JP2001276630A - イオン交換性不織布 - Google Patents

イオン交換性不織布

Info

Publication number
JP2001276630A
JP2001276630A JP2000092338A JP2000092338A JP2001276630A JP 2001276630 A JP2001276630 A JP 2001276630A JP 2000092338 A JP2000092338 A JP 2000092338A JP 2000092338 A JP2000092338 A JP 2000092338A JP 2001276630 A JP2001276630 A JP 2001276630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
exchange
nonwoven fabric
fiber
ethylene copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000092338A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Ito
大輔 伊藤
Kiyoto Nakai
清人 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2000092338A priority Critical patent/JP2001276630A/ja
Publication of JP2001276630A publication Critical patent/JP2001276630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 形態保持性に優れ、しかも通気抵抗や通水抵
抗の低いイオン交換性不織布を提供すること。 【解決手段】 本発明のイオン交換性不織布は、不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン
酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチレンとから
なるエチレンコポリマーが少なくとも繊維表面の一部を
占め、かつ前記エチレンコポリマーにスルホン酸基が導
入されたイオン交換性繊維を含む不織布からなり、前記
不織布の10%モジュラス強度が30N/5cm幅以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン交換性不織布
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、イオン交換性繊維を用いたシート
状物は空気清浄器や液体の濾過材として使用されてい
る。これまでのイオン交換性繊維はポリビニルアルコー
ルやポリアクリロニトリル、ポリスチレン等に官能基を
導入したものであり、これらイオン交換性繊維を含むシ
ート状物としては、ニードルパンチ不織布や織物が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ニード
ルパンチ不織布は低モジュラス強度が十分でなかったた
め、使用する場合の形態保持に限界があった。また、織
物の場合には見掛密度が高いため通気抵抗や通水抵抗が
上がってしまうという問題があった。本発明はこのよう
な問題点を解決するためになされたものであり、形態保
持性に優れ、しかも通気抵抗や通水抵抗の低いイオン交
換性不織布を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン交換性不
織布は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、
不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上と
エチレンとからなるエチレンコポリマーが少なくとも繊
維表面の一部を占め、かつ前記エチレンコポリマーにス
ルホン酸基が導入されたイオン交換性繊維を含む不織布
からなり、前記不織布の10%モジュラス強度が30N
/5cm幅以上であることを特徴とする。このように本
発明のイオン交換性不織布は10%モジュラス強度が3
0N/5cm幅以上の強度的に優れる形態保持性に優れ
るものであり、また、不織布形態をとっており、繊維が
ランダムに配置しているため通気抵抗や通水抵抗の低い
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるエチレンコポリマ
ーは不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽
