JP2001276205A - 負イオンシステム - Google Patents

負イオンシステム

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JP2001276205A
JP2001276205A JP2000092843A JP2000092843A JP2001276205A JP 2001276205 A JP2001276205 A JP 2001276205A JP 2000092843 A JP2000092843 A JP 2000092843A JP 2000092843 A JP2000092843 A JP 2000092843A JP 2001276205 A JP2001276205 A JP 2001276205A
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negative ion
negative
negative ions
predetermined space
ions
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Application number
JP2000092843A
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English (en)
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Koji Yamashita
浩司 山下
Mikio Mori
美喜男 森
Susumu Kameyama
晋 亀山
Yasuhiro Tanimura
泰宏 谷村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷蔵庫内での負イオン濃度の立ちあがり
特性を向上させ、冷蔵庫内の負イオン濃度が所定濃度に
なるまでの時間を短縮し、微生物の繁殖防止を効果的に
行うことができる負イオンシステムを提供する。 【解決手段】 負イオン発生手段によって発生させた負
イオンを所定空間内に供給し、内部に配置された対象物
の近傍での負イオン濃度が所定濃度以上となるようにし
た負イオンシステムにおいて、所定空間内の表面を帯電
し難い材料、導電性を有す材料、もしくは親水性を有す
材料のいずれかで構成するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として冷蔵庫や
給食センタ等の空間内に配置された食品に負イオンを照
射することで微生物が繁殖するのを防止する負イオンシ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は例えば特開平9−119657号
公報に示された従来の負イオンシステムである。図にお
いて、1は金属針または金属細線からなる放電電極、2
は放電電極1と対向して設置されたメッシュ状金属から
なる接地電極、3は放電電極1と接地電極2の間に高電
圧を印加し、放電電極1からコロナ放電を発生させる高
圧発生器である。4は微生物の付着、繁殖の対象となる
食品等の対象物、5は風路、6は電離室、7はオゾン分
解触媒が充填されたフィルタからなるオゾン分解エレメ
ント、8は冷却器、9は送風機、10は冷蔵庫、保管庫
等の所定空間、Aは微生物繁殖防止装置である。
【0003】次に動作について説明する。所定空間10
内の空気は送風機9の作用によって冷却器8で冷却され
電離室6に導かれる。電離室6内には、放電電極1と接
地電極2の対が設置されており、この間に5〜10kV
の高電圧が印加されている。
【0004】電離室6内を通過する冷却空気は、放電電
極1からのコロナ放電によって含まれている酸素分子、
水分子等がイオン化し、負イオンとオゾンを生成する。
この空気はオゾン分解エレメント7へと導かれ、エレメ
ント内に充填されたオゾン分解触媒によってオゾンを除
去される。これによりオゾンが除去された負イオンの豊
富な空気が作られる。この空気は風路5を介して所定空
間10内へと導かれる。
【0005】庫内に導かれて暫くの間は、負イオンの大
部分は風路5や所定空間10の壁等に付着し、これらを
帯電するために使われる。このため庫内の雰囲気の負イ
オン濃度はあまり上昇しない。
【0006】さらに導入を続けると、風路5及び所定空
間10の壁に付着する負イオンは飽和状態に達して付着
