JP2001276858A - 合併処理化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設の単独処理浄化槽（装置）を有効利用す
ることにより、単独処理浄化槽の処分問題を解決すると
共に、生活雑排水を処理可能な合併処理化装置を安価に
提供する。 【解決手段】 本発明は既設の単独処理浄化槽（装置）
１を利用し、第２の処理浄化装置１５を接続することに
より、屎尿および生活雑排水の合併処理を可能としてい
る。第２の処理浄化装置１５は、接触ばっ気槽１６及び
沈殿槽１７を有し、単独処理浄化装置１と配管２６で接
続され、単独処理浄化槽１の消毒室２４に流入する直前
の排水を、第２の処理浄化装置１５の接触ばっ気槽１６
へと流入させている。沈殿槽１７において処理をされた
排水は単独処理浄化装置１の消毒室２４に接続される返
送管２６に返送される。そして、処理浄化された排水は
単独処理浄化装置１の流出口１２より系外に排出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屎尿と、台所排水
・洗濯排水・洗面・浴室排水などの生活雑排水を同時に
処理する合併処理化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、屎尿の浄化を行う装置として
は、単独処理浄化槽を用いている。図４は、分離接触ば
っ気方式の単独処理浄化槽を示す概略断面図である。屎
尿は、流入口２から沈殿分離室３へと流入し、固液分離
及び嫌気処理が行われ、接触ばっ気室４へと移流する。
接触ばっ気室４内では、移流した水が散気管７から散気
される空気の泡により攪拌されて接触材８に接触し、栄
養基質の酸化除去が徐々に行われる。接触材８は、攪拌
を継続していると生物膜が厚く堆積し閉塞してしまうの
で、定期的に逆洗管９より空気泡を吐出することで生物
膜を剥離させている。接触ばっ気室４を通過した水は、
沈殿室５にて固形分の沈殿分離を行ってから、分離され
た上澄み液を消毒室６へと移流させ、滅菌処理を施した
後に流出口１０より放流される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単独処
理浄化槽は、処理すべき水の種類が屎尿に限定され、台
所排水、洗濯排水、洗面排水及び浴室排水等の生活雑排
水を処理できないとの課題を有している。このような問
題は、既設の単独処理浄化槽を撤去して新たに合併処理
浄化槽を設置することで解決できるが、施工費用が高額
となるばかりでなく、多くの単独処理浄化槽がＦＲＰ製
であることから、不要となった単独処理浄化槽の処分に
関しても新たな問題を発生させている。また、単独処理
浄化槽を掘り起こすことなく、埋め殺す場合には、処分
に関する問題が発生しないものの、土地の有効活用がで
きないとの別の問題が発生した。

【０００４】本発明は、上記のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、既設の単独処理浄化槽（装置）を有効
利用することにより、単独処理浄化槽の処分問題を解決
すると共に、新たな合併処理浄化槽を購入するよりも安
価に生活雑排水を処理可能な合併処理化装置を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の既設の単独処理
浄化槽（装置）を有効利用し、屎尿および生活雑排水の
合併処理を可能とする合併処理化装置は、次の構成を有
する。 （１）既設の単独処理浄化装置に接続する第２の処理浄
化装置は、接触ばっ気槽及び沈殿槽を有し、単独処理浄
化装置との接続が、単独処理浄化槽の消毒室に流入する
直前の排水を第２の処理浄化装置の接触ばっ気槽へと流
入させる移流管と、第２の処理浄化装置の沈殿槽の排水
を単独処理浄化装置の消毒室に返送する返送管とにより
なされ、既設の単独処理浄化装置の消毒部を兼用させる
ことにより、第２の処理浄化装置に消毒槽の配設を省略
させている。 （２）単独処理浄化装置と第２の処理浄化装置の間に流
量調整槽を設け、単独処理浄化装置の消毒室に流入する
直前の排水を移流管から上記流量調整槽を介して第２の
処理浄化装置の接触ばっ気槽へと流入させる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の合併処理化装置は単独処
理浄化装置（槽）に第２の処理浄化装置を配管接続する
構成を有している。第２の処理浄化装置を接続する単独
処理浄化槽は、嫌気処理部及び／又は好気処理部、消毒
室とを有するものであれば特に限定されるものではな
い。具体的には、従来技術にて説明したように、流入口
及び流出口を有し、内部に上流側から沈殿分離室、接触
ばっ気室、沈殿室、消毒室を設けたものを好適に用いる
ことができる。