和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類以上とエチ
レンとからなるものであり、このエチレンコポリマーは
スルホン酸基が導入されやすいため優れたイオン交換性
を示すと共に、融着可能であるためイオン交換性不織布
の強度を向上させることができる。
【0006】このエチレンとの共重合成分としては、例え
ば、アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2
−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル
酸エステルなどの不飽和カルボン酸誘導体、或いは無水
マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無
水物を使用できる。これらの中でもアクリル酸やメタク
リル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。
【0007】本発明におけるエチレンコポリマーは上記のよ
うな共重合成分を一種類以上含んでいる。なお、本発明
のエチレンコポリマーはエチレンと上記のような共重合
成分とが交互に入ったものであっても、ランダムに入っ
たものであっても、ブロックに入ったものであっても、
或いはそれらの混合物であっても、本発明において使用
することができる。
【0008】このエチレンコポリマー中における上記共重合
成分の比率は、1〜30mass%であるのが好まし
い。共重合成分の比率が1mass%未満であると、ス
ルホン酸基が導入されにくく、また融着力が低くなる傾
向があり、共重合成分の比率が30mass%を越える
と、融点が低くなり過ぎて耐熱性が悪くなる傾向がある
ためで、より好ましくは3〜25mass%であり、最
も好ましくは8〜20mass%である。このエチレン
コポリマー中における共重合成分の比率はFT−IR
(フーリエ変換赤外分光装置)により測定することがで
きる。
【0009】本発明のスルホン酸基が導入される前の繊維
(以下、「イオン交換性前駆繊維」ということがある)
は、スルホン酸基が前述のようなエチレンコポリマーに
導入されるように、また、繊維同士を融着固定できるよ
うに、前述のようなエチレンコポリマーがイオン交換性
前駆繊維表面の少なくとも一部を占めている。好ましく
はエチレンコポリマーがイオン交換性前駆繊維表面の5
0%以上を占めており、エチレンコポリマーがイオン交
換性前駆繊維表面の100%を占めているのが最も好ま
しい。
【0010】本発明のイオン交換性前駆繊維は上述のような
エチレンコポリマー以外に、上述のエチレンコポリマー
よりも融点の高い(好ましくは10℃以上高く、より好
ましくは20℃以上高く、更に好ましくは30℃以上高
い)ポリマー(以下、「高融点ポリマー」ということが
ある)を含んでいることができる。この高融点ポリマー
を含んでいると、エチレンコポリマーを融着させる際に
高融点ポリマーが溶融しないで繊維形状を維持し、かつ
不織布を補強する役目を果たす事もできるため、強度の
あるイオン交換性不織布とすることができる。この高融
点ポリマーとしては、例えば、高密度又は低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリスチレンなどの溶融紡糸可能
なものを好適に使用できる。これらの中でもポリエチレ
ン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンはエチ
レンコポリマーとの相溶性が高いため好適である。な
お、高融点ポリマーとしてポリエチレンを使用する場合
には、より融点の高い高密度ポリエチレンであるのが好
ましい。また、高融点ポリマーは一種類である必要はな
く、二種類以上であっても良い。本発明における「融
点」は、示差熱量計を用い、昇温温度20℃/分で、室
温から昇温して得られる融解吸収曲線の極値を与える温
度をいう。
【0011】このようにイオン交換性前駆繊維がエチレンコ
ポリマーと高融点ポリマーとを含んでいる場合、繊維断
面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド
型、海島型、多重バイメタル型、オレンジ型などである
ことができる。これらの中でも、繊維表面全体をエチレ
ンコポリマーが占めることのできる芯鞘型、偏芯型、或
いは海島型であるのが好ましい。
【0012】このようにイオン交換性前駆繊維が高融点ポリ
マーを含んでいる場合、エチレンコポリマーと高融点ポ
リマーとの質量比率は、20:80〜80:20である
のが好ましい。エチレンコポリマーの比率が20mas
s%未満であると、イオン交換容量が低くなる傾向があ
るばかりでなく、融着力が低下する傾向があり、エチレ
ンコポリマーの比率が80mass%を越えると、高融
