JP2001271768A - スクロールコンプレッサ - Google Patents

スクロールコンプレッサ

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JP2001271768A
JP2001271768A JP2000084535A JP2000084535A JP2001271768A JP 2001271768 A JP2001271768 A JP 2001271768A JP 2000084535 A JP2000084535 A JP 2000084535A JP 2000084535 A JP2000084535 A JP 2000084535A JP 2001271768 A JP2001271768 A JP 2001271768A
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chamber
discharge
port
scroll
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JP2000084535A
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English (en)
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Koyo Kitagawa
幸洋 北川
Junichi Oba
純一 大場
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロールコンプレッサの吐出側の部分やイ
ンジェクションガス導入部分等の構造を簡略化して部品
点数を削減することでコストダウンを可能にし、かつ、
これらの部分のシール性を確保し易い構造を提供する。 【解決手段】 スクロール圧縮部20の固定スクロール
22の鏡板22aに吐出ポート38及びインジェクショ
ンポート39が設けられるとともに、固定スクロールの
外側部に取付けられたカバー40に、吐出ポート38に
通じる吐出室41とインジェクションポート39に通じ
るインジェクション用小室43とが互いに独立に形成さ
れている。吐出ポート38に対する逆止弁51が吐出室
41内で固定スクロール38に取付けられ、インジェク
ションポート39に対する逆止弁53がインジェクショ
ン用小室43に設けられている。また、吐出用管路接続
部42とインジェクション用管路接続部44とがカバー
40の外面部に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置等に用い
られるスクロールコンプレッサに関するものであり、と
くに運転性能向上等のためガスインジェクションを行う
ようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平11−107949
号公報に示されるように、旋回スクロールと固定スクロ
ールとにより圧縮室を形成し、低圧冷媒が吸込用管路
(ガス吸込管)及び吸込ポート(吸込口)を介して圧縮
室に導入され、圧縮後の高圧冷媒が吐出ポート(吐出
口)及び吐出室(吐出口に通じる空間)等を介して送り
出されるように構成するとともに、外部からインジェク
ションガスが圧縮室内に導入されるようにしたスクロー
ルコンプレッサが知られている。
【0003】この構造をより詳しく説明すると、上記公
報に示されたスクロールコンプレッサは横向き設置型で
あって、スクロール軸が略水平に配置された旋回スクロ
ールとこれに対応するように配置された固定スクロール
とでスクロール圧縮部が構成され、上記両スクロール間
に圧縮室が形成されており、旋回スクロールが旋回する
ことにより、圧縮室の外周部に導入したガスを内周側に
移動させながら圧縮し、圧縮後のガスを圧縮室の中心部
から吐出するようになっている。
【0004】そして、上記固定スクロールの鏡板に吸込
ポート(吸込口)、吐出ポート(吐出口)及びインジェ
クションポートが形成され、吸込ポートに吸込管が接続
されるとともに、固定スクロールの鏡板の外側部にはマ
フラーで覆われた吐出側空間が形成され、この吐出側空
