JP2001272428A - ネットワークアナライザ、ネットワーク分析方法およびネットワーク分析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ネットワークアナライザ、ネットワーク分析方法およびネットワーク分析プログラムを記録した記録媒体

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JP2001272428A
JP2001272428A JP2000025394A JP2000025394A JP2001272428A JP 2001272428 A JP2001272428 A JP 2001272428A JP 2000025394 A JP2000025394 A JP 2000025394A JP 2000025394 A JP2000025394 A JP 2000025394A JP 2001272428 A JP2001272428 A JP 2001272428A
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test
port
signal source
ports
signal
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Minoru Iida
実 飯田
Kiwa Nakayama
喜和 中山
Hirotaka Wagata
浩隆 我田
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Advantest Corp
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Advantest Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 理想的な終端抵抗がなくても計測に誤差を生
じにくい複数のポートのDUTを計測するネットワーク
アナライザを提供する。 【解決手段】 被測定物40の測定対象である1つの測
定ポート40aに接続され、電源9が接続された電源ポ
ート8aと、測定ポート8a以外の被測定物40のポー
ト40b〜nに接続され、接地抵抗6a、b〜nを介し
て接地された終端ポート8b〜nと、電源ポート8aお
よび終端ポート8b〜nのそれぞれに接続され、ポート
40a、b〜nに関するSパラメータを測定する回路パ
ラメータ測定部20a、b〜nと、を備え、終端ポート
8b〜nに接続された回路パラメータ測定部20a、b
〜nが終端ポート8b〜nに関するSパラメータを測定
する。よって、終端ポート8b〜nに関するSパラメー
タを0とみなしえなくても、複数ポートを有する被測定
物40のSパラメータを計測できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の、特に3以
上のポートを有する被測定物(DUT:DeviceUnder T
est)の回路パラメータを測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、2ポートの被測定物の回路パ
ラメータを計測することが行われている。回路パラメー
タは、例えばSパラメータといったものがある。図10
に、2ポートの被測定物のSパラメータの測定のための
回路の構成を示す。図10(a)(b)に示すように、
DUT100には交流電源110と接地された終端抵抗
140にポート1または2で接続されている。また、ポ
ート1側には方向性結合器120を介して受信部130
が、ポート2側には方向性結合器122を介して受信部
132が、接続されている。図10(a)においては、
受信部130が交流電源110の出力をモニタし、受信
部132が反射通過波をモニタする。図10(b)にお
いては、受信部132が交流電源110の出力をモニタ
し、受信部130が反射通過波をモニタする。図10
(a)(b)に示す構成によりSパラメータの計測を行
えば、誤差要因を含んだSパラメータS11m、S21
m、S12m、S22mが計測される。
【0003】S11m、S21m、S12m、S22m
から誤差要因を取り除けば、真のパラメータS11、S
21、S12、S22が求められる。図11に、図10
の回路構成をシグナルフローグラフで示す。なお、Ed
1、Ed2は方向性(Directivity)、Er1、Er2
は反射トラッキング(Reflect Tracking)、Et1、
Et2はトランストラッキング(Trans Tracking)、
Es1、Es2は電源マッチ(Source Match)、El
1、El2は負荷マッチ(Load Match)、Ex1、E
x2はアイソレーション(Isolation)、といった誤差
要因である。
【0004】これから、誤差要因を求めるためには、D
UT100に所定の特性(ショート、ある一定の抵抗な
ど)をもったキャリブレーションキット(CalKi
t:Calibration Kit)を接続してそのときに測定され
るSパラメータから計算する。そして、求めた誤差要因
を11m、S21m、S12m、S22mから取り除い
て、真のパラメータS11、S21、S12、S22を
求めることを2ポートフルキャリブレーションという。
【0005】また、近年では、DUTには3以上のポー
トを有するものも多くなっている。そこで、従来からあ
る2ポートフルキャリブレーションを応用して計測す
る。図12に、2ポートフルキャリブレーションを応用
して3以上のポートを有するDUTの回路パラメータを
計測する際の回路の構成を示す。
【0006】おおむね図10(a)同様な構成である
が、DUT100のポート1、2以外のポート3、nに
は接地された終端抵抗150、152が接続されてい
る。終端抵抗150、152は、ポート3、nに関する
反射波を0とみなしうるようにする抵抗である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、理想的
な終端抵抗を用意することは困難である。よって、計測
に誤差が生じやすい。また、すべてのパラメータを測定
するには、DUTを複数回接続し直さなければならな
い。
【0008】そこで、本発明は、理想的な終端抵抗がな
くても計測に誤差を生じにくい複数のポートのDUTを
計測するネットワークアナライザを提供することを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、請求項
1に記載の発明は、複数ポートを有する被測定物の回路
パラメータを計測するネットワークアナライザにおい
て、被測定物の測定対象である1つの測定ポートに接続
され、電源が接続された電源ポートと、測定ポート以外
の被測定物のポートに接続され、抵抗を介して接地され
た終端ポートと、電源ポートおよび終端ポートのそれぞ
れに接続され、被測定物のポートに関する回路パラメー
タを測定する回路パラメータ測定手段と、を備えるよう
に構成される。
【0010】なお、回路パラメータ測定手段の測定する
回路パラメータには、例えばSパラメータが含まれる。
【0011】以上のように構成されたネットワークアナ
ライザは、終端ポートに接続された回路パラメータ測定
手段が終端ポートに関する回路パラメータを測定する。
よって、終端ポートに関する回路パラメータを0とみな
しえなくても、複数ポートを有する被測定物の回路パラ
メータを計測できる。
【0012】上記課題に鑑み、請求項2に記載の発明
は、請求項1に記載の発明であって、電源ポートと終端
ポートとを切り替えることができるように構成される。
【0013】上記課題に鑑み、請求項3に記載の発明
は、請求項1に記載の発明であって、被測定物のポート
に関する回路パラメータに含まれる誤差要因を測定する
誤差要因測定手段と、被測定物のポートに関する回路パ
ラメータから誤差要因を除去して被測定物のポートに関
する真の回路パラメータを演算する真値回路パラメータ
測定手段と、を備えるように構成される。
【0014】以上のように構成されたネットワークアナ
ライザは、ポートに関する回路パラメータから誤差要因
を除去するため真の回路パラメータを演算できる。
【0015】上記課題に鑑み、請求項4に記載の発明
は、請求項3に記載の発明であって、真値回路パラメー
タ測定手段は、アイソレーション誤差要因を0として、
被測定物のポートに関する回路パラメータから誤差要因
を除去して被測定物のポートに関する真の回路パラメー
タを演算するように構成される。
【0016】上記課題に鑑み、請求項5に記載の発明
は、複数ポートを有する被測定物の回路パラメータを計
測し、電源ポートと終端ポートとを有するネットワーク
アナライザにおけるネットワーク分析方法において、電
源ポートに被測定物の測定対象である1つの測定ポート
と電源とを接続する電源ポート接続工程と、終端ポート
に測定ポート以外の被測定物のポートを接続し、抵抗を
介して接地する終端ポート接続工程と、電源ポートおよ
び終端ポートのそれぞれに被測定物のポートに関する回
路パラメータを測定する回路パラメータ測定手段を接続
する回路パラメータ測定手段接続工程と、を備えるよう
に構成される。
【0017】上記課題に鑑み、請求項6に記載の発明
は、複数ポートを有する被測定物の回路パラメータを計
測し、電源ポートと終端ポートとを有するネットワーク
アナライザにおけるネットワーク分析処理ををコンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータによって読み取り可能な記録媒体であって、電源ポ
ートに被測定物の測定対象である1つの測定ポートと電
源とを接続する電源ポート接続処理と、終端ポートに測
定ポート以外の被測定物のポートを接続し、抵抗を介し
て接地する終端ポート接続処理と、電源ポートおよび終
端ポートのそれぞれに被測定物のポートに関する回路パ
ラメータを測定する回路パラメータ測定手段を接続する
回路パラメータ測定手段接続処理と、をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録したコンピュータに
よって読み取り可能な記録媒体である。
【0018】上述した課題を解決するために、本発明の
計測器の校正方式では、3つのテストポートのそれぞれ
に受信回路が接続されているとともに、これら3つのテ
ストポートのいずれかに信号源が接続されており、誤差
要因取得手段によって、3つのテストポートに対して被
測定デバイスが接続されていない状態において既知の接
続条件を設定するとともに、信号源から出力された所定
の信号を各受信回路で受信してその値を測定することに
より、信号源の接続位置に対応する各種の誤差要因の取
得が行われる。本発明によれば、信号源から出力される
信号を各受信回路で受信して各種の誤差要因の取得が行
われるため、3つのテストポートに対応する測定系の各
種の誤差要因を求めることができ、Sパラメータ測定の
際にこれらの誤差要因を十分に取り除くことができる。
また、3つのテストポートが備わっているため、被測定
デバイスの3つのポートのそれぞれを同時に各テストポ
ートに接続して、Sパラメータの測定を行うことがで
き、Sパラメータ測定時に被測定デバイスと各テストポ
ートの接続状態を切り替える等の煩雑な操作が不要とな
る。
【0019】また、信号源を3つのテストポートのいず
れかに接続する切替スイッチを備えることが好ましい。
Sパラメータ測定では、被測定デバイスの3つのポート
のそれぞれに対応する反射係数や透過係数を求めるため
に、信号源が接続されるテストポートの位置を切り替え
る必要があるが、切替スイッチを用いて信号源の接続位
置を変えながら上述した各種の誤差要因を求めることに
より、Sパラメータ測定において含まれる全ての誤差要
因を取り除くことができ、正確なSパラメータ測定を実
現することができる。
【0020】また、上述した各種の誤差要因には、信号
源から出力されて3つの受信回路のそれぞれに到達する
信号成分としての第1の誤差要因と、被測定デバイス側
から入力されてテストポートを介して反射される信号成
分としての第2の誤差要因と、被測定デバイス側から入
力されてテストポートを介して受信回路に到達する信号
成分としての第3の誤差要因とを含めることが好まし
い。これらの誤差要因を求めることにより計測器内部で
発生する各種の誤差要因を特定することができるため、
これらの誤差要因が含まれない正確なSパラメータ測定
が可能になる。
【0021】具体的には、上述した誤差要因取得手段に
よって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外の
テストポートとの間を隔絶した状態において、信号源か
ら出力された所定の信号を、信号源が接続されていない
前記テストポートに対応する受信回路によって受信する
ことによって、信号源が接続されていないテストポート
に対応する第1の誤差要因の取得を行うことが好まし
い。また、上述した誤差要因取得手段によって、信号源
が接続されたテストポートを3種類以上の接続条件で終
端したそれぞれの状態において、信号源から出力された
所定の信号を、信号源が接続されたテストポートに対応
する受信回路によって受信することによって、信号源が
接続されたテストポートに対応する第1、第2および第
3の誤差要因が含まれる3つ以上の式を求め、これらの
式を連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得
することが好ましい。また、上述した誤差要因取得手段
によって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外
のテストポートとの間を所定の接続条件で接続した状態
において、信号源から出力された所定の信号を、信号源
が接続されたテストポートとこれに接続される他のテス
トポートのそれぞれに対応する受信回路によって受信す
ることによって、信号源が接続されたテストポートに接
続された他のテストポートに対応する第2および第3の
誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、これらの式を
連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得する
ことが好ましい。このようにして、求めようとする誤差
要因の数と同じ数の関係式が得られるように各テストポ
ートの既知の接続条件を設定することにより、それぞれ
の誤差要因の具体的な値を取得することができる。
【0022】ところで、計測器の中には3つの受信回路
が備わっておらず、2つの受信回路のみを有するものも
あり、このような計測器においても各種の誤差要因を特
定することができる。
【0023】このような計測器に適用される本発明の計
測器の校正方式では、3つのテストポートの中の2つに
受信回路が接続され、他の1つに終端回路が接続されて
いるとともに、受信回路が接続される2つのテストポー
トのいずれかに信号源が接続されており、誤差要因取得
手段によって、3つのテストポートに対して被測定デバ
イスが接続されていない状態で既知の接続条件を設定す
るとともに、信号源から出力された所定の信号を各受信
回路で受信してその値を測定することにより、信号源の
接続位置に対応する各種の誤差要因の取得が行われる。
本発明によれば、信号源から出力される信号を各受信回
路で受信して各種の誤差要因の取得が行われるため、3
つのテストポートに対応する測定系の各種の誤差要因を
求めることができ、Sパラメータ測定の際にこれらの誤
差要因を十分に取り除くことができる。また、3つのテ
ストポートが備わっているため、被測定デバイスの3つ
のポートのそれぞれを同時に各テストポートに接続し
て、Sパラメータの測定を行うことができ、Sパラメー
タ測定時に被測定デバイスと各テストポートの接続状態
を切り替える等の煩雑な操作が不要となる。
【0024】また、各受信回路、終端回路および信号源
とこれらが接続される各テストポートとの組み合わせを
切り替える切替スイッチを備えることが好ましい。Sパ
ラメータ測定では、被測定デバイスの3つのポートのそ
れぞれに対応する反射係数や透過係数を求めるために、
信号源や終端回路等が接続されるテストポートの位置を
切り替える必要があるが、切替スイッチを用いて信号源
や終端回路等と各テストポートとの組み合わせを変えな
がら上述した各種の誤差要因を求めることにより、Sパ
ラメータ測定において含まれる全ての誤差要因を取り除
くことができ、正確なSパラメータ測定を実現すること
ができる。
【0025】また、上述した各種の誤差要因には、信号
源から出力されて2つの受信回路のそれぞれに到達する
信号成分としての第1の誤差要因と、被測定デバイス側
から入力されてテストポートを介して反射される信号成
分としての第2の誤差要因と、被測定デバイス側から入
力されてテストポートを介して受信回路に到達する信号
成分としての第3の誤差要因とを含めることが好まし
い。これらの誤差要因を求めることにより計測器内部で
発生する各種の誤差要因を特定することができるため、
これらの誤差要因が含まれない正確なSパラメータ測定
が可能になる。
【0026】具体的には、上述した誤差要因取得手段に
よって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外の
テストポートとの間を隔絶した状態において、信号源か
ら出力された所定の信号を、信号源が接続されていない
テストポートに対応する受信回路によって受信すること
によって、信号源が接続されていないテストポートに対
応する第1の誤差要因の取得を行うことが好ましい。ま
た、上述した誤差要因取得手段によって、信号源が接続
されたテストポートを3種類以上の接続条件で終端した
それぞれの状態において、信号源から出力された所定の
信号を、信号源が接続されたテストポートに対応する受
信回路によって受信することによって、信号源が接続さ
れたテストポートに対応する第1、第2および第3の誤
差要因が含まれる3つ以上の式を求め、これらの式を連
立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得するこ
とが好ましい。また、上述した誤差要因取得手段によっ
て、信号源と受信回路とが接続されたテストポートと、
信号源が接続されておらず受信回路のみが接続されたテ
ストポートとの間を所定の接続条件で接続した状態にお
いて、信号源から出力された所定の信号を2つの受信回
路で受信することにより、受信回路のみが接続されたテ
ストポートに対応する第2および第3の誤差要因が含ま
れる2つ以上の式を求め、これらの式を連立させて解く
ことによりこれらの誤差要因を取得することが好まし
い。さらに、上述した誤差要因取得手段によって、信号
源と受信回路とが接続されたテストポートと、終端回路
が接続されたテストポートとの間を所定の接続条件で接
続した状態において、信号源から出力された所定の信号
を、信号源が接続されたテストポートに対応する受信回
路によって受信することにより、終端回路が接続された
テストポートに対応する第2の誤差要因を求めることが
好ましい。このようにして、求めようとする誤差要因の
数と同じ数の関係式が得られるように各テストポートの
既知の接続条件を設定することにより、それぞれの誤差
要因の具体的な値を求めることができる。
【0027】また、3つのテストポートに対して被測定
デバイスが接続された状態で、上述した切替スイッチに
よる接続状態を順次切り替えることにより、被測定デバ
イスに対応するSパラメータの数以上の式を求め、これ
らの式の中から上述した誤差要因取得手段によって求め
た各種の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連
立させて解くことによりSパラメータを求めるSパラメ
ータ算出手段をさらに備えることが好ましい。測定対象
となるSパラメータの数(3ポートを有する被測定デバ
イスの場合には9個)以上の測定を行うことにより、測
定によって得られた式を連立させて各Sパラメータの値
を求めることができるが、それぞれの式に含まれる各種