点ポリマーの比率が少なくなり過ぎてイオン交換性前駆
繊維及びイオン交換性不織布の強度が低くなる傾向があ
るためで、より好ましくは30:70〜70:30であ
り、最も好ましくは40:60〜60:40である。
【0013】イオン交換性前駆繊維の断面形状は円形であっ
ても良いし、略四角形状などの非円形であっても良い。
この非円形の断面形状としては、他に楕円状、長円状、
T状、Y状、+状、中空状、多角形状などを例示でき
る。また、イオン交換性前駆繊維の繊度は特に限定され
るものではないが、0.1dtex〜50dtexであ
るのが好ましい。また、イオン交換性前駆繊維は1〜1
60mm長程度に切断されたステープルであるのが好ま
しい。なお、エチレンコポリマー及び/又は高融点ポリ
マー中に、例えば、吸湿剤、艶消し剤、顔料、難燃剤、
安定剤、帯電防止剤、着色剤、染色剤、導電剤、親水化
剤、脱臭剤、或いは抗菌剤などの機能性物質が混在して
おり、各種機能が付加されていても良い。
【0014】本発明のイオン交換性不織布を構成するイオン
交換性繊維は、前述のようなイオン交換性前駆繊維のエ
チレンコポリマーにスルホン酸基が導入されたものであ
るため、イオン交換性に優れている。なお、イオン交換
性前駆繊維のエチレンコポリマー以外のポリマー(例え
ば、高融点ポリマー)にもスルホン酸基が導入されてい
ても良い。本発明のイオン交換性繊維にスルホン酸基を
導入する方法としては、例えば、硫酸溶液、濃硫酸溶
液、発煙硫酸溶液、クロルスルホン酸溶液、或いは三酸
化硫黄ガスの中から選ばれる少なくとも1種の酸と接触
させる方法がある。
【0015】本発明のイオン交換性不織布は前述のようなイ
オン交換性繊維を含むものであり、かつ10%モジュラ
ス強度が30N/5cm幅以上のものである。このよう
なイオン交換性繊維は50mass%以上含まれている
のが好ましく、イオン交換性の点から70mass%以
上含まれているのがより好ましい。本発明のイオン交換
性不織布を構成することのできるイオン交換性繊維以外
の繊維としては、例えば、高密度又は低密度ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリメチルペンテン繊維
などを挙げることができる。
【0016】本発明のイオン交換性不織布の10%モジュラ
ス強度は30N/5cm幅以上であるため、形態保持性
に優れ、汎用性に優れるものである。より好ましい10
%モジュラス強度は40N/5cm幅以上である。な
お、「10%モジュラス強度」はイオン交換性不織布が
破断に至るまでの最大伸度に対して10%伸びたときの
強度を、引張試験機(テンシロン オリエンテック製
UCT−500)にて、引張り速度300mm/min
で測定した値をいう。なお、本試験ではイオン交換性不
織布を5cm幅で測定した値をいう。
【0017】このように10%モジュラス強度の高いイオン
交換性不織布は、例えば、イオン交換性繊維が融着して
いることによって得ることができる。なお、融着してい
るばかりでなく、イオン交換性繊維が絡合していると、
更に10%モジュラス強度を高くすることができる。
【0018】また、本発明のイオン交換性不織布のイオン交
換容量が1meq/g以上であればイオン交換性に優れ
ており、好ましいイオン交換容量は1.5meq/g以
上であり、より好ましいイオン交換容量は2meq/g
以上である。この「イオン交換容量」は次のようにして
得られる値をいう。 (1)約0.1gのイオン交換性不織布(質量:A
(g))を1Nの塩酸溶液中に1時間浸漬して再生を行
った後、2リットルの純水で十分に洗浄を行う。 (2)次いで、洗浄したイオン交換性不織布を50ml
の1Nの塩化カリウム溶液中に浸漬する。 (3)次いで、指示薬として1%フェノールフタレイン
溶液を塩化カリウム溶液に1cc添加した後、この溶液
を0.01Nの水酸化カリウム溶液で滴定を行い滴定量
(B(ml))を測定する。 (4)そして、次の式からイオン交換容量(IE、me
q/g)を算出する。 IE=(B/A)×100 ここで、Aはイオン交換性不織布の質量(g)を意味
し、Bは0.01Nの水酸化カリウム溶液量(ml)を
意味する。
【0019】本発明のイオン交換性不織布の見掛密度は通気
抵抗や通水抵抗が低く、かつ形態保持性に優れるよう
に、0.01〜0.3g/cm3であるのが好ましい。
より好ましくは0.05〜0.2g/cm3である。こ
の「見掛密度」はイオン交換性不織布の面密度(g/c
2)をイオン交換性不織布の厚さ(cm)で除した値
をいい、イオン交換性不織布の厚さは1cm 2あたり
0.5g荷重時の厚さをいう。
【0020】本発明のイオン交換性不織布は形態保持性に優
れ、しかも通気抵抗や通水抵抗が低いものであるため、
例えば、気体用濾過材、液体用濾過材、脱臭剤、壁紙な
