JP2001275333A - ステッピングモータ - Google Patents
ステッピングモータInfo
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- JP2001275333A JP2001275333A JP2000091752A JP2000091752A JP2001275333A JP 2001275333 A JP2001275333 A JP 2001275333A JP 2000091752 A JP2000091752 A JP 2000091752A JP 2000091752 A JP2000091752 A JP 2000091752A JP 2001275333 A JP2001275333 A JP 2001275333A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波数での高いトルクを有するステッピン
グモータを提供する。 【構成】 少なくともステータヨーク部の一部または全
部をフェライト系のFe−Cr−Al系合金で形成した
ことを特徴とするステッピングモーター。望ましくは、
ヨークを重量%でC:0.05%以下、Si:1.0%
以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:
0.01%以下、Cr:8.0〜16.0%、N:0.
05%以下、Al:0.8〜3.5%、Ti:0.3%
以下(無添加含む)の合金とする。
グモータを提供する。 【構成】 少なくともステータヨーク部の一部または全
部をフェライト系のFe−Cr−Al系合金で形成した
ことを特徴とするステッピングモーター。望ましくは、
ヨークを重量%でC:0.05%以下、Si:1.0%
以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:
0.01%以下、Cr:8.0〜16.0%、N:0.
05%以下、Al:0.8〜3.5%、Ti:0.3%
以下(無添加含む)の合金とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータに永久磁石
を用いたPM型のステッピングモータに関するものであ
る。
を用いたPM型のステッピングモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のステッピングモータとしては、ス
テータヨークやフレームヨークを、電磁軟鉄板(SU
Y),冷間圧延鋼板(SPC),亜鉛メッキ鋼板(SE
C)等を用いて構成しているものがある。また、特開平
7−143723、特開平8−47235、あるいは特
開平8−88965に開示されるステッピングモーター
はステーターヨークやフレームヨークをFe−Cr系軟
磁性鋼を用いて構成することを特徴としている。
テータヨークやフレームヨークを、電磁軟鉄板(SU
Y),冷間圧延鋼板(SPC),亜鉛メッキ鋼板(SE
C)等を用いて構成しているものがある。また、特開平
7−143723、特開平8−47235、あるいは特
開平8−88965に開示されるステッピングモーター
はステーターヨークやフレームヨークをFe−Cr系軟
磁性鋼を用いて構成することを特徴としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ステータヨークやフレ
ームヨークを、電磁軟鉄(SUYP)、亜鉛めっき鋼板
(SEC)等を用いて構成しているステッピングモーター
は、ヨーク素材の交流磁気特性が不良なため、駆動周波
数が高い場合、トルクが著しく低下するという欠点があ
った。
ームヨークを、電磁軟鉄(SUYP)、亜鉛めっき鋼板
(SEC)等を用いて構成しているステッピングモーター
は、ヨーク素材の交流磁気特性が不良なため、駆動周波
数が高い場合、トルクが著しく低下するという欠点があ
った。
【0004】一方、特開平7−143723、特開平8
−47235、あるいは特開平8−88965に開示さ
れる上記した従来のステッピングモータでは、ヨークを
従来材のSEC(Znめっき鋼板)から交流磁気特性の良
好なFe−Cr系軟磁性鋼に変更することにより、50
0ppsから2400pps(pulse per second)の周波
数領域でのモーター特性(トルク、効率)を向上させてい
る。
−47235、あるいは特開平8−88965に開示さ