の誤差要因が誤差要因取得手段によって既に取得されて
いるため、誤差要因を含まない正確なSパラメータの値
を求めることができる。
【0028】上述した課題を解決するために、本発明の
計測器の校正方式では、3つのテストポートのそれぞれ
に受信回路が接続されているとともに、これら3つのテ
ストポートのいずれかに信号源が接続されており、誤差
要因取得手段によって、3つのテストポートに対して被
測定デバイスが接続されていない状態において既知の接
続条件を設定するとともに、信号源から出力された所定
の信号を各受信回路で受信してその値を測定することに
より、信号源の接続位置に対応する各種の誤差要因の取
得が行われる。本発明によれば、信号源から出力される
信号を各受信回路で受信して各種の誤差要因の取得が行
われるため、3つのテストポートに対応する測定系の各
種の誤差要因を求めることができ、Sパラメータ測定の
際にこれらの誤差要因を十分に取り除くことができる。
また、3つのテストポートが備わっているため、被測定
デバイスの3つのポートのそれぞれを同時に各テストポ
ートに接続して、Sパラメータの測定を行うことがで
き、Sパラメータ測定時に被測定デバイスと各テストポ
ートの接続状態を切り替える等の煩雑な操作が不要とな
る。
【0029】また、信号源を3つのテストポートのいず
れかに接続する切替スイッチを備えることが好ましい。
Sパラメータ測定では、被測定デバイスの3つのポート
のそれぞれに対応する反射係数や透過係数を求めるため
に、信号源が接続されるテストポートの位置を切り替え
る必要があるが、切替スイッチを用いて信号源の接続位
置を変えながら上述した各種の誤差要因を求めることに
より、Sパラメータ測定において含まれる全ての誤差要
因を取り除くことができ、正確なSパラメータ測定を実
現することができる。
【0030】また、上述した各種の誤差要因には、信号
源から出力されて3つの受信回路のそれぞれに到達する
信号成分としての第1の誤差要因と、被測定デバイス側
から入力されてテストポートを介して反射される信号成
分としての第2の誤差要因と、被測定デバイス側から入
力されてテストポートを介して受信回路に到達する信号
成分としての第3の誤差要因とを含めることが好まし
い。これらの誤差要因を求めることにより計測器内部で
発生する各種の誤差要因を特定することができるため、
これらの誤差要因が含まれない正確なSパラメータ測定
が可能になる。
【0031】具体的には、上述した誤差要因取得手段に
よって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外の
テストポートとの間を隔絶した状態において、信号源か
ら出力された所定の信号を、信号源が接続されていない
前記テストポートに対応する受信回路によって受信する
ことによって、信号源が接続されていないテストポート
に対応する第1の誤差要因の取得を行うことが好まし
い。また、上述した誤差要因取得手段によって、信号源
が接続されたテストポートを3種類以上の接続条件で終
端したそれぞれの状態において、信号源から出力された
所定の信号を、信号源が接続されたテストポートに対応
する受信回路によって受信することによって、信号源が
接続されたテストポートに対応する第1、第2および第
3の誤差要因が含まれる3つ以上の式を求め、これらの
式を連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得
することが好ましい。また、上述した誤差要因取得手段
によって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外
のテストポートとの間を所定の接続条件で接続した状態
において、信号源から出力された所定の信号を、信号源
が接続されたテストポートとこれに接続される他のテス
トポートのそれぞれに対応する受信回路によって受信す
ることによって、信号源が接続されたテストポートに接
続された他のテストポートに対応する第2および第3の
誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、これらの式を
連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得する
ことが好ましい。このようにして、求めようとする誤差
要因の数と同じ数の関係式が得られるように各テストポ
ートの既知の接続条件を設定することにより、それぞれ
の誤差要因の具体的な値を取得することができる。
【0032】また、3つのテストポートに対して被測定
デバイスが接続された状態で、上述した切替スイッチに
よる接続状態を順次切り替えることにより、被測定デバ
イスに対応するSパラメータの数以上の式を求め、これ
らの式の中から上述した誤差要因取得手段によって求め
た各種の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連
立させて解くことによりSパラメータを求めるSパラメ
ータ算出手段をさらに備えることが好ましい。測定対象
となるSパラメータの数(3ポートを有する被測定デバ
イスの場合には9個)以上の測定を行うことにより、測
定によって得られた式を連立させて各Sパラメータの値
を求めることができるが、それぞれの式に含まれる各種
の誤差要因が誤差要因取得手段によって既に取得されて
いるため、誤差要因を含まない正確なSパラメータの値
を求めることができる。
【0033】また、本発明の3ポートデバイス用計測器
では、3つのテストポートのそれぞれに受信回路が接続
されているとともに、これら3つのテストポートのいず
れかに、信号源から出力された信号が選択的に入力され
ている。被測定デバイスのポート数と同じ数の3つの受
信回路を備えているため、信号源によって発生する信号
の周波数掃引を1回行うだけで、被測定デバイスの3つ
のポートのそれぞれから出力される信号(反射信号、透
過信号)を同時に測定することができる。したがって、
最小限の回数である3回の周波数掃引動作によって全て
のSパラメータ測定を行うことができ、測定時間の短縮
が可能になる。また、被測定デバイスから出力された信
号の入力先となる受信回路を切り替える機構(切替スイ
ッチ等)を介さずに、受信回路に反射信号や透過信号を
入力することができるため、信号入力経路よって生じる
損失が小さく、測定のダイナミックレンジを広げること
ができる。
【0034】上述した課題を解決するために、本発明の
計測器の校正方式では、3つのテストポートの中の2つ
に受信回路が接続され、他の1つに終端回路が接続され
ているとともに、受信回路が接続される2つのテストポ
ートのいずれかに信号源が接続されており、誤差要因取
得手段によって、3つのテストポートに対して被測定デ
バイスが接続されていない状態で既知の接続条件を設定
するとともに、信号源から出力された所定の信号を各受
信回路で受信してその値を測定することにより、信号源
の接続位置に対応する各種の誤差要因の取得が行われ
る。本発明によれば、信号源から出力される信号を各受
信回路で受信して各種の誤差要因の取得が行われるた
め、3つのテストポートに対応する測定系の各種の誤差
要因を求めることができ、Sパラメータ測定の際にこれ
らの誤差要因を十分に取り除くことができる。また、3
つのテストポートが備わっているため、被測定デバイス
の3つのポートのそれぞれを同時に各テストポートに接
続して、Sパラメータの測定を行うことができ、Sパラ
メータ測定時に被測定デバイスと各テストポートの接続
状態を切り替える等の煩雑な操作が不要となる。
【0035】また、各受信回路、終端回路および信号源
とこれらが接続される各テストポートとの組み合わせを
切り替える切替スイッチを備えることが好ましい。Sパ
ラメータ測定では、被測定デバイスの3つのポートのそ
れぞれに対応する反射係数や透過係数を求めるために、
信号源や終端回路等が接続されるテストポートの位置を
切り替える必要があるが、切替スイッチを用いて信号源
や終端回路等と各テストポートとの組み合わせを変えな
がら上述した各種の誤差要因を求めることにより、Sパ
ラメータ測定において含まれる全ての誤差要因を取り除
くことができ、正確なSパラメータ測定を実現すること
ができる。
【0036】また、上述した各種の誤差要因には、信号
源から出力されて2つの受信回路のそれぞれに到達する
信号成分としての第1の誤差要因と、被測定デバイス側
から入力されてテストポートを介して反射される信号成
分としての第2の誤差要因と、被測定デバイス側から入
力されてテストポートを介して受信回路に到達する信号
成分としての第3の誤差要因とを含めることが好まし
い。これらの誤差要因を求めることにより計測器内部で
発生する各種の誤差要因を特定することができるため、
これらの誤差要因が含まれない正確なSパラメータ測定
が可能になる。
【0037】具体的には、上述した誤差要因取得手段に
よって、信号源が接続されたテストポートとそれ以外の
テストポートとの間を隔絶した状態において、信号源か
ら出力された所定の信号を、信号源が接続されていない
テストポートに対応する受信回路によって受信すること
によって、信号源が接続されていないテストポートに対
応する第1の誤差要因の取得を行うことが好ましい。ま
た、上述した誤差要因取得手段によって、信号源が接続
されたテストポートを3種類以上の接続条件で終端した
それぞれの状態において、信号源から出力された所定の
信号を、信号源が接続されたテストポートに対応する受
信回路によって受信することによって、信号源が接続さ
れたテストポートに対応する第1、第2および第3の誤
差要因が含まれる3つ以上の式を求め、これらの式を連
立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得するこ
とが好ましい。また、上述した誤差要因取得手段によっ
て、信号源と受信回路とが接続されたテストポートと、
信号源が接続されておらず受信回路のみが接続されたテ
ストポートとの間を所定の接続条件で接続した状態にお
いて、信号源から出力された所定の信号を2つの受信回
路で受信することにより、受信回路のみが接続されたテ
ストポートに対応する第2および第3の誤差要因が含ま
れる2つ以上の式を求め、これらの式を連立させて解く
ことによりこれらの誤差要因を取得することが好まし
い。さらに、上述した誤差要因取得手段によって、信号
源と受信回路とが接続されたテストポートと、終端回路
が接続されたテストポートとの間を所定の接続条件で接
続した状態において、信号源から出力された所定の信号
を、信号源が接続されたテストポートに対応する受信回
路によって受信することにより、終端回路が接続された
テストポートに対応する第2の誤差要因を求めることが
好ましい。このようにして、求めようとする誤差要因の
数と同じ数の関係式が得られるように各テストポートの
既知の接続条件を設定することにより、それぞれの誤差
要因の具体的な値を求めることができる。
【0038】また、3つのテストポートに対して被測定
デバイスが接続された状態で、上述した切替スイッチに
よる接続状態を順次切り替えることにより、被測定デバ
イスに対応するSパラメータの数以上の式を求め、これ
らの式の中から上述した誤差要因取得手段によって求め
た各種の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連
立させて解くことによりSパラメータを求めるSパラメ
ータ算出手段をさらに備えることが好ましい。測定対象
となるSパラメータの数(3ポートを有する被測定デバ
イスの場合には9個)以上の測定を行うことにより、測
定によって得られた式を連立させて各Sパラメータの値
を求めることができるが、それぞれの式に含まれる各種
の誤差要因が誤差要因取得手段によって既に取得されて
いるため、誤差要因を含まない正確なSパラメータの値
を求めることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0040】第一の実施形態 まず、本発明の実施の形態に係るネットワークアナライ
ザの構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係
るネットワークアナライザ1の構成を示したブロック図
である。
【0041】ネットワークアナライザ1は、測定部2
a、b〜n、方向性結合器4a、b〜n、電線5、端子
5a、b〜n、スイッチ7a、b〜n、接地抵抗6a、
b〜n、接続ポート8a、b〜n、CPU11、真値回
路パラメータ演算部12を備える。また、被測定物(D
UT)40は、n個のポート40a、b〜nを有する。
【0042】電線5は外部の交流電源である電源9に接
続され、電線5には端子5a、b〜nがある。接続ポー
ト8a、b〜nは被測定物40のポート40a、b〜n
と接続される。接地抵抗6a、b〜nは接地している。
接地抵抗6a、b〜nは理想的なものである必要はな
い。すなわち、被測定物40のポート40a、b〜nか
らの反射波を0とみなしうる必要はない。接続ポート8
a、b〜nにはスイッチ7a、b〜nが接続されてい
る。スイッチ7a、b〜nは端子5a、b〜nあるいは
接地抵抗6a、b〜nに接続できるようになっており、
接続を端子5a、b〜nと接地抵抗6a、b〜nとの間
で切り替えられる。接続ポート8a、b〜nには方向性
結合器4a、b〜nが接続され、方向性結合器4a、b
〜nは測定部2a、b〜nに接続されており、被測定物
20からの反射波が測定部2a、b〜nに入射されるよ
うになっている。
【0043】測定部2a、b〜nの構成を図2に示す。
測定部2aは、回路パラメータ測定部20a、計測デー
タメモリ21a、誤差要因測定部23aを備える。計測
部20aは方向性結合器4aからの入射波からポート4
0aのSパラメータを計測する。誤差要因測定部23a
は方向性結合器4aからの入射波からポート40aに関
する誤差要因を測定する。計測データメモリ21aは計
測部20aおよび誤差要因測定部23aの計測結果を記
録する。また、計測データメモリ21aはバス13に接
続されている。なお、測定部2b〜nも測定部2aと同
様な構成である。
【0044】図1に戻り、バス13には、CPU11、
真値回路パラメータ演算部12が接続されている。CP
U11は計測データメモリ21aからのデータの取り込
みや真値回路パラメータ演算部12の演算などを制御す
る。また、真値回路パラメータ演算部12は計測データ
メモリ21aの記録内容から被測定物40の真のSパラ
メータを演算する。計測部20aなどの計測するポート
40aなどのSパラメータは、誤差要因による誤差を含
んでいるため、誤差を取り除いたSパラメータを「真
の」Sパラメータと称している。
【0045】次に、本発明の実施形態の動作を説明す
る。図3に本発明の実施形態にかかるネットワークアナ
ライザ1による回路パラメータ(Sパラメータ)の演算
処理のフローチャートを示す。まず、左端のスイッチ7
aを端子5aに接続する(S10)。このとき、残りの
スイッチ7b〜nは接地抵抗6b〜nにそれぞれ接続し
ておく。左端のスイッチ7aを端子5aに接続したとき
の回路構成を図5に示す。測定ポートが被測定物40の
ポート40a、電源9と測定ポートに接続された電源ポ
ートが接続ポート8a、接地抵抗を介して接地された終
端ポートが接続ポート8b〜nとなる。
【0046】ここで、まだ接続すべきスイッチがあれば
(S12、Yes)、測定ポートにキャリブレーション
キットを接続し、誤差要因を測定する(S14)。な
お、誤差要因を無視できるならば、誤差要因の測定(S
14)を省略することも可能である。図4に6種類の誤
差要因を測定するときの測定処理のフローチャートを示
す。なお、6種類の誤差要因とはEd:方向性(Direct
ivity)、Er:反射トラッキング(Reflect Trackin
g)、Et:トランストラッキング(Trans Trackin
g)、Es:ソースマッチ(Source Match)、El:ロ
ードマッチ(Load Match)、Ex:アイソレーション
(Isolation)、をいう。
【0047】まず、Edi、Eri、Esi(i=1〜
n)を計測する(S100)。なお、iは信号を受信す
るポートの位置を示し、図6の被測定物40の下方に記
載してある。図6にEd1、Er1、Es1の計測時の
システム構成を示す。左端のスイッチ7aは端子5aに
接続され、残りのスイッチ7b〜nは接地抵抗6b〜n
にそれぞれ接続されている。ここで接続ポート8aをキ
ャリブレーションキット30に接続して、その時のSパ
ラメータから計測部20aがEd1、Er1、Es1を
求める。キャリブレーションキット30には、OPE
N、SHORT、LOADの3種類があり、それぞれを
接続する。
【0048】キャリブレーションキット30の構成を図
7に示す。キャリブレーションキット30はコネクタ3
0aと本体30bを備える。本体30bには、終端30
c〜eがコネクタ30aと反対側の端部に取り付けられ
ている。図5(b)に示すOPENのキャリブレーショ
ンキット30において、終端30cは開放されている
が、浮遊容量30cが存在している。図5(c)に示す
SHORTのキャリブレーションキット30において、
終端30dは短絡されている。図5(d)に示すSHO
RTのキャリブレーションキット30において、終端3
0eは50Ωまたは75Ωの抵抗である。
【0049】次に、カウンタを初期化し(S102)、
カウント値jがn以下でないならば(S104、No)
終了し、n以下ならば(S104、Yes)、Etj
i、Eljiの測定(S106)を行う。なお、jは受
信ポートの位置を、iは発信ポートの位置を示す。図8
にEt21、El21の計測時のシステム構成を示す。
左端のスイッチ7aは端子5aに接続され、残りのスイ
ッチ7b〜nは接地抵抗6b〜nにそれぞれ接続されて
いる。また、ポート40a(i=1に対応)とポート4
0b(j=2に対応)とが接続されている。ここで、計
測部20bがそのときのSパラメータを計測すること
で、Et21、El21を求める。
【0050】次に、Exjiの測定(S108)を行
う。なお、jは受信ポートの位置を、iは発信ポートの
位置を示す。図9にEx21の計測時のシステム構成を
示す。左端のスイッチ7aは端子5aに接続され、残り
のスイッチ7b〜nは接地抵抗6b〜nにそれぞれ接続
されている。また、接続ポート8a(i=1に対応)と
接続ポート8b(j=2に対応)とにはLOADのキャ
リブレーションキット30(図5(d)参照)、が接続
されている。ここで、計測部20bがそのときのSパラ
メータを計測することで、Ex21を求める。なお、E
xjiを0とみなして、Exjiの測定(S108)を
省略してもよい。
【0051】そして、jに1を加算して(S110)、
カウント値jの判定(S104)に戻る。
【0052】ここで、図3に戻り、誤差要因の測定(S
14)の次は、測定ポートに関するSパラメータを測定
部2a、b〜nの内の回路パラメータ測定部20a、b
〜nの測定を行う(S16)。図5の場合ならば、(S
11m、S21m、…、Sn1m)を測定する。なお、
これらのSパラメータは、メモリ21a〜nに記録して
おく。なお、Sn1mのそえ字の意味は、nは受信する
ポート、1は発信するポート、mは計測値(誤差を含
む)ということである。
【0053】そして、接続すべきスイッチを1つ右にず
らす(S18)。そして、接続すべきスイッチがあるか
否かの判定(S12)に戻る。
【0054】そして、接続すべきスイッチがなければ
(S12、No)、もはや計測は終了したので、計測デ
ータメモリ21a、b〜nに記録された計測結果から真
の回路パラメータ(Sパラメータ)を真値回路パラメー
タ演算部12により求める。
【0055】真値回路パラメータ演算部12は、以下の
式を用いて、真のSパラメータを求める。ただし、S1
1、S22…は、真のSパラメータである。
【0056】
【数1】 なお、誤差要因を無視した場合は、計測部20a、b〜
nにて計測したSパラメータを真のSパラメータとする
こととなる。
【0057】本発明の実施形態によれば、終端ポートに
