合気体を不完全燃焼させることによ
って一酸化炭素と水素とを主成分とし、二酸化炭素と水
蒸気とを含有する高温迅速浸炭用雰囲気ガスを発生させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温迅速浸炭用雰
囲気ガス発生装置及び方法に関し、詳しくは、鋼材製の
部品等の高温迅速浸炭処理を効果的に行うことができる
組成の浸炭用雰囲気ガスを発生させるための装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素及び水素を含む浸炭用雰囲気
ガスを発生させる方法として、LNGやLPG等のパラ
フィン系炭化水素と空気とを混合した後、この混合ガス
(原料混合ガス)を高温に保持されたニッケル触媒層を
有する変成炉に導入し、空気中の酸素と炭化水素とを触
媒反応(変成反応)させて一酸化炭素と水素とを含む変
成ガスを得る空気混合法が従来から広く用いられてい
る。
【0003】しかし、酸素源として用いる空気には、約
79%(体積%、以下同じ)の窒素が存在するため、得
られる変成ガス中の一酸化炭素及び水素の濃度は、ある
程度以上にはならず、例えば、メタンを使用したときの
一酸化炭素濃度は20%、ブタンでは23.5%が限界
である。
【0004】一方、浸炭処理、特に、高温迅速浸炭処理
においては、高温でのガス平衡から、一酸化炭素濃度が
低いと炉内で安定した浸炭雰囲気となりにくいため、雰
囲気ガス中の一酸化炭素濃度の高いことが求められてい
る。また、一酸化炭素濃度を高くすることは、例えば孔
を有する部品を浸炭処理する場合、孔の奥にまで十分に
均一に浸炭することができたり、細かい部品を積み重ね
てベルト搬送しながら浸炭する場合は、ベルト上の部品
の積み重ね厚みを増すことができたりするというメリッ
トがある。
【0005】一方、炭化水素に混合する源ガスとして、
空気ではなく二酸化炭素や酸素を用いて変成反応させる
ことにより、変成ガス中の一酸化炭素濃度を高めること
が可能である。理論的には、メタンと酸素とが2:1の
モル比で変成反応を行うと、2モルの一酸化炭素と4モ
ルの水素とが生成するので、一酸化炭素濃度約33.3
%、水素濃度約66.7%の変成ガスが得られることに
なる。同様に、メタンと二酸化炭素とが1:1のモル比
で反応すると、2モルの一酸化炭素と2モルの水素とが
生成し、両者の濃度はそれぞれ50%になる。また、ブ
タンの場合は、2モルの酸素との反応で、4モルの一酸
化炭素と5モルの水素とが生成し、4モルの二酸化炭素
との反応では8モルの一酸化炭素と5モルの水素とが生
成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二酸化
炭素や酸素を用いて高濃度の一酸化炭素を発生させよう
とすると、変成炉内で発生する煤等が大きな問題とな
る。例えば、源ガスとして二酸化炭素を使用した場合、
変成反応が吸熱反応であることから、ニッケル触媒層を
所定の温度に加熱するヒーターからの熱の供給が部分的
に不足し、ニッケル触媒層の一部に温度低下が生じる
と、その部分で反応が十分に進まずに煤が発生すること
になる。このようにして変成炉内で煤が大量に発生する
と、ニッケル触媒層が詰って装置の運転を継続できなく
なってしまう。
【0007】一方、酸素を使用した場合は、変成反応が
発熱反応であるから温度低下の問題はなくなるが、炭化
水素と酸素との混合ガスが爆発限界混合比内となるた
め、酸素のみを酸素源として使用することは、安全性の
点で大きな問題を生じてしまう。
【0008】このようなことから、空気に代えて二酸化
炭素や酸素を源ガスとして使用することにより、一酸化
炭素を高濃度に含む変成ガスが得られることが知られて
いても、実際の装置においては、安全性や安定性を重視
し、源ガスとして空気を使用する空気添加法を採用して
いるのが実状である。
【0009】そこで本発明は、煤の発生を抑制し、酸素
を使用した際の爆発の危険性も回避しながら、高温迅速
浸炭用雰囲気ガスとして好適な一酸化炭素を高濃度に含
む変成ガスを安定して発生させることができる高温迅速
浸炭用雰囲気ガスの発生方法を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法は、炭