れる上記した従来のステッピングモータでは、ヨークを
従来材のSEC(Znめっき鋼板)から交流磁気特性の良
好なFe−Cr系軟磁性鋼に変更することにより、50
0ppsから2400pps(pulse per second)の周波
数領域でのモーター特性(トルク、効率)を向上させてい
る。
【0005】しかし、近年、各種モータには高速化の要
求が一層強くなり、500pps以上の周波数領域での
更なるトルクの増加、および駆動周波数範囲の拡大が要
求されているのが現状である。本発明は上述の課題を解
決するためになされたものであり、高周波数領域でのト
ルクが従来のFe−Cr系軟磁性鋼をヨークに用いたス
テッピングモータよりも大きいステッピングモーターを
提供するものである。
求が一層強くなり、500pps以上の周波数領域での
更なるトルクの増加、および駆動周波数範囲の拡大が要
求されているのが現状である。本発明は上述の課題を解
決するためになされたものであり、高周波数領域でのト
ルクが従来のFe−Cr系軟磁性鋼をヨークに用いたス
テッピングモータよりも大きいステッピングモーターを
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、多極着
磁された永久磁石からなるロータ部と、前記ロータ部と
同軸上で対向するように設けられた複数個の櫛歯状極部
を有するステータヨーク部と、前記ステータヨーク部の
前記櫛歯状極部の外周囲に装着した励磁コイルと、前記
励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する筒状
のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータを前
提とし、少なくとも前記ステータヨーク部の一部または
全部をフェライト系のFe−Cr−Al系合金で形成す
ることを特徴とするステッピングモーター、望ましくは
Fe−Cr−Al系合金が、重量%でC:0.05%以
下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:
0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:8.0〜
16.0%、N:0.05%以下、Al:0.8〜3.
5%、Ti:0.3%以下(無添加含む)を含有し、残
部をFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
るステッピングモータとすることにより解決される。
磁された永久磁石からなるロータ部と、前記ロータ部と
同軸上で対向するように設けられた複数個の櫛歯状極部
を有するステータヨーク部と、前記ステータヨーク部の
前記櫛歯状極部の外周囲に装着した励磁コイルと、前記
励磁コイル並びに前記ステータヨーク部を囲繞する筒状
のフレームヨーク部とを備えたステッピングモータを前
提とし、少なくとも前記ステータヨーク部の一部または
全部をフェライト系のFe−Cr−Al系合金で形成す
ることを特徴とするステッピングモーター、望ましくは
Fe−Cr−Al系合金が、重量%でC:0.05%以
下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、P:
0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:8.0〜
16.0%、N:0.05%以下、Al:0.8〜3.
5%、Ti:0.3%以下(無添加含む)を含有し、残
部をFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
るステッピングモータとすることにより解決される。
【0007】本発明者らは、課題解決に向けて鋭意検討
した結果、軟磁性Fe−Cr−Al系合金をステーター
ヨークに使用することにより、高周波数領域での高いト
ルクを有するステッピングモーターを得られることを見
出した。
した結果、軟磁性Fe−Cr−Al系合金をステーター
ヨークに使用することにより、高周波数領域での高いト
ルクを有するステッピングモーターを得られることを見
出した。
【0008】
【作用】以下に本発明の要旨を説明する。
【0009】図1に本発明に係るステッピングモーター
の構成を示す。多極着磁された永久磁石からなるロータ
部に同軸上で対向するように複数個の櫛歯状極部を有す