接続された回路パラメータ測定部20a、b〜nが終端
ポートに関する回路パラメータを測定する。よって、終
端ポートに関する回路パラメータを0とみなしえなくて
も、複数ポートを有する被測定物の回路パラメータを計
測できる。
【0058】しかも、誤差要因を無視した場合は、n回
の接続切り替えでSパラメータを計測することができ
る。従来の2ポートフルキャリブレーションを用いてn
ポートのDUTを計測するためには、n(n−1)回の
コネクタ類のつなぎかえが必要である。よって、従来技
術と比べて接続の切り替え回数が1回ですむ。
【0059】第二の実施形態 以下、本発明の計測器の校正方式を適用した一実施形態
について、図面を参照しながら説明する。例えば、本発
明が適応される一実施形態の計測器として、3ポートデ
バイスのSパラメータ測定を行うネットワークアナライ
ザを考えるものとする。
【0060】図13は、第二の実施形態の計測器の構成
を示す図であり、ネットワークアナライザに3ポートデ
バイス用のテストセット(3ポートテストセット)が接
続された状態が示されている。図13に示す計測器は、
信号源と複数の受信回路を含んでSパラメータの測定を
行うネットワークアナライザ10と、ネットワークアナ
ライザ10に対する被測定デバイス(DUT)40の接
続状態を切り替えるテストセット30とを含んで構成さ
れている。
【0061】また、上述したネットワークアナライザ1
0は、信号源12、3つの受信回路14、16、18、
周波数掃引部22、測定制御部24、表示部26、操作
部28を含んで構成されている。
【0062】信号源12は、所定周波数の正弦波信号を
発生する。受信回路14、16、18は、テストセット
30を介して送られてくる正弦波信号に対してベクトル
検波を行う。例えば、各受信回路14等は、高周波の入
力信号に対して所定の局部発振信号を混合することによ
り、その差成分である低周波信号への変換を行い、この
低周波信号を所定の抵抗値(例えば50Ω)を有する抵
抗を通すことにより電圧に変換する。
【0063】周波数掃引部22は、信号源12の発振周
波数を設定するとともに、周波数掃引制御を行ってこの
発振周波数を所定範囲内で一方向に変化させる。例え
ば、周波数掃引部22と信号源12によって周波数シン
セサイザが構成されており、周波数掃引部22内の可変
分周器(図示せず)の分周比を変えることにより、信号
源12の発振周波数が所定間隔で階段状に変化する。
【0064】測定制御部24は、ネットワークアナライ
ザ10の全体を制御するとともに、所定のキャリブレー
ション動作を行って測定系が有する誤差要因を求め、こ
れを除去することにより、被測定デバイス40の正確な
Sパラメータ測定を行う。この測定制御部24が誤差要
因取得手段およびSパラメータ算出手段に対応する。ま
た、表示部26は、ネットワークアナライザ10による
各種パラメータの測定結果や測定条件等の表示を行う。
操作部28は、利用者が操作する各種の操作キーやテン
キー、スイッチ類が備わっており、利用者による測定指
示や測定を実施する際に必要な各種の設定データの入力
が行われる。
【0065】また、上述したテストセット30は、切替
スイッチ32、3つの信号分離器34、36、38、3
つのテストポート44、46、48を含んで構成されて
いる。3つのテストポート44、46、48は、3ポー
トデバイスとしての被測定デバイス40がケーブル11
を介して接続される接続端子である。切替スイッチ32
は、ネットワークアナライザ10内の信号源12で発生
した信号の出力先をこれら3つのテストポート44、4
6、48のいずれかに切り替えるためのものである。ま
た、3つの信号分離器34、36、38のそれぞれは、
対応するテストポート44、46、48を介して入出力
される信号を分離するためのものである。例えば、ブリ
ッジ方式やカップラ方式の信号分離器が用いられる。
【0066】本実施形態の計測器はこのような構成を有
しており、次にその動作を説明する。
【0067】上述したように、本実施形態の計測器は、
1つの信号源12と3つの受信回路14、16、18と
を有しており、これらを組み合わせて被測定デバイス4
0のSパラメータの測定が行われる。信号源12を被測
定デバイス40が有する3つのポートのいずれに接続す
るかによって、使用される測定系モードが決まる。本実
施形態では、3つの測定系モードが用いられる。
【0068】図14は、本実施形態の3つの測定系モー
ドの内容を示す図である。図14に示す「S」は反射測
定用受信回路付きの信号源を、「R」は受信回路をそれ
ぞれ示している。上述したように、テストセット30の
3つのテストポート44、46、48のそれぞれには、
1対1に対応する受信回路14、16、18が信号分離
器34等を介して接続されている。したがって、信号源
12が接続されたテストポートに着目すると、このテス
トポートには信号源12のみならず受信回路も接続され
ていることになり、このようなテストポートが図14に
おいて「S」が付されたテストポートに対応する。ま
た、それ以外のテストポートには受信回路のみが接続さ
れるため、これらのテストポートが図14において
「R」が付されたテストポートに対応する。例えば、図
13に示した切替スイッチ32の接続状態においては、
信号源12がテストポート44に接続されているため、
この接続状態に対応する測定系モードはaとなる。
【0069】次に、テストセット30の3つのテストポ
ート44、46、48に被測定デバイス40が接続され
た場合の各種の誤差要因をシグナルフローグラフを用い
て説明する。
【0070】シグナルフローグラフにおいては、3つの
テストポート44、46、48のそれぞれに2つの節が
対応している。一方が入射波節であり他方が出射波節で
ある。図15は、テストセット30の各テストポートに
対応する測定系のシグナルフローモデルを示す図であ
り、図15(a)には図14において「S」で示された
テストポートに対応するシグナルフローモデルが、図1
5(b)には図14において「R」で示されたテストポ
ートに対応するシグナルフローモデルが示されている。
【0071】図15(a)に示すように、信号源12が
接続されたテストポートにおいては、信号源12から出
力された信号がテストポートの入射波節50に入力され
るとともに、その一部Edがテストセット30内の信号
分離器等を介して受信回路Rに入力される。また、被測
定デバイス40からこのテストポートの反射波節52に
入力される信号は、その一部Erが受信回路に入力され
るとともに、残りEsがテストポートあるいはテストセ
ット30内で反射されて入射波節50側に折り返され
る。
【0072】また、図15(b)に示すように、受信回
路Rのみが接続されたテストポートにおいては、被測定
デバイス40からこのテストポートの反射波節54に入
力される信号は、その一部Etが受信回路Rに入力され
るとともに、残りElがテストポートあるいはテストセ
ット30内で反射されて入射波節56側に折り返され
る。
【0073】図16は、測定系モードaにおいて被測定
デバイス40が接続された場合のシグナルフローグラフ
である。3ポートを有する被測定デバイス40のSパラ
メータとしては、図16に示す9種類S11、S12、
S13、S21、S22、S23、S31、S32、S
33がある。テストポート44からテストポート46、
48のそれぞれに透過する信号の複素振幅比として透過
係数S21、S31が定義され、テストポート44にお
いて反射される信号の複素振幅比として反射係数S11
が定義される。同様に、テストポート46からテストポ
ート48、44のそれぞれに透過する信号の複素振幅比
として透過係数S32、S12が定義され、テストポー
ト46において反射される信号の複素振幅比として反射
係数S22が定義される。テストポート48からテスト
ポート44、46のそれぞれに透過する信号の複素振幅
比として透過係数S13、S23が定義され、テストポ
ート48において反射される信号の複素振幅比として反
射係数S33が定義される。
【0074】上述した被測定デバイス40の9種類のS
パラメータは、図14に示した3つの測定系モードa、
b、cのそれぞれにおいて所定の測定動作を行うことに
よって求めることができる。すなわち、測定系モードa
において信号源12から所定周波数の正弦波信号を出力
したときに3つの受信回路14、16、18における受
信電圧を測定することにより、各種のSパラメータを含
む3つの式が得られる。同様に、他の測定系モードb、
cについてもそれぞれ3つの式が得られる。したがっ
て、合計で9つの式が得られ、これらの式からなる連立
方程式を解くことにより9種類のSパラメータの具体的
な値を求めることができる。
【0075】ところで、図15を用いて説明したよう
に、測定系モードaに着目すると、信号源12および受
信回路14が接続されるテストポート44に対応して3
種類の誤差要因Ed、Es、Erが、受信回路16が接
続されるテストポート46に対応して2種類の誤差要因
Et、Elが、受信回路18が接続されるテストポート
48に対応して2種類の誤差要因Et’、El’がそれ
ぞれ含まれている。また、信号源12から出力される信
号は、その一部Ex、Ex’がテストセット30内で漏
れて受信回路16あるいは受信回路18に到達するた
め、これらも誤差要因となる。このように、多くの誤差
要因が含まれているため、9種類のSパラメータの値を
正確に求めるためには、測定系モードa、b、cのそれ
ぞれについてこれらの誤差要因を取り除く必要がある。
上述した誤差要因Ex、Ex’、Edが第1の誤差要因
に、誤差要因El、El’、Esが第2の誤差要因に、
誤差要因Et、Et’、Erが第3の誤差要因にそれぞ
れ対応する。
【0076】次に、上述した各種の誤差要因を除去する
キャリブレーション動作の具体的な手順について説明す
る。図17は、各種の誤差要因の具体的な値を取得する
本実施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。各
種の誤差要因の取得は、図18に示すように、テストセ
ット30の各テストポート44等から被測定デバイス4
0を外した状態で行うものとする。なお、図17および
図18においては、信号源12が接続されたテストポー
トを「テストポートa」とし、このテストポートに対応
する受信回路を「受信回路a」とした。また、信号源1
2が接続されていない2つのテストポートのそれぞれを
「テストポートb」、「テストポートc」とし、それぞ
れのテストポートに対応する受信回路を「受信回路
b」、「受信回路c」とした。
【0077】利用者によって操作部28が操作されてキ
ャリブレーション動作の開始指示がなされると(ステッ
プ100)、測定制御部24は、いずれかの測定系モー
ドに対応するようにテストセット30内の切替スイッチ
32の接続状態を設定する(ステップ101)。例え
ば、図14に示した3つの測定系モードの中からaが選
択されて切替スイッチ32の接続状態が切り替えられ、
信号源12がテストポート44に接続される。
【0078】(a)誤差要因Ex、Ex’の取得 次に、測定制御部24は、この状態でテストポート44
に基準器を接続して(ステップ102)、信号源12か
ら所定周波数の信号を発生させて、他のテストポート4
6に接続されている受信回路46による受信電圧の値を
測定する(ステップ103)。被測定デバイス40が接
続されていない状態では、テストポート46に入力され
る信号がないため、受信回路16では、テストセット3
0内を通って信号源12から入力される信号成分として
の誤差要因Exのみが受信される。したがって、このス
テップ103において誤差要因Exを直接的に取得する
ことができる。同様に、測定制御部24は、テストポー
ト44を開放した状態で、信号源12から所定周波数の
信号を発生させて、テストポート48に接続されている
受信回路48による受信電圧の値を測定することによっ
て(ステップ104)、信号源12からテストポート1
8に接続された受信回路18に入力される信号成分E
x’を誤差要因として直接的に取得する。
【0079】(b)誤差要因Ed、Es、Erの取得 次に、テストポート44に対応する3つの誤差要因E
d、Es、Erの取得が行われる。一般に、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erの具体的な値を求めるに
は、テストポート44に対して3つ以上(例えば3つ)
の異なる接続条件を設定し、それぞれの接続条件の下で
信号源12から所定の信号を出力し、このとき受信回路
14による受信電圧を測定することにより、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erが含まれる3つ以上の式を
得ることができる。したがって、これらの式を連立させ
て解くことにより、3つの誤差要因Ed、Es、Erの
それぞれの値を求めることができる。例えば、テストポ
ート44における信号の反射係数をS11とすると、受
信回路14による受信電圧R11は、3つの誤差要因E
d、Es、Erを用いて表すと、 R11=Ed+ErS11/(1−EsS11) …(1) となる。また、以下では例えば3つの異なる接続条件と
して、(1)テストポート44を開放する場合、(2)
テストポート44を短絡(ショート)する場合、(3)
テストポート44にSパラメータの規格化インピーダン
スと同じ抵抗値(例えば50Ω)を有する基準器を接続
する場合を考えるものとする。
【0080】まず、測定制御部24は、上述したステッ
プ102において設定されたテストポート44の開放状
態を維持しながら、信号源12が接続されたテストポー
ト44に対応する受信回路14の受信電圧R11を測定
する(ステップ105)。テストポート44を開放した
場合には同相の信号が反射されるため、反射係数S11
が1であり、これを上述した(1)式に代入することに
より、 R11=Ed+Er/(1−Es) …(2) が得られる。
【0081】また、測定制御部24は、テストポート4
4を短絡(ショート)した後に(ステップ106)、受
信回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ10
7)。テストポート44を短絡した場合には位相が反転
した信号が反射されるため、反射係数S11が−1であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed−Er/(1+Es) …(3) が得られる。
【0082】さらに、測定制御部24は、テストポート
44に基準器を接続した後に(ステップ108)、受信
回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ10
9)。テストポート44に理想的な基準器を接続した場
合には反射が生じないため、反射係数S11=0であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed …(4) が得られる。
【0083】このように、テストポート44を3つの状
態(開放、短絡、基準器接続)に設定し、それぞれの状
態で受信回路14の受信電圧を測定することにより、3
つの誤差要因Ed、Es、Erを含む3つの式(2)、
(3)、(4)を得ることができる。したがって、測定
制御部24は、これら3つの式を連立方程式として解く
ことにより、それぞれの誤差要因の具体的な値を取得す
る(ステップ110)。
【0084】(c)誤差要因Et、Elの取得 次に、テストポート46に対応する2つの誤差要因E
t、Elの取得が行われる。テストポート44とテスト
ポート46を理想的に直結したスルーの状態では、テス
トポート44、46における反射係数が0であり、テス
トポート44からテストポート46に向かう透過係数と
テストポート46からテストポート44に向かう透過係
数がともに1となる。したがって、このような状態にお
いて信号源12から所定の信号を出力したときの受信回
路14、16の受信電圧R11、R21は、 R11=Ed+ErEl/(1−EsEl) …(5) R21=Et/(1−EsEl) …(6) となる。これらの式に含まれるEd、Er、Esは、上
述したステップ110において既に取得されているた
め、(5)式を用いてElが求まり、さらに(6)式を
用いることによりEtが求まる。
【0085】まず、測定制御部24は、テストポート4
4とテストポート46を直結した後に(ステップ11
1)、受信回路14の受信電圧R11と、受信回路16
の受信電圧R21を測定する(ステップ112)。測定
制御部24は、これらの測定結果(R11、R21)と
上述したステップ110による取得結果(Ed、Er、
Es)を(5)式および(6)式に代入することによ
り、テストポート46に対応する2つの誤差要因Et、
Elを取得する(ステップ113)。
【0086】ところで、上述した(5)式、(6)式
は、テストポート48に対応する2つの誤差要因E
t’、El’についても同様に考えることができる。す
なわち、テストポート44とテストポート48を理想的
に直結した状態において信号源12から所定の信号を出
力したときの受信回路14、18の受信電圧R11、R
31は、 R11=Ed+ErEl’/(1−EsEl’) …(7) R31=Et’/(1−EsEl’) …(8) となる。
【0087】これらの式を用いてテストポート48に対
応する2つの誤差要因Et’、El’を取得するため
に、測定制御部24は、テストポート44とテストポー
ト48を直結した後に(ステップ114)、受信回路4
4の受信電圧R11と、受信回路18の受信電圧R31
を測定する(ステップ115)。測定制御部24は、こ
れらの測定結果(R11、R31)と上述したステップ
110による取得結果(Ed、Er、Es)を(7)式
および(8)式に代入することにより、テストポート4
8に対応する2つの誤差要因Et’、El’を取得する
(ステップ116)。
【0088】このようにして、いずれかの測定系モード
(上述した説明では測定系モードa)について各種の誤
差要因を取得した後、測定制御部24は、誤差要因の取
得が終了していない他の測定系モードがあるか否かを判
定する(ステップ117)。例えば測定系モードaのみ
について各種の誤差要因の取得が終了した場合には、他
に誤差要因の取得が終了していない測定系モードb、c
があるため、ステップ117で肯定判断され、測定制御
部24は、次に誤差要因の取得対象となるいずれかの測
定系モードに対応するようにテストセット30内の切替
スイッチ32の接続状態を設定し(ステップ101)、
上述した各種の誤差要因の取得が繰り返される。他の測
定系モードb、cについて各種の誤差要因の取得が終了
すると、ステップ117において否定判断がなされ、一
連のキャリブレーション動作が終了する。
【0089】このように、本実施形態の計測器では、信
号源12をテストポート44に接続することにより、測
定系モードaに対応する9種類の誤差要因Ex、E
x’、Ed、Es、Er、Et、El、Et’、El’
の取得が行われる。したがって、Sパラメータ測定を実
施する場合に、測定制御部24は、3ポートテストセッ
ト30の3つのテストポート44、46、48に実際に
被測定デバイス40を接続した状態において、信号源1
2から所定の信号を出力して受信回路14、16、18
の受信電圧を測定することにより、被測定デバイス40
の9つのSパラメータを含み、各種の誤差要因の具体的
な値が特定された3つの式を得ることができる。また、
このようにして測定系モードaについての測定が終了し
た後に、測定制御部24は、他の測定系モードb、cの
それぞれについても、同様に被測定デバイス40の9つ
のSパラメータを含み、各種の誤差要因の具体的な値が
特定された3つの式を得ることができる。このようにし
て9つのSパラメータに対して9つの式が得られるた
め、測定制御部24は、これらの式を連立させて解くこ
とにより各Sパラメータの値を求めることができる。
【0090】また、このSパラメータ測定は、3ポート
テストセット30に被測定デバイス40を接続した状態
