JP7453281B2 - 浸炭用ガス発生装置、及び浸炭用ガス生成方法 - Google Patents

浸炭用ガス発生装置、及び浸炭用ガス生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、浸炭用ガス発生装置、及び浸炭用ガス生成方法に関する。
特許文献1及び特許文献2には、一酸化炭素と水素とを含む浸炭用雰囲気ガスを生成する浸炭用ガス発生装置、及び浸炭用ガス発生装置を用いる浸炭用ガスの生成方法が開示されている。
特開2018-145471号公報 特開2015-004110号公報
特許文献1及び特許文献2に開示された浸炭用ガス発生装置は、煤の発生抑制と発生した煤を除去するために、熱交換器、バブラ、及び除湿器を備える構成であった。このため、浸炭用ガス発生装置が全体的に大型となり、設置場所が限られるとの課題があった。
また、特許文献1及び特許文献2に開示された浸炭用ガス発生装置では、生成した浸炭用ガスを冷却する構成であった。このため、浸炭炉において浸炭用ガスを再加熱する必要があり、エネルギー効率の改善が求められていた。
さらに、特許文献1及び特許文献2に開示された浸炭用ガス発生装置では、天然ガスと支燃性ガスとを燃焼反応させることで浸炭用ガスを生成していた。つまり、浸炭用ガスの組成は、燃焼反応の条件によって決定されるため、所望のガス組成の浸炭用ガス(例えば、窒素ガスを含む浸炭用ガスや、所望のガス濃度の浸炭用ガス)の生成が困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、小型であり、エネルギー効率に優れ、かつガス組成の調整が容易な浸炭用ガス発生装置、及び浸炭用ガス生成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 原料となる炭化水素系ガスを供給する第1ガス経路と、支燃性ガスを供給する第2ガス経路と、前記炭化水素系ガスと前記支燃性ガスとを不完全燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室と、を含む燃焼部と、
前記燃焼部の二次側に位置する希釈部と、
前記希釈部の二次側に位置する触媒部と、を備え、
前記希釈部が、
前記燃焼室と連通する第1ガス流路と、
前記第1ガス流路に炭化水素系ガスを供給する、1以上の第3ガス経路と、
前記第1ガス流路に不活性ガスを供給する、1以上の第4ガス経路と、を有し、
前記触媒部が触媒を含み、前記触媒部において、前記炭化水素系ガス及び前記不活性ガスによって希釈された前記燃焼ガスと加熱された前記触媒とを反応させて、一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスを生成する、浸炭用ガス発生装置。
[2] 前記燃焼部と前記希釈部との間に位置する改質部をさらに備え、
前記改質部が、前記燃焼室と前記第1ガス流路との間に位置し、前記燃焼室と前記第1ガス流路とそれぞれ連通する第2ガス流路を含み、前記燃焼ガスの一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質する、[1]に記載の浸炭用ガス発生装置。
[3] 前記改質部が、改質した前記燃焼ガスの流れを分散させる分散板を含む、[2]に記載の浸炭用ガス発生装置。
[4] 前記第3ガス経路及び前記第4ガス経路が、前記第1ガス流路のガス流れ方向において、同じ高さに位置する、[1]乃至[3]のいずれかに記載の浸炭用ガス発生装置。
[5] 前記第3ガス経路が、前記第1ガス流路のガス流れ方向において、前記第4ガス経路の一次側に位置する、[1]乃至[3]のいずれかに記載の浸炭用ガス発生装置。
[6] 炭化水素系ガスと支燃性ガスとを燃焼させて、燃焼ガスを発生させ、
前記燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとを供給して希釈ガスを得、
前記希釈ガスと加熱された触媒とを反応させて、一酸化炭素ガス、水素ガス、及び前記不活性ガスを含む浸炭用ガスを生成する、浸炭用ガス発生方法。
[7] 前記希釈ガスを得る際、前記燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとをそれぞれ独立に供給する、[6]に記載の浸炭用ガス発生方法。
[8] 前記燃焼ガスを発生させる際、前記炭化水素系ガスと前記支燃性ガスとの酸素比を、1:0.5~0.8とする、[6]又は[7]に記載の浸炭用ガス発生方法。
[9] 前記燃焼ガスの一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質した後に、前記炭化水素系ガスと前記不活性ガスとを供給して前記希釈ガスを得る、[6]乃至[8]のいずれかに記載の浸炭用ガス発生方法。
本発明の浸炭用ガス発生装置は、小型であり、エネルギー効率に優れ、かつガス組成の調整が容易である。
また、本発明の浸炭用ガス生成方法は、エネルギー効率に優れ、かつガス組成の調整が容易である。