化水素と酸素と、必要に応じて二酸化炭素や水蒸気を燃
焼室内に噴出させて混合気体を形成し、該混合気体を不
完全燃焼させることを特徴とするものであって、さら
に、前記不完全燃焼後のガスの組成に応じて除湿した
り、二酸化炭素を除去したりすることを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の高温迅速浸炭用雰
囲気ガス発生方法を適用した燃焼装置の第1形態例を示
す概略図である。この高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生用
の燃焼装置は、炭化水素と酸素とを燃焼室(改質炉)1
1内に噴出するノズル12と、該ノズル12から噴出し
た炭化水素及び酸素の混合ガスを点火するための点火装
置としてのパイロットバーナー13と、必要に応じて設
けられる二酸化炭素噴出部及び水蒸気噴出部とにより形
成されている。
【0012】まず、基本的な高温迅速浸炭用雰囲気ガス
発生方法は、炭化水素供給管21及び酸素供給管22か
らそれぞれ所定量の炭化水素及び酸素を供給してノズル
12から燃焼室11内に噴出させ、噴出した混合気体に
パイロットバーナー13の火炎で点火し、炭化水素と酸
素とによる不完全燃焼状態の火炎を形成させる。この不
完全燃焼で生成した高温ガスは、一酸化炭素と水素とを
主成分とし、二酸化炭素と水蒸気とを含有するものとな
る。
【0013】すなわち、不完全燃焼火炎中では、炭化水
素と、炭化水素の燃焼に対する理論酸素濃度よりも少な
い流量比の酸素とにより、一酸化炭素と水素の他に、二
酸化炭素と水蒸気が発生する変成反応が起こる。この反
応は発熱反応であるため、一度点火した後は、外部から
熱エネルギーを供給しなくても自発的、継続的に進行す
る。また、触媒を使用しないため、触媒劣化に起因する
性能の経時的悪化の問題は発生しない。さらに、一度点
火した後は、反応が生じた位置に高温のガスが生成する
ため、その熱エネルギーが隣接する未反応領域への点火
源となるため、反応は瞬時にして広い領域に進行する。
その結果、従来の触媒を充填した変成炉における半径方
向及び中心軸方向の温度分布による触媒性能の変化、特
に変成炉上部での過加熱は生ずることがなく、安定した
処理性能が実現できる。しかも、燃焼反応を利用してい
るので、触媒層を使用した従来法でみられた局所的な小
爆発も発生することはなく、安定した運転を実現するこ
とができる。
【0014】さらに、二酸化炭素供給管23及び水蒸気
供給管24から前記ノズル12を介して二酸化炭素や水
蒸気を供給し、これらの供給量を調整することによって
生成ガス中の一酸化炭素濃度を調整することができ、ま
た、煤の発生を抑制することができる。これらの二酸化
炭素や水蒸気は、適当な位置に設けた独立したノズルか
らそれぞれ燃焼室11内の火炎に向けて噴出させてもよ
く、炭化水素噴出ノズルや酸素噴出ノズルから炭化水素
や酸素と合流混合させた状態でノズル12から噴出させ
てもよい。なお、炭化水素と酸素とを先に合流混合させ
ると、逆火を生じる可能性があるので避けるべきである
が、他の組み合わせの混合は、流量等の条件に応じて任
意に行うことができる。
【0015】生成ガスは、燃焼室11から生成ガス導出
管25を介して取出される。このとき、生成ガスの二酸
化炭素濃度及び水蒸気濃度が浸炭処理を行う雰囲気温度
にて熱処理に支障を生じないレベル(通常は、二酸化炭
素濃度5%、水蒸気濃度15%)以下の場合には、その
まま浸炭処理に用いることができる。例えば、高速迅速
浸炭炉においては、鋼材が酸化したり、脱炭したりしな
いように、投入ガスに対して1%未満のエンリッチガス
(CnHm)と共に保護ガスとして少量の二酸化炭素と
水蒸気とを供給する。このとき、過剰の二酸化炭素や水
蒸気が添加されると、エンリッチガスが自己分解して炭
素が発生し、処理品である鋼材や炉に不具合が生ずるた
め、熱処理に支障を生じないレベル以下まで二酸化炭
素、水蒸気濃度を下げる必要がある。
【0016】生成ガス中の二酸化炭素濃度及び水蒸気濃
度は、源ガス(燃焼室11に噴出させる炭化水素と酸素
との混合ガス及び必要に応じて加えられる二酸化炭素や
水蒸気)の組成により変化するため、源ガス組成を適当
に設定することによって生成ガス中の二酸化炭素濃度及