どとして使用することができる。
【0021】このような本発明のイオン交換性不織布は、例
えば、次のようにして製造することができる。まず、イ
オン交換性前駆繊維を用意する。このイオン交換性前駆
繊維は常法の紡糸装置を利用することにより紡糸するこ
とができる。例えば、エチレンコポリマーが好適である
メタクリル酸−エチレンコポリマーからなる場合には、
紡糸温度220〜300℃で紡糸できる。次いで、紡糸
した未延伸糸を室温以上、エチレンコポリマーの融点以
下の温度で、1〜8倍延伸して、繊度0.1dtex〜
50dtex程度のイオン交換性前駆繊維を製造するこ
とができる。なお、イオン交換性前駆繊維を乾式不織布
の原料として使用する場合には、機械的に又は熱的に5
〜50個/インチ程度の巻縮を付与するのが好ましい。
また、必要であれば、前述のようなイオン交換性前駆繊
維以外の繊維を用意する。
【0022】次いで、イオン交換性前駆繊維のエチレンコポ
リマーにスルホン酸基を導入してイオン交換性繊維を製
造した後に、このイオン交換性繊維を使用してイオン交
換性不織布を製造しても良いが、イオン交換性前駆繊維
を使用して不織布を形成した後にイオン交換性前駆繊維
のエチレンコポリマーにスルホン酸基を導入した方がス
ルホン酸基を損傷せず、しかも製造上好適であるため、
イオン交換性前駆繊維を使用して不織布を形成した後に
イオン交換性前駆繊維のエチレンコポリマーにスルホン
酸基を導入する場合を例に説明する。なお、イオン交換
性前駆繊維のエチレンコポリマーにスルホン酸基を導入
してイオン交換性繊維を製造した後に、このイオン交換
性繊維を使用してイオン交換性不織布を製造する場合、
次の記載と全く同様にしてスルホン酸基を導入してイオ
ン交換性繊維を製造した後、このイオン交換性繊維を使
用し、全く同様にしてイオン交換性不織布を製造するこ
とができる。
【0023】次いで、前述のようなイオン交換性前駆繊維を
含む繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法
としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボン
ド法、メルトブロー法などの乾式法や、湿式法がある。
なお、繊維ウエブの形成方法によって繊維長が異なり、
前者の乾式法により形成する場合(スパンボンド法、メ
ルトブロー法を除く)には、20〜160mm長程度の
繊維を使用し、後者の湿式法により形成する場合には、
1〜30mm長程度の繊維を使用する。また、繊維ウエ
ブを形成した後、製法の異なる繊維ウエブを積層するな
ど、種類の異なる繊維ウエブを積層しても良い。
【0024】次いで、繊維ウエブを結合する。この繊維ウエ
ブの結合方法としては、例えば、ニードルや流体流(例
えば、水流)によって絡合する方法、イオン交換性前駆
繊維及び/又は融着性繊維により融着する方法、エマル
ジョンなどのバインダーにより接着する方法、或いはこ
れらを併用する方法がある。これらの中でも、10%モ
ジュラス強度を高くできるように、イオン交換性前駆繊
維及び/又は融着性繊維により融着する方法や、ニード
ルや流体流(例えば、水流)によって絡合した後にイオ
ン交換性前駆繊維及び/又は融着性繊維を融着する方法
が好ましく、イオン交換容量を高くすることができるよ
うに、イオン交換性前駆繊維のエチレンコポリマーを融
着する方法や、ニードルや流体流(例えば、水流)によ
って絡合した後にイオン交換性前駆繊維のエチレンコポ
リマーを融着する方法がより好ましい。
【0025】イオン交換性前駆繊維のエチレンコポリマーを
融着する場合、エチレンコポリマーの融点よりも10℃
以上高い温度で融着するのが好ましい。なお、イオン交
換性前駆繊維が高融点ポリマーを含んでいる場合には、
高融点ポリマーの融点よりも低い温度で融着するのが好
ましい。なお、この熱処理によってエチレンコポリマー
がフィルム化して通気抵抗や通水抵抗が低下しないよう
に、無圧下で実施するのが好ましい。このような熱処理
は、例えば、ドライヤー、熱風ドライヤー、吸引付きド
ライヤーなどによって実施することができる。
【0026】他方、ニードルによって絡合した後にイオン交
換性前駆繊維のエチレンコポリマーを融着する場合、針
密度50本/cm2〜200本/cm2程度で絡合した
後、前述と同様の熱処理条件でイオン交換性前駆繊維の
エチレンコポリマーを融着するのが好ましい。また、流
体流(例えば、水流)によって絡合した後にイオン交換
性前駆繊維のエチレンコポリマーを融着する場合、圧力
30Pa〜80Pa程度で絡合した後、前述と同様の熱
処理条件でイオン交換性前駆繊維のエチレンコポリマー
を融着するのが好ましい。
【0027】次いで、この不織布に対してスルホン化処理を