間と吐出ポートとが逆止弁を介して連通し、かつ、この
吐出側空間とマフラーの外側の空間とがマフラーに形成
された穴を介して連通しており、圧縮室から吐出された
ガスが上記吐出側空間、マフラーの穴、マフラーの外側
の空間、この空間に通じる通路等を介し、吐出管に送り
出されるようになっている。
【0005】また、上記吐出側空間の内部には固定スク
ロールの鏡板に固着されたブロックが配置され、このブ
ロックにインジェクションパイプが接続される貫通孔が
形成されるとともに、この貫通孔とインジェクションポ
ートとを連通する小室(逆止弁室)が固定スクロールの
鏡板に形成され、この小室に逆止弁が配置されている。
そして、インジェクションパイプを介して導かれるイン
ジェクションガスが上記ブロックの貫通孔、逆止弁及び
インジェクションポートを介して圧縮室に送り込まれる
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示されるよ
うな構造によると、固定スクロールの鏡板の外側方にマ
フラーで覆われた吐出側空間が形成されるとともに、こ
の空間の内部において固定スクロールの鏡板にブロック
が取付けられた部分により、インジェクションパイプが
接続される貫通孔及びこれに通じる逆止弁配置用の小室
が設けられているため、吐出側の空間等を構成する部分
やインジェクションガスを導入する部分の構造が複雑で
部品点数が多くなり、コストアップを招き易い。
【0007】また、上記ブロックは吐出側空間内に配置
され、インジェクションパイプはコンプレッサの容器外
壁及びマフラーを貫通した状態で上記ブロックに接続さ
れるようになっているので、吐出ガスが外部に漏れたり
インジェクションガスが吐出側空間に漏れたりすること
を避けるには、インジェクションパイプが容器外壁を貫
通する部分、ブロックに対するインジェクションパイプ
接続部分、及び固定スクロールの鏡板に対するブロック
接合部分の各箇所でのシール性を確保することが要求さ
れる。しかし、容器及び固定スクロールに対するブロッ
クやインジェクションパイプの位置関係が厳密に正しく
保たれないと、シール性が損なわれるといった問題もあ
った。
【0008】本発明はこのような事情に鑑み、スクロー
ルコンプレッサの吐出側の部分やインジェクションガス
導入部分等の構造を簡略化して部品点数を削減すること
でコストダウンを可能にし、かつ、これらの部分のシー
ル性を確保し易い構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定スクロー
ルと旋回スクロールとの間に圧縮室を形成するととも
に、該圧縮室に対し、低圧ガスを導入する吸込ポート
と、圧縮後の高圧ガスを吐出する吐出ポートと、インジ
ェクションガスを導入するインジェクションポートとを
配設したスクロールコンプレッサにおいて、上記固定ス
クロールの鏡板に吐出ポート及びインジェクションポー
トを設けるとともに、固定スクロールの外側部にカバー
を取付け、このカバーに、上記吐出ポートに通じる吐出
室と上記インジェクションポートに通じるインジェクシ
ョン用小室とを互いに独立に形成し、吐出ポートに対す
る逆止弁を吐出室内で固定スクロールに取付け、インジ
ェクションポートに対する逆止弁をインジェクション用
小室に設けるとともに、吐出室に通じる吐出用管路接続
部とインジェクション用小室に通じるインジェクション
用管路接続部とを上記カバーの外面部に設けたものであ
る。
【0010】この構成によると、吐出用管路及びインジ
ェクション用管路がそれぞれカバーの外面側で吐出用管
路接続部及びインジェクション用管路接続部に接続され
て、管路がカバーやケーシングの壁を貫通することがな
く、かつ、吐出室とインジェクション用小室とが互いに
独立に形成され、つまり両者が互いに隔絶されて、両者
の間にシール部を必要としない。従って、吐出用管路接
続部及びインジェクション用管路接続部のシール及び固
定スクロールの鏡板との間のシールさえ行えばガス漏れ
が確実に防止され、シール不良を招く要因が少なくな
る。
【0011】しかも、吐出室及びこれに通じる吐出用管
路接続部とインジェクション用小室及びこれに通じるイ