しなくなる。庫内の雰囲気の負イオン濃度はこの飽和状
態を境として急激に増加する。このようにして対象物4
を囲む雰囲気の負イオン濃度は、やがて微生物繁殖防止
効果を有する濃度に達する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の負イオンシステ
ムは以上のように構成されており、効果を得るためには
所定空間10の壁や風路5等を飽和状態まで帯電させる
必要があり、微生物繁殖防止装置を余計な時間、稼動さ
せなければならず、不経済であるという問題を有してい
た。また、即座に対象物4近傍の雰囲気の負イオン濃度
を所望値にすることができないので、所望値に達するま
での間、微生物を繁殖させてしまうという問題も有して
いた。
【0008】さらに、対象物4がコンテナに内蔵されて
いる場合には、負イオンはコンテナを帯電するのに消費
されてしまい、庫内の負イオン濃度を立ち上げるのに要
する時間はさらに長くなってしまうという問題があっ
た。
【0009】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、所定空間10内に負イオンを供
給し始めてから対象物4近傍の雰囲気の負イオン濃度が
微生物の繁殖防止に効果のある濃度に達するまでの時間
を短縮し、微生物の繁殖防止を効果的に行うことのでき
る経済的な負イオンシステムを提供することを目的とし
ている。
【0010】また、対象物4がコンテナに内蔵されてい
る場合にも、コンテナ等による負イオンの損失を少なく
し、所定空間10内に負イオンを供給し始めてから対象
物4近傍の雰囲気の負イオン濃度が微生物の繁殖防止に
効果のある濃度に達するまでの時間を短縮し、微生物の
繁殖防止を効果的に行うことのできる経済的な負イオン
システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる負イオン
システムは、空気中に負イオンを発生させる負イオン発
生手段と、食品などの対象物と、対象物を内蔵し、負イ
オン発生手段から発生した負イオンを含む空気が導入さ
れる所定空間とを備え、負イオンを含む空気が接する所
定空間内の表面を帯電し難い材料、導電性を有す材料、
もしくは親水性を有す材料のいずれかで構成するように
したものである。
【0012】また、負イオン発生手段の負イオンと接す
る表面を帯電し難い材料、導電性を有す材料、もしくは
親水性を有す材料のいずれかで構成するようにしたもの
である。
【0013】また、負イオン発生手段と所定空間の間に
負イオンを含む空気を搬送する搬送手段を配すととも
に、搬送手段の負イオンと接する表面を帯電し難い材
料、導電性を有す材料、もしくは親水性を有す材料のい
ずれかで構成するようにしたものである。
【0014】また、搬送手段と所定空間の間に負イオン
を含む空気を拡散する拡散手段を配すとともに、拡散手
段の負イオンと接する表面を帯電し難い材料、導電性を
有す材料、もしくは親水性を有す材料のいずれかで構成
するようにしたものである。
【0015】さらに、対象物を内蔵し、所定空間の内に
配されたコンテナの表面を帯電し難い材料、導電性を有
す材料、もしくは親水性を有す材料のいずれかで構成す
るようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図をもとに
本発明の実施の形態1について説明する。図1、2はそ
れぞれ本発明の実施の形態1による負イオンシステムを
示す全体図と負イオン発生手段の構成図である。従来例
と同一または同一相当部分には同じ符号を付して表わす
ことにし、説明を省略する。
【0017】図において、11は負イオン発生手段、1
2は送風機などからなる負イオン送出手段、13は負イ
オン発生手段11の吸込口、14は負イオン発生手段1
1の吹出口である。
【0018】負イオン発生手段11では、放電電極1に
数kVの負極性の直流高電圧を印加すると、接地電極2
との間にコロナ放電が発生し、極間をシャワー状の放電
電流が流れる。この放電電流の中に、負イオン送出手段
12によって搬送された吸込口13周辺の空気を流す
と、極間を高速で移動する電子が空気中に含まれる酸素
分子等に衝突して負イオンが生成される。この時、同時
に酸素分子が解離してできた酸素原子と、別の酸素分子
が結合してオゾンを生成する。
【0019】ここで、オゾンは人体にとって有害な物質
