JP4863541B2 - 燃焼装置及び燃焼方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置及び燃焼方法に関するものであり、より詳細には、工業炉等の燃焼域における火炎の制御性を向上する燃焼装置及び燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
管式加熱炉、金属加熱炉、窯業焼成炉、金属溶融炉、ガス化溶融炉又はボイラー等の工業炉、或いは、ラジアントチューブバーナ等の燃焼加熱式放熱装置は、炭化水素系燃料を供給する燃料供給装置と、燃焼用空気を供給する空気供給装置と、燃料及び燃焼用空気を混合し且つ燃料を燃焼させるバーナー等の燃焼装置とを備える。燃焼装置において混合した燃料及び燃焼用空気は、拡散燃焼による火炎を燃焼域に生成する。バーナー供給前における燃料及び燃焼用空気の予混合は、予期せぬ逆火現象を生じさせることが懸念されており、一般には採用されていない。
【0003】
一般的な燃焼装置において燃料の完全燃焼を図るには、燃焼用空気の実際空気量は、燃料の理論空気量を超える過剰な空気比に設定せざるを得ず、この結果、燃焼用空気及び燃料の混合比(空燃費)は、内燃機関等の液体燃料では、概ね14乃至15に設定される。例えば、燃焼装置に供給されるメタン燃料の燃料容積は、必要空気量の1/15程度に設定される。多くの燃焼装置は、このような流量差を有する燃料噴射流と空気流とを所望の如く混合すべく、旋回流型又は保炎板型等の保炎器を備える。保炎器は、燃料及び空気の混合域に配設され、着火可能な高温循環流を形成し、これにより、火炎の吹き消えを防止し、火炎の安定性を確保する。
【0004】
これに対し、本願出願人が開発した燃焼法として、燃焼用空気を800℃以上の超高温に予熱し、高温予熱空気を混合域又は燃焼域に導入する超高温空気燃焼法が知られている。800℃以上に加熱された高温予熱空気による火炎の燃焼モードは、400℃以下の予熱空気による通常火炎の燃焼モード、或いは、400乃至800℃の温度範囲に加熱された予熱空気による遷移火炎の燃焼モードと比較し、極めて広範囲の空気比の燃焼雰囲気において安定燃焼する。超高温空気燃焼法における燃焼安定性は、空気予熱温度の高温化により反応速度が増大し、燃焼特性が従来のものと比べて全く相違することによるものと考えられる。殊に、燃焼用空気又は燃焼用混合気を燃料の自己着火温度よりも高い温度に加熱したとき、着火過程において外部着火を要しない燃焼反応を実現することができる。しかも、200乃至400℃程度の温度に加熱されるにすぎない従来の予熱空気にあっては、燃焼用空気(予熱空気)の供給流速を火炎吹きとび限界以上に高速化することは理論的にも実務的にも不可能であったのに対し、超高温予熱空気燃焼法によれば、失火現象を回避しつつ、燃焼用空気の供給流速を可成り高速化し、燃焼用空気を高速流として混合域又は燃焼域に供給し得る。更に、このような超高温空気燃焼法により燃焼域に形成される火炎においては、火炎容積の増大および火炎輝度の低下等の現象が観られる一方、局部熱発生現象は抑制され、この結果、燃焼領域の温度場は均一化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
管式加熱炉等の加熱装置に関する輻射及び対流伝熱効果の研究は、従来は、被加熱管の局所的な過熱を防止した上で炉内に所望の温度場を形成する燃焼装置や、被加熱管の配置及び構造等の開発を主に意図したものであった。しかしながら、空燃比が10を超える従来の燃焼装置においては、空気及び燃料の混合は、一般に空気流の温度、流量、流速及び方向性等の制御により支配される傾向があり、燃焼域に生成する火炎の特性は、実質的に空気流の物性及び流体特性により概ね決定されてしまう。例えば、混合域において燃焼反応した燃料及び空気は、燃焼装置の近傍で燃焼し尽くすことから、火炎は、燃焼装置の近傍にのみ形成し得るにすぎず、被加熱物の近傍には到達し難い。これに対し、燃料流体の到達距離等を増大すべく、燃料供給圧力を増大したり、或いは、燃料ノズル径を縮小し、これにより、燃料の吹込み速度を高速化し得たとしても、燃料流体は、空気流量に比べて遙に少量であることから、燃料流体の流勢は、多量の空気流の流勢に打ち消され、吐出直後に失勢してしまうので、燃料流体の到達距離を増大するには至らない。
【0006】
他方、上記超高温空気燃焼法によれば、空気比及び空燃比を低減し且つ燃焼ガスの炉内循環流量を増大し得る結果として、緩慢な燃焼反応を炉内に維持し、炉内の温度場を均一化することが可能となる。しかしながら、この種の燃焼法においては、空気流の供給流速は、比較的高速に設定される傾向がある。このため、燃料及び空気の混合の制御が空気流の制御に依存する傾向が、より一層顕著に現れてしまう。
【0007】
しかも、超高温空気燃焼法では、燃料噴射流、燃焼用空気流及び炉内循環流の混合状態が燃焼反応を制御する上で重要な要因となることが既に判明しており、これら3種の流体の混合制御を重視した装置構成を採用すべき必要がある。しかし、炉内燃焼ガスの循環流を燃料又は空気流と炉内領域で混合する従来の燃焼法によっては、このような各種流体の混合を確実に制御することは、実務的に極めて困難である。かくして、炉内に吐出する燃料流自体の制御性を向上し、燃料流の制御により火炎の位置、拡散態様及び到達距離を制御するとともに、燃料、燃焼用空気及び燃焼ガスの混合位置及び混合比の制御性を向上することができる新規な燃焼法の開発が望まれる。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼域に流入する燃料流の制御性を向上し、燃料流の制御による火炎特性の制御を可能にする燃焼装置及び燃焼方法を提供することにある。
【0009】
本発明は又、燃料、燃焼用空気及び燃焼ガスの混合制御の自由度を向上することができる燃焼装置及び燃焼方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は又、被加熱物に作用する火炎の特性を制御することができる加熱装置及び加熱方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、燃焼域の高温燃焼ガスを炉外に導出して燃料と混合し、または、燃焼ガスに水蒸気を添加して燃焼ガス中の水蒸気量を調節した後に燃料と混合し、或いは、高温の水蒸気を燃料と混合することにより、燃料及び燃焼ガスの混合を確実に制御し得るばかりでなく、新規な燃焼特性を有する多量の燃料ガスを生成し得ることを見出し、かかる知見に基づき、本願発明を達成したものである。
【0012】
即ち、本発明によれば、燃焼用燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼用空気を燃焼域に供給する燃焼用空気供給手段とを備えた燃焼装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気と、前記燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と、前記燃料との混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼装置を提供する。燃焼装置は、燃焼ガス、水蒸気、或いは、燃焼ガス及び水蒸気の混合流体を燃料混合前又は燃料混合後に加熱する加熱手段を更に有する。好ましくは、燃焼ガスを冷却する冷却手段が設けられ、冷却手段及び加熱手段は、高温の燃焼ガスに伝熱接触して蓄熱し且つ冷却後の燃焼ガス及び/又は水蒸気に伝熱接触して放熱する蓄熱体を備える。
【0013】
本発明は又、燃焼用空気を燃焼域に導入し、燃焼用空気及び燃料の混合による燃焼反応を前記燃焼域に生じさせる燃焼方法において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を混合域に供給し、
前記燃焼用燃料を前記混合域に供給して、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼方法を提供する。燃焼ガス、水蒸気、或いは、燃焼ガス及び水蒸気の混合流体は、燃料混合前又は燃料混合後に、加熱手段によって700℃以上の高温に加熱される。好ましくは、燃焼ガス、水蒸気又は混合流体は、燃焼ガスの冷却時に燃焼ガスが放熱した顕熱を受熱して加熱(又は再熱)される。
【0014】
本発明の上記構成によれば、燃料は、燃焼域から炉外に導出した燃焼ガスと、水蒸気供給手段の水蒸気との双方又は一方と混合する。両者の混合域には、希薄な燃料を含有する比較的多量の混合流体が生成する。混合流体は、燃焼用空気流とは独立して制御可能な運動量を有する多量の燃料ガス流として燃焼域に導入される。従って、燃焼域に生成する火炎の特性は、燃焼用空気流の制御のみに依存することなく、燃焼域に導入する燃料ガス流の制御によっても制御し得る。また、上記構成によれば、燃料と、炉外燃焼ガス及び/又は水蒸気とを予め混合した後、燃焼用空気と混合するので、炉内循環流と空気又は燃料とを炉内で混合する従来方式の燃焼法に比べ、燃料及び燃焼用空気の混合制御の自由度及び確実性を大幅に向上することができる。
【0015】
他の観点より、本発明は、燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気と、燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼加熱装置を提供する。燃焼加熱装置は、燃焼ガス、水蒸気、或いは、燃焼ガス及び水蒸気の混合流体を燃料混合前又は燃料混合後に加熱する加熱手段を更に有する。好ましくは、燃焼用空気及び燃料を冷間時に燃焼域に導入する補助燃焼装置が設けられる。
【0016】
本発明は又、燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱方法において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を混合域に供給し、
前記燃焼用燃料を前記混合域に供給して、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼加熱方法を提供する。燃焼ガス、水蒸気、或いは、燃焼ガス及び水蒸気の混合流体は、燃料混合前又は燃料混合後に、加熱手段によって700℃以上の高温に加熱される。好ましくは、補助燃焼装置が冷間時に燃焼作動し、炉温を上昇させる。
【0017】
本発明の上記構成によれば、希薄な燃料を含有する比較的多量の燃料ガスを制御することにより、燃焼域に生成する火炎の特性を制御し、これにより、燃焼域の燃焼発熱反応を調整するとともに、被加熱物に対する火炎の輻射及び対流伝熱作用を改善することができる。
【0018】
なお、本明細書において、「燃料ガス」なる用語は、炉外燃焼ガス及び/又は水蒸気と、燃料とを混合してなる混合流体であって、燃焼用空気と燃焼反応可能な燃料成分を含有するガス流体を意味する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は、本発明の好適な実施形態を示す燃焼装置のブロックフロー図である。