【０００７】本発明に用いる第２の処理浄化装置は、好
気処理を行うための接触ばっ気槽及び沈殿槽を備え、消
毒槽は配設されていない。好ましくは、該接触ばっ気槽
は、好気濾材（接触材）を有し、底部には散気管及び逆
洗管を配置してあるものを用いる。

【０００８】第２の処理浄化装置の接触ばっ気槽は、単
独処理浄化槽より移流してきた処理水を、底部に配置し
た散気管から吐出される空気泡により撹拌し、好気処理
を行う部分である。撹拌された処理水は、接触ばっ気槽
内に設けられた接触材に生成した生物膜に接触し、好気
性微生物により有機物の分解及びアンモニアの硝化が行
われる。散気管から吐出される空気泡による撹拌を継続
すると、接触材表面に生成した生物膜が厚く堆積し閉塞
してしまうので、接触材下部に設けられた逆洗管より吐
出される空気泡により定期的に生物膜の剥離を行う。こ
の剥離された生物膜は、前記単独処理浄化槽の嫌気処理
部へ返送されるか、又は系外へ放出される。

【０００９】本発明に用いる移流管は、単独処理浄化槽
から第２の処理浄化装置の接触ばっ気槽へと排水を移流
させるものであり、単独処理浄化装置の沈殿室または接
触ばっき室と、第２の処理浄化装置の流入口とを接続し
て配設される。すなわち、単独処理浄化槽から第２の処
理浄化装置に流入する排水は、単独処理浄化装置の消毒
室に流入する直前の排水としている。具体的には、単独
処理浄化槽の接触ばっき室又は沈殿室から排水を抜き取
り、第２の処理浄化装置の接触ばっ気槽へと移流させる
ことが好ましい。

【００１０】本発明に用いる返送管は、第２の処理浄化
装置の沈殿槽と、単独処理浄化槽の消毒室とを接続して
配設される。そして、第２の処理浄化装置の沈殿槽の排
水を、単独処理浄化槽の消毒室に返送するものであり、
返送された排水は、滅菌処理が行われて流出口から系外
へと放流される。

【００１１】本発明の合併処理化装置に洗浄排水移送管
を設ける場合は、洗浄排水移送管は第２の処理浄化装置
の接触ばっ気槽と単独処理浄化槽の流入口直後とを連結
して配設され、第２処理浄化装置における接触材を洗浄
した排水を、単独処理浄化槽の流入口直後へと移送させ
るものである。すなわち、洗浄排水移送管は接触ばっ気
槽の接触材から剥離させた生物膜を多く含む排水の移送
をする。また、接触ばっき槽を洗浄した排水は直接系外
に排出してもよく、この場合には、洗浄排水移送管を設
けない。

【００１２】本発明の合併処理化装置では、単独処理浄
化装置と第２の処理浄化装置を接続する移流管途上に流
量調整槽を設け、第２の処理浄化装置へと流入する排水
を一旦流量調整槽に溜め、そこから接触ばっ気槽へと流
入させることにより、安定した排水処理を達成してい
る。

【００１３】（実施例）以下図面を用いて、本発明の実
施例を説明する。 実施例１ 図１は、本発明の実施例１を示し、（Ａ）は概略平面図
を示し、（Ｂ）は概略側断面図を示す。この実施例に示
す合併処理化装置は既設の単独処理浄化槽１と第２の処
理浄化装置１５を配管２６で接続している。単独処理浄
化槽１は、その内部構造を上流側から第１流入口１１、
沈殿分離室２１、接触ばっ気室２２、沈殿室２３、消毒
室２４、第１流出口１２を設けている。