本発明を適用した一実施形態である浸炭用ガス発生装置の構成を示す模式図である。 本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉の構成を示す模式図である。 本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉に適用可能な熱供給機構の構成を示す模式図である。 本実施形態の浸炭用ガス発生装置の変形例を示す模式図である。 本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉に適用可能な熱供給機構の変形例を示す模式図である。 本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉に適用可能な熱供給機構の変形例を示す模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である浸炭用ガス発生装置について、これを用いる浸炭用ガス生成方法とともに図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<浸炭用ガス発生装置>
先ず、本発明を適用した一実施形態である浸炭用ガス発生装置の構成について、説明する。図1は、本実施形態の浸炭用ガス発生装置の構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、浸炭用ガス発生装置10は、燃焼部11、改質部12、希釈部13、及び炉接続部14を備えて、概略構成されている。
燃焼部11は、浸炭用ガス発生装置10において、鉛直方向上方に位置する。
燃焼部11は、原料となる炭化水素系ガスを供給する第1ガス経路L1と、支燃性ガスを供給する第2ガス経路L2と、炭化水素系ガスと支燃性ガスとを不完全燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室11Aと、を含む。
燃焼部11の構造は、特に限定されるものではなく、公知文献(例えば、特開2015-004110号公報)に記載の公知の構造を適用することができる。これにより、浸炭用ガス発生装置10では、第1ガス経路L1から炭化水素系ガスが、第2ガス経路L2から支燃性ガス(例えば、酸素ガス)が、それぞれ燃焼室11A内に供給され、燃焼室11A内において、炭化水素系ガスと支燃性ガスとを旋回流を形成しながら燃焼させることで、燃焼室11A内に旋回流火炎を形成し、燃焼ガスを生成する。
改質部12は、浸炭用ガス発生装置10において、燃焼部11と希釈部13との間に位置する。改質部12では、希釈部13に必要な熱と、希釈部13に供給する改質ガスとを得る。なお、改質ガスとは、燃焼ガスの一部が一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質された混合ガスをいう。
改質部12は、中空筒状の金属管15と、金属管15の内側に位置するガス流路(第2ガス流路)12Aと、分散板16と、耐火物17と、を含む。
ガス流路12Aは、燃焼室11Aと後述する希釈部13内のガス流路(第1ガス流路)13A及びガス流路13Bとの間に位置し、燃焼室11Aとガス流路13A,13Bとそれぞれ連通する。したがって、ガス流路12Aには、燃焼室11Aから燃焼ガスが導入される。
金属管15とガス流路12Aとの間には、耐火物17が充填される。耐火物17は、耐熱性に優れるものであれば、特に限定されるものではなく、例えばセラミック等の無機材料を適用できる。また、耐火物17は、遮熱効果と、蓄熱効果とを備えるものがより好ましい。
改質部12は、金属管15の内側に耐火物17を施工し、酸素燃焼火炎に対する耐熱性を高めた構造であるため、安定的に熱を保持することができる。なお、改質部12では、1500℃程度の温度まで達する。したがって、浸炭用ガス発生装置10を構成する改質部12によれば、外部から熱を補充することなく、燃焼熱によって燃焼室11Aから導入される燃焼ガスの一部を、一酸化炭素ガスと水素ガスとに、安定的に改質できる。
分散板16は、ガス流路12Aに位置する。具体的には、分散板16は、ガス流路12Aにおいて、ガス流れ方向の二次側(下流側)、すなわち、希釈部13寄りに位置する。分散板16の構造は、改質した燃焼ガスの流れを分散(整流)させることができれば、特に限定されるものではなく、例えば、10以上の細孔を正方形列に配置した構造とすることができる。また、分散板16の材質は、耐熱性及び耐火性に優れた材質であれば、特に限定されない。
改質部12において、ガス流路12Aに分散板16を設けることで、希釈部13内のガス流路13Aに供給する燃焼ガスの熱を均一にし、燃焼ガスの流速を落とすことができる。このように、ガス流路13Aに供給する燃焼ガスの熱を均一にすることで、炉接続部14に位置する触媒部14Bの触媒が均一に加熱される。また、燃焼ガスの流速を落とすことで、ガスが後述する触媒部14Bを通過する時間を確保できるため、触媒とガスとがよく接触する。したがって、後述する炉接続部14における燃焼ガスと触媒との反応効率を高めることができる。さらに、燃焼ガスの流速を落とすことにより、改質部12におけるガスの滞留時間が長くなる。したがって、燃焼ガスを安定的に改質できる。