図1(A)に示す燃焼装置は、燃料及び燃焼ガスの混合域と、混合ガスの燃焼域とを有する。燃焼域に生成した高温の燃焼ガスは、燃焼ガス導出路を介して燃焼域から導出される。所定流量の燃焼ガスは、燃焼排ガスとして系外に排気され、燃焼ガスの残部は、混合域に導入される。所望により、水蒸気発生装置の水蒸気が燃焼ガスに注入され、燃焼ガス中の水蒸気量が調節される。炭化水素系燃料が、燃料供給路を介して混合域に導入され、燃焼ガスと混合し、この結果、燃料を燃焼ガスにより希釈してなる高温の混合ガス(燃料ガス)が、混合域に生成する。
【0020】
燃焼ガスは、一般に、0%〜10%の範囲の残存酸素濃度を有するにすぎず、従って、燃料供給路の燃料は、燃焼ガスと実質的に燃焼反応することなく、燃焼ガスに混合する。燃焼ガスの温度は、燃焼域の温度と実質的に等しく、従って、少量の低温燃料を混入した混合ガスは、燃焼ガスの温度よりも僅かに低い温度、例えば、800℃〜1200℃の範囲の温度を依然として保有する。このような高温の混合ガスにおいては、燃料は活性化し、常温の燃料に比べて燃焼反応し易い反面、低酸素濃度の燃焼ガスは、燃料の燃焼反応を抑制する。
【0021】
燃焼ガスの流量は、燃料供給量に比べて遙に大きく、従って、混合ガスは、希薄な燃料を含有した多量の燃料ガスとして燃焼域に導入される。燃焼用空気が燃焼用空気供給路を介して燃焼域に導入され、混合ガス流は、燃焼域の燃焼ガス循環流に実質的に影響を受けることなく、燃焼域において燃焼用空気流と混合し、燃焼反応する。
【0022】
燃料として、気体、液体、固体又は半固体の燃料を使用し得る。例えば、メタン等の炭化水素系の気体燃料を上記燃料として使用した場合、気体燃料は、燃焼ガスにより希釈された高温の燃料ガスとして燃焼域に流入する。燃料及び燃焼ガスの混合過程及び導入過程に生じ得る燃料の熱分解反応及び/又は水蒸気改質反応により、比較的多量の炭化水素ラジカル、水素、炭素又は一酸化炭素等を含む良質の改質ガスを生成し、これを燃料ガスとして燃焼域に供給することも可能である。また、炭化水素系の液体燃料を上記燃料として使用した場合、蒸発過程及び熱分解過程を含めた燃料の改質反応が混合域及び導入路において進行し、良質の燃料ガス(改質ガス)を燃焼域に供給することができる。更に、微粉炭等の固体燃料を燃料として使用した場合、燃料は、高温の燃焼ガス中に浮遊し、混合域及び導入路において熱分解し、これにより、炭化水素ラジカル、水素、炭素及び一酸化炭素を含む高品位の燃料ガスを燃焼域に供給することが可能となる。なお、このような燃料炭化水素の改質作用には、燃焼ガス中の水蒸気が実質的に影響しているものと考えられることから、上記水蒸気発生装置は、燃焼ガス中の水蒸気量を増量すべく、所望により水蒸気を燃焼ガスに添加し、燃料の水蒸気改質反応を促進する。
【0023】
図1(A)に示す構成を適用した燃焼装置の概略断面図が、図5(A)に図示されている。燃焼装置は、燃焼室1、強制給気ファン2、排ガス循環ファン3、燃料混合装置10及び燃焼用空気供給装置30を備える。給気ファン2は、外気吸入路OAを介して吸引した外気を燃料用空気供給路CAに圧送する。空気供給装置30は、燃焼室1に開口した燃焼用空気吐出口35を備え、供給路CAの燃焼用空気は、吐出口35から燃焼室1内に流入する。排ガス循環ファン3は、燃焼ガス導出口90及び燃焼ガス導出路EX、ERを介して燃焼室1の燃焼ガスを誘引し、燃焼ガスを燃焼ガス導入路RGから燃料混合装置10に供給する。水蒸気ボイラー等の水蒸気発生装置8が、水蒸気供給路STを介して燃焼ガス導入路RGに接続され、150〜300℃の過熱水蒸気を燃料ガスに注入し、燃焼ガス中の水蒸気量を調節する。なお、燃焼ガスの一部は、排気流路EGを介して系外に排気される。
【0024】
空気供給装置30の内側に配置された燃料混合装置10は、燃料ノズル11、燃焼ガス導入部12、混合域15及び燃料ガス噴射口16を備える。燃料ノズル11は、燃料供給路Fの供給燃料を混合域15に噴射し、燃焼ガス導入部12は、燃焼ガス導入路RGの燃焼ガス(及び水蒸気)を混合域15に導入する。混合域15は、燃料と、燃焼ガス(及び水蒸気)とを混合し、混合ガス(燃料ガス)を燃焼室1に噴射する。燃焼室1に噴射する混合ガスの流量、噴射圧力及び方向は、燃料ノズル11及び燃焼ガス導入部12が噴射する燃料及び燃焼ガスの流量、噴射圧力及び方向により制御されるとともに、混合域15の構造により規制される。
【0025】
燃焼室1に噴射した混合ガスは、空気供給装置30が吐出する燃焼用空気と混合し、燃焼する。燃焼用空気と概ね同等の流量を有する混合ガスは、燃焼用空気流の運動量(モーメンタム)に相当する運動量を有するので、温度差による浮力及び燃焼用空気流の方向性及び流勢に実質的に影響されることなく、燃料混合装置10が設定した方向に流動し、燃焼用空気と混合する。低酸素濃度の燃焼ガスにより燃焼反応を抑制された混合ガスは、燃焼用空気と緩慢に燃焼反応するので、燃焼域に拡散する混合ガスは、所期の到達距離を確保し、燃焼火炎は、燃料混合装置10及び空気供給装置30の近傍にのみ局所的且つ集中的に生じることなく、炉内の所定領域に所望の如く生成する。
【0026】
このような燃焼法によれば、混合ガスの組成及び流量は、混合域15に導入される燃焼ガス(及び水蒸気)の流量、燃料供給路Fの燃料供給量、更には、燃焼ガス(及び水蒸気)と燃料との混合比により可変制御される。燃焼ガス及び燃料の混合比は、好適には、1:1〜20:1の範囲に設定される。混合域に生成した高温の混合ガスは、燃料自体の供給流量よりも遙に大きな流量の燃料ガスとして燃焼域に供給されるので、炉内循環流と混合して消勢することなく、燃焼用空気と混合する。燃料ガス及び燃焼用空気の混合位置、混合形態及び燃焼特性は、燃焼用空気流及び燃料ガス流の双方を調節することにより制御される。燃料ガス及び燃焼用空気の混合比は、好適には、1:10〜20:10の範囲に設定される。また、燃焼域に流入する燃料ガスの流速は、好ましくは、10〜150m/sの範囲に設定される。かくして、燃焼反応の領域、火炎の位置及び方向性等を燃焼用空気流により制御するばかりでなく、混合ガス(燃料ガス)の流速、流量及び方向性等により制御することが可能となる。
【0027】
本発明の他の実施形態が図1(B)に図示されている。図1(B)に示す燃焼装置において、燃焼ガス導出路、混合域及び燃料ガス導入路を含む循環回路は、ガス流体を強制循環する強制循環ファン等の循環装置を備えるとともに、循環装置の熱負荷及び熱応力を軽減すべく、燃焼ガスを過渡的に冷却する熱交換装置を備える。熱交換装置は、高温の燃焼ガスを過渡的に冷却する冷却部と、降温した燃焼ガスを再熱する加熱部とを有する。冷却部は、燃焼域から導出した燃焼ガスを200℃乃至300℃程度の温度に冷却し、加熱部は、冷却部において受熱した顕熱を冷却後の燃焼ガスに放熱する。冷却部において降温した燃焼ガスは、所望により水蒸気発生装置の水蒸気と混合した後、加熱部において、導出直後の温度と同等の温度に昇温する。燃焼装置は更に、燃焼用空気を800℃以上、好ましくは、1000℃以上の超高温域に予熱する空気予熱装置を備える。
【0028】
図5(B)は、図1(B)に示す構成を適用した燃焼装置の概略断面図である。
燃焼装置は、図5(A)に示す燃焼装置と実質的に同一の燃焼室1、強制給気ファン2、排ガス循環ファン3、水蒸気発生装置8、燃料混合装置10及び空気供給装置30を備える。燃焼装置は更に、熱交換装置13、33及び強制排気ファン4を有し、熱交換装置13、33は夫々、複数の区画に分割された蓄熱体14、34を備える。熱交換装置13は、図1(B)に示す冷却部及び加熱部を構成し、熱交換装置33は、図1(B)に示す空気予熱装置を構成する。熱交換装置13、33として、ディスク回転式の流路切換装置20、40を備えた高速切換式の蓄熱型熱交換器を好適に使用し、蓄熱体13、14として、多数の狭小流路を有するハニカム構造のセラミックス製蓄熱体を好適に使用し得る。この形式の熱交換装置の構造は、例えば、本願出願人による特願平7−284825号(特開平9−126675号公報)等に詳細に開示されているので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0029】
外気吸入路OA及び空気供給路CAに接続された給気ファン2は、燃焼用空気を熱交換装置33に導入し、排気ファン4は、燃焼ガス導出口91、排気流路E1、熱交換装置33及び排気流路E2を介して燃焼室1の燃焼ガスを誘引する。蓄熱体34の各区画は、高温の燃焼排ガスと低温の燃焼用空気とに交互に伝熱接触し、燃焼排ガスが保有する顕熱を燃焼用空気に熱伝達し、燃焼用空気を800℃以上の超高温域に加熱する。高温の燃焼用空気は、高温空気供給路SAを介して空気供給装置30に供給され、吐出口35から燃焼室1内に流入する。他方、200℃乃至300℃程度に降温した排気流路E2の燃焼排ガスは、排気流路E3から系外に排気される。
【0030】
排ガス循環路R3、R4に接続された排ガス循環ファン3は、燃焼ガス導出口90、燃焼ガス導出路EX及び熱交換装置13を介して燃焼室1の燃焼ガスを誘引する。蓄熱体14の低温区画が、高温の燃焼ガスと伝熱接触して蓄熱し且つ燃焼ガスを冷却する。降温した燃焼ガスは、循環ファン3により加圧され、所望により水蒸気発生装置8の水蒸気と混合した後、蓄熱により昇温した蓄熱体14の高温区画と伝熱接触する。燃焼ガス(及び水蒸気)は、蓄熱体14を冷却するとともに、蓄熱体14から受熱し、800℃以上、好ましくは、1000℃以上の超高温域に加熱され、高温の燃焼ガスとして燃焼ガス導入路RGから燃料混合装置10に供給される。所望により、燃焼ガスの一部は、燃焼排ガスとして排気流路EGから系外に排気される。
【0031】
図1(B)及び図5(B)に示す実施形態によれば、燃料供給装置は、冷却部及び加熱部を構成する熱交換装置13を介装した燃焼ガスの循環回路EX、RGを備えており、循環ファン3の熱負荷及び熱応力は大幅に軽減する。燃焼装置は更に、燃焼用空気を上記超高温域に予熱する熱交換装置33を備えており、燃焼室1の燃焼域には、超高温予熱空気が供給される。
【0032】
一般に、かかる超高温予熱空気による燃焼反応は、高速の燃焼用空気流の存在下に円滑に進行することが判明しており、燃焼用空気流の流速は、10m/s以上の高速に設定し得る。高速の空気流は、炉内循環流を活性化するばかりでなく、広範な燃焼反応領域を燃焼室1内に形成する。しかも、低酸素濃度の燃焼ガスを多量に含む混合ガスは、超高温域に予熱された燃焼用空気と混合して自己着火し、低酸素濃度の高温燃焼雰囲気を炉内に形成する。混合ガス中の燃料成分は、高温燃焼雰囲気による燃焼反応の促進、燃焼ガス(及び水蒸気)との予混合による燃料の活性化、低酸素濃度に伴う燃焼反応の抑制、更には、高速流による燃焼反応の広域化等の作用を受け、広範な領域において緩慢に燃焼反応し、比較的低温且つ広域の燃焼火炎を燃焼域に生成する。
【0033】
図6は、図1(B)に示す燃焼装置の構成を適用した他の構成の燃焼装置を示す概略縦断面図である。なお、図6(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図6(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。また、図6において、上記各実施形態の各構成要素と実質的に同一又は均等な構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0034】