び水蒸気濃度を十分に低くできる場合は、生成ガスを燃
焼室11から生成ガス導出管25を介して高温迅速浸炭
炉に直接供給することができる。この場合、生成した高
温ガスの顕熱は、高温迅速浸炭炉の熱源にもなるので、
従来の操業条件と比して省エネルギーのシステムを実現
できる。
【0017】図2は、本発明の第2形態例を示す概略図
であって、前記燃焼室11の下流に除湿器14を設けた
ものである。なお、以下の説明において、前記第1形態
例の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して
詳細な説明は省略する。
【0018】本形態例は、燃焼室11で前述のような不
完全燃焼で生成したガスにおける二酸化炭素濃度は十分
に低いが、水蒸気濃度が浸炭処理を行う雰囲気温度にて
熱処理に支障を生ずるレベルを超過する場合に採用され
る。
【0019】前記除湿器14としては、各種のものを使
用可能であるが、例えば、ドレン除去機能を有する水冷
式の間接熱交換器を使用することができ、該間接熱交換
器で生成ガスを冷却することにより、飽和水蒸気圧の差
で生成ガス中の水蒸気を凝縮させて除去することができ
る。
【0020】このように、生成ガスを除湿器14に通し
て水蒸気を除去することにより、排気管25から送出す
る生成ガス中の水蒸気濃度を、浸炭処理を行う雰囲気温
度にて熱処理に支障を生じないレベル以下にまで下げる
ことができる。但し、生成ガスを徐冷すると煤が発生し
てガス通路を閉塞するなどの支障を生じることがあるた
め、除湿器14に間接熱交換器を使用する場合は、熱伝
達面積を十分に大きくして冷却速度を十分に高めるよう
な設計を行うことが望ましい。
【0021】図3は、本発明の第3形態例を示す概略図
であって、前記燃焼室11の下流に、冷却器15と、除
湿器16と、炭化水素導入部17aを有する触媒炉17
とを、この順で設けて生成ガス中の過剰の二酸化炭素及
び水蒸気を除去するようにしたものである。本形態例
は、生成ガスの二酸化炭素濃度及び水蒸気濃度が、共に
浸炭処理を行う雰囲気温度にて熱処理に支障を生ずるレ
ベルを超過する場合に採用される。但し、水蒸気濃度が
浸炭処理を行う雰囲気温度にて熱処理に支障を生ずるレ
ベル以下の場合は、除湿器16を省略することができ
る。また、冷却器15と除湿器16とを兼用させること
もできる。
【0022】触媒炉17は、二酸化炭素・水蒸気除去装
置として用いられている従来のものと同様に、炭化水素
導入部17aから導入した炭化水素と、生成ガス中の二
酸化炭素及び水蒸気とを反応させて一酸化炭素及び水素
を発生させる。例えば、触媒炉17に導入する炭化水素
としてプロパンを使用すると、 C+3CO=6CO+4H あるいは C+3HO=3CO+7H の反応が生じる。この反応は吸熱反応であるため、反応
を維持継続するために触媒炉外部から加熱する必要があ
る。この触媒炉17の加熱手段としては、温度調節機能
を備えた電気抵抗加熱式を採用することにより、安定し
た加熱状態が得られて効率の良い運転が実現できる。
【0023】また、触媒炉17で使用する触媒には使用
可能な温度に上限があるため、この触媒炉17の上流に
前記冷却器15を設けて生成ガスの温度を触媒の使用可
能な上限温度以下に冷却するとともに、触媒炉17にお
ける触媒の水蒸気負荷を小さくするため、触媒炉17の
上流に除湿器16を設けて水蒸気を除去しておくことが
望ましい。なお、生成ガスの水蒸気濃度が低い場合は、
除湿器16を省略することができる。また、前記第2形
態例における除湿器14の場合と同様に、生成ガスを徐
冷すると煤が発生するので、冷却器15に間接熱交換器
を使用する場合は、熱伝達面積を十分に大きくして冷却
速度を十分に高めるような設計を行うようにする。
【0024】図4は、本発明の第4形態例を示す概略図
であって、前記燃焼室11の下流に、前記第3形態例と
同様の冷却器15及び除湿器16を設けるとともに、そ
の下流に、分子ふるいカーボンを充填した吸着器18を
設け、第3形態例と同様に、生成ガス中の過剰の二酸化
炭素及び水蒸気を除去するようにしたものである。本形
態例では、二酸化炭素及び水蒸気を吸着器18に充填し
た分子ふるいカーボンに吸着させて生成ガス中から除去
するようにしている。