であるため、人が出入りするような空間ではオゾン濃度
を許容値0.1ppm以下に抑えなければならない。し
たがって負イオン発生手段11内にオゾン分解エレメン
ト7を設けることによってオゾン濃度を許容値以下まで
低減する。このオゾンが低減された負イオンの豊富な空
気は吹出口14から所定空間10へ吹き出される。
【0020】吹き出された負イオンは、吹出風に乗って
所定空間10内の隅々に達し、1cc当たり10の3乗
から10の6乗個の密度で分布する。これにより空間内
に存在する全ての物体、例えば所定空間10の壁や対象
物4やこれを内蔵したコンテナ等は負に帯電されてい
く。
【0021】ここで所定空間10内の物体への帯電が続
いている時は、空間内に供給された負イオンの一部は物
体の帯電に消費されてしまい、雰囲気中の負イオンの量
はその分減少する。この状態は物体への帯電が続いてい
る間、継続することとなり、対象物4近傍における雰囲
気の負イオン濃度の立ち上がりを悪くし、その分微生物
の繁殖防止効果を弱くしている。このことから十分な微
生物繁殖防止効果を短時間で得るためには、所定空間1
0内における物体の帯電量を少なくすることが重要とな
る。
【0022】この点につき図3に示すようなコンテナに
対象物4が内蔵されたケースを例に取り上げ、詳しく説
明する。図において15は内蔵された対象物4に冷風が
当たり易いように格子状の孔部を設けてあるコンテナで
あり、プラスチック等のコンテナ材料16から構成され
ている。また、17は負イオンである。
【0023】次に動作について説明する。負イオン17
はコンテナ15の格子状の孔部を通って内部に流入する
際、コンテナ材料16の近傍を通る。この時、コンテナ
材料16において、負イオン17に近い側に正電荷、遠
い側に負電荷が誘起される誘電分極が起こる。
【0024】この正電荷の出現により正電荷の近傍にあ
る負イオン17はコンテナ材料16の表面に引き寄せら
れて吸着され、コンテナ材料16を帯電させる。このよ
うにして帯電は徐々に進行し、コンテナ材料16の表面
電位も徐々に高くなっていく。
【0025】コンテナ材料16への帯電が続いている
間、コンテナ15の内部に流入する負イオン17は帯電
に消費された分だけ少なくなる。このため、内蔵されて
いる対象物4の表面における負イオン濃度も少なくな
り、その分微生物の繁殖防止効果が小さくなる。
【0026】従って、微生物の繁殖防止を効果的に行う
ためにはコンテナ材料16に吸着される負イオン17の
量を少なくしなければならず、コンテナ材料16とし
て、帯電速度が速く、かつ飽和時における材料の表面電
位が低くなるような性質をもった材料を選定する必要が
ある。
【0027】このような帯電速度を速くし、飽和時にお
ける材料の表面電位を低くする方法として次の四つが挙
げられる。 (1)吸湿性のよい材料を用いる。 (2)(1)に付随して親水性高分子を利用する。 (3)導電性を改善する。 (4)帯電防止処理を施す。 以下、これらについて詳しく説明する。
【0028】(1)吸湿性のよい材料 水は導電性を有すため、材料表面にできるだけ多くの水
分を保持できれば、表面抵抗は下がる。これにより材料
表面を電流が流れ易くなって電荷が溜まり難くなり、表
面電位が下がって帯電速度も速くなる。
【0029】コンテナ材料として一般的に使われている
プラスチックは元来内部に微小な隙間を持っており、空
気に接している表面では空気中の水分がこの隙間に取り
込まれる。このためプラスチックを完全乾燥状態から通
常環境下に戻すと水分が取り込まれていき、表面抵抗は
下がっていく。例えば、温度20℃、湿度65%の空気
中に放置すると吸水率が約3%になるプラスチックにお
いて、完全乾燥状態での表面抵抗が10の15乗Ωであ
るのに対し、3%水分を吸収すると表面抵抗は10の1
0乗Ω程度まで低くなる。
【0030】したがって表面抵抗を出来る限り下げるこ
とを考えると完全乾燥状態における内部抵抗(元々の抵
抗)が低く、かつ吸水率の高い材料が望ましい。表1に
代表的なプラスチックの完全乾燥状態における内部抵抗
と吸水率とを示す。
【0031】
【表1】
【0032】この表より塩化ビニルとナイロンは完全乾
燥状態における内部抵抗が低くて、吸水率が高いので、
コンテナ材料として望ましいことが分かる。なお、ここ
では塩化ビニルとナイロンを挙げたが、これに限定する
ものではない。完全乾燥状態における内部抵抗が低く、
