JP2001271238A - 耐熱性捲縮糸の製造法 - Google Patents

耐熱性捲縮糸の製造法

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JP2001271238A
JP2001271238A JP2000084859A JP2000084859A JP2001271238A JP 2001271238 A JP2001271238 A JP 2001271238A JP 2000084859 A JP2000084859 A JP 2000084859A JP 2000084859 A JP2000084859 A JP 2000084859A JP 2001271238 A JP2001271238 A JP 2001271238A
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Takeshi Hatano
武 波多野
Kazuhiko Kosuge
一彦 小菅
Mitsuhiko Tanahashi
光彦 棚橋
Iori Nakabayashi
伊織 中林
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Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 耐熱高機能繊維たとえばパラ系アラミド繊
維等の糸条から、伸縮性に優れた捲縮糸、特に難燃性、
耐熱性、高強度、伸縮性を兼備した機能的作業用衣料品
の用途に適した捲縮糸を得ること。そのための、経済的
生産設備、容易な工程管理、高生産性で実施可能であり
しかも糸条の劣化を伴わない加工方法を提供すること。 【解決手段】耐熱高機能繊維糸条に第1の撚りを加え、
乾熱処理により熱セットし、次いで前記撚りと反対方向
の撚りを与えて解撚することを特徴とする耐熱性捲縮糸
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアラミド繊維等の耐
熱高機能繊維捲縮糸の製造方法に関する。さらに詳しく
は、優れた耐熱性、難燃性、高強度特性のみならず良好
な伸縮伸長率、伸縮弾性率及び優れた外観を有し、製編
織布帛に伸縮性と嵩高性が付与された耐熱高機能繊維捲
縮糸を提供するための、乾熱処理を特徴とする捲縮加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロンやポリエステル繊維等の汎用熱
可塑性合成繊維は約250℃前後で溶融するのに対し
て、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベ
ンゾビスオキサゾ−ル繊維等の耐熱性に優れた耐熱高機
能繊維の分解温度は500℃前後と高温である。また、
前記非耐熱性汎用繊維であるナイロンやポリエステルの
限界酸素指数は20前後であり、空気中でよく燃焼する
のに対して、これら耐熱高機能繊維の限界酸素指数は2
5以上であって、空気中では熱源である炎を近づけるこ
とによって燃焼するが、炎を遠ざけると燃焼を続けるこ
とができない。このように、耐熱高機能繊維は耐熱性、
難燃性に優れた素材である。例えばアラミド繊維は炎や
高熱に曝される危険の大きい場面での衣料製品、例えば
消防服、自動車レース用のレーシングスーツ、製鉄用作
業服、溶接用作業服等に好んで用いられている。中で
も、これら耐熱性と高強度特性を併せ持ったパラ系アラ
ミド繊維は引裂き強さと耐熱性を要するスポーツ衣料や
作業服などに利用されており、また刃物によって切れに
くいことから作業用手袋などにも利用されている。
【0003】これら耐熱高機能繊維を衣料製品などの製
品の形で利用するに当たっては、しかしながら従来糸条
の形態として捲縮のないフィラメントや紡績糸として利
用されているにすぎなかった。その場合、これら非捲縮
フィラメントや紡績糸の形態では布地に加工しても伸縮
性がないため、そのような布地の消防服やレーシングス
ーツ、作業服等において、着用時活動しにくい難点があ
り、特に精密部品を取り扱う航空機産業や情報機器産業
で使用される作業手袋においては、着用時作業性が悪い
ので作業効率の低下につながり、耐熱繊維製品の活動
性、作業性の改善が求められている。
【0004】ナイロン、ポリエステル繊維など一般の熱
可塑性合成繊維からは、その熱セット性を利用して高度