【0025】分子ふるいカーボンも、前記触媒と同様に
使用可能な温度に上限があるため、上流に冷却器15を
設けて生成ガスの温度を分子ふるいカーボンの使用可能
な上限温度以下に冷却するとともに、分子ふるいカーボ
ンの水蒸気負荷を小さくするため、上流に除湿器16を
設けて水蒸気を除去するようにしておく。また、同様
に、水蒸気濃度が低い場合は、除湿器16を省略するこ
とができ、冷却器15に間接熱交換器を使用する場合
は、熱伝達面積を十分に大きくしておく。
【0026】さらに、分子ふるいカーボンに高圧下で生
成ガスを接触させると、含有する二酸化炭素及び水蒸気
が、それぞれの分子の大きさに見合った径の細孔に吸着
され、圧力を低下させると吸着された二酸化炭素や水蒸
気の分子が細孔内から脱着して系外に放出されるので、
吸着器18を2筒以上設置して高圧下での吸着操作と低
圧下での脱着操作とを交互に繰返し行うことにより、生
成ガス中の二酸化炭素や水蒸気を連続して効率よく除去
することができる。また、このような圧力の変動に代え
て温度の上昇下降によっても吸着操作及び脱着操作を繰
返すことが可能であるから、生成ガスの二酸化炭素濃
度、水蒸気濃度や濃度比に応じて最適な運転法を選択す
ればよい。
【0027】以上の各形態例に示すような方法で高温迅
速浸炭用雰囲気ガスを発生させることにより、空気に代
えて酸素を源ガスとして使用しても、過加熱による触媒
劣化に起因する性能悪化を回避し、酸素を使用した際の
爆発の危険性も回避しながら、高温迅速浸炭用雰囲気ガ
スとして好適な一酸化炭素を高濃度に含む変成ガスを安
定して発生することができる。
【0028】また、燃焼室11の下流に水蒸気濃度や二
酸化炭素濃度を測定する分析器を設置し、水蒸気濃度や
二酸化炭素濃度が低いときには、前記除湿器14,16
や冷却器15、二酸化炭素除去用の触媒炉17や吸着器
18をバイパスさせ、これらの濃度が高いときだけ除湿
や二酸化炭素除去を行うように形成することもできる。
【0029】
【実施例】実施例1 第1形態例に示す構成の装置を使用した。すなわち、耐
火物で内張りした堅型円筒型の燃焼室(改質炉)の天井
部中心に炭化水素及び酸素を噴出するノズルを下向きに
設置し、プロパンと酸素とを供給してパイロットバーナ
により点火した。プロパンの供給量を1.0Nm/h
に固定し、酸素の供給量を1.5〜5.0Nm/hに
変化させて、源ガス中の酸素濃度に対する生成ガス中の
一酸化炭素濃度、水蒸気濃度、二酸化炭素濃度を測定し
た。その結果を図5に示す。
【0030】各酸素濃度での定常状態において連続処理
運転を実施したが、生成ガス中の水素濃度及び一酸化炭
素濃度の変化はみられず、また、突発的な小爆発等によ
る圧力変動もなく、安定した運転状態であった。
【0031】源ガス中の酸素濃度を66.7%に設定
し、二酸化炭素噴出部から二酸化炭素を供給した。この
とき、系に与える炭素のモル数(mol/h)が一定に
なるように、二酸化炭素供給量の増加に伴ってプロパン
の供給量を減少させた。源ガス中の二酸化炭素濃度に対
する生成ガス中の一酸化炭素濃度、水蒸気濃度、二酸化
炭素濃度を測定した結果を図6に示す。このように、二
酸化炭素を添加することにより、一酸化炭素濃度を向上
できることがわかる。また、煤の発生し易い状態のとき
に水蒸気噴出部から適当量の水蒸気を導入することによ
り、煤の発生を抑制して安定した運転を行うことができ
た。
【0032】実施例2 第2形態例に示すように、実施例1で使用した燃焼室の
下部に、水冷式間接熱交換器からなる除湿器を接続した
装置を使用して実施例1と同様の操作を行った。その結
果、燃焼室における生成ガス中の水蒸気濃度が高い場合
でも、除湿器を通すことにより、浸炭処理を行う雰囲気
温度にて熱処理に支障を生じないレベルにまで低下させ
ることができた。
【0033】実施例3 第3形態例に示すように、実施例1で使用した燃焼室の
下部に、冷却器、除湿器、触媒炉を順に設置した装置を
使用して実施例1と同様の操作を行った。触媒炉には、
電気ヒーターを内蔵した耐火物によって内張りされた堅
型円筒型の加熱炉を使用した。燃焼室における生成ガス
中の二酸化炭素濃度及び水蒸気濃度が高い場合であって
も、生成ガスを冷却器、除湿器、触媒炉に順に通すこと
により、両濃度を、浸炭処理を行う雰囲気温度にて熱処