を維持しながら行うことができるため、2ポート用のテ
ストセットを用いる場合のように接続状態を変えながら
Sパラメータの測定を実施する場合のような煩雑な手間
がかからず、操作の簡略化が可能になる。
【0091】また、本実施形態の計測器では、3ポート
テストセット30に含まれる誤差要因が全て特定されて
Sパラメータの測定が実施されるため、測定結果に基づ
いて計算によって求められるSパラメータの値には、3
ポートテストセット30やネットワークアナライザ10
に含まれる各種の誤差要因が含まれておらず、正確な値
を求めることができる。
【0092】第三の実施形態 上述した第二の実施形態では、ネットワークアナライザ
10内に3つの受信回路14、16、18が備わってい
る場合について説明したが、ネットワークアナライザ内
に2つの受信回路のみが備わっている場合についても本
発明を適用することができる。
【0093】図19は、第2の実施形態の計測器の構成
を示す図であり、ネットワークアナライザ110に3ポ
ートテストセット130が接続された状態が示されてい
る。
【0094】また、ネットワークアナライザ110は、
信号源12、2つの受信回路14、16、周波数掃引部
22、測定制御部24、表示部26、操作部28を含ん
で構成されている。本実施形態のネットワークアナライ
ザ110は、図13に示したネットワークアナライザ1
0に対して、受信回路の数が1つ減って2つになってい
る点が異なっている。
【0095】3ポートテストセット130は、切替スイ
ッチ(SW)32、150、信号分離器34、36、3
8、終端回路152を含んで構成されている。本実施形
態の3ポートテストセット130は、図13に示した3
ポートテストセット30に対して、切替スイッチ150
と終端回路152を追加した点が異なっている。切替ス
イッチ150は、3つの信号分離器34、36、38の
それぞれと、終端回路152およびネットワークアナラ
イザ110内の2つの受信回路14、16のそれぞれと
を1対1に接続するとともに、測定制御部24からの切
り替え指示にしたがってその接続状態を切り替える。終
端回路152は、所定の抵抗値(例えば50Ω)を有し
ており、理想的には、対応するテストポートを無反射状
態で終端する。但し、実際には反射を完全になくすこと
はできないため、Sパラメータを測定する際にこの反射
される信号成分が誤差要因の一つとなる。
【0096】上述したように、本実施形態の計測器は、
ネットワークアナライザ110内に信号源12と2つの
受信回路14、16とを有し、テストセット130内に
終端回路152を有しており、これらを組み合わせて被
測定デバイス40のSパラメータの測定が行われる。し
たがって、1つのテストポートに信号源12と一方の受
信回路14を接続するとともに、他の2つのテストポー
トに受信回路16と終端回路152を接続するものとす
ると、その接続状態によって6つの測定系モードが存在
する。
【0097】図20は、本実施形態の6つの測定系モー
ドの内容を示す図である。図20に示す「S」は反射測
定用受信回路(受信回路14)付きの信号源を、「R」
は受信回路16を、「L」は終端回路152をそれぞれ
示している。例えば、図20に示す測定系モードaは、
信号源12と受信回路14がテストポート44に、受信
回路16がテストポート46に、終端回路152がテス
トポート48にそれぞれ接続された状態に対応してい
る。
【0098】次に、テストセット130の3つのテスト
ポート44、46、48に被測定デバイス40が接続さ
れた場合の各種の誤差要因をシグナルフローグラフを用
いて説明する。
【0099】図21は、テストセット130の終端回路
152が接続されたテストポートに対応するシグナルフ
ローグラフである。上述したように、終端回路152が
接続されていても、被測定デバイス40側からこのテス
トポートに入力される信号の一部Ezが反射されて、被
測定デバイス側に折り返される。なお、信号源12と受
信回路14が接続されるテストポートや、受信回路16
が接続されるテストポートに対応するシグナルフローグ
ラフは、図15(a)、(b)のそれぞれに示したもの
が適用される。
【0100】図22は、測定系モードaにおいて被測定
デバイス40が接続された場合のシグナルフローグラフ
である。3ポートを有する被測定デバイス40のSパラ
メータとしては、図22に示す9種類S11、S12、
S13、S21、S22、S23、S31、S32、S
33がある。
【0101】被測定デバイス40のこれら9種類のSパ
ラメータは、図20に示した6つの測定系モードa、
b、c、d、e、fのそれぞれにおいて所定の測定動作
を行うことによって求めることができる。すなわち、測
定系モードaにおいて信号源12から所定周波数の正弦
波信号を出力したときに2つの受信回路14、16の受
信電圧を測定することにより、各種のSパラメータを含
む2つの式が得られる。また、この状態において受信回
路16が接続されるテストポートを切り替えて測定系モ
ードbに対応する接続状態に変更した後に、信号源12
から所定周波数の正弦波信号を出力したときに2つの受
信回路14、16の受信電圧を測定することにより、各
種のSパラメータを含む2つの式が得られる。同様に、
測定系モードc、dについて合計で4つの式が、測定系
モードe、fについて合計で4つの式が得られる。した
がって、合計で12の式が得られ、これらの式からなる
連立方程式を解くことにより、9種類のSパラメータの
具体的な値を求めることができる。
【0102】ところで、測定系モードaに着目すると、
図15を用いて説明したように、信号源12および受信
回路14が接続されるテストポート44に対応して3種
類の誤差要因Ed、Es、Erが、受信回路16が接続
されるテストポート46に対応して2種類の誤差要因E
t、Elがそれぞれ含まれている。また、図21を用い
て説明したように、終端回路152が接続されるテスト
ポート48に対応して誤差要因Ezが含まれている。さ
らに、第1の実施形態で図16を用いて説明したよう
に、信号源12から出力される信号は、その一部Exが
テストセット130内で漏れて受信回路16に到達する
ため、これも誤差要因となる。このように、多くの誤差
要因が含まれているため、9種類のSパラメータの値を
正確に求めるためには、測定系モードa〜fのそれぞれ
についてこれらの誤差要因を取り除く必要がある。上述
した誤差要因Ex、Edが第1の誤差要因に、誤差要因
El、Ez、Esが第2の誤差要因に、誤差要因Et、
Erが第3の誤差要因にそれぞれ対応する。
【0103】次に上述した各種の誤差要因を除去するキ
ャリブレーション動作の具体的な手順について説明す
る。図23は、各種の誤差要因の具体的な値を取得する
本実施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。各
種の誤差要因の取得は、図24に示すように、テストセ
ット130の各テストポート44等から被測定デバイス
40を外した状態で行うものとする。なお、図23およ
び図24においては、信号源12および受信回路14が
接続されたテストポートを「テストポートa」、受信回
路16が接続されたテストポートを「テストポート
b」、終端回路152が接続されたテストポートを「テ
ストポートc」とした。
【0104】利用者によって操作部28が操作されてキ
ャリブレーション動作の開始指示がなされると(ステッ
プ200)、測定制御部24は、いずれかの測定系モー
ドに対応するようにテストセット130内の2つの切替
スイッチ32、150の接続状態を設定する(ステップ
201)。例えば、図20に示した6つの測定系モード
の中からaが選択されて切替スイッチ32、150の接
続状態が切り替えられ、信号源12および受信回路14
がテストポート44に、受信回路16がテストポート4
6に、終端回路152がテストポート48にそれぞれ接
続される。
【0105】(a)誤差要因Exの取得 次に、測定制御部24は、この状態でテストポート44
に基準器を接続して(ステップ202)、信号源12か
ら所定周波数の信号を発生させて、テストポート46に
接続されている受信回路46の受信電圧を測定する(ス
テップ203)。被測定デバイス40が接続されていな
い状態では、テストポート46に入力される信号がない
ため、受信回路16では、テストセット130内を通っ
て信号源12から入力される信号成分としての誤差要因
Exのみが受信される。したがって、このステップ20
3における誤差要因Exを直接的に取得することができ
る。
【0106】(b)誤差要因Ed、Es、Erの取得 次に、テストポート44に対応する3つの誤差要因E
d、Es、Erの取得が行われる。これら3つの誤差要
因Ed、Es、Erは、第1の実施形態において説明し
たように、上述した(1)式の反射係数S11を変えて
3回の測定を行うことにより取得することができる。
【0107】具体的には、測定制御部24は、ステップ
202において設定されたテストポート44の開放状態
を維持しながら、信号源12が接続されたテストポート
44に対応する受信回路14の受信電圧R11を測定す
る(ステップ204)。この測定によって上述した
(2)式が得られる。また、測定制御部24は、テスト
ポート44を短絡(ショート)した後に(ステップ20
5)、受信回路14の受信電圧R11を測定する(ステ
ップ206)。これにより、上述した(3)式が得られ
る。さらに、測定制御部24は、テストポート44に基
準器を接続した後に(ステップ207)、受信回路14
の受信電圧R11を測定する(ステップ208)。これ
により、上述した(4)式が得られる。このように、テ
ストポート44を3つ以上の状態(この場合は開放、短
絡、基準器接続の3つの状態)に設定し、それぞれの状
態で受信回路14の受信電圧を測定することにより、3
つの誤差要因Ed、Es、Erを含む3つの式(2)、
(3)、(4)を得ることができる。したがって、測定
制御部24は、これら3つの式を連立方程式として解く
ことにより、それぞれの誤差要因の具体的な値を取得す
る(ステップ209)。
【0108】(c)誤差要因Et、Elの取得 次に、テストポート46に対応する2つの誤差要因E
t、Elの取得が行われる。これら2つの誤差要因E
t、Elは、第1の実施形態において説明したように、
テストポート44とテストポート46とを直結して所定
の測定を行い、その結果を用いて上述した(5)式およ
び(6)式を解くことにより取得することができる。
【0109】具体的には、測定制御部24は、テストポ
ート44とテストポート46を直結した後に(ステップ
210)、受信回路14の受信電圧R11と、受信回路
16の受信電圧R21を測定する(ステップ211)。
測定制御部24は、これらの測定結果(R11、R2
1)と上述したステップ209による取得結果(Ed、
Er、Es)を(5)式および(6)式に代入すること
により、テストポート46に対応する2つの誤差要因E
t、Elを取得する(ステップ212)。
【0110】(d)誤差要因Ezの取得 次に、テストポート48に対応する誤差要因Ezの取得
が行われる。テストポート44とテストポート48を理
想的に直結したスルーの状態では、テストポート44、
48における反射係数が0であり、テストポート44か
らテストポート48に向かう透過係数とテストポート4
8からテストポート44に向かう透過係数がともに1と
なる。したがって、このような状態において信号源12
から所定の信号を出力したときの受信器14の受信電圧
R11は、 R11=Ed+ErEz/(1−EsEz) …(9) となる。この式に含まれる誤差要素Ed、Er、Es
は、上述したステップ209において既に取得されてい
るため、(9)式を用いてEzを取得することができ
る。
【0111】具体的には、測定制御部24は、テストポ
ート44とテストポート48を直結した後に(ステップ
213)、受信器14の受信電圧R11を測定する(ス
テップ214)。測定制御部24は、この測定結果R1
1と上述したステップ209による取得結果(Ed、E
r、Es)を(9)式に代入することにより、テストポ
ート48に対応する誤差要因Ezを取得する(ステップ
215)。
【0112】このようにして、いずれかの測定系モード
(上述した説明では測定系モードa)について各種の誤
差要因を取得した後、測定制御部24は、誤差要因の取
得が終了していない他の測定系モードがあるか否かを判
定する(ステップ216)。例えば測定系モードaのみ
について各種の誤差要因の取得が終了した場合には、他
に誤差要因の取得が終了していない測定系モードb〜f
があるため、ステップ216で肯定判断され、測定制御
部24は、次に誤差要因の取得対象となるいずれかの測
定系モードに対応するようにテストセット130内の切
替スイッチ32、150の接続状態を設定し(ステップ
201)、上述した各種の誤差要因の取得が繰り返され
る。このようにして、他の測定系モードb〜fについて
各種の誤差要因の取得が終了すると、ステップ216に
おいて否定判断がなされ、一連のキャリブレーション動
作が終了する。
【0113】このように、本実施形態の計測器では、信
号源12と受信回路14をテストポート44に、受信回
路16をテストポート46に、終端回路152をテスト
ポート48にそれぞれ接続することにより、測定系モー
ドaに対応する7種類の誤差要因Ex、Ed、Es、E
r、Et、El、Ezの取得が行われる。したがって、
Sパラメータ測定を実施する場合に、測定制御部24
は、3ポートテストセット130の3つのテストポート
44、46、48に実際に被測定デバイス40を接続し
た状態において、信号源12から所定の信号を出力して
受信回路14、16の受信電圧を測定することにより、
被測定デバイス40の9つのSパラメータを含み、各種
の誤差要因の具体的な値が特定された2つの式を得るこ
とができる。また、このようにして測定系モードaにつ
いての測定が終了した後に、測定制御部24は、他の測
定系モードb〜fのそれぞれについても、同様に被測定
デバイス40の9つのSパラメータを含み、各種の誤差
要因の具体的な値が特定された2つの式を得ることがで
きる。このようにして9つのSパラメータに対して12
の式が得られるため、測定制御部24は、これらの式を
連立させて解くことにより、各Sパラメータの値を求め
ることができる。
【0114】また、このSパラメータ測定は、3ポート
テストセット130に被測定デバイス40を接続した状
態を維持しながら行うことができるため、2ポート用の
テストセットを用いる場合のように接続状態を変えなが
ら測定を実施する場合のような煩雑な手間がかからず、
操作の簡略化が可能になる。
【0115】さらに、本実施形態の計測器では、3ポー
トテストセット130に含まれる誤差要因が全て特定さ
れてSパラメータの測定が実施されるため、測定結果に
基づいて計算によって求められるSパラメータの値に
は、3ポートテストセット130やネットワークアナラ
イザ110に含まれる各種の誤差要因が含まれておら
ず、正確な値を求めることができる。
【0116】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した各実施形態では、信号
源12が接続されたテストポートに対応する3種類の誤
差要因Ed、Es、Erを求めるために、このテストポ
ートに関する3種類の接続条件(開放、短絡、基準器接
続)を設定したが、これら以外の接続条件でテストポー
トを終端するようにしてもよい。例えば、これらの各接
続条件の代わりに、このテストポートにおける反射係数
S11が既知の3種類以上の接続条件を用いることがで
きる。同様に、上述した各実施形態では、信号源12が
接続されたテストポートと他のテストポートとを理想的
に直結する場合を説明したが、透過係数が1未満であっ
て、その値が既知の接続線を用いてこれらのテストポー
ト間を接続するようにしてもよい。このように、各テス
トポートについての接続条件を変更した場合には、信号
源12から出力される信号と各受信回路14等の受信電
圧との式の内容を変更する必要が生じるが、複数の式を
連立させて各誤差要因を求めることができる点に変わり
はない。但し、各テストポートの接続条件を変更した場
合には、上述した(2)〜(9)式の内容をそれぞれの
条件に従って変更する必要がある。
【0117】第四の実施形態 以下、本発明を適用した一実施形態の計測器について、
図面を参照しながら説明する。例えば、本発明が適応さ
れる一実施形態の計測器として、3ポートデバイスのS
パラメータ測定を行うネットワークアナライザを考える
ものとする。
【0118】図25は、本実施形態の計測器の構成を示
す図であり、3ポートデバイス用のテストセット(3ポ
ートテストセット)が内蔵されたネットワークアナライ
ザの構成が示されている。
【0119】図25に示すネットワークアナライザ10
0は、信号源112、パワー分離器114、周波数掃引
部116、受信回路120、切替スイッチ130、13
2、方向性ブリッジ134、136、138を含んで構
成されている。
【0120】信号源112は、所定周波数の正弦波信号
を発生する。パワー分離器116は、信号源112から
出力される測定用信号の一部を分離して受信回路120
に入力する。周波数掃引部116は、信号源112の発
振周波数を設定するとともに、周波数掃引制御を行って
この発振周波数を所定範囲内で一方向に変化させる。
【0121】受信回路120は、4つの振幅測定部12
2、124、126、128を含んでいる。この中で、
振幅測定部122は、信号源112から出力された信号
の振幅を測定するためのものであり、それ以外の3つの
振幅測定部124、126、128のそれぞれは、実際
に3ポートデバイスから入力される受信信号(反射信号
や透過信号)の振幅測定に使用される。本実施形態の計
測器100では、振幅測定部122とそれ以外の3つの
振幅測定部124、126、128のいずれかとを組み
合わせることにより、受信信号の振幅比の測定を行って
いる。以下、振幅測定部124と122を組み合わせる
ことによって実現される振幅比測定用の第1の受信回路
を「受信回路A」、振幅測定部126と122を組み合
わせることによって実現される振幅比測定用の第2の受
信回路を「受信回路B」、振幅測定部128と122を
組み合わせることによって実現される振幅比測定用の第
3の受信回路を「受信回路C」と称して説明を行うもの
とする。
【0122】切替スイッチ130、132のそれぞれ
は、1対2の切り替えを行うものである。切替スイッチ
130は、信号源112から出力され、パワー分離器1
14を通った後の信号が入力されており、これを方向性
ブリッジ134あるいは切替スイッチ132のいずれか
に選択的に出力する。切替スイッチ132は、切替スイ
ッチ130から出力される信号が入力されており、これ
を方向性ブリッジ136あるいは方向性ブリッジ138
のいずれかに選択的に出力する。なお、本実施形態で
は、上述した1対2の切替スイッチ130、132を組
み合わせて1対3切替スイッチを実現しているが、同様
の切り替え動作を行うことができれば、その実現方法
(組み合わせる切替スイッチの数やその内部構成)は適
宜変更することができる。
【0123】方向性ブリッジ134は、切替スイッチ1
30を介して入力される信号源112から出力された測
定用信号をテストポート144に向けて出力するととも
に、テストポート144から入力される信号(反射信
号、透過信号)を分離して受信回路Aに向けて出力す
る。また、方向性ブリッジ136は、切替スイッチ13
0、132を介して入力される信号源112から出力さ
れた測定用信号をテストポート146に向けて出力する
とともに、テストポート146から入力される信号を分
離して受信回路Bに向けて出力する。方向性ブリッジ1
38は、切替スイッチ130、132を介して入力され
る信号源112から出力された測定用信号をテストポー
ト148に向けて出力するとともに、テストポート14
8から入力される信号を分離して受信回路Cに向けて出
力する。
【0124】3つのテストポート144、146、14
8は、被測定デバイス(DUT)140である3ポート