希釈部13は、浸炭用ガス発生装置10において、改質部12の二次側(鉛直方向下方)に位置する。希釈部13では、改質部12で得られた燃焼ガス(改質ガス)に炭化水素系ガス及び不活性ガスを供給して希釈する。
希釈部13は、中空筒状の金属管18と、金属管18の内側に位置するガス流路13A,13Bと、分散板19と、耐火物20と、1以上の第3ガス経路(炭化水素系ガス供給経路)L3と、1以上の第4ガス経路(不活性ガス供給経路)L4と、を含む。
ガス流路13Aは、改質部12のガス流路12Aの二次側に位置し、ガス流路12Aを介して燃焼室11Aと連通する。したがって、ガス流路13Aには、ガス流路12Aで燃焼ガスの一部が改質された改質ガスが導入される。
ガス流路13Aには、第3ガス経路L3と第4ガス経路L4とが、それぞれ独立して接続されている。
第3ガス経路L3は、ガス流路13Aに希釈ガスとして炭化水素系ガスを供給する。
第4ガス経路L4は、ガス流路13Aに希釈ガスとして不活性ガスを供給する。
これにより、ガス流路13Aでは、改質部12から供給される燃焼ガス(改質ガス)に炭化水素系ガス及び不活性ガスを供給して、任意の組成比となるように希釈できる。また、燃焼ガスを希釈することで、燃焼ガスを適切な温度に調整できるため、煤の発生を抑制できる。
ガス流路13Aの流路断面積は、改質部12のガス流路12Aよりも小さい。これにより、炭化水素系ガス及び不活性ガスが、ガス流路13Aの中心まで到達しやすくなるため、燃焼ガス(改質ガス)と炭化水素系ガス及び不活性ガスとが均一に混合される。
なお、本実施形態では、ガス流路13Aには、第3ガス経路L3と第4ガス経路L4とが、それぞれ独立して接続されている構成を一例として説明したが、これに限定されない。第3ガス経路L3と第4ガス経路L4とが、ガス流路13Aの一次側で合流した後にガス流路13Aに接続される構成とし、炭化水素系ガスと不活性ガスとの混合ガスをガス流路13Aに供給してもよい。
本実施形態では、第3ガス経路L3及び第4ガス経路L4が、ガス流路13Aのガス流れ方向において、同じ高さとなるように、ガス流路13Aにそれぞれ接続されている。これにより、希釈部13の鉛直方向の高さを短くできるため、浸炭用ガス発生装置10の小型化が可能となり、浸炭炉1を小型化できる。
ガス流路13Bは、ガス流路13Aの二次側に位置する。したがって、ガス流路13Bには、ガス流路13Aで希釈された燃焼ガス(改質ガス)が導入される。
ガス流路13Bの流路断面積は、ガス流路13Aとの接続側(一次側)から炉接続部14のガス流路14Aとの接続側(二次側)に向かって漸次拡径されている。これにより、ガス流れが周方向に広げられて触媒部14Bに均一に流入させることができるため、充填された触媒を有効に使うことが可能となる。その結果、反応効率が高められ、触媒の充填量を抑制できる。
分散板19は、ガス流路13Bにおいて、希釈された燃焼ガス(改質ガス)を均一に分散(整流)させる。これにより、燃焼ガスを後述する触媒と均一に反応させることができる。
分散板19の構造は、希釈された燃焼ガス(改質ガス)の流れを分散(整流)させることができれば、特に限定されるものではなく、例えば、10以上の細孔を正方形列に配置した構造とすることができる。また、分散板19の材質は、耐熱性及び耐火性に優れた材質であれば、特に限定されない。
金属管18とガス流路13A,13Bとの間には、耐火物20が充填される。耐火物20は、耐熱性に優れるものであれば、特に限定されるものではなく、例えばセラミック等の無機材料を適用できる。また、耐火物20としては、上述した耐火物17と同じものを適用できる。
希釈部13は、金属管18の内側に耐火物20を施工し、耐熱性を高めた構造であるため、安定的に熱を保持することができる。なお、希釈部13では、触媒部14Bにおいて燃焼ガスと触媒との反応が生じる温度以上に保つ必要がある。触媒の種類によって、異なるが、例えばニッケル系触媒を使用する場合は、希釈部13の温度を1050℃以上に保持することが好ましい。
本実施形態の浸炭用ガス発生装置10によれば、希釈部13の一次側に改質部12が位置する構造であり、改質部12において燃焼部11の燃焼熱を蓄熱できるため、希釈部13を介して、後述する炉接続部14の触媒部14Bで必要な熱を補うことができる。すなわち、希釈部13の一次側に改質部12が接触しているため、改質部12から希釈部13へ熱が移動する。これにより、炉接続部14の触媒部14Bにおいて、触媒の吸熱反応による触媒の温度低下を防ぐことができる。
炉接続部14は、中空筒状の金属管21と、金属管21の内側に位置するガス流路14Aと、触媒が充填された触媒部(触媒層)14Bと、分散板22と、耐火物23と、を含む。炉接続部14は、浸炭用ガス発生装置10において、希釈部13の二次側(鉛直方向下方)、すなわち、下端に位置する。炉接続部14は、希釈部13で希釈された燃焼ガス(改質ガス)を触媒上で反応させて目的のガス組成の浸炭用ガスを生成する。また、炉接続部14は、浸炭用ガス発生装置10を炉本体2と接続する際の位置決めに用いるとともに、安定した接続を維持するための土台として用いられる。