ンジェクション用管路接続部がいずれもカバーに設けら
れているため、構造が簡単になり、前述の従来構造と比
べて部品点数が少なくなる。
【0012】とくに、吐出室及び吐出用管路接続部を構
成する吐出室等構成壁と、インジェクション用小室、イ
ンジェクション用管路接続部及びこれらの間の通路を構
成するインジェクション用小室等構成壁とを含むカバー
全体を一体に成形すれば、構造の簡略化、部品点数の削
減に有利となる。
【0013】また、本発明のスクロールコンプレッサに
おいて、旋回スクロール側の外側方部に、吸込ポートを
介して圧縮室に通じる吸込室と、この吸込室に通じる吸
込用管路接続部とを設けておけば、スクロール圧縮部の
一側方に吐出室、インジェクション用小室等が配設され
るとともに他側方に吸込室等が配設されて、これら全体
がコンパクトにレイアウトされる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0015】図1は本発明のスクロールコンプレッサ1
を含む空調又は冷凍用の装置の全体概略構成を示してい
る。この図において、スクロールコンプレッサ1は、例
えばガスエンジン2により、プーリ3a,3b及びベル
ト3cからなる伝動機構3を介して駆動されるようにな
っている。このスクロールコンプレッサ1の高圧冷媒吐
出側には吐出用管路4が接続され、低圧冷媒吸込側には
吸込用管路10が接続されており、吐出用管路4と吸込
用管路10との間の冷媒回路に凝縮器5、第1減圧弁
6、気液分離器7、第2減圧弁8及び蒸発器9が配設さ
れている。また、上記気液分離器7における液相冷媒液
面7aの上方となる気相冷媒取出部分にはインジェクシ
ョン用管路11の一端が接続され、この管路11の他端
11aは、後述のようにスクロールコンプレッサ1のイ
ンジェクションポートに通じる部分に接続されている。
【0016】そして、スクロールコンプレッサ1から吐
出された高圧気相冷媒が凝縮器5で凝縮され、次いで第
1減圧弁6である程度減圧された後、気液分離器7で気
相冷媒と液相冷媒とに分離され、そのうちの液相冷媒が
第2減圧弁8でさらに減圧されてから蒸発器9に導かれ
て蒸発し、その蒸発後の気相低圧冷媒が吸込用管路10
を通ってスクロールコンプレッサ1に吸入される。ま
た、上記気液分離器7からある程度の圧力の気相冷媒が
インジェクションガスとしてインジェクション用管路1
1を通ってスクロールコンプレッサ1に送られるように
なっている。
【0017】なお、図1はスクロールコンプレッサ1を
含むヒートポンプもしくは冷凍サイクルを簡略化して示
しているが、例えば冷暖房可能な空調装置に適用する場
合は、上記凝縮器5及び蒸発器9を構成するものとして
室外熱交換器と室内熱交換器とを設けるとともに、冷媒
流通経路を切換える四方弁を組み込み、冷房時は室外熱
交換器が凝縮器、室内熱交換器が蒸発器となるように冷
媒を循環させ、暖房時は室内熱交換器が凝縮器、室外熱
交換器が蒸発器となるように冷媒を循環させる構成とす
ればよい。
【0018】図2〜図5はスクロールコンプレッサ1の
構造を示している。
【0019】これらの図に示すスクロールコンプレッサ
1は、ケーシング13と、このケーシング13内に配置
された旋回スクロール21及び固定スクロール22によ
り構成されるスクロール圧縮部20と、旋回スクロール
21を旋回させる駆動軸25と、固定スクロール22の
外側方に配置されたカバー40とを備えている。
【0020】上記ケーシング13は、旋回スクロール配
置部分の周壁を構成するメインハウジング14と、駆動
軸配置部分の外殻を構成するケース15とを備え、メイ
ンハウジング14の片側(図1で左側)にケース15が
位置し、反対側に固定スクロール22の外周壁22cが
ケーシング13の一部をなすように配置された状態で、
これらがボルト16,17,18により相互に連結され
ている。
【0021】スクロール圧縮部20の旋回スクロール2
1は、鏡板21aと、この鏡板21aから固定スクロー
ル22側へ向けて突出する渦巻体21bと、鏡板21a
の裏面から駆動軸25側へ向けて突出するスクロール軸
21cとを有し、また固定スクロール22は、鏡板22