吸水率のよい材料であればどのようなものでもよいこと
は言うまでもない。
【0033】(2)親水性高分子の利用 (1)で述べたように空気中の水分をできるだけ表面に
保持させることができれば、表面抵抗が下がって表面電
位が下がり、帯電速度も速くなる。水分をできるだけ表
面に保持させる方法として水分子と相性のよい親水性高
分子材料をコンテナ材料に用いる方法や、コンテナ表面
に塗布する方法等が挙げられる。このような親水性高分
子材料として、OH基を持つエチレンビニル共重合体が
挙げられるが、これに限定するものではない。親水性を
向上させるような材料であればどのようなものでもよい
ことは言うまでもない。
【0034】(3)導電性の向上 材料表面の導電性が向上すれば表面電位も下がり、帯電
速度も速くなる。材料表面の導電性を向上させる方法と
して、材料表面に抵抗の小さい材料、例えば金属皮膜を
形成する方法や、導電性材料を塗料に混入して表面に塗
布する方法や、導電性材料をコンテナ材料に混入する方
法等が考えられる。このような導電性材料として、金属
粉やカーボン等が挙げられるが、これに限定するもので
はない。導電性を向上させるような材料であればどのよ
うなものでもよいし、金属等をそのまま用いてもよいこ
とは言うまでもない。
【0035】(4)帯電防止処理を施す 材料表面に帯電防止処理を施すことによって表面抵抗は
下がって表面電位が下がり、帯電速度も速くなる。帯電
防止処理として帯電防止剤を材料の表面に塗布する方法
と材料に混入する方法があるが、混入する場合も材料か
ら徐々に表面に染み出してくるため、表面に塗布する場
合と同じである。どちらの方法も材料の表面性状の改質
に相当する。このような帯電防止剤として、グリセリン
脂肪酸エステル等の非イオン系帯電防止剤、アルキルス
ルホン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、テトラアルキル
アンモニウム塩等のカチオン系帯電防止剤、アルキルベ
タイン等の両性帯電防止剤等が挙げられるが、これに限
定するものではない。帯電防止効果を有す材料であれば
どのようなものでもよいことは言うまでもない。
【0036】以上述べたいずれかの方法によって表面抵
抗の小さなコンテナを作ることにより、所定空間内での
負イオン濃度の立ち上がり特性を向上させ、所定空間内
に負イオンを供給し始めてから対象物の近傍における負
イオン濃度が微生物の繁殖防止に効果のある濃度になる
までの時間を短縮し、微生物の繁殖防止を効果的に行う
ことが可能となる。なお、使用する材料としては、20
℃、65%大気中での表面抵抗が10の14乗Ω以下で
あるものが望ましく、表面抵抗がより小さい材料の方が
負イオン濃度の立ち上がり特性の改善効果が大きい。
【0037】また、図2において空気流に沿ってオゾン
分解エレメント7の後方にオゾン発生手段を設けてもよ
い。前述の通りオゾンは人体にとって有害であるため、
人の出入りのある空間では、オゾン濃度を許容値0.1
ppm以下、もしくは完全に除去することが望ましい。
【0038】しかしながら、微生物の繁殖防止効果の観
点からは適切な濃度の負イオンに微量なオゾンが添加さ
れている場合に繁殖防止効果は最も大きくなる。そこ
で、このような一旦オゾンが除去された負イオンの豊富
な空気に再びオゾンを適切な量だけ添加するシステムを
構成すれば、対象物近傍における負イオン濃度とオゾン
濃度を適切に保つことが可能となる。これにより微生物
の繁殖防止効果を一層増大させることができる。また、
オゾン発生手段が負イオン発生手段11の中に内蔵され
ているように説明したが、オゾン発生手段を負イオン発
生手段11と別個に設置するようにしても構わない。
【0039】また、オゾンの添加に関し、所定空間10
内にオゾン濃度センサを設置してもよい。このオゾン濃
度センサによって所定空間10内のオゾン濃度を検知
し、この信号をオゾン発生手段にフィードバックし、制
御するようなシステムを構成すれば、対象物4の近傍で
のオゾン濃度を適切に制御することが可能となり、微生
物の繁殖防止効果を増大する効果がある。またこの時の
オゾン濃度の目標値は0.1ppm以下であり、0.0
3ppm程度が好ましい。
【0040】なお、本実施の形態においては、対象物4
がコンテナに内蔵された場合を例にとって説明したが、
所定空間10に存在する対象物4を除くどの物体につい
ても同じことが言える。対象物4を除く物体として、例