図6に示す燃焼装置は、一対の燃料混合装置10A、10B及び一対の空気供給装置30A、30Bを備える。燃焼装置は、熱交換装置の構成に関し、図5に示す燃焼装置と相違しており、燃料混合装置10A、10Bは夫々、蓄熱体14を内蔵し、空気供給装置30A、30Bは夫々、蓄熱体34を内蔵する。蓄熱体14、34として、ハニカム構造のセラミックス製蓄熱体を好適に使用し得る。燃焼装置は又、燃焼ガスの流路を切換える流路切換装置20と、燃焼用空気の流路を切換える流路切換装置40とを備える。流路切換装置20、40は、60秒以下に設定された所定の時間間隔毎に第1位置(図6A)又は第2位置(図6B)に交互に切換えられる。
【0035】
第1燃焼工程(図6A)において、給気ファン2は、外気吸入路OAの外気を燃料用空気供給路CAを介して流路切換装置40に導入し、燃焼用空気は、給排流路L1を介して空気供給装置30Aに供給される。燃焼用空気は、空気供給装置30Aの蓄熱体34と伝熱接触し、蓄熱体34の放熱作用により上記超高温域に加熱され、しかる後、空気吐出口35から燃焼室1に流入する。排気ファン4は、空気供給装置30B、給排流路L2、流路切換装置40及び排気流路E2、E3を介して燃焼室1の燃焼ガスを系外に排気する。空気供給装置30Bの蓄熱体34は、高温の燃焼排ガスと伝熱接触して加熱され、燃焼ガスは、降温する。
【0036】
排ガス循環ファン3は、燃料混合装置10B、排ガス循環路R2、R3及び流路切換装置20を介して燃焼室1の燃焼ガスを誘引し、流路切換装置20及び排ガス循環路R4、R1を介して燃焼ガスを燃料混合装置10Aに供給する。燃料混合装置10Bを流通する燃焼室1の高温燃焼ガスは、燃料混合装置10Bの蓄熱体14と伝熱接触して冷却するとともに、蓄熱体14を加熱する。降温した燃焼ガスは、所望により水蒸気発生装置8の水蒸気と混合した後、循環ファン3の循環圧力下に燃料混合装置10Aに供給され、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を流通し、高温の蓄熱体14との熱交換により上記超高温域に加熱される。燃料混合装置10Aの燃料ノズル11は、加熱後の燃焼ガス(及び水蒸気)に燃料を吐出し、燃焼ガス及び燃料の混合ガスは、燃料ガスとして燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流入する。
【0037】
第2燃焼工程(図6B)において、燃焼用空気は、外気吸入路OA、空気供給路CA、流路切換装置40及び給排流路L2を介して空気供給装置30Bに供給される。燃焼用空気は、空気供給装置30Bの蓄熱体34と熱交換し、上記超高温域に加熱され、高温の燃焼用空気として空気吐出口35から燃焼室1に流入する。排気ファン4は、空気供給装置30A、給排流路L1、流路切換装置40及び排気流路E2、E3を介して、燃焼ガスを系外に排気する。空気供給装置30Aの蓄熱体34は、高温の燃焼ガスと伝熱接触して加熱され、燃焼排ガスは冷却される。
【0038】
排ガス循環ファン3は、燃料混合装置10A、排ガス循環路R1、R3及び流路切換装置20を介して燃焼室1の燃焼ガスを誘引し、流路切換装置20及び排ガス循環路R4、R2を介して燃焼ガスを燃料混合装置10Bに供給する。燃焼室1の高温燃焼ガスは、燃料混合装置10Aの蓄熱体14と伝熱接触して冷却し、蓄熱体14を加熱する。降温した燃焼ガスは、所望により水蒸気発生装置8の水蒸気と混合した後、循環ファン3の循環圧力下に燃料混合装置10Bに供給され、燃料混合装置10Bの蓄熱体14と熱交換して上記超高温域に加熱される。燃料混合装置10Bの燃料ノズル11は、加熱後の燃焼ガス(及び水蒸気)に燃料を吐出し、燃焼ガス及び燃料の混合ガスは、燃料ガスとして燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流入する。
【0039】
図7は、図6に示す燃料混合装置10A、10Bの作用を概略的に示すブロックフロー図である。図7(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図7(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0040】
上記燃焼装置の構成によれば、燃焼室1の燃焼ガスは、一方の燃料混合装置10を介して燃焼域から導出され、排ガス循環ファン3の循環圧力下に循環路R1、R2を循環し、所望により水蒸気を添加した後、他方の燃料混合装置10に供給され、再熱後に燃料と混合し、燃料ガスとして燃焼域に導入される。高温燃焼ガスの顕熱は、炉外導出時に蓄熱体14に過渡的に蓄熱され、燃料と混合する直前の低温燃焼ガスに放熱される。第1及び第2燃焼工程が短時間に交互に反復実行され、燃焼ガス(及び水蒸気)は、連続的に冷却され且つ再熱される。
【0041】
同様に、第1及び第2燃焼工程の反復により、燃焼用空気は、蓄熱体34(図6)を介して燃焼ガスの顕熱を継続的に受熱し、連続的に超高温域に予熱される。混合ガス及び燃焼用空気は、隣接する燃料混合装置10及び空気供給装置30から燃焼室1に夫々導入され、燃焼室1の燃焼域には、上述の如く、緩慢な燃焼反応、燃料ガス流の容積及び流速の増大、更には、燃焼用空気の流速増大等に伴う広域且つ比較的低温の燃焼火炎が生成する。
【0042】
本発明の更に他の実施形態が図1(C)に図示されている。図1(C)に示す燃焼装置は、図1(B)に示す実施形態と類似し、燃焼ガスの冷却部及び加熱部と、空気予熱装置とを備える。しかしながら、本実施形態において、混合域15は、加熱部と循環装置との間に配置される。このような実施形態によれば、燃料は、冷却部において降温した燃焼ガス(及び水蒸気)と混合し、混合域の混合ガスは、加熱部において上記超高温域に加熱される。加熱部における混合ガスの昇温過程により、混合ガスの熱分解反応及び水蒸気改質反応が生じ、混合ガスは、比較的多量の炭化水素ラジカル、水素、炭素又は一酸化炭素等を含む良質の燃料ガスに改質される。
【0043】
図8は、図1(C)に示す燃焼装置の構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図であり、図8(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図8(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。上記各実施形態の各構成要素と実質的に同一又は均等な構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0044】
図8に示す燃焼装置は、蓄熱体14を内蔵した燃料混合装置10A、10Bと、蓄熱体34を内蔵した空気供給装置30A、30Bと、燃焼ガス及び燃焼用空気の流路を切換える流路切換装置20、40とを備えた点において、図6に示す実施形態と類似する。しかしながら、本実施形態の燃焼装置において、蓄熱体14は、燃焼室1と混合域15との間に介装され、蓄熱体14の狭小流路は、燃焼室1と混合域15とを相互連通する。
【0045】
第1燃焼工程(図8A)において、燃料混合装置10Aの燃焼ガス導入部12に供給された低温の燃焼ガス(及び水蒸気)は、燃料混合装置10Aの燃料ノズル11から吐出した燃料と混合し、燃焼ガス(及び水蒸気)と燃料との混合ガスは、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を流通し、高温の蓄熱体14との熱交換により上記超高温域に加熱される。高温の燃料ガスは、燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流入する。
【0046】
第2燃焼工程(図8B)において、燃料混合装置10Bの燃焼ガス導入部12に供給された低温の燃焼ガス(及び水蒸気)は、燃料混合装置10Bの燃料ノズル11から吐出した燃料と混合し、燃焼ガス(及び水蒸気)と燃料との混合ガスは、燃料混合装置10Bの蓄熱体14を流通し、高温の蓄熱体14との熱交換により上記超高温域に加熱された後、燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流入する。
【0047】
混合ガスは、燃料混合装置10A、10Bの蓄熱体14を流通する間に受熱し、熱分解反応し、比較的良質の燃料ガスに改質される。燃料混合装置10A、10Bから燃焼室1内に噴射した混合ガスは、隣接する燃焼用空気吐出口35から燃焼域に流入する高温の燃焼用空気と混合し、低酸素濃度且つ高温の燃焼雰囲気による広範な燃焼火炎を燃焼室1に生成する。
【0048】
図2(A)、(B)及び(C)には、本発明の他の実施形態が示されている。図2(A)、(B)及び(C)は、図1(A)、(B)及び(C)の各実施形態と概ね相応した構成を有するが、図2に示す各実施形態では、燃焼ガスの一部が燃焼用空気と混合する。図2(A)に示す燃焼装置において、炉外に導出された燃焼ガス(及び水蒸気)は、燃料との混合域に導入されるばかりでなく、燃焼用空気との混合域にも導入される。図2(B)に示す燃料供給装置は、高温予熱空気と高温燃焼ガスとを混合する混合域を備えており、加熱部において再熱された燃焼ガス(及び水蒸気)の一部が、高温予熱装置により超高温に予熱された燃焼用空気と混合する。図2(C)に示す燃焼装置は、燃焼用空気と低温燃焼ガス(及び水蒸気)とを混合する混合域を備えており、冷却部において200℃乃至300℃程度の温度域に降温した燃焼ガス(及び水蒸気)の一部が、高温に予熱する前の常温空気と混合する。
【0049】
このような実施形態によれば、燃焼用空気と燃焼ガス(及び水蒸気)と混合により燃焼用空気の酸素濃度が低下し、燃焼用空気の燃焼反応性が抑制される。低酸素濃度の燃焼用空気は、同様に燃焼ガス(及び水蒸気)により希釈された低酸素濃度の燃料ガスと混合し、低酸素濃度の燃焼雰囲気を燃焼域に形成する。この結果、燃焼域には、緩慢な燃焼反応が進行し、広域且つ均等な火炎が生成する。
【0050】
図9(A)、(B)及び図10は、図2に示す燃焼装置の構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。図9及び図10において、上記各実施形態の各構成要素と実質的に同一又は均等な構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0051】
図9(A)及び図9(B)に示す燃焼装置は、空気供給装置30に接続された燃焼ガス導入路RGの分流路R5を備える。燃焼ガス導入路RGを流通する燃焼ガス(及び水蒸気)は、分流路R5の分岐部で分流し、燃焼ガス(及び水蒸気)の一部は、空気供給装置30において燃焼用空気と混合する。
【0052】
図9(B)は、図2(B)の構成を適用した燃焼装置に関するものであるが、図9(B)の構成において、排ガス循環路R4と空気供給路CAとを接続し、図2(C)に示す如く、低温の燃焼ガス(及び水蒸気)を低温の燃焼用空気に混合しても良い。
【0053】
図10に示す燃焼装置では、排ガス循環路R1の分岐路R5が、空気供給装置30Aに接続され、排ガス循環路R2の分岐路R6が、空気供給装置30Bに接続される。第1燃焼工程(図10A)において、排ガス循環路R1の燃焼ガス(及び水蒸気)は、分岐路R5から部分的に空気供給装置30Aに導入され、燃焼用空気と混合する。第2燃焼工程(図10B)において、排ガス循環路R2の燃焼ガス(及び水蒸気)は、分岐路R6から部分的に空気供給装置30Bに導入され、燃焼用空気と混合する。
【0054】