るステータヨークを配設する。ステータヨークは平板の
リング状のフランジ部の内周囲を所定方向に90度折り
曲げることにより櫛歯状極部を形成している。これと対
になるステーターヨーク部は、ともに櫛歯状極部の先端
側を向かい合わせるとともに、前記櫛歯状極部の外周囲
に装着した励磁コイルと、前記励磁コイル並びに前記ス
テータヨーク部を囲繞する筒状のフレームヨーク部とを
備えたステッピングモータにおいて、 少なくとも前記
ステータヨーク部の一部または全部をフェライト系のF
e−Cr−Al系合金で形成したことを特徴とする。
の構成を示す。多極着磁された永久磁石からなるロータ
部に同軸上で対向するように複数個の櫛歯状極部を有す
るステータヨークを配設する。ステータヨークは平板の
リング状のフランジ部の内周囲を所定方向に90度折り
曲げることにより櫛歯状極部を形成している。これと対
になるステーターヨーク部は、ともに櫛歯状極部の先端
側を向かい合わせるとともに、前記櫛歯状極部の外周囲
に装着した励磁コイルと、前記励磁コイル並びに前記ス
テータヨーク部を囲繞する筒状のフレームヨーク部とを
備えたステッピングモータにおいて、 少なくとも前記
ステータヨーク部の一部または全部をフェライト系のF
e−Cr−Al系合金で形成したことを特徴とする。
【0010】図2にステッピングモーターの動作原理概
念図を示す。励磁コイルにパルス電流が流された時、ヨ
ークの櫛歯状極部が磁化し、櫛歯状極部と永久磁石との
間に吸引力が生じトルクが発生する。櫛歯状極部は等間
隔であるので一定の角度づつ回転させることが可能とな
る。回転速度はパルス周波数に比例する。駆動周波数は
200から40000ppsの広い範囲にわたる。
念図を示す。励磁コイルにパルス電流が流された時、ヨ
ークの櫛歯状極部が磁化し、櫛歯状極部と永久磁石との
間に吸引力が生じトルクが発生する。櫛歯状極部は等間
隔であるので一定の角度づつ回転させることが可能とな
る。回転速度はパルス周波数に比例する。駆動周波数は
200から40000ppsの広い範囲にわたる。
【0011】ヨークの磁化により永久磁石を吸引しトル
クを発生させるという動作原理から、ステッピングモー
ターのトルクはヨーク素材の交流での最大磁束密度Bm
に大きく影響を受ける。とくに、ステッピングモーター
の高性能化には従来のFe−Cr系合金のBmよりも1
割以上増加させる必要があるとの要求がある。
クを発生させるという動作原理から、ステッピングモー
ターのトルクはヨーク素材の交流での最大磁束密度Bm
に大きく影響を受ける。とくに、ステッピングモーター
の高性能化には従来のFe−Cr系合金のBmよりも1
割以上増加させる必要があるとの要求がある。
【0012】図3に本発明に係るFe−Cr−Al系軟
磁性合金の成分範囲内にある11Cr−0.2Si−
1.8Al鋼と比較鋼である11Cr鋼、および従来材
であるSUYP(電磁軟鉄)の最大磁束密度Bの周波数依
存性の比較を示す。ここで、用いた供試材の板厚はステ
ッピングモーターのヨークに一般に用いられる0.8m
mtである。モーターの使用磁場は一般に796A/m
以上であるため、測定時の印可磁場は796A/mとし
た。
磁性合金の成分範囲内にある11Cr−0.2Si−
1.8Al鋼と比較鋼である11Cr鋼、および従来材
であるSUYP(電磁軟鉄)の最大磁束密度Bの周波数依
存性の比較を示す。ここで、用いた供試材の板厚はステ
ッピングモーターのヨークに一般に用いられる0.8m
mtである。モーターの使用磁場は一般に796A/m
以上であるため、測定時の印可磁場は796A/mとし
た。
【0013】図3からわかるように、SUYPの最大磁
束密度Bmは、周波数の増加に伴い急激に減少する。比
較鋼である11Cr鋼のBmは周波数500Hzまでほ
ぼ一定であり、周波数500Hzを超えるとなだらかに
減少する。一方、本発明が記載する成分範囲にある11
Cr−0.2Si−1.8Al鋼は周波数500Hzま
では11Cr鋼のBmよりも小さいが、周波数1000
Hz以上では11Cr鋼のBmよりも約1割強高くな
る。
束密度Bmは、周波数の増加に伴い急激に減少する。比
較鋼である11Cr鋼のBmは周波数500Hzまでほ
ぼ一定であり、周波数500Hzを超えるとなだらかに
減少する。一方、本発明が記載する成分範囲にある11
Cr−0.2Si−1.8Al鋼は周波数500Hzま
では11Cr鋼のBmよりも小さいが、周波数1000