デバイスがケーブル111を介して接続される接続端子
である。
【0125】本実施形態の計測器100はこのような構
成を有しており、次に、計測器100を用いて被測定デ
バイス140の9種類のSパラメータ測定を行う場合の
動作を説明する。
【0126】図26は、図25に示した計測器100を
用いて被測定デバイス140のSパラメータ測定を行う
場合の各種の設定内容を示す図であり、測定対象となる
Sパラメータと各切替スイッチの接続状態の関係が示さ
れている。図26において、「SW1」は切替スイッチ
130に、「SW2」は切替スイッチ132にそれぞれ
対応している。また、「」、「」は、切替スイッチ
130、132内の2つの接点に対応しており、切替ス
イッチ130、132のそれぞれにおいては、これら2
つの接点の一方がオン状態(ON)に、他方がオフ状態
(OFF)に設定される。
【0127】(1)まず、一方の切替スイッチ130
(SW1)の接点をオン状態に、接点をオフ状態に
するとともに、他方の切替スイッチ132(SW2)の
接点をオン状態に、接点をオフ状態に設定すること
により、信号源112を方向性ブリッジ134を介して
テストポート144(port1)に接続する。この状
態で、周波数掃引部116による周波数掃引動作を1回
実施し、このとき被測定デバイス140からテストポー
ト144に入力される反射信号を受信回路Aで受信す
る。また、被測定デバイス140からテストポート14
6(port2)に入力される透過信号を受信回路Bで
受信し、被測定デバイス140からテストポート148
(port3)に入力される透過信号を受信回路Cで受
信する。このようにして、1回の周波数掃引動作によっ
て、3種類のSパラメータ(反射係数S11、透過係数
S21、S31)の測定が行われる。
【0128】(2)次に、一方の切替スイッチ130
(SW1)の接点をオフ状態に、接点をオン状態に
するとともに、他方の切替スイッチ132(SW2)の
接点をオン状態に、接点をオフ状態に設定すること
により、信号源112を方向性ブリッジ136を介して
テストポート146(port2)に接続する。この状
態で、周波数掃引部116による周波数掃引動作を1回
実施し、このとき被測定デバイス140からテストポー
ト146に入力される反射信号を受信回路Bで受信す
る。また、被測定デバイス140からテストポート14
4に入力される透過信号を受信回路Aで受信し、被測定
デバイス140からテストポート148に入力される透
過信号を受信回路Cで受信する。このようにして、1回
の周波数掃引動作によって、次の3種類のSパラメータ
(反射係数S22、透過係数S12、S32)の測定が
行われる。
【0129】(3)次に、一方の切替スイッチ130
(SW1)の接点をオフ状態に、接点をオン状態に
するとともに、他方の切替スイッチ132(SW2)の
接点をオフ状態に、接点をオン状態に設定すること
により、信号源112を方向性ブリッジ138を介して
テストポート148(port3)に接続する。この状
態で、周波数掃引部116による周波数掃引動作を1回
実施し、このとき被測定デバイス140からテストポー
ト148に入力される反射信号を受信回路Cで受信す
る。また、被測定デバイス140からテストポート14
4に入力される透過信号を受信回路Aで受信し、被測定
デバイス140からテストポート146に入力される透
過信号を受信回路Bで受信する。このようにして、1回
の周波数掃引動作によって、最後の3種類のSパラメー
タ(反射係数S33、透過係数S13、S23)の測定
が行われる。
【0130】このように、本実施形態の計測器100
は、被測定デバイス(3ポートデバイス)140のポー
ト数と同じ数である3つの受信回路A、B、Cを備えて
おり、測定用信号の周波数掃引を1回実施することによ
って、被測定デバイス140のそれぞれのポートから出
力される3種類の信号(1つの反射信号と2つの透過信
号)の測定を行うことができる。したがって、被測定デ
バイス140の9種類のSパラメータ測定を、最小限の
回数である3回の周波数掃引動作によって実施すること
ができ、測定時間を短縮することができる。また、3つ
の受信回路A、B、Cと3つの方向性ブリッジとを1対
1に対応させているため、これらの間に切替スイッチを
設ける必要がなく、信号入力経路において生じる損失を
低減することができるため、測定のダイナミックレンジ
を広げることができる。
【0131】なお、上述した実施形態では、信号を分離
するために方向性ブリッジ134、136、138を用
いたが、カップラ等の他の信号分離器を用いるようにし
てもよい。また、計測器100としてのネットワークア
ナライザにテストセットが内蔵されている場合について
説明したが、テストセットを含まない構成をネットワー
クアナライザと称し、これに別体のテストセットを接続
するようにしてもよい。
【0132】次に、上述した3ポートデバイス用計測器
に適した校正方式について説明する。以下、本発明の3
ポートデバイス用計測器の校正方式を適用した一実施形
態について、図面を参照しながら説明する。
【0133】図13は、一実施形態の計測器の構成を示
す図であり、ネットワークアナライザに3ポートデバイ
ス用のテストセット(3ポートテストセット)が接続さ
れた状態が示されている。なお、図13においては、テ
ストセットを含まない構成をネットワークアナライザと
称し、これとは別にテストセットが備わっている場合を
示したが、図25に示したように、テストセットが内蔵
されているネットワークアナライザを用いるようにして
もよい。
【0134】図13に示す計測器は、信号源と複数の受
信回路を含んでSパラメータの測定を行うネットワーク
アナライザ10と、ネットワークアナライザ10に対す
る被測定デバイス(DUT)40の接続状態を切り替え
るテストセット30とを含んで構成されている。
【0135】また、上述したネットワークアナライザ1
0は、信号源12、3つの受信回路14、16、18、
周波数掃引部22、測定制御部24、表示部26、操作
部28を含んで構成されている。
【0136】信号源12は、所定周波数の正弦波信号を
発生する。受信回路14、16、18は、テストセット
30を介して送られてくる正弦波信号に対してベクトル
検波を行う。例えば、各受信回路14等は、高周波の入
力信号に対して所定の局部発振信号を混合することによ
り、その差成分である低周波信号への変換を行い、この
低周波信号を所定の抵抗値(例えば50Ω)を有する抵
抗を通すことにより電圧に変換する。なお、これら3つ
の受信回路14〜18は、図25に示したネットワーク
アナライザ100に含まれる受信回路A、B、Cに対応
するものであり、振幅比を用いて受信信号の測定を行っ
ている。
【0137】周波数掃引部22は、信号源12の発振周
波数を設定するとともに、周波数掃引制御を行ってこの
発振周波数を所定範囲内で一方向に変化させる。例え
ば、周波数掃引部22と信号源12によって周波数シン
セサイザが構成されており、周波数掃引部22内の可変
分周器(図示せず)の分周比を変えることにより、信号
源12の発振周波数が所定間隔で階段状に変化する。
【0138】測定制御部24は、ネットワークアナライ
ザ10の全体を制御するとともに、所定のキャリブレー
ション動作を行って測定系が有する誤差要因を求め、こ
れを除去することにより、被測定デバイス40の正確な
Sパラメータ測定を行う。この測定制御部24が誤差要
因取得手段およびSパラメータ算出手段に対応する。ま
た、表示部26は、ネットワークアナライザ10による
各種パラメータの測定結果や測定条件等の表示を行う。
操作部28は、利用者が操作する各種の操作キーやテン
キー、スイッチ類が備わっており、利用者による測定指
示や測定を実施する際に必要な各種の設定データの入力
が行われる。
【0139】また、上述したテストセット30は、切替
スイッチ32、3つの信号分離器34、36、38、3
つのテストポート44、46、48を含んで構成されて
いる。3つのテストポート44、46、48は、3ポー
トデバイスとしての被測定デバイス40がケーブル11
を介して接続される接続端子である。切替スイッチ32
は、ネットワークアナライザ10内の信号源12で発生
した信号の出力先をこれら3つのテストポート44、4
6、48のいずれかに切り替えるためのものである。ま
た、3つの信号分離器34、36、38のそれぞれは、
対応するテストポート44、46、48を介して入出力
される信号を分離するためのものである。例えば、図2
5に示したブリッジ方式やカップラ方式の信号分離器が
用いられる。
【0140】本実施形態の計測器はこのような構成を有
しており、次にその動作を説明する。
【0141】上述したように、本実施形態の計測器は、
1つの信号源12と3つの受信回路14、16、18と
を有しており、これらを組み合わせて被測定デバイス4
0のSパラメータの測定が行われる。信号源12を被測
定デバイス40が有する3つのポートのいずれに接続す
るかによって、使用される測定系モードが決まる。本実
施形態では、3つの測定系モードが用いられる。
【0142】図14は、本実施形態の3つの測定系モー
ドの内容を示す図である。図14に示す「S」は反射測
定用受信回路付きの信号源を、「R」は受信回路をそれ
ぞれ示している。上述したように、テストセット30の
3つのテストポート44、46、48のそれぞれには、
1対1に対応する受信回路14、16、18が信号分離
器34等を介して接続されている。したがって、信号源
12が接続されたテストポートに着目すると、このテス
トポートには信号源12のみならず受信回路も接続され
ていることになり、このようなテストポートが図14に
おいて「S」が付されたテストポートに対応する。ま
た、それ以外のテストポートには受信回路のみが接続さ
れるため、これらのテストポートが図14において
「R」が付されたテストポートに対応する。例えば、図
13に示した切替スイッチ32の接続状態においては、
信号源12がテストポート44に接続されているため、
この接続状態に対応する測定系モードはaとなる。
【0143】次に、テストセット30の3つのテストポ
ート44、46、48に被測定デバイス40が接続され
た場合の各種の誤差要因をシグナルフローグラフを用い
て説明する。
【0144】シグナルフローグラフにおいては、3つの
テストポート44、46、48のそれぞれに2つの節が
対応している。一方が入射波節であり他方が出射波節で
ある。図15は、テストセット30の各テストポートに
対応する測定系のシグナルフローモデルを示す図であ
り、図15(a)には図14において「S」で示された
テストポートに対応するシグナルフローモデルが、図1
5(b)には図14において「R」で示されたテストポ
ートに対応するシグナルフローモデルが示されている。
【0145】図15(a)に示すように、信号源12が
接続されたテストポートにおいては、信号源12から出
力された信号がテストポートの入射波節50に入力され
るとともに、その一部Edがテストセット30内の信号
分離器等を介して受信回路Rに入力される。また、被測
定デバイス40からこのテストポートの反射波節52に
入力される信号は、その一部Erが受信回路に入力され
るとともに、残りEsがテストポートあるいはテストセ
ット30内で反射されて入射波節50側に折り返され
る。
【0146】また、図15(b)に示すように、受信回
路Rのみが接続されたテストポートにおいては、被測定
デバイス40からこのテストポートの反射波節54に入
力される信号は、その一部Etが受信回路Rに入力され
るとともに、残りElがテストポートあるいはテストセ
ット30内で反射されて入射波節56側に折り返され
る。
【0147】図16は、測定系モードaにおいて被測定
デバイス40が接続された場合のシグナルフローグラフ
である。3ポートを有する被測定デバイス40のSパラ
メータとしては、図16に示す9種類S11、S12、
S13、S21、S22、S23、S31、S32、S
33がある。テストポート44からテストポート46、
48のそれぞれに透過する信号の複素振幅比として透過
係数S21、S31が定義され、テストポート44にお
いて反射される信号の複素振幅比として反射係数S11
が定義される。同様に、テストポート46からテストポ
ート48、44のそれぞれに透過する信号の複素振幅比
として透過係数S32、S12が定義され、テストポー
ト46において反射される信号の複素振幅比として反射
係数S22が定義される。テストポート48からテスト
ポート44、46のそれぞれに透過する信号の複素振幅
比として透過係数S13、S23が定義され、テストポ
ート48において反射される信号の複素振幅比として反
射係数S33が定義される。
【0148】上述した被測定デバイス40の9種類のS
パラメータは、図14に示した3つの測定系モードa、
b、cのそれぞれにおいて所定の測定動作を行うことに
よって求めることができる。すなわち、測定系モードa
において信号源12から所定周波数の正弦波信号を出力
したときに3つの受信回路14、16、18における受
信電圧を測定することにより、各種のSパラメータを含
む3つの式が得られる。同様に、他の測定系モードb、
cについてもそれぞれ3つの式が得られる。したがっ
て、合計で9つの式が得られ、これらの式からなる連立
方程式を解くことにより9種類のSパラメータの具体的
な値を求めることができる。
【0149】ところで、図15を用いて説明したよう
に、測定系モードaに着目すると、信号源12および受
信回路14が接続されるテストポート44に対応して3
種類の誤差要因Ed、Es、Erが、受信回路16が接
続されるテストポート46に対応して2種類の誤差要因
Et、Elが、受信回路18が接続されるテストポート
48に対応して2種類の誤差要因Et’、El’がそれ
ぞれ含まれている。また、信号源12から出力される信
号は、その一部Ex、Ex’がテストセット30内で漏
れて受信回路16あるいは受信回路18に到達するた
め、これらも誤差要因となる。このように、多くの誤差
要因が含まれているため、9種類のSパラメータの値を
正確に求めるためには、測定系モードa、b、cのそれ
ぞれについてこれらの誤差要因を取り除く必要がある。
上述した誤差要因Ex、Ex’、Edが第1の誤差要因
に、誤差要因El、El’、Esが第2の誤差要因に、
誤差要因Et、Et’、Erが第3の誤差要因にそれぞ
れ対応する。
【0150】次に、上述した各種の誤差要因を除去する
キャリブレーション動作の具体的な手順について説明す
る。図17は、各種の誤差要因の具体的な値を取得する
本実施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。各
種の誤差要因の取得は、図18に示すように、テストセ
ット30の各テストポート44等から被測定デバイス4
0を外した状態で行うものとする。なお、図17および
図18においては、信号源12が接続されたテストポー
トを「テストポートa」とし、このテストポートに対応
する受信回路を「受信回路a」とした。また、信号源1
2が接続されていない2つのテストポートのそれぞれを
「テストポートb」、「テストポートc」とし、それぞ
れのテストポートに対応する受信回路を「受信回路
b」、「受信回路c」とした。
【0151】利用者によって操作部28が操作されてキ
ャリブレーション動作の開始指示がなされると(ステッ
プ100)、測定制御部24は、いずれかの測定系モー
ドに対応するようにテストセット30内の切替スイッチ
32の接続状態を設定する(ステップ101)。例え
ば、図14に示した3つの測定系モードの中からaが選
択されて切替スイッチ32の接続状態が切り替えられ、
信号源12がテストポート44に接続される。
【0152】(a)誤差要因Ex、Ex’の取得 次に、測定制御部24は、この状態でテストポート44
に基準器を接続して(ステップ102)、信号源12か
ら所定周波数の信号を発生させて、他のテストポート4
6に接続されている受信回路46による受信電圧の値を
測定する(ステップ103)。被測定デバイス40が接
続されていない状態では、テストポート46に入力され
る信号がないため、受信回路16では、テストセット3
0内を通って信号源12から入力される信号成分として
の誤差要因Exのみが受信される。したがって、このス
テップ103において誤差要因Exを直接的に取得する
ことができる。同様に、測定制御部24は、テストポー
ト44を開放した状態で、信号源12から所定周波数の
信号を発生させて、テストポート48に接続されている
受信回路48による受信電圧の値を測定することによっ
て(ステップ104)、信号源12からテストポート1
8に接続された受信回路18に入力される信号成分E
x’を誤差要因として直接的に取得する。
【0153】(b)誤差要因Ed、Es、Erの取得 次に、テストポート44に対応する3つの誤差要因E
d、Es、Erの取得が行われる。一般に、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erの具体的な値を求めるに
は、テストポート44に対して3つ以上(例えば3つ)
の異なる接続条件を設定し、それぞれの接続条件の下で
信号源12から所定の信号を出力し、このとき受信回路
14による受信電圧を測定することにより、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erが含まれる3つ以上の式を
得ることができる。したがって、これらの式を連立させ
て解くことにより、3つの誤差要因Ed、Es、Erの
それぞれの値を求めることができる。例えば、テストポ
ート44における信号の反射係数をS11とすると、受
信回路14による受信電圧R11は、3つの誤差要因E
d、Es、Erを用いて表すと、 R11=Ed+ErS11/(1−EsS11) …(1) となる。また、以下では例えば3つの異なる接続条件と
して、(1)テストポート44を開放する場合、(2)
テストポート44を短絡(ショート)する場合、(3)
テストポート44にSパラメータの規格化インピーダン
スと同じ抵抗値(例えば50Ω)を有する基準器を接続
する場合を考えるものとする。
【0154】まず、測定制御部24は、上述したステッ
プ102において設定されたテストポート44の開放状
態を維持しながら、信号源12が接続されたテストポー
ト44に対応する受信回路14の受信電圧R11を測定
する(ステップ105)。テストポート44を開放した
場合には同相の信号が反射されるため、反射係数S11
が1であり、これを上述した(1)式に代入することに
より、 R11=Ed+Er/(1−Es) …(2) が得られる。
【0155】また、測定制御部24は、テストポート4
4を短絡(ショート)した後に(ステップ106)、受
信回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ10
7)。テストポート44を短絡した場合には位相が反転
した信号が反射されるため、反射係数S11が−1であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed−Er/(1+Es) …(3) が得られる。
【0156】さらに、測定制御部24は、テストポート
44に基準器を接続した後に(ステップ108)、受信
回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ10
9)。テストポート44に理想的な基準器を接続した場
合には反射が生じないため、反射係数S11=0であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed …(4) が得られる。
【0157】このように、テストポート44を3つの状
態(開放、短絡、基準器接続)に設定し、それぞれの状
態で受信回路14の受信電圧を測定することにより、3
つの誤差要因Ed、Es、Erを含む3つの式(2)、
(3)、(4)を得ることができる。したがって、測定
制御部24は、これら3つの式を連立方程式として解く