触媒部14Bは、ガス流路14Aにおいて、希釈部13寄りに位置する。これにより、炭化水素系ガス及び不活性ガスの供給によって希釈された燃焼ガスを触媒部14Bに供給し、燃焼ガスと加熱された触媒とを反応させて、一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスを生成することができる。
触媒部14Bに充填される触媒は、燃焼ガスを一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスに変成させることができるものであれば、特に限定されるものではない。このような触媒としては、例えば、ニッケル系触媒が挙げられる。
なお、触媒部14Bには、触媒が充填されていない空間があってもよい。
分散板22は、ガス流路14Aにおいて、触媒部14Bのガス流れ方向の二次側(下流側)、すなわち、触媒部14Bの下方に位置する。これにより、触媒部14Bが分散板22によって支持され、触媒が下方に落下しない構造となっている。
分散板22の構造は、希釈された燃焼ガスが触媒部14Bを通過する際に、流れを分散させて均一化できれば、特に限定されるものではなく、例えば、10以上の細孔を正方形列に配置した構造とすることができる。また、分散板22の材質は、耐熱性及び耐火性に優れた材質であれば、特に限定されない。
金属管21とガス流路14Aとの間には、耐火物23が充填される。耐火物23は、耐熱性に優れるものであれば、特に限定されるものではなく、例えばセラミック等の無機材料を適用できる。また、耐火物23としては、上述した耐火物17と同じものを適用できる。
炉接続部14は、金属管21の内側に耐火物23を施工し、耐熱性を高めた構造であるため、安定的に熱を保持することができる。なお、炉接続部14では、触媒部14Bにおいて燃焼ガスと触媒との反応が生じる温度以上に保つ必要がある。触媒の種類によって、異なるが、例えばニッケル系触媒を使用する場合は、炉接続部14の温度を1050℃以上に保持することが好ましい。
本実施形態の浸炭用ガス発生装置10によれば、炉接続部14の一次側に希釈部13が位置する構造であり、改質部12及び希釈部13において燃焼部11の燃焼熱を蓄熱できるため、炉接続部14の触媒部14Bで必要な熱を補うことができる。すなわち、炉接続部14の一次側に希釈部13が接触しているため、改質部12及び希釈部13から炉接続部14へ熱が移動する。これにより、炉接続部14の触媒部14Bにおいて、触媒の吸熱反応による触媒の温度低下を防ぐことができる。
<浸炭用ガス発生方法>
次に、本発明を適用した一実施形態である浸炭用ガス発生方法について、図面を参照しながら説明する。具体的には、本実施形態の浸炭用ガス発生方法は、上述した浸炭用ガス発生装置10を用いて、浸炭用ガスを発生させる。
本実施形態の浸炭用ガス発生方法は、図1に示すように、先ず、燃焼部11において、第1ガス経路L1から炭化水素系ガスを、第2ガス経路L2から支燃性ガス(例えば、酸素ガス)を、それぞれ図示略のバーナに供給し、燃焼室11A内において、炭化水素系ガスと支燃性ガスとを旋回流を形成しながら燃焼させることで、燃焼室11A内に燃焼ガスを生成する。
燃焼部11において燃焼ガスを発生させる際、炭化水素系ガスと支燃性ガスとの酸素比を、1:0.5~0.8とすることが好ましい。さらに、燃焼熱を得る観点から、酸素比を1:0.60~0.80にすることがより好ましい。燃焼部11において、酸素比を0.5以上とすることで、煤の発生を抑制できる。また、酸素比を0.8以下にすることで、一酸化炭素ガスと反応する二酸化炭素や水の生成を抑制できる。これにより、燃焼部11において、一酸化炭素ガスを効率的に発生させることができる。
なお、酸素比とは、以下で定義される支燃性ガス量とする。
「酸素比」=「バーナに供給する支燃性ガス量」÷「炭化水素系ガスを完全燃焼させるのに必要な支燃性ガス量」
次に、生成した燃焼ガスを燃焼室11Aから改質部12のガス流路12Aに供給し、燃焼ガスの熱によって、燃焼ガスの一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質する。改質部12において、燃焼ガスのうち、未燃焼の炭化水素系ガスを一酸化炭素と水素とに分解できるため、浸炭用ガスを効率的に発生させることができる。
次に、一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質した後の燃焼ガスをガス流路12Aから希釈部13のガス流路13Aに供給し、燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとを供給して希釈ガスを得る。
ここで、ガス流路13A内の燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとを供給する際、それぞれ独立した第3ガス経路L3及び第4ガス経路L4を用いて、別々に供給する。これにより、燃焼ガスの熱エネルギーが、不活性ガスに吸収されることを抑制できる。したがって、燃焼ガスの熱エネルギーによる炭化水素系ガスの分解が促進され、一酸化炭素ガスと水素ガスとを効率よく発生させることができる。
