JP2001271651A - ターボチャージャー - Google Patents

ターボチャージャー

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JP2001271651A JP2001059482A JP2001059482A JP2001271651A JP 2001271651 A JP2001271651 A JP 2001271651A JP 2001059482 A JP2001059482 A JP 2001059482A JP 2001059482 A JP2001059482 A JP 2001059482A JP 2001271651 A JP2001271651 A JP 2001271651A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃エンジンのための排気ガス駆動ターボチ
ャージャーの改良。 【解決手段】 ターボチャージャーのインペラのリング
シール14の過度の軸方向の摺動を制限するために内孔
Bの壁に肩部13が設けられている。リングシールの密
封性能を高め、かつ、摩耗速度を抑制するために、リン
グシールに少くとも1つの内向きに開口した環状溝15
が設けられているとともに、凹部17の壁に環状溝に受
容される円周方向のリブ18が設けられており、環状溝
の側面は、圧力差を受けてリブの側面との間に密封界面
を形成するようになされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、内燃エ
ンジンのための排気ガス駆動(エンジンの排気ガスによ
って駆動される)ターボチャージャーに関する。
【0002】
【発明の背景】内燃エンジンのためのターボチャージャ
ーは、一般に、エンジンの排気ガスによって駆動される
タービンセクション(以下、単に「タービン」とも称す
る)と、タービンによって駆動される給気口コンプレッ
サ(以下、単に「コンプレッサ」とも称する)とから成
る。このタービンセクションとコンプレッサセクション
とは、コンプレッサをタービンによって直接駆動するこ
とができるように共通の軸に固定することができ、軸の
軸受は、エンジン油溜めからの潤滑油で潤滑することが
できる。
【0003】このような構成では、コンプレッサセクシ
ョンの渦形室から軸受を通してエンジン油溜め内へ空気
漏れ(「ガス漏れ」と称される)が生じるおそれがある
ことは周知である。油溜め内への空気漏れがあると、油
溜めを加圧することになり、その結果としてエンジンに
悪影響を及ぼす。又、大型の工業用エンジンの場合は、
エンジンの始動前にターボチャージャー軸の軸受に潤滑
油(以下、単に「油」と称する)を注入するのが普通で
ある。軸受のための油密封が不十分であると、油がコン
プレッサのインペラの後面上へ漏入することがある。イ
ンペラが回転し始めると、コンプレッサ内へ漏入した油
がインペラの半径方向外方へ振り飛ばされてコンプレッ
サの空気と混合し、それによってエンジンの燃焼室に侵
入し、やはりエンジンに悪影響を及ぼすおそれがある。
【0004】この問題を解決する試みとして、軸受をコ
ンプレッサの渦形室から隔離するためにピストンリング
の態様の環状の金属シールが提案されている。このリン
グシールは、コンプレッサの軸を囲繞するケーシングの
内孔にすべり嵌合又は「浮動」嵌合し、コンプレッサの
インペラのハブに形成された溝内へ突入して溝の壁との
間に密封界面を形成する。
【0005】この構成は比較的小型のターボチャージャ
ーにおいては許容しうるものであるが、ブースト圧力が
高い大型ターボチャージャーに用いるには満足なもので
はない。大型ターボチャージャーではガス漏れ圧力がリ
ングシールをケーシングの内孔内で軸受の方に向けて軸
方向に押し込み、その結果、リングシールをその位置決
め溝の側面に圧接させる。これは良好な密封を設定する
のには望ましいが、時間の経過とともにリングシールを
摩耗させ、その結果としてリングシールがケーシングの
内孔内の肩部に当接しそれ以上の軸方向の移動を制限さ
れる。この時点で、溝の側面に圧接しているリングシー
ルの側面が更に摩耗すると、リングシールと溝の側面と
の間に間隙を形成し、シールの有効性を減退させてしま
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上述した空気漏れを防止するための改良されたシー
ルを備えたターボチャージャーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明の概要 上記課題を解決するために、本発明は、内燃エンジンの