Hz以上では11Cr鋼のBmよりも約1割強高くな
る。
【0014】このような最大磁束密度Bmの周波数依存
性の差異は、素材の電気抵抗率ρの差異に起因する。一
般に素材が交流で磁化する場合には、素材内の渦電流が
磁化と逆方向の磁場を発生させ、直流での磁化に比べ素
材の磁束密度は低下する。したがって、素材の電気抵抗
率ρが高いほど渦電流は減少し、交流での最大磁束密度
Bmは高くなる傾向にある。
性の差異は、素材の電気抵抗率ρの差異に起因する。一
般に素材が交流で磁化する場合には、素材内の渦電流が
磁化と逆方向の磁場を発生させ、直流での磁化に比べ素
材の磁束密度は低下する。したがって、素材の電気抵抗
率ρが高いほど渦電流は減少し、交流での最大磁束密度
Bmは高くなる傾向にある。
【0015】図4に示すようにCr量、Al量の増加に
伴い電気抵抗率ρは増加する。したがって、11Cr鋼
及び11Cr―0.2Si−1.8Al鋼はSUYPに
比べ、高周波領域ではBmが高くなるのである。しか
し、Cr量が11%以上では、Crを添加しても電気抵
抗率ρは増加せずほぼ一定となる。このため、Cr量が
11重量%以上では、Cr添加によるBmの増加は認め
られず、逆にCr増加に伴う飽和磁束密度の低下の影響
によりBmは減少する傾向を示す。Alは電気抵抗率ρ
を増加させる効果が大きいため、Fe−Cr系合金に更
にAlを添加することにより、さらに高いBmを得るこ
とが可能になるのである。ただし、Alも飽和磁束密度
を低下させるため、過剰な添加はCrと同様Bmの減少
を招く。
伴い電気抵抗率ρは増加する。したがって、11Cr鋼
及び11Cr―0.2Si−1.8Al鋼はSUYPに
比べ、高周波領域ではBmが高くなるのである。しか
し、Cr量が11%以上では、Crを添加しても電気抵
抗率ρは増加せずほぼ一定となる。このため、Cr量が
11重量%以上では、Cr添加によるBmの増加は認め
られず、逆にCr増加に伴う飽和磁束密度の低下の影響
によりBmは減少する傾向を示す。Alは電気抵抗率ρ
を増加させる効果が大きいため、Fe−Cr系合金に更
にAlを添加することにより、さらに高いBmを得るこ
とが可能になるのである。ただし、Alも飽和磁束密度
を低下させるため、過剰な添加はCrと同様Bmの減少
を招く。
【0016】図5に11重量%Cr−0.2重量%Si
におけるAl量と最大磁束密度Bmの関係を示す。な
お、ここでのBmは周波数1000Hz、板厚0.8m
mt、印可磁場796A/mでの値である。BmはAl
量の増加に伴い増加する傾向を示し、Al量が2.4%
以上では若干減少する。従来材の11%Cr鋼のBmが
1.1T以上であることから、ヨーク素材に要求される
Bmは1.1T以上である。図5よりAl含有量0.8
重量%で1.1T以上を得られる事がわかる。
におけるAl量と最大磁束密度Bmの関係を示す。な
お、ここでのBmは周波数1000Hz、板厚0.8m
mt、印可磁場796A/mでの値である。BmはAl
量の増加に伴い増加する傾向を示し、Al量が2.4%
以上では若干減少する。従来材の11%Cr鋼のBmが
1.1T以上であることから、ヨーク素材に要求される
Bmは1.1T以上である。図5よりAl含有量0.8
重量%で1.1T以上を得られる事がわかる。
【0017】以下に本発明鋼の成分限定理由を述べる。
【0018】C:Cは炭化物を形成し、磁気特性及び耐
食性を劣化させる。したがって、C量は0.05%以下
に限定した。
食性を劣化させる。したがって、C量は0.05%以下
に限定した。
【0019】Si:電気抵抗率を増加させ、交流での磁
気特性を向上させるのに有効に作用する元素である。し
かし、ビッカース硬度を著しく増加させる元素であり、
過剰な添加は打ち抜きあるいはプレス加工を困難にす
る。したがって、Si量は0.6%以下に限定した。
気特性を向上させるのに有効に作用する元素である。し
かし、ビッカース硬度を著しく増加させる元素であり、
過剰な添加は打ち抜きあるいはプレス加工を困難にす
る。したがって、Si量は0.6%以下に限定した。
【0020】Cr:Crは本発明において必要な耐食性
を確保するために必須の元素である。また、Siと同
様、電気抵抗率を増加させ交流での最大磁束密度Bmを
十分大きく保つためにあ、8.0%以上添加する必要が
ある。しかし、過剰に添加するとビッカース硬度を増加
させるばかりでなく、最大磁束密度も低下するため、上
