JP2001271771A - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンのチャタリング防止と圧縮機の動力低
減とを同時に図るのに好適な気体圧縮機を提供する。 【解決手段】 背圧室19側へのオイル供給路23の途
中、たとえばリア側サイドブロック3の油穴入口21a
に可変絞り手段40を設け、可変絞り手段40は吐出圧
力Pdが高いときは、ベーン背圧が低くてもベーンのチ
ャタリングが生じ難いことを考慮し、背圧室19側への
供給オイルをきつく絞ってベーン背圧を低くし、圧縮機
の動力低減を図るものとする一方、吐出圧力が低いとき
は、ベーン背圧が低いとベーンのチャタリングが比較的
生じ易くなることを考慮し、背圧室19側への供給オイ
ルの絞りを緩めてベーン背圧を高くし、チャタリングの
発生を効果的に防止できるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーエアコンシス
テムの一部として車両に搭載される気体圧縮機に関し、
特に、ベーンのチャタリング防止と圧縮機の動力低減と
を同時に図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の気体圧縮機は、たとえば
図4に示すように、内周略楕円状のシリンダ1を有し、
このシリンダ1の両端面にはサイドブロック2、3が取
り付けられている。またシリンダ1の内側にはロータ4
が横架されており、このロータ4はその軸心のロータ軸
5とサイドブロック2、3の軸受6、7を介して回転可
能に支持されている。
【0003】図5に示すように、ロータ4の外周面側に
はスリット状のベーン溝8が複数形成されており、これ
らのベーン溝8にはベーン9がそれぞれ装着され、ベー
ン9はロータ4外周面からシリンダ1内壁に向かって出
没自在に設けられている。
【0004】シリンダ1の内側はシリンダ1内壁、サイ
ドブロック2、3内面、ロータ4外周面およびベーン9
先端側両側面によって複数の小室に仕切られており、こ
の仕切り形成された小室が圧縮室10と称され、圧縮室
10はロータ4が図中矢印ロの方向に回転することによ
り容積の大小変化を繰り返す。
【0005】圧縮室10の容積変化が生じると、その容
積増加時に、吸入室11側から圧縮室10側への低圧冷
媒ガスの吸入が行われるとともに、圧縮室10の容積減
少時に、圧縮室10での冷媒ガスの圧縮と、圧縮室10
から吐出室12側への高圧冷媒ガスの吐出が行われる。
【0006】すなわち、圧縮室10の容積が最小から最
大となるまでの吸入過程では、吸入室11内の冷媒ガス
が、シリンダ1等の吸入通路13とサイドブロック2、
3の吸入口14とを介して圧縮室10側に吸入される。
そして、圧縮室10の容積が最大付近になると、圧縮室
10が吸入口14から離れて密閉空間となり、この密閉
された圧縮室10内に低圧冷媒ガスが閉じ込められる。
その後、圧縮室10の容積が最大から最小に移行する
と、その容積減少量に応じて圧縮室10内の低圧冷媒ガ
スが圧縮される。さらに、圧縮室10の容積が最小付近
になると、その圧縮された高圧冷媒ガスの圧力によっ
て、シリンダ1の吐出孔15に取り付けられているリー
ドバルブ16が開き、かつ圧縮室10内の高圧冷媒ガス
が吐出孔15からシリンダ1外周面側の吐出チャンバ1
7に流出する。
【0007】吐出チャンバ17内に流入した高圧冷媒ガ
スは、さらに、リア側サイドブロック3の吐出通路(図
示省略)を通過した後、同サイドブロック3に取り付け
られている油分離器18を通って吐出室12内に吐出す
る。
【0008】吐出室12の底部にはオイル溜まり20が
設けられており、このオイル溜まり20のオイルには吐
出室12内に吐出した高圧冷媒ガスの圧力Pd(以下
「吐出圧力」という。)が作用している。この吐出圧力
Pdの作用するオイル溜まり20のオイルは、サイドブ
ロック2、3とシリンダ1に穿孔されている油穴21、
軸受6、7隙間、およびサイドブロック2、3のシリン
ダ対向面側に形成されているサライ溝22、22をその
順に通過して、ベーン9底部の背圧室19に供給され
る。
【0009】以上のように、図4に示した気体圧縮機に
おいては、吐出圧力Pdの作用するオイル溜まり20の
オイルを、軸受6、7隙間で減圧して背圧室19側へ供