えば所定空間10の壁あるいは負イオン発生手段11の
筐体あるいは負イオン発生手段11を内蔵した筐体ある
いは負イオン発生手段11を取り着けた筐体等が考えら
れる。これらに関する帯電の動作及び材料についての説
明、及び材料選定の効果についてはこれまで通りである
ので省略する。
【0041】また、図1においては、負イオン発生手段
11が設置されている空間と対象物4が配置されている
所定空間10とが同一空間であるように示されている
が、これに限るものではなく、負イオン発生手段11と
所定空間10とは別の空間に設置されていても構わな
い。
【0042】また、所定空間10は、周囲を固体壁で密
閉された密閉空間だけではなく、周囲の一部がエアーカ
ーテンやオープンスペースになっている半密閉空間であ
っても構わない。
【0043】実施の形態2.図9は本発明の実施の形態
2における負イオンシステムを示す全体図である。従来
例もしくは実施の形態1と同一または同一相当部分には
同じ符号を付して表わすことにし、説明を省略する。以
下、図をもとに説明する。図において18はダクト等の
搬送手段であり、19は流路を拡大する拡散手段であ
る。
【0044】負イオン発生手段11内で、コロナ放電に
より負イオンを発生させ、負イオンの豊富な空気を吹き
出すまでの動作については、実施の形態1と同じであ
り、説明を省略する。負イオン発生手段11内で、コロ
ナ放電によって、負イオンが生成されるが、この時同時
に正イオンも生成される。しかし、放電電極が負極性の
直流高電圧であるため、正イオンの多くは生成後すぐに
電極に吸い込まれて消滅し、負イオン発生手段11から
は正イオンよりも負イオンが多く含まれた空気が吹き出
される。正イオンと負イオンの割合は1対10かあるい
はそれ以上と推定される。
【0045】負イオン発生手段11から吹き出された負
イオンは、一部が一緒に吹き出された正イオンと引き合
って結合し電荷を持たない中性分子になったり、同一電
荷を持った負イオン同士の反発によって周囲に拡散され
たりすることによって、空間内の負イオン濃度は距離、
時間に応じて急速に減衰し、数秒で発生した負イオン濃
度は半分程度に減衰してしまう。
【0046】そのため、大型の冷蔵庫のように、対象物
4と負イオン発生手段11との設置位置が離れている場
合は、負イオン発生手段11で負イオンを発生させた後
に、搬送手段18である例えば流路断面積の小さいダク
トを設置することで、負イオンを搬送する気流の速度を
大きくし、また負イオンの周囲への拡散を防ぐことがで
き、対象物4近傍まで高濃度の負イオンを搬送すること
が可能となる。
【0047】なお、例えば、所定空間10の温度が0〜
10℃、相対湿度が90〜95%の場合には、対象物4
の表面の気流速は、対象物8が肉類では0.2m/s以
下、刺し身類では0.1m/s以下となることが望まし
い。また、対象物4の近傍の負イオン濃度は、微生物の
繁殖防止に効果のある1cc当たり10の4乗個以上に
維持されることが望ましい。
【0048】しかしながら、対象物4が果物や野菜のよ
うな食品である場合、所定空間10における対象物4表
面の気流速が大きすぎると、対象物4が乾燥し、重量の
低下や変色等により商品価値を低下させてしまう恐れが
ある。そこで、搬送手段18の出口に拡散手段19とし
て例えば流路が徐々に大きくなる流路拡大手段を設置す
ることで、搬送手段18の作用で高速に搬送された負イ
オンを対象物4に到達する前に拡散または減速させるこ
とが可能となり、対象物4を乾燥させて商品価値を低下
させることなく、対象物4周囲の負イオン濃度を高く保
つことができる。
【0049】このようにして、負イオン発生手段11に
おいて発生させた負イオンを搬送手段18及び拡散手段
19を用いて搬送することで、所定空間10内の対象物
4の近傍に高濃度の負イオンを供給しながら、かつ低風
速にして対象物4の乾燥を防ぐことが可能となる。しか
し、この時、搬送手段18及び拡散手段19の内部には
多量の負の電荷を持った負イオンが存在し電界も形成さ
れているため、これらの影響で搬送手段18及び拡散手
段19を構成する材料は、負に帯電させられることにな
る。
【0050】搬送手段18及び拡散手段19が帯電して
いる間は、負イオン発生手段11で生成された負イオン
の一部は搬送手段18及び拡散手段19の帯電に消費さ
れてしまい、対象物4が設置された所定空間10内に供