実施して、本発明のイオン交換性不織布を得ることがで
きる。このスルホン化処理としては、例えば、硫酸溶
液、濃硫酸溶液、発煙硫酸溶液、クロルスルホン酸溶液
などの溶液中に不織布を浸漬したり、三酸化硫黄ガス雰
囲気中に不織布を曝す方法を挙げることができる。な
お、複数種類の酸によりスルホン酸基を導入しても良
い。
【0028】なお、10%モジュラス強度が30N/5cm
幅以上のイオン交換性不織布は、例えば、イオン交換性
繊維(又はイオン交換性前駆繊維)の量、融着温度、絡
合の程度などを調節することによって得ることができ
る。また、イオン交換容量が1meq/g以上のイオン
交換性不織布は、例えば、イオン交換性繊維(又はイオ
ン交換性前駆繊維)の量、スルホン化処理の程度などを
調節することによって得ることができる。更に、見掛密
度が0.01〜0.3g/cm3のイオン交換性不織布
は、例えば、イオン交換性繊維(又はイオン交換性前駆
繊維)の量、絡合の程度などを調節することによって得
ることができる。
【0029】以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。なお、イオ
ン交換容量及び10%モジュラス強度は前述した測定方
法で行った。
【0030】
【実施例】(実施例1)芯成分としてメルトフローレー
トが30のポリプロピレン(融点:160℃)と、鞘成
分としてメルトフローレートが35のメタクリル酸を共
重合成分とするエチレンコポリマー(共重合成分の比
率:10mass%、融点:95℃)とを用いて、質量
比率が50:50の未延伸芯鞘型イオン交換性前駆繊維
を紡糸温度220℃で溶融紡糸した。次いで、この未延
伸芯鞘型イオン交換性前駆繊維を温度50℃の温水中で
4倍延伸を行った後、カットして、繊度が2.2dte
xで繊維長が10mmの芯鞘型イオン交換性前駆繊維
(断面:円形、エチレンコポリマーが繊維表面を100
%占める)を製造した。次いで、この芯鞘型イオン交換
性前駆繊維を100%用い、湿式抄造法により繊維ウエ
ブを形成した。次いで、この繊維ウエブを温度120℃
の熱風ドライヤーにより無圧下で、乾燥すると同時に芯
鞘型イオン交換性前駆繊維の鞘成分(エチレンコポリマ
ー)を融着して、面密度が50g/m2で厚さが0.5
mmの不織布を製造した。次いで、この不織布を温度が
50℃で濃度が15%の発煙硫酸溶液中に5分間浸漬し
た後、希硫酸で洗浄し、次いで水で洗浄し、更に温度8
0℃で乾燥して、本発明のイオン交換性不織布を製造し
た。このイオン交換性不織布の見掛密度は0.1g/c
3であり、イオン交換容量は2meq/gであり、1
0%モジュラス強度は43N/5cmで、寸法安定性に
優れるものであった。更に、イオン交換性不織布は、断
面形状が円形であり、繊度が2.2dtexであり、繊
維長が10mmであるイオン交換性繊維100%から構
成されていた。
【0031】(実施例2)実施例1と全く同様にして、未延
伸芯鞘型イオン交換性前駆繊維を溶融紡糸した後、温度
50℃の温水中で2倍延伸を行った後、機械的に巻縮を
付与(25個/インチ)し、カットして、繊度が2dt
exで繊維長が51mmの芯鞘型イオン交換性前駆繊維
(断面:円形、エチレンコポリマーが繊維表面を100
%占める)を製造した。他方、繊度が5dtexで繊維
長が51mmのポリプロピレン繊維(融点:160)を
用意した。次いで、前記芯鞘型イオン交換性前駆繊維7
0mass%と前記ポリプロピレン繊維30mass%
とを混綿した後、ローラーカードで繊維ウエブを形成し
た。次いで、この繊維ウエブを温度120℃の熱風ドラ
イヤーにより無圧下で、芯鞘型イオン交換性前駆繊維の
鞘成分(エチレンコポリマー)を融着して、面密度が5
0g/m2で厚さが2mmの不織布を製造した。次い
で、この不織布を温度が40℃で濃度が15%の発煙硫
酸溶液中に3分間浸漬した後、希硫酸で洗浄し、次いで
水で洗浄し、更に温度80℃で乾燥して、本発明のイオ
ン交換性不織布を製造した。このイオン交換性不織布の
見掛密度は0.025g/cm3であり、イオン交換容
量は1meq/gであり、10%モジュラス強度は30
N/5cmで、寸法安定性に優れるものであった。更
に、イオン交換性不織布は、繊維断面形状が円形であ
り、繊度が2dtexであり、繊維長は51mmである
イオン交換性繊維70mass%を含んでいた。
【0032】(比較例)繊度が6.6dtexで繊維長が5
1mmのポリアクリロニトリル系イオン交換性繊維を用
意した。次いで、このポリアクリロニトリル系イオン交
換性繊維を100%用い、ローラーカードで繊維ウエブ
を形成した。次いで、この繊維ウエブをニードルにより
絡合(針密度:100本/cm2)して、面密度が11
0g/m2で、厚さが1.2mmのイオン交換性不織布
を製造した。このイオン交換性不織布の見掛密度は0.