次いで、炉接続部14の触媒部14Bにおいて、希釈ガスと加熱された触媒とを反応させて、一酸化炭素ガス、水素ガス、及び不活性ガスを含む浸炭用ガスを生成する。
本実施形態によれば、燃焼ガスを炭化水素系ガスと不活性ガスとで希釈した後、触媒と反応させるため、希釈する条件を調整することができる。これにより、所望のガス組成の浸炭用ガスを生成することができる。
<浸炭炉>
次に、本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉の構成について説明する。図2は、本実施形態の浸炭用ガス発生装置を備える浸炭炉の構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、浸炭炉1は、内側に加熱室2Aを有する炉本体2と、浸炭用ガスを生成する浸炭用ガス発生装置10と、を備えて、概略構成されている。
浸炭炉1は、加熱室2Aに収容された被処理物Sを、一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスを用いて浸炭処理するものである。
(炉本体)
炉本体2は、浸炭処理の被処理物Sを収容可能な加熱室2Aを少なくとも有する炉体である。また、炉本体2には、加熱室2Aに浸炭用ガスを導入する供給口2aと、加熱室2Aから雰囲気ガスを排出する排気口2bと、が設けられている。
供給口2aは、加熱室2Aの上面に位置する。これにより、後述するように炉本体2の上方に配設された本実施形態の浸炭用ガス発生装置10で生成する浸炭用ガスを、直接、上方から加熱室2A内に導入できる。
排気口2bは、加熱室2Aの側面の、下方に位置する。これにより、浸炭処理を行った後の、加熱室2A内の雰囲気ガスを室外に排出できる。
炉本体2の構造は、特に限定されるものではなく、公知文献(例えば、特開2015-004110号公報)に記載の公知の構造を適用することができる。
(浸炭炉)
本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を備える浸炭炉1は、図2に示すように、浸炭用ガス発生装置10が、炉本体2の上方に位置するように、浸炭用ガス発生装置10と炉本体2とが接続されている。すなわち、図1及び図2に示すように、供給口2a及び炉接続部14を介して、炉接続部14のガス流路14Aと加熱室2Aとが連通され、炉接続部14から導出される浸炭用ガスが、途中の流路で加熱されることなく直接、加熱室2Aに導入される。
浸炭炉1において、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10における浸炭用ガスの生成量(すなわち、炉本体2の加熱室2Aに導入される浸炭用ガスの供給量)は、加熱室2Aの容積に対して2~30m/hであることが好ましい。これにより、浸炭用ガス発生装置10において浸炭用ガスを過剰に生成する必要がないため、浸炭用ガス発生装置10の小型化、ひいては浸炭炉1の小型化が可能である。
また、浸炭炉1において、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10で生成した浸炭用ガスの温度(すなわち、炉本体2の加熱室2Aに導入される浸炭用ガスの温度)は、700~1000℃であればよく、800~950℃であることが好ましく、870~930℃であることがより好ましい。これにより、浸炭用ガス発生装置10で生成した浸炭用ガスを、さらに加熱して加熱室2Aに供給する必要がないため、さらなる加熱機構が不要となる。したがって、浸炭用ガス発生装置10の小型化、ひいては浸炭炉1の小型化が可能であり、熱効率に優れる。
また、浸炭炉1は、炉本体2から排出される排熱を、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10の加熱源として用いる熱供給機構を備えることが好ましい。図3は、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を備える浸炭炉1に適用可能な熱供給機構30の構成の一例を示す模式図である。
図3に示すように、熱供給機構30は、ガス導出経路L5と、熱交換器31,32と、を有する。熱供給機構30は、炉本体2から排出される排熱として、加熱室2Aから排出される雰囲気ガス(ガス)を用いるものである。
ガス導出経路L5は、基端が加熱室2Aの排気口2bと接続されており、加熱室2A内の雰囲気ガスを加熱室2Aの外側に導出する経路である。ガス導出経路L5には、基端側から炉接続部14、熱交換器31、及び熱交換器32がこの順に設けられている。炉接続部14では、ガス導出経路L5内を流通するガスによって、触媒部14Bで必要な熱の一部を補うことができる。
熱交換器31は、ガス導出経路L5において、炉接続部14の二次側に位置する。また、熱交換器31は、ガス導出経路L5と、第3ガス経路L3及び第4ガス経路L4とにわたって設けられている。これにより、熱交換器31では、ガス導出経路L5内を流通するガスによって、希釈部13で使用される炭化水素系ガス及び不活性ガスを予熱することができる。