捲縮性を持つ捲縮フィラメント糸を製造することは容易
であって、例えば撚りを加えて加熱後冷却して熱セット
を付与して捲縮させる仮撚り法、矩形空間に糸条を押し
込んで座屈させた後熱セットする押し込み法等の捲縮付
与方法が確立され広く行われているところである。他
方、耐熱高機能繊維は非熱可塑性であるが故に前記仮撚
り法や押し込み法による加工条件、方法をそのまま適用
して捲縮フィラメント糸を製造することは困難である。
耐熱高機能繊維に適合した捲縮付与方法は未だ確立され
るに至っていないので、これまで耐熱高機能繊維は捲縮
のないフィラメントや紡績糸の形態でのみ使用されてき
たのである。
【0005】しかしながら、耐熱高機能繊維に捲縮を付
与する方法ないしは耐熱高機能繊維捲縮糸についての研
究、提案は多数なされてきている。例示するならば、耐
熱性繊維例えば全芳香族ポリアミド繊維等から紡糸条件
を工夫することによって、特別な捲縮付与方法・装置に
頼ることなく、捲縮能を有する耐熱性捲縮繊維を製造す
る方法(特開昭48−19818)、パラ配向芳香族ポ
リアミド等の光学異方性ドープを乾式ジェット湿式紡糸
した後スタフィングボックスで室温で捲縮付与し、弛緩
状態で乾燥することからなる、非加熱押し込み法(特開
昭53−114923)、高弾性率繊維例えばパラ型ア
ラミド繊維に低弾性率繊維を混合して押込捲縮を付与す
る方法(特開平1−192839)、例えば1方法とし
てのパラ系アラミドと硫酸とからなる光学異方性ドープ
を特定条件で乾湿式紡糸して得られるアラミド自己捲縮
フィラメント(特開平3−27117)、アラミド繊維
をその分解開始温度以上、分解温度未満(メタ系アラミ
ドの場合390℃以上460℃未満)に加熱した非接触
ヒーターを用い仮撚り捲縮加工した後、弛緩熱処理する
連続的製造方法(特開平6−280120)などが公知
である。だが、公知方法のいずれにおいても、工程管理
の容易性、設備の簡易性、優れた生産性、低コスト等の
実用化可能性の観点からすれば克服すべき技術的課題の
すべてが揃って解決されているわけではなく、従って物
性の劣化などなく伸縮伸長率等に優れた品質の耐熱高機
能繊維捲縮糸も未だ市場化されていないのが現状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みて、生産性、設備、コストなどの点で実
用的な耐熱高機能繊維捲縮糸の加工方法を提供すること
ならびに加工処理時に糸条の劣化なく、伸縮性、耐熱
性、強度、外観ともに優れた品質の捲縮糸を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って上記課題を満足さ
せるための本発明は、例えばアラミド繊維等の耐熱高機
能繊維糸条に撚りを加え、乾熱処理を行った後、前記撚
りを解撚させることを特徴とする耐熱高機能繊維捲縮糸
の製造方法にある。
【0008】本発明方法は具体的には通常は、耐熱高機
能繊維等に先ず第1(S又はZのいずれか)の撚りを加
え、好ましくはこれをアルミなどの耐熱性ボビンに巻き
上げ、特定温度範囲で加熱して熱セットし撚りを固定す
る。次いで、通常後前記撚りとは逆方向の第2の撚り
(Z又はS)を与えて解撚させることにより捲縮糸を製
造するものである。
【0009】本発明方法によれば、第1の撚りをかける
ことによって糸条を構成する繊維は螺旋状の複雑な形態
を取り、その形状が加熱作用によって固定される。しか
るに次の逆方向撚りによる解撚によって、単繊維は第1
の撚りを与えられた時の形状を記憶したまま逆の撚りに
よる拘束から解き放たれようとして夫々の配置を取ろう
とし結果として捲縮糸の形態になると考えられる。
【0010】本発明者らは、上記問題点を解決するため
に高温高圧水蒸気又は高温高圧水処理によって熱セット
を行うことを特徴とする耐熱性捲縮糸の製造方法を見出
し、特許出願した(特願平11−381825)。この
高温高圧の水蒸気又は水処理は、密閉された高圧に耐え
る熱処理容器を必要とし、工程は通常はバッチ式となる
が、本発明方法によると、熱処理のための高温高圧水
蒸気や高温高圧水が不要であるばかりでなく、大気圧
下で撚り固定ができ、耐高圧熱処理器が不要で、バッ
チ式でも高温処理領域を通過させる連続処理でもよく、
高温処理領域にホットエア、流動床が採用できて、工業
的に有利である。
【0011】すなわち、本発明は(1)耐熱高機能繊維