ことにより、それぞれの誤差要因の具体的な値を取得す
る(ステップ110)。
【0158】(c)誤差要因Et、Elの取得 次に、テストポート46に対応する2つの誤差要因E
t、Elの取得が行われる。テストポート44とテスト
ポート46を理想的に直結したスルーの状態では、テス
トポート44、46における反射係数が0であり、テス
トポート44からテストポート46に向かう透過係数と
テストポート46からテストポート44に向かう透過係
数がともに1となる。したがって、このような状態にお
いて信号源12から所定の信号を出力したときの受信回
路14、16の受信電圧R11、R21は、 R11=Ed+ErEl/(1−EsEl) …(5) R21=Et/(1−EsEl) …(6) となる。これらの式に含まれるEd、Er、Esは、上
述したステップ110において既に取得されているた
め、(5)式を用いてElが求まり、さらに(6)式を
用いることによりEtが求まる。
【0159】まず、測定制御部24は、テストポート4
4とテストポート46を直結した後に(ステップ11
1)、受信回路14の受信電圧R11と、受信回路16
の受信電圧R21を測定する(ステップ112)。測定
制御部24は、これらの測定結果(R11、R21)と
上述したステップ110による取得結果(Ed、Er、
Es)を(5)式および(6)式に代入することによ
り、テストポート46に対応する2つの誤差要因Et、
Elを取得する(ステップ113)。
【0160】ところで、上述した(5)式、(6)式
は、テストポート48に対応する2つの誤差要因E
t’、El’についても同様に考えることができる。す
なわち、テストポート44とテストポート48を理想的
に直結した状態において信号源12から所定の信号を出
力したときの受信回路14、18の受信電圧R11、R
31は、 R11=Ed+ErEl’/(1−EsEl’) …(7) R31=Et’/(1−EsEl’) …(8) となる。
【0161】これらの式を用いてテストポート48に対
応する2つの誤差要因Et’、El’を取得するため
に、測定制御部24は、テストポート44とテストポー
ト48を直結した後に(ステップ114)、受信回路4
4の受信電圧R11と、受信回路18の受信電圧R31
を測定する(ステップ115)。測定制御部24は、こ
れらの測定結果(R11、R31)と上述したステップ
110による取得結果(Ed、Er、Es)を(7)式
および(8)式に代入することにより、テストポート4
8に対応する2つの誤差要因Et’、El’を取得する
(ステップ116)。
【0162】このようにして、いずれかの測定系モード
(上述した説明では測定系モードa)について各種の誤
差要因を取得した後、測定制御部24は、誤差要因の取
得が終了していない他の測定系モードがあるか否かを判
定する(ステップ117)。例えば測定系モードaのみ
について各種の誤差要因の取得が終了した場合には、他
に誤差要因の取得が終了していない測定系モードb、c
があるため、ステップ117で肯定判断され、測定制御
部24は、次に誤差要因の取得対象となるいずれかの測
定系モードに対応するようにテストセット30内の切替
スイッチ32の接続状態を設定し(ステップ101)、
上述した各種の誤差要因の取得が繰り返される。他の測
定系モードb、cについて各種の誤差要因の取得が終了
すると、ステップ117において否定判断がなされ、一
連のキャリブレーション動作が終了する。
【0163】このように、本実施形態の計測器では、信
号源12をテストポート44に接続することにより、測
定系モードaに対応する9種類の誤差要因Ex、E
x’、Ed、Es、Er、Et、El、Et’、El’
の取得が行われる。したがって、Sパラメータ測定を実
施する場合に、測定制御部24は、3ポートテストセッ
ト30の3つのテストポート44、46、48に実際に
被測定デバイス40を接続した状態において、信号源1
2から所定の信号を出力して受信回路14、16、18
の受信電圧を測定することにより、被測定デバイス40
の9つのSパラメータを含み、各種の誤差要因の具体的
な値が特定された3つの式を得ることができる。また、
このようにして測定系モードaについての測定が終了し
た後に、測定制御部24は、他の測定系モードb、cの
それぞれについても、同様に被測定デバイス40の9つ
のSパラメータを含み、各種の誤差要因の具体的な値が
特定された3つの式を得ることができる。このようにし
て9つのSパラメータに対して9つの式が得られるた
め、測定制御部24は、これらの式を連立させて解くこ
とにより各Sパラメータの値を求めることができる。
【0164】また、このSパラメータ測定は、3ポート
テストセット30に被測定デバイス40を接続した状態
を維持しながら行うことができるため、2ポート用のテ
ストセットを用いる場合のように接続状態を変えながら
Sパラメータの測定を実施する場合のような煩雑な手間
がかからず、操作の簡略化が可能になる。
【0165】また、本実施形態の計測器では、3ポート
テストセット30に含まれる誤差要因が全て特定されて
Sパラメータの測定が実施されるため、測定結果に基づ
いて計算によって求められるSパラメータの値には、3
ポートテストセット30やネットワークアナライザ10
に含まれる各種の誤差要因が含まれておらず、正確な値
を求めることができる。
【0166】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した各実施形態では、信号
源12が接続されたテストポートに対応する3種類の誤
差要因Ed、Es、Erを求めるために、このテストポ
ートに関する3種類の接続条件(開放、短絡、基準器接
続)を設定したが、これら以外の接続条件でテストポー
トを終端するようにしてもよい。例えば、これらの各接
続条件の代わりに、このテストポートにおける反射係数
S11が既知の3種類以上の接続条件を用いることがで
きる。同様に、上述した各実施形態では、信号源12が
接続されたテストポートと他のテストポートとを理想的
に直結する場合を説明したが、透過係数が1未満であっ
て、その値が既知の接続線を用いてこれらのテストポー
ト間を接続するようにしてもよい。このように、各テス
トポートについての接続条件を変更した場合には、信号
源12から出力される信号と各受信回路14等の受信電
圧との式の内容を変更する必要が生じるが、複数の式を
連立させて各誤差要因を求めることができる点に変わり
はない。但し、各テストポートの接続条件を変更した場
合には、上述した(2)〜(8)式の内容をそれぞれの
条件に従って変更する必要がある。
【0167】第五の実施形態 以下、本発明の計測器の校正方式を適用した一実施形態
について、図面を参照しながら説明する。例えば、本発
明が適応される一実施形態の計測器として、3ポートデ
バイスのSパラメータ測定を行うネットワークアナライ
ザを考えるものとする。
【0168】図19は、一実施形態の計測器の構成を示
す図であり、ネットワークアナライザに3ポートデバイ
ス用のテストセット(3ポートテストセット)が接続さ
れた状態が示されている。
【0169】図19に示す計測器は、信号源と複数の受
信回路を含んでSパラメータの測定を行うネットワーク
アナライザ110と、ネットワークアナライザ110に
対する被測定デバイス(DUT)40の接続状態を切り
替えるテストセット130とを含んで構成されている。
【0170】また、上述したネットワークアナライザ1
10は、信号源12、2つの受信回路14、16、周波
数掃引部22、測定制御部24、表示部26、操作部2
8を含んで構成されている。
【0171】信号源12は、所定周波数の正弦波信号を
発生する。受信回路14、16は、テストセット130
を介して送られてくる正弦波信号に対してベクトル検波
を行う。例えば、各受信回路14等は、高周波の入力信
号に対して所定の局部発振信号を混合することにより、
その差成分である低周波信号への変換を行い、この低周
波信号を所定の抵抗値(例えば50Ω)を有する抵抗を
通すことにより電圧に変換する。
【0172】周波数掃引部22は、信号源12の発振周
波数を設定するとともに、周波数掃引制御を行ってこの
発振周波数を所定範囲内で一方向に変化させる。例え
ば、周波数掃引部22と信号源12によって周波数シン
セサイザが構成されており、周波数掃引部22内の可変
分周器(図示せず)の分周比を変えることにより、信号
源12の発振周波数が所定間隔で階段状に変化する。
【0173】測定制御部24は、ネットワークアナライ
ザ110の全体を制御するとともに、所定のキャリブレ
ーション動作を行って測定系が有する誤差要因を求め、
これを除去することにより、被測定デバイス40の正確
なSパラメータ測定を行う。この測定制御部24が誤差
要因取得手段およびSパラメータ算出手段に対応する。
また、表示部26は、ネットワークアナライザ110に
よる各種パラメータの測定結果や測定条件等の表示を行
う。操作部28は、利用者が操作する各種の操作キーや
テンキー、スイッチ類が備わっており、利用者による測
定指示や測定を実施する際に必要な各種の設定データの
入力が行われる。
【0174】3ポートテストセット130は、切替スイ
ッチ(SW)32、150、信号分離器34、36、3
8、終端回路152、3つのテストポート44、46、
48を含んで構成されている。3つのテストポート4
4、46、48は、3ポートデバイスとしての被測定デ
バイス40がケーブル11を介して接続される接続端子
である。切替スイッチ32は、ネットワークアナライザ
110内の信号源12で発生した信号の出力先をこれら
3つのテストポート44、46、48のいずれかに切り
替えるためのものである。また、3つの信号分離器3
4、36、38のそれぞれは、対応するテストポート4
4、46、48を介して入出力される信号を分離するた
めのものである。例えば、ブリッジ方式やカップラ方式
の信号分離器が用いられる。
【0175】また、切替スイッチ150は、3つの信号
分離器34、36、38のそれぞれと、終端回路152
およびネットワークアナライザ110内の2つの受信回
路14、16のそれぞれとを1対1に接続するととも
に、測定制御部24からの切り替え指示にしたがってそ
の接続状態を切り替える。終端回路152は、所定の抵
抗値(例えば50Ω)を有しており、理想的には、対応
するテストポートを無反射状態で終端する。但し、実際
には反射を完全になくすことはできないため、Sパラメ
ータを測定する際にこの反射される信号成分が誤差要因
の一つとなる。
【0176】本実施形態の計測器はこのような構成を有
しており、次にその動作を説明する。上述したように、
本実施形態の計測器は、ネットワークアナライザ110
内に信号源12と2つの受信回路14、16とを有し、
テストセット130内に終端回路152を有しており、
これらを組み合わせて被測定デバイス40のSパラメー
タの測定が行われる。したがって、1つのテストポート
に信号源12と一方の受信回路14を接続するととも
に、他の2つのテストポートに受信回路16と終端回路
152を接続するものとすると、その接続状態によって
6つの測定系モードが存在する。
【0177】図20は、本実施形態の6つの測定系モー
ドの内容を示す図である。図20に示す「S」は反射測
定用受信回路(受信回路14)付きの信号源を、「R」
は受信回路16を、「L」は終端回路152をそれぞれ
示している。例えば、図20に示す測定系モードaは、
信号源12と受信回路14がテストポート44に、受信
回路16がテストポート46に、終端回路152がテス
トポート48にそれぞれ接続された状態に対応してい
る。
【0178】次に、テストセット130の3つのテスト
ポート44、46、48に被測定デバイス40が接続さ
れた場合の各種の誤差要因をシグナルフローグラフを用
いて説明する。
【0179】シグナルフローグラフにおいては、3つの
テストポート44、46、48のそれぞれに2つの節が
対応している。一方が入射波節であり他方が出射波節で
ある。図15は、信号源12および受信回路14、16
が接続されたテストポートに対応する測定系のシグナル
フローモデルを示す図であり、図15(a)には図20
において「S」で示されたテストポートに対応するシグ
ナルフローモデルが、図15(b)には図20において
「R」で示されたテストポートに対応するシグナルフロ
ーモデルが示されている。
【0180】図15(a)に示すように、信号源12が
接続されたテストポートにおいては、信号源12から出
力された信号がテストポートの入射波節50に入力され
るとともに、その一部Edがテストセット130内の信
号分離器等を介して受信回路14(R)に入力される。
また、被測定デバイス40からこのテストポートの反射
波節52に入力される信号は、その一部Erが受信回路
14に入力されるとともに、残りEsがテストポートあ
るいはテストセット130内で反射されて入射波節50
側に折り返される。
【0181】また、図15(b)に示すように、受信回
路(R)16のみが接続されたテストポートにおいて
は、被測定デバイス40からこのテストポートの反射波
節54に入力される信号は、その一部Etが受信回路1
6に入力されるとともに、残りElがテストポートある
いはテストセット30内で反射されて入射波節56側に
折り返される。
【0182】また、図21はテストセット130の終端
回路152が接続されたテストポートに対応するシグナ
ルフローグラフである。上述したように、終端回路15
2が接続されていても、被測定デバイス40側からこの
テストポートに入力される信号の一部Ezが反射され
て、被測定デバイス側に折り返される。
【0183】図22は、測定系モードaにおいて被測定
デバイス40が接続された場合のシグナルフローグラフ
である。3ポートを有する被測定デバイス40のSパラ
メータとしては、図22に示す9種類S11、S12、
S13、S21、S22、S23、S31、S32、S
33がある。テストポート44からテストポート46、
48のそれぞれに透過する信号の複素振幅比として透過
係数S21、S31が定義され、テストポート44にお
いて反射される信号の複素振幅比として反射係数S11
が定義される。同様に、テストポート46からテストポ
ート48、44のそれぞれに透過する信号の複素振幅比
として透過係数S32、S12が定義され、テストポー
ト46において反射される信号の複素振幅比として反射
係数S22が定義される。テストポート48からテスト
ポート44、46のそれぞれに透過する信号の複素振幅
比として透過係数S13、S23が定義され、テストポ
ート48において反射される信号の複素振幅比として反
射係数S33が定義される。
【0184】被測定デバイス40のこれら9種類のSパ
ラメータは、図20に示した6つの測定系モードa、
b、c、d、e、fのそれぞれにおいて所定の測定動作
を行うことによって求めることができる。すなわち、測
定系モードaにおいて信号源12から所定周波数の正弦
波信号を出力したときに2つの受信回路14、16の受
信電圧を測定することにより、各種のSパラメータを含
む2つの式が得られる。また、この状態において受信回
路16が接続されるテストポートを切り替えて測定系モ
ードbに対応する接続状態に変更した後に、信号源12
から所定周波数の正弦波信号を出力したときに2つの受
信回路14、16の受信電圧を測定することにより、各
種のSパラメータを含む2つの式が得られる。同様に、
測定系モードc、dについて合計で4つの式が、測定系
モードe、fについて合計で4つの式が得られる。した
がって、合計で12の式が得られ、これらの式からなる
連立方程式を解くことにより、9種類のSパラメータの
具体的な値を求めることができる。
【0185】ところで、測定系モードaに着目すると、
図15を用いて説明したように、信号源12および受信
回路14が接続されるテストポート44に対応して3種
類の誤差要因Ed、Es、Erが、受信回路16が接続
されるテストポート46に対応して2種類の誤差要因E
t、Elがそれぞれ含まれている。また、図21を用い
て説明したように、終端回路152が接続されるテスト
ポート48に対応して誤差要因Ezが含まれている。さ
らに、信号源12から出力される信号は、その一部Ex
がテストセット130内で漏れて受信回路16に到達す
るため、これも誤差要因となる。このように、多くの誤
差要因が含まれているため、9種類のSパラメータの値
を正確に求めるためには、測定系モードa〜fのそれぞ
れについてこれらの誤差要因を取り除く必要がある。上
述した誤差要因Ex、Edが第1の誤差要因に、誤差要
因El、Ez、Esが第2の誤差要因に、誤差要因E
t、Erが第3の誤差要因にそれぞれ対応する。
【0186】次に上述した各種の誤差要因を除去するキ
ャリブレーション動作の具体的な手順について説明す
る。図23は、各種の誤差要因の具体的な値を取得する
本実施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。各
種の誤差要因の取得は、図24に示すように、テストセ
ット130の各テストポート44等から被測定デバイス
40を外した状態で行うものとする。なお、図23およ
び図24においては、信号源12および受信回路14が
接続されたテストポートを「テストポートa」、受信回
路16が接続されたテストポートを「テストポート
b」、終端回路152が接続されたテストポートを「テ
ストポートc」とした。
【0187】利用者によって操作部28が操作されてキ
ャリブレーション動作の開始指示がなされると(ステッ
プ200)、測定制御部24は、いずれかの測定系モー
ドに対応するようにテストセット130内の2つの切替
スイッチ32、150の接続状態を設定する(ステップ
201)。例えば、図20に示した6つの測定系モード
の中からaが選択されて切替スイッチ32、150の接
続状態が切り替えられ、信号源12および受信回路14
がテストポート44に、受信回路16がテストポート4
6に、終端回路152がテストポート48にそれぞれ接
続される。
【0188】(a)誤差要因Exの取得 次に、測定制御部24は、この状態でテストポート44
を開放して(ステップ202)、信号源12から所定周
波数の信号を発生させて、テストポート46に接続され
ている受信回路16の受信電圧を測定する(ステップ2
03)。被測定デバイス40が接続されていない状態で
は、テストポート46に入力される信号がないため、受
信回路16では、テストセット130内を通って信号源
12から入力される信号成分としての誤差要因Exのみ
が受信される。したがって、このステップ203におけ
る誤差要因Exを直接的に取得することができる。
【0189】(b)誤差要因Ed、Es、Erの取得 次に、テストポート44に対応する3つの誤差要因E
d、Es、Erの取得が行われる。一般に、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erの具体的な値を求めるに
は、テストポート44に対して3つ以上(例えば3つ)
の異なる接続条件を設定し、それぞれの接続条件の下で
信号源12から所定の信号を出力し、このとき受信回路
14による受信電圧を測定することにより、これら3つ
の誤差要因Ed、Es、Erが含まれる3つ以上の式を
得ることができる。したがって、これらの式を連立させ
て解くことにより、3つの誤差要因Ed、Es、Erの
それぞれの値を求めることができる。例えば、テストポ
ート44における信号の反射係数をS11とすると、受
信回路14による受信電圧R11は、3つの誤差要因E
d、Es、Erを用いて表すと、 R11=Ed+ErS11/(1−EsS11) …(1) となる。また、以下では例えば3つの異なる接続条件と
して、(1)テストポート44を開放する場合、(2)
テストポート44を短絡(ショート)する場合、(3)
テストポート44にSパラメータの規格化インピーダン
スと同じ抵抗値(例えば50Ω)を有する基準器を接続
する場合を考えるものとする。
【0190】まず、測定制御部24は、上述したステッ
プ202において設定されたテストポート44の開放状