熱交換器32は、ガス導出経路L5において、熱交換器31の二次側に位置する。また、熱交換器32は、ガス導出経路L5と、第1ガス経路L1及び第2ガス経路L2とにわたって設けられている。これにより、熱交換器32では、ガス導出経路L5内を流通するガスによって、燃焼部11で使用される炭化水素系ガス及び支燃性ガスを予熱することができる。
浸炭炉1によれば、熱供給機構30を備えるため、炉本体2から排出される排熱を、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10の加熱源として用いることができる。これにより、熱効率に優れる浸炭炉1を提供できる。
<浸炭方法>
次に、上述した浸炭炉1を用いる浸炭方法について、図面を参照しながら説明する。上述した浸炭炉1を用いる浸炭方法は、上述した浸炭用ガス発生方法を含み、炉本体2の加熱室2Aに収容された被処理物Sを浸炭用ガスにより浸炭処理するものである。
すなわち、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を用い、炭化水素系ガスと支燃性ガスとを不完全燃焼させて燃焼ガスを生成し、燃焼ガスを炭化水素系ガスと不活性ガスとで希釈した後に加熱された触媒と反応させて、一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスを生成し、生成した浸炭用ガスを再度加熱することなく加熱室2Aに導入する。
具体的には、浸炭方法は、先ず、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を用いて、浸炭用ガスを発生させる。
次に、図1及び図2に示すように、供給口2a及び炉接続部14を介して、上述した本実施形態の浸炭用ガス発生装置10で発生させた浸炭用ガスを加熱室2Aに直接導入する。これにより、浸炭用ガス発生装置10で発生させた浸炭用ガスを再び加熱することなく、所望の温度で加熱室2Aに供給できる。
また、本実施形態の浸炭用ガス発生方法を含む浸炭方法は、図3に示すように、熱供給機構30により、炉本体2からの排熱を用いて、浸炭用ガス発生装置10で用いる触媒、炭化水素系ガス、支燃性ガス及び前記不活性ガスのうち、少なくとも一つ以上を予熱することが好ましい。浸炭用ガス発生装置10の加熱に炉本体2の排熱を利用するため、浸炭炉1全体のエネルギー効率を向上できる。
以上説明したように、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10によれば、希釈部13において、燃焼ガスに炭化水素系ガス及び不活性ガスを供給して希釈し、炉接続部14において触媒部14Bの触媒上で反応させて目的のガス組成の浸炭用ガスを生成する構成となっている。このように、浸炭用ガス発生装置10が、触媒を加熱するための熱源となる炭化水素系ガスを供給する第1ガス経路L1と、触媒と反応させる炭化水素系ガスを供給する第3ガス経路L3とを備え、炭化水素系ガスをそれぞれ独立して供給できるため、バーナの燃焼条件を完全燃焼に近い状態にすることができ、バーナからの煤の発生が抑制される。また、燃焼ガスを炭化水素系ガス及び不活性ガスによって希釈することにより、燃焼ガスを適切な温度に調整することができるため、煤の発生が抑制される。このため、浸炭用ガス発生装置10は、熱交換器、バブラ及びドライヤを備える必要がない。したがって、浸炭用ガス発生装置10全体の構造が簡素になり、小型化が可能となる。また、浸炭炉1の構成として本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を用いる際、容易に設置でき、メンテナンスも簡便になる。
また、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10によれば、炉本体2の上方に設置できるため、浸炭炉1の設置面積を小さくすることができる。したがって、浸炭炉1の小型化が可能となり、設置が容易となる。
また、本実施形態の浸炭用ガス発生方法によれば、炭化水素系ガスと支燃性ガスとを燃焼させて燃焼ガスを発生させ、燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとを供給して希釈ガスを得、希釈ガスと加熱された触媒とを反応させて、一酸化炭素ガス、水素ガス、及び前記不活性ガスを含む浸炭用ガスを生成する構成となっているため、所望のガス組成の浸炭用ガスが得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態の浸炭用ガス発生装置10によれば、炉接続部14の触媒部14Bで必要な熱を補うため、燃焼部11の燃焼熱を蓄熱する炉接続部14を用いる構成を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、触媒部14Bで必要な熱を補うため、電気ヒータ等の加熱器を備える構成としてもよい。