図3(A)、(B)及び(C)には、本発明の更に他の実施形態が示されている。図3に示す実施形態は、燃焼ガス中の水蒸気の作用を殊に重視した構成のものであり、燃焼ガスの熱により700℃以上、好ましくは、1000℃以上、更に好ましくは、1500℃以上の超高温に加熱された水蒸気が、燃料と混合する。即ち、前述の各実施形態では、燃料に含まれる炭化水素の改質反応は、主として、燃焼ガス中の高温水蒸気の存在により効果的に進行しているものと考えられるが、本実施形態では、このような高温水蒸気の作用を更に顕在化すべく、燃焼ガスが保有する顕熱を水蒸気に伝熱して水蒸気を700℃以上に超高温に加熱し、高温の水蒸気を燃料と混合するようにしている。高温水蒸気は、改質材且つ高温熱媒体として機能し、燃料は、高温水蒸気の作用により、比較的多量の炭化水素ラジカル、水素、炭素又は一酸化炭素等を含む良質の燃料に改質され、高温の燃焼用空気と混合して燃焼する。なお、図3(A)及び図3(B)に示す装置では、燃焼ガスは、水蒸気を加熱した後、系外に排気される。
【0055】
図11、図12及び図13は、図3の各図に示す燃料供給装置を備えた燃焼装置の概略縦断面図である。図11乃至図13の各図に示す燃焼装置は、図6に示す燃焼装置と類似した全体構成を備える。しかしながら、本実施形態では、水蒸気発生装置8の水蒸気が、水蒸気供給路STを介して流路切換装置20及び/又は外気吸入路OAに供給される。水蒸気は、蓄熱体14、34と伝熱接触し、700℃以上の高温に加熱された後、燃料と混合する。なお、図11には、燃焼装置の第1燃焼工程(図11A)及び第2燃焼工程(図11B)が示されており、図12及び図13には、燃焼装置の第1燃焼工程のみが図示されている。
【0056】
図4には、本発明の更に他の実施形態が示されている。図4に示す実施形態は、高温水蒸気を燃料と混合して燃料の改質反応を促進する点において、図3に示す実施形態と類似するが、本実施形態では、燃料供給装置は、水蒸気を高温に加熱する水蒸気加熱装置を更に備える。水蒸気加熱用の燃料及び燃焼用空気が、水蒸気加熱装置の燃焼室に供給され、水蒸気発生装置の水蒸気は、燃焼室の燃焼熱を受熱し、700℃以上の高温に加熱される。高温水蒸気は、混合域に供給され、燃料と混合して燃料を改質する。燃料及び高温水蒸気の混合気は、良質の燃料ガスとして高温の燃焼用空気と更に混合し、燃焼装置の燃焼域において燃焼する。
【0057】
図14は、図4に示す燃料供給装置を備えた燃焼装置の概略縦断面図であり、図15及び図16は、水蒸気加熱装置の構成を示す断面図である。
図14に示す如く、水蒸気加熱装置80は、水蒸気供給路LSを介して水蒸気発生装置8に接続されるとともに、高温水蒸気供給路HSを介して流路切換装置20に接続される。高温水蒸気は、第1燃焼工程(図14A)において、燃料混合装置10Aの混合域15に導入され、第2燃焼工程(図14B)において、燃料混合装置10Bの混合域15に導入される。いずれの燃焼工程においても、高温水蒸気は、燃料ノズル11から吐出した燃料と混合した後、燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流入する。高温水蒸気は、混合域15に高温雰囲気を形成するとともに、炭化水素系燃料と水蒸気改質反応し、燃料を良質の燃料ガスに改質する。
【0058】
図15及び図16に示す如く、水蒸気加熱装置80は、加熱炉本体88、4方弁95及び切換制御弁85、86、87を備える。加熱炉本体88は、左右一対のハニカム型蓄熱体81、燃焼室82、燃焼用空気吐出部83及び燃料ノズル84を有する。燃焼用空気供給路SA及び燃料供給路SFの空気及び燃料が、制御弁85、86の制御下に空気吐出部83及び燃料ノズル84から燃焼室82のいずれか一方に交互に供給され、水蒸気供給路LSの水蒸気が、4方弁95の制御下に蓄熱体81のいずれか一方に交互に供給される。燃焼室82に生成した高温の燃焼ガスは、蓄熱体81を加熱した後、排気路EA及び排気流路EGから排気される。比較的低温の水蒸気は、分配路L1又はL2から高温の蓄熱体81に供給され、蓄熱体81に伝熱接触して800℃以上の高温に加熱された後、供給路HSに流出し、流路切換装置20(図14)に供給される。所望により、制御弁87を開放し、排ガス循環路R3の燃焼ガスの一部又は全量を燃焼ガス流路EBから水蒸気供給路LSに導入し、水蒸気供給路LSの水蒸気流に混合しても良い。
【0059】
【実施例】
以下、図17乃至図26を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。なお、以下の各図において、図1乃至図16に示す各構成要素と実質的に同一又は均等な構成要素については、同一の参照符号が付されている。
【0060】
図17は、本発明の第1実施例に係る燃焼装置を示す断面図である。図17(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図17(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0061】
図17に示す燃焼装置は、図6に示す燃焼装置の基本構成を更に具体化したものであり、燃料混合装置10A、10B、空気供給装置30A、30B、流路切換装置20、40、給気ファン2及び排ガス循環ファン3を備えており、流路切換装置20、40は、第1位置(図17A)又は第2位置(図17B)に交互に切換えられる。燃料混合装置10A、10B及び空気供給装置30A、30Bは、所定の傾斜角度をなして燃焼室1の炉体Wに固定される。装置10A、30Aの中心軸線は、燃焼室1内の燃焼域において交差するように配向され、装置10B、30Bの中心軸線は、燃焼室1内の燃焼域において交差するように配向される。
【0062】
燃料混合装置10A、10Bは、円筒形ケーシング17と、ケーシング17内に収容された蓄熱体14と、蓄熱体14の中心部を貫通する燃料ノズル11とから概ね構成される。ケーシング17の先端部は、截頭円錐形の縮径部16aを有し、燃料ガス噴射口16が、縮径部16aの先端に開口する。燃料ノズル11の燃料噴射口11aが、燃料ガス噴射口16から若干引っ込んだ位置に配置され、混合域15が、燃料ガス噴射口16と燃料噴射口11aとの間に形成される。ケーシング17の底部は、底板19により閉塞し、燃焼ガス導入部12が、蓄熱体14と底板19との間に画成される。導入部12は、燃焼ガスポート18と連通し、ポート18は、排ガス循環路R1、R2に接続される。燃料ノズル11は、底板19を貫通し、燃料供給管F1、F2に接続され、燃料供給制御弁V1、V2が、燃料供給管F1、F2に夫々介装される。
【0063】
空気供給装置30A、30Bは、円筒形ケーシング37と、ケーシング37内に収容された蓄熱体34とから概ね構成される。ケーシング37の先端部は、截頭円錐形の縮径部36aを有し、燃焼用空気吐出口35が、縮径部36aの先端に開口する。ケーシング37の底部は、底板39により閉塞し、燃焼用空気導入部32が、蓄熱体34と底板39との間に画成される。導入部32は、燃焼用空気ポート38と連通し、ポート38は、給排流路L1、L2に接続される。
【0064】
蓄熱体14、34は、多数の正方形断面のセル孔を備えた格子状のセラミックス製ハニカム構造体からなる。ハニカム構造体は、ケーシング17、37内に組込み可能な断面寸法及び全長を有し、各セル孔は、燃焼ガス又は燃焼用空気を流通可能な狭小流路を構成する。セル壁の壁厚及び各セル壁のピッチ(間隔)は、好ましくは、蓄熱体の容積効率の最大値に相応し且つ0.7乃至1.0の範囲内の温度効率を達成可能な壁厚及びピッチに設定される。
【0065】
流路切換装置20は、第1位置又は第2位置に選択的に切換制御可能な高速切換式の4方弁からなり、中心回転軸25に固定された板状の弁体26を有する。流路切換装置20は、排ガス循環路R1、R2に夫々接続された給排ポート21、22と、排ガス循環路R3、R4に夫々接続されたバイパスポート23、24とを備える。循環路R3は、排ガス循環ファン3の吸引口に接続され、循環路R4は、循環ファン3の吐出口に接続される。循環路R4には、排気流路EG及び水蒸気供給路STが接続され、所望により、燃焼ガスの一部が系外に排気され、水蒸気発生装置(図示せず)の水蒸気が、循環路R4の燃焼ガス流に注入される。
【0066】
流路切換装置40は、流路切換装置20と同時に第1位置及び第2位置に切換制御可能な高速切換式の4方弁からなり、中心回転軸45に固定された板状の弁体46を有する。流路切換装置40は、燃料用空気供給路CAに接続された給気ポート41、排気流路E2に接続された排気ポート42、給排流路L1、L2に夫々接続された給排ポート43、44を備える。
【0067】
第1燃焼工程(図17A)において、流路切換装置20、40は、第1位置に保持される。燃焼室1の燃焼ガスは、燃料混合装置10Bの蓄熱体14を介して排ガス循環ファン3に吸引される。燃焼ガスは、循環ファン3により加圧され、所望により供給路STの水蒸気を添加された後、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を介して同混合域15に吐出する。燃料供給制御弁V1は、燃料混合装置10Aの燃料ノズル11に燃料を供給し、燃料は、燃料混合装置10Aの混合域15に吐出する。燃料と燃焼ガス(及び水蒸気)とは、混合域15において混合し、混合ガスは、燃料ガスとして燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流出する。燃焼室1の燃焼ガスは又、空気供給装置30Bの蓄熱体14を介して給排流路L2に導出され、排気ファン(図示せず)の排気誘引圧力下に流路切換装置40及び排気流路E2を介して系外に排気される。給気ファン2は、燃料用空気供給路CA、流路切換装置40及び給排流路L1を介して燃焼用空気を空気供給装置30Aの蓄熱体34に導入し、蓄熱体34を流通した燃焼用空気は、燃焼用空気吐出口35から燃焼室1内に流出する。装置10A、30Aから吐出した燃料ガス流及び燃焼用空気流は、燃焼室1内において混合し、燃料ガスは、燃焼する。
【0068】
第2燃焼工程(図17B)において、流路切換装置20、40は、第2位置に保持される。燃焼室1の燃焼ガスは、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を介して排ガス循環ファン3に吸引される。燃焼ガスは、循環ファン3により加圧し且つ所望により供給路STの水蒸気を添加した後、燃料混合装置10Bの蓄熱体14を介して混合域15に吐出する。燃料供給制御弁V2は、燃料混合装置10Bの燃料ノズル11に燃料を供給し、燃料は、燃料混合装置10Bの混合域15に吐出する。燃料と燃焼ガス(及び水蒸気)とは、混合域15において混合し、混合ガスは、燃料ガスとして燃料ガス噴射口16から燃焼室1内に流出する。燃焼室1の燃焼ガスは又、空気供給装置30Aの蓄熱体14を介して給排流路L1に導出され、排気ファン(図示せず)の排気誘引圧力下に流路切換装置40及び排気流路E2を介して系外に排気される。給気ファン2は、燃料用空気供給路CA、流路切換装置40及び給排流路L2を介して燃焼用空気を空気供給装置30Bの蓄熱体34に導入し、蓄熱体34を流通した燃焼用空気は、燃焼用空気吐出口35から燃焼室1内に流出する。装置10B、30Bから吐出した燃料ガス流及び燃焼用空気流は、燃焼室1内において混合し、燃料ガスは、燃焼する。