態を維持しながら、信号源12が接続されたテストポー
ト44に対応する受信回路14の受信電圧R11を測定
する(ステップ204)。テストポート44を開放した
場合には同相の信号が反射されるため、反射係数S11
が1であり、これを上述した(1)式に代入することに
より、 R11=Ed+Er/(1−Es) …(2) が得られる。
【0191】また、測定制御部24は、テストポート4
4を短絡(ショート)した後に(ステップ205)、受
信回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ20
6)。テストポート44を短絡した場合には位相が反転
した信号が反射されるため、反射係数S11が−1であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed−Er/(1+Es) …(3) が得られる。
【0192】さらに、測定制御部24は、テストポート
44に基準器を接続した後に(ステップ207)、受信
回路14の受信電圧R11を測定する(ステップ20
8)。テストポート44に理想的な基準器を接続した場
合には反射が生じないため、反射係数S11=0であ
り、これを上述した(1)式に代入することにより、 R11=Ed …(4) が得られる。
【0193】このように、テストポート44を3つの状
態(開放、短絡、基準器接続)に設定し、それぞれの状
態で受信回路14の受信電圧を測定することにより、3
つの誤差要因Ed、Es、Erを含む3つの式(2)、
(3)、(4)を得ることができる。したがって、測定
制御部24は、これら3つの式を連立方程式として解く
ことにより、それぞれの誤差要因の具体的な値を取得す
る(ステップ209)。
【0194】(c)誤差要因Et、Elの取得 次に、テストポート46に対応する2つの誤差要因E
t、Elの取得が行われる。テストポート44とテスト
ポート46を理想的に直結したスルーの状態では、テス
トポート44、46における反射係数が0であり、テス
トポート44からテストポート46に向かう透過係数と
テストポート46からテストポート44に向かう透過係
数がともに1となる。したがって、このような状態にお
いて信号源12から所定の信号を出力したときの受信回
路14、16の受信電圧R11、R21は、 R11=Ed+ErEl/(1−EsEl) …(5) R21=Et/(1−EsEl) …(6) となる。これらの式に含まれるEd、Er、Esは、上
述したステップ209において既に取得されているた
め、(5)式を用いてElが求まり、さらに(6)式を
用いることによりEtが求まる。
【0195】まず、測定制御部24は、テストポート4
4とテストポート46を直結した後に(ステップ21
0)、受信回路14の受信電圧R11と、受信回路16
の受信電圧R21を測定する(ステップ211)。測定
制御部24は、これらの測定結果(R11、R21)と
上述したステップ209による取得結果(Ed、Er、
Es)を(5)式および(6)式に代入することによ
り、テストポート46に対応する2つの誤差要因Et、
Elを取得する(ステップ212)。
【0196】(d)誤差要因Ezの取得 次に、テストポート48に対応する誤差要因Ezの取得
が行われる。テストポート44とテストポート48を理
想的に直結したスルーの状態では、テストポート44、
48における反射係数が0であり、テストポート44か
らテストポート48に向かう透過係数とテストポート4
8からテストポート44に向かう透過係数がともに1と
なる。したがって、このような状態において信号源12
から所定の信号を出力したときの受信器14の受信電圧
R11は、 R11=Ed+ErEz/(1−EsEz) …(7) となる。この式に含まれる誤差要素Ed、Er、Es
は、上述したステップ209において既に取得されてい
るため、(7)式を用いてEzを取得することができ
る。
【0197】具体的には、測定制御部24は、テストポ
ート44とテストポート48を直結した後に(ステップ
213)、受信器14の受信電圧R11を測定する(ス
テップ214)。測定制御部24は、この測定結果R1
1と上述したステップ209による取得結果(Ed、E
r、Es)を(7)式に代入することにより、テストポ
ート48に対応する誤差要因Ezを取得する(ステップ
215)。
【0198】このようにして、いずれかの測定系モード
(上述した説明では測定系モードa)について各種の誤
差要因を取得した後、測定制御部24は、誤差要因の取
得が終了していない他の測定系モードがあるか否かを判
定する(ステップ216)。例えば測定系モードaのみ
について各種の誤差要因の取得が終了した場合には、他
に誤差要因の取得が終了していない測定系モードb〜f
があるため、ステップ216で肯定判断され、測定制御
部24は、次に誤差要因の取得対象となるいずれかの測
定系モードに対応するようにテストセット130内の切
替スイッチ32、150の接続状態を設定し(ステップ
201)、上述した各種の誤差要因の取得が繰り返され
る。このようにして、他の測定系モードb〜fについて
各種の誤差要因の取得が終了すると、ステップ216に
おいて否定判断がなされ、一連のキャリブレーション動
作が終了する。
【0199】このように、本実施形態の計測器では、信
号源12と受信回路14をテストポート44に、受信回
路16をテストポート46に、終端回路152をテスト
ポート48にそれぞれ接続することにより、測定系モー
ドaに対応する7種類の誤差要因Ex、Ed、Es、E
r、Et、El、Ezの取得が行われる。したがって、
Sパラメータ測定を実施する場合に、測定制御部24
は、3ポートテストセット130の3つのテストポート
44、46、48に実際に被測定デバイス40を接続し
た状態において、信号源12から所定の信号を出力して
受信回路14、16の受信電圧を測定することにより、
被測定デバイス40の9つのSパラメータを含み、各種
の誤差要因の具体的な値が特定された2つの式を得るこ
とができる。また、このようにして測定系モードaにつ
いての測定が終了した後に、測定制御部24は、他の測
定系モードb〜fのそれぞれについても、同様に被測定
デバイス40の9つのSパラメータを含み、各種の誤差
要因の具体的な値が特定された2つの式を得ることがで
きる。このようにして9つのSパラメータに対して12
の式が得られるため、測定制御部24は、これらの式を
連立させて解くことにより、各Sパラメータの値を求め
ることができる。
【0200】また、このSパラメータ測定は、3ポート
テストセット130に被測定デバイス40を接続した状
態を維持しながら行うことができるため、2ポート用の
テストセットを用いる場合のように接続状態を変えなが
ら測定を実施する場合のような煩雑な手間がかからず、
操作の簡略化が可能になる。
【0201】さらに、本実施形態の計測器では、3ポー
トテストセット130に含まれる誤差要因が全て特定さ
れてSパラメータの測定が実施されるため、測定結果に
基づいて計算によって求められるSパラメータの値に
は、3ポートテストセット130やネットワークアナラ
イザ110に含まれる各種の誤差要因が含まれておら
ず、正確な値を求めることができる。
【0202】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態では、信号源
12が接続されたテストポートに対応する3種類の誤差
要因Ed、Es、Erを求めるために、このテストポー
トに関する3種類の接続条件(開放、短絡、基準器接
続)を設定したが、これら以外の接続条件でテストポー
トを終端するようにしてもよい。例えば、これらの各接
続条件の代わりに、このテストポートにおける反射係数
S11が既知の3種類以上の接続条件を用いることがで
きる。同様に、上述した実施形態では、信号源12が接
続されたテストポートと他のテストポートとを理想的に
直結する場合を説明したが、透過係数が1未満であっ
て、その値が既知の接続線を用いてこれらのテストポー
ト間を接続するようにしてもよい。このように、各テス
トポートについての接続条件を変更した場合には、信号
源12から出力される信号と各受信回路14等の受信電
圧との式の内容を変更する必要が生じるが、複数の式を
連立させて各誤差要因を求めることができる点に変わり
はない。但し、各テストポートの接続条件を変更した場
合には、上述した(2)〜(7)式の内容をそれぞれの
条件に従って変更する必要がある。
【0203】
【発明の効果】本発明によれば、終端ポートに接続され
た回路パラメータ測定部が終端ポートに関する回路パラ
メータを測定する。よって、終端ポートに関する回路パ
ラメータを0とみなしえなくても、複数ポートを有する
被測定物の回路パラメータを計測できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークアナラ
イザ1の構成を示したブロック図である。
【図2】回路パラメータ測定部2a、b〜nの構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるネットワークアナラ
イザ1による回路パラメータ(Sパラメータ)の演算処
理のフローチャートである。
【図4】6種類の誤差要因を測定するときの測定処理の
フローチャートである。
【図5】左端のスイッチ7aを端子5aに接続したとき
の回路構成を示す図である。
【図6】Ed1、Er1、Es1の計測時のシステム構
成を示すブロック図である。
【図7】キャリブレーションキット30の構成を示す見
取り図である。
【図8】Et21、El21の計測時のシステム構成を
示すブロック図である。
【図9】Ex21の計測時のシステム構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】従来の2ポートの被測定物のSパラメータの
測定のための回路の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の2ポートの被測定物のSパラメータの
測定のための回路の構成を示すシグナルフローグラフで
ある。
【図12】2ポートフルキャリブレーションを応用して
3以上のポートを有するDUTの回路パラメータを計測
する際の回路の構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施形態の計測器の構成を示す図であ
る。
【図14】本実施形態の3つの測定系モードの内容を示
す図である。
【図15】各テストポートに対応する測定系のシグナル
フローモデルを示す図である。
【図16】測定系モードaにおいて被測定デバイスが接
続された場合のシグナルフローグラフである。
【図17】各種の誤差要因の具体的な値を測定する本実
施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。
【図18】被測定デバイスを除く計測器内部のシグナル
フローグラフである。
【図19】第3の実施形態の計測器の構成を示す図であ
る。
【図20】本実施形態の6つの測定系モードの内容を示
す図である。
【図21】終端回路が接続されたテストポートに対応す
るシグナルフローグラフである。
【図22】測定系モードaにおいて被測定デバイスが接
続された場合のシグナルフローグラフである。
【図23】各種の誤差要因の具体的な値を取得する本実
施形態の計測器の動作手順を示す流れ図である。
【図24】被測定デバイスを除く計測器内部のシグナル
フローグラフである。
【図25】一実施形態の計測器の構成を示す図である。
【図26】図25に示した計測器を用いて3ポートデバ
イスのSパラメータ測定を行う場合の各種の設定内容を
示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワークアナライザ 2a、b〜n 測定部 6a、b〜n 接地抵抗 8a 電源ポート 8b〜n 終端ポート 8a、b〜n 接続ポート 9 電源 12 真値回路パラメータ演算部 20a、b〜n 回路パラメータ測定部 23a、b〜n 誤差要因測定部 40 被測定物(DUT) 40a 測定ポート 40a、b〜n ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2000−9417(P2000−9417) (32)優先日 平成12年1月18日(2000.1.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 我田 浩隆 東京都練馬区旭町1丁目32番1号 株式会 社アドバンテスト内 Fターム(参考) 2G028 AA01 AA02 CG15 DH05 DH11 FK01 FK07 GL03 HM07 HN10 LR02 LR07 MS02

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数ポートを有する被測定物の回路パラメ
    ータを計測するネットワークアナライザにおいて、 前記被測定物の測定対象である1つの測定ポートに接続
    され、電源が接続された電源ポートと、 前記測定ポート以外の前記被測定物のポートに接続さ
    れ、抵抗を介して接地された終端ポートと、 前記電源ポートおよび前記終端ポートのそれぞれに接続
    され、前記被測定物のポートに関する回路パラメータを
    測定する回路パラメータ測定手段と、 を備えたネットワークアナライザ。
  2. 【請求項2】前記電源ポートと前記終端ポートとを切り
    替えることができる請求項1に記載のネットワークアナ
    ライザ。
  3. 【請求項3】前記被測定物のポートに関する回路パラメ
    ータに含まれる誤差要因を測定する誤差要因測定手段
    と、 前記被測定物のポートに関する回路パラメータから前記
    誤差要因を除去して前記被測定物のポートに関する真の
    回路パラメータを演算する真値回路パラメータ測定手段
    と、 を備えた請求項1に記載のネットワークアナライザ。
  4. 【請求項4】前記真値回路パラメータ測定手段は、アイ
    ソレーション誤差要因を0として、前記被測定物のポー
    トに関する回路パラメータから前記誤差要因を除去して
    前記被測定物のポートに関する真の回路パラメータを演
    算する、請求項3に記載のネットワークアナライザ。
  5. 【請求項5】複数ポートを有する被測定物の回路パラメ
    ータを計測し、電源ポートと終端ポートとを有するネッ
    トワークアナライザにおけるネットワーク分析方法にお
    いて、 前記電源ポートに前記被測定物の測定対象である1つの
    測定ポートと電源とを接続する電源ポート接続工程と、 前記終端ポートに前記測定ポート以外の前記被測定物の
    ポートを接続し、抵抗を介して接地する終端ポート接続
    工程と、 前記電源ポートおよび前記終端ポートのそれぞれに前記
    被測定物のポートに関する回路パラメータを測定する回
    路パラメータ測定手段を接続する回路パラメータ測定手
    段接続工程と、 を備えたネットワーク分析方法。
  6. 【請求項6】複数ポートを有する被測定物の回路パラメ
    ータを計測し、電源ポートと終端ポートとを有するネッ
    トワークアナライザにおけるネットワーク分析処理をを
    コンピュータに実行させるためのプログラムを記録した
    コンピュータによって読み取り可能な記録媒体であっ
    て、 前記電源ポートに前記被測定物の測定対象である1つの
    測定ポートと電源とを接続する電源ポート接続処理と、 前記終端ポートに前記測定ポート以外の前記被測定物の
    ポートを接続し、抵抗を介して接地する終端ポート接続
    処理と、 前記電源ポートおよび前記終端ポートのそれぞれに前記
    被測定物のポートに関する回路パラメータを測定する回
    路パラメータ測定手段を接続する回路パラメータ測定手
    段接続処理と、 をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録し
    たコンピュータによって読み取り可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】 3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得する計測
    器の校正方式において、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得手段と、 を備えることを特徴とする計測器の校正方式。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記信号源を前記3つのテストポートのいずれかに選択
    的に接続する切替スイッチをさらに備えており、この切
    替スイッチを切り替えることにより前記信号源が接続さ
    れる前記テストポートを順次切り替えて、前記信号源の
    それぞれの接続位置に対応する前記各種の誤差要因を前
    記誤差要因取得手段によって取得することを特徴とする
    計測器の校正方式。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 前記各種の誤差要因には、 前記信号源から出力されて前記3つの受信回路のそれぞ
    れに前記被測定デバイスを介さずに到達する信号成分と
    しての第1の誤差要因と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して反射される信号成分としての第2の誤差要因
    と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して前記受信回路に到達する信号成分としての第3
    の誤差要因と、 を含んでいることを特徴とする計測器の校正方式。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートとそれ以外の前記テストポートとの間を隔
    絶した状態において、前記信号源から出力された所定の
    信号を、前記信号源が接続されていない前記テストポー
    トに対応する前記受信回路によって受信することによっ
    て、前記信号源が接続されていない前記テストポートに
    対応する前記第1の誤差要因の取得を行うことを特徴と
    する計測器の校正方式。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートを3種類以上の接続条件で終端したそれぞ
    れの状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することによって、前記
    信号源が接続された前記テストポートに対応する前記第
    1、第2および第3の誤差要因が含まれる3つ以上の式
    を求め、これらの式を連立させて解くことによりこれら
    の誤差要因を取得することを特徴とする計測器の校正方
    式。
  12. 【請求項12】 請求項9において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートとそれ以外の前記テストポートとの間を所
    定の接続条件で接続した状態において、前記信号源から
    出力された所定の信号を、前記信号源が接続された前記
    テストポートとこれに接続される他の前記テストポート
    のそれぞれに対応する前記受信回路によって受信するこ
    とによって、前記信号源が接続された前記テストポート
    に接続された他の前記テストポートに対応する前記第2
    および第3の誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、
    これらの式を連立させて解くことによりこれらの誤差要
    因を取得することを特徴とする計測器の校正方式。
  13. 【請求項13】 3ポートを有する被測定デバイスのS
    パラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得する計