aと、この鏡板22aから旋回スクロール21側へ向け
て突出する渦巻体22bと、ケーシング20の一部をな
す外周壁22cとを有している。両スクロール21,2
2の渦巻体21b,22bは互いに所定角度ずれて組み
合わされ、その間に一対の圧縮室23A,23Bが形成
されている。
【0022】上記スクロール圧縮部20及び駆動軸25
は横向き設置とされ、この状態で駆動軸25がケーシン
グ13に回転自在に支承されるとともに、スクロール軸
21cが駆動軸に対し偏心状態で相対回転可能に支承さ
れて、駆動軸25の回転に伴い旋回スクロール21が旋
回するようになっている。
【0023】すなわち、駆動軸25は軸部25aとその
先端に連なるスクロール軸支承用の筒部25bとを有
し、略水平方向に延びるように配置された状態で、軸部
25a及び筒部25bがケース15及びメインハウジン
グ14に連設された支持部26,27にそれぞれ軸受を
介して回転自在に支承されている。この駆動軸25の入
力側端部(図1で左側の端部)はケーシング13の外方
に突出し、その周囲にプーリ3bが設けられるととも
に、プーリ3bと駆動軸25との間に電磁クラッチ28
が組み込まれ、この電磁クラッチ28がオンとなったと
きにエンジン2(図1参照)からの動力が駆動軸25に
伝達されるようになっている。
【0024】駆動軸25の筒部25bは内周面の中心が
軸心に対して偏心した形状とされ、この筒部25bにス
クロール軸21cが軸受を介して支承されている。ま
た、旋回スクロール21の外側部における駆動軸25の
周囲にはメインハウジング14の周壁と支持部27とを
つなぐ壁部14aが位置し、この壁部14aと上記旋回
スクロール21との間にはスラストプレート31及びオ
ルダムリング32が配置されている。このオルダムリン
グ32は、自転防止機構を構成するもので、壁部14a
と旋回スクロール21との間に形成された環状のオルダ
ム室33内で揺動可能とされるとともに、旋回スクロー
ル21の自転を阻止しながら半径方向の揺動を許容する
ように、旋回スクロール21及び壁部14aに対してそ
れぞれ特定方向にスライド可能に係合している。
【0025】そして、上記駆動軸25の回転に伴い、両
スクロール21,22の渦巻体21b,22bが180
°毎に接する状態を保ちながら、旋回スクロール21が
自転することなく固定スクロール22の中心の回りを旋
回し、これにより圧縮室23A,23B内の冷媒を外周
側から内周側に移動させつつ圧縮していくようになって
いる。すなわち、渦巻体21bが図3に示される位置に
ある時、後記吸込ポート35と渦巻体21bの最外周部
の内側の空間23A0が連通し、空間23A0に冷媒が
吸込まれる。渦巻体21bが図4(a)に示される位置
を経て図4(b)の位置にくると、空間23A0が閉じ
て冷媒が圧縮室23Aに閉じ込められ、以後、圧縮室2
3Aが圧縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動す
る。
【0026】同様に、渦巻体21bが図4(a)から図
4(c)に示される位置にある時、吸込ポート35と渦
巻体21bの最外周部の外側の空間23B0が連通し、
空間23B0に冷媒が吸込まれる。渦巻体21bが図3
に示される位置にくると、空間23B0が閉じて冷媒が
圧縮室23Bに閉じ込められ、以後、圧縮室23Bが圧
縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動する。
【0027】上記旋回スクロール21の外周部には、低
圧冷媒ガスを圧縮室に導入するための吸込ポート35が
設けられている。この吸込ポート35は、旋回スクロー
ル21の外周部のうちの上方部で、鏡板21aに切欠き
21dを設けることにより形成されている。また、旋回
スクロール21の切欠き21d前方におけるケーシング
13内の上部には、上記吸込ポート35に通じる吸込室
36が形成され、この吸込室36に通じる吸込用管路接
続部37がケース15の上端部に設けられている。そし
て、吸込用管路接続部37に吸込用管路4(図1参照)
が接続されるようになっている。
【0028】一方、固定スクロール22の鏡板22aに