糸条に撚りを加えた後、乾熱処理により熱セットを行
い、次いで前記撚りの解撚を行うことを特徴とする耐熱
性捲縮糸の製造方法、(2)前記耐熱性高機能繊維糸条
に加えられる撚りは下記式で表わされる撚り係数K5,
000〜11,000を有すること、前記熱処理は14
0〜390℃の温度で行うことを特徴とする前記(1)
に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法、 K=t×D1/2〔但し、t:撚り数(回/m)、D:繊度
(tex)を表わす〕、 (3)耐熱性高機能繊維糸条に撚りを加えた後、乾熱処
理により熱セットを行い、次いで前記撚りの解撚をする
工程を連続的に行うことを特徴とする前記(1)又は
(2)に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法、(4)熱処理
温度が200〜330℃であることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の耐熱性捲縮糸の製造
方法、(5)耐熱高機能繊維がパラ系アラミド繊維、メ
タ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維及びポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維からなるグ
ループから選ばれた繊維であることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の耐熱性捲縮糸の
製造方法、(6)パラ系アラミド繊維がポリパラフェニ
レンテレフタルアミド繊維である前記(1)〜(5)の
いずれか1項に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法、(7)
耐熱性捲縮糸の伸縮伸長率が6%以上で伸縮弾性率が4
0%以上であることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれか1項に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法、及び
(8)前記(1)〜(7)のいずか1項に記載の方法に
よって得られる耐熱性捲縮糸からなる嵩高、伸縮性繊維
製品、に関する。すなわち、本発明は高温高圧の水蒸気
又は水を使用しない加熱(乾熱)処理による熱セットを
採用している。
【0012】
【発明の実施の形態】ここで、本発明で出発材料とする
糸の耐熱高機能繊維としては限界酸素指数25以上の難
燃性と示差走査熱量測定法による熱分解温度400℃以
上とを有する繊維が好ましい。その例としては、アラミ
ド繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えばクラレ製、
商品名ベクトラン)、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾ−ル繊維(例えば東洋紡製、商品名ザイロン)な
どが挙げられる。アラミド繊維にはメタ系アラミド繊維
とパラ系アラミド繊維があり、前者はメタ系全芳香族ポ
リアミド繊維であり、例えばポリメタフェニレンイソフ
タルアミド繊維(デュポン社製、商品名ノーメックス)
があり、後者はパラ系全芳香族ポリアミド繊維であり、
例えばポリパラフェニレンテレフタラミド繊維(東レ・
デュポン社製、商品名ケブラー)及びコポリパラフェニ
レン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタラミド繊
維(帝人製、商品名テクノーラ)がある。これらはフィ
ラメント糸、紡績糸のいずれでもよい。これら耐熱高機
能繊維と他の繊維との混織でもよく、この場合、好まし
くは耐熱高機能繊維約50%以上と残部が他の繊維との
混織である。中でも最も好ましいのはパラ系アラミド繊
維、特にポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であ
る。その際、初めの撚りを示す撚り係数K値は次式で表
される。 K=t×D1/2〔但しt:撚り数(回/m)、D1/2:繊
度(tex)〕
【0013】糸条の太さに関係なく撚りの程度を表わす
指標として、上記のような撚り係数Kを用いるが、撚り
係数が大きいほど撚りの程度は高い。第1の撚りをかけ