限を16%とした。
を確保するために必須の元素である。また、Siと同
様、電気抵抗率を増加させ交流での最大磁束密度Bmを
十分大きく保つためにあ、8.0%以上添加する必要が
ある。しかし、過剰に添加するとビッカース硬度を増加
させるばかりでなく、最大磁束密度も低下するため、上
限を16%とした。
【0021】Mn:製鋼時にスクラップから不可避的に
混入してくる元素であるが、磁気特性を劣化させるた
め、上限を1.0%とした。
混入してくる元素であるが、磁気特性を劣化させるた
め、上限を1.0%とした。
【0022】P:磁気特性を劣化させる元素であること
から、0.04%以下とした。 S:不純物元素であるSは磁気特性を著しく劣化させる
元素であるため、低く抑える必要がある。したがって
0.01%以下に限定した。
から、0.04%以下とした。 S:不純物元素であるSは磁気特性を著しく劣化させる
元素であるため、低く抑える必要がある。したがって
0.01%以下に限定した。
【0023】N:Nは、Cと同様、磁気特性を劣化させ
るため、低く抑える必要がある。したがって、0.05
%以下に限定した。
るため、低く抑える必要がある。したがって、0.05
%以下に限定した。
【0024】Al:本発明に必須な元素であり、鋼の電
気抵抗率を大きく増加させ交流での最大磁束密度Bmを
増加させる効果を有するため、0.8%以上とした。し
かし、過剰に添加すると硬度を増加させるだけでなく、
Bmも減少させるため、上限を2.5%とした。このA
lの効果により、Fe−Cr−Al系合金ヨークを用い
たステッピングモータでは、400ppsから1300
ppsの領域でのトルクは2.45×10-2N・m以上
が達成できる。
気抵抗率を大きく増加させ交流での最大磁束密度Bmを
増加させる効果を有するため、0.8%以上とした。し
かし、過剰に添加すると硬度を増加させるだけでなく、
Bmも減少させるため、上限を2.5%とした。このA
lの効果により、Fe−Cr−Al系合金ヨークを用い
たステッピングモータでは、400ppsから1300
ppsの領域でのトルクは2.45×10-2N・m以上
が達成できる。
【0025】Ti:TiはCrより安定に炭化物を形成
するため、耐食性の改善に有効に寄与するとともに、磁
気特性に有害なマルテンサイト相の生成を防止する。し
かし、過剰に添加すると磁束密度が低下するため上限を
0.3%とした。
するため、耐食性の改善に有効に寄与するとともに、磁
気特性に有害なマルテンサイト相の生成を防止する。し
かし、過剰に添加すると磁束密度が低下するため上限を
0.3%とした。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の効果を具体的
に説明する。
に説明する。
【0027】表1に供試鋼の化学成分値(重量%)を示
す。これらのうちA1〜A3鋼は本発明で規定する成分
組成を有する鋼であり、B1は比較材の11重量%Cr
鋼、C1鋼は従来材のSUYP(電磁軟鉄)である。いず
れの供試材とも30kg真空溶解、鍛造、熱間圧延、熱
延板焼鈍、表面研削、冷間圧延、仕上げ焼鈍、および酸
洗を施した後、厚さ0.8mmtの鋼板を得た。
す。これらのうちA1〜A3鋼は本発明で規定する成分
組成を有する鋼であり、B1は比較材の11重量%Cr
鋼、C1鋼は従来材のSUYP(電磁軟鉄)である。いず
れの供試材とも30kg真空溶解、鍛造、熱間圧延、熱
延板焼鈍、表面研削、冷間圧延、仕上げ焼鈍、および酸
洗を施した後、厚さ0.8mmtの鋼板を得た。
【0028】
【表1】
【0029】得られた各供試材より外形45mm内径3
3mmの磁気測定用リング試験片を切り出し、真空雰囲
気下で温度850℃、処理時間0minの焼鈍を施し
た。磁気焼鈍後の各試験片について周波数1000H
z,2000Hz,3000Hz、印可磁場796A/
mの条件にて最大磁束密度Bmを測定した。
3mmの磁気測定用リング試験片を切り出し、真空雰囲
気下で温度850℃、処理時間0minの焼鈍を施し
た。磁気焼鈍後の各試験片について周波数1000H
z,2000Hz,3000Hz、印可磁場796A/
mの条件にて最大磁束密度Bmを測定した。
【0030】表2に試験結果を示す。本発明例であるA
1〜A3鋼の最大磁束密度Bmは、周波数1000H
z、2000Hz,3000Hzのいずれにおいても従
来材であるC1鋼(SUYP)のBmよりも倍以上高く、