    測器の校正方式において、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得手段と、 を備えることを特徴とする計測器の校正方式。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記2つの受信回路、前記終端回路および前記信号源
    と、これらが接続される前記テストポートとの組み合わ
    せを切り替える切替スイッチをさらに備えており、この
    切替スイッチを切り替えることにより前記信号源、前記
    受信回路および前記終端回路のそれぞれが接続される前
    記テストポートの位置を順次切り替えて、前記信号源の
    それぞれの接続位置に対応する前記各種の誤差要因を前
    記誤差要因取得手段によって取得することを特徴とする
    計測器の校正方式。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、 前記各種の誤差要因には、 前記信号源から出力されて前記2つの受信回路のそれぞ
    れに前記被測定デバイスを介さずに到達する信号成分と
    しての第1の誤差要因と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して反射される信号成分としての第2の誤差要因
    と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して前記受信回路に到達する信号成分としての第3
    の誤差要因と、 を含んでいることを特徴とする計測器の校正方式。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記誤差要因取
    得手段は、前記信号源が接続された前記テストポートと
    それ以外の前記テストポートとの間を隔絶した状態にお
    いて、前記信号源から出力された所定の信号を、前記信
    号源が接続されていない前記テストポートに対応する前
    記受信回路によって受信することによって、前記信号源
    が接続されていない前記テストポートに対応する前記第
    1の誤差要因の取得を行うことを特徴とする計測器の校
    正方式。
  17. 【請求項17】 請求項15において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートを3種類以上の接続条件で終端したそれぞ
    れの状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することによって、前記
    信号源が接続された前記テストポートに対応する前記第
    1、第2および第3の誤差要因が含まれる3つ以上の式
    を求め、これらの式を連立させて解くことによりこれら
    の誤差要因を取得することを特徴とする計測器の校正方
    式。
  18. 【請求項18】 請求項15において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源と前記受信回路と
    が接続された前記テストポートと、前記信号源が接続さ
    れておらず前記受信回路のみが接続された前記テストポ
    ートとの間を所定の接続条件で接続した状態において、
    前記信号源から出力された所定の信号を前記2つの受信
    回路で受信することにより、前記受信回路のみが接続さ
    れた前記テストポートに対応する前記第2および第3の
    誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、これらの式を
    連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得する
    ことを特徴とする計測器の校正方式。
  19. 【請求項19】 請求項15において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源と前記受信回路と
    が接続された前記テストポートと、前記終端回路が接続
    された前記テストポートとの間を所定の接続条件で接続
    した状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することにより、前記終
    端回路が接続された前記テストポートに対応する前記第
    2の誤差要因を取得することを特徴とする計測器の校正
    方式。
  20. 【請求項20】 請求項7〜19のいずれかにおいて、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続された状態で、前記切替スイッチによる接続状態を
    順次切り替えることにより、前記被測定デバイスに対応
    するSパラメータの数以上の式を求め、これらの式の中
    から前記誤差要因取得手段によって取得された前記各種
    の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連立させ
    て解くことにより前記Sパラメータを求めるSパラメー
    タ算出手段をさらに備えることを特徴とする計測器の校
    正方式。
  21. 【請求項21】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正方法において、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得工程を備えることを特徴
    とする計測器の校正方法。
  22. 【請求項22】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正方法において、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得工程を備えることを特徴
    とする計測器の校正方法。
  23. 【請求項23】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正処理をコンピュータに実行させる
    ためのプログラムを記録したコンピュータによって読み
    取り可能な記録媒体であって、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得処理を備えることを特徴
    とする記録媒体。
  24. 【請求項24】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正処理をコンピュータに実行させる
    ためのプログラムを記録したコンピュータによって読み
    取り可能な記録媒体であって、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得処理を備えることを特徴
    とする記録媒体。
  25. 【請求項25】 3ポートを有する被測定デバイスのS
    パラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得する3
    ポートデバイス用計測器の校正方式において、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得手段と、を備えることを
    特徴とする3ポートデバイス用計測器の校正方式。
  26. 【請求項26】 請求項25において、 前記信号源を前記3つのテストポートのいずれかに選択
    的に接続する切替スイッチをさらに備えており、この切
    替スイッチを切り替えることにより前記信号源が接続さ
    れる前記テストポートを順次切り替えて、前記信号源の
    それぞれの接続位置に対応する前記各種の誤差要因を前
    記誤差要因取得手段によって取得することを特徴とする
    3ポートデバイス用計測器の校正方式。
  27. 【請求項27】 請求項25または26において、 前記各種の誤差要因には、 前記信号源から出力されて前記3つの受信回路のそれぞ
    れに前記被測定デバイスを介さずに到達する信号成分と
    しての第1の誤差要因と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して反射される信号成分としての第2の誤差要因
    と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して前記受信回路に到達する信号成分としての第3
    の誤差要因と、 を含んでいることを特徴とする3ポートデバイス用計測
    器の校正方式。
  28. 【請求項28】 請求項27において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートとそれ以外の前記テストポートとの間を隔
    絶した状態において、前記信号源から出力された所定の
    信号を、前記信号源が接続されていない前記テストポー
    トに対応する前記受信回路によって受信することによっ
    て、前記信号源が接続されていない前記テストポートに
    対応する前記第1の誤差要因の取得を行うことを特徴と
    する3ポートデバイス用計測器の校正方式。
  29. 【請求項29】 請求項27において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートを3種類以上の接続条件で終端したそれぞ
    れの状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することによって、前記
    信号源が接続された前記テストポートに対応する前記第
    1、第2および第3の誤差要因が含まれる3つ以上の式
    を求め、これらの式を連立させて解くことによりこれら
    の誤差要因を取得することを特徴とする3ポートデバイ
    ス用計測器の校正方式。
  30. 【請求項30】 請求項27において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートとそれ以外の前記テストポートとの間を所
    定の接続条件で接続した状態において、前記信号源から
    出力された所定の信号を、前記信号源が接続された前記
    テストポートとこれに接続される他の前記テストポート
    のそれぞれに対応する前記受信回路によって受信するこ
    とによって、前記信号源が接続された前記テストポート
    に接続された他の前記テストポートに対応する前記第2
    および第3の誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、
    これらの式を連立させて解くことによりこれらの誤差要
    因を取得することを特徴とする3ポートデバイス用計測
    器の校正方式。
  31. 【請求項31】 請求項25〜30のいずれかにおい
    て、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続された状態で、前記切替スイッチによる接続状態を
    順次切り替えることにより、前記被測定デバイスに対応
    するSパラメータの数以上の式を求め、これらの式の中
    から前記誤差要因取得手段によって取得された前記各種
    の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連立させ
    て解くことにより前記Sパラメータを求めるSパラメー
    タ算出手段をさらに備えることを特徴とする3ポートデ
    バイス用計測器の校正方式。
  32. 【請求項32】 3ポートを有する被測定デバイスのS
    パラメータ測定を行う3ポートデバイス用計測器におい
    て、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに選択的に接続され
    て、所定の信号を発生する信号源と、 を備えることを特徴とする3ポートデバイス用計測器。
  33. 【請求項33】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 を有する3ポートデバイス用計測器の校正方法におい
    て、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得工程を備えることを特徴
    とする3ポートデバイス用計測器の校正方法。
  34. 【請求項34】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートのそれぞれに接続される3つの
    受信回路と、 前記3つのテストポートのいずれかに接続されて、所定
    の信号を発生する信号源と、 を有する3ポートデバイス用計測器の校正処理をコンピ
    ュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピ
    ュータによって読み取り可能な記録媒体であって、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記3つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得処理を備えることを特徴
    とする記録媒体。
  35. 【請求項35】 3ポートを有する被測定デバイスのS
    パラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得する計
    測器の校正方式において、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得手段と、 を備えることを特徴とする計測器の校正方式。
  36. 【請求項36】 請求項35において、 前記2つの受信回路、前記終端回路および前記信号源
    と、これらが接続される前記テストポートとの組み合わ
    せを切り替える切替スイッチをさらに備えており、この
    切替スイッチを切り替えることにより前記信号源、前記
    受信回路および前記終端回路のそれぞれが接続される前
    記テストポートの位置を順次切り替えて、前記信号源の
    それぞれの接続位置に対応する前記各種の誤差要因を前
    記誤差要因取得手段によって取得することを特徴とする
    計測器の校正方式。
  37. 【請求項37】 請求項35または36において、 前記各種の誤差要因には、 前記信号源から出力されて前記2つの受信回路のそれぞ
    れに前記被測定デバイスを介さずに到達する信号成分と
    しての第1の誤差要因と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して反射される信号成分としての第2の誤差要因
    と、 前記被測定デバイス側から入力されて前記テストポート
    を介して前記受信回路に到達する信号成分としての第3
    の誤差要因と、 を含んでいることを特徴とする計測器の校正方式。
  38. 【請求項38】 請求項37において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートとそれ以外の前記テストポートとの間を隔
    絶した状態において、前記信号源から出力された所定の
    信号を、前記信号源が接続されていない前記テストポー
    トに対応する前記受信回路によって受信することによっ
    て、前記信号源が接続されていない前記テストポートに
    対応する前記第1の誤差要因の取得を行うことを特徴と
    する計測器の校正方式。
  39. 【請求項39】 請求項37において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源が接続された前記
    テストポートを3種類以上の接続条件で終端したそれぞ
    れの状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することによって、前記
    信号源が接続された前記テストポートに対応する前記第
    1、第2および第3の誤差要因が含まれる3つ以上の式
    を求め、これらの式を連立させて解くことによりこれら
    の誤差要因を取得することを特徴とする計測器の校正方
    式。
  40. 【請求項40】 請求項37において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源と前記受信回路と
    が接続された前記テストポートと、前記信号源が接続さ
    れておらず前記受信回路のみが接続された前記テストポ
    ートとの間を所定の接続条件で接続した状態において、
    前記信号源から出力された所定の信号を前記2つの受信
    回路で受信することにより、前記受信回路のみが接続さ
    れた前記テストポートに対応する前記第2および第3の
    誤差要因が含まれる2つ以上の式を求め、これらの式を
    連立させて解くことによりこれらの誤差要因を取得する
    ことを特徴とする計測器の校正方式。
  41. 【請求項41】 請求項37において、 前記誤差要因取得手段は、前記信号源と前記受信回路と
    が接続された前記テストポートと、前記終端回路が接続
    された前記テストポートとの間を所定の接続条件で接続
    した状態において、前記信号源から出力された所定の信
    号を、前記信号源が接続された前記テストポートに対応
    する前記受信回路によって受信することにより、前記終
    端回路が接続された前記テストポートに対応する前記第
    2の誤差要因を取得することを特徴とする計測器の校正
    方式。
  42. 【請求項42】 請求項35〜41のいずれかにおい
    て、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続された状態で、前記切替スイッチによる接続状態を
    順次切り替えることにより、前記被測定デバイスに対応
    するSパラメータの数以上の式を求め、これらの式の中
    から前記誤差要因取得手段によって取得された前記各種
    の誤差要因を取り除くとともに、これらの式を連立させ
    て解くことにより前記Sパラメータを求めるSパラメー
    タ算出手段をさらに備えることを特徴とする計測器の校
    正方式。
  43. 【請求項43】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正方法において、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得工程を備えることを特徴
    とする計測器の校正方法。
  44. 【請求項44】3ポートを有する被測定デバイスのSパ
    ラメータ測定に関連する各種の誤差要因を取得し、 前記被測定デバイスの各ポートが接続される3つのテス
    トポートと、 前記3つのテストポートの中の2つに接続される2つの
    受信回路および他の1つに接続される終端回路と、 前記受信回路が接続された前記2つのテストポートのい
    ずれかに接続されて、所定の信号を発生する信号源と、 を有する計測器の校正処理をコンピュータに実行させる
    ためのプログラムを記録したコンピュータによって読み
    取り可能な記録媒体であって、 前記3つのテストポートに対して前記被測定デバイスが
    接続されていない状態で、既知の接続条件を設定すると
    ともに、前記信号源から所定の信号を出力して、このと
    き前記2つの受信回路に入力される信号を測定すること
    により、前記信号源の接続位置に対応する前記各種の誤
    差要因を取得する誤差要因取得処理を備えることを特徴
    とする記録媒体。
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