る時の撚り係数はKの値が約5000〜11000程度
であることが好ましい。より好ましくは約6000〜9
000程度である。撚り係数Kが5000未満では得ら
れる捲縮の程度が低く実用に適さないのに対して、Kが
11000以上では撚りの程度が高すぎて糸条内で単繊
維の切断が発生しやすく好ましくない。
【0014】加熱処理の温度条件としては、通常約14
0〜390℃程度、好ましくは約170〜350℃程
度、最も好ましくは約200〜330℃程度である。1
40℃未満であると得られる捲縮糸の捲縮の程度が実用
に適さず、390℃を越えると熱エネルギーの無駄であ
るし、例えばアラミド繊維の場合分解が開始するから糸
条の劣化を起こすので避けるのが好ましい。加熱処理の
ためのヒーターは、接触ヒーターでもよいし、非接触ヒ
ーターでもよく、又ホットエア方式でも流動床方式でも
よく、加熱は自体公知の手段によって行われてよい。バ
ッチ式における加熱時間は、繊維の種類、糸条の太さ、
加熱温度により異なるため一概には言えないが、通常は
2〜100分が望ましい。より好ましくは10〜100
分、最も好ましくは20〜40分の範囲である。2分未
満ではボビンに巻かれた糸条が均一に処理できないこと
があり、100分以上では繊維物性の劣化をきたす場合
がある。ボビンに糸条を巻いて加熱撚りセット処理する
バッチ式に比べ、糸条に連続的に加工を行ういわゆる仮
撚り加工の場合は、熱処理効果が高いので加熱時間は
0.1〜5分、好ましくは0.2〜3分である。本発明
方法は、加熱は加圧下、減圧下、常圧下のいずれでもよ
いが、好ましくは常圧下で行われる。なお、本発明にお
いては熱セットのために加熱に高温高圧水蒸気や高温高
圧水を使わない。高温高圧水蒸気や高温高圧水を用いな
い本発明の加熱処理を乾熱処理と称する.
【0015】上記のように、本発明の熱処理において、
例えばアラミド繊維の分解温度以上の高温処理を処す必
要がないので、高温のための糸切れは発生しにくい。又
さらに、連続的に加工を行ういわゆる仮撚り加工におい
ては、ヒーターとして接触ヒーターを用いてもタール状
のミストが溜まりにくい。ミストが溜まり易いアラミド
繊維であっても、安定して加工することができ、接糸面
の頻繁な清掃は不要である。本発明において、仮撚り加
工においては熱処理によるセットの前に行われる第1の
施撚は特に限定されるものではなく、スピンドル法、ニ
ップベルト法、空気ノズル法等のいずれでもよいが、ス
ピンドル法で仮撚加工する場合には、1本ピンでもよ
い。2本ピン以上、特に4本ピンのスピナを用いること
が好ましい。すなわち、スピンドル法で通常使用される
1本ピンのスピナを使用して仮撚加工する際には、供給
糸をピンに1回巻きつける必要があるが、摩擦によって
切れやすい耐熱高機能糸条は糸切れすることもあり得
る。しかしながら、2本以上、特に上2本と下2本の位
置をずらして設置した4本ピンのスピナを使用し、ピン
とピンの間をジグザグ状に糸を通して、糸が上部中心部
から入り、下部中心部から出るようにすれば、より効率
よく撚加工することが可能となる。この場合、糸条はピ
ンとピンの間で屈曲されるので摩擦抵抗で撚が付与され
る。
【0016】本発明の捲縮糸製造において、バッチ式で
はまず第1の撚りを加える撚糸工程ではリング撚糸機、
ダブルツイスター撚糸機あるいはイタリー式撚糸機等い
ずれの撚糸機で撚糸を行ってもよい。このような第1の
施撚の後、乾熱処理し、次いで解撚処理すると嵩高性と
伸縮性に優れた捲縮糸が得られる。バッチ式、連続式い
ずれも所望により、これをさらに弛緩熱処理に付しても
よいがしなくても結構である。弛緩熱処理をするとすれ
ば上記のように製造した捲縮糸を一旦パッケージに巻き
取り、これを温度100〜150℃の加圧もしくは加熱
水蒸気でオーバーフィード率30〜50%で5〜10分
間処理するのが好ましい。
【0017】バッチ式では加熱処理後の撚り糸は次いで
第1の撚りとは逆方向に第2の撚りを与えて解撚され
る。解撚時も撚糸時と同じように如何なる撚糸機を用い
てもよい。解撚時は通常は加熱も冷却も必要なく、空気
冷却に任せるのがよい。連続的処理する仮撚り方式は装
置的には種々のものが利用可能であるが、例えば長さ約
10m程度の加熱ゾーンと例えば長さ約5mの空冷ゾー
ンとの間に撚りかけ装置を設けて、両ゾーンを通過する
ヤーンに撚りをかけ、加熱ゾーンで撚り固定を行い空冷
ゾーンで撚りを解撚する仮撚り方式連続装置が好まし