理に支障を生じないレベルにすることができた。
【0034】実施例4 第4形態例に示すように、実施例1で使用した燃焼室の
下部に、冷却器、除湿器、分子ふるいカーボンを充填し
た吸着器を順に設置した装置を使用して実施例1と同様
の操作を行った。燃焼室における生成ガス中の二酸化炭
素濃度及び水蒸気濃度が高い場合であっても、生成ガス
を冷却器、除湿器、吸着器に順に通すことにより、両濃
度を、浸炭処理を行う雰囲気温度にて熱処理に支障を生
じないレベルにすることができた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高温迅速
浸炭用雰囲気ガス発生方法によれば、高温迅速浸炭用雰
囲気ガスとして好適な一酸化炭素を高濃度に含む変成ガ
スを安定して発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法
を適用した燃焼装置の第1形態例を示す概略図である。
【図2】 本発明の第2形態例を示す概略図である。
【図3】 本発明の第3形態例を示す概略図である。
【図4】 本発明の第4形態例を示す概略図である。
【図5】 源ガス中の酸素濃度に対する生成ガス中の一
酸化炭素濃度、水蒸気濃度、二酸化炭素濃度を測定した
結果を示す図である。
【図6】 源ガス中の二酸化炭素濃度に対する生成ガス
中の一酸化炭素濃度、水蒸気濃度、二酸化炭素濃度を測
定した結果を示す図である。
【符号の説明】
11…燃焼室、12…ノズル、13…パイロットバーナ
ー、14…除湿器、15…冷却器、16…除湿器、17
…触媒炉、18…吸着器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素と酸素とをノズルから燃焼室内
    に噴出させて混合気体を形成し、該混合気体を不完全燃
    焼させることを特徴とする高温迅速浸炭用雰囲気ガス発
    生方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素と酸素と二酸化炭素とをノズル
    から燃焼室内に噴出させて混合気体を形成し、該混合気
    体を不完全燃焼させることを特徴とする高温迅速浸炭用
    雰囲気ガス発生方法。
  3. 【請求項3】 炭化水素と酸素と二酸化炭素と水蒸気と
    をノズルから燃焼室内に噴出させて混合気体を形成し、
    該混合気体を不完全燃焼させることを特徴とする高温迅
    速浸炭用雰囲気ガス発生方法。
  4. 【請求項4】 前記不完全燃焼後のガスを除湿すること
    を特徴とする請求項1,2又は3記載の高温迅速浸炭用
    雰囲気ガス発生方法。
  5. 【請求項5】 前記不完全燃焼後のガスから二酸化炭素
    を除去することを特徴とする請求項1,2又は3記載の
    高温迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法。
  6. 【請求項6】 前記不完全燃焼後のガスを除湿した後、
    炭化水素を混合して触媒反応により二酸化炭素と炭化水
    素とを反応させることによって二酸化炭素を除去するこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の高温迅速浸炭
    用雰囲気ガス発生方法。
  7. 【請求項7】 前記不完全燃焼後のガスを除湿した後、
    吸着剤に二酸化炭素を吸着させて除去することを特徴と
    する請求項1,2又は3記載の高温迅速浸炭用雰囲気ガ
    ス発生方法。
  8. 【請求項8】 前記除湿は、前記不完全燃焼後のガスの
    露点が所定の露点以上になったら行うことを特徴とする
    請求項4,6又は7記載の高温迅速浸炭用雰囲気ガス発
    生方法。
  9. 【請求項9】 前記二酸化炭素の除去は、前記不完全燃
    焼後のガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度以上になった
    ら行うことを特徴とする請求項5,6又は7記載の高温
    迅速浸炭用雰囲気ガス発生方法。
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