は、吐出ポート38とインジェクションポート39とが
設けられている。上記吐出ポート38は圧縮室の中心部
に開口する位置に設けられている。図示の例では、吐出
ポート38の出口側が分岐して2つの開口部38a,3
8bが形成されている。
【0029】インジェクションポート39は、圧縮室の
外周部と中心部との間の、中間圧力部位に開口する位置
に設けられ、図示の例では一対の圧縮室23A,23B
の各中間圧力部位にそれぞれ開口するように所定の2個
所にインジェクションポート39が設けられている。各
インジェクションポート39は、後記インジェクション
用小室43に対応する大きさで鏡板22aの外側面に開
口する円形凹部39aと、これに連通して圧縮室に開口
する2個の細穴39bとからなっている。
【0030】固定スクロール22の鏡板22aの外側方
部に配置されたカバー40には、上記吐出ポート38に
通じる吐出室41と、インジェクションポート39に通
じるインジェクション用小室43とが形成されるととも
に、吐出室41に通じる吐出用管路接続部42と、イン
ジェクション用小室43に通じるインジェクション用管
路接続部44とが、カバー40の外側面部に開口するよ
うに設けられている。このインジェクション用管路接続
部44にインジェクション用管路11の端部11aが接
続される。
【0031】具体的に説明すると、上記カバー40は、
固定スクロール22の鏡板22aの略全体を覆うように
側方から見て略円形(図5参照)で、概略断面形状とし
ては中央部が多少外方に膨出するように湾曲した形状と
され、このカバー40内に吐出室41となる空間が形成
されており、この吐出室41に通じる吐出用管路接続部
42がカバー40の上端部に設けられている。
【0032】さらにカバー40には、各インジェクショ
ンポート39に対応する2箇所においてそれぞれ内側方
(固定スクロール側)へ開口する断面円形のインジェク
ション用小室43と、この各小室43に分岐通路46を
介して連通するとともに鏡板22aと略平行にカバー4
0の周辺近傍部まで延びる通路45と、この通路45に
通じてカバー40の周辺近傍部でカバー40の外部に開
口するインジェクション用管路接続部44とを構成する
インジェクション用小室等構成壁40bが設けられてい
る。このインジェクション用小室等構成壁40bによ
り、小室43から通路45を経てインジェクション用管
路接続部44に至る部分が、吐出室41に対して独立
に、つまり吐出室41から完全に隔絶された状態に形成
されている。
【0033】そして、上記インジェクション用小室等構
成壁40bと、吐出室41及び吐出用管路接続部42を
構成する吐出室等構成壁40aとを含むカバー40全体
が一体に成形され、このカバー40がボルト47により
固定スクロール22の鏡板22aに固着されている。
【0034】上記吐出室41に対する吐出ポート38の
開口部には、高圧冷媒が吐出室側から圧縮室側へ逆流す
ることを阻止するための逆止弁であるリード弁51が設
けられ、図示の例では吐出ポート38の2つの開口部3
8a,38bに対応して2個のリード弁51が設けられ
ている。各リード弁51は、弾性的に揺動可能な先端部
が吐出ポート38の開口部を覆う状態で、基端部が鏡板
22aにボルト52で固定されている。また、上記イン
ジェクション用小室43には、圧縮室側から通路側へイ
ンジェクションガスが逆流することを防止する逆止弁5
3が装備されている。この逆止弁53は、小室43に対
する分岐通路46の開口部に設けられた弁体54と、こ
の弁体54を閉弁方向に付勢するスプリング55とを備
えている。
【0035】上記吐出用管路接続部42及びインジェク
ション用管路接続部44には、図1中に示す吐出用管路
4及びインジェクション用管路11がそれぞれ接続され
るようになっている。
【0036】なお、図2に示すスクロールコンプレッサ
1には、上記のような構成に加え、ケーシング2の下方
部にオイルパン60が一体に設けられるとともに、オイ
ルストレーナ61、オイルクリーナ62、オイルポンプ
63等を含む潤滑系が配備されており、上記オイルポン
プ63がギヤ64,65を介して駆動軸25に連動して
いる。そして、運転開始前に吸込用管路10が外され