給することにより、ベーン9をシリンダ1内壁に向かっ
て押し付けようとする力、すなわちベーン背圧を得てい
るが、この種のベーン背圧が高すぎると、ベーン9先端
やこれが摺接するシリンダ1内壁の摩耗、および圧縮機
の動力ロスの増大等が生じることから、同図の気体圧縮
機では、図示は省略するが、ベーン背圧を低下させるこ
とを目的とし、リア側サイドブロック3の油穴入口20
aに固定の絞りを設けることが考えられる。
【0010】しかしながら、上記のような固定の絞りを
設けると、ベーン背圧の低下によって、圧縮機動力の低
減は図れるが、これと同時にベーン9のチャタリング発
生限界(以下「チャタ限界」という。)が悪化し、固定
の絞りのないものに比べてベーン9のチャタリングが生
じ易くなってしまうという問題がある。これは、圧縮室
10の容積が最小付近となって圧縮室10から冷媒ガス
を吐出する直前に、ベーン背圧が不足することによるも
のである。つまり、冷媒ガス吐出直前の段階に到達する
と、圧縮室10の圧力が最大になり、この大きな圧力が
圧縮室10の前後壁10a、10bを形成しているベー
ン9先端に加わり、当該ベーン9がベーン溝8底部側へ
大きな力で押し戻されようとする。これがベーン9のチ
ャタリング発生原因となるため、冷媒ガス吐出直前の段
階においては、冷媒ガスの吸入過程や圧縮初期、中期等
の段階よりも特に高いベーン背圧が必要となるが、従来
の気体圧縮機によると、そのように高いベーン背圧を必
要とするときにも、固定の絞りによりベーン背圧を低下
させてしまうため、ベーン背圧の不足によるチャタリン
グ、すなわち、ベーン9がシリンダ1の吐出口15付近
で瞬間的に沈み跳び上がってシリンダ1の内壁に衝突す
るという現象が生じ易くなると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、ベーンのチャタリング防止と圧縮機の動力低減とを
同時に図るのに好適な気体圧縮機を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内周略楕円状のシリンダと、上記シリン
ダの両端面に取り付けられたサイドブロックと、上記シ
リンダの内側に回転可能に横架されたロータと、上記ロ
ータの外周面から上記シリンダの内壁に向かって出没自
在に設けられた複数のベーンと、上記ベーンの底部にベ
ーン背圧を作用させる背圧室と、上記シリンダ、サイド
ブロック、ロータおよびベーンによって仕切り形成され
る圧縮室とを備え、上記ロータの回転により上記圧縮室
の容積が大小変化を繰り返し、この圧縮室の容積変化に
より、吸気室側から圧縮室側への冷媒ガスの吸入、圧縮
室での冷媒ガスの圧縮、および圧縮室から吐出室側への
冷媒ガスの吐出を行うとともに、その吐出圧力の作用す
るオイルを上記背圧室側へ供給してベーン背圧を得る構
造の気体圧縮機において、上記背圧室側へのオイル供給
路に、上記冷媒ガスの吐出圧力に基づき絞りの強弱が変
化する可変絞り手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明は、上記可変絞り手段は、冷媒ガス
の吐出圧力が高いときに、きつい絞りとなり、かつ、冷
媒ガスの吐出圧力が低いときに、緩い絞りとなることを
特徴とするものである。
【0014】本発明は、上記可変絞り手段は、冷媒ガス
の吐出圧力に基づき伸縮動作するベローズと、このベロ
ーズの可動端に取り付けられたスプール弁とを備えてな
るとともに、上記ベローズの伸縮動作によりスプール弁
がスライドして弁開度が大小変化する構造であることを
特徴とするものである。
【0015】本発明では、吐出圧力が高いときは、ベー
ン背圧を下げてもベーンのチャタリングが生じ難いこと
を考慮し、背圧室側への供給オイルをきつく絞ってベー
ン背圧を従来より低く設定することができ、また、吐出
圧力が低いときは、ベーン背圧を下げるとベーンのチャ
タリングが比較的生じ易くなることを考慮し、背圧室側
への供給オイルの絞りを緩めてベーン背圧を高く設定す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気体圧縮機の
実施形態について図1および図2を基に詳細に説明す
る。
【0017】なお、本実施形態の気体圧縮機の基本的な