092g/cm3であり、イオン交換容量は2meq/
gであり、10%モジュラス強度は5N/5cmと非常
に弱く、寸法安定性に欠けるものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明のイオン交換性不織布は形態保持
性に優れるものであり、また、不織布形態をとってお
り、繊維がランダムの配置しているため通気抵抗や通水
抵抗の低いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24F 7/00 D06M 11/00 Z Fターム(参考) 4L031 AA14 AA16 AB34 BA17 4L041 AA07 BA02 BA04 BA05 BA16 BA21 BA32 BC04 BD03 BD06 BD11 CA36 CA44 DD01 DD15 EE15 4L047 AA14 AA17 AA18 AB02 BA08 CB10 CC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘
    導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる一種類
    以上とエチレンとからなるエチレンコポリマーが少なく
    とも繊維表面の一部を占め、かつ前記エチレンコポリマ
    ーにスルホン酸基が導入されたイオン交換性繊維を含む
    不織布からなり、前記不織布の10%モジュラス強度が
    30N/5cm幅以上であることを特徴とするイオン交
    換性不織布。
  2. 【請求項2】 イオン交換性繊維が融着していることを
    特徴とする、請求項1記載のイオン交換性不織布。
  3. 【請求項3】 イオン交換性不織布のイオン交換容量が
    1meq/g以上であることを特徴とする、請求項1又
    は2に記載のイオン交換性不織布。
  4. 【請求項4】 イオン交換性不織布の見掛密度が0.0
    1〜0.3g/cm3であることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれかに記載のイオン交換性不織布。
JP2000092338A 2000-03-29 2000-03-29 イオン交換性不織布 Pending JP2001276630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000092338A JP2001276630A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 イオン交換性不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000092338A JP2001276630A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 イオン交換性不織布

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001276630A true JP2001276630A (ja) 2001-10-09

Family

ID=18607687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000092338A Pending JP2001276630A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 イオン交換性不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001276630A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294558A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Japan Vilene Co Ltd イオン交換性繊維シート及びその製造方法
JP2011111688A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Japan Vilene Co Ltd イオン交換不織布及びその製造方法
JP2014208918A (ja) * 2013-03-28 2014-11-06 日本バイリーン株式会社 不織布

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294558A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Japan Vilene Co Ltd イオン交換性繊維シート及びその製造方法
JP4538164B2 (ja) * 2001-03-30 2010-09-08 日本バイリーン株式会社 イオン交換性繊維シート及びその製造方法
JP2011111688A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Japan Vilene Co Ltd イオン交換不織布及びその製造方法
JP2014208918A (ja) * 2013-03-28 2014-11-06 日本バイリーン株式会社 不織布

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322116B2 (ja) 少なくとも1つのほぼ非水溶性ポリマーを有するコロイド分散液の電界紡糸によるナノ繊維及びメソ繊維の製造方法
TW201816211A (zh) 改質丙烯腈系纖維、該纖維的製造方法以及含有該纖維的纖維構造體
JPH0192415A (ja) 熱接着繊維及びその不織布
JP2001276630A (ja) イオン交換性不織布
JP4023221B2 (ja) 吸水性アクリル繊維及びその製造方法並びに該繊維を含有する繊維構造物
JPH022983B2 (ja)
JP3860320B2 (ja) インクジェット式プリンター用インク吸収体
JP3692227B2 (ja) 分割性繊維及びこの分割性繊維を使用した繊維シート
GB2098128A (en) Irregular-section acrylic fiber and its production
JPH06116854A (ja) 特殊不織布
JP3831144B2 (ja) 芯鞘型繊維、この芯鞘型繊維を使用した繊維シート、及びこの芯鞘型繊維を使用した電池用セパレータ
JP2019143284A (ja) 収縮性吸湿アクリロニトリル系繊維、該繊維の製造方法および該繊維を含有する繊維構造体
JP3703956B2 (ja) 分割性繊維及びこの分割性繊維を使用した繊維シート
JPH11279912A (ja) 不織布、拭き取り布、及びその製造方法
JP4100549B2 (ja) エアフィルタ用濾材並びにエアフィルタ
JP7219418B2 (ja) 捲縮性吸湿アクリロニトリル系繊維、該繊維の製造方法および該繊維を含有する繊維構造体
JP4645945B2 (ja) ポリアクリロニトリル系透明シートおよびその製造方法
JP2601775B2 (ja) 難燃アクリル系複合繊維
JP3183979B2 (ja) ワイパー
JPH03257755A (ja) アルカリ電池用セパレータ
JP2640279B2 (ja) 強靭化された不織布及びその製造方法
JP2000290832A (ja) 多孔質繊維およびその製造方法
JPH01168949A (ja) 複合不織布
JPS5936756A (ja) 新規なアクリル系不織布の製造法
JPH04263637A (ja) サマーセーター用紡績糸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071106