また、上述した本実施形態の浸炭用ガス発生装置10では、希釈部13において、第3ガス経路L3及び第4ガス経路L4が、ガス流路13Aのガス流れ方向において、同じ高さとなるように、ガス流路13Aにそれぞれ接続される構成を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、図4に示すように、第3ガス経路L3’がガス流路13Aのガス流れ方向において、第4ガス経路L4’の一次側に位置するように、ガス流路13Aにそれぞれ接続される構成の浸炭用ガス発生装置10’としてもよい。
図4に示すような浸炭用ガス発生装置10’によれば、炭化水素系ガスが不活性ガスよりも上流側で供給されるため、不活性ガスにより燃焼ガスの温度を調整できる。したがって、浸炭用ガス発生装置10’によれば、効果的に煤の発生を抑制しながら、燃焼ガスの熱エネルギーによる炭化水素系ガスから一酸化炭素ガスと水素ガスとへの分解が促進される。また、燃焼ガスに含まれる高温の水蒸気によって、炭化系水素ガスの分解が促進される。
または、第3ガス経路L3’がガス流路13Aのガス流れ方向において、第4ガス経路L4’の二次側に位置するように、ガス流路13Aにそれぞれ接続される浸炭用ガス発生装置10’を備える構成であってもよい。
図4に示すような浸炭用ガス発生装置10’によれば、不活性ガスが炭化水素系ガスよりも上流側で供給されるため、炭化水素系ガスと燃焼ガスとが接触する前に、燃焼ガスを適切な温度までさげることができる。したがって、浸炭用ガス発生装置10’によれば、煤の発生を抑制できる。
また、上述した本実施形態の浸炭用ガス発生装置10では、改質部12、希釈部13、及び炉接続部14を構成する金属管15,18,21、及び耐火物17,20,23がそれぞれ別体として設けられている場合を一例として説明したが、これに限定されない。金属管及び耐火物は、任意の位置で一体となるように構成されていてもよい。
また、上述した本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を備える浸炭炉1では、炉本体2から排出される排熱として、加熱室2Aから排出される雰囲気ガス(ガス)を用いる熱供給機構30を備える構成を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、炉本体2から排出される排熱として、加熱室2Aから排出されるガスを燃焼させて得られる排ガスを用いる熱供給機構30’を備える構成であってもよい。
図5に示すように、熱供給機構30’は、加熱室2Aから排出されるガスを燃焼させる燃焼除害装置33、燃焼除害装置33に支燃性ガス(例えば、空気)を供給する第6ガス経路L6、及び燃焼除害装置33から排出される排ガスを流通する第7ガス経路L7を備える点で、上述した熱供給機構30の構成と異なる。したがって、熱供給機構30と同一の構成については同一の符号を付すとともに説明を省略する。
燃焼除害装置33は、加熱室2Aから排出されるガスから未利用の浸炭ガスを回収し、支燃性ガスと混合して燃焼除害する。その際に得られる排ガスの熱エネルギーを排熱として用いる。
第7ガス経路L7には、基端側から炉接続部14、熱交換器31、及び熱交換器32がこの順に設けられている。炉接続部14では、第7ガス経路L7内を流通する排ガスによって、触媒部14Bで必要な熱の一部を補うことができる。
熱交換器31では、第7ガス経路L7内を流通する排ガスによって、希釈部13で使用される炭化水素系ガス及び不活性ガスを予熱することができる。
熱交換器32では、第7ガス経路L7内を流通する排ガスによって、燃焼部11で使用される炭化水素系ガス及び支燃性ガスを予熱することができる。
図5に示す浸炭炉1’によれば、熱供給機構30’を備えるため、加熱室2Aから排出されるガスを燃焼させて得られる排ガスを、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10の加熱源として用いることができる。これにより、排熱の温度を上げることができるため、浸炭炉1’全体のエネルギー効率をさらに向上できる。
さらに、浸炭炉としては、図6に示すように、炉本体2から排出される排熱として、燃焼除害装置33から排出された排ガスにより加熱された熱媒体を用いる熱供給機構30’’を備える構成であってもよい。
図6に示すように、熱供給機構30’’は、第7ガス経路L7に位置する熱交換器34、及び熱交換器34で加熱される熱媒体の熱交換経路(循環経路)L8を備える点で、上述した熱供給機構30’の構成と異なる。したがって、熱供給機構30’と同一の構成については同一の符号を付すとともに説明を省略する。
熱交換器34は、第7ガス経路L7と熱交換経路L8とにわたって設けられており、第7ガス経路L7内の排ガスにより、熱交換経路L8内の熱媒体を加熱する。
熱媒体(蓄熱体)としては、使用環境が高温であるため、1000℃以上の耐熱性を有するセラミックス系材料が好ましい。セラミックス系材料としては、特にSiC、アルミナ、ムライトなどが好ましい。