【0069】
流路切換装置20、40は、60秒以下に設定された所定の時間間隔で第1位置又は第2位置に交互に切換えられ、第1燃焼工程(図17A)及び第2燃焼工程(図17B)は、交互に実行される。燃料混合装置10A、10Bの各蓄熱体14は、高温の燃焼ガスに伝熱接触して燃焼ガスを冷却する蓄熱作用と、冷却した燃焼ガスに伝熱接触して燃焼ガスを超高温域に加熱する放熱作用とを反復する。従って、排ガス循環路R3、R4の燃焼ガス温度は低下するので、排気循環ファン3の熱負荷及び熱応力は軽減する一方、混合域15に吐出すべき燃焼ガス(及び水蒸気)は、導出直後の温度よりも僅かに低い温度に再熱される。空気供給装置30A、30Bの各蓄熱体34は、高温の燃焼ガスに伝熱接触して燃焼ガスを冷却する蓄熱作用と、低温の燃焼用空気に伝熱接触して燃焼用空気を超高温域に加熱する放熱作用とを反復する。従って、燃焼排ガスが保有する顕熱は、蓄熱体14を介して燃焼用空気に熱伝達し、燃焼用空気吐出口35から吐出する燃焼用空気は、継続的に超高温域に予熱される。
【0070】
このように高温の燃焼用空気及び高温の混合ガスの噴射流が、燃料ガス噴射口16及び燃焼用空気吐出口35から燃焼域に噴流し、燃料混合装置10及び空気供給装置30の中心軸線の交差領域において混合し、低酸素濃度の高温燃焼雰囲気が交差領域に形成される。流路断面積を制限した燃料ガス噴射口16及び燃焼用空気吐出口35における燃料ガス及び燃焼用空気の流速は、例えば、10m/sを超える高速に設定され、高速の燃料ガス流及び燃焼用空気流が、燃焼室1内に流入する。燃焼用空気の流量と概ね同等の流量を有する燃料ガス流は、燃焼用空気流と同等の運動量を有し、従って、燃焼用空気流と独立した燃料ガス流の制御を実行することが可能となる。このような多量の燃料ガス流による燃焼法は、少量の燃料流体を多量の燃焼用空気流と混合するにすぎない従来の燃焼法とは、以下の如く、全く相違する。
【0071】
即ち、高温且つ低酸素濃度の燃焼ガス(及び水蒸気)は、燃料の燃焼反応を抑制し且つ燃料の運動量を大幅に増大する高温の燃料キャリヤ又は燃料増量手段として機能し、高温の燃焼用空気は、低酸素濃度の燃焼雰囲気において燃料ガスの自己着火により燃料ガスの緩慢な燃焼反応を生じさせる酸化剤として作用する。運動量が増大した燃料流体は、炉内温度差に伴う浮力の影響を受け難く、しかも、燃焼用空気との不均一且つ局所的な混合による不完全燃焼又は局所発熱を防止することができる。更に、燃料流体は、燃焼用空気流とは独立制御可能な運動量を有し、炉内循環流の影響を受け難いので、燃料流体と燃焼用空気との混合位置、混合状態及び混合速度等を燃料ガスの制御により規制し、これにより、火炎の位置及び特性を所望の如く制御することが可能となる。
【0072】
また、従来の高速切換式蓄熱型燃焼装置では、燃焼排ガスの排気口と空気及び燃料の吐出口とが炉壁面において隣接配置される結果、吐出口の燃料噴流が排気口にショートパスしてしまう傾向があり、しかも、給排気の切換動作が短時間に反復する結果、炉内循環流の振動等が生じ、この影響により、燃料噴流の振動、或いは、燃料及び空気の混合気の振動が発生し易い傾向がある。このような流体振動は、燃焼雰囲気における燃料の濃淡、振動燃焼、更には、不安定な燃焼反応を生じさせる可能性があり、これを確実に回避し得る対策が望まれていた。これに対し、上記構成の燃焼装置によれば、燃料流体の運動量の増加により、燃料と燃焼用空気とを燃焼域において適正且つ確実に混合し、安定燃焼するので、上記燃料ショートパスや、混合気の振動等の発生を防止することができる。
【0073】
図18は、本発明による燃焼装置の第2実施例を示す断面図である。図18(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図18(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0074】
図18に示す実施例は、上記第1実施例と実質的に同じ構造を有する流路切換装置20、40、給気ファン2及び排ガス循環ファン3を備え、流路切換装置20、40は、所定の時間間隔において第1位置(図10A)又は第2位置(図10B)に交互に切換えられる。本例の燃焼装置において、燃料混合装置10は、上記第1実施例の燃料混合装置10A、10Bを実質的に一体化した構造を有し、空気供給装置30は、上記第1実施例の空気供給装置30A、30Bを実質的に一体化した構造を有する。
【0075】
燃料混合装置10は、一対の蓄熱体14A、14Bを備える。第1燃焼工程(図18A)において、燃焼室1の燃焼ガスは、第2蓄熱体14Bを介して炉外に導出され、排ガス循環ファン3により加圧された後、所望により、水蒸気供給路STの水蒸気を添加される。燃焼ガス(及び水蒸気)は、第1蓄熱体14Aから混合域15に吐出し、燃料ノズル11が噴射する燃料と混合し、燃料ガスとして燃焼室1内に流入する。第2燃焼工程(図18B)において、燃焼室1の燃焼ガスは、第1蓄熱体14Aを介して炉外に導出され、排ガス循環ファン3により加圧された後、所望により、水蒸気供給路STの水蒸気を添加される。燃焼ガス(及び水蒸気)は、第2蓄熱体14Bから混合域15に吐出し、燃料ノズル11が噴射する燃料と混合し、燃料ガスとして燃焼室1内に流入する。流路切換装置20は、第1及び第2位置に交互に切換制御され、蓄熱体14A、14Bは、蓄熱作用及び放熱作用を反復する。燃料供給管F1の燃料供給制御弁V1は、燃料ノズル11に対して常時燃料を供給する。燃料は、混合域15に常時吐出し、蓄熱体14A又は蓄熱体14Bの一方より吐出した高温の燃焼ガス(及び水蒸気)と混合し、混合ガス(燃料ガス)を連続生成する。
【0076】
同様に、空気供給装置30も又、一対の蓄熱体34A、34Bと、蓄熱体34A、34Bの間に配置された燃料ノズル31とを備える。第1燃焼工程(図10A)において、燃焼室1の燃焼ガスは、第2蓄熱体34Bを介して炉外に導出され、排気流路E2から系外に排気され、他方、燃焼用空気は、給気ファン2の給気押込み圧力下に第1蓄熱体34Aから燃焼室1内に導入される。第2燃焼工程(図10B)において、燃焼室1の燃焼ガスは、第1蓄熱体34Aを介して炉外に導出され、排気流路E2から系外に排気され、他方、燃焼用空気は、給気ファン2の給気押込み圧力下に第2蓄熱体34Bから燃焼室1内に導入される。流路切換装置40は、流路切換装置20と同時に第1位置又は第2位置に切換制御され、蓄熱体34A、34Bは、蓄熱作用及び放熱作用を反復する。燃料ノズル31は、燃料供給制御弁V3を備えた燃料供給管F3に接続される。燃料ノズル31は、燃焼装置の起動時の如く炉温が比較的低温の時期(冷間時)にのみ、燃料を燃料ノズル31に供給する。燃料ノズル31の先端に位置する燃料噴射口は、燃料を噴射し、比較的多量の酸素を含む燃焼用空気による燃料の燃焼反応を燃焼域に生起する。燃料ノズル31は、炉温が所定温度に上昇した時期(熱間時)に燃料の噴射を停止する。
【0077】
燃料混合装置10及び空気供給装置30は、所定の傾斜角度をなして燃焼室1の炉体Wに固定され、装置10、30の中心軸線は、燃焼室1の燃焼域において交差するように配向される。空気供給装置30から燃焼室1内に流入した燃焼用空気は、燃料混合装置10から燃焼室1内に流入した混合ガス(燃料ガス)と混合し、燃焼反応する。
【0078】
このような燃焼装置によれば、上記第1実施例と同様に燃料流体の運動量を増大し、その制御性を向上し得るばかりでなく、燃料ノズル11の燃料噴射時期を切換制御することなく、燃料を燃料ノズル11から連続的に噴射することができる。なお、上記燃料ノズル31の燃料噴射を熱間時に継続しても良く、この場合、燃料ノズル31の燃料噴射量は、熱間時に制限される。
【0079】
図19は、本発明による燃焼装置の第3実施例を示す断面図である。図19(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図19(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0080】
図19に示す実施例は、上記第1及び第2実施例と実質的に同じ構造を有する流路切換装置20、40、給気ファン2及び排ガス循環ファン3を備え、流路切換装置20、40は、所定の時間間隔で第1位置(図9A)又は第2位置(図9B)に交互に切換えられる。各燃料ノズル11は、流路切換装置20、40と同期制御され、交互に燃料を噴射する。
【0081】
本例の燃焼装置では、燃料混合装置10A及び空気供給装置30Aを一体的に組付けてなる複合燃焼装置50Aと、燃料混合装置10B及び空気供給装置30Bを一体的に組付けてなる複合燃焼装置50Bとが使用される。このような燃焼装置の構成は、図6に示す実施形態を更に具体化したものである。
【0082】
複合装置50Aを構成する燃料混合装置10Aは、燃料ノズル11、蓄熱体14、ケーシング17及び燃焼ガス導入部12を備え、空気供給装置30Aは、燃料混合装置10Aの外側に配置された蓄熱体34、ケーシング37及び燃焼用空気導入部32を備える。燃焼ガスポート18は、排ガス循環路R1に接続され、燃焼用空気ポート38は、給排流路L1に接続される。また、燃料ノズル11は、燃料供給制御弁V1を備えた燃料供給管F1に接続される。
【0083】
複合装置50Bは、複合装置50Aの燃料混合装置10A及び空気供給装置30Aと実質的に同一の構成を有する燃料混合装置10B及び空気供給装置30Bからなり、複合装置50Bの各部構成は、複合装置50Aと対称に構成される。複合装置50Bの燃焼ガスポート18は、排ガス循環路R2に接続され、燃焼用空気ポート38は、給排流路L2に接続される。また、燃料混合装置10Bの燃料ノズル11は、燃料供給制御弁V2を備えた燃料供給管F2に接続される。
【0084】
第1燃焼工程(図19A)において、燃焼室1の燃焼ガスは、複合装置50Bの蓄熱体14、34を介して排ガス循環路R2及び給排流路L2に導出される。循環路R2の燃焼ガスは、流路切換装置20を介して排ガス循環ファン3に誘引される。燃焼ガスは、循環ファン3により加圧され且つ所望により水蒸気を注入された後、複合装置50Bの蓄熱体14から混合域15に吐出し、燃料ノズル11が噴射する燃料と混合し、燃焼室1内に流入する。他方、給排流路L2の燃焼ガスは、流路切換装置40及び排気流路E2を介して系外に排気される。また、燃焼用空気は、複合装置50Aの蓄熱体34を流通して複合装置50Aの吐出口35から燃焼室1に流入する。
【0085】
第2燃焼工程(図19B)において、燃焼室1の燃焼ガスは、複合装置50Aの蓄熱体14、34を介して排ガス循環路R1及び給排流路L1に導出される。循環路R1の燃焼ガスは、流路切換装置20を介して排ガス循環ファン3に誘引される。燃焼ガスは、循環ファン3により加圧され且つ所望により水蒸気を注入された後、複合装置50Bの蓄熱体14から混合域15に吐出し、燃料ノズル11が噴射する燃料と混合し、燃焼室1内に流入する。他方、給排流路L1の燃焼ガスは、流路切換装置40及び排気流路E2を介して系外に排気される。また、燃焼用空気は、複合装置50Bの蓄熱体34を流通して複合装置50Bの吐出口35から燃焼室1に流入する。
【0086】
流路切換装置20、40は、60秒以下に設定された所定の時間間隔において第1位置又は第2位置に同期切換制御され、蓄熱体14、34は、蓄熱作用及び放熱作用を反復する。複合装置50A、50Bから吐出した燃料ガス流及び燃焼用空気流は、燃焼室1内の燃焼域において混合し、燃焼反応する。