給される負イオンの量はその分少なくなる。このため搬
送手段18及び拡散手段19の帯電量を少なくするよう
な材料を選ぶことが重要となる。この点に関しては実施
の形態1におけるコンテナを搬送手段18及び拡散手段
19に置き換えれば同じことであり、説明を省略する。
【0051】以上のように材料の選定を行い、これを使
用してシステムを構築することによって所定空間内での
負イオン濃度の立ち上がり特性を向上させ、所定空間内
に負イオンを供給し始めてから対象物の近傍での負イオ
ン濃度が微生物の繁殖防止に効果のある濃度になるまで
の時間を短縮し、微生物の繁殖防止を効果的に行うこと
が可能となる。
【0052】また、図9において負イオン発生手段11
が設置されている空間と対象物4が配置されている所定
空間10とが同一空間であるように示されているが、こ
れに限るものではなく、負イオン発生手段11と所定空
間10とは別の空間に設置されていても構わない。ま
た、1つの負イオン発生手段11で発生させた負イオン
を複数の所定空間10に搬送するようにシステムを構成
しても構わない。
【0053】また、所定空間10は、周囲を固体壁で密
閉された密閉空間だけではなく、周囲の一部がエアーカ
ーテンやオープンスペースになっている半密閉空間であ
っても構わない。
【0054】また、所定空間10は、地面に固定されて
いる必要はなく、例えばトラックの荷台等の移動する空
間であってもよい。
【0055】また、拡散手段19は、流路拡大手段であ
ることを例に説明を行ったが、それ以外のものでも負イ
オンの流れが主流方向から拡散または減速されるもので
あればどのような構造、形状をしていてもよく、例えば
風路に直交して置かれた障害物、風方を可変できるルー
バー等が考えられる。
【0056】また、拡散手段19は、対象物4にあてる
負イオンの流れの速度を拡散または減速させることが目
的であるため、所定空間10内への対象物4の配置のさ
れ方によって、最適な位置に設置されるべきものであ
り、搬送手段18の出口以外に設置してもよく、例えば
拡散手段18を対象物4の配置に合わせて搬送手段18
の途中に複数個設置しそれぞれの拡散手段18から負イ
オンが対象物4に向けて吹き出すように構成しても構わ
ない。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので以下に記載されるような効果を奏す。
【0058】本発明に係わる負イオンシステムは、負イ
オンを含む空気が導入される所定空間内の表面を帯電し
難い材料、導電性を有す材料、もしくは親水性を有す材
料のいずれかで構成するようにしたので、所定空間の壁
等の表面電位が低くなって帯電速度も速くなり、所定空
間内での負イオン濃度の立ち上がり特性が向上し、所定
空間内に負イオンを供給し始めてから対象物の近傍での
負イオン濃度が微生物の繁殖防止に効果のある濃度にな
るまでの時間を短縮でき、微生物の繁殖防止を効果的か
つ経済的に行うことが可能になる。
【0059】また、負イオン発生手段の負イオンと接す
る表面を帯電し難い材料、導電性を有す材料、もしくは
親水性を有す材料のいずれかで構成するようにしたの
で、負イオン発生手段の負イオンと接する面の表面電位
が低くなって帯電速度も速くなり、所定空間内での負イ
オン濃度の立ち上がり特性が向上し、所定空間内に負イ
オンを供給し始めてから対象物の近傍での負イオン濃度
が微生物の繁殖防止に効果のある濃度になるまでの時間
を短縮でき、微生物の繁殖防止を効果的かつ経済的に行
うことが可能になる。
【0060】また、搬送手段の負イオンと接する表面を
帯電し難い材料、導電性を有す材料、もしくは親水性を
有す材料のいずれかで構成するようにしたので、搬送手
段の負イオンと接する面の表面電位が低くなって帯電速
度も速くなり、所定空間内での負イオン濃度の立ち上が
り特性が向上し、所定空間内に負イオンを供給し始めて
から対象物の近傍での負イオン濃度が微生物の繁殖防止
に効果のある濃度になるまでの時間を短縮でき、微生物
の繁殖防止を効果的かつ経済的に行うことが可能にな
る。
【0061】また、拡散手段の負イオンと接する表面を
帯電し難い材料、導電性を有す材料、もしくは親水性を
有す材料のいずれかで構成するようにしたので、拡散手
段の表面電位が低くなって帯電速度も速くなり、所定空
間内へ供給する負イオン濃度の立ち上がり特性が向上
し、所定空間内に負イオンを供給し始めてから対象物の