ためのターボチャージャーであって、内孔を画定するケ
ーシングと、該内孔内に収容された軸受と、該内孔内で
回転するように該軸受に装着されたインペラ軸と、前記
内孔内に前記軸受に近接して配置されており、前記軸に
形成された円周方向の凹部内へ半径方向に突入した浮動
リングシールとから成り、前記リングシールは、使用
中、圧力差によって所定の軸方向に前記内孔に沿って摺
動せしめられて前記凹部の側面に圧接し該側面との間に
密封界面を形成するように該リングシールの前後間の圧
力差を受けるようになされており、該リングシールが該
凹部の側面に圧接した状態で該側面との間で相対回転す
ることにより生じた摩耗に起因する該リングシールの過
度の軸方向の摺動を制限するために前記内孔の壁に肩部
が設けられており、該リングシールの密封性能を高め、
かつ、摩耗速度を抑制するために、該リングシールに少
くとも1つの内向きに開口した環状溝が設けられている
とともに、前記凹部の壁に該環状溝に受容される円周方
向のリブが設けられており、該環状溝の側面は、前記圧
力差を受けて該対応するリブの側面との間に密封界面を
形成するようになされていることを特徴とするターボチ
ャージャーを提供する。
【0008】リングシールの側面が摩耗するにつれて、
リングシールは軸受の方に向かって移動するが、その摩
耗は環状溝の側面によって分担されるので、摩耗が生じ
る速度が遅くされる。従来技術に比べて、リングシール
と凹部の側面との間の界面と直列の関係で1つ以上の余
分の密封界面を設けることにより、各個々の界面は、リ
ングシールの前後間の総圧力差のうちの一部分を受け止
めるだけでよいことになるので、所与の総圧力降下(即
ち、圧力差)に対して単一の密封界面を設けた場合ほど
大きな密封機能を有する必要はない。時間の経過ととも
に、リングシールの摩耗が継続し、最終的にはリングシ
ールは内孔内の肩部に接触する。すると、溝とリブとの
間の密封界面とリングシールと凹部との間の密封界面に
等しく小さい間隙が生じる。しかしながら、これらの密
封界面(以下、単に「界面」とも称する)の組み合わせ
は、ガス漏れ経路を蛇行経路とすることと、前記間隙内
に油を存在させるので、リングシールと凹部との間だけ
に設けられた単独の密封界面より優れた密封効果を発揮
する。
【0009】前記凹部が設けられている前記軸が、コン
プレッサのインペラの中心ハブを構成するものとするこ
とができる。
【0010】前記リングシールは、複数の内向きに開口
した環状溝を有することが好ましく、前記凹部の壁には
それに対応して複数の円周方向のリブを設けることが好
ましい。例えば、2つの環状溝を設け、それらに受容さ
れる2つの円周方向リブを設けることができる。リング
シールは、例えば鋳鉄等の金属で形成することができ、
前記軸は、スチール、好ましくはニトロ−カーボン化ス
チール製であることが好ましい。変型実施形態において
は、リングシールをプラスチック材で形成する。
【0011】リングシールを軸上に嵌合させるのを容易
にするために、リングシールをエンジンのピストンリン
グのように割りリングとすることが好都合である。例え
ば、割り面は、リングの全幅の半分に亘って延長し、次
いで短い長さに亘って円周方向に延長した後、リングの
全幅の残りの半分に亘って延長するドッグレッグの形と
することができる。
【0012】本発明のターボチャージャーに用いられる
空気/油シールは、両方向の良好な密封機能を在来のリ
ングシールに比べてはるかに長期間維持することによっ
てターボチャージャーの有効寿命を延長させる。しか
も、リングシールの構造が簡単であるため、ターボチャ
ージャーの製造コストをほとんど増大させない。
【0013】本発明は、又、本発明によるターボチャー
ジャーを装備した内燃エンジンを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1及び2に示される従来技術の
ターボチャージャーにおいては、コンプレッサのインペ
ラ軸(以下、単に「軸」と称する)1が軸受2によって
担持され、軸1の一端に、半径方向のブレード4を備え
たコンプレッサインペラ(以下、単に「インペラ」と称
する)3がその中心ハブ8を介して取り付けられてい
る。軸1の他端には、コンプレッサを駆動する排気ガス
駆動タービン(図示せず)が担持されている。ターボチ
ャージャーは、そのコンプレッサセクション外側ケーシ
ング5を有しており、そのケーシング内にターボチャー
ジャーの各構成部品が取り付けられている。ケーシング
5は、圧縮空気を通す渦形室6を画定するように形成さ