【0087】
このような実施例によれば、燃料ノズル11の燃料流体は、蓄熱体14から流出する高温燃焼ガス流の中心部に噴射され、燃焼ガス流の中心部から燃焼ガスと混合する。燃焼用空気流は、燃焼ガス流を囲むように蓄熱体34から流出し、燃焼ガス流の外縁領域から燃焼ガス及び燃料の混合ガス(燃料ガス)と反応する。従って、燃焼ガス(及び水蒸気)流は、燃料噴射流と燃焼用空気流とを確実に隔絶する環状の干渉帯を形成し、燃料流体は、燃焼用空気と直に反応することなく、燃焼ガス(及び水蒸気)と混合した後に燃焼用空気と反応する。
【0088】
図20は、本発明による燃焼装置の第4実施例を示す断面図である。図20(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図20(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0089】
図20に示す実施例は、図1(C)及び図8に示す実施形態を更に具体化した構成のものであり、燃焼装置の燃料ノズル11は、燃焼ガス導入部12に配置され、燃焼ガス導入部12は、混合域15として機能する。即ち、第1燃焼工程(図20A)において、燃料混合装置10Aの燃料ノズル11が噴射した燃料は、燃焼ガス導入部12内の混合域15において低温の燃焼ガス(及び水蒸気)と混合し、混合ガスは、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を流通し、高温の蓄熱体14により加熱される。他方、第2燃焼工程(図20B)において、燃料混合装置10Bの燃料ノズル11が噴射した燃料は、燃焼ガス導入部12内の混合域15において低温の燃焼ガス(及び水蒸気)と混合し、混合ガスは、燃料混合装置10Bの蓄熱体14を流通し、高温の蓄熱体14により加熱される。本例において、燃料混合装置10A、10Bの燃料ガス噴射口16及び燃焼用空気吐出口35は、縮径部を備えず、噴射口16及び吐出口35は、比較的大きな流路面積を有する。噴射口16及び吐出口35から噴射した高温の混合ガス及び燃焼用空気は、燃焼室1内の燃焼域において混合し、燃焼反応する。その他の構成及び作動形態は、図17に示す第1実施例と実質的に同一であるので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0090】
本実施例によれば、混合ガスは、燃料混合装置10A、10Bの蓄熱体14を流通する間に受熱し、高温に加熱された後、燃焼室1内の燃焼域において高温の燃焼用空気と混合し、低酸素濃度且つ高温の燃焼雰囲気の広範な燃焼火炎を燃焼室1内に生成する。
【0091】
図21は、本発明による燃焼装置の第5実施例を示す断面図である。図13(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図13(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0092】
図21は、図2及び図10に示す実施形態を更に具体化した構成のものであり、空気供給装置30A、30Bの燃焼用空気導入部32は、燃焼ガス導入ポート60を介して、排ガス循環路R1、R2の分岐路R5、R6と連通する。ポート60を介して導入部32に導入された燃焼ガス(及び水蒸気)は、燃焼用空気と混合し、燃焼用空気及び燃焼ガスの混合流体は、蓄熱体34により上記超高温域に予熱された後、吐出口35から炉内に流入する。このような構成によれば、燃料と同様に、燃焼用空気も又、炉内導入前に燃焼ガス(及び水蒸気)と混合し、燃焼用空気の燃焼反応性は、低下する。燃焼ガス及び燃焼用空気の混合気は、炉内に導入され、同様に燃焼ガス及び水蒸気により希釈した燃料ガス流と炉内燃焼域で衝突混合し、低酸素濃度の緩慢な燃焼反応を燃焼域に生じさせる。なお、図21に示す燃焼装置の基本構成及び作動は、図17に示す実施例と実質的に同一であるので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0093】
図22は、本発明の第6実施例に係る燃焼装置の断面図である。図22(A)及び図22(B)は、燃焼装置の第1燃焼工程及び第2燃焼工程を夫々示す。
【0094】
図22は、図3及び図11に示す実施形態を更に具体化した構成のものであり、排気流路EGが循環ファン3の吐出口に接続され、水蒸気発生装置8の水蒸気供給路ST1が、流路切換装置20のバイパスポート24に接続される。水蒸気発生装置8は又、水蒸気供給路ST2を介して外気吸入路OAに供給される。水蒸気発生装置8の水蒸気は、水蒸気供給路ST1:ST2を介して流路切換装置20及び外気吸入路OAに供給され、蓄熱体14、34と伝熱接触し、800℃以上の高温に加熱される。混合域15に吐出した高温水蒸気は、燃料ノズル11の炭化水素系燃料と混合し、燃料は、炭化水素の水蒸気改質反応により、比較的多量の炭化水素ラジカル、水素、炭素又は一酸化炭素等を含む良質の燃料に改質される。このような構成によれば、重質油等の比較的重質又は低質、或いは、低品位の炭化水素系燃料を軽質又は良質、或いは、高品位の燃料に改質することができる。改質後の燃料を含む燃料ガスは、燃焼用空気吐出口35から炉内に流出した高温空気及び高温水蒸気と更に混合し、低酸素濃度且つ高温の燃焼雰囲気の広範な燃焼火炎を燃焼室1内に生成する。
【0095】
図23は、本発明に係る燃焼装置を備えた加熱装置の実施例を示す概略平面図である。図23(A)図は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図23(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0096】
加熱装置は、水蒸気改質炉等の管式加熱炉として構成され、被加熱流体が流通可能な多数の被加熱管5が、加熱装置の燃焼室1内に比較的過密に配列される。被加熱管5は、加熱装置の受熱セグメントを構成する。燃焼装置は、図16に示す燃焼装置と実質的に同一の構成を有する燃料混合装置10A、10B、空気供給装置30A、30B、流路切換装置20、40、給気ファン2及び排ガス循環ファン3を備え、流路切換装置20、40は、第1位置(図23A)及び第2位置(図23B)に交互に切換えられる。
【0097】
加熱装置は又、炉温が比較的低い冷間時、例えば、加熱装置の起動時等に燃焼作動する補助燃焼装置(図示せず)を備え、補助燃焼装置の作動は、炉温が上昇した熱間時期に停止する。燃料混合装置10A、10Bは、補助燃焼装置の燃焼作動により炉温が上昇した熱間時に作動する。第1燃焼工程(図14A)において、燃焼室1の燃焼ガスは、燃料混合装置10B及び空気供給装置30Bの蓄熱体14、34を介して炉外に導出される。所定流量の燃焼ガスは、排気流路E2に送出され、所定流量の燃焼ガスは、水蒸気を添加された後、燃料混合装置10Aの蓄熱体14を流通して同混合域15に流入し、燃料と混合した後、燃料ガスとして燃焼室1内に導入される。空気供給装置30Aは、蓄熱体34により予熱した上記超高温域の燃焼用空気を燃焼室1内に導入する。第2燃焼工程(図14B)において、燃焼室1の燃焼ガスは、燃料混合装置10A及び空気供給装置30Aの蓄熱体14、34を介して炉外に導出される。所定流量の燃焼ガスは、排気流路E2に送出され、所定流量の燃焼ガスは、水蒸気を添加された後、燃料混合装置10Bの蓄熱体14を流通して同混合域15に流入し、燃料と混合した後、燃料ガスとして燃焼室1内に導入される。空気供給装置30Bは、蓄熱体34により予熱した上記超高温域の燃焼用空気を燃焼室1内に導入する。
【0098】
燃料混合装置10A及び空気供給装置30Aは、被加熱管5を配列した炉内中央領域に向かって配向されており、低酸素濃度且つ高温の高速燃料ガス流は、被加熱管5が密集した炉内中央領域において高温且つ高速の燃焼用空気流と交差混合衝突し、燃焼反応する。このような加熱法は、火炎自体の輻射伝熱効果及び対流伝熱効果により管の全周を均等に加熱することを意図したものであり、これは、管式加熱炉における従来の加熱法、即ち、管の全周を均等に加熱するために、火炎からのガス放射伝熱及び炉壁からの固体放射伝熱に依存して管の両面を加熱せざるを得ない従来の加熱法とは本質的に相違する。
【0099】
本例において、燃料混合装置10が噴射した多量且つ希薄な燃料ガス流は、炉内中央領域において高温の燃焼用空気と交差衝突し、低酸素濃度且つ高温の燃焼雰囲気の緩慢燃焼火炎を炉内中央領域に生成する。燃焼ガスを多量に含む燃料ガスは、低酸素濃度の燃焼雰囲気を形成し、燃料成分の燃焼反応を抑制する一方、高温の燃焼用空気は、燃料成分の自己着火を促すとともに、低酸素濃度の燃焼雰囲気における燃料成分の燃焼反応を可能にする。この結果、燃料ガスは、燃焼用空気と混合した直後に燃焼し尽くすことなく、燃料ガス中の燃料成分は、高温且つ低酸素濃度の燃焼雰囲気下に緩慢に拡散燃焼する。このような燃焼反応の下では、火炎は安定し、火炎の局所発熱は、発生し難い。
【0100】
このような加熱法によれば、被加熱管5の局所過熱を防止すべく被加熱管から火炎を離間させていた従来の加熱法と異なり、被加熱管5の局所過熱を生じさせることなく、被加熱管の近傍又は直近に火炎を生成し、被加熱管5の全周を実質的に均一に加熱することができる。
【0101】
しかも、上記加熱装置の構成によれば、高速の燃料ガス流及び燃焼用空気流は、被加熱管5が密集した炉内中央領域において交差衝突し、炉内ガスを誘引し、炉内ガスの対流を活性化するとともに、継続的且つ不規則な火炎の挙動を被加熱管5の近傍に常時生じさせる。この結果、比較的高密度に配置された被加熱管5は、低酸素濃度且つ高温の燃焼雰囲気下に生じる火炎容積の増大、火炎温度の均一化等と相まって、火炎の流動及び炉内ガス対流の活性化等の作用を受け、全周に亘って均等に受熱する。更に、第1燃焼工程及び第2燃焼工程の切換えが短時間に反復実施される結果、火炎の位置及び特性は、燃焼工程の切換制御によっても短時間に変動する。即ち、燃焼域全体の温度場及び加熱作用は、かかる燃焼工程の切換え動作によっても均等化する。
【0102】
このような火炎自体の制御による輻射伝熱効果及び対流伝熱効果の均等化により、被加熱管5の配管密度を増大することが可能となり、これは、従来形式の加熱炉の小型化を可能にするばかりでなく、新規な構造の加熱炉の設計等を可能にするので、実務的に極めて有利である。
【0103】
図24及び図25は、図14に示す加熱装置の変形例を示す加熱装置の概略平面図である。加熱装置の冷間時の運転形態が、図24に示されており、加熱装置の熱間時の運転形態が図25に示されている。また、各図において、(A)図は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、(B)図は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0104】