近傍での負イオン濃度が微生物の繁殖防止に効果のある
濃度になるまでの時間を短縮でき、微生物の繁殖防止を
効果的かつ経済的に行うことが可能になる。
【0062】また、コンテナの表面を帯電し難い材料、
導電性を有す材料、もしくは親水性を有す材料のいずれ
かで構成するようにしたので、コンテナの表面電位が低
くなって帯電速度も速くなり、所定空間内での負イオン
濃度の立ちあがり特性が向上し、所定空間内に負イオン
を供給し始めてから対象物の近傍での負イオン濃度が微
生物の繁殖防止に効果のある濃度になるまでの時間を短
縮でき、微生物の繁殖防止を効果的かつ経済的に行うこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による負イオンシステ
ムを示す全体図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による負イオンシステ
ムの負イオン発生手段の構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による負イオンシステ
ムのコンテナを示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による負イオンシステ
ムを示す全体図である。
【図5】 従来の負イオンシステムを示す図である。
【符号の説明】
1 放電電極、2 接地電極、3 高圧発生器、4 対
象物、5 風路、6 電離室、7 オゾン分解エレメン
ト、8 冷却器、9 送風機、10 所定空間、11
負イオン発生手段、12 負イオン送出手段、13 吸
込口、14 吹出口、15 コンテナ、16 コンテナ
材料、17 負イオン、18 搬送手段、19 拡散手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀山 晋 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 谷村 泰宏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4B021 LT01 LT08 4C080 AA09 BB05 HH02 KK02 MM40 QQ17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中に負イオンを発生させる負イオン
    発生手段と、食品などの対象物を内蔵し、該負イオン発
    生器から発生した負イオンを含む空気が導入される所定
    空間とを備え、該負イオンを含む空気が接する該所定空
    間内の表面を帯電し難い材料、導電性を有す材料、もし
    くは親水性を有す材料のいずれかで構成したことを特徴
    とする負イオンシステム。
  2. 【請求項2】 前記負イオン発生手段の負イオンと接す
    る表面を帯電し難い材料、導電性を有す材料、もしくは
    親水性を有す材料のいずれかで構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の負イオンシステム。
  3. 【請求項3】 前記負イオン発生手段と前記所定空間の
    間に前記負イオンを含む空気を搬送する搬送手段を配す
    とともに、該搬送手段の負イオンと接する表面を帯電し
    難い材料、導電性を有す材料、もしくは親水性を有す材
    料のいずれかで構成したことを特徴とする請求項1もし
    くは2に記載の負イオンシステム。
  4. 【請求項4】 前記搬送手段と前記所定空間の間に前記
    負イオンを含む空気を拡散する拡散手段を配すととも
    に、該拡散手段の負イオンと接する表面を帯電し難い材
    料、導電性を有す材料、もしくは親水性を有す材料のい
    ずれかで構成したことを特徴とする請求項1、2、3の
    いずれかに記載の負イオンシステム。
  5. 【請求項5】 前記対象物を内蔵し、前記所定空間の内
    に配されたコンテナの表面を帯電し難い材料、導電性を
    有す材料、もしくは親水性を有す材料のいずれかで構成
    したことを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれか
    に記載の負イオンシステム。
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