れており、圧縮空気は、この渦形室6からターボチャー
ジャーが接続されている内燃エンジンの吸気マニホール
ドに供給される。軸受2は、図2にみられるように、イ
ンペラ3のハブ8とケーシング5の内孔Bの壁の間に配
置されたシール7によって渦形室6内に空気の圧力から
隔離される。
【0015】シール7は、内孔B内に座着され、内孔か
らハブ8の周りに形成された周溝(円周方向の溝)10
内に突入した浮動リングシール11から成る。先に述べ
た漏出空気圧が、リングシール11を溝10内でハブ8
及び内孔Bの軸方向に軸受2の方に向けて摺動させ、初
期においては溝10の右側側面9に座置させる。それに
よってリングシール11の側面12が溝10の右側側面
9に圧接し、実質的に空気密及び油密密封界面を形成す
る。
【0016】リングシール11と側面9との間には相対
回転が生じるので、リングシール11に摩耗が生じる。
ケーシングの内孔Bの壁に形成された当接肩部13は、
摩耗が生じるにつれて軸受2の方に向かって変位するリ
ングシール11の軸方向の移動量を制限するストッパー
を構成するように溝10の側面9から所定距離離隔され
ている。限度にまで摩耗したときのリングシール11の
位置及び形状は、図2に破線で示されている。図から分
かるように、リングシール11と回転するハブ8との間
に更なる(上記限度を超えての)摩耗が生じると、溝1
0の側面9とリングシール11の側面12の間のクリア
ランス(間隙)が増大し、その結果として空気密密封の
効果が減少する。更に、エンジンの始動時では、特に潤
滑油の圧力がリングシール11を軸受2から離れる方向
に変位させる作用をする場合、油がその圧力によってコ
ンプレッサの方へ漏入することがある。
【0017】図3及び4は、本発明のターボチャージャ
ーに用いられるシールを示す。このリングシール14
は、その内側面に円周方向に形成された環状溝15を有
する。図には2つの互いに離隔した溝15が示されてい
るが、溝の数は増やしてもよく、あるいは1つであって
もよい。ハブ8に形成された凹部17の壁には、リング
シール14に対するハブ8の自由な回転を可能にするよ
うな態様でそれぞれの対応する溝15内に受容されるよ
うに寸法づけされた2つの円周方向のリブ18が形成さ
れている。リングシール14は、新しい、摩耗していな
い状態では図3に示される示される位置にあり、その側
面16は凹部17の側面に当接し、図2に示された従来
技術の構成の場合と同じ態様で凹部17の側面との間に
密封界面を形成する。しかしながら、先に述べたよう
に、溝15とリブ18との間に形成される蛇行又はラビ
リンス経路が、エンジンの始動時の油密封作用を高め
る。
【0018】使用においてリングシール14の側面16
が摩耗するにつれて、図1及び2を参照して上述したよ
うに、軸受の方に向かって移動する。しかしながら、本
発明の構成では、溝15内にリブ18が嵌合しているの
で、摩耗は、従来技術におけるようにリングシール14
の側面16だけには集中されず、溝15の側面にも分担
されるので、摩耗が生じる速度が遅くされる。更に、溝
15及びリブ18の軸方向の寸法が適当な公差をもって
規定されている限り、リブの側面と溝の側面とは互いに
緊密な密封接触をする。
【0019】リングシール14の溝15は引き続き摩耗
し、最終的にはリングシール14は図4に示されるよう
に内孔内の肩部13に接触し、溝15とリブ18の隣接
する側面の間に等しく小さい間隙が生じる。しかしなが
ら、本発明によれば、2つ以上の密封界面(リングシー
ルの側面16と凹部17の側面9との間の界面と、それ
と直列の関係をなす、溝15とリブ18の間の1つ以上
の密封界面)を設けたことにより、各個々の界面は、リ
ングシールの前後間の総圧力差のうちの一部分を受け止
めるだけでよいことになるので、所与の総圧力降下(即
ち、圧力差)に対して単一の密封界面を設けた場合ほど
大きな密封機能を有する必要はない。しかしながら、
又、それらの小さい間隙内に存在する油のメニスカス作
用が、エンジンの始動時に軸の軸受領域からコンプレッ
サ内への油の漏入流に抵抗する働きをする。かくして、
本発明のターボチャージャーに用いられるシールは、一
方向への(コンプレッサ内から外部への)空気の漏出
と、逆方向の(軸受領域からコンプレッサ内への)油の
漏入の両方を効果的に制御することができる。
【0020】リングシール14を軸1上に嵌合させるの
を容易にするために、リングシールをエンジンのピスト
ンリングのように割りリングとすることが好都合であ
る。図5に示されるように、割り面Sは、リングシール
14の全幅の半分に亘って延長し、次いで短い長さに亘