【００１４】第２の処理浄化装置１５は、その内部に第
２の接触ばっ気槽１６及び第２の沈殿槽１７が配置され
ている。第２の接触ばっ気槽１６は接触材１８を有し、
接触材１８の下部には、散気部材１９が設けられてい
る。下部に設けられた散気部材１９は、常時空気泡の吐
出を行って排水を接触材１８に接触させ、好気処理を行
っている。また、第２の接触ばっ気槽１６の下部に設け
られた逆洗管２０は、空気泡を吐出して接触材１８に堆
積する生物膜の剥離を行う。

【００１５】既設の単独処理浄化槽１と第２の処理浄化
装置１５は、単独処理浄化槽１の沈殿室２３と第２の処
理浄化装置１５の第２流入口１３とを移流管２６で配管
接続されている。移流管２６は、排水を単独処理浄化槽
１から第２の処理浄化装置１５へと移流させる。また、
第２の処理浄化装置１５の第２流出口１４は、返送管２
７により単独処理浄化槽１の消毒室２４に流入するよう
に配管接続されている。このように、第２の処理浄化装
置１５には消毒部を配設していない。

【００１６】この実施例に示す合併処理化装置における
水の流れを説明する。家庭から排出される屎尿、台所排
水（ディスポーザ排水を含む）、洗面排水及び洗濯排水
は、単独処理浄化槽１の第１流入口１１から沈殿分離室
２１へと流入して固液分離及び嫌気処理を行われる。次
に、接触ばっ気室２２にて栄養基質の酸化除去が行われ
る。接触ばっ気室２２を通過した排水は、沈殿室２３内
で固形分の沈殿分離が行われ、上澄み液が移流管２６へ
流入する。

【００１７】排水は、移流管２６をとおって、第２流入
口１３より第２の処理浄化装置１５へと移流する。そし
て、第２の処理浄化装置１５内において、第２の接触ば
っ気槽１６にて散気部材１９からの空気泡の吐出による
好気処理がなされ、沈殿槽１７へと移流する。沈殿槽１
７で固形分の沈殿分離が行われ、上澄み液が第２流出口
１４より、返送管２７を通って単独処理浄化槽１の消毒
室２４へと流入して滅菌処理を行う。滅菌処理された水
は、単独処理浄化槽１の第１流出口１２から放流され
る。

【００１８】第２の処理浄化装置１５において、第２の
接触ばっ気槽１６は、接触材１８に堆積して閉塞する生
物膜を、逆洗管２０から空気泡を吐出させて定期的に剥
離させている。剥離された生物膜は、移送ポンプ２８を
稼働させて、洗浄排水移送管２９より引き抜き、単独処
理浄化槽１の沈殿分離室２１へと返送する。しかし、第
２の接触ばっき槽１６を洗浄した排水を直接系外に排出
する場合には、洗浄排水移送管２９は配設しなくとも良
い。

【００１９】実施例２ この実施例に示す合併処理化装置は、第２の処理浄化装
置１５の第２の接触ばっ気槽１６の上流側に流量調整室
３０を併設している。・・・図２参照 本実施例の合併処理化装置は、移流管２６を第２の処理
浄化装置１５に配設する流量調整室３０の流入口１３に
接続させて、排水を第２の流入口１３から流量調整室３
０に流入させる構成となっている。そして、流量調整室
３０からポンプ３１を用いて第２の接触ばっ気槽１６へ
と移流させている。この構成により、浴室排水等の数分
間に約２００〜３００Ｌという大量の排水が発生して
も、一旦流量調整室３０に排水が貯められ、そして、ポ
ンプ３１により少量づつ排水を第２の接触ばっ気槽１６
へと流入させることができ、安定した処理を行うことが
できる。