構成、たとえば従来例の図4および図5を用いて説明す
ると、気体圧縮機が内周略楕円状のシリンダ1を有し、
シリンダ1の両端面にはサイドブロック2、3が取り付
けられ、またシリンダ1の内側にはロータ4が回転可能
に横架されていること、ロータ4の外周面からはシリン
ダ1内壁に向って複数のベーン9が出没可能に設けられ
ていること、圧縮室10の容積がロータ4の回転により
大小変化すると、この容積変化により吸入室11側から
吸気通路13、吸入口14を介して圧縮室10側への低
圧冷媒ガスの吸入と、圧縮室10での冷媒ガスの圧縮、
圧縮室10から吐出孔15等を通じて吐出室12側への
冷媒ガスの吐出が行われること等は従来と同様なため、
同一部材には同一符号を付し、その詳細説明は省略す
る。
【0018】図1は本発明に係る気体圧縮機の要部の一
実施形態を示したものである。本実施形態の気体圧縮機
にあっても吐出室12の底部にオイル溜まり20を有
し、このようなオイル溜まり20のオイルには高圧冷媒
ガスの吐出圧力Pdが作用しており、また、その吐出圧
力Pdの作用するオイル溜まり20のオイルは最終的に
ベーン9底部の背圧室19側へ供給される。
【0019】上記のような背圧室19側へのオイル供給
路23は、従来同様、サイドブロック2、3とシリンダ
1の油穴21、軸受6、7隙間およびサイドブロック
2、3のサライ溝22、22からなるが、本実施形態の
気体圧縮機においては、そのような背圧室19側へのオ
イル供給路23の途中、具体的にはリア側サイドブロッ
ク3の油穴入口21aに可変絞り手段40を設けてい
る。
【0020】可変絞り手段40は、バルブハウジング4
1内部にスプール弁42とベローズ43を備えており、
スプール弁42は、バルブハウジング41の内部の流路
44(以下、「ハウジング内部流路」という。)と交差
するように設置されている。
【0021】スプール弁42の胴体腹部には、これを一
部切り欠いてくびれ通路42aが形成されており、この
くびれ通路42aとハウジング内部流路44との相対的
な位置ずれ関係によって、スプール弁42の弁開度が決
定される。
【0022】ベローズ43は、ハウジング内部流路44
の途中に設けたベローズ収納室45に収納されており、
このベローズ43の可動端43aに上記スプール弁42
の一端が取り付け固定されている。
【0023】なお、ハウジング内部流路44の入口側は
オイル溜まり20に開口し、該ハウジング内部流路44
の出口側はリア側サイドブロック3の油穴入口21aに
接続されている。
【0024】したがって、吐出圧力Pdが作用するオイ
ル溜まり20のオイルは、ハウジング内部流路44の入
口からハウジング内部流路44に流入するとともに、ハ
ウジング内部流路44の途中にあるベローズ収納室45
にも供給され、ベローズ43の伸縮駆動源となる。つま
り、ベローズ43は冷媒ガスの吐出圧力Pdに基づき伸
縮動作できるように構成されている。
【0025】上記のような構成の可変絞り手段40は、
冷媒ガスの吐出圧力Pdの変動に基づき絞りの強弱が変
化する構造を採用したものである。
【0026】すなわち、図2(b)は冷媒ガスの吐出圧
力Pdが比較的高いときの可変絞り手段40の動作状態
を示したものであるが、この図(b)に示したように、
吐出圧力Pdが高い場合においては、オイル溜まり20
のオイル圧も高くなり、この高圧(Pd)のオイルに
よりベローズ43が縮むとともに、ベローズ収縮方向に
スプール弁42がスライドして、スプール弁42の弁開
度が小さくなるように設定される。この場合、スプール
弁42のくびれ通路42aはハウジング内部流路44か
ら完全に離れ、スプール弁42の先端によりハウジング
内部流路44は閉じられ、オイルは軸すきまを通ること
になる。そのため、ハウジング内部流路44を通過して
リア側サイドブロック3の油穴21側へ圧送されるオイ
ルの量が少なくなる。これは、冷媒ガスの吐出圧力Pd
が高くなったときに、きつい(強い)絞りが背圧室19
側へのオイル供給路23に形成されることを意味する。
【0027】図2(b)に示した状態から冷媒ガスの吐
出圧力Pdが低下すると、オイル溜まり20のオイル圧
も低く(Pd)なることから、同図(c)に示したよ
うに、ベローズ43が伸びるとともに、ベローズ伸長方