加熱装置は、水蒸気改質炉等の管式加熱炉として構成され、被加熱流体を流通可能な多数の被加熱管5が、加熱装置の燃焼室1内に比較的過密に配列される。図24及び図25に示す燃焼装置は、図23に示す燃焼装置と類似した構成を有する。しかしながら、空気加熱装置30A、30Bは、冷間時に燃料を吹込む燃料ノズル31を備え、冷間時に燃焼作動する。図24に示す冷間時の作動モードにおいて、空気供給装置30A、30Bは、空気加熱装置10Aから燃料及び燃焼用空気を吹込み且つ空気加熱装置30Bから燃焼排ガスを排気する第1燃焼工程(図24A)と、空気加熱装置30Bから燃料及び燃焼用空気を吹込み且つ空気加熱装置30Aから燃焼排ガスを排気する第2燃焼工程(図24B)とを所定の時間間隔で交互に実行する。燃料混合装置10A、10Bは、空気加熱装置30A、30Bと連動して燃焼ガスの導出及び導入を反復するが、燃料ノズル11は、燃料を吐出せず、従って、燃料混合装置10A、10Bは、一般的な排ガス再循環装置として機能するにすぎない。
【0105】
これに対し、図25に示す熱間時の作動モードにおいて、燃料ノズル31は、燃料噴射を停止し、空気加熱装置10A、10Bは、高温空気を炉内に導入し且つ炉内燃焼ガスの一部を炉外に排気する燃焼空気導入・導出手段としてのみ機能し、他方、燃料混合装置10A、10Bは、燃料混合装置10Aから燃料、燃焼ガス及び水蒸気の混合気(燃料ガス)を吹込み且つ燃料混合装置10Bから燃焼ガスを導出する第1燃焼工程(図25A)と、燃料混合装置10Bから燃料、燃焼ガス及び水蒸気の混合気(燃料ガス)を吹込み且つ燃料混合装置10Aから燃焼ガスを導出する第2燃焼工程(図25B)とを所定の時間間隔で交互に実行する。即ち、炉温の上昇に伴って炉内に生成した高温の燃焼ガスは、炉外に導出された後、水蒸気及び燃料と混合し、高温の燃料ガスとして炉内に再導入され、高温の燃焼用空気と混合し、燃焼室1内で燃焼する。
【0106】
各燃焼工程において、空気加熱装置10及び燃料混合装置10は、燃焼用空気及び燃料ガスを直交方向に炉内に導入し、燃焼用空気及び燃料ガスは、相互誘引作用により主に炉内中央領域で混合し、上記の如く、高温且つ低酸素濃度の燃焼雰囲気の火炎を被加熱管5近傍に生成する。
【0107】
図26は、本発明に係る燃焼装置の構成を連続焼成型加熱炉に配設した実施例を示す加熱装置の概略縦断面図である。図26(A)は、燃焼装置の第1燃焼工程を示し、図26(B)は、燃焼装置の第2燃焼工程を示す。
【0108】
図26に示す加熱装置は、鉄鋼素材又は陶磁器素材等のワークを還元燃焼雰囲気により連続焼成する鉄鋼加熱炉又は窯業焼成炉等の還元燃焼ゾーンを構成する。燃料混合装置10A、10B及び空気供給装置30A、30Bは、加熱炉の炉体Wに配設され、搬送装置7上を連続搬送されるワーク6に作用する火炎を炉内に形成する。上述の実施例と同様に第1及び第2燃焼工程が所定の時間間隔で交互に実行され、燃焼混合装置10A、10B及び空気供給装置30A、30Bから流出する燃料ガス及び高温燃焼用空気は、ワーク6の近傍に火炎を形成する。
【0109】
燃料混合装置10A、10Bから炉内に吐出した燃料ガスは、ワーク6の表面に沿って流動する下層流を形成し、空気供給装置30A、30Bから吐出した高温燃焼空気は、燃料ガス流の上側を流動する上層流を形成する。低酸素濃度の燃料ガス流は、ワーク6の上面近傍に還元燃焼雰囲気を形成し、燃料ガス及び高温燃焼空気が生成する火炎は、還元炎としてワーク6の表面に作用する。
【0110】
このような構成によれば、炉内の中央領域に位置するワーク6に対して、平面状の火炎を形成することができるばかりでなく、被加熱物の酸化を防ぐために、燃料噴流による還元焼成雰囲気を被加熱物の周囲に形成し、これにより、酸化作用を抑制した被加熱物の加熱を行うことができる。例えば、本例の燃焼装置によれば、還元炎燃焼雰囲気により素材の焼鈍又は還元炎焼成を行う金属加熱炉又は窯業焼成炉等において、素材の近傍に流動する低酸素濃度の平面的な燃料ガス流を形成し、これにより、素材近傍に還元炎焼成雰囲気を形成することができる。
【0111】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【0112】
例えば、上記各実施例においては、4方弁構造の切換弁を流路切換装置として使用しているが、複数の開閉弁を組合せた構成の流路切換装置を使用しても良い。
【0113】
また、上記加熱装置の構成において、燃料混合装置及び空気加熱装置を互いに対向する位置に配置し、燃料ガス流及び燃焼用空気流を対向流として炉内に導入しても良い。
【0114】
更に、燃料混合装置及び空気加熱装置の構造は、上記実施例の構造に限定されるものではなく、例えば、多数の蓄熱体を内蔵した形式の蓄熱型熱交換器を燃料混合装置及び空気加熱装置として使用しても良い。
また、上記水蒸気供給手段として、工場又は製造プラント内のプロセス蒸気供給系などを使用しても良い。
【0115】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の上記構成によれば、燃焼域に流入する燃料流の制御性を向上し、燃料流の制御による火炎特性の制御を可能にする燃焼装置及び燃焼方法を提供することができる。
【0116】
また、本発明の燃焼装置及び燃焼方法によれば、燃料、燃焼用空気及び燃焼ガスの混合制御の自由度を向上することができる。
【0117】
更に、本発明の加熱装置及び加熱方法によれば、被加熱物に作用する火炎の特性を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態を示す燃焼装置のブロックフロー図である。
【図2】本発明の他の好適な実施形態を示す燃焼装置のブロックフロー図である。
【図3】本発明の他の好適な実施形態を示す燃焼装置のブロックフロー図である。
【図4】本発明の更に他の好適な実施形態を示す燃焼装置のブロックフロー図である。
【図5】図1(A)及び図1(B)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略断面図である。
【図6】図1(B)に示す基本構成を適用した他の構造の燃焼装置を示す概略縦断面図である。
【図7】図6に示す燃料混合装置の作用を概略的に示すブロックフロー図である。
【図8】図1(C)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図9】図2(A)及び図2(B)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図10】図2(B)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図11】図3(A)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図12】図3(B)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図13】図3(C)に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図14】図4に示す基本構成を適用した燃焼装置の概略縦断面図である。
【図15】図14に示す水蒸気加熱装置の構成を示す断面図である。
【図16】図14に示す水蒸気加熱装置の構成を示す断面図である。
【図17】本発明による燃焼装置の第1実施例を示す断面図である。
【図18】本発明による燃焼装置の第2実施例を示す断面図である。
【図19】本発明による燃焼装置の第3実施例を示す断面図である。
【図20】本発明による燃焼装置の第4実施例を示す断面図である。
【図21】本発明による燃焼装置の第5実施例を示す断面図である。
【図22】本発明による燃焼装置の第6実施例を示す断面図である。
【図23】本発明に係る燃焼装置を備えた加熱装置の実施例を示す概略平面図である。
【図24】図23に示す加熱装置の変形例を示す概略平面図であり、冷間時における加熱装置の運転形態が示されている。
【図25】図24に示す加熱装置の熱間時の運転形態を示す概略平面図である。
【図26】本発明に係る燃焼装置の構成を適用した連続焼成型加熱炉の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
2 強制給気ファン
3 排ガス循環ファン
8 水蒸気発生装置
10、10A、10B 燃料混合装置
11 燃料ノズル
12 燃焼ガス導入部
14 蓄熱体
15 混合域
16 燃料ガス噴射口
20、40 流路切換装置
30、30A、30B 燃焼用空気供給装置
35 燃焼用空気吐出口
80 水蒸気加熱装置
Claims (39)
- 燃焼用燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼用空気を燃焼域に供給する燃焼用空気供給手段とを備えた燃焼装置において、
炉外に導出した燃焼ガス、或いは、該燃焼ガス及び水蒸気供給手段の水蒸気と、前記燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガスと前記燃料との混合流体、或いは、前記燃焼ガス及び水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置され、前記混合流体を加熱する加熱手段と、
加熱後の前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼装置。 - 燃焼用燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼用空気を燃焼域に供給する燃焼用空気供給手段とを備えた燃焼装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段と前記燃焼域との間に配置され、加熱後の前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と、前記燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼装置。 - 前記燃焼域に生成した燃焼ガスを該燃焼域から炉外に導出する燃焼ガス導出装置を介して前記燃焼ガスを前記燃焼域から誘引する強制循環装置を備えるとともに、該強制循環装置と前記燃焼域との間で前記燃焼ガスを冷却する燃焼ガス冷却手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼域に生成した燃焼ガスを該燃焼域から炉外に導出する燃焼ガス導出装置を介して前記燃焼ガスを前記燃焼域から誘引する強制循環装置を備えるとともに、該強制循環装置と前記燃焼域との間で前記燃焼ガスを冷却する燃焼ガス冷却手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼域に生成した燃焼ガスを該燃焼域から炉外に導出する燃焼ガス導出装置を介して前記燃焼ガスを前記燃焼域から誘引するとともに、前記水蒸気を添加した燃焼ガスを前記混合装置に圧送する強制循環装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
- 燃焼用燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼用空気を燃焼域に供給する燃焼用空気供給手段とを備えた燃焼装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気と、前記燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置され、前記混合流体を加熱する加熱手段と、
前記燃焼域に生成し且つ該燃焼域から炉外に導出された燃焼ガスを冷却する冷却手段と、