て、露出する吸込用管路接続部37から給油されて所定
の油面L0とされた後、上記オイルポンプ63の作動に
より、オイルがオイルパン60からオイルストレーナ6
1及びオイルクリーナ62を経てオイルポンプ63に吸
い上げられ、さらに潤滑を要する各部へ供給されるよう
になっている。オイルポンプ63の作動中のオイルの油
面はL1となる。
【0037】以上のような当実施形態のスクロールコン
プレッサ1によれば、外部のエンジン2から伝達される
駆動力で駆動軸25が回転している運転状態では、低圧
の冷媒ガスが、吸込用管路10から吸込室36及び吸込
ポート35を経てスクロール圧縮部20に吸込まれる。
そして、スクロール圧縮部20では、旋回スクロール2
1の旋回により、冷媒ガスを外周側から内周側へ移動さ
せつつ、容積を縮小して圧縮する。こうして圧縮された
冷媒ガスは、吐出ポート38を通って吐出室41に送り
出され、さらに吐出用管路接続部42から吐出用管路4
へ吐出される。
【0038】また、冷媒回路の第1減圧弁6と第2減圧
弁8との間に位置する気液分離器7から取出されたイン
ジェクションガスが、インジェクション用管路11を通
ってスクロールコンプレッサ1に導かれ、カバー40に
形成されたインジェクション用管路接続部44、通路4
5、分岐通路46を通り、さらに逆止弁53を有する小
室43を経て、固定スクロール22の鏡板22aに形成
されたインジェクションポート39から圧縮室23A,
23Bへ送り込まれる。
【0039】図5(a)は図1のシステムのモリエル線
図を示し、図5(b)はモリエル線図のインジェクショ
ン部付近を拡大して示すものである。
【0040】ポイントP1は蒸発器9の出口から圧縮機
1の吸込ポート35までの冷媒に、ポイントP2はイン
ジェクションポート39が圧縮室23A,23Bに開口
する寸前の圧縮室23A,23Bの冷媒に、ポイントP
3はインジェクションポート39が圧縮室23A,23
Bに開口した状態の圧縮室23A,23Bの冷媒に、ポ
イントP4は圧縮機1の吐出室41から凝縮器5の入口
までの冷媒にそれぞれ対応する。さらに、ポイントP5
は凝縮器5の出口から第1減圧弁6の上流部までの冷媒
に、ポイントP6は第1減圧弁6の下流部から気液分離
器7の入口までの冷媒に、ポイントP7は第2減圧弁8
の上流部の冷媒に、ポイントP8は第2減圧弁8の下流
部から蒸発器9の入口までの冷媒にそれぞれ対応する。
【0041】ポイントP1からポイントP2まで圧縮さ
れると冷媒は温度、圧力、エンタルピーが増加する。こ
こで、ΔP0だけ高い圧力の冷媒をインジェクションす
ると、圧力はΔP0より若干(ΔP1)低いP2′とな
る。実際インジェクションする冷媒はポイントP9の状
態の気相冷媒であり、ポイントP2′よりエンタルピー
は小さいので、冷媒インジェクション後の圧縮室23
A,23Bの冷媒はエンタルピーが若干(Δi)小さく
なり、かつP9における温度、蒸発器9からの冷媒量に
対するインジェクションの割合によっては温度も若干
(ΔT)低下し、かつこれらにより圧力が若干(ΔP
2)低下してインジェクション後の冷媒はポイントP3
となる。ポイントP3の圧力はΔP2だけ上昇している
こと、圧縮室23A,23Bにおいてインジェクション
後圧縮する冷媒量が増加していることにより、ポイント
P4の圧力は、インジェクションしない場合の圧縮機の
吐出圧力P4′より高くなる。すなわち高圧側の圧力が
高い分、凝縮器5を通過する冷媒の温度は高くなり、凝
縮器5を通過する冷媒の量も増加する分、放熱能力が増
加する。空調装置では暖房能力が増加する。
【0042】気液分離器7を設けたので、第2減圧弁8
を通過させる前の冷媒は全て液冷媒となり、ポイントP
6からP7に状態変化する。これにより気液分離器7を
設けず第1減圧弁6、第2減圧弁8を直列にした場合
(気液分離器7相当のレシーバタンクを凝縮器5と第1
減圧弁6の間に配置することが必要)より、蒸発器9で
のエンタルピー上昇化能力すなわち吸熱能力は増加す
る。また、第2減圧弁8を通過する冷媒量を却って増加
させることができるので、これも吸熱能力の増加に寄与
する。空調装置では暖房能力のみではなく冷房能力も増