向にスプール弁42がスライドして、スプール弁42の
弁開度が大きくなるように設定される。この場合、スプ
ール弁42のくびれ通路42aとハウジング内部流路4
4が連通し、ハウジング内部流路44を通過してリア側
サイドブロック3の油穴21側へ圧送されるオイルの量
が増す。これは、冷媒ガスの吐出圧力Pdが低くなった
ときに、緩い(弱い)絞りが背圧室19側へのオイル供
給路23に形成されることを意味する。
【0028】次に上記の如く構成された気体圧縮機の動
作について図1および図2を基に説明する。
【0029】本実施形態の気体圧縮機はカーエアコンシ
ステムの一部として車両に搭載することができ、このよ
うな使用形態の場合、気体圧縮機の運転動作は車両のエ
ンジンを動力源としてロータ4を回転させるものとなる
ことから、車両の高速運転時等においては、気体圧縮機
におけるロータ4の回転数も上昇し、これに伴い単位時
間当たりの高圧冷媒ガスの吐出量が増えて、冷媒ガスの
吐出圧力Pdが上昇することは従来と同様である。
【0030】図3は実車の圧力分布調査とチャタ限界と
の関係を示したものであり、図中A〜G領域はいずれも
実車圧力分布であるが、このうち、A領域は外気温40
℃の場合、B領域は外気温35℃の場合、C領域は外気
温30℃の場合、D領域は外気温25℃の場合、E領域
は外気温20℃の場合、F領域は外気温15℃の場合、
G領域は外気温10℃の場合における、ぞれぞれの実車
圧力分布を示したものである。また、図中実線〜は
いずれもチャタ限界線であるが、このうち、実線は絞
り径がφ2.6mmの場合(従来品に相当)、実線は
絞り径がφ0.7mmの場合、実線は絞り径がφ0.
5mmの場合、実線は絞り径がφ0.3mmの場合に
おける、それぞれのチャタ限界線を示したものである。
チャタ限界線は、これを境に右側の領域ではチャタリン
グが発生し易く、左側の領域ではチャタリングが生じ難
くいことを意味する。
【0031】図3から分かるように、冷媒ガスの吐出圧
力Pdが高くなるときはチャタ限界に余裕があり、ベー
ン背圧を低く設定してもベーン9のチャタリングは発生
し難い。したがって、冷媒ガスの吐出圧力Pdが高いと
きは、それが低いときと同等のベーン背圧を加える必要
はなく、むしろ圧縮機の動力低減のため、ベーン背圧を
低く設定するのが好ましい。この点、本実施形態の気体
圧縮機では、吐出圧力Pdが高くなるとベーン背圧が自
動的に低く設定される。
【0032】すなわち、本実施形態の気体圧縮機におい
ては、冷媒ガスの吐出圧力Pdが高くなると、その圧力
変動に基づき可変絞り手段40のベローズ43が自動的
に縮み、スプール弁42の弁開度が小さくなり、きつい
絞りが背圧室19側へのオイル供給路23の途中、具体
的にはリア側サイドブロック3の油穴入口21aに形成
される。このため、オイル溜まり20のオイルは、油穴
入口21a付近において、きつく絞られ減圧された後、
油穴21、軸受6、7隙間、およびサライ溝22、22
を経て背圧室19側へ供給されるから、比較的低いベー
ン背圧が得られる。したがって、吐出圧力Pdが高いと
きに、従来品のように比較的高いベーン背圧がベーン9
に作用することがなく、従来品に比べて圧縮機の動力低
減を図れる。なお、この動作例は、吐出圧力Pdが高い
場合であるので、ベーン背圧が低下しても、上述の通り
ベーン9のチャタリングは発生し難く、チャタリングの
問題は生じない。
【0033】上記動作例とは逆に、冷媒ガスの吐出圧力
Pdが低くなると、その圧力変動に基づき可変絞り手段
40のベローズ43が伸長し、これによりスプール弁4
2の弁開度が大きくなり、緩い絞りがリア側サイドブロ
ック3の油穴入口21aに形成される。このため、オイ
ル溜まり20のオイルは、油穴入口21a付近において
余り絞られないまま、油穴21、軸受6、7隙間および
サライ溝22、22を経て背圧室19側へ供給されるか
ら、比較的高いベーン背圧が得られる。この動作例は、
吐出圧力Pdが低い場合であるので、ベーン背圧が低い
状態のままではベーン9のチャタリングが発生し易くな
ることから、吐出圧力Pdが低いときはベーン背圧を従
来と略同じ圧力まで高めることにより、チャタリングの
発生を積極的に防止することとしたものである。
【0034】なお、上記実施形態では油穴入口21aに