加熱後の前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備え、
前記冷却手段及び前記加熱手段は、高温の前記燃焼ガスに伝熱接触して蓄熱し且つ冷却後の前記燃焼ガス及び/又は前記水蒸気に伝熱接触して放熱する蓄熱体を備えることを特徴とする燃焼装置。 - 複数の前記混合装置を有し、該混合装置に対する前記燃焼ガス及び/又は水蒸気の流路を切換える流路切換装置を有し、前記燃料供給手段は、前記流路切換装置と同期して燃料の供給路を切換える燃料制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃焼装置。
- 前記加熱手段は、前記水蒸気供給手段の水蒸気を700℃以上の温度に加熱して前記混合装置に供給する水蒸気加熱手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼ガス及び/又は水蒸気を部分的に前記燃焼用空気供給手段に供給し、該燃焼ガス及び/又は水蒸気を前記燃焼用空気と混合する混合手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼用空気供給手段は、前記燃焼域の燃焼ガスを排気する燃焼ガス排気手段と、前記燃焼ガスに伝熱接触して蓄熱し且つ前記燃焼用空気に伝熱接触して放熱する蓄熱体とを備え、前記燃焼用空気は、前記蓄熱体により700℃以上の高温に予熱されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の燃焼装置。
- 燃焼用空気を燃焼域に導入し、燃焼用空気及び燃料の混合による燃焼反応を前記燃焼域に生じさせる燃焼方法において、
炉外に導出した燃焼ガス、或いは、該燃焼ガス及び水蒸気供給手段の水蒸気を混合域に供給し、
前記燃焼用燃料を前記混合域に供給して、前記燃焼ガスと前記燃料との混合流体、或いは、該燃焼ガス及び水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置された加熱手段によって、前記混合流体を700℃以上の高温に加熱し、
加熱後の前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼方法。 - 燃焼用空気を燃焼域に導入し、燃焼用空気及び燃料の混合による燃焼反応を前記燃焼域に生じさせる燃焼方法において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を加熱手段によって700℃以上の高温に加熱し、
前記燃料と、加熱後の前記燃焼ガス及び/又は水蒸気とを、前記加熱手段と前記燃焼域との間に配置された混合域に供給して混合し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼方法。 - 炉外に導出した前記燃焼ガスを冷却した後、前記混合域又は前記加熱手段に導入することを特徴とする請求項11又は12に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼ガスを強制循環装置によって前記燃焼域から誘引するとともに、該燃焼ガスを前記強制循環装置によって加圧することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼ガス及び/又は水蒸気の一部を前記燃焼用空気と混合し、該燃焼用空気の酸素濃度を低下させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記水蒸気を前記燃焼ガスに添加して該燃焼ガスの水蒸気含有量を調節することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼ガス、前記水蒸気又は前記混合流体は、燃焼ガスの冷却時に該燃焼ガスが放熱した顕熱を受熱し、再熱又は加熱されることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼域に導入された燃料ガスは、700℃以上の温度に予熱された前記燃焼用空気と混合することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼ガスは、10%以下の酸素濃度を有することを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と、前記燃料との混合比は、1:1〜20:1の範囲に設定されることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃料ガスと、前記燃焼用空気との混合比は、1:10〜20:10の範囲に設定されることを特徴とする請求項11乃至20のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 前記燃焼域に流入する前記燃料ガスの流速は、10m/s〜150m/sの範囲に設定されることを特徴とする請求項11乃至21のいずれか1項に記載の燃焼方法。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の燃焼装置を備えたことを特徴とする燃焼加熱装置。
- 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱装置において、
炉外に導出した燃焼ガス、或いは、該燃焼ガス及び水蒸気供給手段の水蒸気と、燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガスと前記燃料との混合流体、或いは、前記燃焼ガス及び水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置され、前記混合流体を加熱する加熱手段と、
加熱後の前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼加熱装置。 - 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段と前記燃焼域との間に配置され、加熱後の前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、該燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置とを備えることを特徴とする燃焼加熱装置。 - 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱装置において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気と、燃料供給手段の燃料とを混合する混合域を有し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成する混合装置と、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置され、前記混合流体を加熱する加熱手段と、
加熱後の前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合せしめる燃料ガス導入装置と、
前記燃焼用空気及び燃料を冷間時に前記燃焼域に導入する補助燃焼装置とを備えることを特徴とする燃焼加熱装置。 - 前記燃焼用空気及び燃料を冷間時に前記燃焼域に導入する補助燃焼装置を備えることを特徴とする請求項24又は25に記載の燃焼加熱装置。
- 前記燃料ガス導入装置は、燃料ガス流を前記燃焼用空気流と平行、或いは、前記燃焼用空気流と交差する方向に前記燃焼域に導入することを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1項に記載の燃焼加熱装置。
- 前記燃料ガス導入装置は、燃料ガス流を前記燃焼用空気流と対向する方向に前記燃焼域に導入することを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の燃焼加熱装置。
- 管式加熱炉、金属加熱炉、窯業焼成炉、金属溶融炉、ガス化溶融炉、ボイラー又はラジアントチューブのいずれかを構成することを特徴とする請求項24乃至29のいずれか1項に記載の燃焼加熱装置。
- 請求項11乃至22のいずれか1項に記載の燃焼方法により生成した火炎により被加熱物を加熱することを特徴とする燃焼加熱方法。
- 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱方法において、
炉外に導出した燃焼ガス、或いは、該燃焼ガス及び水蒸気供給手段の水蒸気を混合域に供給し、
前記燃焼用燃料を前記混合域に供給して、前記燃焼ガスと前記燃料との混合流体、或いは、前記燃焼ガス及び水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置された加熱手段によって、前記混合流体を700℃以上の高温に加熱した後、前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼加熱方法。 - 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱方法において、
炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を加熱手段によって700℃以上の高温に加熱し、
前記燃料と、加熱後の前記燃焼ガス及び/又は水蒸気とを、前記加熱手段と前記燃焼域との間に配置された混合域に供給して混合し、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼加熱方法。 - 燃焼域における燃焼用空気及び燃料の燃焼発熱反応により被加熱物を加熱する燃焼加熱方法において、
冷間時に補助燃焼装置を燃焼作動させ、
熱間時に炉外に導出した燃焼ガス及び/又は水蒸気供給手段の水蒸気を混合域に供給し、
前記燃焼用燃料を前記混合域に供給して、前記燃焼ガス及び/又は水蒸気と前記燃料との混合流体を生成し、
前記混合域と前記燃焼域との間に配置された加熱手段によって、前記混合流体を700℃以上の高温に加熱した後、前記混合流体を燃料ガスとして前記燃焼域に導入し、該燃料ガスを前記燃焼用空気と混合して前記燃料ガスの燃焼反応を前記燃焼域に生じさせることを特徴とする燃焼加熱方法。 - 前記被加熱物は、複数の受熱セグメントからなり、該セグメントの間に火炎を生成することを特徴とする請求項32乃至34のいずれか1項に記載の燃焼加熱方法。
- 前記燃料ガスを前記燃焼域に導入する位置および前記燃焼用空気を前記燃焼域に導入する位置を所定時間毎に変位させることを特徴とする請求項32乃至34のいずれか1項に記載の燃焼加熱方法。
- 冷間時に前記燃料を前記燃焼用空気に混合し、前記燃料及び前記燃焼用空気の燃焼発熱反応により前記燃焼域の温度を上昇させることを特徴とする請求項32乃至36のいずれか1項に記載の燃焼加熱方法。
- 前記燃料ガス及び燃焼用空気による火炎が被加熱物に直に接することを特徴とする請求項32乃至37のいずれか1項に記載の燃焼加熱方法。
- 前記被加熱物の表面に沿って流動する前記燃料ガスのガス流を形成し、低酸素濃度の還元燃焼雰囲気を前記被加熱物の近傍に形成することを特徴とする請求項32乃至38のいずれか1項に記載の燃焼加熱方法。
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