って円周方向に延長した後、リングシールの全幅の残り
の半分に亘って延長するドッグレッグの形とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来技術による浮動リングシールを有
するターボチャージャーの一部分の一部断面による概略
図である。
【図2】図2は、図1に示されたターボチャージャーの
リングシールの拡大断面図である。
【図3】図3は、図2に対応する図であるが、新しく装
着されたばかりの本発明の一実施形態によるリングシー
ルを示す。
【図4】図4は、図3と同様の図であるが、リングシー
ルが摩耗した後の状態を示す。
【図5】図5は、図4のリングシールを矢印Wの方向に
みた部分図である。
【符号の説明】
1 軸 2 軸受 3 インペラ 5 ケーシング 8 中心ハブ 9 側面 13 肩部 14 リングシール 15 環状溝 16 側面 17 凹部 18 リブ B 内孔 S 割り面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンのためのターボチャージャ
    ーであって、 内孔(B)を画定するケーシング(5)と、 該内孔内に収容された軸受(2)と、 該内孔内で回転するように該軸受に装着されたインペラ
    軸(1)と、 前記内孔内に前記軸受に近接して配置されており、前記
    軸に形成された円周方向の凹部(17)内へ半径方向に
    突入した浮動リングシール(14)とから成り、 前記リングシール(14)は、使用中、圧力差によって
    所定の軸方向に前記内孔(B)に沿って摺動せしめられ
    て前記凹部(17)の側面(9)に圧接し該側面との間
    に密封界面を形成するように該リングシールの前後間の
    圧力差を受けるようになされており、該リングシール
    (14)が該凹部(17)の側面(9)に圧接した状態
    で該側面との間で相対回転することにより生じた摩耗に
    起因する該リングシール(14)の過度の軸方向の摺動
    を制限するために前記内孔(B)の壁に肩部(13)が
    設けられており、 該リングシールの密封性能を高め、かつ、摩耗速度を抑
    制するために、該リングシールに少くとも1つの内向き
    に開口した環状溝(15)が設けられているとともに、
    前記凹部(17)の壁に該環状溝に受容される円周方向
    のリブ(18)が設けられており、該環状溝の側面は、
    前記圧力差を受けて該対応するリブの側面との間に密封
    界面を形成するようになされていることを特徴とするタ
    ーボチャージャー。
  2. 【請求項2】 前記凹部が設けられている前記軸は、イ
    ンペラ(3)の中心ハブ(8)を構成することを特徴と
    する請求項1に記載のターボチャージャー。
  3. 【請求項3】 前記リングシールは、複数の内向きに開
    口した環状溝を有し、前記凹部の壁にはそれに対応して
    複数の円周方向のリブが設けられていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のターボチャージャー。
  4. 【請求項4】 前記リングシールは、2つの環状溝を備
    えていることを特徴とする請求項3に記載のターボチャ
    ージャー。
  5. 【請求項5】 前記リングシールは、該リングシールの
    全幅の半分に亘って延長し、次いで短い長さに亘って円
    周方向に延長した後、該リングシールの全幅の残りの半
    分に亘って延長するドッグレッグの形を有する割り面に
    よって分割されていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のターボチャージャー。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタ
    ーボチャージャーを装備した内燃エンジン。
JP2001059482A 2000-03-04 2001-03-05 ターボチャージャー Expired - Lifetime JP4524050B2 (ja)

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EP (1) EP1130220B1 (ja)
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GB (1) GB2359863B (ja)

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