加する。
【0043】なお、圧縮機1は、少なくともインジェク
ション後の圧縮冷媒量が増加するので、所定容積当りの
能力は増加するが、その分、負荷は増加するので、圧縮
機1の回転数の低下を防止すべくガスエンジン2の不図
示のスロットル弁開度が増加されられる。
【0044】ところで、当実施形態のスクロールコンプ
レッサ1では、固定スクロール22の鏡板22aの外側
方に設けられたカバー40により、吐出室41及びこれ
に通じる吐出用管路接続部42と、インジェクション用
小室43、分岐通路46、通路45及びインジェクショ
ン用管路接続部44からなるインジェクションガス流通
部分とが互いに独立に形成され、かつ、上記吐出用管路
接続部42とインジェクション用管路接続部44とがカ
バー40の外面部に設けられているため、シール不良に
よるガス漏れの防止に有利な構造となる。
【0045】すなわち、吐出用管路4及びインジェクシ
ョン用管路11がそれぞれカバー40の外面側で吐出用
管路接続部42及びインジェクション用管路接続部44
に接続されるので、前述の特開平11−107949号
公報に示される従来構造のようにインジェクション用管
路が容器(あるいはカバー)を貫通することがなく、従
って容器貫通部分と管路接続部分との位置関係の誤差で
シール不良を招くというようなこともなく、管路接続部
分のシール性を良好に保つことができる。そして、イン
ジェクション用管路接続部44から通路45、分岐通路
46を経てインジェクション用小室43に至るまでのイ
ンジェクションガス流通部分が、インジェクション用小
室等構成壁40bにより、吐出室41に対し隔絶されて
いるため、インジェクションガス流通部分と吐出室41
との間ではシールを要する部分がなく、カバー40の吐
出室等構成壁40a及びインジェクション用小室等構成
壁40bの端面と固定スクロール22の鏡板22aとの
間でシール性を確保しておきさえすれば、ガス漏れは確
実に防止されることとなる。
【0046】また、吐出室41及び吐出用管路接続部4
2とインジェクション用小室43等のインジェクション
ガス流通部分とがカバー40に一体に形成されているた
め、前述の特開平11−107949号公報に示される
ような従来のコンプレッサと比べ、吐出ガスの流路及び
インジェクションガスの流路を構成する部分の構造が大
幅に簡略化され、使用部品点数も少なくなって、コスト
ダウンが可能となる。
【0047】さらに、上記のように吐出ガスの流路を構
成する部分(吐出室41及び吐出用管路接続部42)と
インジェクションガスの流路を構成する部分(インジェ
クション用小室43等)とがスクロール圧縮部20の一
側方(図1で右側方)に位置するカバー40に全て形成
されるとともに、吸込ガスの流路を構成する部分(吸込
室36及び吸込用管路接続部37)がスクロール圧縮部
20の他側方(図1で左側方)のケーシング13に配設
されて、これらがコンパクトにレイアウトされているた
め、スクロールコンプレッサの小型化が可能となる。
【0048】なお、本発明のスクロールコンプレッサの
具体的構造は上記実施形態に限定されず種々変更可能で
ある。
【0049】例えば、上記実施形態ではインジェクショ
ンポート39を一対の圧縮室23A,23Bに対応させ
て2個所に形成しているが、インジェクションポートを
1個所だけに形成してもよく、この場合、旋回スクロー
ル21の旋回に伴ってインジェクションポートが一方の
圧縮室に開口する状態と他方の圧縮室に開口する状態と
に切換わるようにインジェクションポートの形成箇所を
設定すればよい。
【0050】また、圧縮室に対するインジェクションガ
スの供給を特定運転時(例えば高負荷の暖房運転時等)
にのみ行うように、インジェクション用管路11に電磁
式の開閉弁を設けておいてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明のスクロールコンプ
レッサは、固定スクロールの外側部に取付けたカバー
に、吐出ポートに通じる吐出室とインジェクションポー
トに通じるインジェクション用小室とを互いに独立に形
成し、吐出室に通じる吐出用管路接続部とインジェクシ