比較材である11%Cr鋼のBmよりも1割以上高い値
を示している。
1〜A3鋼の最大磁束密度Bmは、周波数1000H
z、2000Hz,3000Hzのいずれにおいても従
来材であるC1鋼(SUYP)のBmよりも倍以上高く、
比較材である11%Cr鋼のBmよりも1割以上高い値
を示している。
【0031】
【表2】
【0032】次いで、本発明に係るFe−Cr−Al系
合金であるA1,A2,A3鋼及び比較鋼であるB1
鋼、従来材であるC1鋼の冷延焼鈍酸洗仕上げ後の0.
8mmtの供試材をステッピングモーターのヨークに加
工した。ヨークを真空下で温度850℃、処理時間0m
inの焼鈍を施し、その後、それぞれのヨークを用いて
図1に示すステッピングモーターを組み立て、周波数4
00pps、2400ppsでのモーターのプルアウト
トルクを調査した。駆動条件は2相ハイポーラ定電流チ
ョッパ駆動である。
合金であるA1,A2,A3鋼及び比較鋼であるB1
鋼、従来材であるC1鋼の冷延焼鈍酸洗仕上げ後の0.
8mmtの供試材をステッピングモーターのヨークに加
工した。ヨークを真空下で温度850℃、処理時間0m
inの焼鈍を施し、その後、それぞれのヨークを用いて
図1に示すステッピングモーターを組み立て、周波数4
00pps、2400ppsでのモーターのプルアウト
トルクを調査した。駆動条件は2相ハイポーラ定電流チ
ョッパ駆動である。
【0033】図6に結果を示す。図からわかるように、
本発明品であるA1〜A3鋼をヨークに用いたステッピ
ングモーターは、B1鋼、C1鋼を用いたモーターに比
べ、全ての周波数領域でトルクが高く、400ppsか
ら1300ppsの領域でのトルクが2.45×10-2
N・m以上が達成できることがわかる。また、特に高周
波域でのトルクが改善されている。
本発明品であるA1〜A3鋼をヨークに用いたステッピ
ングモーターは、B1鋼、C1鋼を用いたモーターに比
べ、全ての周波数領域でトルクが高く、400ppsか
ら1300ppsの領域でのトルクが2.45×10-2
N・m以上が達成できることがわかる。また、特に高周
波域でのトルクが改善されている。
【0034】
【発明の効果】本発明により高周波領域でのトルクが高
いステッピングモーターを得ることができる。
いステッピングモーターを得ることができる。
【図1】 本発明に係るステッピングモータの構成を示
す図。
す図。
【図2】 ステッピングモーターの動作原理の概念を示
す図。
す図。
【図3】 11Cr−0.2Si−1.8Al鋼とSU
YP(電磁軟鉄)の最大磁束密度Bmの周波数依存性の比
較を示す図。
YP(電磁軟鉄)の最大磁束密度Bmの周波数依存性の比
較を示す図。
【図4】 電気抵抗率増分ΔρとCr量、Al量、Si
量の関係を示す図。
量の関係を示す図。
【図5】 印加磁場796A/m、周波数1000H
z,板厚0.8mmt、11重量%Cr―0.2重量%
Siにおける最大磁束密度BmとAl量の関係を示す
図。
z,板厚0.8mmt、11重量%Cr―0.2重量%
Siにおける最大磁束密度BmとAl量の関係を示す
図。
【図6】 本発明におけるモーターのトルクと11重量
%Cr鋼をヨークに用いたモーターのトルク、およびS
UYPをヨークに用いたモーターのトルクの周波数依存
性の比較を示す図。
%Cr鋼をヨークに用いたモーターのトルク、およびS
UYPをヨークに用いたモーターのトルクの周波数依存
性の比較を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 多極着磁された永久磁石からなるロータ
部と、前記ロータ部と同軸上で対向するように設けられ
た複数個の櫛歯状極部を有するステータヨーク部と、前
記ステータヨーク部の前記櫛歯状極部の外周囲に装着し
た励磁コイルと、前記励磁コイル並びに前記ステータヨ
ーク部を囲繞する筒状のフレームヨーク部とを備えたス
テッピングモータにおいて、 少なくとも前記ステータ
ヨーク部の一部または全部をフェライト系のFe−Cr
−Al系合金で形成し、パルス周波数が400ppsか
ら1300ppsの領域でのトルクが2.45×10-2
N・m以上であることを特徴とするステッピングモー
タ。 - 【請求項2】 Fe−Cr−Al系合金が、重量%で
C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.