可変絞り手段40を設けたが、可変絞り手段40は、背
圧室側へのオイル供給路23の途中に適宜設置すること
ができ、その設置場所は油穴入口21aに限定されな
い。また、絞りも開閉の2種だけでなく、連続的に変化
するように設定することも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明にあっては、上記の如く、背圧室
側へのオイル供給路に、冷媒ガスの吐出圧力変動に基づ
き絞りの強弱が変化する可変絞り手段を設けたものであ
る。このため、吐出圧力が高いときは、ベーン背圧が低
くてもベーンのチャタリングが生じ難いことを考慮し、
背圧室側への供給オイルをきつく絞ってベーン背圧を低
く設定することで、圧縮機の動力低減を図ることがで
き、また、吐出圧力が低いときは、ベーン背圧が低いと
ベーンのチャタリングが比較的生じ易くなることを考慮
し、背圧室側への供給オイルの絞りを緩めてベーン背圧
を高く設定することで、チャタリングの発生を効果的に
防止できるから、ベーン摩耗や圧縮機動力の低減とベー
ンのチャタリング防止とを同時に図るのに好適な気体圧
縮機を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体圧縮機の一実施形態の要部説
明図。
【図2】図1に示した本発明の要部の動作説明図。
【図3】実車の圧力分布調査とチャタ限界との関係の説
明図。
【図4】従来の気体圧縮機の断面図。
【図5】図4のC−C線断面図。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 フロント側のサイドブロック 3 リア側のサイドブロック 4 ロータ 5 ロータ軸 6、7 軸受 8 ベーン溝 9 ベーン 10 圧縮室 11 吸入室 12 吐出室 13 吸入通路 14 吸入口 15 吐出孔 16 リードバルブ 17 吐出チャンバ 18 油分離器 19 背圧室 20 オイル溜まり 21 油穴 21a 油穴入口 22 サライ溝 23 オイル供給路 40 可変絞り手段 41 バルブハウジング 42 スプール弁 42a くびれ通路 43 ベローズ 43a ベローズの可動端 44 ハウジング内部流路 45 ベローズ収納室 Pd 吐出圧力

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周略楕円状のシリンダと、上記シリン
    ダの両端面に取り付けられたサイドブロックと、上記シ
    リンダの内側に回転可能に横架されたロータと、上記ロ
    ータの外周面から上記シリンダの内壁に向かって出没自
    在に設けられた複数のベーンと、上記ベーンの底部にベ
    ーン背圧を作用させる背圧室と、上記シリンダ、サイド
    ブロック、ロータおよびベーンによって仕切り形成され
    る圧縮室とを備え、 上記ロータの回転により上記圧縮室の容積が大小変化を
    繰り返し、この圧縮室の容積変化により、吸気室側から
    圧縮室側への冷媒ガスの吸入、圧縮室での冷媒ガスの圧
    縮、および圧縮室から吐出室側への冷媒ガスの吐出を行
    うとともに、その吐出圧力の作用するオイルを上記背圧
    室側へ供給してベーン背圧を得る構造の気体圧縮機にお
    いて、 上記背圧室側へのオイル供給路に、上記冷媒ガスの吐出
    圧力に基づき絞りの強弱が変化する可変絞り手段を設け
    たことを特徴とする気体圧縮機。
  2. 【請求項2】 上記可変絞り手段は、冷媒ガスの吐出圧
    力が高いときに、きつい絞りとなり、かつ、冷媒ガスの
    吐出圧力が低いときに、緩い絞りとなることを特徴とす
    る請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 【請求項3】 上記可変絞り手段は、冷媒ガスの吐出圧
    力に基づき伸縮動作するベローズと、このベローズの可
    動端に取り付けられたスプール弁とを備えてなるととも
    に、上記ベローズの伸縮動作によりスプール弁がスライ
    ドして弁開度が大小変化する構造であることを特徴とす
    る請求項1に記載の気体圧縮機。
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