【００２０】実施例３ 本実施例の合併処理化装置は、第２の処理浄化装置１５
と流量調整部とを一体化せずに配管接続した構成となっ
ている。・・・図３参照 流量調整槽３２は単独処理浄化槽１からの移流管２６を
接続する流入口３５を有し、ポンプ３１により搬送管３
７を介して排水を第２の処理浄化装置１５に搬送してい
る。この構成により、流量調整槽３２から少量づつ排水
を第２の処理浄化装置１５の第２の接触ばっ気槽１６へ
流入させることができ、安定した処理を行うことができ
る。また、既設の単独処理浄化槽１を利用する本発明に
おいて、新たに地中Ｇに埋設するのは流量調整槽３０だ
けで済み、第２の処理浄化装置１５は地上設置すること
が可能となる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、既設の単独処理浄化槽を利用
することにより合併処理を可能としたので、単独処理浄
化槽を処分して新たに合併処理浄化槽を設置するより
も、安価に合併処理を行うことが可能であり、単独処理
浄化槽を処分する必要もなくなる。本発明の合併処理化
装置における第２の処理浄化装置は消毒部を配設するこ
と無く、既設の単独処理浄化槽の消毒室を兼用させる構
成とすることにより部材点数の低減、および資源の有効
活用が図られる。

【００２２】さらに、第２の処理浄化装置に流量調整部
を設けた場合には、安定した排水処理を行うことがで
き、特に第２の処理浄化装置と流量調整部とを一体化せ
ずに配管接続する構成とすることにより、第２の処理浄
化装置を地上設置とすることが出来、施工費用を低く抑
えることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す合併処理化装置の（ａ）
は概略平面図、（ｂ）は概略側断面図。

【図２】本発明の実施例２を示す概略平面図。

【図３】本発明の実施例３を示す概略平面図。

【図４】従来例を示す、分離接触ばっ気方式の単独処理
浄化槽の概略断面図。

【符号の説明】

１ 単独処理浄化槽 ２ 流入口 ３ 沈殿分離室 ４ 接触ばっ
気室 ５ 沈殿室 ６ 消毒室 ７ 散気管 ８ 接触材 ９ 逆洗管 １０ 流出口 １１ 第１流入口 １２ 第１流
出口 １３ 第２流入口 １４ 第２流
出口 １５ 第２の処理浄化装置 １６ 第2の
接触ばっき槽 １７ 第２の沈殿槽 １８ 接触材 １９ 散気部材 ２０ 逆洗管 ２１ 沈殿分離室 ２２ 接触ば
っき室 ２３ 沈殿室 ２４ 消毒室 ２６ 移流管 ２７ 返送管 ２８ 移送ポンプ ２９ 洗浄排
水移送管 ３０ 流量調整室 ３１、３７
ポンプ ３２ 流量調整槽 ３７ 配送管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも嫌気処理部及び／又は好気処
   理部、および消毒部を有する既設の単独処理浄化装置に
   第２の処理浄化装置を接続することにより、屎尿、およ
   び台所排水・洗濯排水・洗面・浴室排水などの生活雑排
   水の浄化処理を可能とする合併処理化装置であって、 第２の処理浄化装置は接触ばっき槽と沈殿槽により構成
   され、第２の処理浄化装置は単独処理浄化装置の消毒部
   の上流側と接触ばっき槽とを配管接続する移流管と、単
   独処理浄化装置の消毒部と第２の処理浄化装置の沈殿槽
   とを配管接続する返送管とにより接続されると共に、 単独処理浄化装置の消毒部に流入する直前の屎尿および
   生活雑排水を移流管により第２の処理浄化装置の接触ば
   っき槽に移送し、第２の処理浄化装置の沈殿槽から返送
   管により単独処理浄化装置の消毒部に流入させる構成と
   することにより、第２の処理浄化装置に消毒部の配設を
   省略したことを特徴とする合併処理化装置。
2. 【請求項２】 前記移流管途上に流量調整槽を配設し、
   単独処理浄化装置において、嫌気処理及び／又は好気処
   理された排水を流量調整槽を介して第２の処理浄化装置
   に流入するよう構成されてなる請求項１に記載の合併処
   理化装置。