ョン用小室に通じるインジェクション用管路接続部とを
上記カバーの外面部に設けているため、シール性を確保
し易い構造となって、シール不良によるガス漏れの防止
に有利であり、しかも、構造の簡略化、部品点数の削減
によりコストダウンが可能となる等の効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロールコンプレッサを含む空調又
は冷凍用の装置の全体構成概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスクロールコンプレ
ッサの縦断面図である。
【図3】スクロール圧縮部を示す図2中のA−A線の断
面図である。
【図4】スクロール圧縮部の動作状態説明図である。
【図5】図1に示す装置による場合のモリエル線図
(a)及びそのインジェクション部付近の拡大図(b)
である。
【図6】カバーを取り外した状態で固定スクロールの外
側方から見たスクロールコンプレッサの側面図である。
【図7】カバーの外側方から見たスクロールコンプレッ
サの側面図である。
【符号の説明】
1 スクロールコンプレッサ 4 吐出用管路 10 吸込用管路 13 ケーシング 20 スクロール圧縮部 21 旋回スクロール 22 固定スクロール 23A,23B 圧縮室 35 吸込ポート 36 吸込室 37 吸込用管路接続部 38 吐出ポート 39 インジェクションポート 40 カバー 41 吐出室 42 吐出用管路接続部 43 インジェクション用小室 44 インジェクション用管路接続部 51 リード弁 53 逆止弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールと旋回スクロールとの間
    に圧縮室を形成するとともに、該圧縮室に対し、低圧ガ
    スを導入する吸込ポートと、圧縮後の高圧ガスを吐出す
    る吐出ポートと、インジェクションガスを導入するイン
    ジェクションポートとを配設したスクロールコンプレッ
    サにおいて、上記固定スクロールの鏡板に吐出ポート及
    びインジェクションポートを設けるとともに、固定スク
    ロールの外側部にカバーを取付け、このカバーに、上記
    吐出ポートに通じる吐出室と上記インジェクションポー
    トに通じるインジェクション用小室とを互いに独立に形
    成し、吐出ポートに対する逆止弁を吐出室内で固定スク
    ロールに取付け、インジェクションポートに対する逆止
    弁をインジェクション用小室に設けるとともに、吐出室
    に通じる吐出用管路接続部とインジェクション用小室に
    通じるインジェクション用管路接続部とを上記カバーの
    外面部に設けたことを特徴とするスクロールコンプレッ
    サ。
  2. 【請求項2】 吐出室及び吐出用管路接続部を構成する
    吐出室等構成壁と、インジェクション用小室、インジェ
    クション用管路接続部及びこれらの間の通路を構成する
    インジェクション用小室等構成壁とを含むカバー全体を
    一体に成形したことを特徴とする請求項1記載のスクロ
    ールコンプレッサ。
  3. 【請求項3】 旋回スクロール側の外側方部に、吸込ポ
    ートを介して圧縮室に通じる吸込室と、この吸込室に通
    じる吸込用管路接続部とを設けたことを特徴とする請求
    項1又は2記載のスクロールコンプレッサ。
JP2000084535A 2000-03-24 2000-03-24 スクロールコンプレッサ Withdrawn JP2001271768A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023090081A1 (ja) * 2021-11-19 2023-05-25 サンデン株式会社 スクロール型圧縮機
US20230204032A1 (en) * 2020-08-20 2023-06-29 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor

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