い。本発明方法により製造される耐熱性捲縮糸の伸縮伸
長率は少なくとも5%以上好ましくは6%以上、最も望
ましくは約10〜30%、当該捲縮糸の伸縮弾性率は少
なくとも約40%以上、望ましくは約50〜100%、
最も望ましくは約70〜100%である。
【0018】次に、パラ系アラミド捲縮加工糸の製造方
法の一実施態様を図面により説明する。図1は、本発明
の仮撚加工工程を示す概略工程図であり、供給糸1は供
給ローラ2で仮撚域に供給され、図2に示すようにピン
8、9、10、11の順で屈曲してスピナ3を通過しなが
ら摩擦抵抗で撚が付与され、非接触ヒータ4で熱固定さ
れる。次いで、供給糸1はスピナ3の下流側で解撚さ
れ、引取りローラ5で引取られた後、捲取りローラ6で
パッケージ7に捲取られる。パッケージ7に捲取られた
仮撚加工糸は、綛に捲かれた後、湿熱処理が施されて潜
在捲縮を発現し、目的とするパラ系アラミド捲縮加工糸
となる。
【0019】以下本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。各物性等の評価方法は次の方法に依拠した。 限界酸素指数:JIS K 7201 酸素指数法による
高分子材料の燃焼試験方法。 熱分解点:JIS K 7120 プラスチックスの熱重
量測定方法により測定した。 伸縮性:JIS L 1090 合成繊維フィラメント嵩
高加工糸試験方法5.7.A法により伸縮伸長率と伸縮
弾性率を測定した。 繊度:JIS L 1090 合成繊維フィラメント嵩高
加工糸試験方法5.3により正量繊度を測定した。 引張強さ:JIS L 1090 合成繊維フィラメント
嵩高加工糸試験方法5.5.1に準じて測定した。但
し、単繊維の乱れを無くし糸条を構成する単繊維それぞ
れに応力がかかるように測定前に撚り係数K=1000
の撚りを加えて測定した。
【0020】
【実施例】実施例1〜6 限界酸素指数28、熱分解点537℃、引張強さ2.0
3 N/tex、引張弾性率49.9 N/tex、繊度167 tex
を有する東レ・デュポン社製ポリパラフェニレンテレフ
タルアミド繊維(商品名ケブラー)の糸条を使用して、
リング撚糸機((株)柿木製作所製複合撚糸機タイプK
CT)で撚り係数K=8258相当の第1の撚りを加え
た糸条を熱風乾燥機に入れて130〜250℃で乾熱処
理を行った。次いで、上記撚糸機により第1とは逆方向
に第2の撚りを与えて撚り数が0になるまで解撚し、捲
縮糸条を得た。この捲縮糸条の物性を測定した。その結
果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】同様に撚り数を変化させ、そして熱処理時
間も変化させそれらの影響についても検討した。その結
果を表2及び表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】実施例7 長さ10mの加熱ゾーンと長さ5mの空冷ゾーンの間に
撚りかけ装置を設け、両ゾーンを通過するヤーンに撚り
係数K=8258の撚りをかけ、加熱ゾーンで撚り固定
を行い空冷ゾーンで撚りを解撚するいわゆる仮撚り方式
により連続的に捲縮糸を得た。原糸はパラ系アラミド繊
維ケブラー22Texである。加熱ゾーンは300℃に
加熱し糸条の速度は10m/minであった。得られた
捲縮糸の物性は次の通りであった。
【0026】
【表4】
【0027】得られたパラ系アラミド繊維ケブラーの捲
縮糸の元撚りS方向、Z方向の残留トルクが異なるS、
Zを2本引きそろえて島精機の13ゲージシームレスグ
ローブ編機へ供給し、薄手のグローブを得た。このグロ
ーブは、紡績糸で作ったグローブと異なり、次の利点が
ある。 1)伸縮性があって手によくフィットするが、手の動き
を阻害しないので作業性がよい。 2)毛羽がでにくいのでクリーンルームなどのホコリの
許されない環境での作業に適する。
【0028】
【発明の効果】本発明は、耐熱高機能繊維糸条に第1の
加撚後、加熱下に熱セット処理、次いで逆方向撚りを与
えて解撚する捲縮糸の製造方法であるが、撚りのための
熱セットのために高圧高温の飽和水蒸気又は高温高圧水
を利用しないので、耐圧密閉容器などを使用する必要が
なく、連続工程が可能になるから、生産設備、工程管
理、コスト、生産性ともに有利な製造方法である。ま
た、加熱といっても分解温度より低い温度を利用する方