0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、
Cr:8.0〜16.0%、N:0.05%以下、A
l:0.8〜3.5%、Ti:0.3%以下(無添加含
む)を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物からな
り、パルス周波数が400ppsから1300ppsの
領域でのトルクが2.45×10-2N・m以上であるこ
とを特徴とするステッピングモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000091752A JP2001275333A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | ステッピングモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000091752A JP2001275333A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | ステッピングモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001275333A true JP2001275333A (ja) | 2001-10-05 |
Family
ID=18607179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000091752A Pending JP2001275333A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | ステッピングモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001275333A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002041469A1 (fr) * | 2000-11-17 | 2002-05-23 | Seiko Epson Corporation | Bloc électrogène, appareil électronique en étant pourvu, et procédé pour fixer l'épaisseur de tôle d'un circuit magnétique dans un compteur de temps électroniquement régulé et dans un bloc électrogène |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0888965A (ja) * | 1994-09-13 | 1996-04-02 | Nisshin Steel Co Ltd | 軟磁性ステンレス鋼を用いたステッピングモータ及びそれに用いられるステータヨークの製造方法 |
-
2000
- 2000-03-29 JP JP2000091752A patent/JP2001275333A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0888965A (ja) * | 1994-09-13 | 1996-04-02 | Nisshin Steel Co Ltd | 軟磁性ステンレス鋼を用いたステッピングモータ及びそれに用いられるステータヨークの製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002041469A1 (fr) * | 2000-11-17 | 2002-05-23 | Seiko Epson Corporation | Bloc électrogène, appareil électronique en étant pourvu, et procédé pour fixer l'épaisseur de tôle d'un circuit magnétique dans un compteur de temps électroniquement régulé et dans un bloc électrogène |
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