熱交換経路(循環経路)L8には、基端側から炉接続部14、熱交換器31、及び熱交換器32がこの順に設けられている。希釈部13では、熱交換経路L8内の熱媒体によって、触媒部14Bで必要な熱の一部を補うことができる。
熱交換器31では、熱交換経路L8内の熱媒体によって、希釈部13で使用される炭化水素系ガス及び不活性ガスを予熱することができる。
熱交換器32では、熱交換経路L8内の熱媒体によって、燃焼部11で使用される炭化水素系ガス及び支燃性ガスを予熱することができる。
図6に示す浸炭炉1’’によれば、熱供給機構30’’を備えるため、燃焼除害装置33から排出された排ガスにより加熱された熱媒体を、本実施形態の浸炭用ガス発生装置10の加熱源として用いることができる。これにより、腐食性のある排ガスが浸炭用ガス発生装置10に触れることがないため、浸炭用ガス発生装置10の劣化を防ぐことができ、浸炭炉1’’全体の耐久性を向上できる。
また、上述した本実施形態の浸炭用ガス発生装置10を備える浸炭炉1では、炉本体2から排出される排熱として、加熱室2Aから排出されるガス、及びこのガスを燃焼させた排ガスを熱エネルギーとして用いる構成を一例として説明したが、これに限定されない。炉本体2から排出される排熱として、炉本体2から放熱される熱エネルギーを回収して利用する構成としてもよい。
1 浸炭炉
2 炉本体
2A 加熱室
10 浸炭用ガス発生装置
11 燃焼部
11A 燃焼室
12 改質部
12A ガス流路(第2ガス流路)
13 希釈部
13A ガス流路(第1ガス流路)
13B ガス流路
14 炉接続部
14A ガス流路
14B 触媒部
16,19,22 分散板
30 熱供給機構
31 熱交換器
32 熱交換器
33 燃焼除害装置
34 熱交換器
L1 第1ガス経路
L2 第2ガス経路
L3 第3ガス経路(炭化水素系ガス供給経路)
L4 第4ガス経路(不活性ガス供給経路)
L8 熱交換経路
S 被処理物

Claims (9)

  1. 原料となる炭化水素系ガスを供給する第1ガス経路と、支燃性ガスを供給する第2ガス経路と、前記炭化水素系ガスと前記支燃性ガスとを不完全燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室と、を含む燃焼部と、
    前記燃焼部の二次側に位置する希釈部と、
    前記希釈部の二次側に位置する触媒部と、を備え、
    前記希釈部が、
    前記燃焼室と連通する第1ガス流路と、
    前記第1ガス流路に炭化水素系ガスを供給する、1以上の第3ガス経路と、
    前記第1ガス流路に不活性ガスを供給する、1以上の第4ガス経路と、を有し、
    前記触媒部が触媒を含み、前記触媒部において、前記炭化水素系ガス及び前記不活性ガスによって希釈された前記燃焼ガスと加熱された前記触媒とを反応させて、一酸化炭素ガスと水素ガスと不活性ガスとからなる浸炭用ガスを生成する、浸炭用ガス発生装置。
  2. 前記燃焼部と前記希釈部との間に位置する改質部をさらに備え、
    前記改質部が、前記燃焼室と前記第1ガス流路との間に位置し、前記燃焼室と前記第1ガス流路とそれぞれ連通する第2ガス流路を含み、前記燃焼ガスの一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質する、請求項1に記載の浸炭用ガス発生装置。
  3. 前記改質部が、改質した前記燃焼ガスの流れを分散させる分散板を含む、請求項2に記載の浸炭用ガス発生装置。
  4. 前記第3ガス経路及び前記第4ガス経路が、前記第1ガス流路のガス流れ方向において、同じ高さに位置する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浸炭用ガス発生装置。
  5. 前記第3ガス経路が、前記第1ガス流路のガス流れ方向において、前記第4ガス経路の一次側に位置する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浸炭用ガス発生装置。
  6. 炭化水素系ガスと支燃性ガスとを燃焼させて、燃焼ガスを発生させ、
    前記燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとを供給して希釈ガスを得、
    前記希釈ガスと加熱された触媒とを反応させて、一酸化炭素ガス、水素ガス、及び前記不活性ガスを含む浸炭用ガスを生成する、浸炭用ガス発生方法。
  7. 前記希釈ガスを得る際、前記燃焼ガスに炭化水素系ガスと不活性ガスとをそれぞれ独立に供給する、請求項6に記載の浸炭用ガス発生方法。
  8. 前記燃焼ガスを発生させる際、前記炭化水素系ガスと前記支燃性ガスとの酸素比を、1:0.5~0.8とする、請求項6に記載の浸炭用ガス発生方法。
  9. 前記燃焼ガスの一部を一酸化炭素ガスと水素ガスとに改質した後に、前記炭化水素系ガスと前記不活性ガスとを供給して前記希釈ガスを得る、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の浸炭用ガス発生方法。
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