法であるので、糸条の劣化なく耐熱性と伸縮性を兼備し
た、優れた実用的捲縮糸を得ることができる。そのため
耐熱性と伸縮性を要する様々な用途に実用化が可能であ
る。例えば薄手の耐熱安全グローブ、消防服、自動車レ
ース用のレーシングスーツ、製鉄用作業服、溶接用作業
服などに適用して伸縮性のある着用感に優れた機能性衣
料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパラ系アラミド捲縮加工糸の製造方
法における仮撚加工工程の一実施態様を示す概略工程図
である。
【図2】 図1の仮撚加工工程で使用する4本ピンのス
ピナを示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 供給糸 2 供給ローラ 3 スピナ 4 非接触ヒータ 5 引取りローラ 6 捲取りローラ 7 パッケージ 8〜11 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 一彦 東京都中央区日本橋本町1丁目5番6号 東レ・デュポン株式会社本社内 (72)発明者 棚橋 光彦 岐阜県岐阜市白山町3丁目2番地3号 藤 和シティホームズ新岐阜1002 (72)発明者 中林 伊織 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 Fターム(参考) 4L036 MA04 MA05 MA06 PA05 PA18 RA04 UA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱高機能繊維糸条に撚りを加えた後、
    乾熱処理により熱セットを行い、次いで前記撚りの解撚
    を行うことを特徴とする耐熱性捲縮糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性高機能繊維糸条に加えられる
    撚りは下記式で表わされる撚り係数K5,000〜1
    1,000を有すること、前記熱処理は140〜390
    ℃の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の耐熱
    性捲縮糸の製造方法。 K=t×D1/2〔但し、t:撚り数(回/m)、D:繊度
    (tex)を表わす〕
  3. 【請求項3】 耐熱性高機能繊維糸条に撚りを加えた
    後、乾熱処理により熱セットを行い、次いで前記撚りの
    解撚をする工程を連続的に行うことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理温度が200〜330℃であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性
    捲縮糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱高機能繊維がパラ系アラミド繊維、
    メタ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維及びポ
    リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維からなる
    グループから選ばれた繊維であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱性捲縮糸の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 パラ系アラミド繊維がポリパラフェニレ
    ンテレフタルアミド繊維である請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の耐熱性捲縮糸の製造方法。
  7. 【請求項7】 耐熱性捲縮糸の伸縮伸長率が6%以上で
    伸縮弾性率が40%以上であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性捲縮糸の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずか1項に記載の方法
    によって得られる耐熱性捲縮糸からなる嵩高、伸縮性繊
    維製品。
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